JP3542149B2 - ペルフルオロアルカンの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ペルフルオロアルカンの製造方法に関する。更に詳しくは、ペルフルオロアルキルヨージドからそのカップリング体であるペルフルオロアルカンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルフルオロアルキルヨージドからそのカップリング体であるペルフルオロアルカンを製造する方法としては、従来次のような方法が提案されている。
Journal of Fluorine Chemistry 第36巻第123〜139頁(1987):
アセトニトリル中で、ペルフルオロアルキルヨージドをカドミウムと反応させる方法。この方法では、比較的良好な単離収率でカップリング体であるペルフルオロアルカンを得ることが可能であるが、カドミウムは毒性が強く、また反応後の廃液処理も困難であり、工業的実施には良好な方法とはいえない。
Journal of Fluorine Chemistry 第6巻第105〜113頁(1975):
無水酢酸−ジクロロメタン混合溶媒中で、ペルフルオロブチルヨージドを亜鉛と反応させる方法。この方法では、カップリング体であるペルフルオロアルカンを65%の単離収率で得ることができるが、塩素系有機溶媒であるジクロロメタンの使用は、作業者の安全や環境への悪影響も懸念され、好ましくない。
米国特許第4,097,344号明細書:
ペルフルオロアルキルヨージドを、酢酸ナトリウム−酢酸−アセトニトリル系で、電気化学的にカップリング反応を行い、ペルフルオロアルカンを得る方法。この方法は、メチルペルフルオロアルカン F(CF2)nCH3 の副生を伴うばかりではなく、高価な電気化学反応装置を必要としている。
米国特許第3,899,541号明細書、同第3,637,868号明細書:
ペルフルオロアルキルヨージドを、フッ化セシウムを触媒として、オートクレーブ中で高温でのカップリング反応を行う方法。この方法には、275℃以上の高温を必要とするため、オートクレーブ等の耐圧反応容器が必要である。
PCT出願W092/06060:
ペルフルオロアルキルヨージドを、亜鉛またはカドミウムを使用して、塩酸中でカップリング反応させ、ペルフルオロアルカンを得る方法。この方法で、1H−ペルフルオロアルカンの副生が少なく、良好な選択率でカップリング体を得ているのは、毒性の強いカドミウムを使用した系であり、亜鉛を使用した系におけるカップリング体の選択率は、比較的低い水準にとどまっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ペルフルオロアルキルヨージドを亜鉛の存在下でカップリング反応させ、カップリング体であるペルフルオロアルカンを製造するに際し、長鎖のペルフルオロアルキルヨージドからでも、良好な選択率であるいは有機溶媒を使用することなく、ペルフルオロアルカンを製造し得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、一般式 F(CF2)nI (ここで、nは1〜30の整数である)で表わされるペルフルオロアルキルヨージドを、亜鉛およびスルホランまたは水の存在下で反応させ、一般式 F(CF2)2nF (ここで、nは1〜30の整数である)で表わされるペルフルオロアルカンを製造することによって達成される。
【0005】
原料物質であるペルフルオロアルキルヨージド F(CF2)nI としては、n=1〜30であって要求する生成物の性状により任意のnのものを選択可能である。より具体的には、室温下でガス状または液状の生成物を得たいときにはnが4以下のものが、また固体状の生成物を得たいときにはnが5以上のものがそれぞれ選択される。また、nが種々の分布を有する混合物も勿論問題なく用いられる。
【0006】
亜鉛は、市販の粉末状のものをそのまま使用することができるが、場合によっては常法により表面を活性化して用いてもよい。原料物質のペルフルオロアルキルヨージドに対して、亜鉛は約0.5〜4のモル比で用いられ、反応性と廃棄物処理(未反応亜鉛など)の観点からは約1〜2のモル比で用いられることが好ましい。
【0007】
反応溶媒として用いられるスルホランとしては、市販の無水スルホラン、含水スルホランのいずれをも用いることができるが、目的物であるペルフルオロアルカンの選択率を向上させるためには、無水スルホランを用いることが好ましい。スルホランは、原料ペルフルオロアルキルヨージドに対して、一般に重量で約
0.5〜10倍量程度用いられるが、比較的長鎖のペルフルオロアルキルヨージドに対しては、多く用いられることが好ましい。なお、ペルフルオロアルキルヨージドは、反応系内に均一に溶解している必要はなく、けん濁状態でも反応は十分に進行する。
【0008】
反応溶媒として水が用いられた場合、水はやはり原料ペルフルオロアルキルヨージドに対して、一般に重量で約0.5〜10倍量程度用いられる。比較的長鎖のペルフルオロアルキルヨージドの水に対する分散性は、あまり良好とはいえないが、けん濁状態でも反応は十分に進行する。
【0009】
反応に際しては、反応に用いられる物質のすべてを一括して仕込んでもよいが、反応熱の制御などの点から、特定の物質を分割して仕込むことも行われる。反応溶媒としてスルホランが用いられた場合には、反応は約50〜200℃の温度で進行するが、原料ペルフルオロアルキルヨージドが比較的長鎖のものについては、100℃以上の温度で反応させることが望ましい。また、反応溶媒として水が用いられた場合には、反応は約50〜100℃の温度で進行するが、原料ペルフルオロアルキルヨージドの分散状態が良好な水の還流温度付近で反応させることが望ましい。反応時間は数〜20時間程度であり、比較的長鎖のペルフルオロアルキルヨージド程長い反応時間を必要とするが、20時間程度反応させると、原料ペルフルオロアルキルヨージドは完全に消失する。
【0010】
反応終了後は、生成ペルフルオロアルカンが液状体の場合には、反応混合物のロ過、分液により粗生成物が得られ、また生成ペルフルオロアルカンが固体状の場合には、反応混合物からスルホランまたは水をロ別することにより粗生成物が得られる。粗生成物中に含まれる無機塩類、未反応亜鉛等は、水や無機酸などによる洗浄で除去することができる。また、粗生成物中に含まれる副生成物の1H−ペルフルオロアルカンは、蒸留、溶媒抽出、昇華、再結晶等の手段を適宜適用することで除去することができ、目的物のカップリング体であるペルフルオロアルカンを単離することができる。
【0011】
【発明の効果】
ペルフルオロアルキルヨージドを亜鉛の存在下でカップリング反応させ、そのカップリング体であるペルフルオロアルカンを製造するに際し、反応溶媒としてのスルホランを共存させて反応を行うことにより、n=10〜30であって一般にnが分布を有する長鎖のペルフルオロアルキルヨージドからでも、1H−ペルフルオロアルカンの副生が少なく、即ち良好な選択率で目的物を得ることができる。また、水を共存させて反応を行うことにより、有機溶媒を使用することなく、反応を遂行させることができる。
【0012】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0013】
実施例1
温度計、冷却管および撹拌装置を備えた三口フラスコ中に、C12F25I 74.6g
(0.1モル)、粉末状亜鉛6.54g(0.1モル)および無水スルホラン200gを仕込み、120℃で6時間反応させた。反応混合物をロ過し、残渣を35%塩酸100ml中で2時間撹拌、洗浄した後、更に100mlの水で2回洗浄を行い、粗生成物を得た。この粗生成物のガスクロマトグラフィー分析結果は、次のような組成を示していた。
F(CF2)24F 88%
F(CF2)12H 10%
C12F25I 0%
【0014】
この粗生成物について、80℃で12時間の昇華を行い、1H−ペルフルオロドデカン F(CF2)12H を除去することにより、目的物たるペルフルオロテトラコサン
F(CF2)24F を49.6g(収率80%)得た。
融点:192.1〜193.1℃
元素分析(C24F50)
実測値 C:23.30%,F:76.61%
計算値 C:23.26%,F:76.74%
【0015】
実施例2
温度計、冷却管および撹拌装置を備えた三口フラスコ中に、F(CF2)nI (n=10が5%、n=12が48%、n=14が30%、n=16が11%、n=18が4%、n=20が2%の混合物で、平均分子量が813)40.65g(0.05モル)、粉末状亜鉛3.27g(0.05モル)および無水スルホラン150gを仕込み、150℃で20時間反応させた。反応混合物をロ過し、残渣を35%塩酸50ml中で2時間撹拌、洗浄した後、更に50mlの水で2回洗浄を行い、粗生成物24.2gを得た。
【0016】
この粗生成物は、ガスクロマトグラフィー分析の結果、ペルフルオロアルキルヨージドの反応率は100%で、その内目的物たるペルフルオロアルカン F(CF2)2nFの選択率は85%、1H−ペルフルオロアルカン F(CF2)nH の選択率は15%であった。
【0017】
実施例3
実施例1において、無水スルホランの代わりに同量の水を用い、還流温度で20時間反応させて、目的物たるペルフルオロテトラコサンを37.2g(収率60%)得た。
融点:192.1〜193.0℃
元素分析(C24F50)
実測値 C:23.29%,F:76.63%
計算値 C:23.26%,F:76.74%
【0018】
実施例4
温度計、冷却管および撹拌装置を備えた三口フラスコ中に、C4F9I 34.6g(0.1モル)、粉末状亜鉛6.54g(0.1モル)および水100gを仕込み、70℃で6時間反応させた。反応混合物をロ過し、ロ液の下層を分取して蒸留し、ペルフルオロオクタンF(CF2)8F を15.4g(収率70%)得た。
沸点:104〜105℃
元素分析(C8F18)
実測値 C:21.95%,F:78.01%
計算値 C:21.92%,F:78.08%
質量分析:m/e (438M+)
【0019】
比較例
実施例1または3において、無水スルホランまたは水のいずれをも用いずに、100℃で20時間の反応を行った。得られた粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、原料の C12F25I の反応率は25%であった。
Claims (2)
- 一般式F(CF2 )nI(ここで、nは1〜30の整数である)で表わされるペルフルオロアルキルヨージドを、亜鉛およびスルホランの存在下で反応させることを特徴とする一般式F(CF2 )2nF (ここで、nは1〜30の整数である)で表わされるペルフルオロアルカンの製造方法。
- 一般式F(CF2 )nI(ここで、nは1〜30の整数である)で表わされるペルフルオロアルキルヨージドを、水のみを反応溶媒として亜鉛の存在下で反応させることを特徴とする一般式F(CF2 )2nF(ここで、nは1〜30の整数である)で表わされるペルフルオロアルカンの製造方法。
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