JP2016013994A - テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法 - Google Patents

テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの新規製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のテトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法は、下記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを熱分解する。
2n+2 ・・・(1)
[式中、nは4〜28の整数を表す。]
【選択図】 図1

Description

本発明は、テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法に関する。
テトラフルオロエチレン(CF=CF、以下、TFEと略す場合もある)及びヘキサフルオロプロピレン(CF=CF−CF、以下、HFPと略す場合もある)は、フッ素樹脂の原料として非常に有用なモノマーである。
TFE及びHFPの合成方法として、例えば、下記特許文献1及び2には、クロロジフルオロメタンを熱分解する方法が提案されている。
特表平11−500132号公報 特開昭63−267736号公報
上記の方法は、熱分解する化合物が分子中にフッ素以外のハロゲンを含むため、多くの副生成物が発生し、分離精製に手間がかかるという問題がある。
本発明の目的は、テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの新規製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のペルフルオロアルカンを熱分解することによってTFE及び/又はHFPが得られることを見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを熱分解する、テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法を提供する。
2n+2 ・・・(1)
[式中、nは4〜28の整数を表す。]
本発明の方法においては、上記ペルフルオロアルカンが、下記一般式(2)で表されるペルフルオロアルキルアイオダイドを二量化して得られるペルフルオロアルカンを含むことが好ましい。
2m+1I ・・・(2)
[式中、mは2〜14の整数を表す。]
上記の方法によれば、廃棄される可能性のある化合物を利用して有用なTFE及び/又はHFPを得ることができる。ペルフルオロアルキルアイオダイドは、ペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物を製造するための原料として知られているが、その合成では炭素数の分布を制御することが難しい。例えば、ペルフルオロエチルアイオダイド(CI)とテトラフルオロエチレンとを反応させるテロメリゼーション法では、所定の炭素数が6〜8のペルフルオロアルキルアイオダイドを得ようとした場合、炭素数2〜20のペルフルオロアルキルアイオダイドが生成してしまう。
近年、環境中のペルフルオロオクタン酸(C15COOH、以下PFOAと略す)の問題が指摘されていることから、PFOAや炭素数が8を超えるペルフルオロアルカン酸を発生させない炭素数が6以下のペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物への代替が検討されている。この場合、炭素数が6を超えるペルフルオロアルキルアイオダイドの処理が製造コスト及び効率に重要となるが、本発明の方法によれば、二量化してから熱分解に供することによって有用なTFE及び/又はHFPを得ることができる。
本発明の方法においては、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点から、上記ペルフルオロアルカンを連続式で熱分解することが好ましい。ここで、連続式とはペルフルオロアルカンを含む原料を、熱分解する反応器に連続的に供給し、熱分解生成物を連続的に得ることを意味する。
また、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点から、上記ペルフルオロアルカンを450〜650℃で熱分解することが好ましい。
更に、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点から、上記ペルフルオロアルカンを20.3KPa以下の減圧下で熱分解することが好ましい。
また、本発明の方法は、上記ペルフルオロアルカンを系内に供給する位置よりも系内の熱分解生成物を取り出す位置が上方にある反応系で前記ペルフルオロアルカンの熱分解を行うことが好ましい。この場合、ペルフルオロアルカンの分解率を向上させ、さらに、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させることができる。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの新規製造方法を提供することができる。
本発明に係る方法が実施される製造装置の一例を示す模式図である。
本実施形態のテトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法は、下記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを熱分解する工程を有する。
2n+2 ・・・(1)
[式中、nは4〜28の整数を表す。]
図1は、本発明に係る方法が実施される製造装置の一例を示す模式図である。図1に示される製造装置は、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを含む原料12を収容する原料容器10と、原料容器10からライン2を介して供給される原料を熱分解する反応器3を有する熱分解容器20と、熱分解容器20からライン4を介して取り出される熱分解生成物32を収容する回収容器30と、を備えている。原料容器10には、原料容器10内にキャリアガスなどを流入させるためのライン1が設けられ、回収容器30には、回収容器30内の熱分解生成物32を取り出すためのライン5が設けられている。また、各ライン1,2,4,5には、開閉を行うためのバルブがそれぞれ設けられている。
本実施形態においては、上記ペルフルオロアルカンが反応器3で熱分解されて、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンが含まれる熱分解生成物32が得られる。
上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンは、例えば、下記一般式(2)で表されるペルフルオロアルキルアイオダイドを二量化することで得ることができる。
2m+1I ・・・一般式(2)
[式中、mは2〜14の整数を表す]
近年、炭素数が8のペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物(例えば下記式(A)で示される化合物))は、環境中に排出された場合、分解して環境への影響が懸念されているペルフルオロオクタン酸(C15COOH)を発生する可能性があることが指摘されている(スキーム1を参照)。
Figure 2016013994

ペルフルオロアルキル基の炭素数が大きくなるほど環境への影響がより強く懸念されており、PFOAや炭素数が8を超えるペルフルオロアルカン酸を発生させない炭素数が6以下のペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物への代替が検討されている。
下記一般式(B)で示されるペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物を合成する方法として、以下のスキーム2に示されるペルフルオロエチルアイオダイド(CI)のテロメリゼーション工程を経るテロメリゼーション法がある。
Figure 2016013994

スキーム2中、R及びRはF基又はCF基を表し、R及びRのうちの少なくとも一方はF基である。炭素数が6のペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物である場合、一般式(B)において、R及びRはF基であり、xは2である。
上記のテロメリゼーション法では、炭素数の分布を制御することが難しく、例えば、炭素数が6〜8のペルフルオロアルキルアイオダイドを得ようとした場合であっても、炭素数2〜20のペルフルオロアルキルアイオダイドが生成してしまう。
本実施形態の方法によれば、上記の一般式(B)で示されるペルフルオロアルキル基を有する撥水撥油性化合物を合成する過程で得られる上記一般式(2)で表されるペルフルオロアルキルアイオダイドを、二量化してから熱分解に供することによって有用なTFE及び/又はHFPを得ることができる。
また、本実施形態においては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す場合もある)を熱分解させたときに副生成物として得られる上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンも原料として用いることができる。
ところで、PTFEを熱分解することでTFE及びHFPが得られることは知られている(例えば、Polymer Degradation and Stability,62(1998),1−7)。このとき、TFE及びHFPが得られる位置で分子鎖の開裂が増えるよう、PTFEの分子量は大きい方が望ましい。これに対し、本実施形態に係る方法で熱分解する原料はテロマーレベルのペルフルオロアルカンである。このようなペルフルオロアルカンからTFE及び/又はHFPを得る方法は新規の製造方法である。
一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンは、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点から、nが16〜28であることが好ましい。
一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料容器10としては、例えば、耐熱性、耐薬品性、耐食性の良好なステンレス製容器が挙げられる。また、原料容器だけでなく、反応器、回収容器及び各ラインを含む製造装置の全てがステンレス製であることが好ましい。
本実施形態においては、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点から、一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを流体の状態で連続的に熱分解することが好ましい。ペルフルオロアルカンを流体の状態にするためには、熱分解する前にあらかじめ加熱して流体の状態としておく方法が挙げられる。そのため、原料容器10は、原料を加熱する手段を有していることが好ましい。この場合の加熱温度としては、流体の状態としたペルフルオロアルカンの温度が180〜300℃であることが好ましく、185〜250℃であることがより好ましく、190〜200℃であることがさらにより好ましい。
反応器3としては、内部に供給された原料を加熱できるものであれば特に限定されない。本実施形態においては、加熱炉である熱分解容器20内に反応器3が設置されている。
本実施形態においては、反応器3の中を、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンと、その熱分解生成物とがスムーズに移動できることが好ましく、このような観点から、筒状の反応器であることが好ましい。筒状の反応器は、円柱状であっても角柱状であっても構わないが、移動がスムーズである点で円柱状であることが好ましく、円柱の底面が正円である円柱状の反応器であることがより好ましい。
また、筒状の反応器は、長さ方向(反応器が伸びる方向)に対し直線状、波状、螺旋状などの形状に適宜調節することができる。これらの中でも、熱分解容器の設置面積を小さくすることができる観点から、螺旋状が好ましい。
円柱の底面が正円である円柱状の反応器の場合、底面の円の半径(r)と長さ(h)との比率は、r:h=1:3〜1:1,000であることが好ましい。底面の円の半径(r)に対して長さ(h)が3倍より小さい場合は、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンの分解率が低下する傾向があり、1,000倍を超える場合は、TFE、HFP以外の化合物の割合が増加する傾向がある。熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点からは、1:3〜1:500であることがより好ましく、1:150〜1:350であることがさらにより好ましい。
上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンの熱分解は、TFE、HFP以外の熱分解生成物の割合を増加させないという観点から、減圧度が低いほど好ましい。熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点から、20.3KPa以下の減圧下で行われることが好ましく、13.3KPa以下で行われることがより好ましく、10.1KPa以下で行われることがさらにより好ましく、6.7KPa以下で行われることがさらにより一層好ましい。
熱分解の反応温度は、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンが分解できる温度であれば良いが、450〜750℃であることが好ましい。熱分解生成物中のTFEの割合を向上させる観点からは、450〜650℃であることが好ましく、500〜600℃であることがより好ましい。熱分解の反応温度が450℃未満である場合は、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンの分解率が低下する傾向があり、650℃を超える場合は、熱分解生成物中のTFEの割合が低下する傾向がある。
一方、熱分解生成物中のHFPの割合を向上させる観点からは、650〜750℃であることが好ましい。熱分解反応温度が650℃以下である場合は、熱分解生成物中のHFPの割合が低下する傾向があり、750℃を超える場合は、TFE、HFP以外の化合物の割合が増加する傾向がある。
上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンは、0.05〜1.0秒で熱分解反応することが好ましい。熱分解の反応時間が0.05秒未満の場合は、ペルフルオロアルカンの分解率が低下する傾向にあり、1.0秒を超える場合は、熱分解生成物中のTFEの割合が低下する傾向にある。
本実施形態の方法においては、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを反応器に供給する流量を制御する観点から、希釈剤として、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、二酸化炭素などの不活性気体を使用することができる。これらの中では、窒素を使用することが好ましい。希釈剤は、例えば、ライン1から原料容器10に供給することができる。
希釈剤を使用する場合、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンと希釈剤との配合比が、体積比で、ペルフルオロアルカン:希釈剤=1:1〜1:9となることが好ましい。一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンに対して、希釈剤が1倍より小さい場合は、希釈倍率が小さいため流量の制御に対する利点が少なく、9倍を超える場合は、希釈剤が多いため工業的に不利な傾向にある。
本実施形態の反応器3においては、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを系内に供給する位置よりも系内の熱分解生成物を取り出す位置が上方にある反応系でペルフルオロアルカンの熱分解が行われることが好ましい。この場合、ペルフルオロアルカンの分解率を向上させ、さらに、熱分解生成物中のTFEの割合を向上させることができる。
特に、上記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを熱分解反応系の最下部に供給し、熱分解生成物を熱分解反応系の最上部より取り出すことが最も好ましい。なお、ここでいう下とは重力方向を指す。
反応器3での熱分解反応によって得られる熱分解生成物は、反応性を低下させ、TFE、HFP以外の化合物の生成を抑制する観点から、−100℃以下に冷却することが好ましく、−150℃以下に冷却することがより好ましく、−170℃以下に冷却することがさらにより好ましい。熱分解生成物を上記の温度に冷却する方法としては、液体窒素を使用して冷却する方法を挙げることができる。本実施形態においては、回収容器30を液体窒素で冷却することができる。
こうして、TFE及び/又はHFPが含まれる熱分解生成物が回収容器30に回収される。本実施形態の製造方法によって得られる熱分解生成物は、分子中にフッ素以外のハロゲンを含まないペルフルオロアルカンを原料としているため副生成物が少なく、従来公知の簡易的精製処理(例えば、沸点の違いを利用した分離法など)を施すことで、容易に各成分を分離することができる。また、未分解のペルフルオロアルカンは、繰り返し分解反応に供することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
[ペルフルオロアルカンの合成]
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた100mlの3口ナスフラスコに粒状亜鉛(5.93g、99.99%)、無水酢酸(20ml)、塩化メチレン(20ml)、ヘプタデカフルオロ−n−オクチルアイオダイド(40g、97%、0.071mol)を入れ、窒素雰囲気中40〜50℃で6時間攪拌した。反応終了後ろ過し、蒸留を行って、ペルフルオロヘキサデカンを得た。収率:38g(63%)、bp:239〜240℃(文献値:239〜240℃)、元素分析:C24.69、F75.31。
[ペルフルオロヘキサデカンの熱分解]
(実施例1)
原料容器と、熱分解容器内に配置された反応器(半径r=1.25cm、長さh=10cmのステンレス製円柱状容器、r:h=1:8)と、回収容器とを繋げて、図1に示されるものと同様の構成を有する熱分解装置を作成した。反応器は、ペルフルオロヘキサデカンが熱分解容器の最上部から供給され、熱分解生成物が熱分解容器の最下部から取り出される配置とした。これを反応方向Aとする。なお、ペルフルオロヘキサデカンが熱分解容器の最下部から供給され、熱分解生成物が熱分解容器の最上部から取り出される配置の場合、反応方向Bとする。
原料容器に所定量のペルフルオロヘキサデカンを入れ、ライン1に設けられたバルブ及びライン5に設けられたバルブを閉め、それら以外のバルブを開けて装置内を10.1KPaまで減圧した。その後、全てのバルブが閉められた状態にし、原料容器を195℃に、熱分解容器を600℃に加熱し、回収容器を液体窒素で冷却した。
ライン1及びライン5のバルブ以外のバルブを開けて、原料容器と回収容器の圧力が等しくなるまでペルフルオロヘキサデカンを熱分解容器に導入し、熱分解生成物を回収容器で凝縮させた。
[ペルフルオロヘキサデカンの分解率]
分解率は、原料の使用量(質量)をm、回収容器中の未分解のペルフルオロヘキサデカンの質量)をmとして、下記の式を使用して求めた。
分解率(%)=[(m−m)/m]×100
[熱分解生成物の分析]
熱分解生成物のガスクロマトグラフィー測定を行い、各成分の比率を求めた。
パーフルオロヘキサデカンの分解率と、熱分解生成物の分析結果を表1に示す。なお、表1中の反応方向、TFE、HFP、c−C及びCは以下の意味を示す。
反応方向A:ペルフルオロアルカンを最上部から導入、熱分解生成物を最下部から取り出し。
反応方向B:ペルフルオロアルカンを最下部から導入、熱分解生成物を最上部から取り出し。
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
c−C:ペルフルオロシクロブタン
:ペルフルオロブテン

Figure 2016013994

(実施例2〜31)
反応器のr:h、装置内の圧力、分解前の温度、分解温度、希釈剤の有無及び反応方向を、表1又は2に示される値に変更したこと以外は、実施例1と同様に操作を行って熱分解生成物を得た。パーフルオロヘキサデカンの分解率と得られた熱分解生成物の組成を表1又は2に示す。
なお、実施例9〜12で用いた反応器(r:h=1:160)は、半径r=0.635cm、長さh=100cmのステンレス製円柱状容器を直径15cmの螺旋状にしたものであり、実施例13〜21、24〜30で用いた反応器(r:h=1:320)は、半径r=0.635cm、長さh=200cmのステンレス製円柱状容器を直径15cmの螺旋状にしたものであり、実施例22で用いた反応器(r:h=1:500)は、半径r=0.635cm、長さh=320cmのステンレス製円柱状容器を直径15cmの螺旋状にしたものであり、実施例23で用いた反応器(r:h=1:1000)は、半径r=0.635cm、長さh=650cmのステンレス製円柱状容器を直径15cmの螺旋状にしたものである。
また、実施例29の希釈剤については、体積比で、ペルフルオロアルカン:N=1:5となるように、窒素を原料容器に流通させた。
実施例30は、まず、原料容器に所定量のペルフルオロヘキサデカンを入れ、ライン1に設けられたバルブ及びライン5に設けられたバルブを閉め、それら以外のバルブを開けて装置内を10.1KPaまで減圧した。その後、ライン1から窒素を導入し、ライン2のバルブを閉じた。更に、ライン1から窒素を導入した後、全てのバルブが閉められた状態にし、原料容器を195℃に、熱分解容器を600℃に加熱し、回収容器を液体窒素で冷却した。このとき、原料容器内の圧力は141.7KPa、反応器内と回収容器内の圧力は50.5KPaであった。次に、ライン1及びライン5のバルブ以外のバルブを開けて、原料容器と回収容器の圧力が等しくなるまでペルフルオロヘキサデカンを熱分解容器に導入し、熱分解生成物を回収容器で凝縮させた。このとき、装置内の圧力は101KPaであった。
実施例31は、ペルフルオロアルカンを直接反応器に入れて加熱した。
Figure 2016013994

本発明によれば、テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの新規製造方法を提供することができる。本発明の製造方法は、ペルフルオロアルキルアイオダイドを二量化して得られるペルフルオロアルカンを原料として用いることができるため、廃棄処理されるペルフルオロアルキルアイオダイドを有効に利用することができる。
1,2,4,5…ライン、3…反応器、10…原料容器、20…熱分解容器、30…回収容器。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるペルフルオロアルカンを熱分解する、テトラフルオロエチレン及び/又はヘキサフルオロプロピレンの製造方法。
    2n+2 ・・・(1)
    [式中、nは4〜28の整数を表す。]
  2. 前記ペルフルオロアルカンが、下記一般式(2)で表されるペルフルオロアルキルアイオダイドを二量化して得られるペルフルオロアルカンを含む、請求項1に記載の方法。
    2m+1I ・・・(2)
    [式中、mは2〜14の整数を表す。]
  3. 前記ペルフルオロアルカンを連続式で熱分解する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ペルフルオロアルカンを450〜650℃で熱分解する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ペルフルオロアルカンを20.3KPa以下の減圧下で熱分解する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ペルフルオロアルカンを系内に供給する位置よりも系内の熱分解生成物を取り出す位置が上方にある反応系で前記ペルフルオロアルカンの熱分解を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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