JP3541616B2 - モジュラジャック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として通信用であって複数対のツイストペア線が接続されるモジュラジャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通信ケーブルを相互にあるいは他の装置に接続するためにモジュラジャックが用いられている。とくに、EthernetによるLAN(ローカルエリアネットワーク)システムを構築する上で、比較的短距離の通信用であれば4対8芯のツイストペア線をシースに収納したツイストペアケーブルが広く用いられている(10BASE−Tなど)。この種のケーブルは、比較的安価でありケーブルが細いから配線しやすいという利点がある。
【0003】
ところで、モジュラジャックはモジュラプラグが着脱自在に挿入されるプラグ挿入口を備えたハウジングを有し、ハウジング内にはプラグ挿入口を通してハウジングに挿入されたモジュラプラグの接触子に接触可能なコンタクトが配列されている。また、ハウジングには上述したツイストペア線のような電線と接続するための端子部が設けられ、コンタクトと端子部とは電気的に接続されている。端子部としては一対の歯の間に圧接スリットを有するフォーク状に形成され電線を圧接スリットに導入することによって電線の絶縁被覆を剥ぎながら芯線を挟み込む形式の圧接形の端子片が結線の容易さから多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のような圧接形の端子片を備えるモジュラジャックでは、電線を端子片の圧接スリットに圧入する際に端子片の圧接スリットの両側縁で電線の絶縁被覆を剥ぎながら芯線を挟み込むから、電線を端子片に圧入するには所要の力が必要である。そこで、現状では端子片に被さるようなキャップ状の専用の治具を用い、プライヤのような汎用工具を用いて治具を端子片側に押すことによって治具により電線を端子片の圧接スリットに押し込むようにしている。つまり、電線を端子片に接続するには、専用の治具とプライヤのような工具とが必要になる。また、上述のように4対8芯の電線を接続するときには電線を1本ずつ接続すると面倒であるから複数本をまとめて接続する方が結線作業の効率がよいはずであるが、このように結線作業を行おうとすると、複数本の電線を端子片の配列順に合わせて整列させた状態で電線を保持する必要があり、結果的に結線作業がやりにくくなる。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その第1の目的は、圧接形の端子片を備えながらも専用の治具や工具を用いることなく比較的小さい力で結線作業が行なえるモジュラジャックを提供することにあり、第2の目的は、端子片に対応付けて電線を整列する作業が容易で、且つ結線まで保持することが容易であるモジュラジャックを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、モジュラプラグが着脱自在に挿入されるプラグ挿入口が開口した接続台および外部回路が接続される端子台を備えるハウジングと、端子台に突設され先端縁の開放された圧接スリットを有するフォーク状に形成されている圧接形の複数個の端子片と、プラグ挿入口を通してハウジングに挿入されたモジュラプラグの接触子に弾接するようにハウジング内に配列され各端子片にそれぞれ電気的に接続された複数本のコンタクトと、端子台に被さる第1の位置と端子台を開放する第2の位置との間で起伏自在となるようにハウジングに設けられた一対の軸受台にそれぞれ枢着され、外部回路を接続する電線を各端子片に対応付けて整列させる一対の整列部材と、整列部材が第2の位置から第1の位置まで移動する際に整列部材に押圧されて電線を端子片の圧接スリットに押し込む一対の押さえ部材とを備えて成り、各整列部材がハウジングに対して誤った位置に枢着されることを防止する防止手段を備え、該防止手段は、各整列部材の異なる側の周縁から突設された突条と、軸受台に設けられ、正規の位置に枢着された整列部材の突条が嵌る溝部とで構成されることを特徴とし、整列部材によって電線を容易に整列させることができるとともに、電線を整列させた状態で整列部材を第1の位置に移動させるように操作すれば、整列部材に押圧された押さえ部材が電線を端子片の圧接スリットに圧入するため、整列部材の操作のみによって電線を端子片に接続することができ、別途の治具や工具を必要としないものである。しかも、整列部材をハウジングに枢着したことによって、梃子の原理を用いて整列部材により押さえ部材を押圧することができるから、比較的に小さな力で電線の接続作業が可能になるものである。また、1つの整列部材で接続する電線の本数が減少するため、整列部材を第1の位置に移動させるに要する力が小さくなり、しかも、各整列部材で各々同数の電線を整列させる場合に、整列部材に設けた突条とハウジングに設けた溝部からなる防止手段によって各配列部材がハウジングに対して誤った位置に枢着されることが防止できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、押さえ部材を整列部材に一体に設けて成ることを特徴とし、部品点数の削減による構造の簡素化並びに組立の容易化が図れる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、ハウジングが、接続台を備えるとともに接続台から延長されたベースを備えるボディと、接続台に一部が挿入されるとともに残りの部分がベース上に配置された形でボディに結合される挿入体とからなり、端子片およびコンタクトが挿入体に保持されて成ることを特徴とし、ボディと挿入体との間に導電部分となるような他の部材を容易に組み込むことができる。また、一般にハウジングの材料として用いる合成樹脂を成形する際に、比較的簡単な形状の二つの部材を成形した後に組み立てればよいから、製造が容易になり生産性の向上につながる。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、挿入体のうち接続台に挿入される部位の両側面と、接続台において挿入体の上記両側面に対向する部位とには、挿入体と接続台とを凹凸係合させることにより挿入体を接続台に固定する結合手段が形成されて成ることを特徴とし、組立作業に際してねじや接着剤のような別途の結合手段を必要とせず、組立作業が容易になる。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、整列部材にはロック溝が形成され、端子台には整列部材が第1の位置に位置するときにロック溝に係合して整列部材を保持するロック突起が形成されて成ることを特徴とし、整列部材を第1の位置に保持することができ、電線を接続した状態で整列部材が端子台から浮き上がるのを防止することができる。このことによって、整列部材に外力が作用したり電線に張力が作用することによる端子台からの浮き上がりを防止することができ、電線の接続信頼性が高くなる。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、整列部材をハウジングに着脱自在に枢着して成ることを特徴とし、整列部材に電線を整列させる際にハウジングから取り外して作業できるため、ハウジングが邪魔になることがなく、整列作業が容易になる。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、電線を整列させる際に電線を保持する保持手段を整列部材に設けたことを特徴とし、整列部材に電線を整列させた後、端子片に対する接続作業が完了するまでの間、保持手段によって電線を整列部材に保持しておくことができ、電線を手で保持する場合に比べて接続作業が容易になる。
【0012】
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、整列部材がハウジングに枢着される際に整列部材が正規の状態に枢着されていない場合には整列部材を第1の位置まで移動させることができないようにする保護手段を備えたことを特徴とし、整列部材が正規の状態に枢着されていない場合には、保護手段によって整列部材を第1の位置まで移動させることができず、整列部材の不正な操作や電線の接続不良等が防止できる。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、整列部材に整列された電線の芯線の延長線上からハウジングに枢着される整列部材の軸部をずらして成ることを特徴とし、整列部材に電線を整列させる際に整列部材の軸部が邪魔にならず、スムーズ且つ容易に整列作業が行える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に示すモジュラジャックは、図2〜図4に示すように、絶縁材料である合成樹脂の成形品よりなるボディ10および挿入体20からなるハウジングを備え、挿入体20はコンタクト31と端子片32とを接続導体33を介して電気的に接続した導電体30(図5参照)を保持する。導電体30は8本設けられ、弾性を有する板金を打ち抜くことにより形成されている。
【0015】
ボディ10は、モジュラプラグが挿入されるプラグ挿入口13が前面に開口した接続台11と、接続台11の後面下部から後方に延長されたベース12とを連続一体に備える。接続台11は中空に形成され、後壁の下部には挿入体20の挿入される取付孔14が開放される(図2参照)。また、接続台11の後壁には取付孔14の上縁に臨むように櫛歯状の分離スリット15が形成されている。
【0016】
挿入体20は、前端部にコンタクト31を保持するコンタクト支持台21を有する基部20aと、基部20aの上面に突設されて端子片32が上面側に突出する一対の端子台221 ,222 とを備える。また、基部20aの前端部近傍の上面には、コンタクト支持台21と端子台221 ,222 とを仕切る形で一対の軸受台231 ,232 が突設されている。
【0017】
ボディ10に挿入体20を結合するには、コンタクト支持台21を取付孔14に挿入する。挿入体20のコンタクト支持台21の両側面下部には係合突条21aが突設されており、ボディ10の接続台11の内側面には係合突条21aに係合した状態で挿入体20を案内する係合溝11aが形成されている。したがって、係合突条21aを係合溝11aに係合させた状態で挿入体20を前方にスライド移動させると、挿入体20をボディ10に対して位置規制しながら所定位置まで挿入することができる。
【0018】
挿入体20が定位置まで挿入されると挿入体20の軸受台231 ,232 の前面が接続台11の後面に当接し、挿入体20がボディ10に対して位置決めされる(図3及び図4参照)。つまり、軸受台231 ,232 の前面は挿入体20のボディ10に対する挿入量を規制するように機能する。また、コンタクト支持台21には前端部から後上方に向かってコンタクト31が突設されており、挿入体20のコンタクト支持台21をボディ10の接続台11に挿入すると、各コンタクト31がそれぞれ分離スリット15に導入される。挿入体20の軸受台231 ,232 が接続台11の後面に当接した位置でコンタクト31の後端部は分離スリット15に挿入された状態に保たれ、コンタクト31が相互に接触するのが防止される。このようにコンタクト31が接続台11に挿入されることにより、プラグ挿入口13を通して接続台11に挿入されるモジュラプラグの接触子に対してコンタクト31が弾接可能となるのである。
【0019】
この状態において、挿入体20のコンタクト支持台21の後部両側面に設けた抜止突起21cが、接続台11の後部両側面に設けた抜止孔11cに係合することによって、ボディ10と挿入体20とが固定される。つまり、抜止突起21cおよび抜止孔11cはボディ10と挿入体20とを結合する結合手段として機能する。
【0020】
上述のように、係合溝11aに係合突条21aが係合するとともに取付孔14にはコンタクト支持台21が係合し、接続台11には軸受台231 ,232 が当接するから、ボディ10と挿入体20とが相互に位置決めされる。しかも挿入体20がボディ10に所定位置まで挿入された状態では、抜止突起21cが抜止孔11cに係合するから、ボディ10に対して挿入体20が定位置に固定される。また、挿入体20がボディ10に結合された状態で、挿入体20の後部はベース12の上に載置される。
【0021】
本実施形態に示すモジュラジャックは、4対8芯のツイストペアケーブル1を接続するものであって、8本の導電体30を挿入体20に保持させている。各導電体30の端子片32は、各端子台221 ,222 の上面からそれぞれ4本ずつ、前後2列に配列されて突出している。端子片32は一対の歯の間に上端縁を開放した圧接スリット32aを有するフォーク状に形成された圧接形のものであって、圧接スリット32aの幅は接続する電線2の芯線に圧接スリット32aの両側縁が圧接する程度に設定されている。つまり、絶縁被覆を有する電線2を圧接スリット32aに上方から圧入すると、電線2の絶縁被覆を圧接スリット32aの両側縁で切ることにより絶縁被覆を剥ぎながら圧接スリット32aの中に電線2の芯線を導入し、圧接スリット32aの両側縁間に芯線を挟持するのである。
【0022】
端子片32では電線2の絶縁被覆を圧接スリット32aの両側縁で切る必要があるから、端子片32の先端部を他の部分よりも薄肉とすることが望ましい。すなわち、端子片32の先端部を上記形状とすれば、電線2の絶縁被覆をより容易に切ることができ、結果的に端子片32に電線2を圧入する際に要する力が軽減されることになる。
【0023】
ところで、別途の工具や治具を用いることなく上述した端子片32に電線2を接続可能とするために、本発明においては、複数本の電線2を整列させる整列機能と、整列させた電線を保持する保持機能と、電線2を端子片32の圧接スリット32aに圧入する圧入機能とを兼ね備えた一対の整列部材401 ,402 を設けてある。
【0024】
各整列部材401 ,402 は、挿入体20の基部20a上面に突設した1対の軸受台231 ,232 が具備する軸受部24に対して、回転軸41によって軸着されることによりハウジングに対して起伏自在に成っている。つまり、整列部材401 ,402 は端子台22を覆う位置(以下、「第1の位置」と呼ぶ。)と開放する位置(以下、「第2の位置」と呼ぶ。)との間で起伏することができるのである。整列部材401 ,402 は長手方向の一端部に突設した左右一対のアーム片42の間に軸受台231 ,232 を挟んだ形でハウジングに枢着され、回転軸41が一対のアーム片42の先端部分に穿設された挿通孔42aに挿通された状態でアーム片42に固定されている。また、後述するように上記第2の位置ではハウジングから整列部材401 ,402 が着脱自在となっている。
【0025】
整列部材401 ,402 は、3つの分離壁43で分離されて溝状に形成される4個の分離通路441 〜444 を有し、各分離壁43には電線2を保持するための固定突起45が両側面の開口端部に形成されている。これらの分離通路441 〜444 には電線2がそれぞれ1本ずつ挿通される。なお、分離壁43に形成される固定突起45は、分離通路441 〜444 を挟んで互いに対向しないようにずらした位置に配置してある。そのため、分離壁43の弾性に期待しなくても、電線2を分離通路441 〜444 内に挿入し且つ固定突起45に係止させることができ、線径の異なる電線2にも対応し易いものである。また、分離通路441 〜444 は、分離壁43が一対の溝47(後述する)で分断されることで2つの部分に分割されており、その前方側の部分(アーム片42に近い方の部分)が一対のアーム片42の間の部位から略鉛直方向に開口させてあり、分離通路441 〜444 に挿通されて保持された電線2の先端部分が略直角に曲げられて上記開口から突出するため、分離通路441 〜444 に挿通されて固定突起45で係止固定された電線2がその位置で保持されることになる(図4(b)参照)。さらに、各分離通路441 〜444 は、アーム片42に固定される回転軸41から上面側へずれた位置に形成されている。すなわち、各分離通路441 〜444 に整列された電線2の芯線の延長線が回転軸41から上面へずらしてあるので、電線2を整列させる際に回転軸41が邪魔になることがないものである。
【0026】
ところで、整列部材401 ,402 は分離通路441 〜444 に導入した電線2を端子片32に圧入するものであるから、整列部材401 ,402 が下方に移動したときに電線2を端子片32の圧接スリット32aに圧入することができるように、押さえ部46a〜46cを備えている。押さえ部46a〜46cは、分離通路441 〜444 の上面に形成されており、前後に隣合う押さえ部46a〜46cの間に端子片32の上端部が導入されるように、分離通路441 〜444 の上面には端子片32を導入する一対の溝47が形成されている。すなわち、端子片32は上述のように前後2列に配列されているから、前後各列の端子片32の間に対応する位置に押さえ部46aが設けられるとともに、この押さえ部46aに対して前後各列の端子片32を挟んで位置する押さえ部46b,46cが設けられる。押さえ部46a〜46cをこのように配置することによって、端子片32の前後であって端子片32に近い距離で電線2に押圧力を作用させることができるから、一対の押さえ部46a〜46cの間で電線2を撓ませることなく端子片32に圧入することができる。つまり、整列部材401 ,402 の押圧力を電線2に効率よく伝達することができる。なお、本実施形態においては、上述のように整列部材401 ,402 に対して電線2に押圧力を加える押さえ部材を押さえ部46a〜46cとして一体に形成しており、整列部材と押さえ部材とを別体に形成する場合に比較して、部品点数の削減による構造の簡素化並びに組立の容易化が図れるという利点がある。
【0027】
ここで、図1に示すように整列部材401 ,402 は第2の位置(挿入体20の基部20aに対して倒立した状態)でハウジングの軸受台231 ,232 に着脱自在に取付並びに取外しが可能になっている。すなわち、上記倒立状態で回転軸41を軸受台231 ,232 の軸受部24の開口端より挿入し(図1(a)参照)、さらに整列部材401 ,402 を第2の位置から第1の位置の方へ回動させながら回転軸41を軸受部24の奥側へ押し込めば(図1(b)参照)、軸受部24に回転軸41を嵌入して整列部材401 ,402 を軸受台231 ,232 に枢着できる。このように、整列部材401 ,402 がハウジングから取り外せるようになっているので、分離通路441 〜444 に電線2を挿入して保持させる際に整列部材401 ,402 をハウジングから取り外して作業ができて効率がよいものである。
【0028】
一方、整列部材を2つの整列部材401 ,402 に分割して設けていると、電線2を導入した後で各整列部材401 ,402 が対応する軸受台231 ,232 に正しく取り付けられずに入れ替わって取り付けられるおそれがある。仮に2つの整列部材401 ,402 が入れ替わって取り付けられると、結線ができなかったり、端子片32に対して電線2が入れ替わったりして正しく配線されないという不都合が生じる。
【0029】
そこで、本実施形態においては、各整列部材401 ,402 が対応しない軸受台231 ,232 に誤って枢着されることを防止するための防止手段を備えている。この防止手段は、各整列部材401 ,402 の異なる側のアーム片42の挿通孔42aの内側周縁から突設された突条42bと、軸受台231 ,232 の外側側面に軸受部24に沿って設けられた段状の溝部24aとで構成される。而して、整列部材401 ,402 を正規の軸受台231 ,232 に取り付ける場合には、アーム片42の突条42bが軸受台231 ,232 の溝部24aに嵌まることで容易に取り付けることができるが、整列部材401 ,402 が軸受台231 ,232 に入れ替わって取り付けられようとすると、突条42bが軸受台231 ,232 の側面に当接して回転軸41を軸受部24に挿入することができないことから、整列部材401 ,402 の誤枢着が防止できるものである。
【0030】
また、整列部材401 ,402 を第2の位置から第1の位置まで回動するとき、押さえ部46a〜46cの間に設けた溝47に端子片32が導入されるためには、回転軸41が軸受部24に対して正しい位置に収まっている必要がある。そこで、回転軸41が軸受部24の正しい位置まで押し込まれていないときに、整列部材401 ,402 の回動によって端子台22の前面に当接する当接部48が整列部材401 ,402 に設けてある。これにより、回転軸41が軸受部24の正しい位置まで押し込まれていない状態で整列部材401 ,402 を第2の位置へ回動させても、当接部48が端子台22の前面に当接して軸受部24の奥側へ押されることから、回転軸41が軸受部24の正しい位置にまで押し込まれるようになっている。なお、当接部48の当接面48aはテーパ面としてあり、当接部48が端子台221 ,222 に当接した状態でも整列部材401 ,402 がスムーズに回動できるようになっている。
【0031】
整列部材401 ,402 の後部内側側面にはロック溝49が形成されており、挿入体20の基部20aにおける上面後端部にはロック溝49に係脱自在に係合可能な一対のロック突起25が立設されている。ロック突起25は整列部材401 ,402 が第1の位置に回動されたときにロック溝49と係合し固定するようになっている。ロック突起25の下部には解除突起26が突設されており、指やドライバの先等で解除突起26を押すことでロック溝49からロック突起25を外し、ロックを解除することができる。
【0032】
ツイストペアケーブル1を上述したモジュラジャックに接続するには以下のように行う。
まず、図7に示すように各整列部材401 ,402 の下側から分離通路441 〜444 内に電線2を挿入し、固定突起45…に電線2を係止固定する。それから、電線2の先端部分を略直角に折り曲げて上方に開口した分離通路441 〜444 の開口部より突出させる。
【0033】
上述のようにして電線2を各4本ずつ整列させて保持した整列部材401 ,402 をハウジングの軸受台231 ,232 に枢着する。この状態で整列部材401 ,402 を第2の位置から第1の位置へ倒すと、整列部材401 ,402 に一体に設けられた押さえ部46a〜46cによって電線2に押圧力が印加され、端子片32の圧接スリット32aに電線2が圧入されて端子片32に電線2が接続されるのである。
【0034】
反対に、整列部材401 ,402 を第1の位置から第2の位置に回動させて起こすと、整列部材401 ,402 に保持された電線2は端子片32の圧接スリット32aから抜き取られて、容易に結線を解除することができる。なお、整列部材401 ,402 の上面後端部は、押さえ易いように緩やかに面取りされている。
【0035】
また、整列部材401 ,402 の支点である回転軸41から押圧力の作用点である押さえ部46a〜46cまでの距離に比較して、整列部材401 ,402 に押圧力を作用させる整列部材401 ,402 の後端部までの支点からの距離を十分に大きくとることができるから、比較的小さい力で各電線2を圧接スリット32aに押し込むことができる。しかも、8本の電線2を接続するに際して4本ずつに分けているので、8本同時に接続する場合に比較すると接続に要する力は小さく、結果的に整列部材401 ,402 の長さを短くできる。つまり、小型化につながることになる。さらに整列部材401 ,402 に指を当てハウジングと整列部材401 ,402 を挟むように力を加えるだけで、各電線2を圧接スリット32aに押し込むことができるから、別途の治具や工具が不要であって、モジュラジャックのみで結線作業が行える。電線2が端子片32に接続されるとハウジングに立設されたロック突起25が整列部材401 ,402 のロック溝49に係合するから整列部材401 ,402 が不用意に開くことがなく電線2を端子片32に接続した状態が保たれる。
【0036】
端子片32は8個設けることにより、4対のツイストペア線を接続可能にしてあり、各対のツイストペア線は左右方向において隣接する前後各1個ずつの端子片32に接続される。すなわち、後列の左端の端子片32と、前列の左端の端子片32とに対してツイストペア線として対になる2本の電線2が接続され、後列の左端から2番目と前列の左端から2番目との2個の端子片32にツイストペア線として対になる2本の電線2が接続され、残りの電線2も同様に対ごとに隣合うように接続される。
【0037】
さらに、導電体30はコンタクト31と接続導体33との左右方向での配列順を適宜に入れ換え、また接続導体33の幅や相互間の距離を調節することによって各ツイストペア線間での漏話量が少なくなるように設計してある。とくに、コンタクト31と接続導体33との左右方向での配列順を適宜に入れ換えているから、モジュラプラグを接続した状態では、モジュラプラグにおいて生じる不平衡電流に対して逆位相の不平衡電流が接続導体33で生じることになり両者の不平衡電流が打ち消しあうことによって漏話量が低減されることになる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明は、モジュラプラグが着脱自在に挿入されるプラグ挿入口が開口した接続台および外部回路が接続される端子台を備えるハウジングと、端子台に突設され先端縁の開放された圧接スリットを有するフォーク状に形成されている圧接形の複数個の端子片と、プラグ挿入口を通してハウジングに挿入されたモジュラプラグの接触子に弾接するようにハウジング内に配列され各端子片にそれぞれ電気的に接続された複数本のコンタクトと、端子台に被さる第1の位置と端子台を開放する第2の位置との間で起伏自在となるようにハウジングに設けられた一対の軸受台にそれぞれ枢着され、外部回路を接続する電線を各端子片に対応付けて整列させる一対の整列部材と、整列部材が第2の位置から第1の位置まで移動する際に整列部材に押圧されて電線を端子片の圧接スリットに押し込む一対の押さえ部材とを備えて成り、各整列部材がハウジングに対して誤った位置に枢着されることを防止する防止手段を備え、該防止手段は、各整列部材の異なる側の周縁から突設された突条と、軸受台に設けられ、正規の位置に枢着された整列部材の突条が嵌る溝部とで構成されるので、整列部材によって電線を容易に整列させることができるとともに、電線を整列させた状態で整列部材を第1の位置に移動させるように操作すれば、整列部材に押圧された押さえ部材が電線を端子片の圧接スリットに圧入するため、別途の治具や工具を必要とせずに整列部材の操作のみによって電線を端子片に接続することができ、しかも、整列部材をハウジングに枢着したことによって、梃子の原理を用いて整列部材により押さえ部材を押圧することができるから、比較的に小さな力で電線の接続作業が可能になり、また、1つの整列部材で接続する電線の本数が減少するため、整列部材を第1の位置に移動させるに要する力が小さくなるとともに、各整列部材で各々同数の電線を整列させる場合に、整列部材に設けた突条とハウジングに設けた溝部からなる防止手段によって各配列部材がハウジングに対して誤った位置に枢着されることが防止できるという効果がある。
【0040】
請求項2の発明は、押さえ部材を整列部材に一体に設けて成るので、部品点数の削減による構造の簡素化並びに組立の容易化が図れるという効果がある。
請求項3の発明は、ハウジングが、接続台を備えるとともに接続台から延長されたベースを備えるボディと、接続台に一部が挿入されるとともに残りの部分がベース上に配置された形でボディに結合される挿入体とからなり、端子片およびコンタクトが挿入体に保持されて成るので、ボディと挿入体との間に導電部分となるような他の部材を容易に組み込むことができるとともに、一般にハウジングの材料として用いる合成樹脂を成形する際に、比較的簡単な形状の二つの部材を成形した後に組み立てればよいから、製造が容易になり生産性の向上につながるという効果がある。
【0041】
請求項4の発明は、挿入体のうち接続台に挿入される部位の両側面と、接続台において挿入体の上記両側面に対向する部位とには、挿入体と接続台とを凹凸係合させることにより挿入体を接続台に固定する結合手段が形成されて成るので、組立作業に際してねじや接着剤のような別途の結合手段を必要とせず、組立作業が容易になるという効果がある。
【0042】
請求項5の発明は、整列部材にはロック溝が形成され、端子台には整列部材が第1の位置に位置するときにロック溝に係合して整列部材を保持するロック突起が形成されて成るので、整列部材を第1の位置に保持することができ、電線を接続した状態で整列部材が端子台から浮き上がるのを防止することができ、その結果、整列部材に外力が作用したり電線に張力が作用することによる端子台からの浮き上がりを防止することができ、電線の接続信頼性が高くなるという効果がある。
【0043】
請求項6の発明は、整列部材をハウジングに着脱自在に枢着して成るので、整列部材に電線を整列させる際にハウジングから取り外して作業できるため、ハウジングが邪魔になることがなく、整列作業が容易になるという効果がある。
【0044】
請求項7の発明は、電線を整列させる際に電線を保持する保持手段を整列部材に設けたので、整列部材に電線を整列させた後、端子片に対する接続作業が完了するまでの間、保持手段によって電線を整列部材に保持しておくことができ、電線を手で保持する場合に比べて接続作業が容易になるという効果がある。
請求項8の発明は、整列部材がハウジングに枢着される際に整列部材が正規の状態に枢着されていない場合には整列部材を第1の位置まで移動させることができないようにする保護手段を備えたので、整列部材が正規の状態に枢着されていない場合には、保護手段によって整列部材を第1の位置まで移動させることができず、整列部材の不正な操作や電線の接続不良等が防止できるという効果がある。
【0045】
請求項9の発明は、整列部材に整列された電線の芯線の延長線上からハウジングに枢着される整列部材の軸部をずらして成るので、整列部材に電線を整列させる際に整列部材の軸部が邪魔にならず、スムーズ且つ容易に整列作業が行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の動作説明図である。
【図2】同上を示す分解斜視図である。
【図3】同上を示し、(a)は側面図、(b)は一部破断した側面図、(c)は一部破断した上面図である。
【図4】同上を示し、(a)は電線を接続していない状態の外観斜視図、(b)は電線を接続した状態の外観斜視図である。
【図5】同上における導電体を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図6】同上における整列部材を示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)は背面図、(e)は前面図、(f)は同図(c)のX−X線断面矢視図、(g)は同図(f)のY−Y線断面矢視図である。
【図7】同上における整列部材による電線の整列作業を説明する図である。
【符号の説明】
2 電線
10 ボディ
20 挿入体
221 ,222 端子台
231 ,232 軸受台
24 軸受部
30 導電体
31 コンタクト
32 端子片
32a 圧接スリット
401 ,402 整列部材
41 回転軸
441 〜444 分離通路
46a〜46c 押さえ部
47 溝
Claims (9)
- モジュラプラグが着脱自在に挿入されるプラグ挿入口が開口した接続台および外部回路が接続される端子台を備えるハウジングと、端子台に突設され先端縁の開放された圧接スリットを有するフォーク状に形成されている圧接形の複数個の端子片と、プラグ挿入口を通してハウジングに挿入されたモジュラプラグの接触子に弾接するようにハウジング内に配列され各端子片にそれぞれ電気的に接続された複数本のコンタクトと、端子台に被さる第1の位置と端子台を開放する第2の位置との間で起伏自在となるようにハウジングに設けられた一対の軸受台にそれぞれ枢着され、外部回路を接続する電線を各端子片に対応付けて整列させる一対の整列部材と、整列部材が第2の位置から第1の位置まで移動する際に整列部材に押圧されて電線を端子片の圧接スリットに押し込む一対の押さえ部材とを備えて成り、各整列部材がハウジングに対して誤った位置に枢着されることを防止する防止手段を備え、該防止手段は、各整列部材の異なる側の周縁から突設された突条と、軸受台に設けられ、正規の位置に枢着された整列部材の突条が嵌る溝部とで構成されることを特徴とするモジュラジャック。
- 押さえ部材を整列部材に一体に設けて成ることを特徴とする請求項1記載のモジュラジャック。
- ハウジングは、接続台を備えるとともに接続台から延長されたベースを備えるボディと、接続台に一部が挿入されるとともに残りの部分がベース上に配置された形でボディに結合される挿入体とからなり、端子片およびコンタクトが挿入体に保持されて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のモジュラジャック。
- 挿入体のうち接続台に挿入される部位の両側面と、接続台において挿入体の上記両側面に対向する部位とには、挿入体と接続台とを凹凸係合させることにより挿入体を接続台に固定する結合手段が形成されて成ることを特徴とする請求項3記載のモジュラジャック。
- 整列部材にはロック溝が形成され、端子台には整列部材が第1の位置に位置するときにロック溝に係合して整列部材を保持するロック突起が形成されて成ることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のモジュラジャック。
- 整列部材をハウジングに着脱自在に枢着して成ることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のモジュラジャック。
- 電線を整列させる際に電線を保持する保持手段を整列部材に設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のモジュラジャック。
- 整列部材がハウジングに枢着される際に整列部材が正規の状態に枢着されていない場合には整列部材を第1の位置まで移動させることができないようにする保護手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載のモジュラジャック。
- 整列部材に整列された電線の芯線の延長線上からハウジングに枢着される整列部材の軸部をずらして成ることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のモジュラジャック。
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