JP3540819B2 - ニッケル粉の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、電子部品等に用いられる導電ペーストフィラー、チタン材の接合材、さらには触媒などの各種用途に適したニッケル粉であり、特には積層セラミックコンデンサの内部電極に好適な粒径1.0μm以下で粒径を制御することができ、球状でかつ粒度分布の狭いニッケル粉を製造する方法に関する。
背景技術
ニッケル、銅、銀などの導電性の金属粉末は、積層セラミックコンデンサの内部電極形成用として有用であり、とりわけニッケル粉は、そのような用途として最近注目されている。中でも乾式の製造方法によって製造したニッケル超微粉が有望視されている。特に、コンデンサの小型化、大容量化に伴い、内部電極の薄層化・低抵抗化等の要求から、粒径1.0μm以下の超微粉が要望されている。
このような微細なニッケル粉を製造する方法の1つとして、気相還元法が挙げられる。例えば、特開平8−246001号公報では、固体塩化ニッケルを加熱蒸発(昇華)させて塩化ニッケル蒸気を充満させた反応器内に、水素ガスをアルゴンガス等の不活性ガスとともに供給して接触・混合させて還元反応を起こさせ、ニッケル粉を生成させる方法が開示されている。同方法によれば、平均粒径が0.1〜1.0μmのニッケル粉の調製が可能とされている。
ところが、上記公報に開示されているような従来のニッケル粉の製造方法によれば、たとえ目的とする範囲の粒径(0.1〜1.0μm)を有するニッケル粉を得ることができたとしても、その範囲内で、要求される粒径をさらに制御することは困難であった。また、ニッケル粉をペースト化するにあたっては、粒度にバラツキがなく均一であること、粒子表面の平滑度が高いこと、球形度が高いことなどが有利な条件であるが、これまでの製造方法では、これらの条件を高いレベルで満足させることができなかった。
したがって本発明は、1.0μ以下、特には0.1〜1.0μmの範囲で生成されるニッケル粉の粒径制御を任意に行うことができるとともに、粒度分布の均一性、粒子表面の平滑度または球形度の向上を図ることができるニッケル粉の製造方法を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明者は、上記課題を解決するために、ニッケル粉を生成するための基本的な還元反応プロセスとして、水素ガス等の還元性ガス雰囲気とした還元炉内に塩化ニッケル蒸気を供給して還元性ガスと塩化ニッケル蒸気を還元反応させる方法において、生成するニッケル粉の粒子性状に影響する因子となる付加要素(添加物、供給ガス量等)を種々検討した。その結果、塩化ニッケル蒸気とともに塩素ガスを適量還元性ガス雰囲気中に供給することにより、生成するニッケル粉を所望の粒径に制御でき、かつ粒子表面の平滑度、球形度および粒度分布が改善されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、還元性ガス雰囲気中に、塩化ニッケル蒸気とともに塩素ガスを供給し、塩化ニッケルを還元しニッケル粉を製造することを特徴としている。
本発明において、用いられる還元性ガスとしては、水素ガス、硫化水素ガス等を用いることができるが、生成したニッケル粉の粒子への影響を考慮すると水素ガスが好適である。
塩素ガスの供給量としては、粒径が0.1〜1.0μmのニッケル粉を確実に生成するという観点から、塩化ニッケル蒸気1モルに対して0.01〜0.5モルの割合、好ましくは0.03〜0.40モルの割合がよい。ニッケル粉の粒径は、塩素ガスの混合量に比例して大きくなることが確認された。すなわち、塩素ガスの供給量が多ければ多いほどニッケル粉の粒子の成長が促進され、これに基づき、生成するニッケル粉を所望の粒径に制御することができる。このように、塩素ガスの供給量に比例してニッケル粉の粒径が増大することを利用して粒径の制御を任意に行うことができる点が、本発明の最大の特徴である。
本発明は、還元性ガス雰囲気の還元炉内へ塩化ニッケル蒸気とともに塩素ガスを供給させるが、その供給方法としては種々の方法を採用することができる。具体的には、塩化ニッケル蒸気に事前に塩素ガスを混合させた後、その混合ガスを還元炉内に供給する方法、また塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの供給管をそれぞれ独立に設置し、かつ両者を隣接させることにより、塩素ガスを塩化ニッケル蒸気とともに還元炉内に連続的に供給するか、もしくは塩素ガスのみを間欠的に供給する方法、さらに、前者と後者の方法を組合せた方法、すなわち、塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの混合ガスと塩素ガスをそれぞれ独立の供給管から還元炉内に供給する方法が挙げられる。
上記のような供給方法のうち、隣接した供給管から塩素ガスを連続的に供給する方法は、生成されるニッケル粉の粒子表面の平滑度を向上させる点で好ましい。また、隣接した供給管から塩素ガスを間欠的に供給する方法は、塩化ニッケル蒸気の供給管の噴出口に生じるつらら状のニッケル粉の成長を抑制する点で好ましい。従来公知の方法では、通常、塩化ニッケル蒸気が還元炉内に噴出する供給管の出口に、還元反応によって生成されるニッケル粉が付着し、つらら状に成長する場合がある。このような現象が生じると塩化ニッケル蒸気の供給に影響を及ぼし、結果として生成するニッケル粉の粒子性状に悪影響を与えるので解決する必要があった。
上記のように、塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの供給管をそれぞれ独立に設置し、かつ両者を隣接させる手段としては、種々の方法が採用し得るが、その供給管を内管と外管とが同軸的に配された二重管とすることが好ましい。この二重管の供給管によって、内管と外管のうちの一方から塩化ニッケル蒸気を、他方から塩素ガスを還元炉内に供給する。特に、内管から塩化ニッケル蒸気、外管から塩素ガスを供給させることにより、塩素ガスが塩化ニッケル蒸気を覆うような状態となり、上述したような塩化ニッケルの供給管の噴出出口に生成するつらら状のニッケル粉の成長が抑制されるとともに、生成されるニッケル粉の球形度の向上が図られる。
さらに本発明のニッケル粉の製造方法において用いられる還元炉としては、塩化ニッケル蒸気および塩素ガスの供給管(例えば上述したような二重管)が設けられた、縦型還元炉が好ましく用いられる。
さらにまた、本発明における塩化ニッケル蒸気および塩素ガスの還元炉内での供給方法は、供給管が上部に設置された該縦型還元炉において、この供給管から還元炉内に向かって略鉛直下方に供給される方法を用いると好ましい。
このように縦型還元炉を用い、上部から塩化ニッケル蒸気および塩素ガスを還元炉内に向かって略鉛直下方に供給される方法を採用することにより、本発明の課題である所望の粒径に制御でき、かつ粒子表面の平滑度、球形度および粒度分布が改善されたニッケル粉を製造することができる。
上記のように本発明では塩化ニッケル蒸気および塩素ガスを還元性ガス雰囲気中に供給するが、このとき塩化ニッケル蒸気および塩素ガスをそれぞれ、アルゴンあるいは窒素等の不活性ガスをキャリアガスとして予め混合希釈し、供給することもできる。
また、還元炉内に供給される塩化ニッケル蒸気、塩素ガスおよび水素ガス用の還元性ガスは、還元炉内に供給する前に予め余熱することが好ましい。この余熱は後述する還元炉内での還元反応の温度範囲で行うこのが望ましい。
本発明における還元反応の温度は、通常900〜1200℃、好ましくは950〜1100℃、さらに好ましくは980〜1050℃である。
図面の簡単な説明
第1図は本発明の一実施形態に係るニッケル粉の製造装置を示す縦断面図である。
第2図は本発明の他の実施形態に係るニッケル粉の製造装置を示す縦断面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
第1図は、本実施形態を行うにあたって好適な縦型還元炉1を示している。この還元炉1の上端部には、塩化ニッケル蒸気を炉内に噴出させるための供給管2が鉛直下方に向けて突出している。この供給管2は、前記したような二重管を用いる場合もある。還元炉1の上端面であって供給管2の噴出口よりも上方には水素ガス供給管3が接続され、還元炉1の下側部には冷却ガス供給管4が接続されている。また、還元炉1の周囲には、加熱手段5が配置されている。供給管2は、塩化ニッケル蒸気を還元炉1内へ好ましい流速で噴出する機能を有している。また、供給管2には、塩素ガス供給管6が接続されている。
本実施形態では、水素ガス供給管3から水素ガスを供給して水素雰囲気とした還元炉1内に、金属ニッケルを塩素ガスにより塩素化し生成した塩化ニッケル蒸気、あるいは市販の固体塩化ニッケルを蒸発させて生成した塩化ニッケル蒸気を供給管2から噴出させる。これらの塩化ニッケル蒸気を生成する方法のうち、後者の固体の塩化ニッケルを加熱し蒸発させる方法では、蒸気の安定発生が難しく、その結果ニッケル粒の粒径が安定せず、また通常固体状の塩化ニッケルは結晶水を有しているので、使用前に脱水が必要であるばかりでなく、脱水が不十分の場合、生成したニッケル粉の汚染の原因となるなどの問題がある。このような面で、前者の金属ニッケルを塩素ガスにより塩素化し生成した塩化ニッケル蒸気を直接、還元炉に供給する方法が好ましい。
その塩化ニッケル蒸気に、塩素ガス供給管6から塩素ガスを混合する。すなわち、供給管2から塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの混合ガスを噴出させる。塩素ガスの供給量としては、塩化ニッケル蒸気1モルに対して通常0.01〜0.5モルの割合、特には0.03〜0.4モルの割合が粒径0.1〜1.0μmのニッケル粉を確実に生成させる点で好ましい。
塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの混合ガスが水素雰囲気の還元炉1内に供給するに伴い、塩化ニッケル蒸気と水素ガスの還元反応が進行し、ニッケル粉Pが生成される。ニッケル粉Pの生成工程において、供給管2の先端部からは、LPGなどの気体燃料の燃焼炎に似たような、下方に延びる火炎Fが形成される。
塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの混合ガスの供給管2先端からの噴出速度(線速)を調整することにより、上述した塩素ガスの塩化ニッケル蒸気との混合割合変化との組合せにより、得られるニッケル粉Pの粒径を、目的の範囲内(0.1〜1.0μm)の所望する粒径に制御することができる。供給管2先端における塩化ニッケル蒸気および塩素ガスの混合ガスの好ましい線速(理想気体を前提とした還元温度でのガス供給量に換算した計算値)は、900〜1100℃の還元温度において1〜30m/秒に設定される。また、0.1〜0.3μmのような小粒径のニッケル粉を製造する場合には、5〜25m/秒、さらに、0.4〜1.0μmのニッケル粉を製造する場合には、1〜15m/秒が適当である。
また、還元炉1内への水素ガス供給量は、通常、塩化ニッケル蒸気の化学当量の1.0〜3.0倍程度、好ましくは1.1〜2.5倍程度であるが、これに限定するものではない。しかしながら、水素ガスを過剰に供給すると還元炉1内に大きな水素流れをもたらし、供給管2からの塩化ニッケル蒸気噴出流が乱れて不均一な還元反応の原因になるとともに、消費されないガス放出をもたらして不経済である。また、還元反応の温度は反応完結に十分な温度以上であればよいが、固体状でニッケル粉を生成させる方が取扱いの面で容易であるので、ニッケルの融点以下が好ましい。反応速度、還元炉1の耐久性、経済性を考慮すると900℃〜1100℃が実用的であるが、特にこれに限るものではない。また、水素ガスの還元炉1内での軸方向(縦方向)の線速は、塩化ニッケル蒸気の噴出速度(線速)の1/50〜1/300程度、好ましくは1/80〜1/250がよく、これに加え、水素ガス供給管3が供給管2の噴出口よりも上方に存していることにより、実質的には静的水素ガス雰囲気中へ塩化ニッケル蒸気が供給管2から噴出される。したがって、前記火炎Fに乱れは起きず、ニッケル粉Pの安定生成がなされる。さらに、火炎Fに乱れを起こさせないための配慮として、水素ガス供給管3からの水素ガスの供給方向が、火炎F側に向かないようにすると好ましい。
上記還元工程を経て生成されたニッケル粉Pを含むガスは、アルゴンガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが、冷却ガス供給管4から火炎Fの先端より下方の空間に吹き込まれることにより冷却される。ここでいう冷却とは、還元反応で生成されたニッケル粉Pの粒子の成長を停止もしくは抑制するために行う操作であり、具体的には、還元反応を終えた1000℃付近のガス流を400〜800℃程度まで急冷する操作を意味する。もちろん、これ以下の温度まで冷却を行ってもかまわない。このように不活性ガスを吹き込むことにより、ニッケル粉Pの凝集を防止しつつ粒径制御を行うことができる。冷却ガス供給管4は、1個所もしくは還元炉1の上下方向に位置を変化させ複数個所に設けることで冷却条件を任意に変更することができ、これによって粒径制御をより精度よく行なうことができる。
以上の還元・冷却工程を経たニッケル粉Pを含む混合ガス(塩酸ガスおよび不活性ガスを含む)は回収工程へ移送され、そこで、混合ガスからニッケル粉Pが分離回収される。分離回収には、例えば、バグフィルター、水中捕集分離手段、油中捕集分離手段および磁気分離手段の1種または2種以上の組合せが好適であるが、これに限定されるものではない。たとえば、バグフィルターによってニッケル粉Pを捕集する場合、冷却工程で生成したニッケル粉Pと塩酸ガスおよび不活性ガスの混合ガスをバグフィルターに導き、ニッケル粉Pだけを回収してもよい。油中捕集分離を用いる場合には、炭素数10〜18のノルマルパラフィンまたは軽油を使用するのが好適である。水中もしくは油中捕集を用いる場合には、捕集液にポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールまたはそれらの誘導体(モノアルキルエーテル、モノエステル)あるいは、ソルビタン、ソルビタンモノエステル等の界面活性剤、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体に代表される金属不活性剤、フェノール系、あるいはアミン系など公知の酸化防止剤、これらの1種または2種以上を10〜1000ppm程度添加すると、金属粉末粒子の凝集防止や防錆に効果的である。このようにして回収されたニッケル粉は、水洗・乾燥され、本発明のニッケル粉が得られる。
上記実施形態によれば、目的とする粒度範囲(0.1〜1.0μm)のニッケル粉Pが生成されるとともに、塩化ニッケル蒸気に対して混合する塩素ガスの供給量に比例してその粒径の成長が促進される。したがって、塩素ガスの供給量を適宜に調整することにより、ニッケル粉Pを所望の粒径に制御することができる。また、塩素ガスを混合させることにより、ニッケル粉Pの粒度のバラツキが抑制されて粒度の均一化が図れ、微粗粉の少ない粒度分布の狭いニッケル粉を得ることができる。
第2図は、本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、内管2Aと外管2Bを有する二重管を供給管として用い、外管2Bから還元炉1内に塩素ガスが噴出されるようになされている。すなわち、還元炉1内への塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの噴出口をそれぞれ独立に設置し、かつ両者を同軸的に隣接させている。還元炉1内への塩化ニッケル蒸気および塩素ガスの供給量あるいは水素ガスの供給量等は、上記一実施形態に準じて行われる。
本実施形態によれば、塩素ガスを塩化ニッケル蒸気と同時に還元炉1内に連続的に供給するか、もしくは塩素ガスのみを間欠的に供給する方法を採ることができる。
塩素ガスを塩化ニッケル蒸気と同時に連続的に供給させることにより、生成されるニッケル粉Pの粒子表面の平滑度を向上させることができる。
また、塩化ニッケル蒸気が還元炉1内に噴出する内管2Aの出口には、還元反応によって生成されるニッケル粉Pが付着してつらら状に成長する場合がある。そこで、外管2Bから塩素ガスのみを間欠的に供給させると、そのつらら状のニッケル粉Pの成長を抑制することができ、塩化ニッケル蒸気の供給を支障なく行うことができ、ひいては生成するニッケル粉の粒子性状に影響を及ぼすことがない。特にこの場合、内管2Aから塩化ニッケル蒸気が、また、外管2Bから塩素ガスが供給するので、塩素ガスが塩化ニッケル蒸気を覆うような状態となり、上記ニッケル粉Pのつらら状の成長を抑制する効果を顕著に得ることができる。さらに、このような供給形態を採ることにより、生成されるニッケル粉Pの粒子の球形度を向上することができる。
次に、具体的な実施例を示して本発明をより明らかにする。
[実施例1]
第1図に示す還元炉1内を1000℃の還元温度に保持し、水素ガス供給管3から水素ガスを7.5Nl/分の流量で供給して炉内を水素ガス雰囲気とした。次いで、塩素ガス供給管6から塩素ガスを混合させながら、塩化ニッケル蒸気を供給管2から還元炉1内に噴出させ、ニッケル粉を得た。塩化ニッケル蒸気の流量を3.7Nl/分と一定にし、塩素ガスの流量を変化させ、ニッケル粉のサンプルA、B、Cを得た。これらサンプルをSEM写真で観察し、また、BET法で平均粒径を求めた。その結果を、第1表に示す。
Figure 0003540819
第1表から、塩化ニッケル蒸気に対する塩素ガスの混合の割合を高めることによりニッケル粉の粒子の成長が促進され、粒径が増大することが認められた。したがって、これに基づき塩素ガスの混合量を調整することにより、生成ニッケル粉を所望の粒径に制御することができることが明らかとなった。
[実施例2]
第2図に示す還元炉1内を1000℃に保持し、上記実施例1と同様にして炉内を水素ガス雰囲気とした。次いで、内管2Aから塩化ニッケル蒸気を1.7Nl/分の流量で供給すると同時に、外管2Bから塩素ガスを1.0Nl/分の流量で供給し、ニッケル粉のサンプルDを得た。
次に、上記の生成工程の途中において、外管2Bから供給する塩素ガスの流量を1.0Nl/分から0.5Nl/分まで絞り、残りの0.5Nl/分の塩素ガスを内管2Aから混入させてニッケル粉のサンプルEを得た。これらサンプルをSEM写真で観察し、また、BET法で平均粒径および粒度分布の標準偏差を求めた。その結果を第2表に示す。
Figure 0003540819
第2表によると、内管2Aと外管2Bとの別経路から還元炉1内に塩化ニッケル蒸気と塩素ガスを直接供給した場合(サンプルD)よりも、予め塩化ニッケル蒸気に塩素ガスを混合させた場合の方(サンプルE)が粒度のバラツキが抑制され、粒度分布の均一性が向上することが判る。
[実施例3]
第2図に示す還元炉1内を1000℃の還元温度に保持し、水素ガス供給管3から水素ガスを8Nl/分の流量で供給して炉内を水素ガス雰囲気とした。次いで、内管2Aからの塩化ニッケル蒸気を3.7Nl/分の流量で供給開始した。塩化ニッケル蒸気の供給開始8分後には、塩化ニッケル蒸気の背圧が上昇した。そこで、外管2Bから塩素ガスを0.5Nl/分の流量で供給した。塩素ガスの噴出開始1分後には塩化ニッケル蒸気の背圧が正常範囲に戻り、その後1時間にわたって連続運転を行ったところ、塩化ニッケル蒸気の背圧上昇は認められなかった。
さらにここから、塩素ガスの供給を2分おきに間欠的に繰り返す運転を1時間行ったが、塩化ニッケル蒸気の背圧上昇は認められず、安定した連続運転を行うことができた。この連続運転により得られたニッケル粉をSEM写真で観察し、また、BET法で平均粒径を求めたところ、平均粒径は0.28μmと良好な値を示した。特に、間欠的に塩素ガスを供給することにより、ニッケル粉のつらら状の成長はほとんどみられなかった。
[実施例4]
第2図に示す還元炉1内を1000℃の還元温度に保持し、水素ガス供給管3から水素ガスを供給して炉内を水素ガス雰囲気とした。次いで内管2Aから塩化ニッケル蒸気を、また外管2Bから塩素ガスを同時かつ連続的に供給した。塩化ニッケル蒸気の供給量は1.9Nl/分と一定にし、水素ガスおよび塩素ガスの供給量をそれぞれ変化させ、ニッケル粉のサンプルF、G、Hを得た。これらサンプルをSEM写真で観察し、また、BET法で平均粒径を求めた。その結果を、第3表に示す。
Figure 0003540819
第3表から明らかなように、外管2Bからの塩素ガスの供給量を増やすにつれニッケル粉の粒子の成長は顕著になっている。したがって、塩素ガスの混合量を調整することにより、ニッケル粉の粒径を制御することができる。また、二重管先端のNi粉のツララ成長は見られなかった。
[実施例5]
第2図に示す還元炉1内を1000℃の還元温度に保持し、水素ガス供給管3から水素ガスを3.7Nl/分の流量で供給して炉内を水素ガス雰囲気とした。次いで、内管2Aからの塩化ニッケル蒸気の供給を1.87Nl/分の流量で開始し、60分間の連続運転を行った。次に、外管2Bから塩素ガスを0.5Nl/分の流量で供給させ、更に60分後に生成反応を停止した。初期の塩化ニッケル蒸気のみの供給により得たニッケル粉をサンプルI、次いで塩素ガスを混合させて得たニッケル粉をサンプルJとし、これらサンプルをSEM写真で観察し、粒子のアスペクト比(長軸/短軸)を求めた。アスペクト比が小さければ小さいほど球形度が高いことを示す。その結果を、第4表に示す。
Figure 0003540819
第4表から明らかなように、外管2Bから塩素ガスを供給させることによりアスペクト比が小さくなり、球形度の向上が図られた。
以上説明したように、本発明のニッケル粉の製造方法は、還元性ガス雰囲気中に、塩化ニッケル蒸気とともに塩素ガスを供給し、塩化ニッケルを還元してニッケル粉を生成することを特徴とするものであり、供給する塩素ガスにより生成するニッケル粉の粒子成長を制御することができることから、ニッケル粉の粒径制御を適切に行うことができるとともに、粒度の均一性、粒子表面の平滑度または球形度の向上を図ることができる。

Claims (7)

  1. 還元性ガス雰囲気中に塩化ニッケル蒸気とともに塩素ガスを供給し、塩化ニッケルを還元することを特徴とするニッケル粉の製造方法。
  2. 前記塩素ガスの割合が、塩化ニッケル蒸気1モルに対して0.01〜0.5モルであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉の製造方法。
  3. 前記塩素ガスを連続的もしくは間欠的に供給することを特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉の製造方法。
  4. 内管と外管とが同軸的に配された二重管である供給管から、内管と外管のうちの一方から塩化ニッケル蒸気を、また、他方から塩素ガスを供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
  5. 内管と外管とが同軸的に配された二重管である供給管から、内管から塩化ニッケル蒸気を、また、外管から塩素ガスを供給することを特徴とする請求項4に記載のニッケル粉の製造方法。
  6. 還元性ガス雰囲気中に、塩化ニッケル蒸気と塩素ガスの混合ガスを還元炉に供給し、塩化ニッケルを還元することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
  7. 上部に供給管が設けられ、この供給管からの塩化ニッケル蒸気および前記塩素ガスの供給方向が、炉内に向かって略鉛直下方に供給される縦型還元炉を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル粉の製造方法。
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