JPH11236605A - ニッケル粉の製造方法 - Google Patents

ニッケル粉の製造方法

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JPH11236605A
JPH11236605A JP5591398A JP5591398A JPH11236605A JP H11236605 A JPH11236605 A JP H11236605A JP 5591398 A JP5591398 A JP 5591398A JP 5591398 A JP5591398 A JP 5591398A JP H11236605 A JPH11236605 A JP H11236605A
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JP
Japan
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gas
nicl
nickel powder
furnace
reducing
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JP5591398A
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Wataru Kagohashi
亘 籠橋
Takeshi Asai
剛 浅井
Hideo Takatori
英男 高取
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Toho Titanium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元反応速度の上昇、生成されるニッケル粉
の平均粒径の細かな制御および未反応NiCl2 ガスの抑制
を可能とし、生産効率の向上が図られるニッケル粉の製
造方法を提供する。 【解決手段】 NiCl2 ガスを、水素ガス供給管21から
水素ガスが供給されて水素ガス雰囲気とされた還元炉2
内に、還元温度(900〜1100℃)における線速
(理想気体を仮定した計算値)を1〜30m/秒の範囲
をもって、かつその分圧を0.5〜1.0に設定して噴
出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品用導電ペ
ーストフィラー等に用いられて好適なニッケル粉の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Ni、Cu、Agなどの導電性の金属粉
末は、積層セラミックコンデンサの内部電極形成用とし
て有用であり、とりわけニッケル粉は、そのような用途
として最近注目されている。中でも乾式の製造方法によ
って製造したニッケル超微粉が有望視されている。特
に、コンデンサの小型化、大容量化に伴い、内部電極の
薄層化・低抵抗化等の要求から、粒径1.0μm以下の
超微粉が要望されている。
【0003】このような微細なニッケル粉を製造する方
法の1つとして、気相還元法が挙げられる。例えば、特
開平8−246001号公報では、固体塩化ニッケルを
加熱蒸発(昇華)させてNiCl2 ガスを充満させた反応器
内に、水素ガスをアルゴンガス等の不活性ガスとともに
供給して還元反応を起こさせ、ニッケル粉を析出させる
方法が開示されている。同方法によれば、平均粒径が
0.1〜1.0μmのニッケル粉の生成が可能とされて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
開示されているようなニッケル粉の製造方法によると、
反応器内のNiCl2 の蒸発速度が遅いため還元反応速度を
上げるのに限界があり、また、NiCl2 ガスが未反応のま
ま残存したり、あるいはNiCl2 ガスの全てを還元反応さ
せるには時間が長くかかったりするなどにより、生産効
率に劣ることが想定される。さらに、生成されるニッケ
ル粉の平均粒径が0.1〜1.0μmと微細になり得た
としても、その範囲内で粒径を制御する要望には応えら
れないものである。したがって本発明は、還元反応速度
の向上、生成されるニッケル粉の平均粒径の細かな制御
および未反応NiCl2 ガスの抑制を可能とし、生産効率の
向上が図られるニッケル粉の製造方法を提供することを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、まず、従来
のようにNiCl2 ガス雰囲気中に水素ガスを供給する方法
が反応速度の限界と未反応NiCl2 ガスの発生を惹起して
おり、これとは逆に、水素ガス雰囲気中にNiCl2 ガスを
送り込めば、それらの不具合を解消することができるの
ではないかと推測した。そして、実際に水素ガス雰囲気
中にNiCl2 ガスを噴出という形態で送り込み、ニッケル
粉を生成する実験を重ねて定量的に解析を試みた。その
結果、上記不具合が解消されるに至り、さらに、NiCl2
ガスの噴出速度および分圧が、生成されるニッケル粉の
粒径に影響し、具体的には、噴出速度および分圧がある
範囲内において平均粒径が0.1〜1.0μmとなり、
かつ噴出速度が速いほど、また分圧が低いほど、粒径が
小さくなることを見い出した。よって本発明はこのよう
な知見に基づいてなされたもので、分圧が0.5〜1.
0のNiCl2 ガスを、還元性ガス雰囲気とされた還元炉内
に、線速1〜30m/秒で供給することを特徴としてい
る。なお、NiCl2 ガスとしては、例えば、NiCl 2 を蒸発
させて得たもの、あるいは金属ニッケルを塩化して生成
したものなどを用いることができる。
【0006】すなわち本発明では、NiCl2 ガスの噴出速
度および分圧を、生成されるニッケル粉の粒径制御因子
としている。まず、NiCl2 ガスの噴出速度は、理想気体
を仮定した還元温度(例えば900〜1100℃)にお
ける計算値では1〜30m/秒の場合に平均粒径が0.
1〜1.0μmのニッケル粉を生成することができる。
さらにこの範囲の中で、0.1〜0.3μmのような小
粒径のニッケル粉を生成する場合には、およそ5〜20
m/秒、また、0.4〜1.0μmのニッケル粉を生成
する場合には、およそ1〜15m/秒が好ましく、NiCl
2 ガスの噴出速度が速いほどニッケル粉の平均粒径を微
細化することができる。一方、NiCl2 ガスの分圧は、Ni
Cl2 ガスを還元炉内に噴出させる際に、窒素ガスやアル
ゴンガス等の不活性ガスを混合することにより目的の範
囲内に調整することができる。そして、NiCl2 ガスの分
圧を0.5〜1.0の範囲とすることにより0.1〜
1.0μmの平均粒径を得ることができ、とりわけ粒径
0.2〜0.5μmといった小粒径のニッケル粉を生成
する場合には、分圧0.6〜0.9程度が好適である。
NiCl2 ガスの分圧を高めるとニッケル粉の粒径を増大さ
せることができ、逆にNiCl2 ガスの分圧を低めるとニッ
ケル粉の粒径を小さくすることができる。
【0007】ところで、NiCl2 ガスと還元性ガスによる
還元反応が進行する際、還元炉内へのNiCl2 ガスの噴出
部からは、LPGなどの気体燃料の燃焼炎に似たよう
な、下方に延びる輝炎(以下、火炎と称する)が発生す
る。この火炎が乱れるとニッケル粉の安定生成に影響を
及ぼすので、還元炉内に供給する還元性ガスが火炎を乱
すようなことがあってはならない。そのためには、NiCl
2 ガスが炉内に略垂直下方に噴出され、かつ還元性ガス
の供給部が、NiCl2 ガスの噴出部よりも上方に配置され
ている縦型還元炉を用いることが好ましい。さらに火炎
に乱れを起こさせないためには、還元性ガスの縦方向の
線速が、NiCl2 ガスの噴出速度の1/50〜1/30
0、好ましくは1/80〜1/250がよい。このよう
に還元性ガスの供給状態を制御することにより、実質的
には静的還元性ガス雰囲気中へNiCl2ガスが噴出する好
ましい状態となる。
【0008】また、本発明によれば、還元性ガス雰囲気
中にNiCl2 ガスを噴出させるから、NiCl2 ガスの噴出速
度を速くすることにより還元反応速度を上げることが可
能であるとともに、NiCl2 ガスが未反応のまま残存する
ことが回避され、よって生産効率の向上が図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の一実施形態を説明する。本実施形態は、まず、金属ニ
ッケルを塩化してNiCl2 ガスを生成する塩化工程と、そ
のNiCl2 ガスを水素ガス(還元性ガス)雰囲気の還元炉
内に噴出させてニッケル粉を生成する還元工程と、この
後の、ニッケル粉の冷却工程および回収工程とを備えて
いる。これら工程を、順を追って説明していく。
【0010】A.塩化工程 塩化工程は、図1に示すような塩化炉1を用いて行うと
好適である。塩化炉1の上端面には、原料金属ニッケル
Mを供給するための原料供給管11が設けられる。ま
た、塩化炉1の上側部には塩素ガス供給管14が接続さ
れ、下側部には不活性ガス供給管15が接続される。塩
化炉1の周囲には加熱手段10が配置され、塩化炉1の
下端面には移送管兼ノズル(NiCl2 ガスの噴出部:以
下、単にノズルという)17が接続される。塩化炉1は
縦型、横型を問わないが、固体−ガス接触反応を均一に
行うためには縦型が好ましい。塩素ガスは、流量計測し
て連続的に塩素ガス供給管14から供給される。塩化炉
1およびその他の部材は、石英ガラス製が好ましい。ノ
ズル17は後述する還元炉2の上端面に接続され、塩化
炉1で発生するNiCl2 ガス等を還元炉2へ移送する機能
を有する。また、ノズル17の下端部は、還元炉2内に
突出してNiCl2 ガス噴出ノズルとして機能する。なお、
塩化炉1の底部には、図1に示すような網16を設け、
網16の上に金属ニッケルMを堆積させるとよい。
【0011】出発原料である金属ニッケルMの形態は問
わないが、接触効率、圧力損失上昇防止の観点から、粒
状、塊状、板状、粉などが好ましく、またその純度は慨
して99.5%以上が好ましい。塩化炉1内の金属ニッ
ケルMの充填層高は、塩素供給速度、塩化炉温度、連続
運転時間、金属ニッケルMの形状などをもとに、供給塩
素ガスがNiCl2 ガスに変換されるに十分な範囲に適宜設
定すればよい。塩化炉1内の温度は、反応を十分進める
ために800℃以上とし、ニッケルの融点である148
3℃以下とする。反応速度と塩化炉1の耐久性を考慮す
ると、実用的には900〜1100℃の範囲が好まし
い。そして、金属ニッケルMが充填された塩化炉1への
塩素ガスの連続供給は、NiCl2 ガスの連続発生をもたら
す。そして、塩素ガス供給量がNiCl2 ガスの発生量を支
配するから、後述する還元反応を支配し、その結果、目
的とする製品すなわちニッケル粉が生産可能になる。な
お、塩素ガス供給の詳細は、後述する還元工程の項でよ
り具体的に説明する。
【0012】塩化工程で発生したNiCl2 ガスは、そのま
まノズル17から還元工程に移送するか、場合によって
は、不活性ガス供給管15から窒素ガスやアルゴンガス
などの不活性ガスを、NiCl2 ガスに対し0〜70モル%
混合し、この混合ガスを還元工程に移送する。この不活
性ガスの供給は、ニッケル粉の粒径制御因子となる。不
活性ガスの過剰な混合は、不活性ガスの無駄な消費とな
ることはもちろん、エネルギ−損失となって不経済であ
る。このような観点から、ノズル17を通過する混合ガ
スの好ましいNiCl2 ガスの分圧は、全圧を1.0とした
ときに0.3〜1.0、好ましくは0.5〜1.0の範
囲、とりわけ粒径0.2〜0.5μmといった小粒径の
ニッケル粉を製造する場合には、分圧は0.6〜0.9
程度が好適である。そして、前述のようにNiCl2 ガスの
発生量は塩素ガス供給量により任意に調整することがで
き、また、NiCl2 ガスの分圧も不活性ガス供給量で任意
に調整することができる。
【0013】B.還元工程 塩化工程で発生したNiCl2 ガスは、連続的に還元工程に
移送される。還元工程は、図1に示すような縦型還元炉
2を用いて行うことが望ましい。この還元炉2の上端部
には、上記ノズル17が下方へ突出させられる。また、
還元炉2の上端面であってノズル17の噴出口よりも上
方には水素ガス供給管(還元性ガスの供給部)21が接
続され、還元炉2の下側部には冷却ガス供給管22が接
続される。また、還元炉2の周囲には、加熱手段20が
配置される。ノズル17は、後述するように、塩化炉1
から還元炉2内へNiCl2 ガス(不活性ガスを含む場合が
ある)を、好ましい流速で噴出する機能を有する。
【0014】NiCl2 ガスと水素ガスによる還元反応が進
行する際、ノズル17の先端部からは、LPGなどの気
体燃料の燃焼炎に似たような、下方に延びる火炎Fが形
成される。還元炉2への水素ガス供給量は、NiCl2 ガス
の化学当量、すなわち、塩化炉1へ供給する塩素ガスの
化学当量の1.0〜3.0倍程度、好ましくは1.1〜
2.5倍程度であるが、これに限定するものではない。
しかしながら、水素ガスを過剰に供給すると還元炉2内
に大きな水素流れをもたらし、ノズル17からのNiCl2
ガス噴出流が乱れて不均一な還元反応の原因になるとと
もに、消費されないガス放出をもたらして不経済であ
る。また、還元反応の温度は反応完結に十分な温度以上
であればよいが、固体状のニッケル粉を生成する方が取
扱いが容易なので、ニッケルの融点以下が好ましい。反
応速度、還元炉2の耐久性、経済性を考慮すると900
℃〜1100℃が実用的であるが、特にこれに限るもの
ではない。
【0015】上記のとおり塩化工程に供給された塩素ガ
スは、実質的に同モル量のNiCl2 ガスとなり、これが還
元原料とされる。NiCl2 ガスもしくはNiCl2 −不活性ガ
ス混合ガスのノズル17先端からの噴出速度(線速)を
調整することにより、得られるニッケル粉Pの粒径を適
切化することができる。すなわち、ノズル径が一定であ
れば、塩化工程への塩素供給量と不活性ガス供給量によ
って、還元炉2で生成されるニッケル粉Pの粒径を、目
的の範囲(0.1〜1.0μm)に調整することができ
る。ノズル17先端における好ましいガスの線速(NiCl
2 ガスおよび不活性ガスの合計(還元温度でのガス供給
量に換算した計算値))は、900〜1100℃の還元
温度において1〜30m/秒に設定される。また、0.
1〜0.3μmのような小粒径のニッケル粉を製造する
場合には、10〜25m/秒、好ましくは10〜20m
/秒、また、0.4〜1.0μmのニッケル粉を製造す
る場合には、1〜15m/秒、好ましくは1〜10m/
秒が適当である。
【0016】さらに、水素ガスの還元炉2内での軸方向
(縦方向)の線速は、NiCl2 ガスの噴出速度(線速)の
1/50〜1/300程度、好ましくは1/80〜1/
250がよく、これに加え、水素ガス供給管21がノズ
ル17の噴出口よりも上方に存していることにより、実
質的には静的水素ガス雰囲気中へNiCl2 ガスがノズル1
7から噴出される。したがって、前記火炎Fに乱れは起
きず、ニッケル粉の安定生成がなされる。さらに、火炎
Fに乱れを起こさせないための配慮として、水素ガス供
給管21からの水素ガスの供給方向が、火炎側に向かな
いようにすると好ましい。
【0017】C.冷却工程 冷却工程は、図1に示すように、還元炉2内のノズル1
7と反対側の空間部分で行なうことができ、あるいは、
還元炉2の出口に接続した別の容器を用いることも可能
である。なお、ここでいう冷却とは、還元反応で生成し
たガス流(塩酸ガスを含む)におけるニッケル粒子の成
長を停止もしくは抑制するために行う操作であり、具体
的には、還元反応を終えた1000℃付近のガス流を4
00〜800℃程度まで急冷する操作を意味する。もち
ろん、これ以下の温度まで冷却を行ってもかまわない。
【0018】冷却を行うための好ましい例として、火炎
Fの先端から下方の空間部分に不活性ガスを吹き込むよ
うに構成することができる。具体的には、冷却ガス供給
管22より窒素ガスを吹き込むことで、ガス流を冷却す
ることができる。不活性ガスを吹き込むことにより、ニ
ッケル粉Pの凝集を防止しつつ粒径制御を行うことがで
きる。冷却ガス供給管22は、1個所もしくは還元炉2
の上下方向に位置を変化させ複数個所に設けることで、
冷却条件を任意に変更することができ、これによって粒
径制御をより精度よく行なうことができる。
【0019】D.回収工程 以上の工程を経たニッケル粉Pと塩酸ガスおよび不活性
ガスの混合ガスは回収工程へ移送され、そこで、混合ガ
スからニッケル粉Pが分離回収される。分離回収には、
例えば、バグフィルター、水中捕集分離手段、油中捕集
分離手段および磁気分離手段の1種または2種以上の組
合せが好適であるが、これに限定されるものではない。
たとえば、バグフィルターによってニッケル粉Pを捕集
する場合、冷却工程で生成したニッケル粉Pと塩酸ガス
および不活性ガスの混合ガスをバグフィルターに導き、
ニッケル粉Pだけを回収してもよい。油中捕集分離を用
いる場合には、炭素数10〜18のノルマルパラフィン
または軽油を使用するのが好適である。水中もしくは油
中捕集を用いる場合には、捕集液にポリオキシアルキレ
ングリコール、ポリオキシプロピレングリコールまたは
それらの誘導体(モノアルキルエーテル、モノエステ
ル)あるいは、ソルビタン、ソルビタンモノエステル等
の界面活性剤、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体に
代表される金属不活性剤、フェノール系、あるいはアミ
ン系など公知の酸化防止剤、これらの1種または2種以
上を10ppm〜1000ppm程度添加すると、金属
粉末粒子の凝集防止や防錆に効果的である。このように
して回収されたニッケル粉は、水洗・乾燥され、最終的
な製品とされる。
【0020】なお、上記一実施形態では、塩化炉により
金属ニッケルMを塩化してNiCl2 ガスを得ているが、こ
の他には、例えばNiCl2 ガスを蒸発させてNiCl2 ガスを
得るなど、NiCl2 ガスを得る手段はいかなるものであっ
てもかまわない。
【0021】
【実施例】次に、具体的な実施例を示して本発明をより
明らかにする。 [実施例1−NiCl2 ガスの噴出速度の違い]図1に示す
還元炉2内を1000℃に保持し、この還元炉2内に水
素ガス供給管21から水素ガスを連続的に供給して炉内
を水素ガス雰囲気とした。次いで、塩化炉1により生成
したNiCl2 ガスをノズル17から還元炉2内に噴出さ
せ、ニッケル粉を得た。水素ガスの流量およびNiCl2
スの噴出速度をそれぞれ変化させて得たニッケル粉をサ
ンプルA、B、Cとした。なお、NiCl2 ガスの分圧は全
て一定の0.83とした。これらサンプルをSEM写真
で観察し、また、BET法で平均粒径を求めた。その結
果を、表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から、NiCl2 ガスの噴出速度が速けれ
ば速いほど生成されたニッケル粉の平均粒径は小さくな
ることが確認され、これに基づき、NiCl2 ガスの噴出速
度を調整することにより、ニッケル粉の粒径を制御する
ことができることが明らかとなった。
【0024】[実施例2−NiCl2 ガスの分圧の違い]図
1に示す還元炉2内を1000℃に保持し、この還元炉
2内に水素ガス供給管21から水素ガスを55Nl/分
の流量で供給して炉内を水素ガス雰囲気とした。次い
で、塩化炉1により生成したNiCl2 ガスに、不活性ガス
供給管15から窒素ガスを混合させてNiCl2 ガスの分圧
を調整し、その混合ガスを、ノズル17から還元炉2内
に30〜50Nl/分の流量で噴出させ、ニッケル粉を
得た。NiCl2 ガスの分圧を変化させて得たニッケル粉を
サンプルD、E、Fとした。なお、ノズル17からのガ
ス噴出速度は、3〜5m/秒とした。これらサンプルを
SEM写真で観察し、また、BET法で平均粒径を求め
た。その結果を、表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2から、NiCl2 ガスの分圧が低ければ低
いほど生成されたニッケル粉の平均粒径は小さくなるこ
とが確認され、これに基づき、NiCl2 ガスの分圧を調整
することにより、ニッケル粉の粒径を制御することがで
きることが明らかとなった。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のニッケル
粉の製造方法によれば、NiCl2 ガスと還元性ガスの還元
反応速度の上昇、生成されるニッケル粉の平均粒径の細
かな制御および未反応NiCl2 ガスの抑制を可能とし、生
産効率の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るニッケル粉の製造
装置の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2…還元炉、17…移送管兼ノズル(NiCl2 ガスの噴出
部)、21…水素ガス供給管(還元性ガスの供給部)、
P…ニッケル粉。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分圧が0.5〜1.0のNiCl2 ガスを、
    還元性ガス雰囲気とされた還元炉内に、線速1〜30m
    /秒で供給することを特徴とするニッケル粉の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 NiCl2 ガスが炉内に略垂直下方に噴出さ
    れ、かつ還元性ガスの供給部が、NiCl2 ガスの噴出部よ
    りも上方に配置されている縦型還元炉を用いることを特
    徴とする請求項1に記載のニッケル粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 還元性ガスの縦方向の線速が、前記NiCl
    2 ガスの噴出速度の1/50〜1/300であることを
    特徴とする請求項1または2に記載のニッケル粉の製造
    方法。
JP5591398A 1998-02-20 1998-02-20 ニッケル粉の製造方法 Pending JPH11236605A (ja)

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Cited By (5)

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