JPH05247506A - 金属磁性粉の製造装置 - Google Patents

金属磁性粉の製造装置

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JPH05247506A
JPH05247506A JP4834592A JP4834592A JPH05247506A JP H05247506 A JPH05247506 A JP H05247506A JP 4834592 A JP4834592 A JP 4834592A JP 4834592 A JP4834592 A JP 4834592A JP H05247506 A JPH05247506 A JP H05247506A
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powder
reactor
gas
metal
magnetic
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JP4834592A
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Tomoo Maeda
友夫 前田
Hideaki Sato
秀明 佐藤
Yoshiki Shibuya
佳樹 渋谷
Keiichi Okuyama
契一 奥山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属ハロゲン化物蒸気の気相還元により、特性
のばらつきが極めて少ない金属磁性粉を安定にかつ連続
的に大量生産することができる金属磁性粉の製造装置を
提供することを目的とする。 【構成】反応容器1内にその上部から金属ハロゲン化蒸
気ガスと還元ガスとを供給して気相還元反応を生じさ
せ、金属磁性粉を製造する。製品の金属磁性粉は反応ガ
スから分離されて二基の粉体捕集機13、13´の一方
に導かれ、他方は反応器1の付着粉のみを捕集する。こ
の際の金属磁性粉含有反応ガスの切替えはバルブ14、
14´の開閉により行う。反応器1の内壁に付着した粉
は、ノズル孔17から高圧不活性ガスを吹き付けると共
に、ハンマリング装置20により反応器1に衝撃を与え
ることにより、反応器を開放することなく除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば高密度磁気記
録媒体に用いられる金属磁性粉を、金属ハロゲン化物蒸
気の気相化学反応により製造する金属磁性粉の製造装置
に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、Fe,Co,Niの内少なくとも一種を含む金属ハ
ロゲン化物蒸気を還元ガスにより気相還元して、高密度
磁気記録媒体に使用し得る金属磁性粉を製造することが
試みられている。
【0003】例えば、特公昭61−60123には、金
属ハロゲン化物蒸気と還元ガスに流速差をつけ、かつ反
応部を磁場中に置き、この蒸気を急冷する方法が開示さ
れている。また、特開昭63−312603には還元ガ
スに微量の活性ガスを混合して反応を促進させる方法
が、特開平1−36706には反応を減圧下で行なわせ
る方法が夫々開示されている。このように、この方法で
は多数の改良技術が公知である。しかし、これらの改良
技術をもってしても、この方法によって作られた金属磁
性粉は磁気記録媒体用として未だ実用に供されていな
い。
【0004】この方法を実用に供する上での大きな問題
点は、気相化学反応により連続的に大量の金属磁性粉を
製造しようとした時、製品の磁気特性、特に飽和磁化の
値の経時的なばらつきが大きく、一定の特性の粉を安定
的に製造するのが困難なことである。
【0005】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであって、金属ハロゲン化物蒸気の気相還元によ
り、高密度磁気記録媒体に使用可能であって、特性のば
らつきが極めて少ない金属磁性粉を安定にかつ連続的に
大量生産することができる金属磁性粉の製造装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、上
記課題を解決するために、Fe,Co,Niの内少なく
とも一種を含む金属ハロゲン化物蒸気を還元ガスにより
気相還元して金属磁性粉を製造する装置であって、その
上部から前記金属ハロゲン化物蒸気及び還元ガスが供給
され、その中で気相還元反応を生じさせるための反応器
と、この反応器の下端部から連続して設けられ、前記反
応容器内で生成された金属磁性粉を反応ガスから分離し
て捕集するための少なくとも二基の粉体捕集装置と、こ
れら粉体捕集装置各々単独に金属磁性粉を含む反応ガス
を流せるように設けられたガス流路の切替手段と、前記
粉体捕集装置に至るまでの反応器壁に付着した金属磁性
粉を反応器を開放することなく除去するための除去手段
とを備えたことを特徴とする金属磁性粉の製造装置を提
供する。本発明者等は、従来技術における磁気特性の経
時的なばらつきの原因を詳細に検討した結果、それが下
記の機構によって生じることを見出した。ハロゲン化物
として塩化物を例にとると、気相還元による粉生成反応
は(1)式で表わされる。 MCl2 (Gas)+H2 (Gas)→M(solid )+2HCl(Gas)…(1) ここでMは二価の金属を表わし、Fe,Co,Niの内
の一種又は二種以上の混合物である。
【0007】(1)式の反応はMの種類により若干異な
るが、金属磁性粉の作成を目的とした成分系では、通常
900℃以上では右へ進む反応となるが、900℃以下
になると右から左へ進む反応が優勢になる。すなわち、
900℃以上で還元反応により生成した金属磁性粉を、
その反応ガス中に懸濁したままガスと共に冷却し粉体捕
集装置で捕集しようとした時、金属磁性粉は、反応で副
生した塩化水素により元の金属塩化物に戻ろうとする傾
向を持つ。ただ、通常は、原料金属ハロゲン化物蒸気を
希釈した不活性ガスや過剰の還元ガスにより副生塩化水
素の分圧が非常に低いこと、及び冷却されて低温になる
と(1)式の左へ進む反応の反応速度が非常に遅くなる
ことから、金属磁性粉が塩化物に戻る前に回収できるわ
けである。
【0008】従来より公知の装置で金属磁性粉を製造す
る場合、生成金属磁性粉はガス中に懸濁したまま、ガス
と共に水冷壁又は空冷壁により冷却されつつ粉体捕集装
置へ流出するが、その際、粉の一部が反応炉壁に付着す
る。炉壁への付着粉は徐々にその層厚を増してゆくが、
壁面の温度は冷却により低温に保たれているため、付着
粉は焼結や融着を起こして強固に付着することはなく、
単に粉体の付着力や凝集力により弱く付着しているのみ
であることから、時々付着壁面から脱離して再度ガス中
に懸濁し、製品金属磁性粉に混入する。
【0009】ここで、壁面に付着しなかった粉は反応部
から粉体捕集装置までの装置の長さにもよるが通常数秒
から10数秒で900℃以上から200〜300℃以下
(粉体捕集装置の熱損傷を避けるため、通常反応ガスは
200〜300℃以下まで冷却される)まで冷却される
のに対し、壁面へ付着した粉は数10秒から場合によっ
ては数10分の間、副生塩化水素を含有した高温の反応
ガスにさらされるため、(1)式の右から左へ進む反応
により一部再塩化され、Clの含有量が多くなる。この
Clの含有量が多い粉が製品に混入すると、以降の工程
の間に金属磁性粉は腐蝕され易くなり、磁気特性、特に
飽和磁化の劣化をひき起こすのである。
【0010】従って、反応炉の壁面に付着した粉を定期
的に清掃・除去して付着粉が脱離して製品に混入する確
率を減らすことにより、磁気特性の経時的なばらつきの
問題が解決される。
【0011】反応炉内の清掃を行なう方法は各種考えら
れ、最も簡便な方法は反応炉の適当な部位にフランジ口
を設け、清掃時はそこを開放してブラシ等の機械的掻取
り手段により付着粉を除去する方法である。しかし、反
応炉内は粉製造時には可燃性の水素ガスが充満してお
り、清掃のために反応炉を開放する前にこれを不活性ガ
スでパージしておかないと爆発等の危険が生じる。すな
わち、この方法は1回の清掃作業当り、原料ガス供給停
止、水素ガス停止、不活性ガスによる炉内水素ガスのパ
ージ、反応炉開放、反応炉内清掃、反応炉閉鎖、不活性
ガスによる炉内酸素のパージ、水素ガス送出再開、原料
ガス送出再開という多くの工程を必要とし、著しく生産
能率を阻害する。
【0012】それ故、生産能率をあまり阻害しないため
には反応炉を開放することなく、反応炉内の清掃を行な
う方法をとることが必須となる。しかし、このような方
法をとっても、更に以下に示すようなことが問題とな
る。すなわち、清掃・除去した付着粉はClの含有量が
多いこと以外は製品粉と何ら変わる所がないため、一度
製品に混入してしまうと、その後付着粉を製品から分離
することは不可能であり、その製品が全て不良品となっ
てしまう。従って、付着粉が絶対に製品に混入しないよ
うな装置構成にしておく必要が有る。
【0013】本発明では、これらのことを考慮して、反
応器の上部から金属ハロゲン化物蒸気及び還元ガスを供
給するようにし、さらに反応部の下流に少なくとも二基
の粉体捕集装置を設け、それら各々単独に反応炉からの
流出ガスを流せるようなガス流路の切替手段を設けた。
これにより、反応器の内壁から除去された付着粉が重力
とガス流との相乗効果によって速やかに反応器内より運
び去られ、反応器内に付着粉が堆積・残留し難くするこ
とができ、また、製品製造時と付着粉清掃時とで異なる
粉体捕集装置を用いることが可能となるので、製品と付
着粉との混合を防止することができる。
【0014】また、反応炉を開放することなく付着粉を
除去する手段を設けることにより、炉内清掃に伴うロス
タイムをを極小とすることができるので、高能率・大量
生産が実現される。従って、この発明の装置により、特
性のばらつきが極めて少ない金属磁性粉を安定にかつ連
続的に大量生産することができる。
【0015】なお、反応炉を開放することなく付着粉を
除去する手段は特に限定されるものではないが、反応器
にノズル先が装着され、不活性ガスを吹きつけて付着粉
を吹き払うスートブロー型装置、反応器にノズル先が装
着され、不活性ガスと共に金属又はセラミックの粒子を
吹きつけて反応器の付着粉を払い落とすショットブラス
ト型装置、及び反応器に外部から衝撃を加えるハンマリ
ング型装置の中の何れか一つ又は二つ以上の組合わせが
好適である。
【0016】なお、一基の捕集装置を用いて製品粉捕集
→捕集装置より製品を系外に回収→反応炉内の清掃→捕
集装置で捕集した付着粉の系外への抜出・廃棄→製品粉
捕集→……と、時系列で分けて運用することにより付着
粉の混入を防止することも理論的には不可能ではない
が、気相還元法で製造される金属磁性粉は粒径300〜
400オングストロ−ム以下の超微粉であって付着性が
強いため、実際には同一装置を用いると付着粉の製品粉
への若干の混入は避けられず、製品の品質確保上好まし
いものではない。従って、上述したように、少なくとも
二基の粉体捕集装置を設け、それら各々単独に反応炉か
らの流出ガスを流せるようなガス流路の切替手段を設け
ることが必須となるのである。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の実施例
について説明する。
【0018】(実施例1)図1はこの発明の実施例1に
係る金属磁性粉の製造装置を模式的に示す図である。反
応器1の内には上方から原料ガス供給管2が挿入されて
いる。この原料ガス供給管には2つの原料蒸発器3が接
続され、これら原料蒸発器3にはキャリヤガス供給管4
が接続されている。原料蒸発器3内には、金属ハロゲン
化物5が収容され、ヒーター6により加熱溶融され、そ
こから発生した金属ハロゲン化物蒸気は、供給管4から
供給されるキャリヤガスとしての予熱されたN2 ,Ar
等の不活性ガスにより希釈され、このキャリヤガスによ
り反応器1にキャリアされる。
【0019】反応器1の上部には水素ガス供給管7が取
り付けられており、還元ガスとしての予熱された水素ガ
スがそこから反応器1に供給される。すなわち、金属ハ
ロゲン化蒸気及び水素ガスは反応器1の上部から下方に
向けて供給されることとなり、これらが反応部8で混合
され還元反応が生じる。
【0020】反応で生成した金属磁性粉を懸濁したガス
は、反応器1の壁に設けられた水冷ジャケット10によ
り冷却され、排気管13又は13´を通り、粉体捕集装
置15又は15´に至る。そして粉体捕集装置15,1
5´でガスと金属粉とが分離される。この場合に、粉体
捕集装置15又は15´の一方(例えば15)が製品粉
回収専用の粉体捕集装置として使用され、他方(例えば
15´)が炉内付着粉清掃・除去専用の粉体捕集装置と
して使用される。排気管13及び13´には、夫々ガス
流路切替バルブ14及び14´が設けられている。流路
切替バルブ14,14´は、反応ガスが製品製造時は製
品回収用粉体捕集装置のみに流れ、又は付着粉清掃・除
去時は付着粉回収用粉体捕集装置のみに流れるようにす
るためのものである。なお、参照符号11,12は水冷
ジャケット10への冷却水の供給管と排出管である。
【0021】反応器1の周囲には磁場発生手段としての
ソレノイドコイル9が設けられている。ソレノイドコイ
ル9に電流を供給することにより反応器1内に磁場を印
加することができる。
【0022】反応器1の内壁には、ヘッダー16が取り
付けられており、ヘッダー16にはスートブロー用高圧
不活性ガスを吹きつけるための複数のノズル孔17が形
成されている。ノズル孔17は高圧不活性ガス導入管1
9に連続しており、導入管19には締切バルブ18が設
けられている。さらに、反応器1の外側には、反応器1
に衝撃を与えるためのハンマリング装置20が装着され
ている。
【0023】次に、図1の構成を有し、反応器の径が5
3.5mmの装置を用いて金属磁性粉を実際に製造した
結果について説明する。キャリアガスとしてN2 ガスを
7mol/分、還元ガスとしてH2 Sを0.02%含ん
だH2 ガスを7mol/分流し、ソレノイドコイル9に
よって反応器1内に磁場を500Oe 印加しつつ、反応
器1の反応部8にて原料蒸気とH2 ガスとを反応させて
Fe60%−Co40%の合金粉を製造した。その際、
流路切替バルブ14を開け14´を閉め、製品金属磁性
粉は粉体捕集装置15のみで捕集されるようにした。
【0024】30分間の運転後、キャリアN2 ガスを停
止し、バルブ14を閉、バルブ14´を開とした後、バ
ルブ18のバルブを開け、5kg/cm2 の高圧N2
スをノズル17から反応器内壁面に吹付け、同時にハン
マリング装置20を作動させ反応炉に衝撃を与え、反応
器1内の清掃作業を行った。この作業を2分間続けた
後、再度バルブ14,14´を切替え、キャリアN2
スを再び流して金属磁性粉の製造を継続した。
【0025】上記サイクルを8回繰返し、最後にスート
ブロー及びハンマリングを行なった。その後、反応器1
を冷却し、開放して内部の観察を行なった。その結果、
反応器1の内壁面には金属粉が極く薄く付着しているの
みであり、スートブローとハンマリングとの組合わせに
より十分付着粉の除去が行なえることが確認された。
【0026】なお、清掃・除去した付着粉は製品粉と同
じように、粒径300〜400オングストロ−ム以下の
超微粉であるため、殆んど全てガス流に乗って付着粉用
粉体捕集装置へ移送されたが、排気管13´が水平に設
けられていたため、若干排気管13´の底部へ堆積して
いた。このことを考慮すると、製品粉と付着粉との分離
をより確実に行なうためには排気管13´もやや下向き
とすることが好ましいと言える。製品用の粉体捕集装置
15で捕集された製品粉は2サイクル毎に回収し、回収
した製品粉の磁気特性を経時的に測定した。その測定結
果を表1に示す。
【0027】表1から明らかなように、製品の保磁力・
飽和磁化のばらつきは各々±20Oe 、±5emu/g
以下と極めて少なく、高密度磁気記録媒体用として十分
なものであることが確認された。
【0028】また、8サイクル合計の所要時間は4時間
28分であり、稼動率(製品粉を製造していた時間÷全
所要時間)は89.6%で高能率化も十分達成している
ことが確認された。
【0029】(実施例2)図2はこの発明の実施例2に
係る金属磁性粉の製造装置を模式的に示す図である。こ
こでは反応器1内の清掃をショットブラストで行なう。
参照符号1〜15は図1と同様であるので説明を省略す
る。
【0030】参照符号21はショットブラスト用のノズ
ルであり、このノズル21は原料ガス供給管2の上方か
ら同心的に挿入されている。参照符号22はストップバ
ルブで、金属磁性粉製造中はこのバルブを閉にしてお
き、運転を中断して反応炉内清掃をする時には開とす
る。
【0031】次に、図2の構成を有し、反応器の径が5
3.5mmの装置を用いて金属磁性粉を実際に製造した
結果について説明する。ここでは実施例1と同一の条件
で合金粉を製造した。製品粉は粉体捕集装置15で捕集
した。
【0032】30分間の運転後、キャリアN2 ガスを停
止し、バルブ14を閉、バルブ14´を開とした後、バ
ルブ22のバルブを開け粒径0.5mm以下の鉄製のシ
ョット玉を用いて5秒間、反応器1の内部にショットブ
ラストを施した。その後、再度バルブ14,14´を切
替え、キャリアN2 ガスを再び流して金属磁性粉の製造
を継続した。
【0033】上記サイクルを8回繰返し、最後に反応器
1内をショットブラストで清掃した。その後、反応器1
を冷却し、開放して内部の観察を行なった。その結果、
反応器1の内壁面には金属粉の付着・堆積は全く見られ
なかった。除去された付着粉は実施例1と同様、殆んど
全てガス流に乗って付着粉用粉体捕集装置15´へ移送
されていたが、ショット玉は重いため、大部分が反応器
底部から排気管13´の底部に堆積していた。従って、
さらに長時間の運転を行なう場合には、反応器又は排気
管の底部にショット玉を収容するポケットを設けておく
ことが好ましいと言える。製品粉は実施例1と同様にし
て回収し、その磁気特性を経時的に測定した。その測定
結果を表1に示す。
【0034】表1から明らかなように、製品の保磁力・
飽和磁化のばらつきは各々±15Oe 、±4emu/g
以下と極めて少ないことが確認された。また、8サイク
ル合計の所要時間は4時間18分であり稼動率は93%
であった。
【0035】(比較例1)図3は比較例1に係る金属磁
性粉の製造装置を模式的に示す図であり、反応器の清掃
を、反応器下部に設けたフランジを開放し、機械的掻取
り手段によって行うようにしたものである。参照符号1
〜12は図1と同様であるので説明を省略する。参照符
号23は反応器1の清掃時にその下部を開放するための
フランジ、24は排気管、25は粉体捕集装置である。
【0036】次に、図3の構成を有し、反応器の径が5
3.5mmの装置を用いて金属磁性粉を実際に製造した
結果について説明する。ここでは実施例1と同一の条件
で合金粉を製造した。
【0037】30分間の運転後、キャリアN2 ガス停
止、水素ガスの反応器内パージ用N2ガスへの切替、反
応器内パージ、反応器1下部のフランジ23の開放、ブ
ラシによる反応器1内壁の付着粉の清掃、フランジ23
の閉鎖、反応器内残留O2 パージ、パージN2 ガスのH
2 への切替、キャリアN2 ガス送出再開の手順で炉内清
掃を実施した。なお、粉体捕集装置で捕集されていた製
品粉は、上記作業を行なっている間に回収し、2ロット
分毎に混合して磁気特性測定用に供した。
【0038】清掃作業を行なうためにフランジ23を開
放した際、反応器内を観察した結果、30分間の運転に
より反応器内壁に5mm程度の厚さで付着粉が堆積して
いるのが見られた。
【0039】上記サイクルを8回繰返した後の磁気特性
を表1に示す。磁気特性のばらつきは保磁力が±28O
e 、飽和磁化が±8emu/gと問題にならない程度で
あったが、8サイクルの所要時間は8時間40分であり
稼動率は46.2%と著しく能率が低下することが確認
された。 (比較例2)
【0040】図3の反応炉を用い、反応器内の清掃を行
なわず4時間運転した。製品粉は1時間運転毎に粉体捕
集装置より回収して磁気特性を測定した。運転終了後、
反応器冷却、開放を行ない内部を観察した結果、反応器
の内壁には20mm以上厚く付着粉が堆積し、開口部は
殆んど見られないほどであった。
【0041】その際の磁気特性を表1に示す。磁気特性
のばらつきは保磁力が±78Oe 、飽和磁化が±28e
mn/gとばらつきが大きく、かつ飽和磁化が100e
mu/g以下と極端に低下したものが見られる。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、金属ハロゲン化物蒸
気の気相還元により、特性のばらつきが極めて少ない金
属磁性粉を安定にかつ連続的に大量生産することができ
る金属磁性粉の製造装置が提供される。この装置により
高密度磁気記録媒体に適した安定した磁気特性の金属磁
性粉を低価格で製造することができ、この発明の工業的
価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る金属磁性粉の製造装
置を模式的に示す図。
【図2】この発明の他の実施例に係る金属磁性粉の製造
装置を模式的に示す図。
【図3】比較例に係る金属磁性粉の製造装置を模式的に
示す図。
【符号の説明】
1……反応器、2……原料ガス供給管、3……原料蒸発
器、7……水素ガス供給管、8……反応部、13,13
´……排気管、14,14´……ガス流路切り替え手
段、15,15´……粉体捕集装置、16……ヘッダ、
17……ノズル孔、19……高圧不活性ガス導入管、2
0……ハンマリング装置、21……ショットブラスト用
ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 契一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe,Co,Niの内少なくとも一種を
    含む金属ハロゲン化物蒸気を還元ガスにより気相還元し
    て金属磁性粉を製造する装置であって、その上部から前
    記金属ハロゲン化物蒸気及び還元ガスが供給され、その
    中で気相還元反応を生じさせるための反応器と、この反
    応器の下端部から連続して設けられ、前記反応容器内で
    生成された金属磁性粉を反応ガスから分離して捕集する
    ための少なくとも二基の粉体捕集装置と、これら粉体捕
    集装置各々単独に金属磁性粉を含む反応ガスを流せるよ
    うに設けられたガス流路の切替手段と、前記粉体捕集装
    置に至るまでの反応器壁に付着した金属磁性粉を反応器
    を開放することなく除去するための除去手段とを備えた
    ことを特徴とする金属磁性粉の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記付着金属磁性粉の除去手段が、反応
    器にノズル先が装着され、不活性ガスを吹きつけて付着
    粉を吹き払うスートブロー型装置、反応器にノズル先が
    装着され、不活性ガスと共に金属又はセラミックの粒子
    を吹きつけて反応器の付着粉を払い落とすショットブラ
    スト型装置、及び反応器に外部から衝撃を加えるハンマ
    リング型装置の中の何れか一つ又は二つ以上の組合わせ
    であることを特徴とする請求項1に記載の金属磁性粉の
    製造装置。
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