JP3540017B2 - 自動清掃車 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば、駅のコンコース等において、自動的に清掃を行う際に用いて好適な自動清掃車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、駅コンコース等においては、省力化を図るために無人で走行し、自動的に清掃を行う自動清掃車が用いられている。この場合、駅コンコース等においては、隅の部分にゴミが集まる傾向があり、人が歩く中央の部分は、ゴミ清掃はあまり必要がない。従って、自動清掃車を駅コンコースの壁面に沿って走行させ、回転ブラシ等により隅部分のゴミを掃き集めるようにすれば、必要充分な清掃を行うことが可能である。
【0003】
図5は、従来の自動清掃車の構成を示す側面図である。図において、1aは、自動清掃車であり、下部に駆動輪2を有している。駆動輪2は、車体の幅方向に所定距離隔てて2個設けられており、図示しない個別の走行モータで駆動されるようになっている。自動清掃車1aの走行方向制御は、2個の駆動輪の回転数差を制御することにより行われる。3はキャスター方式の後輪である。
【0004】
5は、サイドブラシであり、図示しない清掃モーターの駆動力を得て回転し、床面4のゴミを自動清掃車1aの車体中央部下方に掃き集める。サイドブラシ5によって掃き集められたゴミは、メインブラシ6によって車体内部に掃き上げられる。7はブロアであり、ゴミの掃き上げを補助するための空気流を発生する。メインブラシ6およびブロア7の作用によって、車体内部に掃き上げられたゴミは、所定の通路を経てホッパ8に収納される。10、10は、車体側面に取り付けられている測長器であり、車体側方の壁面に一例として超音波を送出し、その反射時間を基に壁面までの距離を測定するものである。
61aはバンパ部であり、回転するサイドブラシ5が前方(図5における左方)の障害物等に接触する事故を防止する。
【0005】
次に、図6は上記自動清掃車1aの平面図であり、自動清掃車1aと壁面15との位置関係を示す。同図に示すように、車体左前部からサイドブラシ5が突出している。なお、実際には、車体右前部からもサイドブラシ5が突出しているが、図示省略した。
図6は、自動清掃車1aが、壁面15と距離Lを保って走行する場合を示しており、また、位置Aがサイドブラシ5の標準位置を示している。この図に示すように、サイドブラシ5が標準位置にある場合は、その先端は壁面15より距離dだけ突出する。このため、突出した距離dに応じた圧力が、隅部分(床面4と壁面15の交差部)にかかり、隅にたまったゴミを効率よく掃き集めることができる。
また、サイドブラシ5は、図示しない機構により、位置Bまで移動できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の自動清掃車1aによって、清掃を行う際の走行軌跡の一例を図7に示す。図7では、15a、15b、15cのような壁面を有する場所を清掃する場合を例として挙げているが、図中自動清掃車1aは、壁面15a〜15cとの間に距離Lの間隔を確保しつつ、破線a〜gの経路をたどって走行する。即ち、まずa、bをたどって前進し、壁面15bに突き当たり、cをたどって後退した後、dをたどって向きを変え、eをたどって前進し、壁面15cに突き当たり、fをたどって後退した後、gをたどって向きを変えて前進する。
【0007】
しかしながら、前述した通り自動清掃車1aにおいては、その前面にサイドブラシ5より更に前方に突出したバンパ部61aを有している。このため、床面4と自動清掃車1aの前方の壁面15a〜15cの交差部の隅に集まったゴミは掃き集めることができない。具体的には図7の例において、(ア)部と(イ)部とにゴミが残留するという問題が生じた。
この発明は、このような背景の下になされたもので、壁面の構造に拘らずゴミの掃き残しのない自動清掃車を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明にあっては、自走式の車両と、前記車両の前部に設けられ床面に接して回転することにより前記床面上のゴミ等を掃き集めるサイドブラシと、前記サイドブラシを前記車両の幅方向に移動自在に支持する支持機構とを有する自動清掃車において、前記車両の前面より突出した状態で前記車両前面に支持され、前記サイドブラシと前方の壁面あるいは障害物との接触を防止するバンパと、前記バンパを前記車両前面際にまで引寄せ、前記サイドブラシを前記バンパより前方へ突出させる引寄せ手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明にあっては、前記車両は、前方の壁面を検知するセンサを具備し、前記引寄せ手段は、前記センサが前記車両の前方に壁面を検知した時、前記バンパを前記車両前面際にまで引寄せ、前記サイドブラシを前記バンパより前方へ突出させることを特徴とする。
【0010】
【作用】
この発明によれば、自走式の車両によって構成される自動清掃車が前進中において、本体の前面に設けられたセンサが、前記バンパの前方に壁面を検知すると、引寄せ手段が前記車両前面より繰出して支持されたバンパを前記車両前面際にまで引寄せ、サイドブラシを前記バンパより前方へ突出させつつ前記車両は前進し、床面に接して回転する前記サイドブラシが床面と前方壁面との交差部の隅に集まったゴミ等を掃き集める。
【0011】
【実施例】
A.実施例の構成
以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。
図3は同実施例による自動清掃車1bの外観を示す正面図、図4は側面図である。なお、これらの図において、図5の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
自動清掃車1bは、その正面前方に突出し、内側ガイド63によって引寄せ可能に支持された前部バンパ61bを有している。以下に、前部バンパ61bと引き寄せ機構の一例について説明する。
図1および図2は、前部バンパ61bと引寄せ機構の一例について、その詳細な構成を示したものである。なお、図1は、図4(a)におけるAA'線の断面図、図2は、図4(b)におけるBB'線の断面図であり、図1はバンパ61bが通常の位置にある状態を、図2はバンパ61bを引寄せた状態を示したものである。
【0012】
図1および図2において、自動清掃車1bの前面内部に車体の幅方向には、所定距離隔てて2個の外側ガイド62、62が固定されている。外側ガイド62は中空構造であり、その内部には内側ガイド63、63が挿入され、内側ガイドの前端にバンパ61bが固定支持されている。また、外側ガイド62、62の前端部内面には、前述の内側ガイド63、63の外面との間に挟まれるようにガイドブッシュ64、64が固定支持されている。これによって内側ガイド63と外側ガイド62とは互いに回転することはなく、かつ、前後に摺動可能となっている。
【0013】
内側ガイド63、63の後端面には、スクリューナット66、66が取り付けられており、このスクリューナット66、66にスクリュー軸65a、65bが螺合している。また、外側ガイド62、62の後端面にはベアリング67、67が取り付けられており、前述のスクリュー軸65a、65bが、このベアリング67、67によって回転可能に支持されている。
スクリュー軸65aの後端部にはスプロケットホイール68が、スクリュー軸65bの後端部にはスプロケットホイール70および71が、各々固定されている。
【0014】
74はモータであり、このモータ74の駆動軸にスプロケットホイール69が固定されている。そして、スプロケットホイール69とスプロケットホイール70、スプロケットホイール68とスプロケットホイール71が各々ローラチェーン72、73によって連結されている。
【0015】
また、この自動清掃車1bは、その前面にも、車体の幅方向に所定距離隔てて2個の測長器10、10を有している(図3参照)とともに、該測長器10、10の内側に2個のビームセンサ80、80を有している。このビームセンサ80は、前方に一例として光を送出し、反射光の強度があらかじめ設定した強度に達しているか否かによって前方の障害物を検知するものである。
なお本実施例では、測長器10、10は車体から前方の壁面までの距離を測定するために用いる。一方のビームセンサ80、80は、車体前方の障害物の検出して、障害物との衝突を防ぐために車体を停止させる。
【0016】
B.実施例の動作
次に、図面を参照して本発明の一実施例の動作について説明する。
自動清掃車1bは通常走行時においては、図1あるいは図4(a)に示すように、前部バンパ61bを自動清掃車1bの前部よりさらに前方へ突出させた状態で走行する。この際、図6に示すものと同様、自動清掃車1bの側面に設けた超音波測長器10、10によって自動清掃車1bの側面と、壁面15との間に常に距離Lを保って走行する。また同時に、自動清掃車1bの前面に設けた測長器10、10およびビームセンサ80、80によって、それぞれ前方壁面との距離および障害物の有無を絶えず確認する。
【0017】
自動清掃車1bが、前部バンパ61bを図1に示すような状態で走行中、超音波測長器10、10での検出距離があらかじめ設定した値以下になった場合、自動清掃車1bの前面に壁面15が接近したと判断して、駆動輪2の回転を遅くして車体を減速する。またこの時、車体前面に配置したビームセンサ80、80が前方壁面を障害物として検知して車体を停止させてしまわないよう、ビームセンサ80、80が接続される電気回路を停止させる。
一方、超音波測長器10、10により得られた距離データに応じてモータ74の駆動軸を適宜回転させる(本実施例では、進行方向に向かって右旋)。この時、モータ74の駆動軸とスクリュー軸65b、スクリュー軸65bとスクリュー軸65aは、それぞれローラチェーン73、72によって接続されているので、全てがモータ74の駆動軸と同方向に回転する。この結果、前部バンパ61bが自動清掃車1bの前面際まで引寄せられ、図2に示すように、サイドブラシ5が前部バンパ61bより前方に突出する。
【0018】
自動清掃車1bは、さらに測長器10、10で前方の壁面までの距離を測定しつつ、必要に応じて前部バンパ61bを自動清掃車1bの前面際まで引寄せながら、前方壁面までの距離があらかじめ設定された値になるまで徐々に前進する。この際には、サイドブラシ5が前部バンパ61bより前方に突出しているため、突出した距離に応じた圧力が、隅部分(床面4と壁面15の交差部)にかかり、隅にたまったゴミを効率よく掃き集める。掃き集めたゴミをメインブラシ6によって車体内部に掃き上げ、ブロア7の作用によって、車体内部にゴミを掃き上げ、所定の通路を経てホッパ8に収納する。
【0019】
なお、本実施例では測長器10の一例として、超音波の反射時間に基づいて距離を測定するものを挙げたが、本発明においては超音波を使用したものに限らず、例えばレーザ光等を使用したものであってもよい。
また、前部バンパ61bならびにその引き寄せ機構の形状あるいは構成は、本実施例の形状あるいは構成に限定されたものではない。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、壁面の構造に拘らずゴミの掃き残しのない自動清掃車が実現可能であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による自動清掃車1bの、前部バンパ61bとその引寄せ機構を、上面方向から見た断面図である。
【図2】本発明の一実施例による自動清掃車1bの、前部バンパ61bが突出した状態を示す図である。
【図3】同実施例による自動清掃車1bの外観構成を示す正面図である。
【図4】同実施例による自動清掃車1bの外観構成を示す側面図である。
【図5】従来の自動清掃車1aの外観構成を示す側面図である。
【図6】従来の自動清掃車1aの外観構成を示す平面図である。
【図7】従来の自動清掃車1aの動作例を示す軌跡図である。
【符号の説明】
1b 自動清掃車
5 サイドブラシ
61b 前部バンパ
80 ビームセンサ

Claims (2)

  1. 自走式の車両と、前記車両の前部に設けられ床面に接して回転することにより前記床面上のゴミ等を掃き集めるサイドブラシと、前記サイドブラシを前記車両の幅方向に移動自在に支持する支持機構とを有する自動清掃車において、
    前記車両の前面より突出した状態で前記車両前面に支持され、前記サイドブラシと前方の壁面あるいは障害物との接触を防止するバンパと、
    前記バンパを前記車両前面際にまで引寄せ、前記サイドブラシを前記バンパより前方へ突出させる引寄せ手段と
    を具備することを特徴とする自動清掃車。
  2. 前記車両は、前方の壁面を検知するセンサを具備し、
    前記引寄せ手段は、前記センサが前記車両の前方に壁面を検知した時、前記バンパを前記車両前面際にまで引寄せ、
    前記サイドブラシを前記バンパより前方へ突出させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動清掃車。
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