JP3539254B2 - 電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえばカーテンウォール構造のビル外壁に使用するプレキャストコンクリート版(PC版)の製造方法に関し、とくに、フェライト薄板と金属メッシュを内包して電波吸収機能を持たせたPC版の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧タイルなどの外装を施した形態でPC版を工場などで大量生産し、これをカーテンウォール構造のビル外壁に使用することが一般的に行われている。また、この種のビル外壁用のPC版に電波吸収機能を持たせることで、高層ビルによる電波障害を防止することも知られている。
【0003】
PC版に電波吸収機能を持たせるための典型的な構造は、PC版の表面に近い部分に電波吸収用のフェライト薄板を埋め込むとともに、そのフェライト薄板の奥に一定間隔をおいて電波反射用の金属メッシュを埋め込む構造である。従来、この種のPC版はつぎのような構造でつぎのような工程で製造されていた。
【0004】
図6に示すように、特殊な形態の化粧タイル1を用意する。この化粧タイル1は、裏面側に2つのスペーサ突片2を一体に形成したものである。2つのスペーサ突片2と2の間隔寸法は使用するフェライト薄板3の寸法に合せてある。
PC版を成形するための偏平な箱型の型枠を用意し、まず型枠の内底面に化粧タイル1を敷き詰める。つぎに敷き詰めた化粧タイル1のスペーサ突片2の間にフェライト薄板3をはめ込むように装填し、化粧タイル1の裏面にフェライト薄板3を接合する。つぎに型枠内において、化粧タイル1のスペーサ突片2の上に金属メッシュ4を配設する。このスペーサ突片2の高さ寸法により、フェライト薄板3と金属メッシュ4の間隔が予定した一定寸法に保たれる。
さらに型枠内において、金属メッシュ4の上方に構造用鉄筋5を配設する。そして型枠内にコンクリートを打設し、化粧タイル1・フェライト薄板3・金属メッシュ4・構造用鉄筋5をコンクリート6とともに一体化する。このようなプロセスを経て電波吸収機能を備えた化粧タイル付きPC版が製造されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような方法では、特殊な構造の化粧タイル1を用意する必要があり、その成形コストが高くつくだけでなく、その調達および施工が迅速に進まず工期延長につながる。また装填されるフェライト薄板3の形状・寸法によって化粧タイル1の意匠が制限される。さらに化粧タイル1のスペーサ突片2があるため、フェライト薄板3の間隔を接近して設置することができず、隣り合うフェライト薄板3の間に大きな隙間が開いてしまう。この隙間による電波吸収機能を補うためにフェライト薄板3を厚くすると、重量増やコストの面で不利である。
【0006】
この発明は前述した従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、特殊な構造の化粧タイルを用いずに適用でき、施工が容易でかつ製作コストを引き上げることなく良好な電波吸収性能を発揮するPC版の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
===請求項1の発明===
(1)電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法である。
(2)偏平な箱型の型枠の内底面に外装薄板を敷き詰める。この外装薄板の上にモルタルを介在させてフェライト薄板帯状集合体を敷き詰める。
(3)1つのフェライト薄板帯状集合体は、電波吸収用の多数の矩形フェライト薄板を帯状に並べて、その配列の両サイドを溝型クリップ材で挟み込むことで全体を一体化したものである。溝型クリップ材の片側にはスペーサ突片が一体的に形成されている。前記外装薄板の上にフェライト薄板帯状集合体を敷き詰めた配置状態において、前記スペーサ突片はフェライト薄板帯状集合体の上面側に突出している。
(4)前記型枠内に敷き詰められたフェライト薄板帯状集合体の前記スペーサ突片の上に電波反射用の金属メッシュを配置するとともに、その上方に構造用鉄筋を配置する。
(5)前記型枠内にコンクリートを打設し、前記の外装薄板・フェライト薄板帯状集合体・金属メッシュ・構造用鉄筋をコンクリートとともに一体化する。
【0008】
===請求項2の発明===
請求項1に記載の方法において、前記フェライト薄板帯状集合体を前記外装薄板の上に敷き詰める前に、前記フェライト薄板帯状集合体の下面側に立体繊維材料を張り付けておき、この立体繊維材料により前記フェライト薄板帯状集合体と前記外装薄板との接合強度を高めることを特徴とする。
【0009】
===請求項3の発明===
請求項1または2に記載の方法において、前記フェライト薄板帯状集合体の上面に立体繊維材料を張り付けてから前記金属メッシュを配置し、この立体繊維材料により前記フェライト薄板帯状集合体と前記コンクリートとの接合強度を高めることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の電波吸収機能を備えたPC版の製造方法の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
まず図1に示すように、PC版を成形するための偏平な箱型の型枠7を用意する。この型枠7の内底面に化粧タイル1を敷き詰める(図1の▲1▼)。この化粧タイル1は平板型の一般的なものである。つぎに敷き詰めた化粧タイル1の裏面に、目地モルタル8を打設する(図1の▲2▼)。つづいてこの目地モルタル8が乾かないうちに、フェライト薄板帯状集合体9を目地モルタル8の上に敷き詰める(図1の▲3▼)。
【0011】
ここで、このフェライト薄板帯状集合体9について詳しく説明する。図2に示すように、まず電波吸収用の多数の矩形フェライト薄板3を帯状に並べる。つぎに長さ方向にコ字型の断面をもつステンレスまたはプラスチックの押し出し成形など耐アルカリ性の高い素材による長尺な溝型クリップ材10を用意し、このクリップ材10でフェライト薄板3の配列の両サイドを挟み込むことで全体を一体化する。この溝型クリップ材10の片側には、フェライト薄板3の配列方向に長尺な所定高さ寸法のスペーサ突片2が一体に突設されている。なおフェライト薄板3を一体化する際、集合体9の両サイドのスペーサ突片2が同じ側に突出するようにする必要がある。また集合体9を目地モルタル8の上に敷き詰める際にも、このスペーサ突片2を上側にする。
【0012】
さらにこの発明では、この集合体9を敷き詰める際、図3に示すような工夫を加えている。まず集合体9の両サイドのスペーサ突片2が集合体9の上側になるように置く(図3の▲1▼)。そしてスペーサ突片2と2との間の開口部に、図4に示すような前記立体繊維材料としての立毛布帛11を接着剤12を用いて貼り付ける(図3の▲2▼)。そのあと直ちにこの集合体9を裏返す(図3の▲3▼)。つづいて集合体9の下面に立毛布帛11を貼り付ける(図3の▲4▼)。
【0013】
この集合体9を目地モルタル8の上に敷き詰めた後、バイブレータを集合体9の上面に押しつけて集合体9を振動させる。このようにすることで集合体9の下面に貼り付けた立毛布帛11に目地モルタル8を十分に含浸させる。バイブレータを用いても、なお含浸不足の場合は、集合体9の下面に目地モルタル8を下こすりしておく。
【0014】
つぎに型枠7内において、集合体9のスペーサ突片2の上に電波吸収用の金属メッシュ4を配設する(図1の▲4▼)。この例の金属メッシュ4は、細い棒鋼を格子状に組んだものである。金属メッシュ4をスペーサ突片2の上に載せることで金属メッシュ4とフェライト薄板3との間隔が予定した一定寸法に保たれる。
【0015】
さらに型枠7内において、金属メッシュ4の上方に構造用鉄筋5を配設する。そして型枠7内にコンクリート6を打設し、化粧タイル1・フェライト薄板集合体9・金属メッシュ4・構造用鉄筋5をコンクリート6とともに一体化する。このようなプロセスを経て図5に示すような電波吸収機能を備えた化粧タイル付きPC版が製造される。化粧タイル1と集合体9の間に介在させた立毛布帛11により、これらの接合強度が向上する。また集合体9とコンクリート6との間に介在させた立毛布帛11により、これらの接合強度が向上する。
【0016】
ところで前記の製造プロセスにおいて、集合体9の下面に立毛布帛11を貼り付けるために集合体9を裏返す際、この集合体9の両サイドのスペーサ突片2が作業台の脚の役目を果たす(図3の▲3▼)。そのため上面の立毛布帛11を直接に地面につけることなく、しかも迅速に貼り付け作業が行える。なお、この実施例では立毛布帛11を用いたが、これに限るものではなくその他の立体繊維材料を用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明の方法では、特殊な構造の化粧タイルを用いないで、電波吸収機能を備えたPC版の製造が可能である。このため外装薄板としてごく一般的で多様な化粧タイルを使用できる。また化粧タイル以外の様々な外装材も使用でき、PC版の外装デザインの自由度が高い。また、隣り合うフェライト薄板を十分近づけて配置できるため、電波吸収性能の低下の原因となる隙間を小さくでき、軽量かつ低コストで高性能を実現できる。さらに複数枚のフェライト薄板を帯状集合体の形態でまとめて取り扱うので、作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に関する電波吸収機能を持たせたPC版の製造工程を示す概略図である。
【図2】この発明の実施例に関するフェライト薄板帯状集合体の斜視図である。
【図3】この発明の実施例に関するフェライト薄板帯状集合体に立体布帛を貼り付ける工程を示す概略図である。
【図4】この発明の実施例に関する立体布帛を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施例に関する電波吸収機能を持たせたPC版の一部破断面図である。
【図6】従来の電波吸収機能を持たせたPC版の断面図である。
【符号の説明】
1 化粧タイル
2 スペーサ突片
3 フェライト薄板
4 金属メッシュ
5 構造用鉄筋
6 コンクリート
7 型枠
8 目地モルタル
9 フェライト薄板帯状集合体
10 溝型クリップ材
11 立毛布帛
12 接着剤
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえばカーテンウォール構造のビル外壁に使用するプレキャストコンクリート版(PC版)の製造方法に関し、とくに、フェライト薄板と金属メッシュを内包して電波吸収機能を持たせたPC版の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧タイルなどの外装を施した形態でPC版を工場などで大量生産し、これをカーテンウォール構造のビル外壁に使用することが一般的に行われている。また、この種のビル外壁用のPC版に電波吸収機能を持たせることで、高層ビルによる電波障害を防止することも知られている。
【0003】
PC版に電波吸収機能を持たせるための典型的な構造は、PC版の表面に近い部分に電波吸収用のフェライト薄板を埋め込むとともに、そのフェライト薄板の奥に一定間隔をおいて電波反射用の金属メッシュを埋め込む構造である。従来、この種のPC版はつぎのような構造でつぎのような工程で製造されていた。
【0004】
図6に示すように、特殊な形態の化粧タイル1を用意する。この化粧タイル1は、裏面側に2つのスペーサ突片2を一体に形成したものである。2つのスペーサ突片2と2の間隔寸法は使用するフェライト薄板3の寸法に合せてある。
PC版を成形するための偏平な箱型の型枠を用意し、まず型枠の内底面に化粧タイル1を敷き詰める。つぎに敷き詰めた化粧タイル1のスペーサ突片2の間にフェライト薄板3をはめ込むように装填し、化粧タイル1の裏面にフェライト薄板3を接合する。つぎに型枠内において、化粧タイル1のスペーサ突片2の上に金属メッシュ4を配設する。このスペーサ突片2の高さ寸法により、フェライト薄板3と金属メッシュ4の間隔が予定した一定寸法に保たれる。
さらに型枠内において、金属メッシュ4の上方に構造用鉄筋5を配設する。そして型枠内にコンクリートを打設し、化粧タイル1・フェライト薄板3・金属メッシュ4・構造用鉄筋5をコンクリート6とともに一体化する。このようなプロセスを経て電波吸収機能を備えた化粧タイル付きPC版が製造されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような方法では、特殊な構造の化粧タイル1を用意する必要があり、その成形コストが高くつくだけでなく、その調達および施工が迅速に進まず工期延長につながる。また装填されるフェライト薄板3の形状・寸法によって化粧タイル1の意匠が制限される。さらに化粧タイル1のスペーサ突片2があるため、フェライト薄板3の間隔を接近して設置することができず、隣り合うフェライト薄板3の間に大きな隙間が開いてしまう。この隙間による電波吸収機能を補うためにフェライト薄板3を厚くすると、重量増やコストの面で不利である。
【0006】
この発明は前述した従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、特殊な構造の化粧タイルを用いずに適用でき、施工が容易でかつ製作コストを引き上げることなく良好な電波吸収性能を発揮するPC版の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
===請求項1の発明===
(1)電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法である。
(2)偏平な箱型の型枠の内底面に外装薄板を敷き詰める。この外装薄板の上にモルタルを介在させてフェライト薄板帯状集合体を敷き詰める。
(3)1つのフェライト薄板帯状集合体は、電波吸収用の多数の矩形フェライト薄板を帯状に並べて、その配列の両サイドを溝型クリップ材で挟み込むことで全体を一体化したものである。溝型クリップ材の片側にはスペーサ突片が一体的に形成されている。前記外装薄板の上にフェライト薄板帯状集合体を敷き詰めた配置状態において、前記スペーサ突片はフェライト薄板帯状集合体の上面側に突出している。
(4)前記型枠内に敷き詰められたフェライト薄板帯状集合体の前記スペーサ突片の上に電波反射用の金属メッシュを配置するとともに、その上方に構造用鉄筋を配置する。
(5)前記型枠内にコンクリートを打設し、前記の外装薄板・フェライト薄板帯状集合体・金属メッシュ・構造用鉄筋をコンクリートとともに一体化する。
【0008】
===請求項2の発明===
請求項1に記載の方法において、前記フェライト薄板帯状集合体を前記外装薄板の上に敷き詰める前に、前記フェライト薄板帯状集合体の下面側に立体繊維材料を張り付けておき、この立体繊維材料により前記フェライト薄板帯状集合体と前記外装薄板との接合強度を高めることを特徴とする。
【0009】
===請求項3の発明===
請求項1または2に記載の方法において、前記フェライト薄板帯状集合体の上面に立体繊維材料を張り付けてから前記金属メッシュを配置し、この立体繊維材料により前記フェライト薄板帯状集合体と前記コンクリートとの接合強度を高めることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の電波吸収機能を備えたPC版の製造方法の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
まず図1に示すように、PC版を成形するための偏平な箱型の型枠7を用意する。この型枠7の内底面に化粧タイル1を敷き詰める(図1の▲1▼)。この化粧タイル1は平板型の一般的なものである。つぎに敷き詰めた化粧タイル1の裏面に、目地モルタル8を打設する(図1の▲2▼)。つづいてこの目地モルタル8が乾かないうちに、フェライト薄板帯状集合体9を目地モルタル8の上に敷き詰める(図1の▲3▼)。
【0011】
ここで、このフェライト薄板帯状集合体9について詳しく説明する。図2に示すように、まず電波吸収用の多数の矩形フェライト薄板3を帯状に並べる。つぎに長さ方向にコ字型の断面をもつステンレスまたはプラスチックの押し出し成形など耐アルカリ性の高い素材による長尺な溝型クリップ材10を用意し、このクリップ材10でフェライト薄板3の配列の両サイドを挟み込むことで全体を一体化する。この溝型クリップ材10の片側には、フェライト薄板3の配列方向に長尺な所定高さ寸法のスペーサ突片2が一体に突設されている。なおフェライト薄板3を一体化する際、集合体9の両サイドのスペーサ突片2が同じ側に突出するようにする必要がある。また集合体9を目地モルタル8の上に敷き詰める際にも、このスペーサ突片2を上側にする。
【0012】
さらにこの発明では、この集合体9を敷き詰める際、図3に示すような工夫を加えている。まず集合体9の両サイドのスペーサ突片2が集合体9の上側になるように置く(図3の▲1▼)。そしてスペーサ突片2と2との間の開口部に、図4に示すような前記立体繊維材料としての立毛布帛11を接着剤12を用いて貼り付ける(図3の▲2▼)。そのあと直ちにこの集合体9を裏返す(図3の▲3▼)。つづいて集合体9の下面に立毛布帛11を貼り付ける(図3の▲4▼)。
【0013】
この集合体9を目地モルタル8の上に敷き詰めた後、バイブレータを集合体9の上面に押しつけて集合体9を振動させる。このようにすることで集合体9の下面に貼り付けた立毛布帛11に目地モルタル8を十分に含浸させる。バイブレータを用いても、なお含浸不足の場合は、集合体9の下面に目地モルタル8を下こすりしておく。
【0014】
つぎに型枠7内において、集合体9のスペーサ突片2の上に電波吸収用の金属メッシュ4を配設する(図1の▲4▼)。この例の金属メッシュ4は、細い棒鋼を格子状に組んだものである。金属メッシュ4をスペーサ突片2の上に載せることで金属メッシュ4とフェライト薄板3との間隔が予定した一定寸法に保たれる。
【0015】
さらに型枠7内において、金属メッシュ4の上方に構造用鉄筋5を配設する。そして型枠7内にコンクリート6を打設し、化粧タイル1・フェライト薄板集合体9・金属メッシュ4・構造用鉄筋5をコンクリート6とともに一体化する。このようなプロセスを経て図5に示すような電波吸収機能を備えた化粧タイル付きPC版が製造される。化粧タイル1と集合体9の間に介在させた立毛布帛11により、これらの接合強度が向上する。また集合体9とコンクリート6との間に介在させた立毛布帛11により、これらの接合強度が向上する。
【0016】
ところで前記の製造プロセスにおいて、集合体9の下面に立毛布帛11を貼り付けるために集合体9を裏返す際、この集合体9の両サイドのスペーサ突片2が作業台の脚の役目を果たす(図3の▲3▼)。そのため上面の立毛布帛11を直接に地面につけることなく、しかも迅速に貼り付け作業が行える。なお、この実施例では立毛布帛11を用いたが、これに限るものではなくその他の立体繊維材料を用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明の方法では、特殊な構造の化粧タイルを用いないで、電波吸収機能を備えたPC版の製造が可能である。このため外装薄板としてごく一般的で多様な化粧タイルを使用できる。また化粧タイル以外の様々な外装材も使用でき、PC版の外装デザインの自由度が高い。また、隣り合うフェライト薄板を十分近づけて配置できるため、電波吸収性能の低下の原因となる隙間を小さくでき、軽量かつ低コストで高性能を実現できる。さらに複数枚のフェライト薄板を帯状集合体の形態でまとめて取り扱うので、作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に関する電波吸収機能を持たせたPC版の製造工程を示す概略図である。
【図2】この発明の実施例に関するフェライト薄板帯状集合体の斜視図である。
【図3】この発明の実施例に関するフェライト薄板帯状集合体に立体布帛を貼り付ける工程を示す概略図である。
【図4】この発明の実施例に関する立体布帛を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施例に関する電波吸収機能を持たせたPC版の一部破断面図である。
【図6】従来の電波吸収機能を持たせたPC版の断面図である。
【符号の説明】
1 化粧タイル
2 スペーサ突片
3 フェライト薄板
4 金属メッシュ
5 構造用鉄筋
6 コンクリート
7 型枠
8 目地モルタル
9 フェライト薄板帯状集合体
10 溝型クリップ材
11 立毛布帛
12 接着剤
Claims (3)
- つぎの事項(1)〜(5)により特定される発明。
(1)電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法である。
(2)偏平な箱型の型枠の内底面に外装薄板を敷き詰める。この外装薄板の上にモルタルを介在させてフェライト薄板帯状集合体を敷き詰める。
(3)1つのフェライト薄板帯状集合体は、電波吸収用の多数の矩形フェライト薄板を帯状に並べて、その配列の両サイドを溝型クリップ材で挟み込むことで全体を一体化したものである。溝型クリップ材の片側にはスペーサ突片が一体的に形成されている。前記外装薄板の上にフェライト薄板帯状集合体を敷き詰めた配置状態において、前記スペーサ突片はフェライト薄板帯状集合体の上面側に突出している。
(4)前記型枠内に敷き詰められたフェライト薄板帯状集合体の前記スペーサ突片の上に電波反射用の金属メッシュを配置するとともに、その上方に構造用鉄筋を配置する。
(5)前記型枠内にコンクリートを打設し、前記の外装薄板・フェライト薄板帯状集合体・金属メッシュ・構造用鉄筋をコンクリートとともに一体化する。 - 請求項1に記載の方法において、前記フェライト薄板帯状集合体を前記外装薄板の上に敷き詰める前に、前記フェライト薄板帯状集合体の下面側に立体繊維材料を張り付けることを特徴とする。
- 請求項1または2に記載の方法において、前記フェライト薄板帯状集合体の上面に立体繊維材料を張り付けてから前記金属メッシュを配置することを特徴とする。
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---|---|---|---|
JP35962798A JP3539254B2 (ja) | 1998-12-17 | 1998-12-17 | 電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法 |
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JP35962798A JP3539254B2 (ja) | 1998-12-17 | 1998-12-17 | 電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法 |
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JP2000183583A JP2000183583A (ja) | 2000-06-30 |
JP3539254B2 true JP3539254B2 (ja) | 2004-07-07 |
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ID=18465470
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JP35962798A Expired - Fee Related JP3539254B2 (ja) | 1998-12-17 | 1998-12-17 | 電波吸収機能を備えたプレキャストコンクリート版の製造方法 |
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JP5238367B2 (ja) * | 2008-06-11 | 2013-07-17 | 東急建設株式会社 | 磁気シールド構造 |
US9030159B2 (en) | 2010-03-26 | 2015-05-12 | Boston Scientific Neuromodulation Corporation | Inductive charger with magnetic shielding |
-
1998
- 1998-12-17 JP JP35962798A patent/JP3539254B2/ja not_active Expired - Fee Related
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