JP3539235B2 - 積層体製造用積層ブロックの作製方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板やICカード等を作製するための積層体を製造するための積層体製造用積層ブロックの作製方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からプリント配線板やICカード等を作製するための積層体を製造するための積層体製造用積層ブロックの作製装置が特表平8−508691号により知られている。この従来例はロールに巻かれた長尺帯状の金属バンドをロールから引き出し、シート状合成樹脂材と絶縁性中間板を交互に重ねながら金属バンドを折り返して金属バンドとシート状合成樹脂材と絶縁性中間板とを多段に積層した積層ブロックを作製するものであるが、ロールから供給される連続した金属バンドの残量が不足した場合、人手で金属バンドを接続しなければならず、しかも、不足した金属バンドを接続するに当たって、金属バンドの最終端部がどこにくるか不明で、新たな金属バンドの端部と接続する位置が一定でなく、金属バンドの最終端部がシート状合成樹脂材の上面に位置する場合には、このシート状合成樹脂材の上で上記金属バンドの最終端部に新たな金属バンドの始端部を重ねて接続することになるが、この場合には作製される積層体に金属バンドの接続部の層があって、不良品となってしまうものとなっていた。
【0003】
このような不良品の発生を避けるために金属バンドの接続部分にシート状合成樹脂材を重ねないようにすることが考えられる。この場合、例えば、図30又は、図31のように上下の絶縁性中間板3間に金属バンド2を接続するのであるが、図30にあっては、金属バンド2の最終端や、新たな金属バンド2の最先端がプレス領域L内に位置するので、プレス領域L内において金属バンド2が2枚重なった部分と1枚しかない部分とでプレス時における圧力が異なり、成型不良が発生するという問題があることが判明した。また、図31のように金属バンド2の接続部分の上下において絶縁性中間板3に対する金属バンド2の折り曲げ位置が左右方向のいずれか一方に偏ってしまったものにおいては、金属バンド2が接続部分において金属バンド2の蛇行がとぎれ、金属バンド2に電流を流して加熱する場合、接続部分においては図31(a)の矢印のように電流が流れ、全体としては図31(b)の矢印に示すように電流が流れる。このため、図31(a)においてXで示す接続部の部位は加熱されない領域となり、このため、金属バンド2の接続部分の上下の層はその他の層に比べて温度上昇が遅れたり、平面内の温度ばらつきが発生して、品質管理が難しくなり、不良品が発生することが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、本発明は上記の点に鑑みて発明したものであって、金属バンドを接続して積層を継続することができ、しかも、不良品の発生を無くすことができる積層体製造用積層ブロックの作製方法及びその装置を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る積層体製造用積層ブロックの作製方法は、ロール1に巻かれた長尺帯状の金属バンド2をロール1から引き出し、シート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3とを交互に重ねながら金属バンド2を折り返し屈曲して金属バンド2間にシート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3を交互に挟み込み、この金属バンド2とシート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3とを多段に積層した積層ブロックを作製するに当って、ロール1から引き出される金属バンド2を絶縁性中間板3の端部で折り返す工程で、ロール1に巻かれた金属バンド2の残量が不足した時に、ロール1から引き出した金属バンド2を最上段における絶縁性中間板3の上に重ねた状態で、金属バンド2を絶縁性中間板3よりも外にずれた位置でカットし、カット後に不足した金属バンド2を巻いたロール1を新たな金属バンド2を巻いたロール1と交換し、その後に当該ロール1を巻き戻して新たな金属バンド2の先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動し、この位置で金属バンド2の端部を保持した状態で金属バンド2を、最上段の絶縁性中間板3の上に重ねている金属バンド2の上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板3を重ねてこの上に金属バンド2のカット前と同様の順序で積層を再開することを特徴とするものである。このような方法を採用することで、金属バンド2の残量が不足した時に、金属バンド2のカットした先端を絶縁性中間板3の外側に位置させるとともに新たな金属バンド2の最先端を上記カット側とは反対側において絶縁性中間板3の外側に位置させた状態で、カットした金属バンド2と新たな金属バンド2とを絶縁性中間板3の上で重ねて接続でき、切断した金属バンド2の最終端や、新たな金属バンド2の最先端がプレス領域L内に位置することがなく、プレス領域L内において金属バンド2は2枚重なった部分のみであってプレス時における圧力が一定となるものである。また、新たな金属バンド2の先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動し、この位置で金属バンド2の端部を保持した状態で金属バンド2を、最上段の絶縁性中間板3の上に重ねている金属バンド2の上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板3を重ねてこの上に金属バンド2のカット前と同様の順序で積層を再開することで、金属バンド2の接続前と接続後における金属バンド2の蛇行が連続するような折り曲げができ、電流を流した場合に接続部分においても均一に加熱され、加熱むらが生じないようにできるものである。
【0006】
また、ロール1に巻かれた金属バンド2の厚みを検知する手段を設け、ロール1に巻かれた金属バンド2の厚みからロール1に巻かれた残りの金属バンド2の巻数と残りの長さを算出し、金属バンド2を積層するのに必要な長さがない時、積層を一時中断することが好ましい。このような方法を採用することで、金属バンド2の積載中にロール1に巻かれた金属バンド2の積載するのに必要な残量がない時にこれを自動的に検知して積層を一時中断することができ、弛みが生じてしわができたり、装置に過負荷がかかるのを防ぐことができることになる。
【0007】
また、金属バンド2の厚みの種類に応じて金属バンド2の巻数を計算することが好ましい。このような方法を採用することで、金属バンド2の厚みが異なるものでもロール1に巻かれた金属バンド2の積載に必要な残量がないのを自動的に検知することができるものである。
【0008】
また、本発明の積層体製造用積層ブロックの作成装置は、ロール1に巻かれた長尺帯状の金属バンド2をロール1から引き出し、シート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3とを交互に重ねながら金属バンド2を折り返し屈曲して金属バンド2間にシート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3を交互に挟み込み、この金属バンド2とシート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3とを多段に積層した積層ブロックを作製するに当って、ロール1に巻かれた金属バンド2の残量が不足した時に、ロール1から引き出した金属バンド2を最上段における絶縁性中間板3の上に重ねた状態で、金属バンド2を絶縁性中間板3よりも外にずれた位置でカットするカット機構と、金属バンド2をカットする際の受け台35と、カット後に交換した新たな金属バンド2を巻いたロール1を巻き戻して新たな金属バンド2の先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動する移動手段と、この位置で金属バンド2の端部を保持して積層を再開する際に金属バンド2を緊張させながら積層するために金属バンド2の先端部を保持するための緊張用保持機構を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、ロール1に巻かれた金属バンド2の残量が不足した時に金属バンド2を受け台35で支持した状態でカット機構によりカットでき、また、カット後に交換した新たな金属バンド2を巻いたロール1を巻き戻して移動手段によりカット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動することができるものであり、また、新たな金属バンド2の先端部をカット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に位置させた状態で、緊張保持機構により金属バンド2の先端部を保持した状態で積層を再開するので、新たな金属バンド2が弛むことなく確実に積層を再開することができるものである。
【0009】
また、カット機構と、受け台35と、緊張用保持機構を作業台9の両側にそれぞれ設けることが好ましい。このような構成とすることで、金属バンド2の残量の状態により作業台の一側方でカットする場合、他側方でカットする場合が選択でき、これにより新たな金属バンド2の端部を作業台の一側方で緊張保持機構により保持して積層を再開したり、あるいは、作業台の他側方で緊張保持機構により保持して積層を再開したりすることができるものである。
【0010】
また、カットの際に金属バンド2を保持したりカット後に金属バンド2の先端をカット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動するに当たって金属バンド2を保持する保持部分が弾性体であることが好ましい。このような構成とすることで、金属バンド2を傷つけることなく確実に保持してテンションをかけた状態でカットしたり金属バンド2の先端をカット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動したりすることができるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図2には本発明の装置を示す概略全体斜視図が示してある。基台10の長手方向の中央部に作業台9が設けてあり、基台10の長手方向の両側にそれぞれ絶縁性中間板供給装置11a、11bが設けてあり、基台10の長手方向に沿った幅方向の片側または両側に走行レール(図示せず)が設けてあり、一方の絶縁性中間板供給装置11a上の絶縁性中間板3を作業台9上に移送するための絶縁性中間板移送装置12aが上記走行レールに沿って一方の絶縁性中間板供給装置11aの上方と作業台9の上方との間で移動自在となっており、また、他方の絶縁性中間板供給装置11b上の絶縁性中間板3を作業台9上に移送するための絶縁性中間板移送装置12bが上記走行レールに沿って他方の絶縁性中間板供給装置11bの上方と作業台9の上方との間で移動自在となっている。
【0013】
両側の絶縁性中間板供給装置11a、11bの上方の絶縁性中間板移送装置12a、12bの移動軌跡よりも更に上方位置にはそれぞれロール収容装置13a、13bが設けてあり、両側のロール収容装置13a、13bに収容した各ロール1にそれぞれ長尺帯状の金属バンド2が巻いてある。ロール1の軸は図21に示すように筒状をしており、一端部を固定側軸37aに着脱自在にはめ込み固定され、他端部に筒状移動軸37bが着脱自在にはめ込まれるようになっている。筒状移動軸37bはロールセット用シリンダ37cにより移動自在となっており、ロール1をセットする際にはロール1の筒状をした軸の一端部を固定側軸37aにはめ込んだ後に筒状移動軸37bを移動してロール1の筒状をした軸の他端部にはめ込むことでセットするものであり、また、筒状をしたロール1を取り外すには上記とは逆に筒状移動軸37bを逆方向に移動してロール1から抜き、その後、ロール1を固定側軸37aから抜き取るものである。固定側軸37aはタイミングベルト37dを介してモータ37eにより回転できるようになっており、これにより固定側軸37aにはめ込み固定したロール1を回転できるようになっている。
【0014】
ロール収容装置13a、13bにはロール1に巻かれた金属バンド2の厚みを検知する手段が設けてある。ロール1に巻かれた金属バンド2の厚みを検知する手段は、図21においてコ字状をしたセンサ支持具38の2つの横片38a、38bの互いに対向する箇所にそれぞれ厚み検知センサ38c、38dが設けてあり、両横片38a、38bのうちいずれか一方が筒状移動軸37bの端部の開口から内部に差し込まれている。そして、センサ支持具38はセンサ駆動シリンダ38eにより筒状移動軸37bの軸方向に移動自在となっており、筒状移動筒37bをロール1の筒状の軸にはめ込んだ状態でセンサ駆動シリンダ38eを駆動して横片38a、38bのうちいずれか一方をロール1の筒状の軸内に挿入すると共にいずれか他方を金属バンド2を巻いたロール1の外周の外側に位置させ、各横片38a、38bの先端に設けた厚み検知センサ38c、38dを図21(b)のように金属バンド2を巻いたロール1の内外に位置させてロール1に巻いた金属バンド2の厚みを検出することができるようになっている。金属バンド2の厚みを検出して金属バンド2の残りの長さを検出するには図22(a)に示すフローチャートのようにして行うものである。また、金属バンド2の厚みが品種により異なるが、これに対しては図22(b)のようなフローチャートに基づいて、金属バンド2の厚みの種類に応じて金属バンド2の巻数を計算し、金属バンド2の厚みが異なるものでもロール1に巻かれた金属バンド2の積載に必要な残量がないのを自動的に検知するものである。
【0015】
両ロール収容装置13a、13b間には別のレール(図示せず)が設けてあって、このレールに沿って2つの金属バンド走行部14a、14bが走行自在に取り付けてある。一方の金属バンド走行部14aは一方のロール1から金属バンド2を引き出して金属バンド2が作業台9の上を横切ることができるように往復走行するものであり、また、他方の金属バンド走行部14bは他方のロール1から金属バンド2を引き出して金属バンド2が作業台9の上を横切ることができるように往復走行するものである。金属バンド走行部14a、14bにはそれぞれ、図25に示すように、ダンサーロール18、補助走行ロール19が設けてあって金属バンド2を掛け回してあり、補助走行ロール19は上下方向に移動自在となっている。また、金属バンド走行部14a、14bの対向する側板30間には更に保持チャック31が上下移動自在に設けてある。ここで、保持チャック31を上下移動するための一例を示すと、側板30にモータ32により回転するタイミングベルト33を設け、このタイミングベルト33に保持チャック31を取付けたもので、モータ32を駆動することで、保持チャック31が上下方向に移動するものである。保持チャック31は金属バンド2を挟持するための開閉自在なチャック部31aを備えており、チャック部31aの少なくとも内面部はゴムなどの弾性体により形成してある。金属バンド走行部14a、14bの少なくとも一方(図23、図24においては金属バンド走行部14a)又は両方に金属バンド2をカットするカット機構が設けてある。カット機構はカッタ34を具備する移動部34bをボールねじ34aに螺合すると共に該移動部34bをスプライン軸34cにボールスプライン結合してスプライン軸34cに対して移動部34bを移動自在としたもので、ボールねじ34aを回転することでカッタ34を備えた移動部34bが金属バンド2の引き出し方向と直交する方向に移動するようになっている。
【0016】
図23、図24に示すように、作業台9の両側とロール収容装置13a、13bとの間のうち一方側にはカッタを受ける受け台35が上下移動自在に設けてある。また、図23、図26に示すように、作業台9の両側とロール収容装置13a、13bとの間のうち他方側には金属バンド2の接続後に積層を再開する際に金属バンド2を緊張させながら積層するために金属バンド2の先端部を保持するための緊張用保持機構を構成する緊張用保持チャック36が設けてある。この緊張用保持チャック36は上下移動用シリンダ36bにより上下移動自在となっている。緊張用保持チャック36は金属バンド2を挟持するための開閉自在なチャック部36aを備えており、チャック部36aの少なくとも内面部はゴムなどの弾性体により形成してある。
【0017】
図2に示すように、基台10の長手方向の中央部の作業台9の側方の隣りにシート状合成樹脂材供給装置15が配設してあり、このシート状合成樹脂材供給装置15の側部に沿って基台10の長手方向に直角にレール16が配設してあり、このレール16に沿ってシート状合成樹脂材移送装置17が移動自在に取り付けてあり、シート状合成樹脂材供給装置15上のシート状合成樹脂材5を作業台9の上に移送するようになっている。
【0018】
上記のような装置を用いてプリント配線板やICカード等を作製するための積層体を製造するための積層体製造用積層ブロックを作製するのである。
【0019】
図1に示す装置を用いて積層ブロック4を製作する順序につき以下図3乃至図9に基づいて説明する。なお、図3乃至図9においては、作図の都合上絶縁性中間板移送装置12a、12b、カット機構、作業台9、緊張用保持チャック36、保持チャック31等を省略した図面となっている。
【0020】
まず、両金属バンド走行部14a、14bをいずれも他方のロール収容装置13b側に片寄せて配置した状態で、作業台9上において最上部の金属バンド2上に一方の絶縁性中間板供給装置11a上の絶縁性中間板3を一方の絶縁性中間板移送装置12aにより移送して載置し、この状態で、図3に示すように、一方の金属バンド走行部14aの補助走行ロール19を上昇させ、更に、一方のロール収容装置13bのロール1から供給される金属バンド2にダンサーロール18によりテンションをかけつつ一方の金属バンド走行部14aを一方のロール収容装置13a側(図において左側)に向けて移動を開始する。この場合、突出自在な衝撃緩和装置20を設け、衝撃緩和装置20を突出させて金属バンド2を当てることで、テンションを掛ける際における衝撃を緩和するようにしてもよい。そして、衝撃緩和装置20を設けて上記のようにテンションを掛ける際における衝撃を緩和した後は衝撃緩和装置20を後退させて金属バンド2の移動に支障がないようにする。
【0021】
上記のようにして金属バンド2にテンションを掛けた状態でさらに図4に示すように金属バンド走行部14aを一方のロール収容装置13a側(図において左側)に移動させることで最上段の絶縁性中間板3の一方の側端部で一方の金属バンド2を折り返し、次に図5(a)に示すように一方の金属バンド走行部14aの補助走行ローラ19を下降させる。
【0022】
次に、図6に示すように、シート状合成樹脂材供給装置15上のシート状合成樹脂材5をシート状合成樹脂材移送装置17により作業台9の上に移送して最上段の金属バンド2の上面に載置する。
【0023】
次に、図7(a)に示すように、他方の金属バンド走行部14bを前述の図3乃至図5において説明した一方の金属バンド走行部14aと同じ動きをして一方のロール収容装置13a側(図において左側)に移動させる。
【0024】
次に、図8→図9に示すように、上記他方の金属バンド2の上に他方の絶縁性中間板供給装置11b上の絶縁性中間板3を他方の絶縁性中間板移送装置12bにより移送して載置する。図9においては両金属バンド走行部14a、14bが左側に位置しているので、次は、上記とは逆に、まず他方の金属バンド走行部14bが右側に移動し、次に、シート状合成樹脂材5を載置し、次に、一方の金属バンド走行部14aを右側に移動し、その後、一方の絶縁性中間板供給装置11a上の絶縁性中間板3を一方の絶縁性中間板移送装置12aにより移送して載置する。これが図3の状態である。以後上記の繰り返しを行いながら、積層体製造用積層ブロック4を作製するものである。
【0025】
上記のようにして積層していくのであるが、ロール1から引き出される金属バンド2が絶縁性中間板3の端部で折り返す工程で、ロール1に巻かれた金属バンド2の残量が不足することがあるが、本発明においては、ロール1に巻かれた残量が不足した場合には以下のような動作となる。
【0026】
すなわち、ロール1に巻かれた金属バンド2の厚みからロール1に巻かれた残りの金属バンド2の巻数と残りの長さを算出し、金属バンド2を積層するのに必要な長さがないことを、ロール1に巻かれた金属バンド2の厚みを検知する手段である厚み検知センサ38c、38dにより検知し、残量が不足している場合には、最上段の絶縁性中間板3を積層したのちに、正規の積層動作を一時中止し、両金属バンド2がいずれも絶縁性中間板3の上に重ねられるように金属バンド走行部14a、14bを移動し(ここで、図9においては一方の金属バンド走行部14aを移動した後、他方の金属バンド走行部14bを移動し)ていずれも図9のように作業台9の一側方または他側方に並んで位置する状態とし、次に、図10に示すように、両金属バンド2を保持チャック31によりそれぞれ保持し(この状態では上下移動自在な保持チャック31は下降している)、この状態で図11に示すように、カット機構を構成するカッタ34aにより両金属バンド2を切断するものである。ここで、図23、図24に示すように受け台35を設けておくことで、金属バンド2を受け台35で受けた状態でカッタ34aによりカットすることができるものである。
【0027】
両金属バンド2の切断が終わると、図12のようにダンサーロール18が下限に来るまで保持チャック31を上昇させる。次に、残量が不足する方の金属バンド2を保持していた保持チャック31による保持を解除し、図13に示すように、残量が不足した他方の金属バンド2をロール1に巻き取り、その後、図14のようにロール1をロール収容装置13a又は13bから取り外し、その後、図15のように新たな金属バンド2を巻いたロール1を取付ける。
【0028】
次に、図16のように、新たな金属バンド2を巻いたロール1から新たな金属バンド2を巻き戻し、新たな金属バンド2の先端付近を保持チャック31により保持する。次に、図17の矢印方向に両金属バンド走行部14a、14bを移動して図18のように作業台9の他方側に位置させる。この図18の状態で両保持チャック31を下方に移動して下降させて図19に示すように両金属バンド2の最先端を下降させると共に緊張用保持チャック36を上昇させ、緊張用保持チャック36により両金属バンド2の最先端をチャックし、次に、図20の矢印方向に両金属バンド走行部14a、14bを移動し(ここで、図20においては他方の金属バンド走行部14bを移動した後、一方の金属バンド走行部14aを移動し)て両金属バンド2を最上段の絶縁性中間板3の上に重ねている金属バンド2の上に重ねるのである。その後、新たに絶縁性中間板3を重ねてこの上に金属バンド2のカット前と同様の順序で積層を再開するのである。
【0029】
このようにすることで、図1(a)のように、カットした金属バンド2と新たな金属バンド2とを絶縁性中間板3の上で重ねて接続でき、その後、切断した金属バンド2の最終端や、新たな金属バンド2の最先端がプレス領域L内に位置することがなく、プレス領域L内において金属バンド2は2枚重なった部分のみであってプレス時における圧力が一定となるものである。また、新たな金属バンド2の先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動し、この位置で金属バンド2の端部を保持した状態で金属バンド2を、最上段の絶縁性中間板3の上に重ねている金属バンド2の上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板3を重ねてこの上に金属バンド2のカット前と同様の順序で積層を再開することで、金属バンド2の接続前と接続後における金属バンド2の蛇行が連続するような折り曲げができ、図1(b)の矢印に示すように電流が流れものであり、電流を流した場合に接続部分においても均一に加熱され、加熱むらが生じないようにできるものである。
【0030】
図23には作業台9の一側方に(つまり絶縁性中間板3の一側方に)受け台35を設け、他側方に2個で一組の緊張用保持チャック36を配設した例を示したが、図27、図28に示すように、作業台9の両側方に(つまり絶縁性中間板3の両側方に)受け台35と2個で一組の緊張用保持チャック36をそれぞれ配設してもよいものである。この場合には図28(a)のように左側のロール1に巻いた金属バンド2の残量が不足した時で、作業台9の左側の受け台35を用いて金属バンド2を受けた状態でカットし、作業台9の右側の緊張用保持チャック36を使用する場合、あるいは、図28(b)のように右側のロール1に巻いた金属バンド2の残量が不足した時で、作業台9の右側の受け台35を用いて金属バンド2を受けた状態でカットし、作業台9の左側の緊張用保持チャック36を使用する場合、あるいは、図28(c)のように左側のロール1に巻いた金属バンド2の残量が不足した時で、作業台9の右側の受け台35を用いて金属バンド2を受けた状態でカットし、作業台9の左側の緊張用保持チャック36を使用する場合、あるいは、図28(d)のように右側のロール1に巻いた金属バンド2の残量が不足した時で、作業台9の右側の受け台35を用いて金属バンド2を受けた状態でカットし、作業台9の左側の緊張用保持チャック36を使用する場合等種々の場合に対応できるものである。
【0031】
上記した図1乃至図28に示す各実施形態においてはいずれも、作業台9の左右両側に金属バンド2を巻いたロール1を配置して両ロール1から引き出した金属バンド2を交互に折り重ねて積層する例につき説明したが、本発明においては作業台9の左右いずれか一方にのみ金属バンド2を巻いたロール1を配置して一つの金属バンド2を折り重ねて積層することで、図29のように積層体製造用積層ブロック4を積層形成するようにしてもよいものである。つまり、一つのロール1に巻かれた長尺帯状の金属バンド2を引き出し、シート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3とを交互に重ねながらこの一つの金属バンド2を折り返し屈曲して金属バンド2間にシート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3を交互に挟み込み、この一つの金属バンド2とシート状合成樹脂材5と絶縁性中間板3とを多段に積層した積層体製造用積層ブロック4を作製するのである。ここで、一つのロール1から引き出される金属バンド2が絶縁性中間板3の端部で折り返す工程で、一つのロール1に巻かれた金属バンド2の残量が不足した時に、一つのロール1から引き出した金属バンド2を最上段における絶縁性中間板3の上に重ねた状態で、一つの金属バンド2を絶縁性中間板3よりも外にずれた位置でカットし、カット後に不足した金属バンド2を巻いたロール1を新たな金属バンド2を巻いたロール1と交換し、その後に当該ロール1を巻き戻して新たな金属バンド2の先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板3の外側に移動し、この位置で一つの金属バンド2の端部を保持した状態で金属バンド2を、最上段の絶縁性中間板3の上に重ねている金属バンド2の上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板3を重ねてこの上に金属バンド2のカット前と同様の順序で積層を再開するようにしてもよいものである。
【0032】
ところで、上記のようにして積層して得た積層体製造用積層ブロック4は、その後、金属バンド2に電流を流すと共に加圧することで、各層においてシート状合成樹脂材5の両面に金属バンド2を密着一体化するものである。そして、絶縁性中間板3を取り外した後に、積層体製造用積層ブロック4の端部を切断して、シート状合成樹脂材5よりなる合成樹脂層の上下両面に金属バンド2よりなる金属層を積層した積層体を形成するものである。
【0033】
【発明の効果】
上記の請求項1記載の発明にあっては、ロールから引き出される金属バンドを絶縁性中間板の端部で折り返す工程で、ロールに巻かれた金属バンドの残量が不足した時に、ロールから引き出した金属バンドを最上段における絶縁性中間板の上に重ねた状態で、金属バンドを絶縁性中間板よりも外にずれた位置でカットし、カット後に不足した金属バンドを巻いたロールを新たな金属バンドを巻いたロールと交換し、その後に当該ロールを巻き戻して新たな金属バンドの先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動し、この位置で金属バンドの端部を保持した状態で金属バンドを、最上段の絶縁性中間板の上に重ねている金属バンドの上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板を重ねてこの上に金属バンドのカット前と同様の順序で積層を再開するので、金属バンドの残量が不足して新たな金属バンドと接続する際に切断した金属バンドの最終端や、新たな金属バンドの最先端がプレス領域内に位置することがなく、プレス領域内において金属バンドは2枚重なった部分のみであってプレス時における圧力が一定となり、成形不良を防止できるものである。また、新たな金属バンドの先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動し、この位置で金属バンドの端部を保持した状態で金属バンドを、最上段の絶縁性中間板の上に重ねている金属バンドの上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板を重ねてこの上に金属バンドのカット前と同様の順序で積層を再開するので、金属バンドの接続前と接続後における金属バンドの蛇行が連続するような折り曲げができ、電流を流した場合に接続部分においても均一に加熱され、加熱むらが生じないようにできて、また、金属バンドの接続部分の接続面積が大きく、金属バンドの密着性が向上し、異常加熱を防ぐことができ、これらの結果、各層における温度ばらつきがなくて品質管理が容易となるものである。
【0034】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、ロールに巻かれた金属バンドの厚みを検知する手段を設け、ロールに巻かれた金属バンドの厚みからロールに巻かれた残りの金属バンドの巻数と残りの長さを算出し、金属バンドを積層するのに必要な長さがない時、積層を一時中断するので、金属バンドの積載中にロールに巻かれた金属バンドの積載するのに必要な残量がないのを自動的に検知して積層を一時中断することができ、弛みが生じてしわができたり、装置に過負荷がかかるのを自動的に防ぐことができるものである。
【0035】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項2記載の効果に加えて、金属バンドの厚みの種類に応じて金属バンドの巻数を計算するので、金属バンドの厚みが異なるものでもロールに巻かれた金属バンドの積載に必要な残量がないのを自動的に検知することができるものである。
【0036】
また、請求項4記載の発明にあっては、ロールに巻かれた金属バンドの残量が不足した時に、ロールから引き出した金属バンドを最上段における絶縁性中間板の上に重ねた状態で、金属バンドを絶縁性中間板よりも外にずれた位置でカットするカット機構と、金属バンドをカットする際の受け台と、カット後に交換した新たな金属バンドを巻いたロールを巻き戻して新たな金属バンドの先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動する移動手段と、この位置で金属バンドの端部を保持して積層を再開する際に金属バンドを緊張させながら積層するために金属バンドの先端部を保持するための緊張用保持機構を設けるので、ロールに巻かれた金属バンドの残量が不足した時に金属バンドを受け台で支持した状態でカット機構によりカットでき、また、カット後に交換した新たな金属バンドを巻いたロールを巻き戻して移動手段によりカット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動することができるものであり、また、新たな金属バンドの先端部をカット側と反対側の絶縁性中間板の外側に位置させた状態で、緊張保持機構により金属バンドの先端部を保持した状態で積層を再開するので、新たな金属バンドが弛むことなく確実に積層を再開することができるものであり、この結果、簡単な構成で請求項1の効果を奏する装置を提供できるものである。
【0037】
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、カット機構と、受け台と、緊張用保持機構を作業台の両側にそれぞれ設けるので、金属バンドの端部残量の状態により作業台の一側方でカットする場合、他側方でカットする場合が選択でき、これにより新たな金属バンドの端部を作業台の一側方で緊張保持機構により保持して積層を再開したり、あるいは、作業台の他側方で緊張保持機構により保持して積層を再開したりすることができるものである。
【0038】
また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項4記載の発明の効果に加えて、カットの際に金属バンドを保持したりカット後に金属バンドの先端をカット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動するに当たって金属バンドを保持する保持部分が弾性体であるので、金属バンドを傷つけることなく確実に保持してテンションをかけた状態でカットしたり金属バンドの先端をカット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の金属バンドの接続状態を示す概略側面断面図であり、(b)は電流の流れを示す説明図である。
【図2】本発明の装置の概略斜視図である。
【図3】(a)(b)は本発明における積層順序を示す動作説明図である。
【図4】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図5】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図6】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図7】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図8】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図9】本発明における金属バンドの接続順序を示す動作説明図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】同上の動作説明図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】同上の動作説明図である。
【図17】同上の動作説明図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】同上の動作説明図である。
【図20】同上の動作説明図である。
【図21】(a)は同上のロールに巻かれた金属バンドの厚みを検知する手段を示す分解斜視図であり、(b)は断面図である。
【図22】(a)は同上の金属バンドの残量計算を示すフローチャートであり、(b)は金属バンドの種類によって厚みが異なる場合における金属バンドの残量計算を示すフローチャートである。
【図23】同上のカット機構、受け台と、緊張用保持機構を示す装置の概略側面図である。
【図24】同上のカット機構、受け台を示す図面で、(a)は斜視図であり、(b)は概略側面図である。
【図25】同上の保持チャックを示す図面で、(a)は斜視図であり、(b)は概略側面図である。
【図26】同上の緊張用保持機構を示す図面で、(a)は斜視図であり、(b)は概略側面図である。
【図27】同上の作業台の左右両側に緊張用保持チャックと受け台とをそれぞれ配置した例を示す概略側面図である。
【図28】(a)(b)(c)(d)は同上の作業台の左右両側に緊張用保持チャックと受け台とをそれぞれ配置した場合における種々の接続形態を示す説明図である。
【図29】本発明の他の実施形態における金属バンドの接続状態を示す概略側面断面図である。
【図30】従来例の問題点を説明する説明図である。
【図31】(a)は他の従来例の問題点を説明する説明図であり、(b)は電流の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ロール
2 金属バンド
3 絶縁性中間板
5 シート状合成樹脂材
35 受け台
Claims (6)
- ロールに巻かれた長尺帯状の金属バンドをロールから引き出し、シート状合成樹脂材と絶縁性中間板とを交互に重ねながら金属バンドを折り返し屈曲して金属バンド間にシート状合成樹脂材と絶縁性中間板を交互に挟み込み、この金属バンドとシート状合成樹脂材と絶縁性中間板とを多段に積層した積層ブロックを作製するに当って、ロールから引き出される金属バンドを絶縁性中間板の端部で折り返す工程で、ロールに巻かれた金属バンドの残量が不足した時に、ロールから引き出した金属バンドを最上段における絶縁性中間板の上に重ねた状態で、金属バンドを絶縁性中間板よりも外にずれた位置でカットし、カット後に不足した金属バンドを巻いたロールを新たな金属バンドを巻いたロールと交換し、その後に当該ロールを巻き戻して新たな金属バンドの先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動し、この位置で金属バンドの端部を保持した状態で金属バンドを、最上段の絶縁性中間板の上に重ねている金属バンドの上に重ね、その後、新たに絶縁性中間板を重ねてこの上に金属バンドのカット前と同様の順序で積層を再開することを特徴とする積層体製造用積層ブロックの作製方法。
- ロールに巻かれた金属バンドの厚みを検知する手段を設け、ロールに巻かれた金属バンドの厚みからロールに巻かれた残りの金属バンドの巻数と残りの長さを算出し、金属バンドを積層するのに必要な長さがない時、積層を一時中断することを特徴とする請求項1記載の積層体製造用積層ブロックの作製方法。
- 金属バンドの厚みの種類に応じて金属バンドの巻数を計算することを特徴とする請求項2記載の積層体製造用積層ブロックの作製方法。
- ロールに巻かれた長尺帯状の金属バンドをロールから引き出し、シート状合成樹脂材と絶縁性中間板とを交互に重ねながら金属バンドを折り返し屈曲して金属バンド間にシート状合成樹脂材と絶縁性中間板を交互に挟み込み、この金属バンドとシート状合成樹脂材と絶縁性中間板とを多段に積層した積層ブロックを作製するに当って、ロールに巻かれた金属バンドの残量が不足した時に、ロールから引き出した金属バンドを最上段における絶縁性中間板の上に重ねた状態で、金属バンドを絶縁性中間板よりも外にずれた位置でカットするカット機構と、金属バンドをカットする際の受け台と、カット後に交換した新たな金属バンドを巻いたロールを巻き戻して新たな金属バンドの先端を上記カット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動する移動手段と、この位置で金属バンドの端部を保持して積層を再開する際に金属バンドを緊張させながら積層するために金属バンドの先端部を保持するための緊張用保持機構を設けて成ることを特徴とする積層体製造用積層ブロックの作成装置。
- カット機構と、受け台と、緊張用保持機構を作業台の両側にそれぞれ設けて成ることを特徴とする請求項4記載の積層体製造用積層ブロックの作成装置。
- カットの際に金属バンドを保持したりカット後に金属バンドの先端をカット側と反対側の絶縁性中間板の外側に移動するに当たって金属バンドを保持する保持部分が弾性体であることを特徴とする請求項4記載の積層体製造用積層ブロックの作成装置。
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