JP3536615B2 - チップ型インピーダンス素子 - Google Patents
チップ型インピーダンス素子Info
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Description
使用される部品に用いられるチップ型インピーダンス素
子に関するものである。
り、ノイズ部品として安価でかつ小型化が要求されてい
る。
152137号公報の様なものが提案されている。この
様な構成によってノイズ部品を安価にかつ小型化するこ
とができる。
子を示す側面図である。図19において、1は結晶磁性
体および誘電体等のフェライト(以下フェライトと記
す)、2はセラミックの中央部に設けられた導体線、3
は導体電気的に接続された端子電極である。このような
電子部品は、フェライト焼結体の材料特性および銀線の
線径などを最適化することによって、所定の特性を得る
ことができる。
の構成では、銀線を用いる場合、焼成温度が銀線の融点
960℃付近であるために銀線がセラミックと反応し、
銀線の一部が細くなってしまう。そのためにインピーダ
ンス特性および直流抵抗値がばらつき、不良が発生する
という問題点があった。また、高インピーダンスを得る
ために銀線の線径を細くすることが必要とされるが、銀
線が反応して細くなるために直流抵抗値が大きくなりす
ぎて高インピーダンスの特性を実現する事ができなかっ
た。
して行くに従って、抵抗値が大きくなってしまうことが
あり、不具合が生じていた。
で、製品の品質安定化ができかつ安価で小型のチップ型
インピーダンス素子を提供することを目的とする。
けられた導体と、前記基台に設けられ、前記導体と電気
的に接続した端子電極とを備え、前記導体の平均粒径を
aとし、前記導体の線径をbとした時に、a÷b≦0.
5の条件を満たす構成とした。
前記基台中に設けられた導体と、前記基台に設けられ、
前記導体と電気的に接続した端子電極とを備え、前記導
体の平均粒径をaとし、前記導体の線径をbとした時
に、a÷b≦0.5の条件を満たし、前記導体の構成材
料を銀が99.0重量%以上であり、しかもNi、C
o、Cr成分の少なくとも1つを0.01〜1重量%添
加させたことによって、粒成長を抑えることができ直流
抵抗のばらつきを小さくすることができる。
中に設けられた導体と、前記基台に設けられ、前記導体
と電気的に接続した端子電極とを備え、前記導体は銀を
含む材料で構成されるとともに前記導体を融点が銀より
も高い金属材料でコーティングしたことによって、金属
導体とセラミックの粒子の拡散を防止するとともに銀の
再結晶温度を高くすることによって銀の粒子の粗大化を
遅くする事ができるので直流抵抗がばらつくのを防ぐこ
とができる。
て、金属材料としてNi、Co、Crの少なくとも一つ
を前記導体にコーティングしたことによって、銀よりも
導体抵抗値の高い材料をコーティングすることによって
直流抵抗値を下げる事ができる。
いて、導体の主成分を銀として前記導体のコ−ティング
の厚みを1〜10μmとしたことによって、金属導体と
セラミックの粒子の拡散を防止することができるので直
流抵抗がばらつくのを防ぐことができる。さらに品質、
コストを最適化できる。
いて、基台の外形形状が角柱状であることによって、回
路基盤等に実装した際に、素子の位置決めが行いやすく
しかも、素子の転がりなどを防止できるので、素子の実
装性を向上させることができる。
て、側面と側面が交わる角部に面取りを設けるととも
に、前記面取りのRを0.03<R<0.20(mm)
としたことによって、基台のコーナー部の欠けを防止す
ることができ、その欠けによる特性の劣化を防ぐことが
できる。
いて、長さL1,幅L2,高さL3としたときに、 L1=0.5〜2.1mm(好ましくは0.6〜1.0
mm) L2=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm)の条件を満たすことによって、諸特性が劣化する
ことはなく、しかも十分な機械的強度を得ることができ
るので、実装時に素子破壊などが発生することはなく、
加えて、回路基板の実装面積を小さくすることができる
ので、この素子を搭載する装置の小型化を行うことがで
きる。
いて、基台の構成材料としてセラミック材料を用いたこ
とによって、十分な強度を持った素子を作製でき、加工
性が良く、生産性が向上する。
ラミック材料として、誘電体材料か磁性材料の少なくと
も一方を用いたことによって、インピーダンス素子とし
ての良好な特性を得ることができる。
て、導体を直線的に基台内に設けるとともに、基台の側
面と導体を非平行としたことによって、インピーダンス
特性を微調整することができるので、材料特性が設計値
からずれても製品の特性のずれを小さくすることができ
る。
て、基台の両端部の高さをそれぞれZ1,Z2としたと
きに|Z1−Z2|≦80μmとしたことによって、素
子立ち現象の発生を低減させることができ、実装性を湖
上させることができる。
ンス素子及びそれを用いた適用例について説明する。
態におけるチップ型インピーダンス素子を示す斜視図及
び断面図である。
ス加工,押し出し、またはシートによる積層工法等を施
して構成されている基台で、基台11はセラミックなど
の材料で構成され、しかもそのセラミック材料としては
誘電材料やフェライト材料などが用いられる。12は基
台11の中に設けられている導体で、導体12は、基台
に穴を設けてその穴に挿入したり、シートによる積層工
法であれば、積層する際に導体をシートの上において、
さらにその上にシートを乗せて加圧そして焼結を行こと
によって配置し固定する。15,16はそれぞれ端子電
極で、端子電極15、16は、導体と電気的に接続され
ている。
ンス素子は、チップ型インピーダンス素子の長さL1,
幅L2,高さL3は以下の通りとなっていることが好ま
しい。
0.6〜1.0mm) L2=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L1が0.5mm以下であると、自己共振周波数f0が
下がってしまうとともにQ値が低下してしまい、良好な
特性を得ることができない。また、L1が2.1mmを
超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子
回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)
回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等
を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。
また、L2,L3それぞれが0.2mm以下であると、
素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装
置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が
発生することがある。また、L2,L3が1.3mm以
上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小
型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。
ンス素子について、以下各部の詳細な説明をする。図3
は本発明の一実施の形態におけるチップ型インピーダン
ス素子に用いられる導体を形成した基台の断面図、図4
は本発明の一実施の形態におけるチップ型インピーダン
ス素子に用いられる基台を示す図である。
基台11は、図3及び図4に示す様に、回路基板等に実
装しやすいように断面が四角形状の角柱状となってい
る。断面四角形状としたが、五角形状や六角形状などの
多角形状でも良い。本実施の形態では、断面四角形状に
することよって、回路基板等へのチップ型インピーダン
ス素子の装着性を良好にした。また11a、11bは両
端部である。
としたが、正五角形状等の正多角形状、および円形状と
しても良い。
部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ま
しい。
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を図5に示す。図5に示すよ
うに、基板200の上にチップ型インピーダンス素子を
配置し、端子電極15,16のそれぞれと基板200の
間に半田201,202が設けられているが、リフロー
などによって半田201,202を溶かすと、半田20
1,202のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なる
ことによる融点の違いによって、溶融した半田201,
202の表面張力が端子電極15と端子電極16で異な
り、その結果、図5に示すように一方の端子電極(図5
の場合は端子電極15)を中心に回転し、チップ型イン
ピーダンス素子が立ち上がってしまう。Z1とZ2の高
さの違いが80μm(好ましくは50μm以下)を超え
ると、素子が傾いた状態で基板200に配置されること
となり、素子立ちを促進する。また、マンハッタン現象
は特に小型軽量のチップ型の電子部品(チップ型チップ
型インピーダンス素子を含む)において顕著に発生し、
しかもこのマンハッタン現象の発生要因の一つとして、
端子電極15,16の高さの違いによって素子が傾いて
基板200に配置されることを着目した。この結果、Z
1とZ2の高さの差を80μm以下(好ましくは50μ
m以下)となるように、基台11を成形及びシート工法
時のプレス工程などで加工することによって、このマン
ハッタン現象の発生を大幅に抑えることができた。Z1
とZ2の高さの差を50μm以下とすることによって、
ほぼ、マンハッタン現象の発生を抑えることができる。
図6は本発明の一実施の形態におけるチップ型インピー
ダンス素子に用いられる基台の斜視図である。図6に示
されるように、基台11の端部11a,11bそれぞれ
の角部11e,11dには面取りが施されており、その
面取りした角部11e,11dのそれぞれの曲率半径R
1及び隣接する側面との交わる角部11fの曲率半径R
2は以下の通りに形成されることが好ましい。
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11e,11dに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.20mm以上であると、角部11
e,11dが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
03mm以下であると、角部11fにバリなどが発生し
やすく、後工程における搬送等においてカケ等が発生
し、素子特性のばらつきが大きくなる。また、R2が
0.20mm以上であると、角部11fが丸くなりすぎ
て、プリント基板に実装しにくく、不具合が生じる。
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10以
下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:3〜7g/cm3(好ましくは4〜6g/cm3) 基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013以下であ
ると、導体12とともに基台11にも所定に電流が流れ
始めるので、並列回路が形成された状態となり、自己共
振周波数f0が低くなってしまい、高周波用の素子とし
ては不向きである。
と、基台11にヒートショック等でクラックなどが入る
ことがある。すなわち熱膨張係数が10×10-4以上で
あると、上述の様に導体をシートにはさみ込み、加圧、
焼成した後に端部に銀ペーストを塗布し焼き付けするの
で、基台11が高温になり、基台11にクラックなどが
生じることあるが、上述の様な熱膨張係数を有すること
によって、大幅にクラック等の発生を抑止できる。
であると、自己共振周波数f0が低くなってしまい、高
周波用の素子としては不向きである。
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が7g/c
m3以上になると、基台11の重量が重くなり、実装性
などに問題が発生する。特に密度を上記範囲内に設定す
ると、吸水率も小さく、チップマウンタなどで基板11
に実装する際にも問題は発生しない。
係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0が低下しないので、高周波用の
素子として用いることができ、ヒートショック等で基台
11にクラック等が発生することを抑制できるので、不
良率を低減することができ、更には、機械的強度を向上
させることができるので、実装装置などを用いて回路基
板等に実装できるので、生産性が向上する等の優れた効
果を得ることができる。
ック材料が挙げられるが、しかしながら、単にセラミッ
ク材料を用いても上記諸特性を得ることはできない。す
なわち、上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス
圧力や焼成温度及び添加物によって異なるので、作製条
件などを適宜調整しなければならない。具体的な作製条
件として、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,
焼成温度を850〜950℃,焼成時間1〜3時間等の
条件が挙げられる。また、磁性体シート材料の具体的な
材料としては、Fe2O3が40mol%以上,NiO2
が15mol%以下,ZnOが40mol%以下,Cu
Oが15mol%以下,Bi2Oが10重量%以下等が
挙げられる。
のしやすさや、コスト面から考慮すると、フェライト材
料が好ましい。また、フェライト材料であって、絶縁性
を有する材料が最も好ましい。これら具体的材料として
は、Mn−Zn系フェライト,Ni−Zn系フェライ
ト、Cu−Zn系フェライトなどの軟質強磁性の少なく
とも1で構成された材料が好ましい。
としては、抵抗率が20℃において1.67×10-6Ω
cm以下で、しかもビッカース硬さ(Hv)が30〜1
00kg/mm2のものが好ましい。この様な特性の導
体12を得るためには、材料及び製法等を選択しなけれ
ばならない。
導体12の構成材料としては、銅,銀,金,ニッケル、
白金、鉄などの金属導電材料が挙げられる。この銅,
銀,金,ニッケル、白金、鉄等の材料には、耐候性等を
向上させために所定の元素を添加してもよい。また、導
電材料と非金属材料等の合金を用いてもよい。構成材料
としてコスト面や耐食性の面及び作り易さの面から銀及
びその合金がよく用いられる。
には、まず、セラミックシート上に銀線を配置し、その
上にセラミックシートを重ねる。なお銀線の純度として
は99.0%以上が望ましい。銀の純度が99.0%以
下になると導電率が小さくなるために製品にした場合の
直流抵抗が大きくなり、定格電流も小さくなってしま
う。回路に対する影響としては回路の電圧を低下させ動
作が不安定となる。
99%の場合において線方向の長さ2mmの場合の時、
線径は0.12mmとすることによって直流抵抗値を1
0mΩ以下にすることができる。
が、単線の方が構造が単純で安価であるので好ましい。
さらに切断時の際に切断機の刃の消耗を抑えるために、
前処理として焼まなしを行ってビッカース硬さをさげる
てもよい。
線の直径と平均粒径の関係について説明する。
プ型インピーダンス素子に用いられる導体の粒子の成長
する過程の模式図である。製品の状態において銀線の粒
子の平均粒径aが銀線の線径bに対して、a÷b(以下
a/bと略す)≦0.5(好ましくはa/b≦0.2)
を満足することが必要である。図7(a)は銀線の初期
状態の図で、粒界は見られない。図7(b)は粒成長の
課程でありa/b≦0.5である。(C)は粒成長が進
んでa/b>0.5の状態である。a/b>0.5にな
ると粒界が発生し、その面が銀線の長さ方向にたいして
垂直方向になるために銀線断面積が部分的に小さくな
る。それによって直流抵抗が大きくなる方へばらつき図
8に示すように不良率が5%を越えてしまう。さらに、
定格電流も小さくなってしまう。回路に対する影響とし
ては回路の電圧を低下させてしまい動作が不安定とな
る。逆にa/b≦0.5になると粒界が発生しても、そ
れによって直流抵抗が大きくなる頻度は少なくなり不良
率は5%以下である。
導体12の成分等が考えられる。焼成温度のついては、
できる限り低い方が粒成長は遅くすることができるがセ
ラミックの焼成温度は特性の面から800〜1100℃
が必要であり、高い方が焼結が進み磁性特性の透磁率は
高くなり高インピーダンスを得ることができる。また焼
結密度も高く強度も向上する。よって焼結温度を低くし
て粒成長を抑えることは、特性および品質面から悪い方
向となってしまう。焼結成温度としては900±50℃
が好ましい。
気伝導性が金属の中で一番良く、電子工業および一般的
に広く使われている。しかし純度の高い銀は加工硬化し
た材料において再結晶する性質を備えている。再結晶化
を抑える為には再結晶温度を上げることが必要ある。銀
の純度が高い場合、セラミックの焼結温度が銀の再結晶
温度よりはるかに高いために粒子が粗大化する。粒子が
粗大化すると粒界が銀線方向に対してほぼ垂直に並んで
粒界の部分で線がくびれた状態となる。よって直流抵抗
が大きくなる。よって銀への最大固溶度の小さい溶質元
素を銀に添加する事により再結晶温度を上げることが一
般に知られている。図9は本発明の一実施の形態におけ
るチップ型インピーダンス素子に用いられる導体のNi
の含有率と導体の線径と平均粒径との比の関係を示すグ
ラフである。Niの割合については0.01重量%以下
ではa/b>0.5となってしまい効果がない。また1
重量%以上では効果はあるが線の硬さが高くなりすぎて
取扱い上で不具合が発生する。なお溶質元素としては主
成分が銀の場合であればCo、Cr等でも同じ結果が得
られる。
理をすることによって銀の再結晶化を抑え、再結晶温度
を上げることができる。さらにセラミックと銀の間にN
iのコ−ティング層を設けることによってセラミックと
銀の反応を抑えることができる。図10は本発明の一実
施の形態におけるチップ型インピーダンス素子に用いら
れる導体のNiメッキの厚みと直流抵抗値の不良率との
関係を示すグラフである。Ni層の厚みは1μm以下の
場合Ni層が薄い為にセラミックとの反応を阻止するこ
とが不十分である。また10μm以上であると硬さが高
くなりすぎて作業中に線が折れる等の不具合が発生す
る。コ−ティングの方法としてはメッキ工法や接着材を
使用してNi粉体を固定する方法等がある。Ni層の膜
厚の均一性からメッキ工法が好ましい。
てコストが上がってしまうのでメッキの信頼性およびコ
ストを考慮すると3±2μmが好ましい。なお、コ−テ
ィングの種類としては融点が銀よりも高い材料であれ
ば、Ni以外のCo、Crでも同じ効果を得ることがで
きる。
ることによってセラミックとの反応を抑える。図11は
本発明の一実施の形態におけるチップ型インピーダンス
素子に用いられる導体の樹脂の厚みと直流抵抗値の不良
率との関係を示すグラフである。有機物の厚みは5μm
以下の場合有機物の厚みが薄い為にセラミックとの反応
を阻止することが不十分である。また40μm以上であ
ると有機物の厚みを確保するのに時間がかかりすぎてコ
ストが上がってしまう。有機物の信頼性およびコストを
考慮すると20±10μmが好ましい。
の方が焼結時にセラミックの収縮に影響されにくいので
反応を抑えることができる。たとえばエナメル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ
素等があるがコストの面よりポリウレタン樹脂が好まし
い。なお以上の樹脂の中にセラミックの粉体および金属
粉体等を添加させることによって、焼結後にできる銀線
とセラミックとの空間部分にセラミック及び金属粉体が
残ってインピーダンス特性を向上させることができる。
する。図12(a)、(b)、(c)は本発明の一実施
の形態におけるチップ型インピーダンス素子の断面図を
示している。図12(a)に示すように導体12を基台
11の端面11aの中央に配置した場合、素子の近くに
他のラインや半導体部品等があったり、素子からの漏洩
電力によって、ノイズが伝搬してしまい機器が正常に動
作しないことがある。よって、図12(b)、(c)に
示すように導線の位置を中央からずらし、隣接するライ
ンや部品との距離を大きくすることによって機器の誤動
作を削減することができる。
れた場合、材料特性に依存しているインピーダンス特性
も目標値からずれてしまい不良率が増えてしまう。よっ
て材料特性が目標値からずれた場合、図13に示すよう
に基台11の側面と導体12が非平行となるように設け
ることで、導体12の線路長を長くし、インピーダンス
特性を目標値に近づけることができる。
本発明の一実施の形態におけるチップ型インピーダンス
素子の断面図である。導体12と端子電極15とを電気
的に接続する際において、導体12の表面が酸化したり
よごれたりしていると接触不良の原因となる。図14に
示すようセラミックの端面において導体12とセラミッ
ク11の間に隙間17を設ける。そのすき間17に端子
電極15を入り込ませることによって端子電極15と導
体12との接触面積を大きくすることができ、接触不良
を低減できるとともに電極端子15の密着強度を向上す
ることができる。
に接続する際において接触不良を低減するために導体1
2を基台11の端面より突出させることによって、端子
電極15と導体12との接触面積を大きくすることがで
き、接触不良を低減できることができる。図15
(a)、(b)、(c)は本発明の一実施の形態におけ
るチップ型インピーダンス素子の断面図である。図15
(a)に示す構成では、導体12を基台11の端面より
突出させることによって、端子電極15,16との接合
強度を向上させることができ、しかも方向性が無いため
に、実装性が向上する。図15(b)に示す構成では、
導体12を折曲げることによって、更なる導体12と端
子電極15,16との接合強度及び確実な導通を図れ、
しかも導体12を曲げる方向を特定することによって、
回路基板等への実装の際に、素子の取付方向などを容易
に特定でき、実装性を向上させることができる。図15
(c)は突出した導体12を面取り等によって円盤状に
加工することによって形成される。以上のように導体1
2を構成することによって接触面積を大きくすることが
でき、接触不良を低減することができる。
を段落ちさせて、その段落ち部内に端子電極15,16
を入り込ませることによっても、密着強度を向上させる
ことができ、確実な導体12と端子電極15,16との
導通を得ることができる。また、この様に導体部12の
端部に段落ち部を設ける場合、上述の様に導体12を基
台11の端部から突出させる場合に比較して、端子電極
15,16との接合面積は小さくなるが、導体12が突
出していない分素子の長さを短くすることができる。
部の断面積を導体12の中央部の断面積よりも大きくす
ることによって、導体12と端子電極15,16との接
合面積を大きくすることによって良好な導通を得ること
ができる。また、この場合、図15(c)の様に導体1
2の端部を突出させなくとも十分な導体12と端子電極
15,16の接合特性を得ることができる。
導体12を形成した基台11を400℃の温度下に数秒
間放置した後に基台11から導体12が抜けない程度以
上であることが好ましい。素子を基板等に実装した際
に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わること
によって、素子に200℃以上の温度が加わることがあ
る。従って、400℃で基台11からの導体12のはが
れが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ素子に
熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しない。
る。端子電極15、16は、銀のみでも十分に機能する
が、様々な環境条件等に順応させるために、多層構造と
することが好ましい。
ップ型インピーダンス素子の端子電極の断面図である。
図16において、端子電極15,16は多層構造となっ
ており、基台11の端部11aの上に銀ペーストを塗布
焼成し、端部11aの基台11端面に露出している導体
12と電気的に接続する銀電極14を形成する。しかも
銀電極14の上には耐候性を有するニッケル,チタン等
の材料で構成される保護層300が形成されており、更
に保護層300の上にはすずメッキを施しさらに半田メ
ッキ等で構成された接合層301が形成されている。保
護層300は銀電極14の耐候性を向上させることがで
きる。本実施の形態では、保護層300の構成材料とし
て、ニッケルかニッケル合金の少なくとも一方とし、接
合層301の構成材料としては半田を用いた。保護層3
00(ニッケル)の厚みは1〜7μmが好ましく、1μ
mを下回ると耐候性が悪くなり、7μmを上回ると保護
層300(ニッケル)自体の電気抵抗が高くなり、素子
特性が大きく劣化する。また、接合層301(すずと半
田)の厚みは2μm〜10μm程度が好ましく、2μm
を下回ると半田食われ現象が発生して素子と回路基板等
との良好な接合が期待できず、10μmを上回るとマン
ハッタン現象が発生し易くなり、実装性が非常に悪くな
る。
ンス素子は、特性劣化が無く、しかも,実装性及び生産
性が非常によい。
ンス素子について、以下その製造方法について図17を
用いて説明する。
工法によって、フェライトシート20を作製する。次に
そのフェライトシート20の上に銀導体線23を配置す
る。次に銀導体線22の上にフェライトシート20と同
じフェライトシート21を積み重ねる。なお、導体12
がずれるのを防ぐために導体12にシラン等の摩擦係数
の大きな材料を塗布しても良い。次に積み重ねられたシ
ートを加熱プレスして2枚のシートを圧着してブロック
23を作製する。次にこのシートを切断機によって切断
して素子単体24としてばらす。さらに素子24を焼結
させる。さらに焼結した状態でバレルによって面取りを
して乾燥させる。次に素体端面に銀ペーストを塗布して
乾燥、焼き付けを行う。
子電極15,16にニッケル層やすず層および半田層を
積層して、耐候性や接合性を向上させることもある。
ダンス素子について説明したが、絶縁材料によって構成
されたセラミックスシートの中に導体を形成する電子部
品でも同様な効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態における適用例を示すブロック図
である。図18(a)において、30はI/Oコネクタ
であり、チップ型インピーダンス素子17を信号ライン
に直列接続することによって、他の機器と接続して使用
する際に相手側からのノイズを減衰させるとともに、自
分のノイズも減衰させるために使用される。(b)にお
いて、31はCPUであり、チップ型インピーダンス素
子17をクロックラインに直列接続することによって、
CPUから発生するノイズを減衰させるために使用され
る。(c)において、32はICであり、チップ型イン
ピーダンス素子17をDC電源ラインに直列接続するこ
とによって、電源ラインに含まれているノイズがIC3
2に与える影響を低減させる。
子17は、パーソナルコンピュータ、ワープロ、通信機
器、デジタルTV、VTR等の機器のクロックラインや
高速バスラインや高速アナログラインなどのノイズ対策
部品として使用される。さらに、電源回路のノイズ対策
部品としても使用される。
やマッチング回路などにも用いられており、その数は、
一つの無線端末装置に数個〜40個程度用いられてい
る。上述の様な構成のチップ型インピーダンス素子を用
いることによって、良好なノイズ除去特性を得ることが
できるので、装置の誤動作の防止等の発生を抑制でき
る。
おいて焼結時に導体の粒子の粗大化を抑える元素を導体
に添加またはコーティングすることによって、直流抵抗
値、インピーダンス特性のばらつきを少なくすることが
できる。また、焼成温度を上げても導線の電気的特性が
維持できるので、セラミックの機械的強度および材料特
性を向上させる事ができる。また、従来とおなじ直流抵
抗値を得るのに導体の線径を小さくする事ができるので
コストを下げる事ができる。さらに導体の線径を小さく
する事によって高インピーダンス特性を得る事ができ
る。以上のように優れた特性でかつ安定であり、しかも
小型で安価なチップ型インピーダンス素子を得ることが
できる。
ーダンス素子を示す斜視図
ーダンス素子を示す断面図
ーダンス素子に用いられる導体を形成した基台の断面図
ーダンス素子に用いられる基台を示す図
ーダンス素子に用いられる基台の斜視図
ーダンス素子に用いられる導体の粒子の成長する過程の
模式図
ーダンス素子に用いられる導体の線径と平均粒径との比
と直流抵抗値の不良率との関係を示すグラフ
ーダンス素子に用いられる導体のNiの含有率と導体の
線径と平均粒径との比の関係を示すグラフ
ピーダンス素子に用いられる導体のNiメッキの厚みと
直流抵抗値の不良率との関係を示すグラフ
ピーダンス素子に用いられる導体の樹脂の厚みと直流抵
抗値の不良率との関係を示すグラフ
ピーダンス素子の断面図
ピーダンス素子の断面図
ピーダンス素子の断面図
ピーダンス素子の断面図
ピーダンス素子の端子電極の断面図
す斜視図
ブロック図
面図
Claims (11)
- 【請求項1】基台と、前記基台中に設けられた導体と、
前記基台に設けられ、前記導体と電気的に接続した端子
電極とを備え、前記導体の平均粒径をaとし、前記導体
の線径をbとした時に、a÷b≦0.5の条件を満た
し、前記導体の構成材料を銀が99.0重量%以上であ
り、しかもNi、Co、Cr成分の少なくとも1つを
0.01〜1重量%添加させたことを特徴とするチップ
型インピーダンス素子。 - 【請求項2】基台と、前記基台中に設けられた導体と、
前記基台に設けられ、前記導体と電気的に接続した端子
電極とを備え、前記導体は銀を含む材料で構成されると
ともに前記導体を融点が銀よりも高い金属材料でコーテ
ィングしたことを特徴とするチップ型インピーダンス素
子。 - 【請求項3】金属材料としてNi、Co、Crの少なく
とも一つを前記導体にコーティングしたことを特徴とす
る請求項2記載のチップ型インピーダンス素子。 - 【請求項4】導体の主成分を銀として前記導体のコ−テ
ィングの厚みを1〜10μmとしたことを特徴とする請
求項2,3いずれか1記載のチップ型インピーダンス素
子。 - 【請求項5】基台の外形形状が角柱状であることを特徴
とする請求項1〜4いずれか1記載のチップ型インピー
ダンス素子。 - 【請求項6】側面と側面が交わる角部に面取りを設ける
とともに、前記面取りのRを0.03<R<0.20
(mm)としたことを特徴とする請求項5記載のチップ
型インピーダンス素子。 - 【請求項7】長さL1,幅L2,高さL3としたとき
に、 L1=0.5〜2.1mm(好ましくは0.6〜1.0
mm) L2=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm)の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜4い
ずれか1記載のチップ型インピーダンス素子。 - 【請求項8】基台の構成材料としてセラミック材料を用
いたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のチ
ップ型インピーダンス素子。 - 【請求項9】セラミック材料として、誘電体材料か磁性
材料の少なくとも一方を用いたことを特徴とする請求項
8記載のチップ型インピーダンス素子。 - 【請求項10】導体を基台内に直線的に設けるととも
に、基台の側面と導体を非平行としたことを特徴とする
請求項5記載のチップ型インピーダンス素子。 - 【請求項11】基台の両端部の高さをそれぞれZ1,Z
2としたときに|Z1−Z2|≦80μmであることを
特徴とする請求項5記載のチップ型インピーダンス素
子。
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- 1997-09-22 JP JP25633197A patent/JP3536615B2/ja not_active Expired - Fee Related
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