JP2002289434A - チップ型インピーダンス素子 - Google Patents

チップ型インピーダンス素子

Info

Publication number
JP2002289434A
JP2002289434A JP2001084800A JP2001084800A JP2002289434A JP 2002289434 A JP2002289434 A JP 2002289434A JP 2001084800 A JP2001084800 A JP 2001084800A JP 2001084800 A JP2001084800 A JP 2001084800A JP 2002289434 A JP2002289434 A JP 2002289434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
base
chip
impedance element
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001084800A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Ochiai
英一 落合
Shinji Wada
信二 和田
Koji Yasumura
浩治 安村
Kenzo Isozaki
賢蔵 磯▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001084800A priority Critical patent/JP2002289434A/ja
Publication of JP2002289434A publication Critical patent/JP2002289434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ばらつきの少ない直流抵抗値,イ
ンピーダンス特性を有し、かつ安価で量産性に優れ、実
装性が向上するチップ型インピーダンス素子を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】 結晶磁性体および誘電体等の基台11の
内部に焼結時のひずみを緩和させるために導体の内部を
中空状に形成し、結晶磁性体および誘電体等のセラミッ
クの両端部に導体と電気的に接続された端子電極を設
け、さらに芯線に焼失する材料を用いたり、また導体の
内部に磁性体等を配置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種電子回路に
使用される部品に用いられるチップ型インピーダンス素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ノイズ対策の要求が高まってお
り、ノイズ部品として安価でかつ小型化が要求されてい
る。
【0003】そのなかで、ノイズ部品として特開平5−
152137号公報の様なものが提案されている。この
様な構成によってノイズ部品を安価にかつ小型化するこ
とができる。
【0004】図11は従来のチップ型インピーダンス素
子を示す斜視図である。図11において、1は結晶磁性
体および誘電体等のセラミック(以下セラミックと記
す)、2はセラミックの中央部に設けられた導体、3は
導体2に電気的に接続された端子電極である。このよう
な電子部品は、フェライト焼結体の材料特性および銀線
の線径などを最適化することによって、所定の特性を得
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の構成では、セラミックの内部に金属導体を設置して所
定の形状に成形および切断して、セラミックを800〜
1200度で焼成することによって約10〜20%の焼
成収縮が発生するが金属導体は、ほとんど変化しないた
めにセラミックに応力が蓄積され、ひずみによる磁気特
性の劣化が発生して本来のセラミックの磁気特性を十分
得ることができないという問題点があった。また、その
ためにインピーダンス特性がばらつき、不良が発生する
という問題点があった。
【0006】また、製造工程において未焼結で導体がセ
ラミックの内部に埋没している状態で、導体がセラミッ
クからずれることが発生し、焼成後に端子電極を取り付
けた時に端子電極と導体が接触できずに断線不良が発生
するという問題点があった。
【0007】また、高インピーダンスを得るために導体
の線径を細くすることが必要とされるが、線形を細くす
ると製造過程おいて導体が切れるという問題があり、高
インピーダンスの特性を実現する事ができなかった。
【0008】さらに、素子が小型化して行くに従って、
導体の線径を細くしないとセラミックと導体との境にお
いてクラックやデラミが発生してしまうことがあり、不
具合が生じていた。
【0009】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、製品の品質安定化ができかつ安価で小型のチップ型
インピーダンス素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台と、基台
中に設けられた導体と、基台の端面に設けられ、導体と
電気的に接続した端子電極とを備え、導体中に空隙部か
もしくは導体表面に開口を有する空隙部の少なくとも一
方を設けた。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基台と、
前記基台中に設けられた導体と、前記基台の端面に設け
られ、前記導体と電気的に接続した端子電極とを備え、
前記導体中に空隙部かもしくは前記導体表面に開口を有
する空隙部の少なくとも一方を設けたことによって、基
台と導体との焼成ひずみを緩和することができ、基台の
本来持っている特性、磁性体材料であれば透磁率を劣化
させることなく引き出すことがでいこれによってインピ
ーダンス特性を向上させることができる。また、製品ご
とのひずみを安定させる事ができインピ−ダンスのばら
つきを小さくすることができる。また、製造工程におい
て焼成炉の温度分布のばらつきが与える影響におけるひ
ずみのばらつきも導体が緩和させてくれるので、安定し
た品質を確保する事ができる。
【0012】請求項2記載の発明は、導体を管状に形成
し、前記導体に中空部を設けたことを特徴とする請求項
1記載のチップ型インピーダンス素子とすることで、基
台と導体との焼成ひずみを緩和することができ、基台の
本来持っている特性、磁性体材料であれば透磁率を劣化
させることなく引き出すことがでいこれによってインピ
ーダンス特性を向上させることができる。また、製品ご
とのひずみを安定させる事ができインピ−ダンスのばら
つきを小さくすることができる。また、製造工程におい
て焼成炉の温度分布のばらつきが与える影響におけるひ
ずみのばらつきも導体が緩和させてくれるので、安定し
た品質を確保する事ができる。
【0013】請求項3記載の発明は、焼失線の周りに導
体を形成し、基台を焼成する際に前記焼失線を焼失させ
て空隙部を設けたことを特徴とする請求項1記載のチッ
プ型インピーダンス素子とすることで、前記導体との焼
成ひずみを緩和することができインピーダンス特性を向
上させることができる。さらに焼失する材料によって導
体を保持できるので製造工程における導体破損を防ぐこ
とができる。
【0014】さらに、導体の外径を小さくすとことがで
きるので、製品の小型化が可能である。
【0015】請求項4記載の発明は、基台と前記基台中
に設けられた導体と、前記基台の端面に設けられ、前記
導体と電気的に接続した端子電極とを備え、前記導体に
導体長方向とは異なった方向に少なくとも1つ以上貫通
孔を設けることによって、前記基台と前記導体との焼成
ひずみを緩和することができインピーダンス特性を向上
させることができる。さらに前記基台と前記導体が機械
的に保持されており前記導体が基台に対してずれる事を
防いでくれる。
【0016】請求項5記載の発明は、導体の表面に凹凸
を形成していることを特徴とする請求項1〜4いずれか
1記載のチップ型インピ−ダンス素子とすることで、前
記基台と前記導体との焼成ひずみを緩和することができ
インピーダンス特性を向上させることができる。さらに
前記基台と前記導体が機械的に保持されており前記導体
が基台に対してずれる事を防いでくれる。
【0017】以下、本発明におけるチップ型インピーダ
ンス素子及びそれを用いた適用例について説明する。
【0018】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態におけるチップ型インピーダンス素子を示す斜視図及
び断面図である。
【0019】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し、またはシートによる積層工法等を施
して構成されている基台で、基台11はセラミックなど
の材料で構成され、しかもそのセラミック材料としては
誘電材料やフェライト材料などが用いられる。12は基
台11の中に設けられている導体で、導体12は、基台
に穴を設けてその穴に挿入したり、シートによる積層工
法であれば、積層する際に導体をシートの上において、
さらにその上にシートを乗せて加圧そして焼結を行こと
によって配置し固定する。
【0020】また、押出し工法の場合は、導体12とセ
ラミック材料を同時に押出し規定の寸法に切断そして焼
成、面取りを行う。
【0021】15,16はそれぞれ端子電極で、端子電
極15、16は、導体と電気的に接続されている。
【0022】また、本実施の形態のチップ型インピーダ
ンス素子は、チップ型インピーダンス素子の長さL1,
幅L2,高さL3は以下の通りとなっていることが好ま
しい。
【0023】L1=0.5〜2.1mm(好ましくは
0.6〜1.0mm) L2=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L3=0.2〜1.3mm(好ましくは0.3〜0.6
mm) L1が0.5mm以下であると、自己共振周波数f0が
下がってしまうとともにQ値が低下してしまい、良好な
特性を得ることができない。また、L1が2.1mmを
超えてしまうと、素子自体が大きくなってしまい、電子
回路等が形成された基板など(以下回路基板等と略す)
回路基板等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等
を搭載した電子機器等の小型化を行うことができない。
また、L2,L3それぞれが0.2mm以下であると、
素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装
置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が
発生することがある。また、L2,L3が1.3mm以
上となると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小
型化、ひいては装置の小型化を行うことができない。
【0024】以上の様に構成されたチップ型インピーダ
ンス素子について、以下各部の詳細な説明をする。
【0025】以上の様に構成されたチップ型インピーダ
ンス素子について、以下各部の詳細な説明をする。以下
の説明は、セラミックを焼成後の素子であり、図3は本
発明の一実施の形態におけるチップ型インピーダンス素
子に用いられる導体を形成したセラミックの断面図、図
4(a)、(b)は本発明の一実施の形態におけるチッ
プ型インピーダンス素子に用いられるセラミックミを示
す図である。
【0026】まず、基台11の形状について説明する。
【0027】基台11は、図3及び図4に示す様に、回
路基板等に実装しやすいように断面が四角形状の角柱状
となっている。断面四角形状としたが、五角形状や六角
形状などの多角形状でも良い。本実施の形態では、断面
四角形状にすることよって、回路基板等へのチップ型イ
ンピーダンス素子の装着性を良好にした。また11a、
11bは両端部である。
【0028】なお、本実施の形態では、断面が四角形状
としたが、正五角形状等の正多角形状、および円形状と
しても良い。
【0029】また、図4(a)に示す様に基台11の端
部の高さZ1及びZ2は下記の条件を満たすことが好ま
しい。
【0030】 |Z1−Z2|≦80μm(好ましくは50μm) Z1とZ2の高さの違いが80μm(好ましくは50μ
m以下)を超えると、素子を基板に実装し、半田等で回
路基板等に取り付ける場合、半田等の表面張力によって
素子が一方の端部に引っ張られて、素子が立ってしまう
というマンハッタン現象の発生する確率が非常に高くな
る。このマンハッタン現象を図5に示す。図5に示すよ
うに、基板200の上にチップ型インピーダンス素子を
配置し、端子電極15,16のそれぞれと基板200の
間に半田201,202が設けられているが、リフロー
などによって半田201,202を溶かすと、半田20
1,202のそれぞれの塗布量の違いや、材質が異なる
ことによる融点の違いによって、溶融した半田201,
202の表面張力が端子電極15と端子電極16で異な
り、その結果、図5に示すように一方の端子電極(図5
の場合は端子電極15)を中心に回転し、チップ型イン
ピーダンス素子が立ち上がってしまう。Z1とZ2の高
さの違いが80μm(好ましくは50μm以下)を超え
ると、素子が傾いた状態で基板200に配置されること
となり、素子立ちを促進する。また、マンハッタン現象
は特に小型軽量のチップ型の電子部品(チップ型チップ
型インピーダンス素子を含む)において顕著に発生し、
しかもこのマンハッタン現象の発生要因の一つとして、
端子電極15,16の高さの違いによって素子が傾いて
基板200に配置されることを着目した。この結果、Z
1とZ2の高さの差を80μm以下(好ましくは50μ
m以下)となるように、基台11を成形及びシート工法
時のプレス工程などで加工することによって、このマン
ハッタン現象の発生を大幅に抑えることができた。Z1
とZ2の高さの差を50μm以下とすることによって、
ほぼ、マンハッタン現象の発生を抑えることができる。
【0031】次に基台11の面取りについて説明する。
【0032】図6は本発明の一実施の形態におけるチッ
プ型インピーダンス素子に用いられるセラミックの斜視
図である。図6に示されるように、基台11の端部11
a,11bそれぞれの角部11e,11dには面取りが
施されており、その面取りした角部11e,11dのそ
れぞれの曲率半径R1及び隣接する側面との交わる角部
11fの曲率半径R2は以下の通りに形成されることが
好ましい。
【0033】0.03<R1<0.20(mm) 0.03<R2<0.20(mm) R1が0.03mm以下であると、角部11e,11d
が尖った形状となっているので、ちょっとした衝撃など
によって角部11e,11dに欠けなどが生じることが
あり、その欠けによって、特性の劣化等が発生したりす
る。また、R1が0.20mm以上であると、角部11
e,11dが丸くなりすぎて、前述のマンハッタン現象
を起こしやすくなり、不具合が生じる。更にR2が0.
03mm以下であると、角部11fにバリなどが発生し
やすく、後工程における搬送等においてカケ等が発生
し、素子特性のばらつきが大きくなる。また、R2が
0.20mm以上であると、角部11fが丸くなりすぎ
て、プリント基板に実装しにくく、不具合が生じる。
【0034】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0035】 体積固有抵抗:1013以上(好ましくは1014以上) 熱膨張係数:10×10-4以下(好ましくは9×10-5
以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 誘電率:1MHzにおいて12以下(好ましくは10以
下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 密度:3〜7g/cm3(好ましくは4〜6g/cm3) 基台11の構成材料の体積固有抵抗が1013以下である
と、導体12とともに基台11にも所定に電流が流れ始
めるので、並列回路が形成された状態となり、自己共振
周波数f0が低くなってしまい、高周波用の素子として
は不向きである。
【0036】また熱膨張係数が10×10-4以上である
と、基台11にヒートショック等でクラックなどが入る
ことがある。すなわち熱膨張係数が10×10-4以上で
あると、上述の様に導体をシートにはさみ込み、加圧、
焼成した後に端部に銀ペーストを塗布し焼き付けするの
で、基台11が高温になり、基台11にクラックなどが
生じることあるが、上述の様な熱膨張係数を有すること
によって、大幅にクラック等の発生を抑止できる。
【0037】また、誘電率が1MHzにおいて12以上
であると、自己共振周波数f0が低くなってしまい、高
周波用の素子としては不向きである。
【0038】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0039】密度が3g/cm3以下であると、基台1
1の吸水率が高くなり、基台11の特性が著しく劣化
し、素子としての特性が悪くなる。また密度が7g/c
3以上になると、基台11の重量が重くなり、実装性
などに問題が発生する。特に密度を上記範囲内に設定す
ると、吸水率も小さく、チップマウンタなどで基板に実
装する際にも問題は発生しない。
【0040】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,誘電率,曲げ強度,密度を規定することによっ
て、自己共振周波数f0が低下しないので、高周波用の
素子として用いることができ、ヒートショック等で基台
11にクラック等が発生することを抑制できるので、不
良率を低減することができ、更には、機械的強度を向上
させることができるので、実装装置などを用いて回路基
板等に実装できるので、生産性が向上する等の優れた効
果を得ることができる。
【0041】上記の諸特性を得る材料としては、セラミ
ック材料が挙げられるが、しかしながら、単にセラミッ
ク材料を用いても上記諸特性を得ることはできない。す
なわち、上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス
圧力や焼成温度及び添加物によって異なるので、作製条
件などを適宜調整しなければならない。具体的な作製条
件として、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,
焼成温度を850〜950℃,焼成時間1〜3時間等の
条件が挙げられる。また、磁性体シート材料の具体的な
材料としては、Fe23が40mol%以上,NiO2
が15mol%以下,ZnOが40mol%以下,Cu
Oが15mol%以下,Bi2Oが10重量%以下等が
挙げられる。
【0042】なお、セラミック材料の中でも、特に加工
のしやすさや、コスト面から考慮すると、フェライト材
料が好ましい。また、フェライト材料であって、絶縁性
を有する材料が最も好ましい。これら具体的材料として
は、Mn−Zn系フェライト,Ni−Zn系フェライ
ト、Cu−Zn系フェライトなどの軟質強磁性の少なく
とも1で構成された材料が好ましい。
【0043】次に導体12について説明する。
【0044】導体12としては、抵抗率が20℃におい
て1.67×10-6Ωcm以下で、しかもビッカース硬
さ(Hv)が30〜100のものが好ましい。この様な
特性の導体12を得るためには、材料及び製法等を選択
しなければならない。
【0045】以下具体的に導体12について説明する。
【0046】導体12の構成材料としては、銅,銀,
金,ニッケル、白金、鉄などの金属導電材料が挙げられ
る。この銅,銀,金,ニッケル、白金、鉄等の材料に
は、耐候性等を向上させために所定の元素を添加しても
よい。また、導電材料と非金属材料等の合金を用いても
よい。構成材料としてコスト面や耐食性の面及び作り易
さの面から銀及びその合金がよく用いられる。
【0047】また銀等を用いる場合には、まず、セラミ
ックシート上に銀線を配置し、その上にセラミックシー
トを重ねる。なお銀線の純度としては99.0%以上が
望ましい。銀の純度が99.0%以下になると導電率が
小さくなるために製品にした場合の直流抵抗が大きくな
り、定格電流も小さくなってしまう。回路に対する影響
としては回路の電圧を低下させ動作が不安定となる。
【0048】また、導体の線径については、銀成分99
%の場合において線方向の長さ2mmの場合の時、線径
は0.12mmとすることによって直流抵抗値を10m
Ω以下にすることができる。
【0049】なお、導体12は束線で構成してもよい
が、単線の方が構造が単純で安価であるので好ましい。
さらに切断時の際に切断機の刃の消耗を抑えるために、
前処理として焼まなしを行ってビッカース硬さをさげて
もよい。
【0050】単線を用いる場合は、基台との密着を取
り、導体のずれを防ぐために、図7に示すように導体の
表面に凹凸を設けることが有効である。たとえば、導体
の長て方向と垂直方向に溝17を設けたり、または、ロ
ーレット加工等を導体表面に施すことができる。溝の深
さは、5〜10μmが望ましいが、線径によっては、も
っと深くすることが可能である。
【0051】さらに平板状の導体18を用いる場合は、
図8の示すように導体の一部に貫通穴19を設けること
によって、基台との密着を取り、導体のずれを防ぐこと
ができる。平板状の導体を用いることによって、基台の
デラミの発生を抑えて製品の高さ方向を低くできる。ま
た直流抵抗を小さくすることが可能である。
【0052】導体12の構造としては、通常は、断面形
状が円形の導体を用いるが、中空状の構造にすることに
よって、セラミック焼成時に発生する焼成ひずみを低減
することができる。
【0053】中空状の構造を形成するために、平板の導
体を長手方向に対して直角に巻いて中空部分を形成す
る。または、葉巻状に巻いてもよい。さらにリボン状の
導体をスパイラル状に巻いて中空部分を形成してもよ
い。導体の厚みは、数μmから150μmが望ましく。
また線径は、50μmから200μmが望ましい。な
お、導体の断面形状は、円形以外の形状でも同等の効果
が得られる。
【0054】特に、薄膜の導体を用いるときは、芯材と
して焼失する材料を用い前記芯材の表面に導体を形成
し、焼成することによって前記導体に中空部を形成する
ことによって、製造工程中に導体の断線を防ぐことがで
きる。特に、導体の線径を細くしたい場合に有効であ
る。導体の形成方法としては、スパッタやメッキおよび
蒸着等によって導体を形成することによって、線径の細
い中空状の導体を形成することができる。なお、この場
合には最終の導体12の形状としては、最も理想的な構
成は、中空状の導体12が形成されることであるが、焼
成条件等の違いによって、導体12に囲まれた空隙部
や、あるいは、空隙部の一部が導体1の表面に開口を持
つ空隙部の少なくとも一つが形成される場合があるが、
この様な構成においても、上述と同様の作用効果を得る
ことができる。
【0055】また、芯材としてセラミックを用い前記芯
材の表面に導体を形成し、焼成することによって前記導
体の内部にセラミックを配置することによって、導体が
基台と内部のセラミックによって、はさみこまれた状態
となり、導体が基台からずれるのを防ぐことができる。
【0056】導体の内部に用いるセラミックは、基台よ
りも焼成収縮率が同等かもしくは小さい方が望ましい。
【0057】焼失する芯の材質としては、エナメル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、フッ素等があるがコストの面よりポリウレタン樹脂
が好ましい。なお以上の樹脂の中にセラミックの粉体お
よび金属粉体等を添加させることによって、焼結後にで
きる銀線とセラミックとの空間部分にセラミック及び金
属粉体が残ってインピーダンス特性を向上させることが
できる。
【0058】また、導体12と基台11の密着強度は、
導体12を形成した基台11を400℃の温度下に数秒
間放置した後に基台11から導体12が抜けない程度以
上であることが好ましい。素子を基板等に実装した際
に、素子には自己発熱や他の部材からの熱が加わること
によって、素子に200℃以上の温度が加わることがあ
る。従って、400℃で基台11からの導体12のはが
れが発生しない程度の密着強度であれば、たとえ素子に
熱が加わっても、素子の特性劣化等は発生しない。
【0059】次に端子電極15、16について説明す
る。
【0060】端子電極15、16は、銀のみでも十分に
機能するが、様々な環境条件等に順応させるために、多
層構造とすることが好ましい。
【0061】図9は端子電極15、16の断面図であ
る。図9において、端子電極15,16は多層構造とな
っており、基台11の端部11aの上に銀ペーストを塗
布焼成し、端部11aの基台11端面に露出している導
体12と電気的に接続する銀電極14を形成する。しか
も銀電極14の上には耐候性を有するニッケル,チタン
等の材料で構成される保護層300が形成されており、
更に保護層300の上にはすずメッキまたは半田メッキ
等で構成された接合層301が形成されている。保護層
300は銀電極14の耐候性を向上させることができ
る。本実施の形態では、保護層300の構成材料とし
て、ニッケルかニッケル合金の少なくとも一方とし、接
合層301の構成材料としては半田を用いた。保護層3
00(ニッケル)の厚みは1〜7μmが好ましく、1μ
mを下回ると耐候性が悪くなり、7μmを上回ると保護
層300(ニッケル)自体の電気抵抗が高くなり、素子
特性が大きく劣化する。また、接合層301(すずと半
田)の厚みは2μm〜10μm程度が好ましく、2μm
を下回ると半田食われ現象が発生して素子と回路基板等
との良好な接合が期待できず、10μmを上回るとマン
ハッタン現象が発生し易くなり、実装性が非常に悪くな
る。
【0062】以上の様に構成されたチップ型インピーダ
ンス素子は、特性劣化が無く、しかも,実装性及び生産
性が非常によい。
【0063】以上の様に構成されたチップ型インピーダ
ンス素子について、以下その製造方法について図10を
用いて説明する。
【0064】まず、フェライト等の磁性体材料をシート
工法によって、フェライトシート20を作製する。次に
そのフェライトシート20の上に銀導体線23を配置す
る。次に銀導体線22の上にフェライトシート11と同
じシート21を積み重ねる。なお、導体がずれるのを防
ぐために導体にシラン等の摩擦係数の大きな材料を塗布
しても良い。次に積み重ねられたシートを加熱プレスし
て2枚のシートを圧着してブロック23を作製する。次
にこのシートを切断機によって切断して素子単品24と
してばらす。さらに素子24を焼結させる。さらに焼結
した状態でバレルによって基台および導体の面取りをし
て乾燥させる。次に素体端面に銀ペーストを塗布して乾
燥、焼き付けを行う。
【0065】なお、他の製造方法としては、フェライト
等の磁性体ペーストと導体とを同時に押出す押出し工法
がある。この製造方法においても本件の請求項における
同等の効果が得られる。
【0066】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子電極15,16にニッケル層やすず層および半田層を
積層して、耐候性や接合性を向上させることもある。
【0067】なお、本実施の形態は、チップ型インピー
ダンス素子について説明したが、絶縁材料によって構成
されたセラミックスシートの中に導体を形成する電子部
品でも同様な効果を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、基台と、基台中に設けられた
導体と、基台の端面に設けられ、導体と電気的に接続し
た端子電極とを備え、導体中に空隙部かもしくは導体表
面に開口を有する空隙部の少なくとも一方を設けたこと
によって、基台と導体との焼成ひずみを緩和することが
でき、基台の本来持っている特性、磁性体材料であれば
透磁率を劣化させることなく引き出すことがでいこれに
よってインピーダンス特性を向上させることができる。
また、製品ごとのひずみを安定させる事ができインピ−
ダンスのばらつきを小さくすることができる。また、製
造工程において焼成炉の温度分布のばらつきが与える影
響におけるひずみのばらつきも導体が緩和させてくれる
ので、安定した品質を確保する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子を示す断面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子に用いられる導体を形成したセラミックの
断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子に用いられるセラミックを示す図
【図5】マンハッタン現象を示す側面図
【図6】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子に用いられるセラミックの斜視図
【図7】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子に用いられる導体の斜視図
【図8】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子の斜視図
【図9】本発明の一実施の形態におけるチップ型インピ
ーダンス素子の端子電極の断面図
【図10】本発明の一実施の形態における製造方法を示
す斜視図
【図11】従来のチップ型インピーダンス素子を示す斜
視図
【符号の説明】
1 フェライト 2 導体線 3 端子電極 11 基台 11a,11b 端部 11d,11e,11f 角部 12 導体 14 銀電極 15,16 端子電極 17 溝 18 平導体 19 貫通穴 20,21 フェライトシート 22 銀導体線 23 ブロック 24 素子単体 200 基板 201,202 半田 300 保護層 301 接合層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安村 浩治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 磯▲崎▼ 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E070 AA05 AB03 BA01 CA01 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台中に設けられた導体と、
    前記基台の端面に設けられ、前記導体と電気的に接続し
    た端子電極とを備え、前記導体中に空隙部かもしくは前
    記導体表面に開口を有する空隙部の少なくとも一方を設
    けたことを特徴とするチップ型インピ−ダンス素子。
  2. 【請求項2】導体を管状に形成し、前記導体に中空部を
    設けたことを特徴とする請求項1記載のチップ型インピ
    ーダンス素子。
  3. 【請求項3】焼失線の周りに導体を形成し、基台を焼成
    する際に前記焼失線を焼失させて空隙部を設けたことを
    特徴とする請求項1記載のチップ型インピーダンス素
    子。
  4. 【請求項4】基台と前記基台中に設けられた導体と、前
    記基台の端面に設けられ、前記導体と電気的に接続した
    端子電極とを備え、前記導体に導体長方向とは異なった
    方向に少なくとも1つ以上の貫通孔を設けることを特徴
    とするチップ型インピ−ダンス素子。
  5. 【請求項5】導体の表面に凹凸を形成していることを特
    徴とする請求項1〜4いずれか1記載のチップ型インピ
    −ダンス素子。
JP2001084800A 2001-03-23 2001-03-23 チップ型インピーダンス素子 Pending JP2002289434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001084800A JP2002289434A (ja) 2001-03-23 2001-03-23 チップ型インピーダンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001084800A JP2002289434A (ja) 2001-03-23 2001-03-23 チップ型インピーダンス素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002289434A true JP2002289434A (ja) 2002-10-04

Family

ID=18940420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001084800A Pending JP2002289434A (ja) 2001-03-23 2001-03-23 チップ型インピーダンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002289434A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012049372A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Tdk Corp コイル部品
JP2014216370A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 株式会社村田製作所 積層型インダクタ素子およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012049372A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Tdk Corp コイル部品
JP2014216370A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 株式会社村田製作所 積層型インダクタ素子およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6846693B2 (en) Chip-type composite electronic component and manufacturing method thereof
KR102523712B1 (ko) 적층 세라믹 전자부품
US20080128860A1 (en) Monolithic electronic component
KR20160139932A (ko) 적층 세라믹 전자 부품 및 그 제조 방법
US11527364B2 (en) Multilayer ceramic electronic component including a plurality of bodies and metal terminals connected to outer electrodes
JP7331622B2 (ja) 積層セラミック電子部品
JP2004200373A (ja) 電子部品および製造方法
JP2002289434A (ja) チップ型インピーダンス素子
JP2002289451A (ja) チップ型インピーダンス素子の製造方法
JP3536615B2 (ja) チップ型インピーダンス素子
JP3144357B2 (ja) チップ抵抗器
JP3334684B2 (ja) 電子部品及び無線端末装置
JP2003272923A (ja) 電子部品
JP3093660B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JPH11329845A (ja) 電子部品及びその製造方法
JP3083482B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3093659B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3093658B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3088669B2 (ja) インダクタンス素子の製造方法及び無線端末装置
JP3289824B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP3283778B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP2003109820A (ja) 積層型インダクタ及びその製造方法
JP2004096126A (ja) チップ型インピーダンス素子
JP3297638B2 (ja) インダクタンス素子及び無線端末装置
JP2005217340A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその実装構造