JP3536414B2 - 粘着剤組成物 - Google Patents

粘着剤組成物

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JP3536414B2 JP08033095A JP8033095A JP3536414B2 JP 3536414 B2 JP3536414 B2 JP 3536414B2 JP 08033095 A JP08033095 A JP 08033095A JP 8033095 A JP8033095 A JP 8033095A JP 3536414 B2 JP3536414 B2 JP 3536414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着剤組成物に関し、さ
らに詳しくは遊離の酸性官能基を含有するゴム系重合体
と特定のポリイソシアネート化合物とを主成分とする粘
着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤はベースポリマーの種類から、ゴ
ム系、アクリル系、シリコン系、ポリビニルエーテル系
等に分類される。このうちゴム系粘着剤は、天然ゴム、
合成イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイ
ソブチレン、スチレンイソプレンゴム等を主剤とするも
のであり、粘着テープ、シート、ラベル等の感圧粘着剤
として広く用いられている。これらゴム系粘着剤の粘着
性、相溶性、密着性等を高めるため遊離の酸性官能基を
主剤に導入することが知られている(例えば、特公昭5
3−9778号公報)。ポリイソシアネート化合物とし
て芳香族ポリイソシアネート化合物を添加した場合では
ポットライフが長いものもある。しかし、無黄変型の脂
肪族および脂環族ポリイソシアネート化合物、たとえ
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等を原料とするポリイソシアネート化合物
を用いた場合には、遊離の酸性官能基によるウレタン化
反応の促進効果のためかポットライフが極端に短いとい
う問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、充分
満足できるポットライフを有し、被着材に対して充分な
密着性を有する、粘着剤組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は遊離の酸性官能
基を含有するゴム系重合体を主剤とし、3級炭素に結合
したイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合
物を架橋剤として含有することを特徴とする粘着剤組成
物を提供するものである。
【0005】[発明の具体的説明]以下本発明につき、
更に詳細に説明する。 (1)遊離の酸性官能基を有するゴム系重合体 ゴム系重合体(遊離の酸性官能基を有するゴム系重
合体の原料) 本発明で用いられる遊離の酸性官能基を含有するゴム系
重合体としては、ゴム系重合体に用いられる通常の不飽
和単量体及び酸性官能基を含有する不飽和単量体を公知
の方法により重合されたものが好ましい。また、イソプ
レンゴム、スチレン・ブタジエンゴムやスチレン・イソ
プレンゴム等のゴム系重合体に遊離の酸性官能基を含有
する化合物を反応させる方法等で得られたものも挙げる
ことができる。
【0006】i) 通常の不飽和単量体 ゴム系重合体の製造に用いられる通常の不飽和単量体と
しては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレ
フィン系の単量体、1,2−ブタジエン、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、4
−エトキシ−1,2−ブタジエン、3−メトキシ−1,
2−ブタジエン、4−メトキシ−1,2−ブタジエン等
の共役二重結合を有する単量体、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、エタクリロニトリル等のシアノ基含
有不飽和単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン誘導体等
が挙げられ、これらを組合わせて使用することもでき
る。これらのうち、共役二重結合を有する単量体を使用
することが好ましい。
【0007】ii) 酸性官能基を有する不飽和単量体 酸性官能基を含有する不飽和単量体としては不飽和スル
ホン酸、不飽和リン酸、不飽和カルボン酸等が挙げられ
る。中でも好ましのは不飽和カルボン酸である。不飽和
スルホン酸としては、p−ビニルベンゼンスルホン酸、
ビニルスルホン酸等が挙げられる。不飽和リン酸類とし
てはビニルリン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸類
としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸等が挙げられ、中でもア
クリル酸が好ましい。
【0008】また、可塑性、加工性の向上として上記ゴ
ム系共重合体にアクリル酸エステル類を共重合すること
も可能である。アクリル酸エステル類としては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸オレイル、アクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−4−ヒドロキシ
ブチル等が挙げられる。メタクリル酸エステル類として
はメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸トリデシル、メタクリル酸オレイル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸
ブトキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
【0009】 酸性官能基 ゴム系重合体に導入される酸性官能基量は樹脂固形分中
に0.1〜200KOHmg/gで、好ましくは5〜1
50KOHmg/gである。酸価が0.1KOHmg/
g以下では粘着性や基材に対する密着性が向上せず、酸
価が200KOHmg/g以上では、ポリイソシアネー
ト化合物を添加した場合の増粘速度が速くなりすぎて好
ましくない。
【0010】 遊離の酸性官能基を有するゴム系重合
体の製造 本発明で用いられる遊離の酸性官能基を含有するゴム系
重合体の製造方法としては、溶液重合法、塊状重合法、
乳化重合法等公知のいずれの重合法でも良いが、粘度が
低く水分を含有しない点から、特に溶液重合法が好まし
い。溶液重合法では、溶剤及び重合開始剤の存在下、前
記の通常の不飽和単量体および酸性官能基を有する不飽
和単量体を共重合させる。
【0011】使用される溶剤としては、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族系炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、クロルベンゼン、トリクレン、パークレン等のハロ
ゲン化炭化水素およびそれらの2種以上の混合物が挙げ
られる。
【0012】また、重合開始剤は、アゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキ
サイド、アセチルアセトンMn(III)キレート、アセチ
ルアセトンCo(III)キレート等のラジカル重合開始
剤、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属、ブチルリチウム等のアルキルリチウムなど通常用い
られるもので良い。重合開始剤の添加量はモノマーに対
して0.005〜10重量%、重合温度は−90〜13
0℃で、樹脂固形分は10〜99重量%である。
【0013】 遊離の酸性官能基を有するゴム系重合
体の物性 遊離の酸性官能基を含有するゴム系重合体の分子量は重
量平均分子量で5,000〜2,000,000好まし
くは10,000〜1,000,000である。500
0未満では粘着力、凝集力が低く2,000,000超
過では粘度が高くなりすぎ作業性が低下していずれも好
ましくない。また、遊離の酸性官能基を含有するゴム系
重合体溶液の粘度は100〜200,000mPa・s
/25℃、好ましくは1,000〜100,00mPa
・s/25℃0である。100mPa・s/25℃未満
では塗装性が悪く、200,000mPa・s/25℃
超過では作業性が悪くなり好ましくない。
【0014】(2)3級炭素に結合したイソシアネート
基を有するポリイソシアネート化合物 ポリイソシアネート化合物 以下に述べる本発明における特定のポリイソシアネート
化合物は粘着剤に強度を与えかつ密着性を高めるための
架橋剤として機能するものである。 3級炭素に結合し
たイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
としては一般式(I)で表されるものが好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】[(I)式中、R1 、R2 は炭素数が1〜
30のアルキル基または置換アルキル基からなり、
3 、R4 は独立に水素、炭素数1〜30のアルキル基
または置換アルキル基からなり、Xは芳香族、脂肪族、
脂環族基から選ばれた構造であり、nは1〜10までの
整数を表わす。]
【0017】3級炭素に結合したイソシアネート基を有
するポリイソシアネート化合物は単独で使用してもよい
が3級炭素に結合したイソシアネート基を有するジイソ
シアネートとポリオール又は水との反応付加物、もしく
は該ジイソシアネートの三量体であってNCO基が残っ
ているものが好ましい。3級炭素に結合したポリイソシ
アネート化合物の好適な例としては、m−またはp−
α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、メンセンジイソシアネート、α,α′−ジメ
チル−α,α′−ジプロピルキシリレンジイソシアネー
ト等が挙げられる。中でも好ましいのはm−またはp−
α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシ
アネートが挙げられる。
【0018】 ポリオールとの反応付加物 3級炭素に結合したポリイソシアネート化合物に付加さ
せうるポリオールには、低分子グリコール、例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,
4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族
グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の
脂環族グリコール;キシリレングリコール、ビスヒドロ
キシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール;多価アル
コールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサン
トリオール、1,2,4−ブタントリオール、エリスリ
トール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール等が挙げられる。
【0019】高分子量ポリオールとしては例えばポリエ
ーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテル
エステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオ
レフィンポリオールおよびこれら2種類以上の混合物が
挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレ
ンオキシドを単独または共重合させて得られるもの、例
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエー
テルグリコール、ポリオクタメチレンエーテルグリコー
ル、およびそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0020】ポリエステルジオールとしてはジカルボン
酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)またはそれらの無
水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−プロピル1,3−プロパンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−
エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル
−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメ
チルシクロヘキサン等の脂環族グリコール;キシリレン
グリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香
族グリコール;メチルジエタノールアミン等のアルキル
ジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られたも
の、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジ
ペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン
/プロピレンアジペート等、または前記グリコール類を
開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール例え
ばポリカプロラクトンジオール、ポリメチルバレロラク
トンジオール等またはこれらの2種以上の混合物が挙げ
られる。なお、グリコールのうち一部をグリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,
2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリ
オール、エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール等のポリオールに置
換することもできる。
【0021】ポリエーテルエステルジオールとしてはエ
ーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合
物を前記ジカルボン酸とまたはそれらの無水物とを反応
させるか、またはポリエステルグリコールにアルキレン
オキシドを反応させることによって得られるもの、例え
ばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が
挙げられる。ポリカーボネートジオールとしてはポリ
(1,6−ヘキサメチレン)カーボネート、ポリ(3−
メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げら
れる。ポリオレフィンポリオールとしては、ポリブタジ
エンポリオール、水素添加型ポリブタジエンポリオー
ル、水素添加型ポリイソプレンポリオール等が挙げられ
る。
【0022】これらポリオールの好適な数平均分子量は
50〜5,000である。数平均分子量が5,000を
越えるポリオールを用いると架橋密度が下がり、被着材
との密着性が落ちて好ましくない。これらポリオールと
3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソ
シアネートとの反応には触媒を用いることも可能であ
る。触媒としては、例えばジブチルチンジオクトエー
ト、ジブチルチンジラウレート等のスズ系触媒、オクタ
ン酸鉛等の鉛系触媒またはトリエチルアミン、ジメチル
アニリン等の3級アミン系触媒が挙げられる。
【0023】 水との反応付加物 3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソ
シアネートの水の付加物の製造方法としては水1モルを
50〜200℃の温度において前記ポリイソシアネート
の最低3モル以上と反応させる方法が挙げられる。 三量体 3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソ
シアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソ
シアネート類を適当な三量化触媒、例えば3級アミン
類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カル
ボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量
化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、
未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留によ
り除去し目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネ
ートを得る方法が挙げられる。
【0024】なお、ポリオールとの反応物および水との
反応付加、もしくは三量体の製造は溶剤中でも可能であ
る。使用される溶剤としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロ
ルベンゼン、トリクレン、パークレン等のハロゲン化炭
化水素およびそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0025】(3)粘着剤組成物 3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリイソ
シアネート化合物とゴム系重合体との混合は、通常、溶
液状態で行われる。ただし低分子量重合体では溶剤を用
いないで混合することもできる。3級炭素に結合したイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の添
加量は遊離のカルボキシル基を含有するゴム系重合体1
00重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは
0.05〜15重量部である。3級炭素に結合したイソ
シアネート基を有するポリイソシアネート化合物の添加
量が0.01未満の場合は被着材との密着性が不足す
る。一方添加量が20重量部を超えると硬くなりすぎ
る。
【0026】この際、ポットライフが許容される範囲内
で芳香族ポリイソシアネート化合物、例えばトリレンジ
イソシアネート等のポリオールとの反応物、該芳香族ポ
リイソシアネート化合物の三量体、該芳香族ポリイソシ
アネート化合物の水との反応物も併用できる。また、増
粘速度が許容される範囲内で従来の脂肪族系や脂環族系
ポリイソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイ
ソシアネートやイソホロンジイソシアネート等のポリオ
ールとの反応物、該脂肪族系や脂環族系ポリイソシアネ
ート化合物の三量体、該脂肪族系や脂環族系ポリイソシ
アネート化合物の水との反応物も併用できる。これら
は、反応時に混合しても反応物を使用時に混合しても良
い。
【0027】(4)その他の成分 本発明の粘着剤組成物には、上記の遊離の酸性官能基を
含有するゴム系重合体、3級炭素に結合したイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物以外に、必要
に応じて顔料、染料、無機充填剤、有機溶剤、金属粉、
カーボンブラック、キシレン樹脂やロジン系樹脂などの
粘着剤付与剤、シランカップリング剤、軟化剤、紫外線
吸収剤、架橋促進剤などを添加することもできる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。なお、「部」は重量部、「%」は重量%を示す。 (1)酸性官能基を含有するゴム系重合体の合成 攪拌機、温度計を備えたオートクレーブ内に、キシレン
150部、アセチルアセトンCo(III)キレート0.0
14部と表−1に示す所定量の1,4−ブタジエンおよ
びアクリル酸を仕込み、脱気後130℃で6時間反応し
遊離のカルボン酸基含有ゴム系重合体溶液〜を得
た。得られたゴム系重合体の酸価、分子量*1、粘度*2
表−1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】*1:分子量測定方法 得られたゴム系重合体の分子量の測定には、樹脂分0.
2重量%のTHF溶液を調整しGPC装置(HLC−8
020,カラムG3000HXL/G2000HXL/
G6000HXL,東ソー(株)製)を使用した。注入
量20μl、流速1.0ml/分、圧力100kg/c
2 、RI検出器RANGE32で測定し、標準ポリス
チレンに換算した数平均分子量及び重量平均分子量を算
出した。 *2:粘度測定方法 得られたゴム系重合体溶液の粘度測定にはE型粘度計
(VISCONIC EHD−R型、(株)東京計器
製)を使用した。測定温度25℃、サンプル量1.5m
l、標準ローター(1°34′)で測定した。
【0031】(2)3級炭素に結合したイソシアネート
基を有するポリイソシアネート化合物(架橋剤)の合成 架橋剤 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗および窒素導入
管を備えたフラスコに、m−α,α,α′,α′−テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート935.8部にジ
ブチルチンジオクトエート0.6部仕込み乾燥窒素気流
下、80℃に加熱後、激しく攪拌しながら、溶融したト
リメチロールプロパン64.2部を2時間にわたり一定
速度で滴下した。この間反応溶液温度を80℃に調節し
た。滴下終了後溶液を80℃に保ちさらに4時間反応さ
せた。
【0032】この反応溶液を分子蒸留装置(MS−30
0型回転薄膜式、柴田化学器械工業(株)製)にて、蒸
留温度170〜180℃、供給量10〜20g/分、減
圧度0.5torrで蒸留を行い、未反応モノマーを除
去し、m−α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物を
得た。得られた付加物750部に対し、酢酸エチル25
0部を仕込んで希釈してNCO含有量9.7%の架橋剤
を得た。
【0033】架橋剤 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下漏斗および窒素導入
管を備えたフラスコに、酢酸エチル250部、m−α,
α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート633.2部を仕込み80℃に加熱後、1,4−ブ
タンジオール116.8部を30分に亘って滴下し、そ
の後5時間80℃で反応を行い、NCO含有量10.8
%の架橋剤を得た。
【0034】〈実施例1〜5および比較例1〉表−1に
示すゴム系重合体から100部に対し表−2に示す
架橋剤を所定量加えて得られた粘着剤組成物溶液をPE
Tフィルム上に乾燥後の厚さが30μmとなるように塗
布し80℃で10時間硬化し塗膜を得た。以下に示す評
価試験を行い、その結果を表−2に示した。
【0035】〈比較例2〉ゴム系重合体100部にG
P105A(三菱化学(株)製、トリレンジイソシアネ
ートのトリメチロールプロパン付加物、酢酸エチル溶
液、樹脂固形分75%、NCO含有量13.2%)を5
部添加し、実施例1と同様の操作を行い塗膜を得た。以
下に示す評価試験を行い、その結果を表−2に示した。
【0036】〈比較例3〉ゴム系重合体100部にN
Y218A(三菱化学(株)製、イソホロンジイソシア
ネートのトリメチロールプロパン付加物、酢酸エチル溶
液、樹脂固形分75%、NCO含有量10.2%)5部
を添加し、実施例1と同様の操作を行い塗膜を得た。以
下に示す評価試験を行い、その結果を表−2に示した。
【0037】〈比較例4〉ゴム系重合体100部にN
Y710A(三菱化学(株)製、ヘキサメチレンジイソ
シアネートのトリメチロールプロパン付加物、酢酸エチ
ル溶液、樹脂固形分75%、NCO含有量13.0%)
5部を添加し、実施例1と同様の操作を行い塗膜を得
た。以下に示す評価試験を行い、その結果を表−2に示
した。
【0038】〈評価試験〉 (1)ポットライフ 前記ゴム系重合体と架橋剤とを表−2に示す部数で23
℃において、混合後初期粘度が2倍になるまでに要した
時間を測定した。 (2)粘着力 幅20mmのステンレス板に前記粘着剤組成物を塗布し
たPETフィルムを2kgのゴムローラーを往復させる
方法で圧着し、JIS Z 0237に準じ23℃、相
対湿度65%の条件下に1時間放置したのち300mm
/minで引き剥がした時の粘着力をテンシロン(UT
M−III −100、(株)オリエンテック製)で測定し
た。 (3)耐光性 紫外線オートフェードメーター FAL−SP・H(ス
ガ試験機(株)製)中、63℃で100時間後の黄変性
を目視により観察した。○は変化せず、×は黄変を示
す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物は遊離の酸性官能
基を含有するゴム系重合体と特定のポリイソシアネート
化合物とからなり、増粘速度が遅く、樹脂溶液の粘度上
昇が小さいため、塗工時の膜厚のばらつき、塗布むらが
生じにくく、被着材に対する密着性に優れているため、
粘着シート、ラベル等の粘着剤として用いるのに好適で
ある。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 C08G 18/00 - 18/87

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役二重結合を有する単量体と遊離のカ
    ルボキシル基を有する不飽和単量体とを重合し得られ、
    遊離のカルボキシル基を含有するゴム系重合体を主剤と
    し、3級炭素に結合したイソシアネート基を有するポリ
    イソシアネート化合物を架橋剤として含有することを特
    徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイソシアネート化合物が、3級炭素
    に結合したイソシアネート基を有するジイソシアネート
    とポリオール又は水との反応付加物、もしくは該ジイソ
    シアネートの三量体であることを特徴とする請求項1記
    載の粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネート化合物がm−または
    p−α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイ
    ソシアネートであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 遊離のカルボキシル基を含有するゴム系
    重合体の酸価が0.1〜200KOHmg/gであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の粘
    着剤組成物。
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