JP3535422B2 - 投写装置 - Google Patents

投写装置

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JP3535422B2
JP3535422B2 JP26200599A JP26200599A JP3535422B2 JP 3535422 B2 JP3535422 B2 JP 3535422B2 JP 26200599 A JP26200599 A JP 26200599A JP 26200599 A JP26200599 A JP 26200599A JP 3535422 B2 JP3535422 B2 JP 3535422B2
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noise
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敏弘 鈴木
哲也 小林
哲也 浜田
猛 後藤
真理 菅原
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    • H04N9/31Projection devices for colour picture display, e.g. using electronic spatial light modulators [ESLM]
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    • H04N5/7416Projection arrangements for image reproduction, e.g. using eidophor involving the use of a spatial light modulator, e.g. a light valve, controlled by a video signal
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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は投写装置に係り、特
に内設された偏光板,液晶パネル等の発熱要素を冷却す
る冷却機構を設けた投写装置に関する。例えば、液晶プ
ロジェクタ等の投写装置は、その内部に折り曲げミラ
ー,色分離ダイクロイックミラー,液晶パネル,色合成
ダイクロイックミラー(プリズム)等の光学系が配設さ
れている。この液晶パネル及びその近傍にある偏光板
は、光を吸収し発熱するため、これを冷却する必要があ
る。このため、液晶パネル及び偏光板等の発熱要素を効
率よく冷却する必要がある。
【0002】また、液晶プロジェクタ等の投写装置は、
会社内における会議やプレゼンテーションにおいて、ま
た家庭内における画像出力装置(テレビ,ゲーム等)と
して用いられる。このため、投写装置から発生する騒音
は、極力小さくする必要がある。更に、投写装置は、上
記のように精密な光学系が内設された構成であるため、
投写画像の品質向上及び装置自体の信頼性を向上させる
面より、装置内部に塵埃が侵入しないよう構成する必要
もある。
【0003】
【従来の技術】図1及び図2は、従来の一例である投写
装置10を示している。図1は投写装置10の横断面図
であり、図2は投写装置10の吸気ファン29〜31の
近傍を拡大して示す図である。投写装置10は、図1に
示すように、大略すると内部ケース11,外部ケース1
2,光源13,液晶パネルユニット24〜26,投写レ
ンズ27,吸気ファン29〜31,及び排気ファン32
等を有した構成とされている。
【0004】内部ケース11は外部ケース12の内部に
配設されており、内部ケース11と外部ケース12との
間には空間部28が形成されている。この内部ケース1
1の内部には、全反射ミラー14〜16、色分離ダイク
ロイックミラー17,18、色合成ダイクロイックミラ
ー19,23、集光レンズ21〜23、及び液晶パネル
ユニット24〜26等の光学系が配設されている。
【0005】上記光学系を有する投写装置10は、次の
ように画像生成処理を行う。即ち、光源13から出射し
た光は、上記した光学系を通過す過程において色分離ダ
イクロイックミラー17,18により例えば三原色に色
分離される。そして、この色分離された光は、液晶パネ
ルユニット24〜26を通過することにより各色毎ニ画
像信号を重畳する処理(画像変調処理)が行われる。
【0006】続いて、画像変調処理がされた光は、色合
成ダイクロイックミラー19,23において色合成さ
れ、この色合成された光は投写レンズ27からスクリー
ン(図示せず)に向け投写される。これにより、スクリ
ーン上に所定の画像が投写される。ところで、前記の液
晶パネルユニット24〜26は、液晶パネルとこれを挟
むよう配設された一対の偏光板とにより構成されてい
る。この液晶パネル及び偏光板は、光を吸収して発熱す
る。とりわけ、通常偏光板としては有機物の偏光フィル
ムを用いているため、70℃以上に加熱されると劣化が
生じる。
【0007】このため、図2に示されるように、内部ケ
ース11の液晶パネルユニット24〜26と対向する下
面には、吸気ファン29〜31が配設されている。この
吸気ファン29〜31が生成した冷却風は、液晶パネル
ユニット24〜26の偏光板に吹き付けられるよう構成
されており、よって各偏光板は空冷される構成となって
いる。
【0008】また、液晶パネルユニット24〜26の偏
光板に吹き付けられることにより昇温した冷却風は、内
部ケース11の天板部に形成された排気口33〜35よ
り外部ケース12の内部に排出され、更に外部ケース1
2に設けられた排気ファン32により外部排気口36か
ら装置外部に排気される。また、前記したように内部ケ
ース11と外部ケース12との間には空間部28が形成
されるが、この空間部28には内部ケース11以外にも
種々の機器39aが配設されている。この機器39aの
中には発熱するものがあり、また光源13も発熱する。
【0009】このため、このように発熱する光源13及
び機器39aには、内部冷却ファン39が設けられ、前
記した液晶パネルユニット24〜26と同様に冷却が行
われる構成とされている。尚、図2に示した構成では、
液晶パネルユニット24〜26の配設数に対応させて3
個の吸気ファン29〜31を配設した構成としたが、図
3に示すように、導風板ダクト38を用いることによ
り、1個の吸気ファン37により全ての液晶パネルユニ
ット24〜26を冷却するものも提供されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、液晶パ
ネルユニット24〜26と対向する位置に吸気ファン2
9〜31を設けて偏光板及び液晶パネルを空冷する構成
とすることにより、熱による偏光板及び液晶パネルの劣
化を防止でき、投写装置10の信頼性を向上させること
ができる。
【0011】しかるに、各吸気ファン29〜31はファ
ンを回転させることにより冷却風を生成する構成である
ため、ファンの回転時に必然的に風切り音が発生する。
この風切り音は、投写装置10を使用する際の騒音とな
る。図2に示す構成では、3個の吸気ファン29〜31
が夫々風切り音を発生するために騒音が増大する。ま
た、図3に示す構成では、吸気ファン37は1個である
が、導風板ダクト38の内部で導風板が風を切ることで
騒音が増大する。
【0012】これらの騒音は内部ケース11の内部を抜
け、内部ケース11に形成された排気口33〜35から
内部ケース11と外部ケース12との間の空間部28に
伝わる。その後、この騒音は外部ケース12の内壁で反
射しながら外部排気口36へと伝わり、外部排気口36
から投写装置10の外部に漏れ出すことになる。図4
は、従来の投写装置10において発生する騒音値を示す
図である。同図は、投写装置10内に配設された各ファ
ンの名称,個数,使用,印加電圧,及び騒音値を示して
いる。この騒音値は、外部排気口36に測定器を設けて
測定した値である。
【0013】同図に示すように、3個の吸気ファン29
〜31のみを駆動した時に発生する騒音値は40.0d
Bであり、排気ファン32のみを駆動した時に発生する
騒音値は41.8dBであり、3個の内部冷却ファン3
9のみを駆動した時に発生する騒音値は39.5dBで
あった。また、吸気ファン29〜31,排気ファン3
2,及び内部冷却ファン39の全てを駆動させた場合、
騒音値は46.1dBと大きな値となる。このため、従
来の投写装置10では騒音が大きく、使用性が悪いとい
う問題点があった。
【0014】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、冷却処理を確実に行いつつ、装置外部に漏れ出す
騒音を低減した投写装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴と
するものである。請求項1記載の発明は、光源から出射
した光を色分離し、該色分離された光に画像信号を重畳
した上で色合成し、該色合成された光を投写レンズから
投写し画像を生成する投写装置において、画像を生成す
るのに用いる第1の発熱要素と、該第1の発熱要素に向
け冷却風を送風する第1のファンと、該第1の発熱要素
により温められた冷却風を排気する排気口とを具備する
第1の筐体と、該第1の筐体を内設し、該第1の筐体と
の間に空間部を構成する第2の筐体とを備え、前記空間
部は、前記第1の筐体における第1の側に隣接し、前記
排気口が設けられた第1の領域と、前記第1の筐体にお
ける第2の側に隣接し、前記第1の筐体の排気口から排
気された冷却風を装置外部に排気する第2のファンが配
設された第2の領域と、前記第1の筐体における第3の
側に隣接し、第1の領域及び第2の領域に連絡する第3
の領域とを含み、前記第1の領域と前記第2の領域との
間に遮音部材が設けられたことを特徴とするものであ
る。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の投写装置において、前記遮音部材を板状部材により
構成すると共に、前記空間部における前記第3の領域
第2の発熱要素を配設し、かつ、前記遮音部材を湾曲さ
せることにより、前記排気口から排気された冷却風が前
記第2の発熱要素に導かれるよう構成したことを特徴と
する。
【0017】
【0018】
【0019】請求項1記載の発明によれば、第1の筐体
内に配設された画像を生成するのに用いる第1の発熱要
素は、第1のファンが生成する冷却風により冷却され
る。また、第1の発熱要素により温められた冷却風は、
排気口より第1の筐体の外部に排気される。この際、第
1のファンが冷却風を生成する際、導風板が風を切るこ
とにより騒音(以下、この騒音を風切り音という)が発
生する。この風切り音は、排気口を介して第1の筐体の
外部に伝達する。
【0020】第2の筐体は、第1の筐体を内設した構成
とされている。また、第2の筐体は第2のファンが設け
られており、第1の筐体の排気口から排気された冷却風
はこの第2のファンにより装置外部に排気される。この
際、上記のように第1のファンにより発生した風切り音
は、排気口を介して第2の筐体内に伝達する。この風切
り音は、これを遮音する機構が設けられていない場合に
は、第2のファンが設けられている開口部から外部に漏
洩して騒音となってしまう。
【0021】しかるに、排気口と第2のファンとを結ぶ
経路上に遮音部材を配設し、この遮音部材により第1の
ファンに起因して発生する風切り音を遮音する構成とし
たことにより、第2のファンが設けられている開口部か
ら騒音が装置外部に漏洩することを防止でき、静かな投
写装置を実現することができる。また、請求項2記載の
発明によれば、遮音部材を板状部材により構成すると共
にこの遮音部材を湾曲させ、第1の筐体の排気口から排
気された冷却風が第1及び第2の筐体間に配設された第
2の発熱要素に導かれるよう構成したことにより、第1
のファンで生成された冷却風は、第1の筐体内に配設さ
れた第1の発熱要素の冷却を行うと共に、第2の発熱要
素の冷却処理も行うため、効率のよい冷却処理を行うこ
とができる。
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図5乃至図9は、本発明の第1
実施例である投写装置40Aを示している。図5は投写
装置40Aの横断面図であり、図6は投写装置40Aの
縦断面図であり、図7は投写装置40Aの外観図であ
り、図8及び図9は防塵機構67を示す要部拡大図であ
る。
【0025】投写装置40Aは、図5及び図6に示すよ
うに、大略すると内部ケース41,外部ケース42,光
源43,液晶パネルユニット54〜56,投写レンズ5
7,吸気ファン59〜61,排気ファン62A,防塵機
構67,及び遮音板95A等を有した構成とされてい
る。第1の筐体となる内部ケース41は、第2の筐体と
なる外部ケース42の内部に固定されている。内部ケー
ス41は外部ケース42よりも小さいため、よって内部
ケース41と外部ケース42との間には空間部58が形
成されている。
【0026】内部ケース41の内部には、光源43、全
反射ミラー44〜46、色分離ダイクロイックミラー4
7,48、色合成ダイクロイックミラー49,53、集
光レンズ51〜53、及び液晶パネルユニット54〜5
6,投写レンズ57等の光学系が配設されている。光源
43は例えばメタルハライドランプであり、リフレクタ
ー79により一方にのみ平行な光を出射する構成とされ
ている。この光源43は、電源ユニット72から電源供
給されると共に、ランプ安定器73により一定の光量の
光を照射するよう制御されている。この電源ユニット7
2及びランプ安定器73は、内部ケース41と外部ケー
ス42との間に形成された空間部58内に配設されてい
る。
【0027】また、光源43,電源ユニット72,及び
ランプ安定器73はそれぞれ発熱するものであるため
(電源ユニット72及びランプ安定器73は第2の発熱
要素となる)、光源43には内部冷却ファン74が、電
源ユニット72には内部冷却ファン75が、ランプ安定
器73には内部冷却ファン76が配設されている。この
各内部冷却ファン74〜76は、50mm角の大きさで印
加電圧が12Vの軸流ファン2台と50mm角の大きさで
印加電圧が12Vのシロッコファン1台を用いている。
【0028】また、全反射ミラー44〜46は図5に示
す位置に配設されており、入射する光の進行方向を90
°変換させる。また、色分離ダイクロイックミラー4
7,48は、光源43から出射された光をそれぞれ異な
る波長帯域の三原色(R,G,B)に分離する機能を奏
する。これにより、各液晶パネルユニット54〜56に
は異なる色の光(R,G,B)が集光レンズ51〜53
で集光された上で入射する。
【0029】液晶パネルユニット54〜56は、液晶パ
ネル70とこれを挟むよう配設された一対の偏光板6
8,69とにより構成されている。この液晶パネルユニ
ット54〜56の液晶パネル70は、図示しない画像処
理回路から画像信号が供給される。液晶パネル70は、
この画像信号により動作し、色分離された各原色光に対
し画像情報を重畳させる。
【0030】色合成ダイクロイックミラー49,53
は、液晶パネルユニット54〜56で画像信号が重畳さ
れた各原色光を合成し、これによりカラー画像が生成さ
れる。このカラー画像は、投写レンズ57によりスクリ
ーン(図示せず)に向け投写される。これにより、スク
リーン上に所定の画像が投写される。ところで、本実施
例に係る投写装置40Aは、投写レンズ57が外部ケー
ス42に対し上下方向(図6及び図7に矢印A1,A2
で示す方向)に所定範囲にわたり移動できるよう構成さ
れている。この構成とすることにより、スクリーン位置
に応じて容易に投写位置を位置決めすることができ、使
用性の向上を図ることができる。
【0031】このため、投写レンズ57は図示しない揺
動機構により外部ケース42に対し上下方向に移動可能
な構成とされており、また外部ケース42には図中矢印
A1,A2方向に長く延在する投写レンズ57を挿通す
る長孔78が形成されている。しかるに、単に長孔78
から投写レンズ57が突き出た構成とすると、長孔78
と投写レンズ57との間隙部分から塵埃が装置内部に侵
入してしまう。防塵機構67は、この長孔78と投写レ
ンズ57との間隙部から塵埃が侵入するのを防止する機
能を奏するものである。
【0032】図10及び図11は、従来から用いられて
いたこの種の防塵機構を示している。図10に示す防塵
機構は、長孔78と投写レンズ57との間隙部を埋める
スポンジ状部材87を配設した構成とされている。しか
るに、この構成では投写レンズ57が上下に移動した場
合、少しの移動量しか対応できないため実用的でないと
いう問題点がある。
【0033】また、図11に示す防塵機構は、投写レン
ズ57の直径より僅かに大きい装着孔81を設けたスラ
イド可能な第1の平板状部材89と、バネ92により一
方向に引っ張られているスライド可能な第2の平板状部
材90と、これらをスライドガイドすると共に長孔91
が形成された第3の平板状部材88とで構成されてい
る。
【0034】この防塵機構は、投写レンズ57が上方
(矢印A1方向)にスライドすると、第1の平板状部材
89が投写レンズ57と一緒に上方にスライドし、そし
て投写レンズ57の上面が第2の平板状部材90の下側
端面に突き当たると、第1の平板状部材89と第2の平
板状部材90が同時に上方にスライドし、各平板状部材
89,90が外部ケース42の内壁に当接するまでスラ
イドは可能となる。
【0035】即ち、図11に示す防塵機構では、投写レ
ンズ57の移動範囲は外部ケース42の大きさに制約さ
れてしまい、各平板状部材89,90が外部ケース42
の内壁に当接するまでの短い範囲でしか投写レンズ57
をスライドすることができないという問題点がある。図
8は、本実施例で用いてる防塵機構67を拡大して示す
構成図である。本実施例では投写レンズ57に防塵部材
となる防塵用板状部材80を設け、この防塵用板状部材
80により投写レンズ57と長孔78(開口)との間に
形成される間隙を塞ぐ構成としている。
【0036】この防塵用板状部材80は、その略中央部
分に装着孔81が形成されており、投写レンズ57はこ
の装着孔81を貫通した構成とされている。よって、投
写レンズ57が図中矢印A1,A2方向に移動するのに
伴い、防塵用板状部材80も矢印A1,A2方向にスラ
イド可能な構成となっている。また、防塵用板状部材8
0は、その投写レンズ57の移動方向における形状が、
外部ケース41の内壁に対し内側に向け湾曲した形状と
されている。この構成とすることにより、投写レンズ5
7を移動させた際、この移動に伴い防塵用板状部材80
が外部ケース41の内壁と当接することを防止でき、防
塵用板状部材80の移動範囲、即ち投写レンズ57の移
動範囲を広く取ることが可能となる。
【0037】更に、本実施例では、防塵用板状部材80
の少なくとも前記スライド方向の両先端近傍に所定範囲
にわたり可撓部82を形成している。この可撓部82
は、例えば容易に可撓しうるフィルム状部材により構成
されている。このように、防塵用板状部材80の先端近
傍に可撓部82を設けることにより、投写レンズ57の
移動に伴い可撓部82が外部ケース41の内壁に当接し
ても、可撓部82は可撓変形することにより投写レンズ
57の移動を許容する。よって、小さな外部ケース41
(即ち、低背化された外部ケース41)であっても、投
写レンズ57の移動範囲を広く取ることができるため、
投写装置40Aの小型化を図ることができる。
【0038】図9は、図8に示した防塵機構67の変形
例である。図9(A)に示す構成は、外部ケース41に
防塵用板状部材80の移動を案内する鉤部84を有した
ガイド部材83を設けたものである。この構成とするこ
とにより、防塵用板状部材80のスライド動作を円滑か
つ確実に行うことができる。また、本変形例は、特に可
撓部82を広い範囲に設けた場合において有効である。
【0039】また、図9(B)に示す構成は、投写レン
ズ57が挿通される装着孔81の近傍に補強部85を設
けたことを特徴とするものである。投写レンズ57を移
動させる時には装着孔81には強い力が作用するため、
この部位を補強しないと経時的に防塵用板状部材80の
装着孔81に劣化が発生することが考えられる。装着孔
81に劣化(例えば、亀裂等)が発生すると、この劣化
部位から装置内に塵埃が侵入し易くなる。
【0040】しかるに、本変形例のように装着孔81の
近傍に補強部85を設けることにより、経時的に装着孔
81の近傍に劣化が生じることを防止でき、よって塵埃
の侵入を確実に防止することができる。また、図9
(C)に示す構成は、図9(B)に示す構成において、
更に装着孔81の近傍に弾性部材86を設けたものであ
る。この弾性部材86はリング形状をしており、装着孔
81の周りを囲繞するよう配設されている。
【0041】投写レンズ57は、装着孔81に装着され
た際にこの弾性部材86と密着するよう構成されてい
る。よって、投写レンズ57と装着孔81との間に形成
される間隙は弾性部材86により塞がれるため、装置内
に塵埃が侵入することを確実に防止することができる。
ここで、再び図5乃至図7に戻り、投写装置40Aの構
成説明を続ける。
【0042】前記したように、内部ケース41内に設け
られる各液晶パネルユニット54〜56には、それぞれ
液晶パネル70及び偏光板68,69が配設されてい
る。この液晶パネル70及び偏光板68,69は、光源
43からの光を吸収して発熱する(液晶パネルユニット
54〜56は第1の発熱要素となる)。とりわけ、偏光
板68,69は通常有機物の偏光フィルムを用いている
ため70℃以上に加熱されると劣化が生じ、このため冷
却を行う必要があることは前述した通りである。
【0043】このため、図6に示されるように、内部ケ
ース41の液晶パネルユニット54〜56と対向する下
面には、吸気ファン59〜61(第1のファンを構成す
る)が配設されている。この吸気ファン59〜61が生
成した冷却風は、液晶パネルユニット54〜56の液晶
パネル70及び偏光板68,69に吹き付けられ冷却さ
れるよう構成されている。
【0044】また、液晶パネルユニット54〜56に吹
き付けられることにより昇温した冷却風は、内部ケース
41の内部天板部71に形成された排気口63〜65よ
り外部ケース42の内部に排出され、更に外部ケース4
2に設けられた排気ファン62A(第2のファンを構成
する)により外部排気口66Aから装置外部に排気され
る。
【0045】ここで、投写装置40Aで発生する騒音に
注目し、以下説明する。前記したように、吸気ファン5
9〜61,排気ファン62A,及び内部冷却ファン74
〜76は、それぞれファンを回転させることにより冷却
風を生成する構成であるため、ファンの回転時に必然的
に風切り音が発生し、この風切り音は投写装置40Aを
使用する際の騒音となる。
【0046】これらの騒音は内部ケース41の内部を抜
け、内部ケース41に形成された排気口63〜65から
内部ケース41と外部ケース42との間の空間部58に
伝わり、その後に外部排気口66Aから投写装置40A
の外部に漏れ出すことになる。本発明者が投写装置40
Aの騒音測定を行ったところ、騒音が最大になるのは排
気ファン62A(外部排気口66A)の正面であった。
【0047】また、本発明者が吸気ファン59〜61で
発生した騒音の伝搬経路を測定したところ、吸気ファン
59〜61に起因の騒音は、排気口63〜65から空間
部58に出た後、直接外部排気口66Aに向かうもの
と、この空間部58内で反射しながら外部排気口66A
に向かうものとがあることがわかった。この内、空間部
58内で反射しながら外部排気口66Aに向かう騒音
は、反射時において減衰される装置外部に漏れ出す騒音
(以下、この騒音を外部漏洩騒音というものとする)に
大きく影響することはない。これに対し、排気口63〜
65から直接外部排気口66Aに向かう騒音は、減衰が
されないため外部漏洩騒音に大きく影響する。
【0048】そこで本実施例では、各排気口63〜65
から外部排気口66Aに直接向かう騒音の伝達経路途中
に、換言すれば各排気口63〜65と外部排気口66A
とを結ぶ経路上(この経路を、図5に二点鎖線で示す)
に、遮音部材となる遮音板95Aを配設した構成とし
た。具体的には、本実施例では各排気口63〜65と外
部排気口66Aとを結ぶ直線上に遮音板95Aを配設し
た構成としている。尚、明確化の為に、図において遮音
板95Aには梨地を付している。
【0049】遮音板95Aは下部ケース41の内部天板
部71上に配設されており、またその配設位置は内部天
板部71の投写レンズ57が配設された側の側辺に沿っ
て直線状に配設されている。また、遮音板95Aの幅寸
法(図5における上下方向の長さ)は外部ケース42の
全幅と略等しい長さとされている。従って、遮音板95
Aの幅寸法は、内部ケース41の全幅よりも長く設定さ
れている。
【0050】更に、この遮音板95Aは、その下端部7
9Aが内部天板部71に接合され、また上端部98Aが
外部ケース42の内壁部に接合された構成とされてい
る。従って、内部ケース41と外部ケース42との間に
形成された空間部58は、遮音板95Aにより画成され
た構成となる。上記構成とすることにより、排気口63
〜65から直接外部排気口66Aに向かう騒音(図5に
二点鎖線で示す方向に進む騒音)は、遮音板95Aで反
射されるため、直接外部排気口66Aに進行することは
なくなる。よって、遮音板95Aで反射された騒音は、
空間部58内で反射しながら外部排気口66Aに向かう
こととなり、この反射時において減衰される。これによ
り、外部漏洩騒音を低減することができ、静かな投写装
置40Aを実現することができる。
【0051】図12は、本実施例に係る投写装置40A
において発生する騒音値を示す図である。尚、図12に
おける測定項目及び測定方法は、先に図4に示したもの
と同一である。同図に示されるように、本実施例に係る
投写装置40Aでは、3個の吸気ファン59〜61のみ
を駆動した時に発生する騒音値は38.6dBであり、
排気ファン62Aのみを駆動した時に発生する騒音値は
41.8dBであり、3個の内部冷却ファン74〜76
のみを駆動した時に発生する騒音値は39.5dBであ
った。また、吸気ファン59〜61,排気ファン62
A,及び内部冷却ファン74〜76の全てを駆動させた
場合の騒音値(以下、この騒音値を外部漏洩騒音値とい
う)は44.7dBであった。
【0052】この図12に示す本実施例に係る投写装置
40Aの測定結果と、図4に示す遮音板95Aを設けな
い従来のる投写装置10の測定結果とを比較すると、遮
音板95Aを設けることにより、吸気ファン59〜61
で発生する騒音値が大きく低減していることがわかる
(40.0dB→38.6dB)。これに伴い、外部漏
洩騒音値も、46.1dBから44.7dBに大きく低
減しており、よって遮音板95Aを設けることにより外
部漏洩騒音を低減でき、静かな投写装置40Aを実現す
ることができることが立証された。
【0053】ところで、上記のように外部漏洩騒音を低
減するためには、遮音板95Aの配設領域は図5に符合
Bで示す範囲に設ければ、十分に騒音低減効果を得るこ
とができる。これに対し、本実施例では遮音板95Aを
外部ケース42の全幅と略等しい長さとしている。更
に、図6に示すように、遮音板95Aの形状は湾曲形状
とされており、内部ケース41の各排気口63〜65か
ら排気された冷却風が、空間部58に配設された電源ユ
ニット72及びランプ安定器73にも導かれる構成とさ
れている(図6に実線の矢印で示される冷却風の流れを
参照)。
【0054】このように、遮音板95Aを長く配設する
と共にその形状を適宜選定することにより、遮音板95
Aに冷却風の流れを案内する導風板としての機能を持た
せることができる。よって、吸気ファン59〜61で生
成された冷却風は、液晶パネルユニット54〜56の冷
却を行うと共に、電源ユニット72及びランプ安定器7
3等の区迂遠部58内に配設される他の機器・装置・基
板の冷却処理も行うため、効率のよい冷却処理を行うこ
とができる。
【0055】続いて、本発明の第2実施例である投写装
置40Bについて説明する。図13及び図14は、第2
実施例である投写装置40Bを示している。尚、図13
及び図14において、先に説明した図5乃至図7に示し
た構成と同一構成については同一符合を付してのその説
明を省略する。第1実施例である投写装置40Aは、排
気ファン62A及び外部排気口66Aが外部ケース42
の側面に配設された構成とされていた。これに対し、本
実施例に係る投写装置40Bは、排気ファン62B及び
外部排気口66Bを外部ケース42の外部天板66Bに
配設したことを特徴としている。
【0056】通常投写装置を使用する場合は、その側部
には使用者が居り、よって外部ケース42の側面に排気
ファン62A及び外部排気口66Aが存在する投写装置
40Aでは、使用態様によっては冷却風及び外部漏洩騒
音が使用者に向け排出されることとなり望ましくない。
しかるに、本実施例のように排気ファン62B及び外部
排気口66Bを外部ケース42の外部天板66Bに配設
することにより、冷却風及び外部漏洩騒音が使用者に向
け排出されることはなくなり、使用性の向上を図ること
ができる。
【0057】また、本実施例においても、各排気口63
〜65から外部排気口66Bに直接向かう騒音の伝達経
路途中に、即ち各排気口63〜65と外部排気口66B
とを結ぶ経路上(この経路を、図13及び図14に二点
鎖線で示す)に、遮音部材となる遮音板95B(梨地で
示す)を配設した構成としている。具体的には、各排気
口63〜65と外部排気口66Bとを結ぶ直線上に、遮
音板95Bを配設している。
【0058】よって、本実施例によっても、排気口63
〜65から直接外部排気口66Bに向かう騒音は遮音板
95Aで反射され、直接外部排気口66Bに進行するこ
とはなくなるため外部漏洩騒音を低減することができ、
静かな投写装置40Bを実現することができる。図15
は、本実施例のように排気ファン62B及び外部排気口
66Bを外部ケース42の外部天板66Bに配設する
が、遮音板95Bは設けない構成の投写装置において発
生する騒音値を示す図である。また、図16は、本実施
例に係る投写装置40Bにおいて発生する騒音値を示す
図である。尚、図15及び図16における測定項目及び
測定方法は、先に図4に示したものと同一である。
【0059】図15と図16を比較すると、本実施例に
係る投写装置40Bのように遮音板95Bを設けた構成
の投写装置40Bの方が、3個の吸気ファン59〜61
のみを駆動した時に発生する騒音値が40.6dBから
39.0dBに低減していることがわかる。これに伴
い、騒音値を外部漏洩騒音値も46.7dBから44.
5dBに大きく低減していることがわかる。よって、本
実施例の構成によっても外部漏洩騒音を低減でき、静か
な投写装置40Aを実現することができることが立証さ
れた。
【0060】尚、本実施例においては、遮音板95Bは
各排気口63〜65から外部排気口66Bに直接向かう
騒音の伝達経路途中のみに配設された構成とされてい
る。また、遮音板95Bの下端部79Bは内部ケース1
1に接合されるが、上端部98Bは外部ケース42から
離間した構成とされている。このように、遮音板95B
の配設位置及び形状は、上記の条件(遮音板95Bは各
排気口63〜65から外部排気口66Bに直接向かう騒
音の伝達経路途中のみに配設するという条件)を満たし
ていれば、冷却風の流路の設定により任意に設定するこ
とができる。
【0061】また、上記した各実施例では、遮音板95
A,95Bは各排気口63〜65からの騒音を反射する
構成としたが、例えば遮音板95A,95Bに吸音布等
を配設することにより、騒音を吸収する構成としてもよ
い。
【0062】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を実現することができる。請求項1記載の発
明によれば、第1の領域と前記第2の領域との間に遮音
部材を設け、第3の領域が第1の領域及び第2の領域に
連絡してある構成としたことにより、第1のファンに起
因して発生する風切り音が第1の領域及び第3の領域を
経て第2の領域に到るようになり、この間に繰り返され
る反射の都度減衰されて、第2のファンが設けられてい
る開口部から騒音が装置外部に漏洩することを防止で
き、よって静かな投写装置を実現することができる。
【0063】また、請求項2記載の発明によれば、第1
のファンで生成された冷却風は、第1の筐体内に配設さ
れた第1の発熱要素の冷却を行うと共に第3の領域に配
設された第2の発熱要素の冷却処理も行うため、効率の
よい冷却処理を行うことができる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一例である投写装置の全体構成を示す断
面図である。
【図2】従来の一例である投写装置の吸気ファン近傍を
拡大して示す断面図である(その1)。
【図3】従来の一例である投写装置の吸気ファン近傍を
拡大して示す断面図である(その2)。
【図4】従来の一例である投写装置で発生する騒音値を
示す図である。
【図5】本発明の第1実施例である投写装置の全体構成
を示す横断面図である。
【図6】本発明の第1実施例である投写装置の全体構成
を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第1実施例である投写装置の外観図で
ある。
【図8】本発明の第1実施例である投写装置に配設され
た防塵機構を説明するための図である(その1)。
【図9】本発明の第1実施例である投写装置に配設され
た防塵機構を説明するための図である(その2)。
【図10】従来の一例である防塵機構を説明するための
図である(その1)。
【図11】従来の一例である防塵機構を説明するための
図である(その2)。
【図12】本発明の第1実施例である投写装置で発生す
る騒音値を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例である投写装置の全体構
成を示す横断面図である。
【図14】本発明の第2実施例である投写装置の全体構
成を示す縦断面図である。
【図15】従来の一例である投写装置で発生する騒音値
を示す図である。
【図16】本発明の第2実施例である投写装置で発生す
る騒音値を示す図である。
【符号の説明】
40A,40B 投写装置 41 内部ケース 42 外部ケース 43 光源 51〜53 集光レンズ 54〜56 液晶パネルユニット 57 投写レンズ 58 空間部 59〜61 吸気ファン 62A,62B 排気ファン 63〜65 排気口 66A,66B 外部排気口 67 防塵機構 68,69 偏光板 70 液晶パネル 71 内部天板部 72 電源ユニット 73 ランプ安定器 74〜76 内部冷却ファン 78 長孔 80〜80D 防塵用板状部材 81 装着孔 82 可撓部 83 ガイド部材 85 補強部 86 弾性部材 95A,95B 遮音板 96 補助遮音板 97A,97B 下端部 98A,98B 上端部 99 外部天板部
フロントページの続き (72)発明者 小林 哲也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (72)発明者 浜田 哲也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (72)発明者 後藤 猛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (72)発明者 菅原 真理 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 実開 平6−28836(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/00 - 21/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射した光を色分離し、該色分
    離された光に画像信号を重畳した上で色合成し、該色合
    成された光を投写レンズから投写し画像を生成する投写
    装置において、 画像を生成するのに用いる第1の発熱要素と、該第1の
    発熱要素に向け冷却風を送風する第1のファンと、該第
    1の発熱要素により温められた冷却風を排気する排気口
    とを具備する第1の筐体と、 該第1の筐体を内設し、該第1の筐体との間に空間部を
    構成する第2の筐体とを備え、 前記空間部は、 前記第1の筐体における第1の側に隣接し、前記排気口
    が設けられた第1の領域と、 前記第1の筐体における第2の側に隣接し、前記第1の
    筐体の排気口から排気された冷却風を装置外部に排気す
    る第2のファンが配設された第2の領域と、 前記第1の筐体における第3の側に隣接し、第1の領域
    及び第2の領域に連絡する第3の領域とを含み、 前記第1の領域と前記第2の領域との間に 遮音部材が設
    けられたことを特徴とする投写装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投写装置において、 前記遮音部材を板状部材により構成すると共に、前記空
    間部における前記第3の領域に第2の発熱要素を配設
    し、 かつ、前記遮音部材を湾曲させることにより、前記排気
    口から排気された冷却風が前記第2の発熱要素に導かれ
    るよう構成したことを特徴とする投写装置。
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