JP2004139110A - 投写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は内設された偏光板,液晶パネル等の発熱要素を冷却する冷却機構を設けた投写装置に関し、防塵を図りつつ、投写レンズのスライド範囲を広くすることを課題とする。
【解決手段】 投写レンズ57に防塵用板状部材80を設け、部材80は、投写レンズ57と長孔78(開口)との間に形成される間隙を塞ぐ。部材80は、その略中央部分に装着孔81が形成されており、投写レンズ57はこの装着孔81を貫通している。投写レンズ57が矢印A1,A2方向に移動するのに伴い、防塵用板状部材80も矢印A1,A2方向にスライドする。
【選択図】 図8
【解決手段】 投写レンズ57に防塵用板状部材80を設け、部材80は、投写レンズ57と長孔78(開口)との間に形成される間隙を塞ぐ。部材80は、その略中央部分に装着孔81が形成されており、投写レンズ57はこの装着孔81を貫通している。投写レンズ57が矢印A1,A2方向に移動するのに伴い、防塵用板状部材80も矢印A1,A2方向にスライドする。
【選択図】 図8
Description
本発明は投写装置に係り、特に内設された偏光板,液晶パネル等の発熱要素を冷却する冷却機構を設けた投写装置に関する。
例えば、液晶プロジェクタ等の投写装置は、その内部に折り曲げミラー,色分離ダイクロイックミラー,液晶パネル,色合成ダイクロイックミラー(プリズム)等の光学系が配設されている。この液晶パネル及びその近傍にある偏光板は、光を吸収し発熱するため、これを冷却する必要がある。このため、液晶パネル及び偏光板等の発熱要素を効率よく冷却する必要がある。
また、液晶プロジェクタ等の投写装置は、会社内における会議やプレゼンテーションにおいて、また家庭内における画像出力装置(テレビ,ゲーム等)として用いられる。このため、投写装置から発生する騒音は、極力小さくする必要がある。
更に、投写装置は、上記のように精密な光学系が内設された構成であるため、投写画像の品質向上及び装置自体の信頼性を向上させる面より、装置内部に塵埃が侵入しないよう構成する必要もある。
図1及び図2は、従来の一例である投写装置10を示している。図1は投写装置10の横断面図であり、図2は投写装置10の吸気ファン29〜31の近傍を拡大して示す図である。
投写装置10は、図1に示すように、大略すると内部ケース11,外部ケース12,光源13,液晶パネルユニット24〜26,投写レンズ27,吸気ファン29〜31,及び排気ファン32等を有した構成とされている。
内部ケース11は外部ケース12の内部に配設されており、内部ケース11と外部ケース12との間には空間部28が形成されている。この内部ケース11の内部には、全反射ミラー14〜16、色分離ダイクロイックミラー17,18、色合成ダイクロイックミラー19,23、集光レンズ21〜23、及び液晶パネルユニット24〜26等の光学系が配設されている。
上記光学系を有する投写装置10は、次のように画像生成処理を行う。即ち、光源13から出射した光は、上記した光学系を通過す過程において色分離ダイクロイックミラー17,18により例えば三原色に色分離される。そして、この色分離された光は、液晶パネルユニット24〜26を通過することにより各色毎ニ画像信号を重畳する処理(画像変調処理)が行われる。
続いて、画像変調処理がされた光は、色合成ダイクロイックミラー19,23において色合成され、この色合成された光は投写レンズ27からスクリーン(図示せず)に向け投写される。これにより、スクリーン上に所定の画像が投写される。
ところで、前記の液晶パネルユニット24〜26は、液晶パネルとこれを挟むよう配設された一対の偏光板とにより構成されている。この液晶パネル及び偏光板は、光を吸収して発熱する。とりわけ、通常偏光板としては有機物の偏光フィルムを用いているため、70℃以上に加熱されると劣化が生じる。
このため、図2に示されるように、内部ケース11の液晶パネルユニット24〜26と対向する下面には、吸気ファン29〜31が配設されている。この吸気ファン29〜31が生成した冷却風は、液晶パネルユニット24〜26の偏光板に吹き付けられるよう構成されており、よって各偏光板は空冷される構成となっている。
また、液晶パネルユニット24〜26の偏光板に吹き付けられることにより昇温した冷却風は、内部ケース11の天板部に形成された排気口33〜35より外部ケース12の内部に排出され、更に外部ケース12に設けられた排気ファン32により外部排気口36から装置外部に排気される。
また、前記したように内部ケース11と外部ケース12との間には空間部28が形成されるが、この空間部28には内部ケース11以外にも種々の機器39aが配設されている。この機器39aの中には発熱するものがあり、また光源13も発熱する。
このため、このように発熱する光源13及び機器39aには、内部冷却ファン39が設けられ、前記した液晶パネルユニット24〜26と同様に冷却が行われる構成とされている。
尚、図2に示した構成では、液晶パネルユニット24〜26の配設数に対応させて3個の吸気ファン29〜31を配設した構成としたが、図3に示すように、導風板ダクト38を用いることにより、1個の吸気ファン37により全ての液晶パネルユニット24〜26を冷却するものも提供されている。
上記のように、液晶パネルユニット24〜26と対向する位置に吸気ファン29〜31を設けて偏光板及び液晶パネルを空冷する構成とすることにより、熱による偏光板及び液晶パネルの劣化を防止でき、投写装置10の信頼性を向上させることができる。
しかるに、各吸気ファン29〜31はファンを回転させることにより冷却風を生成する構成であるため、ファンの回転時に必然的に風切り音が発生する。この風切り音は、投写装置10を使用する際の騒音となる。図2に示す構成では、3個の吸気ファン29〜31が夫々風切り音を発生するために騒音が増大する。また、図3に示す構成では、吸気ファン37は1個であるが、導風板ダクト38の内部で導風板が風を切ることで騒音が増大する。
これらの騒音は内部ケース11の内部を抜け、内部ケース11に形成された排気口33〜35から内部ケース11と外部ケース12との間の空間部28に伝わる。その後、この騒音は外部ケース12の内壁で反射しながら外部排気口36へと伝わり、外部排気口36から投写装置10の外部に漏れ出すことになる。
図4は、従来の投写装置10において発生する騒音値を示す図である。同図は、投写装置10内に配設された各ファンの名称,個数,使用,印加電圧,及び騒音値を示している。この騒音値は、外部排気口36に測定器を設けて測定した値である。
同図に示すように、3個の吸気ファン29〜31のみを駆動した時に発生する騒音値は40.0dBであり、排気ファン32のみを駆動した時に発生する騒音値は41.8dBであり、3個の内部冷却ファン39のみを駆動した時に発生する騒音値は39.5dBであった。
また、吸気ファン29〜31,排気ファン32,及び内部冷却ファン39の全てを駆動させた場合、騒音値は46.1dBと大きな値となる。このため、従来の投写装置10では騒音が大きく、使用性が悪いという問題点があった。
また、投写レンズの部分にもうけてある従来の防塵機構では、後述するように、投写レンズをスライドできる範囲が短いものであるという問題点がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、防塵を図りつつ投写レンズをスライドできる範囲を広くした投写装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、
光源から出射した光を色分離し、該色分離された光に画像信号を重畳した上で色合成し、該色合成された光を投写レンズから投写し画像を生成する構成とされると共に、
前記投写レンズを筐体に形成された開口内で移動させることにより、投写画像位置を可変可能な構成とした投写装置において、
前記投写レンズと前記開口との間に形成される間隙を塞ぐ防塵部材を前記投写レンズの移動と共に前記筐体内でスライド可能な構成で配設し、
かつ、該防塵部材の前記投写レンズの移動方向における形状が、前記筐体の内壁に対し内側に向け湾曲した形状とされていることを特徴とするものである。
光源から出射した光を色分離し、該色分離された光に画像信号を重畳した上で色合成し、該色合成された光を投写レンズから投写し画像を生成する構成とされると共に、
前記投写レンズを筐体に形成された開口内で移動させることにより、投写画像位置を可変可能な構成とした投写装置において、
前記投写レンズと前記開口との間に形成される間隙を塞ぐ防塵部材を前記投写レンズの移動と共に前記筐体内でスライド可能な構成で配設し、
かつ、該防塵部材の前記投写レンズの移動方向における形状が、前記筐体の内壁に対し内側に向け湾曲した形状とされていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の投写装置において、
前記防塵部材の少なくとも前記スライド方向の両先端近傍の所定範囲は、可撓性を有するよう構成されていることを特徴とするものである。
請求項1記載の投写装置において、
前記防塵部材の少なくとも前記スライド方向の両先端近傍の所定範囲は、可撓性を有するよう構成されていることを特徴とするものである。
上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1記載の発明によれば、
投写レンズと開口との間隙を塞ぐ防塵部材の投写レンズの移動方向における形状が、筐体の内壁に対し内側に向け湾曲した形状としたことにより、投写レンズを移動させ、これに伴い防塵部材が変位しても、防塵部材が筐体の内壁に当接することを防止でき、防塵部材の移動範囲、即ち投写レンズの移動範囲を広く取ることが可能となる。
投写レンズと開口との間隙を塞ぐ防塵部材の投写レンズの移動方向における形状が、筐体の内壁に対し内側に向け湾曲した形状としたことにより、投写レンズを移動させ、これに伴い防塵部材が変位しても、防塵部材が筐体の内壁に当接することを防止でき、防塵部材の移動範囲、即ち投写レンズの移動範囲を広く取ることが可能となる。
また、請求項2記載の発明によれば、
防塵部材の少なくともスライド方向の両先端近傍の所定範囲が可撓性を有する構成としたことにより、投写レンズの移動に伴い防塵部材の先端部が筐体の内壁に当接しても、防塵部材は可撓変形することにより投写レンズの移動を許容する。よって、小さな筐体であっても投写レンズの移動範囲を広く取ることができるため、投写装置の小型化を図ることができる。
防塵部材の少なくともスライド方向の両先端近傍の所定範囲が可撓性を有する構成としたことにより、投写レンズの移動に伴い防塵部材の先端部が筐体の内壁に当接しても、防塵部材は可撓変形することにより投写レンズの移動を許容する。よって、小さな筐体であっても投写レンズの移動範囲を広く取ることができるため、投写装置の小型化を図ることができる。
本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
請求項1記載の発明によれば、投写レンズを移動させ、これに伴い防塵部材が変位しても、防塵部材が筐体の内壁に当接することを防止できるため、投写レンズの移動範囲を広く取ることが可能となる。
また、請求項2記載の発明によれば、小さな筐体であっても投写レンズの移動範囲を広く取ることができるため、投写装置の小型化を図ることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図5乃至図9は、本発明の第1実施例である投写装置40Aを示している。図5は投写装置40Aの横断面図であり、図6は投写装置40Aの縦断面図であり、図7は投写装置40Aの外観図であり、図8及び図9は防塵機構67を示す要部拡大図である。
投写装置40Aは、図5及び図6に示すように、大略すると内部ケース41,外部ケース42,光源43,液晶パネルユニット54〜56,投写レンズ57,吸気ファン59〜61,排気ファン62A,防塵機構67,及び遮音板95A等を有した構成とされている。
第1の筐体となる内部ケース41は、第2の筐体となる外部ケース42の内部に固定されている。内部ケース41は外部ケース42よりも小さいため、よって内部ケース41と外部ケース42との間には空間部58が形成されている。
内部ケース41の内部には、光源43、全反射ミラー44〜46、色分離ダイクロイックミラー47,48、色合成ダイクロイックミラー49,53、集光レンズ51〜53、及び液晶パネルユニット54〜56,投写レンズ57等の光学系が配設されている。
光源43は例えばメタルハライドランプであり、リフレクター79により一方にのみ平行な光を出射する構成とされている。この光源43は、電源ユニット72から電源供給されると共に、ランプ安定器73により一定の光量の光を照射するよう制御されている。この電源ユニット72及びランプ安定器73は、内部ケース41と外部ケース42との間に形成された空間部58内に配設されている。
また、光源43,電源ユニット72,及びランプ安定器73はそれぞれ発熱するものであるため(電源ユニット72及びランプ安定器73は第2の発熱要素となる)、光源43には内部冷却ファン74が、電源ユニット72には内部冷却ファン75が、ランプ安定器73には内部冷却ファン76が配設されている。この各内部冷却ファン74〜76は、50mm角の大きさで印加電圧が12Vの軸流ファン2台と50mm角の大きさで印加電圧が12Vのシロッコファン1台を用いている。
また、全反射ミラー44〜46は図5に示す位置に配設されており、入射する光の進行方向を90°変換させる。また、色分離ダイクロイックミラー47,48は、光源43から出射された光をそれぞれ異なる波長帯域の三原色(R,G,B)に分離する機能を奏する。これにより、各液晶パネルユニット54〜56には異なる色の光(R,G,B)が集光レンズ51〜53で集光された上で入射する。
液晶パネルユニット54〜56は、液晶パネル70とこれを挟むよう配設された一対の偏光板68,69とにより構成されている。この液晶パネルユニット54〜56の液晶パネル70は、図示しない画像処理回路から画像信号が供給される。液晶パネル70は、この画像信号により動作し、色分離された各原色光に対し画像情報を重畳させる。
色合成ダイクロイックミラー49,53は、液晶パネルユニット54〜56で画像信号が重畳された各原色光を合成し、これによりカラー画像が生成される。このカラー画像は、投写レンズ57によりスクリーン(図示せず)に向け投写される。これにより、スクリーン上に所定の画像が投写される。
ところで、本実施例に係る投写装置40Aは、投写レンズ57が外部ケース42に対し上下方向(図6及び図7に矢印A1,A2で示す方向)に所定範囲にわたり移動できるよう構成されている。この構成とすることにより、スクリーン位置に応じて容易に投写位置を位置決めすることができ、使用性の向上を図ることができる。
このため、投写レンズ57は図示しない揺動機構により外部ケース42に対し上下方向に移動可能な構成とされており、また外部ケース42には図中矢印A1,A2方向に長く延在する投写レンズ57を挿通する長孔78が形成されている。しかるに、単に長孔78から投写レンズ57が突き出た構成とすると、長孔78と投写レンズ57との間隙部分から塵埃が装置内部に侵入してしまう。防塵機構67は、この長孔78と投写レンズ57との間隙部から塵埃が侵入するのを防止する機能を奏するものである。
図10及び図11は、従来から用いられていたこの種の防塵機構を示している。図10に示す防塵機構は、長孔78と投写レンズ57との間隙部を埋めるスポンジ状部材87を配設した構成とされている。しかるに、この構成では投写レンズ57が上下に移動した場合、少しの移動量しか対応できないため実用的でないという問題点がある。
また、図11に示す防塵機構は、投写レンズ57の直径より僅かに大きい装着孔81を設けたスライド可能な第1の平板状部材89と、バネ92により一方向に引っ張られているスライド可能な第2の平板状部材90と、これらをスライドガイドすると共に長孔91が形成された第3の平板状部材88とで構成されている。
この防塵機構は、投写レンズ57が上方(矢印A1方向)にスライドすると、第1の平板状部材89が投写レンズ57と一緒に上方にスライドし、そして投写レンズ57の上面が第2の平板状部材90の下側端面に突き当たると、第1の平板状部材89と第2の平板状部材90が同時に上方にスライドし、各平板状部材89,90が外部ケース42の内壁に当接するまでスライドは可能となる。
即ち、図11に示す防塵機構では、投写レンズ57の移動範囲は外部ケース42の大きさに制約されてしまい、各平板状部材89,90が外部ケース42の内壁に当接するまでの短い範囲でしか投写レンズ57をスライドすることができないという問題点がある。
図8は、本実施例で用いてる防塵機構67を拡大して示す構成図である。本実施例では投写レンズ57に防塵部材となる防塵用板状部材80を設け、この防塵用板状部材80により投写レンズ57と長孔78(開口)との間に形成される間隙を塞ぐ構成としている。
この防塵用板状部材80は、その略中央部分に装着孔81が形成されており、投写レンズ57はこの装着孔81を貫通した構成とされている。よって、投写レンズ57が図中矢印A1,A2方向に移動するのに伴い、防塵用板状部材80も矢印A1,A2方向にスライド可能な構成となっている。
また、防塵用板状部材80は、その投写レンズ57の移動方向における形状が、外部ケース41の内壁に対し内側に向け湾曲した形状とされている。この構成とすることにより、投写レンズ57を移動させた際、この移動に伴い防塵用板状部材80が外部ケース41の内壁と当接することを防止でき、防塵用板状部材80の移動範囲、即ち投写レンズ57の移動範囲を広く取ることが可能となる。
更に、本実施例では、防塵用板状部材80の少なくとも前記スライド方向の両先端近傍に所定範囲にわたり可撓部82を形成している。この可撓部82は、例えば容易に可撓しうるフィルム状部材により構成されている。
このように、防塵用板状部材80の先端近傍に可撓部82を設けることにより、投写レンズ57の移動に伴い可撓部82が外部ケース41の内壁に当接しても、可撓部82は可撓変形することにより投写レンズ57の移動を許容する。よって、小さな外部ケース41(即ち、低背化された外部ケース41)であっても、投写レンズ57の移動範囲を広く取ることができるため、投写装置40Aの小型化を図ることができる。
図9は、図8に示した防塵機構67の変形例である。図9(A)に示す構成は、外部ケース41に防塵用板状部材80の移動を案内する鉤部84を有したガイド部材83を設けたものである。
この構成とすることにより、防塵用板状部材80のスライド動作を円滑かつ確実に行うことができる。また、本変形例は、特に可撓部82を広い範囲に設けた場合において有効である。
また、図9(B)に示す構成は、投写レンズ57が挿通される装着孔81の近傍に補強部85を設けたことを特徴とするものである。投写レンズ57を移動させる時には装着孔81には強い力が作用するため、この部位を補強しないと経時的に防塵用板状部材80の装着孔81に劣化が発生することが考えられる。装着孔81に劣化(例えば、亀裂等)が発生すると、この劣化部位から装置内に塵埃が侵入し易くなる。
しかるに、本変形例のように装着孔81の近傍に補強部85を設けることにより、経時的に装着孔81の近傍に劣化が生じることを防止でき、よって塵埃の侵入を確実に防止することができる。
また、図9(C)に示す構成は、図9(B)に示す構成において、更に装着孔81の近傍に弾性部材86を設けたものである。この弾性部材86はリング形状をしており、装着孔81の周りを囲繞するよう配設されている。
投写レンズ57は、装着孔81に装着された際にこの弾性部材86と密着するよう構成されている。よって、投写レンズ57と装着孔81との間に形成される間隙は弾性部材86により塞がれるため、装置内に塵埃が侵入することを確実に防止することができる。
ここで、再び図5乃至図7に戻り、投写装置40Aの構成説明を続ける。
前記したように、内部ケース41内に設けられる各液晶パネルユニット54〜56には、それぞれ液晶パネル70及び偏光板68,69が配設されている。この液晶パネル70及び偏光板68,69は、光源43からの光を吸収して発熱する(液晶パネルユニット54〜56は第1の発熱要素となる)。とりわけ、偏光板68,69は通常有機物の偏光フィルムを用いているため70℃以上に加熱されると劣化が生じ、このため冷却を行う必要があることは前述した通りである。
このため、図6に示されるように、内部ケース41の液晶パネルユニット54〜56と対向する下面には、吸気ファン59〜61(第1のファンを構成する)が配設されている。この吸気ファン59〜61が生成した冷却風は、液晶パネルユニット54〜56の液晶パネル70及び偏光板68,69に吹き付けられ冷却されるよう構成されている。
また、液晶パネルユニット54〜56に吹き付けられることにより昇温した冷却風は、内部ケース41の内部天板部71に形成された排気口63〜65より外部ケース42の内部に排出され、更に外部ケース42に設けられた排気ファン62A(第2のファンを構成する)により外部排気口66Aから装置外部に排気される。
ここで、投写装置40Aで発生する騒音に注目し、以下説明する。
前記したように、吸気ファン59〜61,排気ファン62A,及び内部冷却ファン74〜76は、それぞれファンを回転させることにより冷却風を生成する構成であるため、ファンの回転時に必然的に風切り音が発生し、この風切り音は投写装置40Aを使用する際の騒音となる。
これらの騒音は内部ケース41の内部を抜け、内部ケース41に形成された排気口63〜65から内部ケース41と外部ケース42との間の空間部58に伝わり、その後に外部排気口66Aから投写装置40Aの外部に漏れ出すことになる。本発明者が投写装置40Aの騒音測定を行ったところ、騒音が最大になるのは排気ファン62A(外部排気口66A)の正面であった。
また、本発明者が吸気ファン59〜61で発生した騒音の伝搬経路を測定したところ、吸気ファン59〜61に起因の騒音は、排気口63〜65から空間部58に出た後、直接外部排気口66Aに向かうものと、この空間部58内で反射しながら外部排気口66Aに向かうものとがあることがわかった。
この内、空間部58内で反射しながら外部排気口66Aに向かう騒音は、反射時において減衰される装置外部に漏れ出す騒音(以下、この騒音を外部漏洩騒音というものとする)に大きく影響することはない。これに対し、排気口63〜65から直接外部排気口66Aに向かう騒音は、減衰がされないため外部漏洩騒音に大きく影響する。
そこで本実施例では、各排気口63〜65から外部排気口66Aに直接向かう騒音の伝達経路途中に、換言すれば各排気口63〜65と外部排気口66Aとを結ぶ経路上(この経路を、図5に二点鎖線で示す)に、遮音部材となる遮音板95Aを配設した構成とした。具体的には、本実施例では各排気口63〜65と外部排気口66Aとを結ぶ直線上に遮音板95Aを配設した構成としている。尚、明確化の為に、図において遮音板95Aには梨地を付している。
遮音板95Aは下部ケース41の内部天板部71上に配設されており、またその配設位置は内部天板部71の投写レンズ57が配設された側の側辺に沿って直線状に配設されている。また、遮音板95Aの幅寸法(図5における上下方向の長さ)は外部ケース42の全幅と略等しい長さとされている。従って、遮音板95Aの幅寸法は、内部ケース41の全幅よりも長く設定されている。
更に、この遮音板95Aは、その下端部79Aが内部天板部71に接合され、また上端部98Aが外部ケース42の内壁部に接合された構成とされている。従って、内部ケース41と外部ケース42との間に形成された区迂遠部58は、遮音板95Aにより画成された構成となる。
上記構成とすることにより、排気口63〜65から直接外部排気口66Aに向かう騒音(図5に二点鎖線で示す方向に進む騒音)は、遮音板95Aで反射されるため、直接外部排気口66Aに進行することはなくなる。よって、遮音板95Aで反射された騒音は、空間部58内で反射しながら外部排気口66Aに向かうこととなり、この反射時において減衰される。これにより、外部漏洩騒音を低減することができ、静かな投写装置40Aを実現することができる。
図12は、本実施例に係る投写装置40Aにおいて発生する騒音値を示す図である。尚、図12における測定項目及び測定方法は、先に図4に示したものと同一である。
同図に示されるように、本実施例に係る投写装置40Aでは、3個の吸気ファン59〜61のみを駆動した時に発生する騒音値は38.6dBであり、排気ファン62Aのみを駆動した時に発生する騒音値は41.8dBであり、3個の内部冷却ファン74〜76のみを駆動した時に発生する騒音値は39.5dBであった。また、吸気ファン59〜61,排気ファン62A,及び内部冷却ファン74〜76の全てを駆動させた場合の騒音値(以下、この騒音値を外部漏洩騒音値という)は44.7dBであった。
この図12に示す本実施例に係る投写装置40Aの測定結果と、図4に示す遮音板95Aを設けない従来のる投写装置10の測定結果とを比較すると、遮音板95Aを設けることにより、吸気ファン59〜61で発生する騒音値が大きく低減していることがわかる(40.0dB→38.6dB)。これに伴い、外部漏洩騒音値も、46.1dBから44.7dBに大きく低減しており、よって遮音板95Aを設けることにより外部漏洩騒音を低減でき、静かな投写装置40Aを実現することができることが立証された。
ところで、上記のように外部漏洩騒音を低減するためには、遮音板95Aの配設領域は図5に符合Bで示す範囲に設ければ、十分に騒音低減効果を得ることができる。これに対し、本実施例では遮音板95Aを外部ケース42の全幅と略等しい長さとしている。
更に、図6に示すように、遮音板95Aの形状は湾曲形状とされており、内部ケース41の各排気口63〜65から排気された冷却風が、空間部58に配設された電源ユニット72及びランプ安定器73にも導かれる構成とされている(図6に実線の矢印で示される冷却風の流れを参照)。
このように、遮音板95Aを長く配設すると共にその形状を適宜選定することにより、遮音板95Aに冷却風の流れを案内する導風板としての機能を持たせることができる。よって、吸気ファン59〜61で生成された冷却風は、液晶パネルユニット54〜56の冷却を行うと共に、電源ユニット72及びランプ安定器73等の区迂遠部58内に配設される他の機器・装置・基板の冷却処理も行うため、効率のよい冷却処理を行うことができる。
続いて、本発明の第2実施例である投写装置40Bについて説明する。
図13及び図14は、第2実施例である投写装置40Bを示している。尚、図13及び図14において、先に説明した図5乃至図7に示した構成と同一構成については同一符合を付してのその説明を省略する。
第1実施例である投写装置40Aは、排気ファン62A及び外部排気口66Aが外部ケース42の側面に配設された構成とされていた。これに対し、本実施例に係る投写装置40Bは、排気ファン62B及び外部排気口66Bを外部ケース42の外部天板66Bに配設したことを特徴としている。
通常投写装置を使用する場合は、その側部には使用者が居り、よって外部ケース42の側面に排気ファン62A及び外部排気口66Aが存在する投写装置40Aでは、使用態様によっては冷却風及び外部漏洩騒音が使用者に向け排出されることとなり望ましくない。
しかるに、本実施例のように排気ファン62B及び外部排気口66Bを外部ケース42の外部天板66Bに配設することにより、冷却風及び外部漏洩騒音が使用者に向け排出されることはなくなり、使用性の向上を図ることができる。
また、本実施例においても、各排気口63〜65から外部排気口66Bに直接向かう騒音の伝達経路途中に、即ち各排気口63〜65と外部排気口66Bとを結ぶ経路上(この経路を、図13及び図14に二点鎖線で示す)に、遮音部材となる遮音板95B(梨地で示す)を配設した構成としている。具体的には、各排気口63〜65と外部排気口66Bとを結ぶ直線上に、遮音板95Bを配設している。
よって、本実施例によっても、排気口63〜65から直接外部排気口66Bに向かう騒音は遮音板95Aで反射され、直接外部排気口66Bに進行することはなくなるため外部漏洩騒音を低減することができ、静かな投写装置40Bを実現することができる。
図15は、本実施例のように排気ファン62B及び外部排気口66Bを外部ケース42の外部天板66Bに配設するが、遮音板95Bは設けない構成の投写装置において発生する騒音値を示す図である。また、図16は、本実施例に係る投写装置40Bにおいて発生する騒音値を示す図である。尚、図15及び図16における測定項目及び測定方法は、先に図4に示したものと同一である。
図15と図16を比較すると、本実施例に係る投写装置40Bのように遮音板95Bを設けた構成の投写装置40Bの方が、3個の吸気ファン59〜61のみを駆動した時に発生する騒音値が40.6dBから39.0dBに低減していることがわかる。これに伴い、騒音値を外部漏洩騒音値も46.7dBから44.5dBに大きく低減していることがわかる。よって、本実施例の構成によっても外部漏洩騒音を低減でき、静かな投写装置40Aを実現することができることが立証された。
尚、本実施例においては、遮音板95Bは各排気口63〜65から外部排気口66Bに直接向かう騒音の伝達経路途中のみに配設された構成とされている。また、遮音板95Bの下端部79Bは内部ケース11に接合されるが、上端部98Bは外部ケース42から離間した構成とされている。このように、遮音板95Bの配設位置及び形状は、上記の条件(遮音板95Bは各排気口63〜65から外部排気口66Bに直接向かう騒音の伝達経路途中のみに配設するという条件)を満たしていれば、冷却風の流路の設定により任意に設定することができる。
また、上記した各実施例では、遮音板95A,95Bは各排気口63〜65からの騒音を反射する構成としたが、例えば遮音板95A,95Bに吸音布等を配設することにより、騒音を吸収する構成としてもよい。
40A,40B 投写装置
41 内部ケース
42 外部ケース
43 光源
51〜53 集光レンズ
54〜56 液晶パネルユニット
57 投写レンズ
58 空間部
59〜61 吸気ファン
62A,62B 排気ファン
63〜65 排気口
66A,66B 外部排気口
67 防塵機構
68,69 偏光板
70 液晶パネル
71 内部天板部
72 電源ユニット
73 ランプ安定器
74〜76 内部冷却ファン
78 長孔
80〜80D 防塵用板状部材
81 装着孔
82 可撓部
83 ガイド部材
85 補強部
86 弾性部材
95A,95B 遮音板
96 補助遮音板
97A,97B 下端部
98A,98B 上端部
99 外部天板部
41 内部ケース
42 外部ケース
43 光源
51〜53 集光レンズ
54〜56 液晶パネルユニット
57 投写レンズ
58 空間部
59〜61 吸気ファン
62A,62B 排気ファン
63〜65 排気口
66A,66B 外部排気口
67 防塵機構
68,69 偏光板
70 液晶パネル
71 内部天板部
72 電源ユニット
73 ランプ安定器
74〜76 内部冷却ファン
78 長孔
80〜80D 防塵用板状部材
81 装着孔
82 可撓部
83 ガイド部材
85 補強部
86 弾性部材
95A,95B 遮音板
96 補助遮音板
97A,97B 下端部
98A,98B 上端部
99 外部天板部
Claims (2)
- 光源から出射した光を色分離し、該色分離された光に画像信号を重畳した上で色合成し、該色合成された光を投写レンズから投写し画像を生成する構成とされると共に、
前記投写レンズを筐体に形成された開口内で移動させることにより、投写画像位置を可変可能な構成とした投写装置において、
前記投写レンズと前記開口との間に形成される間隙を塞ぐ防塵部材を前記投写レンズの移動と共に前記筐体内でスライド可能な構成で配設し、
かつ、該防塵部材の前記投写レンズの移動方向における形状が、前記筐体の内壁に対し内側に向け湾曲した形状とされていることを特徴とする投写装置。 - 請求項1記載の投写装置において、
前記防塵部材の少なくとも前記スライド方向の両先端近傍の所定範囲は、可撓性を有するよう構成されていることを特徴とする投写装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003384614A JP2004139110A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | 投写装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003384614A JP2004139110A (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | 投写装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26200599A Division JP3535422B2 (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 投写装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004139110A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006251752A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-09-21 | Sharp Corp | 光学装置 |
CN111258155A (zh) * | 2020-03-31 | 2020-06-09 | 青岛海信激光显示股份有限公司 | 一种激光投影设备 |
CN112782912A (zh) * | 2019-11-01 | 2021-05-11 | 松下知识产权经营株式会社 | 投影仪 |
-
2003
- 2003-11-14 JP JP2003384614A patent/JP2004139110A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006251752A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-09-21 | Sharp Corp | 光学装置 |
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040608 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040806 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040907 |