JP3535127B2 - 人工雪材の製造方法 - Google Patents

人工雪材の製造方法

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JP3535127B2 JP2001321620A JP2001321620A JP3535127B2 JP 3535127 B2 JP3535127 B2 JP 3535127B2 JP 2001321620 A JP2001321620 A JP 2001321620A JP 2001321620 A JP2001321620 A JP 2001321620A JP 3535127 B2 JP3535127 B2 JP 3535127B2
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弥 酒井
勝三 金光
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、季節や地域によら
ず、一年中スキー等の雪上でおこなうスポーツや遊びを
おこなうことを可能とする人工雪材、およびその人工雪
材の製造方法、並びにその人工雪材を用いた人工スキー
場施設に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人工スキー場施設として、屋
内で降雪機等により人工的に雪や氷の粒を積もらせてゲ
レンデとしたものや、山等の傾斜面にポリエチレンやポ
リプロピレンや塩化ビニール等でできた人工芝を敷設し
てゲレンデとした屋外型のものがある。屋内型の施設の
場合には、雪上での滑走感覚に近いという利点がある反
面、屋内施設であるため規模が小さい、すなわち滑走距
離が短い、起伏の変化等が乏しい、開放感がない、冬以
外の季節では強力な冷房設備が必要で莫大な電力等のエ
ネルギーを要するなどの欠点がある。屋外型の施設の場
合には、屋内型施設の欠点を解消することができるだけ
でなく、本来のスキー場の山肌に人工芝を敷設すること
によってシーズンオフ中にもスキー場を稼働させること
ができるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
人工スキー場施設で用いられている人工芝は、スキーの
滑りをよくするため滑り係数を重視したものであるた
め、実際の雪上でのスキーの滑走感覚とは著しく異なる
という欠点がある。そのため、人工芝スキー場はシーズ
ンオフ中のスキー場の代わりに過ぎない。つまり、人工
芝は、屋外で一年中滑走可能な人工スキー場のゲレンデ
を構成するには不適である。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、天然雪でできたゲレンデと同じ滑走感
覚で一年中スキー等をおこなうことを可能とする人工雪
材およびその製造方法を提供することにある。また、本
発明の他の目的は、天然雪でできたゲレンデと同じ滑走
感覚で一年中スキー等をおこなうことが可能な人工スキ
ー場施設を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の人工雪材は、ポ
リウレタン発泡体を核とし、保水成分および潤滑成分を
含む樹脂でできていることを特徴とするものであり、ポ
リウレタン発泡体が粘弾性および反撥弾性の優れた核と
なり、保水成分により適度な保水性と比重が保たれ、潤
滑成分によりスキー等が滑り易くなるという特徴を有す
るものである。
【0006】上記発明において、人工雪材のポリウレタ
ン発泡体は発泡による空気孔を形成し、保水成分は炭酸
カルシウムであり、潤滑成分はシリコンオイルであるこ
とを特徴とし、ポリウレタン発泡体が粘弾性および反撥
弾性の優れた核となり、炭酸カルシウムにより適度な保
水性と比重が保たれ、シリコンオイルによりスキー等が
滑り易くなるという特徴を有するものである。
【0007】上記のいずれか一つに記載の発明におい
て、大きさが略3〜5mm程度の不定形のペレット形状
であるもの、或いは厚みが略5mm以上のシート形状で
あることを特徴とする。このペレットを山肌等の斜面に
堆積させれば良好なゲレンデ状態が得られる、またこれ
らの雪材は山肌等の斜面に敷設する下地材として良好で
あるという特徴を有するものである。
【0008】請求項1に記載した人工雪材の製造方法
は、ポリウレタン発泡体を核とする人工雪材の製造方法
において、前記ポリウレタン発泡体は、主成分であるイ
ソシアネート、ポリオール、触媒、シリコンオイル及び
炭酸カルシウムを混合撹拌する原料混合工程と、前記混
合撹拌により得られた混合物を水または水系液体と重合
反応させ、炭酸ガスを発泡させる発泡工程を含むことを
特徴とする。ポリウレタン発泡体を核とし、保水成分お
よび潤滑成分を含む樹脂でできた人工雪材が得られると
いう特徴を有するものである。
【0009】具体的には、請求項に記載したように、
前記イソシアネートとして、無黄変タイプの脂肪族イソ
シアネート、ジイソシアネート或いは環化3量化した6
員環トリマー構造のイソシアヌレートタイプの何れかを
用い、前記ポリオールとして、重縮合型ポリエステルポ
リオール、ポリエチレングリコール或いはシリコン含有
ポリオールの何れかを用い、前記触媒として、硬化剤、
分散剤、増粘剤、略250メッシュ以上の炭酸カルシウ
ム及び/又はシリコンオイルを用いることを特徴とす
る。これは、無黄変型の脂肪族イソシアネートは、毒性
が低いという特徴と、硬度および強度に優れたポリウレ
タン樹脂が得られるという特徴を有するからである。ま
た、イソシアヌレートタイプのものは、相溶性に優れる
という特徴と、耐熱性、耐候性および弾力性に優れたポ
リウレタン樹脂が得られるという特徴を有するからであ
る。
【0010】また、重縮合型ポリエステルポリオール、
特にポリエチレングリコールは耐熱性、耐候性、耐摩耗
性、引っ張り強度および耐油性に優れたポリウレタン樹
脂が得られるという特徴を有するからである。
【0011】また、炭酸カルシウム粉末は略250メッ
シュ以上であることから、原料の混合撹拌が容易となる
からである。
【0012】請求項に記載した人工雪材の製造方法
は、請求項に記載の発明において、前記ポリウレタン
発泡体が半固定化した状態で、振動を与え、不定形の略
3〜5mm程度のペレット形状にする振動発泡の工程を
さらに含むことを特徴とし、得られたペレット粒体を山
肌等の斜面に堆積させれば良好なゲレンデ状態が得られ
るという特徴を有するものである。
【0013】請求項に記載した人工雪材の製造方法
は、請求項に記載の発明において、前記ポリウレタン
発泡体が混練したペースト状のまま、押し出し工法によ
り加圧成形されることで、厚みが略5mm以上のシート
状に成形する工程をさらに含むことを特徴とする。得ら
れたシート状の人工雪材は、山肌等の斜面に敷設する下
地材として良好であるという特徴を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】実施の形態1. 図1は、本発明の実施の形態1にかかる人工雪材の構成
を説明するために人工雪材の一部を拡大して模式的に示
す断面図である。図1に示すように、実施の形態1の人
工雪材1は、ポリウレタン発泡体11を核とするスポン
ジ状の樹脂でできている。ポリウレタン発泡体11は、
ポリウレタン膜12中に発泡による空気孔13が存在す
る構成となっている。このポリウレタン膜12は、特に
図示しないが、保水成分である炭酸カルシウムを含んで
いる。また、ポリウレタン膜12の表面は、厚さ略0.
5mmの潤滑成分であるシリコン層14により被覆され
ている。
【0016】図2は、人工雪材1の具体的な形状および
大きさの一例を示す図である。図1に示す構成の人工雪
材1は、たとえば図2に示すように、略3〜5mm程度
の大きさのペレット粒体に加工される。以下、このペレ
ット粒体状の人工雪材1をペレット粒体発泡人工雪2と
する。或いは、図1に示す構成の人工雪材1は、たとえ
ばその具体的な形状および大きさの他の例を示す図3に
示すように、略5mm以上の厚さ、好ましくは略15〜
20mm程度の厚さのシート状に加工される。以下、こ
のシート状の人工雪材1をシート状発泡人工雪3とす
る。シート状発泡人工雪3の幅(短手方向の寸法)およ
び長さ(長手方向の寸法)は適宜選択される。
【0017】なお、シート状の人工雪材1の場合、シー
ト表面にシリコン層14が浮き出てくる。このシリコン
層14は、糸状のものが髭のように絡まって繊維状に形
成されることが観測されている。
【0018】つぎに、人工雪材1の製造プロセスについ
て説明する。まず、主原料としてイソシアネート、ポリ
オール、保水成分として炭酸カルシウム、および潤滑成
分としてシリコンオイルを用意する。その他の原料とし
て分散剤や増粘剤、また触媒(硬化剤)も用意する。イ
ソシアネートはポリオールと重合反応を起こしてポリウ
レタン樹脂を生成する。その配合比率は、イソシアネー
トが3個のイソシアネート基を有する構造の場合、たと
えばおよそイソシアネート1.5に対してポリオール1
の比率である。
【0019】炭酸カルシウムは人工雪材の保水性を高め
るためと、人工雪材の比重を調整するために添加され
る。シリコンオイルはスキーの滑り性をよくするために
添加される。炭酸カルシウムおよびシリコンオイルのそ
れぞれの添加割合はポリウレタン樹脂の発泡比率に応じ
て適宜選択される。触媒は、ポリウレタン樹脂の強度を
高める役割のほかに、上述したように人工雪材1をペレ
ット粒体またはシート状に加工し易いようにするために
重合反応の反応速度を適度に保つ役割を担う。触媒の添
加量は、イソシアネートとポリオールの合計量に対して
略1〜3%程度であり、ポリウレタン樹脂の発泡比率に
応じて適宜選択される。
【0020】イソシアネートには、黄変型の芳香族系の
ものや無黄変型の脂肪族系のものなどがある。芳香族系
のものとして、たとえばトリレンジイソシアネート(T
DI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
などがある。また、脂肪族系のものとして、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)やイソホロンジイソシ
アネート(IPDI)などがある。いずれのイソシアネ
ートを用いてもよいが、イソシアネート基を3個または
6個有するものを用いると硬度および強度の点で優れた
ポリウレタン樹脂が得られる。
【0021】たとえば、脂肪族系のイソホロンジイソシ
アネートは毒性が低いため原料として用いるのに好適で
ある。図4にイソホロンジイソシアネートの構造式を示
す。また、原料のイソシアネートとして、イソホロンジ
イソシアネートなどを環化3量化した6員環トリマー構
造のイソシアヌレートタイプのものを用いるとよい。イ
ソシアヌレートタイプのものは相溶性に優れている。ま
た、イソシアヌレートタイプのものを用いると耐熱性、
耐候性および弾力性に優れたポリウレタン樹脂が得られ
る。
【0022】ポリオールには、ポリエーテル系のものや
ポリエステル系のものやアクリル系のものなどがある。
ポリエーテル系のものとして、たとえばポリプロピレン
ポリオール(PPG)やポリテトラメチレンエーテルグ
リコール(PTG)などがある。また、ポリエステル系
のポリオールは、重縮合型ポリエステルポリオールとラ
クトン系ポリエステルポリオールに大別される。
【0023】重縮合型ポリエステルポリオールとして、
たとえばポリエチレングリコール(PEG)や1、4ブ
タンジオール(PBD)やネオペンチルグリコール(P
NPG)などがある。重縮合型ポリエステルポリオール
を用いると、耐摩耗性、引っ張り強度、耐熱性、耐候性
および耐油性に優れたポリウレタン樹脂が得られる。ラ
クトン系ポリエステルポリオールとしてはたとえばポリ
カプロテクトンポリオール(PCL)などがあり、耐水
性、柔軟性および低温特性に優れたポリウレタン樹脂が
得られる。いずれのポリオールを用いてもよいが、たと
えば扱い易さの点でポリエチレングリコール、具体的に
はたとえばPEG−1000(旭化成)が適当である。
重合反応の反応速度が速過ぎる場合には、U−1000
(日本ミラクトン)を適量添加するとよく、この場合に
はポリウレタン樹脂の表面が軟らかくなる。
【0024】炭酸カルシウムについては略250メッシ
ュ以上のものが適当であるが、略3〜5μm程度の微粉
末にしたものを用いると、他の原料との混合撹拌が容易
となるため好ましい。シリコンオイルとしては、特に限
定しないが、たとえばポリシロキサンアミド(信越化
学)を用いることができる。分散剤および増粘剤として
は、特に限定しないが、たとえばそれぞれマイネックス
S0およびAGビスコサイザー55(いずれも名成化
学)を用いることができる。触媒としては、特に限定し
ないが、たとえばスタナスオクトエートが適当である。
【0025】上述した各原料を混合し、十分に撹拌した
後に、水または水系の液体を加えて炭酸ガスを発泡させ
ながら重合反応をおこなわせ、ポリウレタン樹脂の発泡
体(ウレタンフォーム)よりなる人工雪材1を生成す
る。ここで、発泡のために水または水系の液体を用いる
のは、炭酸ガスの発生を少しに抑えることによって、人
工雪材の比重が軽くなりすぎるのを防ぐためである。生
成されたポリウレタン樹脂の発泡体は、押し出し成形に
より図2に示すペレット粒体、または加圧成形により図
3に示すシート状に加工され、それぞれペレット粒体発
泡人工雪2またはシート状発泡人工雪3となる。
【0026】上述した実施の形態1によれば、人工雪材
1がポリウレタン発泡体11を核とし、そのポリウレタ
ン発泡体11のポリウレタン膜12に保水成分として炭
酸カルシウムが含まれているとともに、そのポリウレタ
ン膜12の表面が潤滑成分であるシリコン層14により
被覆されているため、ポリウレタン発泡体11が粘弾性
および反撥弾性の優れた核となり、炭酸カルシウムによ
り適度な保水性と比重が保たれ、シリコン層14により
スキー等が滑り易くなる。したがって、人工スキー場施
設のゲレンデ用として優れた人工雪材が得られ、これを
山肌等の斜面に堆積または敷設すれば良好なゲレンデ状
態が得られる。
【0027】なお、ポリオールとシリコンオイルを用い
る代わりに、図5に示す構造のシリコン含有ポリオール
を用いてもよく、その場合には本発明者の実験によれば
−30〜+40℃超の温度範囲で粘弾性および反撥弾性
に優れたポリウレタン樹脂が得られる。また、重合反応
の反応速度を比較的遅くさせるという作用があるため、
ラウリルチタネート、テトラチタネートまたはカリウム
オレエートなどを触媒として用いることもできる。ま
た、イソシアネートとその略1.2倍モルのポリオール
と適量の炭酸カルシウムと適量のシリコンオイルとを混
練し、略1%ラウリルチタネートを添加し、完全に固体
化する前に押し出すか、あるいは半固形化の状態で振動
を加えてダマ状にするようにしても、ペレット粒体発泡
人工雪2が得られる。
【0028】混練後のペーストを押出し加圧成形した場
合のシート状の個々の人工雪材の断面は、図3、図6
(イ)乃至(ニ)に例示したように、1単位として空気
孔が少なく、均一的な構造に形成される。一方、半固形
化のまま、振動を加え、ダマを作る振動工程を加えて出
来るペレット状の人工雪材の個々の断面は、図6(ホ)
及び(ヘ)に例示したように、レンコン断面状、蜂の巣
断面状のように、不定形の空気孔が多数、形成される。
この場合には、人工雪材に加えられる力が、均一に分散
され、より良好な雪材を得ることかできる。なお、ダマ
を作る振動工程において、有機シリコンを重合させる
と、前記発泡体全面にシリコン層を付着させることがで
きる。また、有機シリコンの半重合液を板上に薄く塗布
し、ペースト状の発泡体を流し込み、加熱重合させる
と、片面にシリコン層が付着する。上述のように、原料
を混練後、加圧成形等した場合にも、シリコン層が表面
に浮き出て、滑り性能が発揮されるが、前記発泡体にさ
らにシリコン層を付着させることにより、滑り性能を向
上させることができる。
【0029】実施の形態2. 図7は、本発明の実施の形態2にかかる人工スキー場施
設の概略構造を模式的に示す断面図である。図7に示す
ように、人工スキー場施設は、山や建造物などの基体4
の表面に設けられた斜面5上に適当なクッション材6を
敷設し、その上に実施の形態1で説明したシート状発泡
人工雪3を下地材として敷設し、さらにその上に実施の
形態1で説明したペレット粒体発泡人工雪2を適当な厚
さで堆積した構造となっている。
【0030】実施の形態2によれば、シート状発泡人工
雪3およびペレット粒体発泡人工雪2が、粘弾性および
反撥弾性に優れ、かつ炭酸カルシウムによる適度な保水
性と比重を有し、表面を覆うシリコンによりスキー等の
滑りがよくなっており、これらを用いてゲレンデを造っ
ているため、良好なゲレンデ状態が得られる。
【0031】なお、シート状発泡人工雪3を敷設しない
で、クッション材6の上に直接ペレット粒体発泡人工雪
2を堆積してもよい。また、クッション材6を敷設しな
いで、斜面5上に直接ペレット粒体発泡人工雪2を堆積
してもよい。
【0032】実施の形態3. 図8は、本発明の実施の形態3にかかる人工スキー場施
設の概略構造を模式的に示す断面図である。図8に示す
ように、実施の形態3にかかる人工スキー場施設は、基
体4の斜面5上に適当なクッション材6および実施の形
態1で説明したシート状発泡人工雪3を順次敷設し、さ
らにその上に滑走補助材として牡蛎殻等を原料とする人
工雪材7を適当な厚さで堆積した構造となっている。
【0033】牡蛎殻等でできた人工雪材7は次のように
して造られる。図9は、牡蛎殻等でできた人工雪材7の
製造プロセスを示す工程図である。まず、原料として牡
蛎殻、貝殻もしくは生物の骨またはそれらを組み合わせ
たものを用意し、それらを5μm以下の大きさのパウダ
ー71に粉砕する。このパウダー71に、ポリオール1
00に対してイソシアネート50の割合で重合させたポ
リウレタン樹脂をバインダーとして混ぜて造粒し、略
0.5mm程度の大きさの核72を形成する。さらに顔
料等の着色材や微量のシリコンオイルを添加する。そし
て、再び先と同様のポリウレタン樹脂をバインダーとし
て加えて造粒し、略3mm程度の大きさの核集合体73
を形成する。得られた核集合体73よりなる人工雪材7
は、踏みつけられると砕けて核72に戻る。つまり、牡
蛎殻等でできた人工雪材7は砕ける人工雪である。
【0034】実施の形態3によれば、シート状発泡人工
雪3が、粘弾性および反撥弾性に優れ、かつ炭酸カルシ
ウムによる適度な保水性と比重を有し、表面を覆うシリ
コンによりスキー等の滑りがよくなっており、さらにそ
の上の牡蛎殻等でできた人工雪材7が砕ける雪であり、
これらを用いてゲレンデを造っているため、良好なゲレ
ンデ状態が得られる。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、イソシ
アネート、ポリオール、触媒、シリコンオイルおよび炭
酸カルシウム粉末を混合撹拌する原料混合工程と、前記
混合撹拌により得られた混合物を水または水系の液体に
て重合させながら炭酸ガスを発泡させる発泡工程と、を
含むため、ポリウレタン発泡体を核とし、保水成分およ
び潤滑成分を含む樹脂でできた人工雪材が得られる。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、毒性が低
く、また硬度および強度に優れたポリウレタン樹脂が得
られる。また、イソシアネートとして環化3量化した6
員環トリマー構造のイソシアヌレートタイプのものを用
いるため、相溶性に優れるとともに、耐熱性、耐候性お
よび弾力性に優れたポリウレタン樹脂が得られる。ま
た、ポリオールとして重縮合型ポリエステルポリオール
を用いるため、耐熱性、耐候性、耐摩耗性、引っ張り強
度および耐油性に優れたポリウレタン樹脂が得られる。
また、ポリオールとしてポリエチレングリコールを用い
るため、耐熱性、耐候性、耐摩耗性、引っ張り強度およ
び耐油性に優れたポリウレタン樹脂が得られる。さら
に、炭酸カルシウム粉末は略250メッシュ以上である
ため、原料の混合撹拌が容易であるという効果が得られ
る。
【0037】請求項3に記載の発明によれば、得られた
ペレット粒体を山肌等の斜面に堆積させれば良好なゲレ
ンデ状態が得られる。
【0038】請求項4に記載の発明によれば、得られた
シート状の人工雪材は、山肌等の斜面に敷設する下地材
として良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる人工雪材の構成
を説明するために人工雪材の一部を拡大して模式的に示
す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるペレット粒体状
の人工雪材の具体的な形状および大きさの一例を示す図
である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるシート状の人工
雪材の具体的な形状および大きさの他の例を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる人工雪材の原料
であるイソホロンジイソシアネートの構造式を示す図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる人工雪材の原料
として用いることができるシリコン含有ポリオールの一
例の構造式を示す図である。
【図6】(イ)乃至(ニ)は混練後のペーストを押出し
加圧成形した場合のシート状の人工雪材の断面の模式
図、(ホ)及び(ヘ)は半固形化のまま、振動を加え、
ダマを作る振動工程を加えて出来るペレット状の人工雪
材の断面の模式図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる人工スキー場施
設の概略構造を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかる人工スキー場施
設の概略構造を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3にかかる人工スキー場施
設において用いられる人工雪材の製造プロセスを示す工
程図である。
【符号の説明】
1 人工雪材 2 ペレット粒体発泡人工雪 3 シート状発泡人工雪 7 牡蛎殻等でできた人工雪 11 ポリウレタン発泡体 12 ポリウレタン膜 13 空気孔 14 シリコン層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 3/24 C09K 3/24 C10M 107/50 C10M 107/50 149/14 149/14 E01C 13/12 C10N 40:00 Z // C10N 40:00 E01C 13/00 D (56)参考文献 特開 平2−14282(JP,A) 特開 昭53−148127(JP,A) 特開 平6−299144(JP,A) 特開 平6−88069(JP,A) 特開 平4−114674(JP,A) 特開 平9−135939(JP,A) 特開 平10−33747(JP,A) 実公 昭49−365(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25C 3/04 A63C 19/10 C08K 3/26 C08L 75/04 C08L 83/04 C09K 3/24 C10M 107/50 C10M 149/14 E01C 13/12 C10N 40:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン発泡体を核とする人工雪材
    の製造方法において、 前記ポリウレタン発泡体は、主成分であるイソシアネー
    ト、ポリオール、触媒、シリコンオイル及び炭酸カルシ
    ウムを混合撹拌する原料混合工程と、前記混合撹拌によ
    り得られた混合物を水または水系液体と重合反応させ、
    炭酸ガスを発泡させる発泡工程を含むことを特徴とする
    人工雪材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記イソシアネートとして、無黄変タイ
    プの脂肪族イソシアネート、ジイソシアネート或いは環
    化3量化した6員環トリマー構造のイソシアヌレートタ
    イプの何れかを用い、 前記ポリオールとして、重縮合型ポリエステルポリオー
    ル、ポリエチレングリコール或いはシリコン含有ポリオ
    ールの何れかを用い、 前記触媒として、硬化剤、分散剤、増粘剤、略250メ
    ッシュ以上の炭酸カルシウム及び/又はシリコンオイル
    を用いることを特徴とする請求項1に記載の人工雪材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリウレタン発泡体が半固定化した
    状態で、振動を与え、不定形の略3〜5mm程度のペレ
    ット形状にする振動発泡の工程をさらに含むことを特徴
    とする請求項1に記載の人工雪材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリウレタン発泡体が混練したペー
    スト状のまま、押し出し工法により加圧成形されること
    で、厚みが略5mm以上のシート状に成形する工程をさ
    らに含むことを特徴とする請求項1に記載の人工雪材の
    製造方法。
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