JP3535052B2 - 制振シート - Google Patents
制振シートInfo
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- JP3535052B2 JP3535052B2 JP25164399A JP25164399A JP3535052B2 JP 3535052 B2 JP3535052 B2 JP 3535052B2 JP 25164399 A JP25164399 A JP 25164399A JP 25164399 A JP25164399 A JP 25164399A JP 3535052 B2 JP3535052 B2 JP 3535052B2
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- Japan
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- polymer
- group
- sheet
- chlorine
- resin
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- Building Environments (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、マンショ
ン、オフィスビル等の住宅建造物、高速道路、高架橋、
鉄道軌道等の各種構造物、自動車、鉄道車両、船舶等の
各種車両、家電機器、OA機器等の機器において発生す
る振動及び騒音の低減のために使用される制振シートに
関する。
ン、オフィスビル等の住宅建造物、高速道路、高架橋、
鉄道軌道等の各種構造物、自動車、鉄道車両、船舶等の
各種車両、家電機器、OA機器等の機器において発生す
る振動及び騒音の低減のために使用される制振シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】制振性の指標として、一般に損失正接
(tanδ)が使用されている。tanδが大きいほ
ど、振動吸収性の優れた制振材であり、1を越えると優
れた制振材と言われている。tanδは、雰囲気の温度
に依存しているので、制振シートの制振性能を最大限に
発現するには、使用される雰囲気下でtanδの値を大
きくする必要がある。
(tanδ)が使用されている。tanδが大きいほ
ど、振動吸収性の優れた制振材であり、1を越えると優
れた制振材と言われている。tanδは、雰囲気の温度
に依存しているので、制振シートの制振性能を最大限に
発現するには、使用される雰囲気下でtanδの値を大
きくする必要がある。
【0003】一般にポリ塩化ビニルは、他の樹脂と比較
してtanδが大きな樹脂として知られているが、ta
nδの温度依存性を測定すると、ピーク位置(ガラス転
移温度、Tg)は80℃で、しかも、ピークがシャープ
なので、80℃近辺以外の温度では、振動吸収性能極端
に低下する。つまり、通常の材料の使用温度範囲(−2
0〜60℃)では、振動吸収性能に劣る材料となる欠点
があった。そこで、ピーク位置を低温側にシフトさせた
り、ピーク幅を広げる方法として、フタル酸系、直鎖二
塩基酸エステル系、燐酸エステル系、トリメリット酸系
等の可塑剤を樹脂に添加する方法や、tanδのピーク
温度がポリ塩化ビニルより低いポリマーをブレンドする
方法(特開平9−316295号公報参照)等が一般に
行われている。
してtanδが大きな樹脂として知られているが、ta
nδの温度依存性を測定すると、ピーク位置(ガラス転
移温度、Tg)は80℃で、しかも、ピークがシャープ
なので、80℃近辺以外の温度では、振動吸収性能極端
に低下する。つまり、通常の材料の使用温度範囲(−2
0〜60℃)では、振動吸収性能に劣る材料となる欠点
があった。そこで、ピーク位置を低温側にシフトさせた
り、ピーク幅を広げる方法として、フタル酸系、直鎖二
塩基酸エステル系、燐酸エステル系、トリメリット酸系
等の可塑剤を樹脂に添加する方法や、tanδのピーク
温度がポリ塩化ビニルより低いポリマーをブレンドする
方法(特開平9−316295号公報参照)等が一般に
行われている。
【0004】しかし、ポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤や
ポリ塩化ビニルよりTgの低い樹脂をブレンドする方法
を用いると、tanδのピーク位置は低温側に移動し、
ピークの形状はブロードになるが、ピーク高さが低下
し、振動吸収性能が悪くなる。また、可塑剤を添加する
方法の場合、特に可塑剤量が多くなると、制振性能の低
下に加えて、可塑剤のブリードによる表面のべたつきや
外観不良の問題が発生する。
ポリ塩化ビニルよりTgの低い樹脂をブレンドする方法
を用いると、tanδのピーク位置は低温側に移動し、
ピークの形状はブロードになるが、ピーク高さが低下
し、振動吸収性能が悪くなる。また、可塑剤を添加する
方法の場合、特に可塑剤量が多くなると、制振性能の低
下に加えて、可塑剤のブリードによる表面のべたつきや
外観不良の問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解消して、目的の使用温度に応じて優れた振
動吸収性を発現する制振材シートを提供する。
術の課題を解消して、目的の使用温度に応じて優れた振
動吸収性を発現する制振材シートを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
極性の非プロトン溶剤に塩化ビニル系樹脂を溶かし該溶
液にシアノ化剤を添加する方法でポリ塩化ビニル系樹脂
の側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以上残してシア
ノ基5〜45 wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性樹
脂であるポリマー と、ベンゾチアジル基含有化合物とを
含むことを特徴とする制振シートである。
極性の非プロトン溶剤に塩化ビニル系樹脂を溶かし該溶
液にシアノ化剤を添加する方法でポリ塩化ビニル系樹脂
の側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以上残してシア
ノ基5〜45 wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性樹
脂であるポリマー と、ベンゾチアジル基含有化合物とを
含むことを特徴とする制振シートである。
【0007】請求項2記載の発明は、極性の非プロトン
溶剤に塩素化ポリオレフィンを溶かし該溶液にシアノ化
剤を添加する方法で塩素化ポリオレフィンの側鎖に塩素
基20 wt %(対ポリマー)以上残してシアノ基5〜25
wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性樹脂であるポリ
マーと、ベンゾチアジル基含有化合物を含むことを特徴
とする制振シートである。
溶剤に塩素化ポリオレフィンを溶かし該溶液にシアノ化
剤を添加する方法で塩素化ポリオレフィンの側鎖に塩素
基20 wt %(対ポリマー)以上残してシアノ基5〜25
wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性樹脂であるポリ
マーと、ベンゾチアジル基含有化合物を含むことを特徴
とする制振シートである。
【0008】
本発明の熱可塑性樹脂(以下、単に「ポリ
マー」という場合がある)とは、主鎖が主に炭素と炭素
の単結合、場合によっては二重結合で構成され、側鎖
は、主に水素、塩素基、シアノ基で構成され、側鎖の塩
素基が20wt%以上(対ポリマー)、シアノ基が5〜4
5wt%(対ポリマー)であれば特に限定されるものでは
ない。前記ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンや
ポリプロピレン等のポリマーの側鎖に、塩素基、シアノ
基を付与したポリマーや側鎖にシアノ基を付与した塩化
ビニル等が挙げられる。側鎖の塩素基量が減少すればt
anδのピーク高さが低くなるので、20wt%以上は
必要である。又、シアノ基が5wt未満の場合は、ta
nδのピーク高さが1を越える温度領域のが狭くなり、
45wt%を越えるとピーク高さが低くなってしまう。
マー」という場合がある)とは、主鎖が主に炭素と炭素
の単結合、場合によっては二重結合で構成され、側鎖
は、主に水素、塩素基、シアノ基で構成され、側鎖の塩
素基が20wt%以上(対ポリマー)、シアノ基が5〜4
5wt%(対ポリマー)であれば特に限定されるものでは
ない。前記ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンや
ポリプロピレン等のポリマーの側鎖に、塩素基、シアノ
基を付与したポリマーや側鎖にシアノ基を付与した塩化
ビニル等が挙げられる。側鎖の塩素基量が減少すればt
anδのピーク高さが低くなるので、20wt%以上は
必要である。又、シアノ基が5wt未満の場合は、ta
nδのピーク高さが1を越える温度領域のが狭くなり、
45wt%を越えるとピーク高さが低くなってしまう。
【0009】
上記熱可塑性樹脂の平均重量分子量は、特
に限定されないが2〜40万が好ましい。4万より低い
と力学物性が弱く、40万より高いとシート化する際の
成形加工性が悪くなるためである。
に限定されないが2〜40万が好ましい。4万より低い
と力学物性が弱く、40万より高いとシート化する際の
成形加工性が悪くなるためである。
【0010】
側鎖に塩素基、シアノ基を含有する熱可塑
性樹脂としては、請求項1に記載の如く、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂の側鎖に、塩素基20wt%以上(対ポリマー)
残して、シアノ基5〜45wt%(対ポリマー)を付与し
たポリマーであり、極性の非プロトン溶剤に上記ポリマ
ーを溶かし、該溶液にシアノ化剤を添加することで側鎖
をシアノ基に置換したものである。前記塩化ビニル系樹
脂の側鎖にシアノ基を付与する方法は、ジメチルホルム
アミドやジメチルスルホキシド等の極性の非プロトン溶
剤に上記ポリマーを溶かし、該溶液にシアン化カリウム
を添加することで側鎖をシアノ基に置換する方法が、反
応時間が短い点でよい。その際、塩素基を20wt%以
上残し、シアノ基の含有量を、制振材として使用される
温度に応じて、5〜45wt%(対ポリマー)に調整する
のが望ましい。本発明において使用されるポリ塩化ビニ
ル系樹脂として、ポリ塩化ビニル、ポリ塩素化塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンとポリ塩化ビニ
ル等の共重合体が挙げられる。重合度は、特に限定され
ないが、300〜2000の範囲内にあるのが望まし
い。300より低いと力学物性が弱く、2000より高
いと樹脂の流動性が悪く、可塑剤等を添加する必要があ
り、その結果、振動吸収性能が低下するためである。
性樹脂としては、請求項1に記載の如く、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂の側鎖に、塩素基20wt%以上(対ポリマー)
残して、シアノ基5〜45wt%(対ポリマー)を付与し
たポリマーであり、極性の非プロトン溶剤に上記ポリマ
ーを溶かし、該溶液にシアノ化剤を添加することで側鎖
をシアノ基に置換したものである。前記塩化ビニル系樹
脂の側鎖にシアノ基を付与する方法は、ジメチルホルム
アミドやジメチルスルホキシド等の極性の非プロトン溶
剤に上記ポリマーを溶かし、該溶液にシアン化カリウム
を添加することで側鎖をシアノ基に置換する方法が、反
応時間が短い点でよい。その際、塩素基を20wt%以
上残し、シアノ基の含有量を、制振材として使用される
温度に応じて、5〜45wt%(対ポリマー)に調整する
のが望ましい。本発明において使用されるポリ塩化ビニ
ル系樹脂として、ポリ塩化ビニル、ポリ塩素化塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンとポリ塩化ビニ
ル等の共重合体が挙げられる。重合度は、特に限定され
ないが、300〜2000の範囲内にあるのが望まし
い。300より低いと力学物性が弱く、2000より高
いと樹脂の流動性が悪く、可塑剤等を添加する必要があ
り、その結果、振動吸収性能が低下するためである。
【0011】
側鎖に塩素基、シアノ基を含有する熱可塑
性樹脂樹脂として、例えば、請求項2に記載の如く、塩
素化ポリオレフィン樹脂の側鎖に、塩素基20wt%以上
(対ポリマー)残して、シアノ基5〜45wt%(対ポリ
マー)を付与したポリマーが好適に用いられる。前記塩
素化ポリオレフィンの側鎖にシアノ基を付与する方法
は、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の
極性の非プロトン溶剤に上記ポリマーを溶かし、該溶液
にシアン化カリウムを添加することで側鎖をシアノ基に
置換する方法が、反応時間が短い点でよい。その際、塩
素基を20wt%以上残し、シアノ基の含有量を、制振
材として使用される温度に応じて、5〜45wt%(対ポ
リマー)に調整するのが望ましい。本発明の塩素化ポリ
オレフィンとは、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等が挙げられる。例えば、塩素化ポリエ
チレンの場合、平均重量分子量は、特に限定されない
が、4〜40万が好ましい。4万より低いと力学物性が
弱く、40万より高いと成形加工性が悪くなるためであ
る。
性樹脂樹脂として、例えば、請求項2に記載の如く、塩
素化ポリオレフィン樹脂の側鎖に、塩素基20wt%以上
(対ポリマー)残して、シアノ基5〜45wt%(対ポリ
マー)を付与したポリマーが好適に用いられる。前記塩
素化ポリオレフィンの側鎖にシアノ基を付与する方法
は、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の
極性の非プロトン溶剤に上記ポリマーを溶かし、該溶液
にシアン化カリウムを添加することで側鎖をシアノ基に
置換する方法が、反応時間が短い点でよい。その際、塩
素基を20wt%以上残し、シアノ基の含有量を、制振
材として使用される温度に応じて、5〜45wt%(対ポ
リマー)に調整するのが望ましい。本発明の塩素化ポリ
オレフィンとは、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等が挙げられる。例えば、塩素化ポリエ
チレンの場合、平均重量分子量は、特に限定されない
が、4〜40万が好ましい。4万より低いと力学物性が
弱く、40万より高いと成形加工性が悪くなるためであ
る。
【0012】
また、上記熱可塑性樹脂の側鎖に水素、塩
素基、シアノ基以外の他の置換基、例えば、水酸基、ア
セチル基、メチル基、エチル基、臭素基、フッ素基等が
5wt%以下(対ポリマー)が含まれてもよい。5wt%を
越える場合、振動吸収性能が劣るからである。
素基、シアノ基以外の他の置換基、例えば、水酸基、ア
セチル基、メチル基、エチル基、臭素基、フッ素基等が
5wt%以下(対ポリマー)が含まれてもよい。5wt%を
越える場合、振動吸収性能が劣るからである。
【0013】
本発明において使用されるベンゾチアジル
基含有化合物として、N、N‐ジシクロヘキシル‐1,
2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N‐シクロヘ
キシル‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N‐
オキシジエチレン‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンア
ミド、ジベンゾチアジルジスルフィド等が選ばれる。塩
素基、シアノ基を含む熱可塑性樹脂100重量部に対す
るベンゾチアジル基含有化合物の配合量は、20〜20
0重量部が好ましい。20重量部より少ない場合、添加
効果が認められず、振動吸収性能が悪く、200重量部
より多い場合、ポリマーの可撓性が失われ脆い材料にな
るからである。
基含有化合物として、N、N‐ジシクロヘキシル‐1,
2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N‐シクロヘ
キシル‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N‐
オキシジエチレン‐2‐ベンゾチアゾリルスルフェンア
ミド、ジベンゾチアジルジスルフィド等が選ばれる。塩
素基、シアノ基を含む熱可塑性樹脂100重量部に対す
るベンゾチアジル基含有化合物の配合量は、20〜20
0重量部が好ましい。20重量部より少ない場合、添加
効果が認められず、振動吸収性能が悪く、200重量部
より多い場合、ポリマーの可撓性が失われ脆い材料にな
るからである。
【0014】
上記制振シートには熱、光による脱塩酸反
応による分解劣化を抑制するために、安定剤を加えられ
てよい。安定剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂に一般
的に使用されている安定剤で良く、例えば、鉛白、三塩
基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛等の鉛塩系、ステアリ
ン酸、ラウリン酸、リシノール酸等と鉛、カドミウム、
バリウム、亜鉛、カルシウム等の金属セッケン系、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブ
チルスズジラウレート等の有機錫化合物系等が挙げられ
る。
応による分解劣化を抑制するために、安定剤を加えられ
てよい。安定剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂に一般
的に使用されている安定剤で良く、例えば、鉛白、三塩
基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛等の鉛塩系、ステアリ
ン酸、ラウリン酸、リシノール酸等と鉛、カドミウム、
バリウム、亜鉛、カルシウム等の金属セッケン系、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブ
チルスズジラウレート等の有機錫化合物系等が挙げられ
る。
【0015】
更に、上記制振シートには、熱可塑性樹脂
の熱分解抑制と加工性を良くするために、滑剤が加えら
れてよい。滑剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂に一般
的に使用されている滑剤で良く、例えば、ステアリン
酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸とその誘導体(エステ
ル、エーテル)、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等のワックス等が挙げられる。
の熱分解抑制と加工性を良くするために、滑剤が加えら
れてよい。滑剤としては、ポリ塩化ビニル系樹脂に一般
的に使用されている滑剤で良く、例えば、ステアリン
酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸とその誘導体(エステ
ル、エーテル)、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等のワックス等が挙げられる。
【0016】
制振シートの製法としては、押出成形法と
溶剤キャスト法、バンク成形法、プレス成形法が挙げら
れる。押出成形法で行う場合、押出機は、単軸押出機で
も良いが、混練性を向上させるために、二軸押出機が好
ましい。その際、スクリュー形態としては、フルフライ
トでも良いが、ミキシングを設けた方が更に混練性を向
上し好ましい。ダイは、Tダイが望ましい。引取機は、
カレンダーのような狭圧ロールを設けても良いし、ベル
ト同士で狭圧するベルト−ベルト成形でも良いし、ベル
ト/ロール引取機でも良い。温度は上流側から徐々に温
度をTg以下に下げるような設定にするのが望ましい。
溶剤キャスト法、バンク成形法、プレス成形法が挙げら
れる。押出成形法で行う場合、押出機は、単軸押出機で
も良いが、混練性を向上させるために、二軸押出機が好
ましい。その際、スクリュー形態としては、フルフライ
トでも良いが、ミキシングを設けた方が更に混練性を向
上し好ましい。ダイは、Tダイが望ましい。引取機は、
カレンダーのような狭圧ロールを設けても良いし、ベル
ト同士で狭圧するベルト−ベルト成形でも良いし、ベル
ト/ロール引取機でも良い。温度は上流側から徐々に温
度をTg以下に下げるような設定にするのが望ましい。
【0017】
溶剤キャスト法で行う場合、塗工機は厚み
性能を良好にするために、ダイコーターかコンマコータ
ーが好ましい。溶液は、スチールベルトを用いたエンド
レスベルト上に塗工してもよいし、使用している溶剤で
溶けない他のプラスチックフィルム或いはシート上に塗
工した後、乾燥しても良い。溶剤は、シアノ基が付与さ
れたポリ塩化ビニル系樹脂並びにベンゾチアジル基を含
む化合物を溶解するものであれば何でも良いが、十分な
乾燥を実現するために、ポリマーの融点や分解点以下の
沸点を有するものが望ましく、例えば、THF(テトラ
ヒドロフラン)等の低沸点(66℃)剤が最も望まし
い。塗工した後、樹脂溶液は連続的あるいは断続的に乾
燥炉に送られ、乾燥後剥離される。剥離の際のシートの
含有溶剤量は3〜20%であるのが望ましい。基材側か
ら乾燥できないため、3%以下に乾燥するのは時間を多
く費やし効率的でない。また20%以上では樹脂層の粘
度が低く安定的に剥離できないために好ましくない。剥
離した後の樹脂層は更に乾燥炉内で両面乾燥され溶剤を
ほぼ完全に揮発させる。
性能を良好にするために、ダイコーターかコンマコータ
ーが好ましい。溶液は、スチールベルトを用いたエンド
レスベルト上に塗工してもよいし、使用している溶剤で
溶けない他のプラスチックフィルム或いはシート上に塗
工した後、乾燥しても良い。溶剤は、シアノ基が付与さ
れたポリ塩化ビニル系樹脂並びにベンゾチアジル基を含
む化合物を溶解するものであれば何でも良いが、十分な
乾燥を実現するために、ポリマーの融点や分解点以下の
沸点を有するものが望ましく、例えば、THF(テトラ
ヒドロフラン)等の低沸点(66℃)剤が最も望まし
い。塗工した後、樹脂溶液は連続的あるいは断続的に乾
燥炉に送られ、乾燥後剥離される。剥離の際のシートの
含有溶剤量は3〜20%であるのが望ましい。基材側か
ら乾燥できないため、3%以下に乾燥するのは時間を多
く費やし効率的でない。また20%以上では樹脂層の粘
度が低く安定的に剥離できないために好ましくない。剥
離した後の樹脂層は更に乾燥炉内で両面乾燥され溶剤を
ほぼ完全に揮発させる。
【0018】
(作用)
本発明の制振シートは、極性の非プロトン溶剤に塩化ビ
ニル系樹脂を溶かし該溶液にシアノ化剤を添加する方法
でポリ塩化ビニル系樹脂の側鎖に塩素基20 wt %(対ポ
リマー)以上残してシアノ基5〜45 wt %(対ポリマ
ー)を付与した熱可塑性樹脂であるポリマー 、又は、極
性の非プロトン溶剤に塩素化ポリオレフィンを溶かし該
溶液にシアノ化剤を添加する方法で塩素化ポリオレフィ
ンの側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以上残してシ
アノ基5〜25 wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性
樹脂であるポリマーと、ベンゾチアジル基含有化合物と
からなっているので、tanδが1以上の温度領域幅が
広く、tanδのピーク温度を室温付近に調整可能であ
るので、振動吸収性能が高い制振シートが得られる。更
にベンゾチアジル基含有化合物を含んでいるので、可塑
剤を必要としない。従って、可塑剤のブリードアウト現
象が起きず、経時的に外観が損なわれたり、表面がべと
ついたりすることがない。
ニル系樹脂を溶かし該溶液にシアノ化剤を添加する方法
でポリ塩化ビニル系樹脂の側鎖に塩素基20 wt %(対ポ
リマー)以上残してシアノ基5〜45 wt %(対ポリマ
ー)を付与した熱可塑性樹脂であるポリマー 、又は、極
性の非プロトン溶剤に塩素化ポリオレフィンを溶かし該
溶液にシアノ化剤を添加する方法で塩素化ポリオレフィ
ンの側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以上残してシ
アノ基5〜25 wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性
樹脂であるポリマーと、ベンゾチアジル基含有化合物と
からなっているので、tanδが1以上の温度領域幅が
広く、tanδのピーク温度を室温付近に調整可能であ
るので、振動吸収性能が高い制振シートが得られる。更
にベンゾチアジル基含有化合物を含んでいるので、可塑
剤を必要としない。従って、可塑剤のブリードアウト現
象が起きず、経時的に外観が損なわれたり、表面がべと
ついたりすることがない。
【0019】
ポリ塩化ビニル(積水化学社製;SLP40 重合度=
400)をジメチルホルムアミドに溶かし、シアン化ナ
トリウムを加えることで、シアノ基で置換して作製した
ポリマー(塩素基25wt%、シアノ基27wt% 対ポリ
マー)100部、ジブチルスズマレート5部、カルナバ
ワックス2部を、ミキシング部を備えたL/D=36の
スクリューを装備した二軸押出機(日本製鋼所:TEX
44)にて混練した。押出の際にサイドフィーダーから
N、N‐ジシクロヘキシル‐1,2‐ベンゾチアゾリル
スルフェンアミド(大内新興化学社製;ノクセラーD
Z)をポリマーに対して重量比で1:1の割合になるよ
うに供給した。成形温度は160℃。吐出部には、Tダ
イを設けてシート化した。尚、シアノ基、塩素基の含有
量の確認は、蛍光X線により定量評価した。
400)をジメチルホルムアミドに溶かし、シアン化ナ
トリウムを加えることで、シアノ基で置換して作製した
ポリマー(塩素基25wt%、シアノ基27wt% 対ポリ
マー)100部、ジブチルスズマレート5部、カルナバ
ワックス2部を、ミキシング部を備えたL/D=36の
スクリューを装備した二軸押出機(日本製鋼所:TEX
44)にて混練した。押出の際にサイドフィーダーから
N、N‐ジシクロヘキシル‐1,2‐ベンゾチアゾリル
スルフェンアミド(大内新興化学社製;ノクセラーD
Z)をポリマーに対して重量比で1:1の割合になるよ
うに供給した。成形温度は160℃。吐出部には、Tダ
イを設けてシート化した。尚、シアノ基、塩素基の含有
量の確認は、蛍光X線により定量評価した。
【0020】
〔制振シートの評価〕
(tanδ)
制振シートのtanδを、粘弾性測定器(東洋精機製作
所:レオログラフ)を用いて、周波数100Hzで測定
した。尚、tanδは縦弾性係数(E’、E”)より算
出した。結果を表1に示す。 (外観) 制振シート作製後1週間後に、可塑剤のブリードアウト
(表面析出)現象を無垢氏で観察した。
所:レオログラフ)を用いて、周波数100Hzで測定
した。尚、tanδは縦弾性係数(E’、E”)より算
出した。結果を表1に示す。 (外観) 制振シート作製後1週間後に、可塑剤のブリードアウト
(表面析出)現象を無垢氏で観察した。
【0021】
実施例2
〔制振シートの作製〕
塩素基40wt%の塩素化ポリエチレン(昭和電工:エラ
スレン401 平均重量分子量=25万)をジメチルス
ルホキシドに溶かし、シアン化ナトリウムを加えること
で、シアノ基で置換して作製したポリマー(塩素基22
wt%、シアノ基17wt% 対ポリマー)を作製した。そ
れ以外は、実施例1と同様な方法で制振シートを作製し
た。但し、成形温度は、100℃。
スレン401 平均重量分子量=25万)をジメチルス
ルホキシドに溶かし、シアン化ナトリウムを加えること
で、シアノ基で置換して作製したポリマー(塩素基22
wt%、シアノ基17wt% 対ポリマー)を作製した。そ
れ以外は、実施例1と同様な方法で制振シートを作製し
た。但し、成形温度は、100℃。
【0022】
(制振シートの評価)
得られたシートのついて実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に示す。
た。結果を表1に示す。
【0023】
比較例1
〔制振シートの作製〕
実施例1で用いたポリ塩化ビニル(積水化学社製:SL
P40)にフタル酸ジオクチル30部を加える以外は実
施例1と同様にしてシートを得た。但し、成形温度は、
130℃であった。
P40)にフタル酸ジオクチル30部を加える以外は実
施例1と同様にしてシートを得た。但し、成形温度は、
130℃であった。
【0024】
〔制振シートの評価〕
得られたシートのついて実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に示す。
た。結果を表1に示す。
【0025】
比較例2
〔制振シートの作製〕
実施例1で用いたポリ塩化ビニル(積水化学社製;SL
P40)100重量部に塩素化度40wt%の塩素化ポリ
エチレン(昭和電工社製;エラスレン401、Tg
℃)を100重量部を加える以外は、実施例1と同様に
してシートを得た。但し、成形温度は、160℃であっ
た。
P40)100重量部に塩素化度40wt%の塩素化ポリ
エチレン(昭和電工社製;エラスレン401、Tg
℃)を100重量部を加える以外は、実施例1と同様に
してシートを得た。但し、成形温度は、160℃であっ
た。
【0026】
〔制振シートの評価〕
得られたシートのついて実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に示す。
た。結果を表1に示す。
【0027】
比較例3〔制振シートの作製〕
実施例1で用いたポリ塩化ビニル100重量部にトリオ
クチルホスフェート35部加える以外は、実施例1と同
様にしてシートを得た。但し、成形温度は、130℃で
あった。
クチルホスフェート35部加える以外は、実施例1と同
様にしてシートを得た。但し、成形温度は、130℃で
あった。
【0028】
〔制振シートの評価〕
得られたシートのついて実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に示す。
た。結果を表1に示す。
【0029】
比較例4
〔制振シートの作製〕
塩素基40wt%の塩素化ポリエチレン(昭和電工社製;
エラスレン401)を用いる以外は実施例1と同様にし
てシートを得た。但し、成形温度は、140℃であっ
た。
エラスレン401)を用いる以外は実施例1と同様にし
てシートを得た。但し、成形温度は、140℃であっ
た。
【0030】
〔制振シートの評価〕
得られたシートのついて実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を表1に示す。
た。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1,2はtanδの値が高く、ta
nδが1以上の温度領域幅が40℃と広く、良好な制振
性能有していることを示しており、自動車搭乗者に快適
な空間を提供するために、ダッシュ部、フロア部、ルー
フ部等の自動車の一部に装着する制振材、自動車・鉄道
等の運搬車両から発生する騒音や振動が住宅建造物へ伝
搬しないようにする防音壁、運搬車両の通過の際、搬送
用軌道から発生する騒音や振動を防ぐ制振材、子供の飛
び跳ね音や雨音を打ち消すために、床や屋根等の住宅の
一部に装着される制振材として使用することができる。
比較例1、4はtanδの値は高いけれども、tanδ
が1以上の温度領域幅が10℃と狭く、比較例2,3は
tanδの値が1以下であり、制振性能は不十分であ
る。
nδが1以上の温度領域幅が40℃と広く、良好な制振
性能有していることを示しており、自動車搭乗者に快適
な空間を提供するために、ダッシュ部、フロア部、ルー
フ部等の自動車の一部に装着する制振材、自動車・鉄道
等の運搬車両から発生する騒音や振動が住宅建造物へ伝
搬しないようにする防音壁、運搬車両の通過の際、搬送
用軌道から発生する騒音や振動を防ぐ制振材、子供の飛
び跳ね音や雨音を打ち消すために、床や屋根等の住宅の
一部に装着される制振材として使用することができる。
比較例1、4はtanδの値は高いけれども、tanδ
が1以上の温度領域幅が10℃と狭く、比較例2,3は
tanδの値が1以下であり、制振性能は不十分であ
る。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、極性の非プロト
ン溶剤に塩化ビニル系樹脂を溶かし該溶液にシアノ化剤
を添加する方法でポリ塩化ビニル系樹脂の側鎖に塩素基
20 wt %(対ポリマー)以上残してシアノ基5〜45 wt
%(対ポリマー)を付与した熱可塑性樹脂であるポリマ
ーと、ベンゾチアジル基含有化合物とを含んでいるの
で、優れた制振性能を示す。請求項2記載の発明は、極
性の非プロトン溶剤に塩素化ポリオレフィンを溶かし該
溶液にシアノ化剤を添加する方法で塩素化ポリオレフィ
ンの側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以上残してシ
アノ基5〜25 wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性
樹脂であるポリマーと、ベンゾチアジル基含有化合物と
を含んでいるので、優れた制振性能を示す。
ン溶剤に塩化ビニル系樹脂を溶かし該溶液にシアノ化剤
を添加する方法でポリ塩化ビニル系樹脂の側鎖に塩素基
20 wt %(対ポリマー)以上残してシアノ基5〜45 wt
%(対ポリマー)を付与した熱可塑性樹脂であるポリマ
ーと、ベンゾチアジル基含有化合物とを含んでいるの
で、優れた制振性能を示す。請求項2記載の発明は、極
性の非プロトン溶剤に塩素化ポリオレフィンを溶かし該
溶液にシアノ化剤を添加する方法で塩素化ポリオレフィ
ンの側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以上残してシ
アノ基5〜25 wt %(対ポリマー)を付与した熱可塑性
樹脂であるポリマーと、ベンゾチアジル基含有化合物と
を含んでいるので、優れた制振性能を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C09K 3/00 C09K 3/00 P
E01C 5/20 E01C 5/20
E04B 1/98 E04B 1/98 B
F16F 15/02 F16F 15/02 Q
G10K 11/16 C08L 23:36
// C08L 23:36 27:22
27:22 G10K 11/16 D
Claims (2)
- 【請求項1】極性の非プロトン溶剤に塩化ビニル系樹脂
を溶かし該溶液にシアノ化剤を添加する方法でポリ塩化
ビニル系樹脂の側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマー)以
上残してシアノ基5〜45 wt %(対ポリマー)を付与し
た熱可塑性樹脂であるポリマーと、ベンゾチアジル基含
有化合物とを含むことを特徴とする制振シート。 - 【請求項2】極性の非プロトン溶剤に塩素化ポリオレフ
ィンを溶かし該溶液にシアノ化剤を添加する方法で塩素
化ポリオレフィンの側鎖に塩素基20 wt %(対ポリマ
ー)以上残してシアノ基5〜25 wt %(対ポリマー)を
付与した熱可塑性樹脂であるポリマーと、ベンゾチアジ
ル基含有化合物とを含むことを特徴とする制振シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25164399A JP3535052B2 (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 制振シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25164399A JP3535052B2 (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 制振シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001072777A JP2001072777A (ja) | 2001-03-21 |
JP3535052B2 true JP3535052B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=17225884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25164399A Expired - Fee Related JP3535052B2 (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 制振シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3535052B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2002368472A1 (en) * | 2002-12-13 | 2004-07-09 | Shishiai-Kabushikigaisha | Vibration-damping engineering plastic |
-
1999
- 1999-09-06 JP JP25164399A patent/JP3535052B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001072777A (ja) | 2001-03-21 |
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