JP3534274B2 - 積層圧電体およびその製造方法 - Google Patents

積層圧電体およびその製造方法

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JP3534274B2
JP3534274B2 JP18738395A JP18738395A JP3534274B2 JP 3534274 B2 JP3534274 B2 JP 3534274B2 JP 18738395 A JP18738395 A JP 18738395A JP 18738395 A JP18738395 A JP 18738395A JP 3534274 B2 JP3534274 B2 JP 3534274B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の積層圧電体およびそ
の製造方法は、圧電効果により押圧力または変位を生じ
る圧電アクチュエータとその製造方法とに関し、複数個
の電歪効果素子が積層された積層圧電アクチュエータの
技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】積層圧電体の積層された圧電板に挟持さ
れる内部電極と導通するとともに、内部電極を外部の駆
動電源と接続する手段に関する従来技術としては、特開
平5−218519号公報に、積層圧電体とその製造方
法が開示されている。同公報には、複数の圧電板とその
間に交互に挿置された第1内部電極および第2内部電極
とが積層された圧電ブロックが、複数個積層された積層
圧電体が示されている。各圧電ブロックには、各内部電
極の一端がそれぞれ露出する二つの対向する側面に、そ
れぞれ金属製の外部電極が形成されて各内部電極と導通
している。
【0003】各外部電極は、銀粉末を主成分とするペー
ストが塗布された上で、焼成されて形成されているが、
隣合う圧電ブロックの両外部電極は互いに直接導通して
いる訳ではない。そこで、積層された全圧電ブロックの
全長にわたって、両外部電極の外側からそれぞれ側面電
極(金属板、スチールウールまたは導電性ゴム)を当接
させることにより、各ブロックの外部電極間の導通を取
っている。
【0004】この両側面電極は、積層圧電体の全側面を
覆う熱収縮チューブなどに押圧付勢されて、各圧電ブロ
ックの両外部電極との導通をそれぞれ確保している。外
部の駆動電源と導通するリード線は、側面電極に接続さ
れており、側面電極を介して全圧電ブロックの両外部電
極および全内部電極に駆動電圧が印加される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術による
積層圧電体では、各圧電ブロックの両外部電極が直接接
続されておらず、同極の外部電極同士の接続と外部の駆
動電源との接続を、側面電極に依存している。従来技術
の積層圧電体は、側面電極を必要とするがゆえに、次の
ような不都合を有している。
【0006】第1に、上記積層圧電体は、製造時に側面
電極を形成または組み込むための工程を必要とする。し
たがって、そのぶん製造コストが増大し、側面電極分の
部品管理コストおよび材料コストの増加と相まって、製
品コストの増大を招いている。第2に、積層圧電体の伸
縮作動時に、外部電極と側面電極との間で剪断応力、摩
擦および摩耗が生じ、同時に側面電極に応力が生じて、
導通不良の原因となる可能性があった。すなわち、側面
電極の採用により、導通不良による性能低下や不作動と
いった信頼性の低下の心配が生じていた。
【0007】第3に、側面電極の厚みの分だけ、わずか
ではあるが積層圧電体の横幅が増加せざるを得なかっ
た。このことは、積層圧電体が、寸法的な余裕がある装
置に組み込まれて使用される場合には問題にならない
が、寸法の制限が厳しい用途に使用される場合には、時
として障害に成りうる。そこで、本発明の積層圧電体
は、その製品コストを低廉化することを主要な解決すべ
き課題とする。あわせて、信頼性の向上と横幅の小型化
を図ることも、付随的な課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1構成の積層
圧電体は、厚み方向に積層された複数の圧電板と、該圧
電板の間に交互に挿置された第1内部電極および第2内
部電極と、該第1内部電極に導通し該圧電板の一側面を
覆う第1外部電極と、該第2内部電極に導通し該圧電板
の他の一側面を覆う第2外部電極とを有する複数の圧電
ブロックが、該圧電板の積層方向に積層されている積層
圧電体において、前記第1内部電極は前記圧電板の一側
端を含み残る3側端から間隔を隔てて中央部を覆うよう
に、かつ前記第二内部電極は前記圧電板の他の一側端を
含み残る3側端から間隔を隔てて中央部を覆うように挿
置されており、前記圧電板、前記第1内部電極及び前記
第2内部電極が積層焼結された圧電ブロックの積層方向
の両端面の外周縁部は中央部に対して凹部となり、前記
第1外部電極および前記第2外部電極は、前記圧電ブロ
ックが積層されて隣接する他の前記圧電ブロックと当接
する端面の互いに背向する前記一側端及び前記他の一側
端にある前記凹部を埋めてさらに前記端面の中央部より
突出する第1接続部および第2接続部を有し、該第1接
続部を有する該第1外部電極および該第2接続部を有す
る該第2外部電極はそれぞれ一体的に導電ペーストから
形成されていることを特徴とする。
【0009】ここで、導電ペーストには、銀、金、銅、
白金、パラジウムまたはその他の導電性物質の粉末を有
機溶媒でペースト状に練ったものを使用することができ
る。同ペーストが塗布されたのち、焼成されると金属皮
膜等の導電性皮膜が形成される。導電性物質としてカー
ボン粉末を使用した場合には、比較的低温(例えば10
0°C程度)に加熱することにより、カーボンの固着し
た膜を形成することができる。
【0010】その外に、上記導電性粉末を樹脂で練って
ペースト状にしたものも、使用できる。熱可塑性樹脂の
場合、昇温してペーストとしての流動性を持たせた導電
ペーストを塗布したのち、常温に冷却して固化させ、導
電性の皮膜を得ることができる。同様に、熱硬化性樹脂
の硬化前の液状の樹脂で上記導電性粉末を練り、塗布し
たのち硬化させることによって、導電性皮膜を形成する
ことが可能である。
【0011】本発明の第2構成は、上記第1構成におい
て、互いに積層されて隣接する各該圧電ブロックの該第
1接続部および該第2接続部は、それぞれ互いに当接し
導通していることを特徴とする。
【0012】本発明の第3構成は、上記第1構成におい
て、前記第1外部電極は、前記第1内部電極に接続して
いる第1金属膜部をもち、前記第2外部電極は、前記第
2内部電極に接続している第2金属膜部をもっているこ
とを特徴とする。本発明の第4構成は、上記第1構成に
おいて、前記第1外部電極および前記第2外部電極は、
前記積層圧電体の積層方向の両端面のうち少なくとも一
方の一部に、それぞれ該各外部電極と連続して前記導電
ペーストから形成されている第1電源接続部および第2
電源接続部を有することを特徴とする。
【0013】本発明の第5構成は、上記第1構成におい
て、前記第1外部電極および前記第2外部電極にそれぞ
れ導通している少なくとも二本のリード線と、該両リー
ド線が該両外部電極に導通しているそれぞれの導通部分
を両該外部電極に押圧付勢している熱収縮性の絶縁チュ
ーブとを有することを特徴とする。本発明の第6構成
は、上記第1構成において、前記第1外部電極および前
記第2外部電極にそれぞれ導通しているとともに、前記
積層圧電体の一端から一部が突出している金属製の二本
の外部端子と、各該外部端子の他の一部を該第1外部電
極および該第2外部電極にそれぞれ押圧付勢して保持し
ている熱収縮性の絶縁チューブおよび絶縁性ケースのう
ちいずれかとを有することを特徴とする。
【0014】本発明の第7構成の積層圧電体の製造方法
は、厚み方向に積層された複数の圧電板と、該圧電板の
間に交互に挿置された第1内部電極および第2内部電極
と、該第1内部電極に導通し該圧電板の一側面を覆う第
1外部電極と、該第2内部電極に導通し該圧電板の他の
一側面を覆う第2外部電極とを有する複数の圧電ブロッ
クが、該圧電板の積層方向に積層されている積層圧電体
の製造方法であって、(1)圧電効果を有する複数の前
記圧電板と、該圧電板の間に交互に挿置された前記第1
内部電極および前記第2内部電極とが、厚み方向に積層
されて焼結される積層焼結工程と、(2)該第1内部電
極の一端が露出する前記一側面と、該第2内部電極の一
端が露出する前記他の一側面とが形成される側面形成工
程と、(3)前記の二つの側面と両該側面に連続してい
る積層方向の両端面の一部とに導電ペーストが塗布され
て、該ペーストから該第1外部電極および該第2外部電
極が形成される外部電極形成工程と、(4)以上の工程
で製造された複数の圧電ブロックが、互いに隣接する端
面の一部に形成されている第1外部電極の端面および第
2外部電極の端面がそれぞれ互いに当接する方向で、前
記圧電板の積層方向に積層されるブロック積層工程と、
を有することを特徴とする。
【0015】本発明の第8構成の積層圧電体の製造方法
は、厚み方向に積層された複数の圧電板と、該圧電板の
間に交互に挿置された第1内部電極および第2内部電極
と、該第1内部電極に導通し該圧電板の一側面を覆う第
1外部電極と、該第2内部電極に導通し該圧電板の他の
一側面を覆う第2外部電極とを有する複数の圧電ブロッ
クが、該圧電板の積層方向に積層されている積層圧電体
の製造方法であって、(1)圧電効果を有する複数の前
記圧電板と、該圧電板の間に交互に挿置された前記第1
内部電極および前記第2内部電極とが、厚み方向に積層
されて焼結される積層焼結工程と、(2)該第1内部電
極の一端が露出する前記一側面と、該第2内部電極の一
端が露出する前記他の一側面とが形成される側面形成工
程と、(3)以上の工程で製造された圧電ブロックが複
数個、互いに隣接する該圧電ブロックの前記の二つの側
面をそれぞれ略同一平面に合わせて、前記圧電板の積層
方向に積層されるブロック積層工程と、(4)前記の二
つの側面に導電ペーストが塗布されて、該ペーストから
該第1外部電極および該第2外部電極がそれぞれ連続し
て一体に形成される外部電極形成工程と、を有すること
を特徴とする。
【0016】
【作用および発明の効果】本発明の第1構成の積層圧電
体では、各第1内部電極に導通している第1外部電極
と、各第2内部電極に導通している第2外部電極とは、
導電ペーストから形成されている。その結果、各外部電
極が圧電ブロックの端面の互いに背向する一側端及び他
の一側端にある凹部を埋めてさらに端面の中央部より突
出して端面の一部を形成している構成を取ることが可能
になる。それゆえ、容易に隣合う圧電ブロックの対応す
る各外部電極同士で導通を取ることができるので、各圧
電ブロック間の両外部電極の接続手段や駆動電源との接
続手段として、両側面を覆う側面電極などを特別に設け
る必要がない。
【0017】したがって、本構成によれば、側面電極の
存在による不都合は回避される。すなわち、第1に、側
面電極が無いので、そのぶん製造コストが低下し、部品
管理コストや材料コストも節減される。その結果、製品
コストが下がり、より安価に積層圧電体を提供すること
ができるという効果がある。第2に、側面電極に起因す
る導通不良による性能低下や不作動などの可能性が無く
なり、信頼性が向上するという効果がある。
【0018】第3に、側面電極による積層圧電体の横幅
の増加がなくなり、わずかながらスリムになったので、
寸法の制限が厳しい用途にも採用することが容易になる
という効果もある。本発明の第2構成では、上記第1構
成においてさらに、各圧電ブロックの端面に形成された
第1接続部および第2接続部が、それぞれ隣接する圧電
ブロックの第1接続部および第2接続部に導通してい
る。それゆえ、製造時に向きを合わせて各圧電ブロック
を積層するだけで、特別な加工や接続手段を要さず、全
圧電ブロックの両外部電極は互いに導通する。また、幾
つでも圧電ブロックを積層することが可能で、積層圧電
体の長さを自由に調整できる。
【0019】したがって、本構成によれば、製造工程が
容易になり製造コストの低減になるという効果のほかに
も、必要に応じて自由に積層圧電体の長さを調整するこ
とが、大きなコスト増加なしに可能になるという効果が
ある。本発明の第3構成では、上記第1構成において
らに、各外部電極は、それぞれ各内部電極に接続してい
る各金属膜部を有するので、各外部電極のペーストから
形成された部分と各内部電極との導通は、より確実にな
る。
【0020】したがって、本構成によれば、各外部電極
と各内部電極との間での導通不良による不具合が発生す
ることは防止され、信頼性がいっそう高まるという効果
がある。本発明の第4構成では、上記記第1構成におい
てさらに、積層圧電体の端面の一部に、両外部電極とそ
れぞれ導通する両電源接続部が、各外部電極から連続す
る導電ペーストから形成されている。電源接続部を形成
する工程は、外部電極を形成する工程と同一工程ででき
るので、工数増加にはつながらない。また、積層圧電体
を使用する装置の収容ホルダの内部の端面に一対の駆動
電源端子が設けられていれば、両電源接続部は、両端子
にそれぞれ当接して導通する。
【0021】したがって、本構成によれば、駆動電源と
の接続手段として、リード線などを接続固定する必要が
なく、駆動電源との導通が確実に取れるので、積層圧電
体がより安価でより信頼性の高いものになるという効果
がある。本発明の第5構成では、上記記第1構成におい
てさらに、二本のリード線が、熱収縮性の絶縁チューブ
により両外部電極に押圧付勢されて、両外部電極にそれ
ぞれ導通している。熱収縮性の絶縁チューブの押圧力に
より、各リード線と各外部電極との導通は確実なものな
り、その信頼性は高い。また、駆動電源との接続手段と
してのリード線の採用は、積層圧電体を使用する在来型
の装置への組み込みに際して、装置側の改修を要さず、
即時適用が可能である。
【0022】したがって、本構成によれば、廉価性と高
信頼性とを保ちながら、なおかつ在来型の装置への組み
込み(または従来型積層圧電体との付け替え)作業が容
易であるという効果がある。本発明の第6構成では、上
記記第1構成においてさらに、両外部電極にそれぞれ導
通する金属製の二本の外部端子が、熱収縮性の絶縁チュ
ーブまたは絶縁性ケースに保持されている。両外部端子
の一部は、積層圧電体の一端から突出している。それゆ
え、積層圧電体を使用する装置の収容ホルダの一端に、
外部端子の突出部と係合するソケットが設けられていれ
ば、ワンタッチで抜き差し可能であるうえ、駆動電源と
の確実な導通が得られる。
【0023】したがって、本構成によれば、積層圧電体
を使用する装置への取り付け取り外しが極めて容易にな
るとともに、駆動電源との導通が確実なので信頼性も高
まるという効果がある。本発明の第7構成の積層圧電体
の製造方法では、(1)積層焼結工程、(2)側面形成
工程、(3)外部電極形成工程、(4)ブロック積層工
程の順で製造工程が組まれている。
【0024】ここで、外部電極形成工程では、内部電極
の一端が露出する二つの側面とこれらに連続している積
層方向の両端面の一部とに、導電ペーストが塗布されて
固化し、同ペーストから第1外部電極および第2外部電
極がそれぞれ形成される。すなわち、両内部電極に導通
する両外部電極が二つの側面に形成され、さらに各外部
電極は、それぞれ接続部として両端面の一部を形成する
にいたる。こうして、複数の内部電極とこれらを挟んで
積層された圧電板とからなる焼結ブロックの内部電極が
露出する側面を覆い、連続して焼結ブロックの両端面の
一部に接続部を形成している第1および第2外部電極が
形成される。以上で、圧電板、内部電極および外部電極
から構成された圧電ブロックが製造される。
【0025】次のブロック積層工程では、こうして製造
された圧電ブロックが、外部電極の方向を合わせて複数
個積層される。その際、互いに隣接する各圧電ブロック
の両外部電極は、互いに当接する端面の側端の凹部に形
成されているそれぞれの接続部を介して、隣接する圧電
ブロックの両外部電極にそれぞれ導通する。したっが
て、連続して積層された全ての圧電ブロックの第1およ
び第2外部電極は、それぞれ導通するにいたる。
【0026】したがって、本構成によれば、外部電極と
して必ずしも焼結体に金属の薄膜が形成される必要がな
く、かつ、外部電極同士の導通をとるために側面電極を
設ける必要もなくなる。それゆえ、材料および部品数が
減り、工数も減るので、積層圧電体をより安価に製造す
ることが可能になる。また、側面電極と外部電極との間
での導通不良など、外部電極をもつ構造に起因する不具
合の発生がないので、積層圧電体の信頼性が向上する。
さらに、積層圧電体の横幅が減少してスリムになるとい
う効果もある。
【0027】すなわち、本構成の製造方法によれば、信
頼性の高いスリムな積層圧電体を、より安価に製造する
ことが可能になるという効果がある。また、積層される
圧電ブロックの個数を調整することにより、希望の長さ
の積層圧電体を大きな製造工程の変更なしに提供するこ
とができるので、製造工程のフレキシビリティが増すと
いう効果もある。
【0028】本発明の第8構成の積層圧電体の製造方法
では、(1)積層焼結工程、(2)側面形成工程、
(3)ブロック積層工程、(4)外部電極形成工程の順
で製造工程が組まれている。ここで、ブロック積層工程
では、内部電極の端部が露出した側面をもつ積層された
圧電板を有するペレット(焼結ブロック)が複数個、第
1および第2内部電極の方向を揃えて積層される。その
際、第1内部電極の端部が露出する側面は、全てのペレ
ットにわたって略同一平面に揃えられ、第2内部電極の
端部が露出する側面についても同様に揃えられる。しか
るのち、外部電極形成工程で、全焼結ブロックの内部電
極の一端が露出している上記両側面に、導電ペーストが
塗布されて固化することにより、第1外部電極および第
2外部電極がそれぞれ連続して一体に形成される。
【0029】したがって、本構成によれば、個々のペレ
ットに導電ペーストが塗布されていったん圧電ブロック
が個々に形成される必要はない。逆に、複数個の焼結ブ
ロックが積層された積層体の両側面に、いきなり連続し
た外部電極が形成されるので、導電ペーストの塗布およ
び硬化は一度で済む。それゆえ、よりいっそう安価に積
層圧電体を製造することが可能になるという効果があ
る。また、隣接する焼結ブロックの外部電極同士の導通
も、よりいっそう確実になるという効果もある。
【0030】すなわち、本構成の製造方法によれば、信
頼性の高いスリムな積層圧電体を、よりいっそう安価に
製造することが可能になるという効果がある。
【0031】
〔実施例1〕
(実施例1の構成)本発明の実施例1としての積層圧電
体は、図1に示すように、重ねて接合されている4個の
圧電ブロック2と、その両端を挟んで接合されているそ
れぞれ1個のダミーブロック1とから主要部が形成され
ている。
【0032】圧電ブロック2の各々は、図2に示すよう
に、厚み方向に積層された複数の圧電板61が積層され
ており、その間には第1内部電極71および第2内部電
極72とが交互に挿置されている。圧電板61は、PZ
T(セラミック圧電材料のひとつ)からなる薄板状の焼
結体であり、両面から電圧が印加されるとその厚みがわ
ずかに伸縮するピエゾ効果を発揮する。図2中の上下に
互いに隣接する圧電板61は、図中右または左の端の非
印加部(圧電板61のうち、内部電極71,72から電
圧が印加されない部分)62で互いに接合している。圧
電板61は、同図では理解を容易にするために5層しか
図示されていないが、実際には数十層に積層されてい
る。
【0033】両内部電極71,72は、銀7割パラジウ
ム3割の合金(いわゆる銀パラ)製の薄膜である。積層
された圧電板61の間には、両内部電極71,72が交
互に挟持されており、両内部電極71,72にはその両
面の圧電板61を接合する作用もある。圧電板61およ
び両内部電極71,72は、一体に焼結されてペレット
6を形成している。ペレット6の図中左の側面40に
は、第1内部電極71の一端がペレット6から露出して
いる。同様に、ペレット6の図中右の側面40には、第
2内部電極72の一端がペレット6から露出している。
【0034】ここで、第2内部電極72の平面形状は、
図3に平断面図で示すように、圧電板61の中央部の大
部分を覆っており、第2内部電極72は、ペレット6の
右側面に露出する一端を除いて三方に所定のギャップを
おいて形成されている。同様に、第1内部電極71は、
ペレット6の左側面に露出する一端を除いて三方に所定
のギャップをおいて形成されている。
【0035】そして、ペレット6の左右両側面40に
は、銅製または銀製の第1外部電極41および第2外部
電極42が形成されて、ペレット6の両側面を覆ってお
り、それぞれ圧電ブロック2の左右の各側面を形成して
いる。すなわち、ペレット6の左側面40には第1外部
電極41が形成されており、ペレット6の左側面40に
一端が露出した第1内部電極71と導通している。同様
に、ペレット6の右側面40には第2外部電極42が形
成されており、ペレット6の右側面40に一端が露出し
た第2内部電極72と導通している。
【0036】両外部電極41,42は、それぞれペレッ
ト6の両側面40を覆うとともに、ペレット6の左右両
側面40と上下両端面(伸縮面)60とが交わる両端部
に形成された凹部90をも覆っている。すなわち、両外
部電極41,42は、その上下の両端部にあたる第1接
続部410および第2接続部420で、ペレット6の凹
部90を埋めるだけではなく、伸縮面60よりもわずか
に突出してそれぞれ第1接続面91および第2接続面9
2を形成している。
【0037】ここで、両接続面91,92は、図4に示
すように、圧電ブロック6の積層方向の両端面9の左右
に帯状に形成されており、一方、圧電板61の中央部に
は直接伸縮面60を形成する圧電板61が露出してい
る。したがって、圧電ブロック2は、圧電板61および
両内部電極71,72からなるペレット6と両外部電極
42とで構成されている。そして、圧電ブロック2の上
下両端面9は、圧電板61の伸縮面60(平面)と、そ
の左右両端部で伸縮面60からわずかに突出している両
接続面91,92とから形成されている。
【0038】ここで、圧電ブロック2の外形寸法は、縦
横各5mm、積層方向の厚み2mmである。積層方向の
両端面9では、凹部90は伸縮面60から5〜10μm
程度へこんでおり、逆に接続面91,92は伸縮面60
から積層方向へ数μmないし数十μm程度突出してい
る。ちなみに、外部電極42,41の膜厚は数μmない
し数十μm程度であり、内部電極71,72の膜厚は1
μm程度である。
【0039】以上のように構成された圧電ブロック2
が、圧電板61の積層方向に複数個積層されて、本実施
例の積層圧電体の主要部が形成されている。すなわち、
再び図1に示すように、圧電ブロック2が4個、各外部
電極41,42が形成された各側面をそれぞれ同一側面
に揃えて積層されている。隣接する圧電ブロック2は、
伸縮面60を互いに接合しているとともに、第1接続面
91は第1接続面91に、第2接続面92は第二接続面
92に互いに当接している。ここで、前述のように各接
続面91,92は、圧電ブロック2が単体の状態では伸
縮面60よりμmオーダで突出しているが、複数の圧電
ブロック2が積層される過程で圧縮され、伸縮面60と
ほぼ同じ平面に収まっている。それゆえ、各接続面9
1,92は弾性反発力をもって互いに押圧しつつ接合し
ているので、振動などで各接続面91,92同士が接続
不良を起こすことはない。
【0040】すなわち、各圧電ブロック2の第1接続部
410および第2接続部420は、各接続面91,92
を介して、それぞれ隣接する圧電ブロック2の第1接続
部410および第2接続部420に導通している。した
がって、全ての圧電ブロック2の第1外部電極41は互
いに導通しており、同様に、全ての第2外部電極42も
互いに導通している。
【0041】このように積層された4個の圧電ブロック
2の積層体の両端には、それぞれダミーブロック1が積
層されて、積層圧電体の両端面11,12を形成してい
る。ダミーブロック1は、絶縁性のセラミックスからな
り、積層圧電体の両端面11,12から両外部電極4
1,42を絶縁している。前述の四つの圧電ブロック2
から構成される積層体の両側面を覆う両外部電極41,
42には、それぞれリード線51,52が接続されて外
部の駆動電源(図示せず)と導通している。被覆電線で
あるリード線51,52の先端からは、裸電線である導
通部分50がそれぞれ被覆から露出しており、各導通部
分50は、半田付けで各外部電極41,42に接続して
いる。
【0042】以上のダミーブロック1および圧電ブロッ
ク2の積層体の両端部を除く全体とリード線51,52
の導通部分50を含む一部とは、熱収縮性の絶縁チュー
ブ3によって覆われている。絶縁チューブ3は、両外部
電極41,42を含む圧電ブロック2とリード線51,
52の導通部分50とを外部環境から絶縁保護すると同
時に、各導通部分50をそれぞれ各外部電極41,42
に押圧付勢して接続不良を防止している。
【0043】なお、絶縁チューブ3がリード線51,5
2の各導通部分50をそれぞれ各外部電極41,42に
押圧付勢しているので、半田付けの必要は必ずしもな
い。 (実施例1の作用)本実施例の積層圧電体は、前述のよ
うに構成されているので、次のような作用を持つ。
【0044】まず、図2に示すように、互いに隣接する
圧電ブロック2の端面の側端の凹部90に形成された接
続面91,92がそれぞれ互いに当接して導通している
ので、全ての圧電ブロック2の両外部電極41,42は
それぞれ互いに導通している。それゆえ従来技術と異な
って、各圧電ブロック2の両外部電極41,42をそれ
ぞれ互いに導通する側面電極を設ける必要がない。
【0045】同様に、外部の駆動電源からのリード線5
1,52との接続も、側面電極などの接続手段を設ける
必要がなく、直接に接合することが可能となっており、
電気接続に要する構成は極めてシンプルである。したが
って、二本のリード線51,52に印加された駆動電圧
は、側面電極等を介することなく直接に(少なくとも)
一つの圧電ブロック2の各外部電極41,42に印加さ
れる。各圧電ブロック2の外部電極41,42は、それ
ぞれ互いに導通しているので、上記駆動電圧は全ての圧
電ブロック2の外部電極41,42に印加される。
【0046】外部電極41,42に印加された駆動電圧
は、それぞれ内部電極71,72に伝導されて各圧電板
61に電界がかかり、圧電板61が積層方向に伸縮す
る。こうして各圧電ブロック2が積層方向に伸縮するの
で、本実施例の積層圧電体は伸縮してアクチュエータと
しての作用をもつ。 (実施例1の製造方法)前述の本実施例の積層圧電体
は、次のような(1)〜(4)を中心とする工程で製造
することができる。このうち、本実施例の特徴的な工程
は(3)および(4)であり、(1)および(2)の工
程は従来から行われている積層圧電体の製造方法のそれ
と大きな違いはない。 (1)積層焼結工程 本工程では、圧電効果を有する複数の圧電板61と、圧
電板61の間に交互に挿置された第1内部電極71およ
び第2内部電極72とが、厚み方向に積層されて焼結さ
れる。
【0047】すなわち、先ず、所定の大きさのPZT材
料からなる可塑性の縦横5mm強、板厚0.04mm程
度の正方形のシート(のちに焼結されて圧電板61にな
る)が切り出される。同シートの大部分には、再び図3
に示すように、四辺の三方に適正なギャップをおいて銀
パラジウム合金(以下、銀パラ)の薄膜(厚み1μm程
度)が印刷される。銀パラの薄膜は、残る一辺には縁ま
で印刷される。
【0048】次に、同シートは、銀パラ薄膜の印刷面を
上にして、銀パラ薄膜が縁まで印刷された一辺の向きを
左右両側面に交互に変えながら、数十枚程度の所定枚数
だけ積層される。(上記銀パラ薄膜は、のちに圧電板6
1の間に交互に挿置された第1内部電極71および第2
内部電極72になる。)ただし、最後の一枚だけは、上
記一辺の向きを変えること無く上下を反転し、その銀パ
ラ薄膜をその直下のシートの銀パラ薄膜に重ねて積層さ
れる。
【0049】こうして積層された銀パラ薄膜を挟持した
シートは、積層方向に適正な圧力がかけられて圧着され
る。その際、再び図2に示すように、銀パラ薄膜(内部
電極71,72)が半数しか入っていない左右両端部の
上下両端面9には、凹部90が形成される。一つの圧電
ブロック2につき4か所できる凹部90は、上下の伸縮
面60よりも5〜10μm程度凹んでいる。
【0050】以上のように形成された交互に銀パラ薄膜
を挟持して固められた可塑性のシートは、適正な温度で
焼結されて固化し、内部電極71,72を交互に挟持し
ているペレット6になる。 (2)側面形成工程 本工程は、通常ダイシングと呼ばれている。すなわち、
前述の積層時にわずかな不揃いのあるペレット6の左右
両側面を、研削により切りそろえて平面に形成する工程
である。本工程を終了すると、第1内部電極71の一端
が露出する一側面(左側面)40と、第2内部電極72
の一端が露出する他の一側面(右側面)40とが形成さ
れる。 (3)外部電極形成工程 上記両側面40とこれらに連続する上下両端面の凹部9
0とに、導電ペーストが10〜100μm程度の厚みで
塗布される。この導電ペーストは、銀(または銅等)の
粉末を主成分とし、少量の溶剤でぺースト状に練られた
ものである。
【0051】同ぺーストは、ペレット6に塗布されたの
ち、焼成されて溶剤が除去されるとともに、銀粉が融け
てペレット6の塗布された面に付着し、冷却後には両外
部電極41,42として定着する。その際、各外部電極
41,42は、それぞれペレット6の各側面40に露出
した各内部電極71,72の端面と融合して、導通が得
られる。
【0052】本工程の結果、図2〜4に示すように、各
内部電極71,72にそれぞれ導通し、両側面40とと
もに上下両端面9の一部である凹部90を覆う各外部電
極41,42が形成されている圧電ブロック2が製造さ
れる。 (4)ブロック積層工程 本工程では、再び図1に示すように、以上の工程で製造
された複数の圧電ブロック2が4個、各外部電極41,
42の形成された側面をそれぞれ同一面に揃え、互いに
隣接する上下の端面9を合わせて積層される。その際、
伸縮面60(図4参照)には薄く接着剤が塗布されてい
てもよい(接続面91,92には付着しないよう留
意)。
【0053】すると、各圧電ブロック2の左右の側面に
形成された第1外部電極41は、接続部410に形成さ
れた接続面91で隣接する圧電ブロック2の第1外部電
極41に導通する。同様に、各圧電ブロック2の左右の
側面に形成された第2外部電極42は、接続部420に
形成された接続面92で隣接する圧電ブロック2の第2
外部電極42に導通する。したがって、各圧電ブロック
2の全ての第1外部電極は互いに導通し、全ての第2外
部電極も互いに導通する。
【0054】なお、各圧電ブロック2が積層される際に
は、同時に上下両端にダミーブロック1も積層されて、
積層方向に圧縮力がかけられる。それゆえ、各圧電ブロ
ック2の上下の端面9の中で数μm〜数十μm程度突出
していた接続部410,420は圧縮されて、各接続面
91,92は伸縮面60とほぼ同一平面に収まる。その
結果、圧縮された接続部410,420の反発力で各接
続面91,92はそれぞれ互いに押圧力をもって当接す
るので、各外部電極71,72の導通は一層確実なもの
となっている。
【0055】積層された複数の圧電ブロック2のうち一
つには、先端に裸線の導通部分50をもつ二本のリード
線51,52が、それぞれ外部電極41,42に半田付
けにより接続される(半田付けなしでも接続は可能)。
そして、積層されたダミーブロック1および圧電ブロッ
ク2の積層体の両端面11,12付近を除く側面全周囲
には、熱収縮性の絶縁チューブ3が被せられて熱せら
れ、収縮して密着する。絶縁チューブ3は、各リード線
51,52の導通部分50および各外部電極41,42
を絶縁保護するとともに、導通部分50を外部電極4
1,42に押圧付勢して同部分での導通不良を防いでい
る。
【0056】前述の本実施例の積層圧電体は、以上の工
程を経て製造されている。 (実施例1の効果)本実施例の積層圧電体では、以上詳
述したように、隣合う圧電ブロック2の各外部電極4
1,42同士でそれぞれ互いに導通が取れている。それ
ゆえ、各圧電ブロック2間の各外部電極2同士の接続手
段や、駆動電源との接続手段として、両側面を覆う側面
電極などを特別に設ける必要がない。したがって、本実
施例の積層圧電体によれば、側面電極の存在による不都
合は回避されている。
【0057】すなわち、第1に、側面電極が無いので、
そのぶん製造コストが低下し、部品管理コストや材料コ
ストも節減されている。その結果、製品コストが下が
り、より安価に積層圧電体を提供することができるとい
う効果が生じている。第2に、側面電極に起因する導通
不良による性能低下や不作動などの可能性が無くなり、
信頼性が向上するという効果がある。
【0058】第3に、側面電極による積層圧電体の横幅
の増加がなくなり、わずかながらスリムになったので、
寸法の制限が厳しい用途にも採用することが容易になる
という効果もある。また、各圧電ブロック2の端面9に
形成された第1接続部410および第2接続部420
が、それぞれ隣接する圧電ブロック2の第1接続部41
0および第2接続部420に導通している。それゆえ、
前述のブロック積層工程で向きを合わせて各圧電ブロッ
ク2を積層するだけで、特別な加工や接続手段を要さ
ず、全圧電ブロック2の両外部電極41,42はそれぞ
れ互いに導通する。したがって、組み立て工数は低減さ
れており、コストダウンに貢献がある。
【0059】さらに、必要に応じて幾つでも圧電ブロッ
ク2を積層することが可能で、積層圧電体の長さ(端面
11,12間の距離)を自由に調整できる。積層圧電体
の長さの微調整は、ダミーブロック1の厚みを調整する
ことによって可能である。したがって、必要に応じて自
由に積層圧電体の長さを調整することが、大きなコスト
増加なしに可能になるという効果もある。
【0060】あわせて、熱収縮性の絶縁チューブ3の押
圧力により、各リード線51,52と各外部電極41,
42との導通は確実なものなり、その信頼性は高い。ま
た、駆動電源との接続手段としてのリード線51,52
の採用は、積層圧電体を使用する在来型の装置への組み
込みに際して、装置側の改修を要さず、即時適用が可能
である。したがって、本実施例の積層圧電体は、廉価性
と高信頼性とを保ちながら、なおかつ在来型の装置への
組み込み(または従来型積層圧電体との付け替え)作業
が容易であるという効果をも生じる。
【0061】(実施例1の変形態様1)前述の実施例1
としての積層圧電体には、いくつかの変形態様がある。
その一つが本変形態様であって、図5に示すように、圧
電ブロック2’は、実施例1の圧電ブロック2と一部の
相違点を除き、ほぼ同様の構成をしている。圧電ブロッ
ク2’の構成以外では、本変形態様は実施例1と同一の
構成である。
【0062】実施例1と異なる点は、図6に示すよう
に、第1外部電極41’は、第1内部電極71に接続し
ている第1金属膜部411をもち、第2外部電極42’
は、第2内部電極72に接続している第2金属膜部42
1をもっている点である。すなわち、金の薄膜がペレッ
ト6の左右各側面に蒸着されて、各金属膜部411,4
21を形成している。蒸着は、側面形成工程のダイシン
グ終了後、外部電極形成工程の最初に行われる。
【0063】金は非常に導電性に優れ酸化しにくいの
で、各金属膜部411,421は、それぞれ極めて良好
な導通を各内部電極71,72と各外部電極41’,4
2’との間に確保する作用がある。その結果、各外部電
極41,42と各内部電極71,72との間での導通不
良による不具合が発生することは防止され、製品の信頼
性がよりいっそう高まるという効果がある。
【0064】(実施例1の変形態様2)本変形態様の積
層圧電体も、変形態様1と同様に、圧電ブロック2”の
構成以外では本変形態様は実施例1と同一の構成であ
る。圧電ブロック2’のペレット6’は、図7に示すよ
うに、連続した圧電板61が折り返し部62’で折り返
されてつづら折りに積層されている。圧電板61の両面
には、銀の薄膜が上下の伸縮面60にあたる部分を除い
て、ほぼ全体に定着して両内部電極71,72を形成し
ている。両内部電極71,72の一部は、それぞれペレ
ット6’の左右の側面に露出しており、その表面を覆っ
て両外部電極41”,42”が形成されている。両外部
電極41”,42”は、実施例1同様に上下両端に連続
して両接続部410,420を有し、圧電ブロック2’
の上下両端面9の一部に両接続面91,92を形成して
いる。
【0065】本変形態様の積層圧電体は、連続した一枚
のシートがつづら折りにして積層されている点と、ダイ
シングなしにペレットの左右両側面が形成されている点
等を除いて、基本的には実施例1と同様の製造方法で次
のようにして製造されている。 (1)積層焼結工程および(2)側面形成工程 本工程では、先ず、PZTの材料からできた可塑性のシ
ートが用意される。同シートの形状は、厚み0.04m
m、各辺300mm程度の長方形である。(必要に応じ
て、厚みおよび各辺の長さは変更できる。) 同シートは、両面のほぼ全体に、銀の薄膜が印刷されて
いる。この印刷は、将来伸縮面60になる上端付近の片
面および下端付近の反対側の片面には、施されていな
い。(または、銀等の導電性薄膜を全面に形成してお
き、つづら折りにしたのち伸縮面60から研磨またはエ
ッチング等により除去しても良い。) 上記シートは、治具を用いて所定のピッチ(約5mm)
で数十回つづら折りにされ、折り巾一定に真っ直ぐに折
り重ねられる。所定の形状に折り重ねられたシートは、
積層方向に圧縮力を加えられて、シート間に気泡等を残
すこと無く稠密に固められる。
【0066】この状態で積層されたシートの外形形状
は、積層方向の厚み2mm程度、左右両側面間の幅は5
mm程度であり、両方向に直交する奥行き(長手方向の
幅)はもとの300mmを保っている。そこで、奥行き
方向に5mm間隔で(卑近な表現だが羊羹を切るよう
に)切断されて、縦横各5mm、厚み2mmの折り固め
られたシートが60個ほど得られる。
【0067】同シートは、しかるのちに焼結されてペレ
ット6’になる。図7に示すように、ペレット6’の左
右両側40’は、それぞれすでに銀の薄膜によって形成
されている各内部電極71,72の一部71’,72’
によって覆われている。したがって、ペレット6’に
は、ダイシング無しに各内部電極71,72の一部7
1’,72’が露出した左右両側面40’が自然に形成
されている。
【0068】(3)外部電極形成工程 第1外部電極41”および第2外部電極42”は、実施
例1と同様に導電ペーストから形成され、図7にペレッ
ト6’の正面図または縦断面図を示すように、圧電ブロ
ック2”が製造される。実施例1同様に、圧電ブロック
2”の上下の両端面9の一部には、各外部電極41”,
42”の接続部410,420から接続面91,92が
形成されている。
【0069】(4)ブロック積層工程 本工程と、リード線51,52の接続および絶縁チュー
ブ3の被覆とは、実施例1と同様に行われる。本変形態
様の積層圧電体は、以上の工程で製造が可能であり、つ
づら折りにしてダイシングが省略されている分、安価に
製造されうる。また、各内部電極71,72が圧電ブロ
ック2”の奥行き方向の全幅に渡って形成されているの
で、圧電板61の有効面積が実施例1より増加してお
り、本変形態様にはアクチュエータとして発揮する力が
増加するという効果もある。
【0070】(実施例1の変形態様3)本変形態様の積
層圧電体は、図8に示すように、圧電ブロックの接続部
410,420が中央部付近まで延長部410’,42
0’を有し、極めて広い接続面91’,92’が形成さ
れている。接続面91’,92’は、図9に示すよう
に、ペレット6の伸縮面60の中央部が露出するわずか
なギャップを空けて互いに対向し、圧電ブロックの積層
方向の両端面9の大半を占めている。したがって、本変
形態様では、積層圧電体の発生する力と伸縮変位は、主
として接続面91’,92’を介して隣接するブロック
へ伝達される。
【0071】本変形態様によれば、隣接する圧電ブロッ
クの外部電極41,42が、より広い面積の接続面9
1’,92’でそれぞれ互いに当接するので、隣接する
圧電ブロック間の外部電極41,42の導通がよりいっ
そう確実になるという効果がある。その他の構成は、実
施例1のそれと同様で、実施例1の積層圧電体で発揮さ
れる作用効果は、本変形態様の積層圧電体でも同様に発
揮される。
【0072】(実施例1の変形態様4)本変形態様の積
層圧電体は、図10に示すように、外部の駆動電源(図
示せず)との接続手段として、実施例1のリード線5
1,52(図1参照)に代えて、外部端子51’,5
2’を備えている。また、積層された圧電ブロック2を
保護する手段として、実施例1の絶縁チューブ3に代え
て、絶縁性ケース4が備えられている。
【0073】すなわち、外部端子51’,52’は、導
電性の高い金属製の略長方形の板であって、その上半部
の内側面は第1外部電極41および第2外部電極42に
当接し、それぞれ導通している。一方、外部端子5
1’,52’の下半部は、積層圧電体の下端面12’か
ら突出している。前述の外部端子51’,52’の上半
部は、合成樹脂製の絶縁性ケース4に外側面を押圧付勢
されて、それぞれ第1外部電極41および第2外部電極
42に当接している。絶縁性ケース4の下端部には、各
外部端子51’,52’を入れる孔が形成されており、
下端部の内側面には、各外部電極41,42の上半部を
収容して固定する凹部が形成されている。
【0074】絶縁性ケース4内には、積層された四個の
圧電ブロック2が収容保護されており、下端の圧電ブロ
ック2の下端面12は、絶縁性ケース4の底部に当接し
ている。一方、上端の圧電ブロック2の上端面11’
は、絶縁性ケース4の上端面11”から少し突出してア
クチュエータとしての伸縮作用面を形成している。この
上端面11’には、絶縁性のコーティング(図示せず)
が施され、短絡が防止されている。
【0075】本変形態様の積層圧電体は、以上のように
構成されているので、これを使用する装置の収容ホルダ
の一端に外部端子51’,52’の突出部と係合するソ
ケットが設けられていれば、ワンタッチで抜き差し可能
であるうえ、駆動電源との確実な導通が得られる。な
お、上記収容ホルダの一端には、絶縁性ケース4の底面
12’が当接して、アクチュエータとしての固定点とし
て作用する。
【0076】したがって、本変形態様の積層圧電体によ
れば、実施例1の効果に加えて、積層圧電体を使用する
装置への取り付け取り外しが極めて容易になるととも
に、駆動電源との導通が確実なので信頼性も高まるとい
う効果がある。 (実施例1の変形態様5)本変形態様の積層圧電体は、
図11に示すように、一個のダミーブロック1と四個の
圧電ブロック2とが積層されており、側面の大半は熱収
縮性の絶縁チューブ3に覆われている。最下段の圧電ブ
ロック2の下半部は絶縁チューブ3からはみ出して露出
しており、最下段の圧電ブロック2の下端面12”が積
層圧電体の底面を形成している。したがって、下端面1
2”の左右両端部では、最下段の圧電ブロック2の接続
部410,420がわずかに突出して、駆動電源と接続
されるようになっている。
【0077】すなわち、最下段の圧電ブロック2の第1
外部電極41および第2外部電極42は、本変形態様の
積層圧電体の下端面12”の一部に、それぞれ第1電源
接続部412および第2電源接続部422としての接続
部410,420を有する。両電源接続部412,42
2は、外部電極41,42の一部として連続して導電ペ
ーストから形成された金属薄膜である。
【0078】積層圧電体を使用する装置の収容ホルダH
の内部の端面H2には、一対の駆動電源端子としての接
続金具C1,C2が設けられている。同金具C1,C2
は、略L字状の断面をもつ導電性の金具で、その下半部
はホルダHの底面に沿って平面をなし、その上半部はホ
ルダHの壁面にそって若干S字状に反っている。ホルダ
Hに本変形態様の積層圧電体が挿入されると、両接続金
具C1,C2の上半部が、それぞれ直接外部電極41,
42に当接して導通する。これと同時に、両接続金具C
1,C2の下半部が、それぞれ両電源接続部412,4
22に当接して導通をよりいっそう確実にする。
【0079】したがって、本変形態様の積層圧電体で
は、最下段の圧電ブロック2の両外部電極41,42が
両電源接続部412,422を兼用するので、特別に電
源接続部を形成する工程を要せず、工数低減になる。そ
の結果、本変形態様の積層圧電体によれば、リード線等
の接続手段を積層圧電体に設けることなく、駆動電源と
の導通が確実に取れるので、積層圧電体がよりいっそう
安価でより信頼性の高いものになるという効果もある。
【0080】〔実施例2〕 (実施例2の構成)本発明の実施例2としての積層圧電
体は、再び図1に示すように、実施例1とほとんど同様
に見える断面形状をしている。すなわち、本実施例の積
層圧電体は、両端のダミーブロック1に挟持されて圧電
ブロック2が4個が積層された積層体を中心に構成され
ている。同積層体の両外部電極41,42には、それぞ
れリード線51,52が接合されており、上記積層体の
四方の側面および両リード線51,52の先端部は、熱
収縮性の絶縁チューブ3で覆われている。
【0081】本実施例の積層圧電体の構成が実施例1と
異なる点は、4個の圧電ブロック2の全ての両外部電極
41,42が、隣接する圧電ブロック2の外部電極4
1,42にそれぞれ連続している点である。すなわち、
実施例1のように各圧電ブロック2にそれぞれ独立して
外部電極41,42が形成されているのではなく、圧電
ブロック2が4個積層された積層体の両側面に、それぞ
れ連続した外部電極41,42が一体に形成されてい
る。したがって、互いに隣接する圧電ブロック2の間
に、外部電極41,42の接続面91,92は存在せ
ず、両者の接続部410,420が一体になって連続し
ている。
【0082】(実施例2の作用)本実施例の積層圧電体
では、積層された全ての圧電ブロック2の両外部電極4
1,42がそれぞれ連続して導通している。したがっ
て、外部電極41,42の一部分に電圧が印加される
と、全ての圧電ブロック2の両側面を覆う外部電極4
1,42全体にそれぞれ電位が伝播する。各外部電極4
1,42は、それぞれ各内部電極71,72に導通して
いるので、圧電板61に電圧が印加されて各圧電ブロッ
クは伸縮作用を発揮し、積層圧電体はアクチュエータと
して作用する。
【0083】(実施例2の製造方法)本実施例の積層圧
電体の製造方法では、前半の(1)積層焼結工程および
(2)側面形成工程は実施例1同様であって、後半の
(3)ブロック積層工程および(4)外部電極形成工程
だけが実施例1と異なっている。したがって、ここでは
上記後半の2工程のみについて説明する。
【0084】(3)ブロック積層工程 本工程では、図12(a)に示す焼結後のペレット6
が、伸縮面60に少量の接着剤をつけて4個積層され、
積層体を構成する。その際には、図12(b)に示すよ
うに、同じ内部電極41,42の端面が露出した各側面
40が同一面になるよう方向を合わせて積層される。 (4)外部電極形成工程 図12(c)に示すように、前述のペレット6の積層体
の両側面40に導電ペーストが塗布されて焼成され、第
1外部電極41Cおよび第2外部電極42Cがそれぞれ
連続して一体に形成される。両外部電極41C,42C
は、図1中の外部電極41,42がそれぞれ接合面なし
に連続しているものと解釈されたい。導電ペーストが塗
布される際には、適正な圧力が塗布された導電ペースト
にかけられていると、各ペレット6の間の窪み41
0’,420’の中にも導電ペーストが充填され、外部
電極41,42の連続性がいっそう確実なものとなる。
なお、上記積層体の上下両端面9の一部には、外部電極
41,42の端部が露出して接続面91,92を形成し
ている。
【0085】以上の工程で製造される外部電極41,4
2つきの積層体の両端にダミーブロック1が接着されて
積層される。そして、二本のリード線51,52がそれ
ぞれ外部電極41C,42Cに接続され、さらに絶縁チ
ューブ3で被覆されて、本実施例の積層圧電体が完成す
る。 (実施例2の効果)以上詳述した本実施例の積層圧電体
の製造工程によれば、個々のペレット(焼結ブロック)
6に導電ペーストが塗布焼成されて外部電極41,42
をもつ圧電ブロック2(図2参照)が個々に形成される
必要がない。
【0086】逆に、複数個のペレット6が積層された積
層体の両側面40に、いきなり連続した外部電極41
C,42Cが形成されるので、導電ペーストの塗布およ
び硬化は一度に済む。それゆえ、本製造方法によれば、
よりいっそう安価に積層圧電体を製造することが可能に
なるという効果がある。また、隣接する焼結ブロック
(ペレット6)の間で、両外部電極41C,42Cがそ
れぞれ連続しているので、導通がよりいっそう確実にな
るという効果もある。
【0087】すなわち、本実施例の製造方法によれば、
信頼性の高いスリムな積層圧電体をよりいっそう安価に
製造することが可能になるという効果がある。 (実施例2の各種変形態様)本実施例の積層圧電体につ
いても、前述の実施例1に対する変形態様1〜5に相当
する構成の各種変形態様を取りうる。これら変形態様の
作用効果も、実施例1の各種変形態様に相当するものが
発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の積層圧電体の全体構成を示す垂直
断面図
【図2】 実施例1の圧電ブロックの構成を示す垂直断
面図
【図3】 実施例1の圧電ブロックの構成を示す水平断
面図(図2中のIII−III断面図)
【図4】 実施例1の圧電ブロックの端面の形状を示す
平面図
【図5】 変形態様1の圧電ブロックの構成を示す垂直
断面図
【図6】 変形態様1の圧電ブロックの構成を示す水平
断面図(図5中のVI−VI断面図)
【図7】 変形態様2の圧電ブロックの構成を示す垂直
断面図
【図8】 変形態様3の圧電ブロックの構成を示す垂直
断面図
【図9】 変形態様3の圧電ブロックの端面の形状を示
す平面図
【図10】変形態様4の積層圧電体の全体構成を示す垂
直断面図
【図11】変形態様5の積層圧電体の全体構成と取付け
を示す垂直断面図
【図12】実施例2の積層圧電体の製造方法を示す組図 (a)側面形成工程後の圧電ブロックの構成を示す縦断
面図 (b)ブロック積層工程後の積層圧電体の構成を示す縦
断面図 (c)外部電極形成工程後の積層圧電体の構成を示す縦
断面図
【符号の説明】
1:ダミーブロック 2,2’,2”:圧電ブロック 3:絶縁チューブ 4:絶縁ケース 40:側面 41,41’,41”:第1外部電極 42,42’,42”:第2外部電極 410:第1接続部分 411:第1金属膜部 4
12:第1電源接続部 420:第2接続部分 421:第2金属膜部 4
22:第2電源接続部 50:導通部分 51,52:リード線 51’,
52’:外部端子 6:ペレット 60:伸縮面 61:圧電板 62:非印加部 62’:折り返し
部 71:第1内部電極 72:第2内部電極 9:端面 90:凹部 91:第1接続面 9
2:第2接続面

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚み方向に積層された複数の圧電板と、該
    圧電板の間に交互に挿置された第1内部電極および第2
    内部電極と、該第1内部電極に導通し該圧電板の一側面
    を覆う第1外部電極と、該第2内部電極に導通し該圧電
    板の他の一側面を覆う第2外部電極とを有する複数の圧
    電ブロックが、該圧電板の積層方向に積層されている積
    層圧電体において、 前記第1内部電極は前記圧電板の一側端を含み残る3側
    端から間隔を隔てて中央部を覆うように、かつ前記第2
    内部電極は前記圧電板の他の一側端を含み残る3側端か
    ら間隔を隔てて中央部を覆うように挿置されており、 前記圧電板、前記第1内部電極及び前記第2内部電極が
    積層焼結された圧電ブロックの積層方向の両端面の外周
    縁部は中央部に対して凹部となり、 前記第1外部電極および前記第2外部電極は、前記圧電
    ブロックが積層されて隣接する他の前記圧電ブロックと
    当接する端面の互いに背向する前記一側端及び前記他の
    一側端にある前記凹部を埋めてさらに前記端面の中央部
    より突出する第1接続部および第2接続部を有し、該第
    1接続部を有する該第1外部電極および該第2接続部を
    有する該第2外部電極はそれぞれ一体的に導電ペースト
    から形成されていることを特徴とする積層圧電体。
  2. 【請求項2】互いに積層されて隣接する各前記圧電ブロ
    ックの前記第1接続部および前記第2接続部は、それぞ
    れ互いに当接して導通している請求項1記載の積層圧電
    体。
  3. 【請求項3】前記第1外部電極は、前記第1内部電極に
    接続している第1金属膜部をもち、前記第2外部電極
    は、前記第2内部電極に接続している第2金属膜部をも
    っている請求項1記載の積層圧電体。
  4. 【請求項4】前記第1金属膜部および前記第2金属膜部
    は金の薄膜よりなることを特徴とする請求項3記載の積
    層圧電体。
  5. 【請求項5】前記第1外部電極および前記第2外部電極
    は、前記積層圧電体の積層方向の両端面のうち少なくと
    も一方の一部に、それぞれ該各外部電極と連続して前記
    導電ペーストから形成されている第1電源接続部および
    第2電源接続部を有する請求項1記載の積層圧電体。
  6. 【請求項6】前記第1外部電極および前記第2外部電極
    にそれぞれ導通している二本のリード線と、 該両リード線が該両外部電極に導通しているそれぞれの
    導通部分を、両該外部電極に押圧付勢している熱収縮性
    の絶縁チューブと、 を有する請求項1記載の積層圧電体。
  7. 【請求項7】前記第1外部電極および前記第2外部電極
    にそれぞれ導通しているとともに、前記積層圧電体の一
    端から一部が突出している金属製の二本の外部端子と、 各該外部端子の他の一部を該第1外部電極および該第2
    外部電極にそれぞれ押圧付勢して保持している熱収縮性
    の絶縁チューブおよび絶縁性ケースのうちいずれかと、 を有する請求項1記載の積層圧電体。
  8. 【請求項8】厚み方向に積層された複数の圧電板と、該
    圧電板の間に交互に挿置された第1内部電極および第2
    内部電極と、該第1内部電極に導通し該圧電板の一側面
    を覆う第1外部電極と、該第2内部電極に導通し該圧電
    板の他の一側面を覆う第2外部電極とを有する複数の圧
    電ブロックが、該圧電板の積層方向に積層されている積
    層圧電体の製造方法であって、 (1)圧電効果を有する複数の前記圧電板と、該圧電板
    の間に交互に挿置された前記第1内部電極および前記第
    2内部電極とが、厚み方向に積層されて焼結される積層
    焼結工程と、 (2)該第1内部電極の一端が露出する前記一側面と、
    該第2内部電極の一端が露出する前記他の一側面とが形
    成される側面形成工程と、 (3)前記の二つの側面と両該側面に連続している積層
    方向の両端面の一部とに導電ペーストが塗布されて、該
    ペーストから該第1外部電極および該第2外部電極が形
    成される外部電極形成工程と、 (4)以上の工程で製造された複数の圧電ブロックが、
    互いに隣接する端面の一部に形成されている第1内部電
    極の端面および第2内部電極の端面がそれぞれ互いに当
    接する方向で、前記圧電板の積層方向に積層されるブロ
    ック積層工程と、 を有することを特徴とする積層圧電体の製造方法。
  9. 【請求項9】厚み方向に積層された複数の圧電板と、該
    圧電板の間に交互に挿置された第1内部電極および第2
    内部電極と、該第1内部電極に導通し該圧電板の一側面
    を覆う第1外部電極と、該第2内部電極に導通し該圧電
    板の他の一側面を覆う第2外部電極とを有する複数の圧
    電ブロックが、該圧電板の積層方向に積層されている積
    層圧電体の製造方法であって、 (1)圧電効果を有する複数の前記圧電板と、該圧電板
    の間に交互に挿置された前記第1内部電極および前記第
    2内部電極とが、厚み方向に積層されて焼結される積層
    焼結工程と、 (2)該第1内部電極の一端が露出する前記一側面と、
    該第2内部電極の一端が露出する前記他の一側面とが形
    成される側面形成工程と、 (3)以上の工程で製造された圧電ブロックが複数個、
    互いに隣接する該圧電ブロックの前記の二つの側面をそ
    れぞれ略同一面に合わせて、前記圧電板の積層方向に積
    層されるブロック積層工程と、 (4)前記の二つの側面に導電ペーストが塗布されて、
    該ペーストから該第1外部電極および該第2外部電極が
    それぞれ連続して一体に形成される外部電極形成工程
    と、 を有することを特徴とする積層圧電体の製造方法。
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