JP3533464B2 - 無機塩類を増強させた食塩および苦汁とその製造方法 - Google Patents

無機塩類を増強させた食塩および苦汁とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水を主原料と
し、副原料として無機のアンモニウム塩を海水に溶解さ
せた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用さ
せることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を
増強させた海水、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩および
リン酸塩を増強させた海水を製造する。次にこれを濃縮
して折出する塩類を分離して食塩および苦汁を得、ある
いは上記の無機塩類を増強させた海水をボーメ10〜3
3度、好ましくはボーメ15〜28度に濃縮したものに
食塩を添加し、これを蒸発乾固させて食塩を得、さらに
は上記の苦汁を脱水・乾燥して苦汁の乾燥物を製造し、
畜肉あるいは魚肉食品の製造において調味性と発色性、
あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材
を提供することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】調理あるいは食品加工の分野において、
食塩は最も基本的な調味素材であって、味付けのみなら
ず栄養上さらには食品の保蔵上からも重要な意味をもっ
ている。このような観点から、近年は塩化ナトリウム以
外に多くのミネラルを含有する天然海塩や、天然海塩の
製造時に副生する苦汁が脚光を浴びている。
【0003】他方、食品にあっては食味は第一義的に必
要なものではあるが、食品の色調と食感は食欲をかきた
てるのに大きい役割をもっており、購買意欲を左右する
重要なものの一つである。魚介類や畜肉類の色調は鮮度
の指標となっており、好ましい色調とするために、加工
食品にあっても、たとえば魚肉ハム、魚肉ソーセージ、
いくら、すじこ、畜肉ハム、畜肉ソーセージ等には発色
剤として、一定量の硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウムの使用が認められている。また食感を
左右する大きい因子の一つである結着性を高めるための
結着剤として種々のリン酸塩の使用が認められている。
【0004】このように天然海塩、苦汁、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムあるいは種々のリ
ン酸塩は食品加工素材として広く使用されているが、こ
れらはいずれも単独の使用では調味性と発色性、あるい
は調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材として
使用することはできない。
【0005】また、海洋や土壌の自然界における窒素化
合物の循環系において生成する亜硝酸塩あるいは硝酸塩
を食品加工工程に利用しようとする試みも全くなされて
いない。また、海水中あるいは土壌中に存在する硝化バ
クテリアの食品製造への積極的な利用もほとんど行われ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これま
で食品加工において調味性と発色性、あるいは調味性、
発色性および結着性を兼ね備えた資材に着目し、研究開
発を行ってきた。この研究開発において海水中に存在し
ている硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸態リンを濃縮して
利用することを検討したが、この方法では硝酸塩、亜硝
酸塩およびリン酸態リンの濃度に限界があった。しかも
香味の点で問題があり、このため食品加工に使用できる
調味性と発色性あるいは調味性、発色性および結着性を
兼ね備えた資材の開発が解決すべき課題となった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、鋭意研究を重ねた結果、主原料である海
水に副原料として無機のアンモニウム塩を海水に溶解さ
せた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用さ
せることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を
増強させた海水を製造する。この海水を天日下でシャワ
ー方式あるいは平釜中で加熱し、ボーメ13度まで濃縮
した後さらに平釜に移して加熱し、途中析出してくるカ
ルシウム塩を除去しながらボーメ28度まで濃縮する。
濃縮後常温まで冷却し、沈殿してくる食塩部分と上層の
液相部(苦汁部分)を濾過、ポンプ吸引、傾寫(けいし
ゃ)等の物理的手段によって食塩と苦汁を分取する。こ
の様にしてカルシウム塩を除去しながら析出する食塩を
分離することによって無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い
濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができた。ま
た上記の無機のアンモニウム塩としてリン酸一アンモニ
ウムおよびまたはリン酸二アンモニウムを使用すること
によって無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃
度に含有する食塩および苦汁を得ることができた。さら
に、この苦汁を脱水・乾燥して、使用に便利な苦汁乾燥
物とすることができた。
【0008】また、上記の無機硝酸塩および亜硝酸塩を
増強させた海水、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩および
リン酸塩を増強させた海水をボーメ10〜33度、好ま
しくはボーメ15〜28度に濃縮したものに食塩を添加
し、これを濃縮して折出するカルシウム塩を除去して、
蒸発乾固させることによって無機硝酸塩および亜硝酸塩
を高い濃度に含有する食塩あるいは無機硝酸塩、亜硝酸
塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩を得ること
によって上記の課題を解決できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明においては主原料として海水
を使用する。海水中には多くのミネラルがバランスよく
含まれている。したがって、海水を蒸発・濃縮して得ら
れる天然海塩は精製塩とは異なって、調味性の極めて強
いものである。また天然海塩の製造時に折出してくる塩
類を分離して得られる苦汁にも同様に多くのミネラルが
含まれている。このため、天然海塩および苦汁は調味性
を付与する目的で農産加工、水産加工、畜産加工等のさ
まざまな分野で広く使用されている。
【0010】他方、海水中にはプランクトンをはじめと
する種々の生物体や有機物の分解によって生成するアン
モニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素およびリン酸
態リンが存在している。例えば表層水ではそれぞれが
0.0099ppm、0.0055ppm、0.005
5ppmおよび0.002ppmであり、また−350
mの深層水ではそれぞれが0.0021ppm、0.2
930ppm、0.0003ppmおよび0.065p
pmである。また総窒素は表層水0.3387ppm、
深層水0.7199ppmである(土肥ら;静岡工技セ
ンター報告〈1999〉)が、この程度の濃度では、た
とえば食塩と苦汁を分離するボーメ28度まで濃縮して
も硝酸態窒素、亜硝酸態窒素のいずれも30〜35倍に
なるに過ぎず、目的を達することはできない。
【0011】海水中では、これらの窒素化合物の循環は
微生物によって行われている。即ち、有機態窒素からア
ンモニア態窒素、亜硝酸塩、硝酸塩へと分解された後、
微生物に摂取されて菌体を構成する有機態窒素に、ある
いはその逆反応によって同様に有機態窒素に変化してい
る。この一連の循環において硝化バクテリアは重要な役
割を演じている。即ち、NitromonasおよびN
itorosococcusはアンモニア態窒素を亜硝
酸塩に、またNitrobacterは亜硝酸塩から硝
酸塩への変換に関与するとされている。したがって、海
水中に存在しているこれらの硝化バクテリア、さらには
土壌中あるいは淡水中に存在している硝化バクテリアを
使用することによって、硫酸アンモニウムをはじめとす
る無機アンモニウム塩を亜硝酸塩を経て硝酸塩へと効率
よく分解することができる。またアンモニウム塩とし
て、特にリン酸態リンを含んだリン酸一アンモニウムあ
るいはリン酸二アンモニウムを使用することによって、
無機の硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に効率よ
く製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による主原料である海水に
対して、無機硝酸塩、亜硝酸塩を生成させるための副原
料として、硫酸アンモニウムをはじめとする無機アンモ
ニウム塩を加えて溶解させた後、硝化バクテリアを作用
させることによって海水中に無機硝酸塩および亜硝酸塩
を増強させることができる。また無機アンモニウム塩と
して、リン酸態リンを含んだリン酸一アンモニウムある
いはリン酸二アンモニウムを使用することによって、無
機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に増強させる
ことができる。続いて、これらの海水を天日下でシャワ
ー方式あるいは平釜中で加熱し、ボーメ13度まで濃縮
した後さらに平釜に移して加熱し、途中析出してくるカ
ルシウム塩を除去しながらボーメ28度まで濃縮する。
濃縮後常温まで冷却し、沈殿してくる食塩部分と上層の
液相部(苦汁部分)を濾過、ポンプ吸引、傾寫(けいし
ゃ)等の物理的手段によって食塩と苦汁を分取する。こ
の様にしてカルシウム塩を除去しながら析出する食塩を
分離することによって無機硝酸塩および亜硝酸塩を高濃
度に含有する食塩および苦汁、あるいは無機の硝酸塩、
亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に高濃度に含有する食塩
および苦汁を得ることができる。
【0013】これとは別に、無機硝酸塩および亜硝酸
塩、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増
強させた海水をボ−メ10〜33度、好ましくはボーメ
15〜28度に濃縮したものに食塩を添加し、これを濃
縮して折出するカルシウム類を除去して、蒸発乾固させ
て無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩
あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃
度に含有する食塩を得ることができる。
【0014】さらにこれらの苦汁を脱水・乾燥すること
によって、粒状もしくは粉末状の苦汁乾燥物を得ること
ができる。
【0015】海水は清浄度の高いものであれば表層水、
深層水のいずれでもよく、物理的濾過によって浮遊物お
よび沈降物を除去して使用する。
【0016】無機硝酸塩、亜硝酸塩を生成させるための
副原料としては、硫酸アンモニウムが好ましく、このほ
か無機のアンモニウム塩を海水に溶解し、好気的状態に
保持して硝化バクテリアを作用させる。水温は10〜4
5℃、好ましくは20〜35℃である。
【0017】無機のアンモニウム塩として硫酸アンモニ
ウムを使用する場合には、海水中に20〜500pp
m、好ましくは50〜200ppmの濃度となるように
添加する。その他のアンモニウム塩では10〜300p
pm、好ましくは30〜150ppmである。
【0018】リン酸一アンモニウムあるいはリン酸二ア
ンモニウムを使用する場合には、海水中に30〜400
ppm、好ましくは50〜200ppmである。
【0019】また、硝化バクテリアは無機のアンモニウ
ム塩の濃度が高い場合、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩等
への分解速度が低下するため、上記の好ましい濃度に保
つように栄養源を連続的に添加して硝酸塩、亜硝酸塩、
リン酸塩等の濃度をさらに高めることができる。
【0020】硝化バクテリアとしては、海水中にNit
romonus,Nitrosococcus,Nit
robacter等が存在しており、その作用による無
機のアンモニウム塩からの無機の亜硝酸塩、硝酸塩への
分解を利用する。またリン酸一アンモニウムあるいはリ
ン酸二アンモニウムを使用する場合には、無機の硝酸
塩、亜硝酸塩と同時にリン酸塩が生成されることを利用
する。このほか土壌中に存在する硝化バクテリア、ある
いは単離された硝化バクテリアも使用できるが、いずれ
も海水中で作用させることが必要である。
【0021】このようにして得られる食塩および苦汁は
無機硝酸塩および亜硝酸塩、あるいは硝酸塩、亜硝酸塩
およびリン酸塩を高濃度に含有している。苦汁は真空凍
結乾燥、噴霧乾燥等によって乾燥を行い、粒状あるいは
粉状の乾燥物とすることができる。
【0022】以下実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0023】実施例1 海水100lに硫酸アンモニウムを10g溶解し、水温
を20℃に保って通気を48時間行って硝酸塩45.2
ppm、亜硝酸塩3.2ppm、を含む海水を得た。こ
の海水を天日下でシャワー方式によってボーメ13度ま
で濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくる
カルシウム塩を除去しながらボーメ28度まで濃縮し
て、冷却沈殿してくる食塩部と上層の液相部を木綿布を
用いて濾別し、これによって硝酸根290ppm、亜硝
酸根3.2ppmを含む食塩3.15kgおよび硝酸根
1,320ppm、亜硝酸根20.2ppmを含む苦汁
2.8lを得た。この食塩および苦汁にはアンモニアは
検出されなかった。
【0024】実施例2 海水100lにリン酸一アンモニウム8gおよびリン酸
二アンモニウム8gを溶解し、水温を20℃に保って通
気を48時間行って硝酸根88.1ppm、亜硝酸根
4.1ppmおよびリン酸根55.2ppmを含む海水
20.0lを得た。この海水をボーメ16度に濃縮した
ものに食塩2.0Kgを溶解し、平釜に移して加熱し、
途中折出してくるカルシウム塩を除去しながら蒸発乾固
して、硝酸根330ppm、亜硝酸根1.1ppm、リ
ン酸根196ppmを含む食塩22.3Kgを得た。こ
の食塩にはアンモニアは検出されなかった。
【0025】実施例3 海水100lに硫酸アンモニウムを20g溶解し、水温
を20℃に保って通気を行ない、以後12時間ごとに硫
酸アンモニウムを5gつ添加し、72時間後に硝酸根
540ppm、亜硝酸根35.0ppm、を含む海水を
得た。この海水を天日下でシャワー方式によってボーメ
13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出
してくるカルシウム塩を除去しながらボーメ28度まで
濃縮した後ポンプを用いて上層の苦汁を分別し、硝酸根
3,500ppm、亜硝酸根97.3ppmを含むpH
7.6の食塩3.05Kgおよび硝酸根13,300p
pm、亜硝酸根210ppmを含むpH7.4の苦汁
2.9lを得た。この食塩および苦汁にはアンモニアは
検出されなかった。
【0026】実施例4 実施例で得られた硝酸根3,500ppm、亜硝酸根
97.3ppmを含む食塩2kgを豚の整形肉100k
gに混合し、6mmのチョッパーで挽き、ブラックペッ
パー、コリアンダー等の混合香辛料と10Kgの冷水を
加え、5分間ミキサーで練った。これをファイブラスケ
ーシング及び羊腸に充填し、ステンレス竿に吊るし、ス
モークチャンバーにて、熟成を45℃で30分間、乾燥
を60℃で30分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を
75℃で45分間(中心温度63℃で30分間クリア
−)加熱処理した。その後シャワーリングで10分間急
冷した後、5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるま
で冷却し、食肉製品(ソーセージ)として仕上げた。こ
れをスライスし、パネル20名で官能評価を行ったとこ
ろ、風味・色調及び食感が極めて良好であった。また亜
硝酸根の測定を行ったところ、3.7ppmと極めて低
い数値となった。(豚肉をそのまま精製塩2%にて同等
の加熱処理を行ったものは4ppmであった。)
【0027】実施例 実施例で得られた硝酸根3,500ppm、亜硝酸根
97.3ppmを含む食塩2.5Kgを豚の肩肉100K
gに混合し、4℃の冷蔵庫に120時間漬け込み、流水
にて塩抜きした後、これをファイブラスケーシングに充
填し、結束したのち、熟成を45℃で40分間、乾燥を
60℃で60分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を8
0℃で120分間(中心温度63℃で30分間クリア
ー)加熱処理した。その後シャワーリングで10分間急
冷した後、5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるま
で冷却し、食肉製品(ハム)として仕上げた。これをスラ
イスし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味
・色調及び触感が極めて良好であった。また亜硝酸根の
測定を行ったところ、5ppmと極めて低い数値となっ
た。(豚肉をそのまま精製塩2.5%にて同等の加熱処
理を行ったものは4ppmであった。)
【0028】実施例 豚の整形肉100Kgに実施例で得られた食塩2Kg
及び苦汁0.3Kgを混合しブラックペッパー、コリア
ンダー等の混合調味料及び砂糖・調味料と15Kgの冷
水を加え、サイレントカッターを用いてソーセージエマ
ルジョンになるまで乳化混合を行った。これを羊腸及び
コラーゲンケーシングに充填し、ステンレス竿につるし
た後、スモークチャンバーにて熟成を45℃で30分
間、乾燥を60℃で30分間、燻煙を65℃で15分
間、蒸煮を75℃で45分間(中心温度65℃で30分
間クリアー)加熱処理した。その後、シャワーリングで
10分間急冷した後、5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以
下になるまで冷却し、食肉製品(ウインナー)として仕
上げた。これをボイルし、パネル20名で官能評価を行
ったところ、風味・色調及び触感が極めて良好であっ
た。なお、対照区として食塩2.0%亜硝酸ナトリウム
0.01%を使用したリン酸無添加のものは、結着力が
試験区に比べ著しく劣った。
【0029】
【発明の効果】本発明によって以下の効果がもたらされ
る。
【0030】海水中に無機のアンモニウム塩を溶解さ
せ、硝化バクテリアの作用によって硝酸塩及び亜硝酸塩
を海水中に高濃度に含有する海水が得られ、これを用い
て海水中に含まれている各種のミネラルは勿論のこと、
硝酸塩及び亜硝酸塩を高濃度に含有する食塩及び苦汁が
得られる、これを使用する事によって調味性と発色性に
優れた食肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することが
できる。
【0031】また、無機のアンモニウム塩として、リン
酸一アンモニウム及び/または、リン酸二アンモニウム
を用いることによって、硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩
を高濃度に含有する食塩及び苦汁が得られる。これを使
用する事によって、調味性、発色性及び結着性にすぐれ
た食肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができ
る。
【0032】また、海水に添加する無機のアンモニウム
塩等の含窒素副原料あるいは無機リン酸塩の濃度を制御
することによって、必要とする濃度の硝酸塩及び亜硝酸
塩、あるいは硝酸塩・亜硝酸塩及びリン酸塩を含んだ食
塩及び苦汁を得ることができる。
【0033】また、硝酸塩及び亜硝酸塩を高濃度に含む
食塩及び苦汁と、硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を高濃
度に含む食塩及び苦汁を種々の割合で混合することによ
って、望ましい硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩の濃度の
食塩及び苦汁を調整することができ、これを使用するこ
とによって種々の調味性・発色性及び結着性をもった食
肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/20 A23L 1/304 A23L 1/31 - 1/325

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海水を主原料とし、副原料として無機のア
    ンモニウム塩を海水に溶解させた後、好気的条件下にお
    いて硝化バクテリアを作用させることによって得られる
    無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水を濃縮して
    折出する塩類を分離して得ることを特徴とする食塩また
    苦汁。
  2. 【請求項2】海水を主原料とし、副原料として無機のア
    ンモニウム塩を海水に溶解させた後、好気的条件下にお
    いて硝化バクテリアを作用させることによって得られる
    無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水を濃縮して
    折出する塩類を分離して得ることを特徴とする食塩また
    苦汁の製造方法。
  3. 【請求項3】海水を主原料とし、副原料としてリン酸一
    アンモニウムおよび/またはリン酸二アンモニウムを海
    水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリ
    アを作用させることによって得られる無機硝酸塩、亜硝
    酸塩およびリン酸塩を増強させた海水を濃縮して折出す
    る塩類を分離して得ることを特徴とする食塩または
    汁。
  4. 【請求項4】海水を主原料とし、副原料としてリン酸一
    アンモニウムおよび/またはリン酸二アンモニウムを海
    水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリ
    アを作用させることによって得られる無機硝酸塩、亜硝
    酸塩およびリン酸塩を増強させた海水を濃縮して折出す
    る塩類を分離して得ることを特徴とする食塩または苦汁
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載する副原料にリン酸一アン
    モニウムおよび/またはリン酸二アンモニウムを加える
    ことを特徴とする食塩または苦汁。
  6. 【請求項6】請求項1に記載する副原料にリン酸一アン
    モニウムおよび/またはリン酸二アンモニウムを加える
    ことを特徴とする食塩または苦汁の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載する無機硝酸塩および亜硝
    酸塩を増強させた海水、または請求項3および5に記載
    する無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた
    海水をボーメ10〜33度に濃縮したものに食塩を添加
    し、これを濃縮して折出するカルシウム塩を除去して、
    蒸発乾固させて得ることを特徴とする食塩。
  8. 【請求項8】請求項1に記載する無機硝酸塩および亜硝
    酸塩を増強させた海水、または請求項3および5に記載
    する無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた
    海水をボーメ10〜33度に濃縮したものに食塩を添加
    し、これを濃縮して折出するカルシウム塩を除去して、
    蒸発乾固させて得ることを特徴とする食塩の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1,3,5の苦汁を脱水・乾燥して得
    られる苦汁の乾燥物。
  10. 【請求項10】硝化バクテリアとして、海水中に存在す
    る硝化バクテリアおよび/または土壌あるいは淡水中に
    存在する硝化バクテリアを使用する請求項1,3,5,7
    に記載する食塩または苦汁。
  11. 【請求項11】硝化バクテリアとして、海水中に存在す
    る硝化バクテリアおよび/または土壌あるいは淡水中に
    存在する硝化バクテリアを使用する請求項2,4,6,8
    に記載する食塩または苦汁の製造方法。
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