JP3531871B2 - スロープ構造体 - Google Patents

スロープ構造体

Info

Publication number
JP3531871B2
JP3531871B2 JP2002096347A JP2002096347A JP3531871B2 JP 3531871 B2 JP3531871 B2 JP 3531871B2 JP 2002096347 A JP2002096347 A JP 2002096347A JP 2002096347 A JP2002096347 A JP 2002096347A JP 3531871 B2 JP3531871 B2 JP 3531871B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
slope structure
plan
view
building
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002096347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003221908A (ja
Inventor
邦夫 渡辺
武 葛貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP2002096347A priority Critical patent/JP3531871B2/ja
Publication of JP2003221908A publication Critical patent/JP2003221908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3531871B2 publication Critical patent/JP3531871B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steps, Ramps, And Handrails (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物に適用され
る、人や車椅子が移動するためのスロープ構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会を迎え、各種公共施設をはじ
め、住宅においても戸建て住宅・集合住宅を問わず、バ
リアフリー仕様の物件が提供されている。行政において
も、公共性の高い建物は勿論のこと、集合住宅について
も、新築建物や増築・大規模改修建物に対してバリアフ
リー仕様(特に共用部)の指導を行っている。バリアフ
リーの配慮がなされることにより、障害をもつ人や車椅
子を使用する人でも不自由のない生活ができるようにな
りつつある。
【0003】しかし、日常生活はともかく、地震や火災
等の災害時、非常時の避難については十分な配慮がなさ
れているとはいえない。例えば、高層の集合住宅におい
て、建物の避難設備としては、一般に避難階段が挙げら
れる。通常のエレベーターは停電により止まる等の問題
があり、また、非常用のエレベータは基本的には消火・
救助用として使用されるため、避難用としては利用しな
いことになっている。
【0004】避難階段は、健常者にとっては問題はない
が、車椅子での利用は不可能であり、身体障害者や高齢
者等にとっては利用しにくい。このため、非常時の安全
性が十分に確保されているとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
考慮してなされたもので、高層住宅等の多層建物に有効
に適用することができ、非常時の安全性を十分に確保す
ることができ、かつ限られた設置領域内に、効率的かつ
コンパクトに設置可能なスロープ構造体を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 建物の上下方向に複
数階にわたって配置されるスロープ構造体であって、建
物の共用床部に連絡し、かつ上り及び下りの斜路部双方
に接続する出入床部と、上下階の間に配置した平面視重
ならない3本以上の斜路部と、これらの斜路部を結んで
進路を変える連結床部とを有し、上下階の間において、
連結床部同士、並びに、連結床部と出入床部とを、平面
視重ならないように位置をずらして構成したスロープ構
造体である。 (2) 上記(1) において、上下階の間に平面視並列させて
配置した4本以上の斜路部と、複数本の斜路部を挟んで
平面視最も外側に配置された斜路部の端部同士を結んで
大転回部を形成する出入床部と、隣り合う斜路部の端部
同士を結んで進路を順次反転させる複数の連結床部とを
有するものとした。 (3) 上記(2) において、出入床部を、出入床部側に位置
する連結床部の平面視外側を迂回する床平面形となし、
出入床部側に位置する連結床部及び出入床部に、ほぼ階
高に相当する上下方向の空間を形成した。 (4) 上記(1) において、上下階の間に平面視並列させて
配置した4本以上の斜路部と、隣り合う斜路部の端部同
士を結んで進路を反転させる出入床部とを有するととも
に、連結床部は、出入床部と反対側に位置し、かつ複数
本の斜路部を挟んで平面視最も外側に配置された斜路部
の端部同士を結んで大転回部を形成する連結床部と、出
入床部側に位置し、かつ隣り合う斜路部の端部同士を結
んで小転回部を形成する連結床部と、出入床部と反対側
に位置し、かつ隣り合う斜路部の端部同士を結んで内小
転回部を形成する連結床部とを有するものとした。 (5) 上記(4) において、大転回部を形成する連結床部
を、内小転回部を形成する連結床部の平面視外側を迂回
する床平面形となし、これらの連結床部それぞれに、ほ
ぼ階高に相当する上下方向の空間を形成した。 (6) 上記(4) 又は(5) において、上下階の各出入床部を
斜路部と連結床部とを介して結ぶ歩行者の動線が、平面
視、U字形と、該U字形に接続し、該U字形の内側又は
外側にほぼ沿い、出入口床部に向かって反転する複U字
形とによって白抜きのU字形に形成されているものとし
た。
【0007】さらに、本発明は、次のような構成を備え
るものとすることができる。 (7) 上下階の各出入床部を斜路部と連結床部とを介して
結ぶ歩行者の動線の軌跡は、平面視、ほぼ凹字形をな
す。 (8) 出入床部は、建物の各階の床面に相当するレベルに
設置されている。 (9) 連結床部は、転回スペースと、移動の際の追い越し
又はすれ違いを楽にする拡張スペースとを有する。 (10)出入床部の共用床部への連絡口を、各階ともほぼ同
じ位置に設けた。 (11)スロープ構造体は、建物の上階又は地下階から避難
階に至る歩行者の避難経路が確保される直通構造に構成
されている。 (12)スロープ構造体は、ほぼ矩形の水平断面形をなし、
上下方向に細長い直方体状のスロープ設置空間に配置さ
れている。 (13)スロープ構造体の長手方向を建物の共用廊下に沿う
方向か、あるいは建物の壁面に沿う方向に配置した。
【0008】(14)建物の上下方向に複数階にわたって配
置されるスロープ構造体であって、平面視並列させて配
置した偶数本の直進部と、該直進部の端部同士を結んで
進路を反転させる転回部とを有し、上記転回部は、直進
部の一方端部において、複数本の直進部を挟んで平面視
最も外側に配置された直進部同士を結ぶ大転回部と、直
進部の他方端部において、隣り合う直進部同士を結ぶ複
数の小転回部と、直進部の一方端部において、異なる小
転回部に他方端部が接続されているが隣り合っている直
進部同士を大転回部と重ならないようにその内側で結ぶ
内小転回部とを有する、スロープ構造体である。
【0009】本発明において、共用床部3は、共用廊
下、エレベータホール、附室その他歩行者の通路となる
共用の床部である。共用とは、居住者を含む歩行者の利
用が非常時に制限されないものであればよい。図面にお
いて歩行者の動線を、矢印を伴う一点鎖線で示してい
る。スロープ構造体1への進入ルートをIN1、避難階
段60への進入ルートをIN2と表示している。
【0010】本発明において、直方体状のスロープ設置
空間に、平面視並列させて配置した3本以上の斜路部を
有する態様で設けたスロープ構造体1の基本形の平面的
な特徴を、図1〜4に基づいて説明する。図1(a)に
示すように、スロープ構造体の平面的設置領域は、長辺
L、短辺Bを有する矩形の平面形として形成されてい
る。この矩形の設置領域を、図1(b)に示すとおり、
長辺L方向の中間部に位置する直進部領域A、長辺L方
向の一方端部に位置して歩行者の進路を反転させるため
の大転回部B、長辺L方向の他方端部に位置して進路を
反転させるための小転回部C、大転回部Bの内側に位置
して進路を反転させるための内小転回部Dとに区分す
る。内小転回部Dは、大転回部Bと重ならないようにそ
の内側に設けられる。また、長辺Lから、少なくとも1
本の直進部の幅Jwを有する接続部J1,J2をおいて
設けられる。接続部J1,J2は、直進部領域Aに配置
される直進部と大転回部Bとを接続する部分となる。図
1(c)に示すとおり、直進部領域Aを、長辺L方向に
沿うように3本以上でかつ偶数本の直進部A1,A2,
A3,A4(図示の例では4本であるが、6本、8本等
でもよい。)に分割する。直進部A1,A2,A3,A
4は、所要の幅員を有する直線状(帯状)の平面形をな
している。直進部A1,A2,A3,A4は、歩行者の
下方への移動を基本的機能とし、基本的には勾配を有す
る斜面として形成される。小転回部Cは、隣り合う2本
の直進部A1・A2及びA3・A4同士を順次接続する
ことにより、複数(直進部の本数×1/2)の小転回部
C1,C2に分割される。異なる小転回部C1,C2に
他方端部が接続されているが隣り合っている直進部A2
・A3の一方端部同士は、内小転回部Dで接続される。
内小転回部Dの数は、小転回部の数−1となる。長辺L
に位置する最外側の直進部A1の一方端部は接続部J1
を介して大転回部Bと接続されるとともに、直進部A1
と反対側の長辺Lに位置する最外側の直進部A4の一方
端部は接続部J2を介して(1階下又は1階上の階に位
置する)大転回部Bと接続される。このようなスロープ
構造を上下方向に連続して設けることにより、長辺L、
短辺Bを有する矩形の平面形の設置領域内に、この設置
領域の寸法に見合ったほぼ矩形の水平断面形をなすスロ
ープ構造体1を効率的かつコンパクトに設けることがで
きる。そして、スロープ構造体1を移動する歩行者の頭
上に常に階高に相当する空間が確保される。設置領域を
効率的に分割することにより形成された直進部A1,A
2,A3,A4、小転回部C1,C2、内小転回部Dの
各部を移動することにより、所定の頭上高さを確保しつ
つ、建物の上下方向に所定の高さ(通常、階高に相当)
移動することができる。
【0011】上記のようにして構成されたスロープ構造
体1において、接続部J1,J2は直進部A1・A4と
大転回部Bとを接続する部分として機能すればよいか
ら、接続部J1,J2は水平面に形成してもよいし、勾
配を有する斜面に形成してもよい。例えば、図2(a)
に示すとおり、接続部J1,J2を大転回部Bの一部を
なすように構成してもよいし、図2(b)に示すとお
り、接続部J1,J2を直進部A1・A4の一部をなす
ように構成してもよいし、図2(c)に示すとおり、一
方の接続部J1を直進部A1の一部をなすように構成
し、他方の接続部J2を大転回部Bの一部をなすように
構成してもよい。
【0012】上記のようにして構成されたスロープ構造
体1の、上下階(Fn+1階とFn階)の間における関
係について、図3〜図4を参照して説明する。図3
(a)は、図2(a)と同じくスロープ構造体1の平面
形を模式的に示すものである。図3(b)は、図3
(a)の平面形において、大転回部Bに、建物の共用床
部との連絡口を設けた例を示すもので、直進部A1,A
2,A3,A4は平面視(図面上)上からこの順で配置
されている。直進部A1,A2,A3,A4はこの順で
下降する傾斜面を形成している。図3(c)も、大転回
部Bの同位置に、建物の共用床部との連絡口を設けた例
を示すものであるが、直進部A1,A2,A3,A4
は、A4,A3,A2,A1の順で下降する傾斜面を形
成している。図3(b)と(c)の両者とも、上下階
(Fn+1階とFn階)の間における歩行者の動線の軌
跡は、平面視、ほぼ凹字形をなすように形成される。図
3(b)に示すものでは、上階から下階に移動する歩行
者の動線は、上階の大転回部B、直進部A1、小転回部
C1、直進部A2、内小転回部D、直進部A3、小転回
部C2、直進部A4の順に引かれて、下階の大転回部B
に到達するので、その動線の軌跡は平面視凹字形を形成
している。図3(c)に示すものは、図3(b)に示す
ものと逆のルートを辿って下降するものであり、上階か
ら下階に移動する歩行者の動線は、上階の大転回部B、
直進部A4、小転回部C2、直進部A3、内小転回部
D、直進部A2、小転回部C1、直進部A1の順に引か
れて、下階の大転回部Bに到達するので、その動線の軌
跡は平面視凹字形を形成している。図3(b)に示すも
のは、後で説明する実施例1(図5)に相当するもの
で、大転回部Bは出入床部10に、直進部A1,A2,
A3,A4は斜路部20,21,22,23に、小転回
部C1は連結床部30に、内小転回部Dは連結床部31
に、小転回部C2は連結床部32にそれぞれ相当してい
る。
【0013】図4(a)は、スロープ構造体1の平面形
を模式的に示すものである。図3(a)の平面形と左右
対称の形をなしている。直進部A1,A2,A3,A4
は平面視(図面上)上からこの順で配置されている。図
4(b)は、図4(a)の平面形において、小転回部C
1に、建物の共用床部との連絡口を設けた例を示すもの
で、直進部A1,A4,A3,A2はこの順で下降する
傾斜面を形成している。図4(c)も、小転回部C1の
同位置に、建物の共用床部との連絡口を設けた例を示す
ものであるが、直進部A1,A2,A3,A4は、A
2,A3,A4,A1の順で下降する傾斜面を形成して
いる。図4(b)と(c)の両者とも、上下階(Fn+
1階とFn階)の間における歩行者の動線の軌跡は、平
面視、ほぼ凹字形をなすように形成される。図4(b)
に示すものでは、上階から下階に移動する歩行者の動線
は、上階の小転回部C1、直進部A1、大転回部B、直
進部A4の順に引かれて先ずU字形を形成し、小転回部
C2で進路を180度転回し、次いで、このU字形の内
側に沿うように、直進部A3、内小転回部D、直進部A
2の順に引かれて下階の小転回部C1に到達する複U字
形が形成される。上記U字形と複U字形とによって白抜
きのU字形を形成している。その動線の軌跡は平面視凹
字形を形成している。図4(c)に示すものは、図4
(b)に示すものと逆のルートで下降するものであり、
上階から下階に移動する歩行者の動線は、上階の小転回
部C1、直進部A2、内小転回部D、直進部A3の順に
引かれて先ずU字形を形成し、小転回部C2で進路を1
80度転回し、次いで、このU字形の外側に沿うよう
に、直進部A4、大転回部B、直進部A1の順に引かれ
て下階の小転回部C1に到達する複U字形が形成され
る。上記U字形と複U字形とによって白抜きのU字形を
形成している。その動線の軌跡は平面視凹字形を形成し
ている。図3(b)(c)と図4(b)と図4(c)の
相違点は、図1(c)の平面形に示す、上下方向に連続
するスロープ構造体1において、大転回部B、小転回部
C1又はC2のいずれの部分で建物の共用床部と連絡さ
せるか、換言すると、大転回部B、小転回部C1又はC
2のいずれの部分を出入床部10として設定するかの相
違であるといえる。なお、直進部A1,A4の途中に
(平面部を形成し)、建物の共用床部と連絡する出入床
部10を設けることも可能である。図4(b)に示すも
のは、後で説明する実施例2(図11)に相当するもの
で、小転回部C1は出入床部10に、直進部A1,A
4,A3,A2は斜路部20,21,22,23に、大
転回部Bは連結床部30に、小転回部C2は連結床部3
1に、内小転回部Dは連結床部32にそれぞれ相当して
いる。図4(c)に示すものは、後で説明する実施例3
(図16)に相当するもので、小転回部C1は出入床部
10に、直進部A2,A3,A4,A1は斜路部20,
21,22,23に、内小転回部Dは連結床部30に、
小転回部C2は連結床部31に、大転回部Bは連結床部
32に、それぞれ相当している。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について実施
例を挙げて説明する。なお、各図において同じ要素には
同じ符号を用い、適宜その説明を省略する場合がある。
【0015】〔実施例1〕図5は、本発明の実施例1に
係るスロープ構造体1の一部を示すもので、(a)は平
面図、(b)は斜視図である。図5(b)は、建物の上
下方向に複数階にわたって配置されるスロープ構造体1
の、上下方向の中間部における上下階(Fn+1階とF
n階)の関係を表している。図6(a)〜(d)に、F
n+1階、並びに、階高h間に位置する各水平レベルM
b,Mc,Mdにおけるスロープ構造体1の平面形を分
割して示す。また、図6(e)に、上下階(Fn+1階
とFn階)におけるスロープ構造体1の側断面を示す。
図5に明らかなとおり、スロープ構造体1は、出入床部
10と、斜路部20,21,22,23と、連結床部3
0,31,32とを有している。そして、スロープ構造
体1は、ほぼ矩形の水平断面形をなし、直方体状のスロ
ープ設置空間(一点鎖線で示す)に配置されている。先
ず、実施例1に基づいて図5〜図8を適宜参照して各要
素の具体的構成を説明し、また、他の実施例を説明して
から、建物への適用について説明する。
【0016】<出入床部>出入床部10は、共用床部4
0から人や車椅子(以下、単に「歩行者」という)が出
入りする場所である。スロープ構造体1の通路(移動
路)の一部をなしている。連絡口(出入口)Eを介して
建物の共用床部40に連絡している。また、上り及び下
りの斜路部双方に接続している(図中、Fn+1階及び
Fn階で、それぞれ斜路部23,20に接続してい
る)。出入床部10は、建物の各階の床面に相当するレ
ベルに設置され、共用床部40と同じレベルに位置して
いる。本発明のスロープ構造体1は、歩行者が移動する
ために使用されるものであって、自動車や2輪自動車の
移動は対象外である。
【0017】各階の出入床部10は、上り及び下りの斜
路部双方に接続されているため、歩行者は、各階の共用
床部40から出入床部10に入った後、斜路部20,2
1,22,23を連結床部30,31,32を介して通
り、下階の出入り床部10に直接移動することができ
る。順次、同一ルートでさらに下階へと移動することが
できる。歩行者は、一旦、共用床部40から出入床部1
0に入ると、スロープ構造体1の内部を移動するだけ
で、目的とする下階(例えば避難階)に到達することが
できる。また、斜路部を上れば、下階から上階への移動
も可能である。避難階段とは別に独立した避難経路を担
保することができる。
【0018】出入床部10は、出入床部10側に位置す
る連結床部31と平面視重ならないように位置をずらし
て構成されている。図示の例では、出入床部10は、出
入床部10側に位置する連結床部31の平面視外側を迂
回する床平面形に形成されている(図ではコ字形)。換
言すると、出入床部10側に位置する連結床部31は、
平面視出入床部10側に重ならないように、出入床部1
0の内側に位置している。これにより、出入床部10側
に位置する連結床部31に、ほぼ階高に相当する上下方
向の空間が形成され、また、上下階(Fn+1階とFn
階)の出入床部10,10間にも、障害物のない階高に
相当する上下方向の空間が形成されている。したがっ
て、移動する歩行者の頭上に十分な高さが確保され、安
全かつスピィーディーな移動が可能となる。車椅子のみ
の移動を見れば、さほどの階高は必要ないものの、十分
な階高がないと介助者や健常者の移動が困難となり、安
全性が得られにくい。
【0019】出入床部10の共用床部40への連絡口E
は、出入床部10の外周部の任意の位置に設けることが
できる。したがって、スロープ構造体1と共用床部40
との平面的配置関係及び出入床部10に出入りする歩行
者の動線は、自由に設定することができる。例えば、ス
ロープ構造体1の斜路部20,21,・・・の延びる方
向(長手方向)を共用廊下40と平行となるように配置
したり、長手方向を共用廊下40と直交するように配置
したりすることができる。また、建物の土地形状に合わ
せてスロープ構造体1を設けることができる。
【0020】出入床部10の連絡口Eは、各階ともほぼ
同じ位置に設けるのが望ましい。各階で所定の位置に連
絡口Eがあれば、どの階でも迷わずに確実に連絡口Eか
ら出入りすることができる。図5の例では、斜路部を4
本並列させて、各階の連絡口Eを各階ともほぼ同じ位置
に設けている。出入床部10への連絡口Eは、必ずしも
すべての階に設けなくてもよい。
【0021】出入床部10は、全体として平坦でなくて
もよい。例えば、図5において、スロープ構造体1の短
手方向の長さBの内、斜路部20,23に接続する部分
を除く出入床部10の中間領域b1に勾配を設けること
ができる。出入床部10の平面形状も限定されるもので
はない。
【0022】<斜路部>本発明は、上下階の間に配置し
た3本以上の斜路部を有する。図5に示す例では、上下
階(Fn+1階とFn階)の間に4本の斜路部20,2
1,22,23を平面視並列させて配置している。4本
の斜路部20,21,22,23は平面視(図面上)上
からこの順で配置されている。斜路部20,21,2
2,23はこの順で下降する傾斜面を形成している。各
斜路部は平面視直進し、平行している。
【0023】スロープは、階段と異なり、勾配が緩やか
でなければ、使用上支障を来す。一方、スロープは勾配
が緩やかなため、移動距離(進行方向の長さ)は必然的
に長くなる。しかし、本発明では、上下階の間に平面視
並列させて配置した3本以上の斜路部を有するように構
成したため、歩行者の頭上高さを確保するとともに、ス
ロープ構造体1の長手方向の長さを短くすることができ
る。また、1階分を昇降するのに必要な総長さをもつ斜
路部を、スロープ構造体1の長手方向の長さに応じて分
割して配置することができる。それゆえ、建物の内部
に、あるいは建物の敷地形状に合わせて建物の外部に、
建物の外観を損なうことなくスロープ構造体を設けるこ
とができる。通常の折り返し階段のように平面視2本並
列した構成では、長手方向の長さが非常に長くなり、建
物の内部に適用することは実際上困難であり、また、建
物の外部に設ける場合でも設置部位が非常に制約され、
外観上も好ましくない。これについては、後の<スロー
プ設置空間>の説明でも述べる。
【0024】1本の斜路部は、車椅子の移動に適した所
要の幅員(例えば1.2m以上)を有する細長い長方形
(直線状)の平面形に形成されており、適度な勾配(例
えば、1/8〜1/20、好ましくは1/12以下)を
有し、1本の斜路部の各端部は出入床部10又は連結床
部30,31,32に接続されている。1本の斜路部の
途中には適宜水平面を設けてもよい。各斜路部の長さは
同じである必要はない。
【0025】<連結床部>連結床部30,31,32
は、それぞれ、並列された隣り合う斜路部(20と2
1、21と22、22と23)の端部同士を結び、また
進路を順次反転させている。つまり、歩行者の進行方向
は、各連結床部30,31,32で180度転回され
る。図5に示す実施例では、前述のとおり、上下階(F
n+1階とFn階)の間に平面視並列させて配置した4
本の斜路部20,21,22,23を設けており、した
がって、上下階(Fn+1階とFn階)の間の階高hを
ほぼ4等分した各水平レベルMb,Mc,Mdに、合計
3つの連結床部30,31,32がそれぞれ位置してい
る。図6(a)〜(d)に、Fn+1階、並びに、階高
h間に位置する各水平レベルMb,Mc,Mdにおける
スロープ構造体1の平面形を分割して示す。また、図6
(e)に、上下階(Fn+1階とFn階)におけるスロ
ープ構造体1の側断面を示す。
【0026】図5,図6に明らかなとおり、上下階(F
n+1階とFn階)の間において、出入床部10の反対
側に位置する連結床部30,32同士、並びに、前述し
たとおり、出入床部10側に位置する連結床部31と出
入床部10とは、平面視重ならないように位置をずらし
て構成されている。したがって、各連結床部30,3
1,32に、障害物のない、ほぼ階高に相当する上下方
向の空間が形成される。これにより、各連結床部30,
31,32には、移動する歩行者の頭上に十分な高さが
確保され、安全かつスピィーディーな転回移動が可能と
なる。なお、各連結床部30,31,32は、通常、ほ
ぼ矩形の平面形に形成されるが、特に限定されるもので
はない。
【0027】図6(b)(d)に示すとおり、出入床部
の反対側に位置する連結床部30,32は、それぞれ、
進路を反転させる転回スペース30a,32aと、移動
の際の追い越し又はすれ違いを楽にする拡張スペースと
30b,32bとを有している。このため、避難の際の
安全性が高い。拡張スペースでは、歩行者が静止して休
むこともできる。出入床部10側に位置する連結床部3
1にも、その面積を十分にとり、このような拡張スペー
スを設けることもできる。
【0028】<スロープ設置空間>スロープ構造体1
は、ほぼ矩形の水平断面形をなし、直方体状のスロープ
設置空間(図5に一点鎖線で示す)に配置されている。
スロープ構造体の設置領域は、直方体状のスロープ設置
空間におけるその平面形となる。そして、前述のとお
り、図5に示す実施例では、上下階(Fn+1階とFn
階)の間に4本の斜路部20,21,22,23を平面
視並列させて配置している。このようなスロープ構造体
1の平面形について、図7を参照して説明する。
【0029】図7(a)は図5の実施例のスロープ構造
体1の平面形、図7(b)は上下階(Fn+1階とFn
階)における側断面を示し、図7(c)は上下階(Fn
+1階とFn階)の間に2本の斜路部を平面視並列させ
て配置した比較例の平面形、図7(d)はその上下階に
おける側断面を示す。図示の実施例及び比較例におい
て、階高hを約3m、一本のスロープの幅員を約1.5
mとした場合、実施例のスロープ構造体1の長手方向
(斜路部の延びる方向)の長さL4は約15m、長手方
向に直交する短手方向の長さB4は約6mとなり、その
平面形の辺長比(α:L4/B4)は約2.5となる。
これに対し、比較例のスロープ構造体では、長手方向
(斜路部の延びる方向)の長さL2は約25.5m、長
手方向に直交する短手方向の長さB4は約3mとなり、
その平面形の辺長比(α:L2/B2)は約8.5とな
る。
【0030】比較例のスロープ構造体は、長手方向の長
さが非常に長くなり、建物の内部に適用することは実際
上困難であり、また、建物の外部に設ける場合でも設置
部位が制約され、外観上も好ましくない。しかし、実施
例のスロープ構造体1によれば、その平面形における辺
長比を例えば2〜3程度、長手方向の長さを約13〜1
5m程度に抑えることができる。このような平面形の特
徴によって、スロープ構造体1を、限られた設置領域
に、屋内、屋外のいずれにも自由に配置することがで
き、建築計画上の融通性に優れ、建築計画の自由度を各
段に向上させることができる。例えば、建物の敷地内に
おいて、スロープ構造体の長手方向を建物の壁面方向に
沿わせて、スロープ構造体を建物に隣接させて、コンパ
クトに設けることができる。
【0031】本発明のスロープ構造体1は、上記のよう
に、ほぼ矩形の水平断面形をなし、直方体状のスロープ
設置空間に配置される。また、スロープ構造体1は、建
物の上下方向に複数階にわたって連続的に配置され、建
物の上階から避難階に至る歩行者の避難経路が確保され
る直通構造に構成されている。この直通構造は、歩行者
がスロープ構造体1以外の他の部分を迂回することな
く、スロープ構造体1のみを経由して、目的とする避難
階まで辿りつく構造である。したがって、避難階まで直
通している階段室構造と同様の機能をもち、避難階段と
は別に独立した、身体障害者や高齢者等に相応しい避難
経路を確保することができる。なお、避難階とは、地上
又は地上に準ずる避難上安全な場所に直接通じる出入口
のある階をいう。避難階は1階の場合が多いが、1階以
外の階である場合もある。図8に一点鎖線で示すような
上下方向に細長い直方体状のスロープ設置空間に、スロ
ープ構造体1を複数階にわたって積層して配置すること
によって、歩行者が他人の力を借りることなく自力で下
階へ移動することができるので、高層住宅等の多層建物
に適用してその安全性を高めることができる。建物の屋
上(最上階)から、屋外へ避難可能な避難階まで直通し
て上下方向に連層的に設置することにより、従来にない
安全性を有し、身体障害者や高齢者等が安心して住める
集合住宅等が得られる。スロープ構造体1を、建物の屋
上にも連絡しているものとすることにより、屋上への避
難が可能となる。屋上にヘリポート等の設備がある場合
に特に有効である。建物に地下階がある場合は、スロー
プ構造体を地下階にも連絡するように設置し、地下階か
らスロープ構造体内を昇ることによって、地下階から避
難階に至る歩行者の避難経路が確保される直通構造に構
成することができる。
【0032】<変形例>図9〜図10は、実施例1に係
るスロープ構造体1の変形例を示す。図9(a)に示す
スロープ構造体1は、出入床部10側に位置する連結床
部31に、前述した移動の際の追い越し又はすれ違いを
楽にする拡張スペースを設けたものである。また、斜路
部20,21,22,23は、内側の2本の斜路部2
1,22の長さが外側の2本の斜路部20,23よりも
短くなっている。図9(b)に示すスロープ構造体1
は、出入床部10における転回移動をスムースにできる
よう、出入床部10と斜路部20,23との接続部付近
の内側角部を隅切り(コーナーカット)したものであ
る。
【0033】図10(a)に示すスロープ構造体1は、
出入床部10の平面形状を矩形にし、かつ図9に示すも
のよりも広い面積にし、出入床部10における転回移動
をスムースにできるようにしたものである。斜路部2
0,21,22,23は、内側の2本の斜路部21,2
2の長さが外側の2本の斜路部20,23よりも短くな
っている。図10(b)に示すスロープ構造体1は、図
10(a)の出入床部10の平面形状をL字形に変えた
ものである。斜路部20,21,22,23は、3本の
斜路部20,21,22の長さがほぼ同じで外側の1本
の斜路部23よりも短くなっている。
【0034】〔実施例2〕図11〜図12は、実施例2
に係るスロープ構造体1を示す。図11(a)はスロー
プ構造体1の平面図、(b)は斜視図である。図11
(b)は、建物の上下方向に複数階にわたって配置され
るスロープ構造体1の、上下方向の中間部における上下
階(Fn+1階とFn階)の関係を表している。図12
はスロープ構造体1及びその設置空間を示す斜視図であ
る。
【0035】このスロープ構造体1は、実施例1と同
様、建物の共用床部に連絡し、かつ上り及び下りの斜路
部双方に接続する出入床部10と、上下階の間において
平面視並列させて配置した4本の斜路20,21,2
2,23と、これらの斜路を結んで進路を変える連結床
部30,31,32とを有している。4本の斜路部2
0,23,22,21は平面視(図面上)上からこの順
で配置されている。斜路部20,21,22,23はこ
の順で下降する傾斜面を形成している。また、実施例1
と同様、上下階の各出入床部10を斜路20,21,2
2,23と連結床部30,31,32とを介して結ぶ歩
行者の動線(太い一点鎖線で表示)の軌跡を、平面視、
ほぼ凹字形をなすように形成することにより、上下階の
間において、連結床部同士、並びに、連結床部と出入床
部とを、平面視重ならないように位置をずらして構成し
ている。
【0036】歩行者の動線の軌跡は、スロープ構造体1
を構成する出入床部10、斜路部20,21,22,2
3、連結床部30,31,32の各部のほぼ中心線を結
ぶことによって得られる。図面で、「凹字形」は、
「凹」を90度右に回転した状態として現れている。
「凹字形」は、ほぼ「凹」の字形をなすものであればよ
く、縦横比等の形状は特に限定されず、角部はアールを
もって形成可能であり、また、厳密に左右対称である必
要もない。「凹字形」となすことにより、スロープ構造
体1を移動(避難)する歩行者の動線は、上下階の間に
おいて、接したり、交叉したりしない。スロープ構造体
1を構成する出入床部10、斜路部20,21,22,
23、連結床部30,31,32の各部上方、つまり移
動する歩行者の頭上に常に階高に相当する空間が確保さ
れる。連結床部30は、連結床部32を巻くようにコ字
形の床平面形に形成されている。
【0037】実施例2のスロープ構造体1は、上下階の
各出入床部10,10を斜路20,21,22,23と
連結床部30,31,32とを介して結ぶ歩行者の動線
が、平面視、U字形と、該U字形に接続し、該U字形の
内側にほぼ沿い、出入口床部に向かって反転する複U字
形とによって白抜きのU字形に形成されている。すなわ
ち、歩行者は、共用床部40に連絡する出入床部10を
起点として、斜路部20を通り、連結床部30で進路を
大回りに反転(転回)し、斜路部21を移動する。これ
で先ずU字形の動線が形成される(図11(c)参
照)。次いで、該U字形の端部(斜路部21の端部)に
位置する連結床部31で進路を反転する。そして、斜路
部22を通り、連結床部32で進路を小回りに反転(転
回)し、斜路部21を移動し、下階の出入床部10に到
達する。これにより、U字形の内側にほぼ沿い、出入口
床部に向かって反転する複U字形の動線が形成される。
U字形と複U字形とによって白抜き(中抜き)のU字形
が形成される。白抜きのU字形は、動線の軌跡として見
ると凹字形をなすものでもある。
【0038】実施例2のスロープ構造体1は、実施例1
と同様、ほぼ矩形の水平断面形をなし、図12に示すよ
うに、直方体状のスロープ設置空間(図12に一点鎖線
で示す)に配置されている。また、建物の上下方向に複
数階にわたって連続的に配置される。そして、建物の上
階から避難階に至る歩行者の避難経路が確保される直通
構造に構成されている。
【0039】図13〜図17は、実施例2に係るスロー
プ構造体1の変形例を示す。図13(a)に示すスロー
プ構造体1は、連結床部32に、前述した移動の際の追
い越し又はすれ違いを楽にする拡張スペースを設けたも
のである。また、斜路部20,21,22,23は、内
側の2本の斜路部22,23の長さが外側の2本の斜路
部20,21よりも短くなっている。図13(b)に示
すスロープ構造体1は、図13(a)のものにおいて、
連結床部32における転回移動をスムースにできるよ
う、連結床部32と斜路部20,21との接続部付近の
内側角部を隅切り(コーナーカット)したものである。
【0040】図14(a)に示すスロープ構造体1は、
連結床部30の平面形状を矩形にしたものである。斜路
部20,21,22,23は、内側の2本の斜路部2
2,23の長さが外側の2本の斜路部20,21よりも
短くなっている。図14(b)に示すスロープ構造体1
は、図14(a)のものにおいて、連結床部30,32
を、より広い面積にして拡張スペースを設けたもので、
連結床部30,32における転回移動をスムースにでき
るようにしたものである。斜路部20,21,22,2
3は、内側の2本の斜路部22,23の長さが外側の2
本の斜路部20,21よりも短くなっている。
【0041】図15(a)に示すスロープ構造体1は、
図14(a)のものにおいて、斜路部21,22の長さ
を短くし、スロープ構造体1の平面形を矩形の角部に切
欠部が形成されている態様としている。斜路部20,2
1,22,23は、斜路部21と23とはほぼ同じ長さ
であり、各斜路部の長さは、斜路部20>斜路部21,
23>斜路部22という関係になっている。また、連結
床部30の一部30b(中間領域)に勾配を設けてい
る。図15(b)に示すスロープ構造体1は、図14
(a)のものにおいて、連結床部32を、より広い面積
にして拡張スペースを設けている。また、連結床部30
を、L字の床平面形に形成している。斜路部20,2
1,22,23は、斜路部21,22,23はほぼ同じ
長さであり、各斜路部の長さは、斜路部20>斜路部2
1,22,23という関係になっている。図15(c)
に示すスロープ構造体1は、連結床部30の一部30b
(中間領域)に勾配を設けている。また、実施例2のも
のにおける斜路部21に勾配を設けずに水平面に形成し
ている。
【0042】図16(a)に示すスロープ構造体1は、
図11のものにおいて、隣り合う各斜路部20, 23,
22, 21の間、連結床部30, 32の間のクリアラン
スCLを充分にとったものである。採光性の向上あるい
は圧迫感の緩和が可能である。図16(b)に示すスロ
ープ構造体1は、図16(a)のものにおいて、内側の
各斜路部23, 22の間のクリアランスCLを殆どとっ
ていない態様を示す。図16(c)に示すスロープ構造
体1は、図11のものにおいて、スロープ設置領域のほ
ぼ中央に大き目のスペースをとり、斜路部23, 22の
間に吹抜け空間VOを設けている。スロープ設置領域の
短辺B方向の長さに余裕がある場合等に有益である。ス
ロープ構造体1の全体的な平面形状はコ字形をなしてい
る。連結床部30の一部30b(中間領域)に勾配を設
けている。このように、隣り合う各斜路部20, 23,
22, 21の間には適宜クリアランスないしスペースを
設定することができる。
【0043】図17に示すスロープ構造体1は、上下階
(Fn+1階とFn階)の間に6本の斜路部20,2
1,22,23,24,25を平面視並列させて配置し
たものである。6本の斜路部20,25,24,23,
22,21は平面視(図面上)上からこの順で配置され
ている。斜路部20,21,22,23,24,25は
この順で下降する傾斜面を形成している。各斜路部は平
面視直進し、平行している。連結床部30の一部30b
(中間領域)に勾配を設けている。
【0044】〔実施例3〕図18は、実施例3に係るス
ロープ構造体1を示す。図18(a)はスロープ構造体
1の平面図、(b)は斜視図である。図18(b)は、
建物の上下方向に複数階にわたって配置されるスロープ
構造体1の、上下方向の中間部における上下階(Fn+
1階とFn階)の関係を表している。
【0045】実施例3のスロープ構造体1は、実施例2
と類似した平面形をなしている。実施例2と異なる点
は、昇降経路が実施例2と反対の関係:逆の道筋となっ
ていることにある。つまり、実施例3のスロープ構造体
1では、出入床部10を起点として下階へ降りるルート
は、実施例2のスロープ構造体における、出入床部10
を起点として上階へ昇るルートに対応する平面形となっ
ている。4本の斜路部23,20,21,22は平面視
(図面上)上からこの順で配置されている。斜路部2
0,21,22,23はこの順で下降する傾斜面を形成
している。
【0046】実施例3のスロープ構造体1は、実施例
1,2と同様、上下階の各出入床部10を斜路20,2
1,22,23と連結床部30,31,32とを介して
結ぶ歩行者の動線(太い一点鎖線で表示)の軌跡は、平
面視、ほぼ凹字形をなすように形成されている。
【0047】実施例3のスロープ構造体1は、上下階の
各出入床部10,10を斜路20,21,22,23と
連結床部30,31,32とを介して結ぶ歩行者の動線
が、平面視、U字形と、該U字形に接続し、該U字形の
外側にほぼ沿い、出入口床部に向かって反転する複U字
形とによって白抜きのU字形に形成されている。すなわ
ち、歩行者は、共用床部40に連絡する出入床部10を
起点として、斜路部20を通り、連結床部30で進路を
小回りに反転(転回)し、斜路部21を移動する。これ
で先ずU字形の動線が形成される(図18(c)参
照)。次いで、該U字形の端部(斜路部21の端部)に
位置する連結床部31で進路を反転する。そして、斜路
部22を通り、連結床部32で進路を大回りに反転(転
回)し、斜路部21を移動し、下階の出入床部10に到
達する。これにより、U字形の外側にほぼ沿い、出入口
床部に向かって反転する複U字形の動線が形成される。
U字形と複U字形とによって白抜き(中抜き)のU字形
が形成される。白抜きのU字形は、動線の軌跡として見
ると凹字形をなすものである。
【0048】〔建物への適用〕本発明に係るスロープ構
造体1の建物への適用例について、図19〜図29を参
照して説明する。図19〜図22は、昇降設備等を有す
るコア51を中央部に設けたセンターコア方式の建物5
0に、先に説明した実施例(1)と同様のスロープ構造
体1を適用した例を示す。建物50は多数階が積層され
た集合住宅で、コア51の外側に共用廊下52、さらに
その外側に住戸ゾーン53が配置されている。コア51
の内部には、エレベータ、階段等の昇降設備が配置され
ている。図19においては、建物50は、ほぼ矩形の平
面形の一辺部に凹部54が形成されており、この凹部5
4内(屋外)の空間にスロープ構造体1が納まるように
設けられている。スロープ構造体1の長手方向は、建物
の共用廊下52に沿う態様である。建物の外周側にスロ
ープ構造体1が突出して表れないため、建物の美観を損
なうことがない。スロープ構造体1は、コア51の付近
において共用廊下52に連絡しているため、コア51の
昇降設備との連絡も円滑に行われる。
【0049】図20においては、建物50はほぼ矩形の
平面形をなしており、建物50内部(屋内)にスロープ
構造体1が納まるように設けられている。スロープ構造
体1は共用廊下52の外周側に配置されていて、共用廊
下52を挟んでスロープ構造体1とコア51とが近接し
て配置されている。スロープ構造体1の長手方向は、建
物の共用廊下52に沿う態様である。建物の外周側にス
ロープ構造体1が突出して表れないため、建物の美観を
損なうことがない。スロープ構造体1は、コア51の付
近において共用廊下52に連絡しているため、コア51
の昇降設備との連絡も円滑に行われる。
【0050】図21〜22においては、建物50の中央
部のコア51の内部にスロープ構造体1が設けられてい
る。スロープ構造体1は建物の内部に(一部として)納
められているため、建物の美観を損なうことがない。ス
ロープ構造体1は、共用廊下52の内周側に配置されて
いる。また、コア51の耐力壁51aの内側の空間に位
置している。スロープ構造体1は、コア51の内部に、
昇降設備(避難階段60とエレベータ56)にほぼ隣接
して設けられている。このため、昇降設備との連絡も円
滑に行われる。スロープ構造体1は、避難階段60のす
ぐそばにあり、出入床部10と共用廊下52の連絡口E
は、避難階段60の出入口61に近接して設けられてい
る。このため、スロープ構造体1又は避難階段60を利
用する歩行者の動線が共用廊下52で衝突することが少
なく、安全である。
【0051】図23〜26は、多層の板状(片廊下方
式)の建物50にスロープ構造体1を適用した例を示
す。図23〜25は、先に図5で説明した実施例(1)
と同様のスロープ構造体1を適用した建物を示すもの
で、図23は側面図(軸組図)、図24は基準階の平面
図、図25は図10のスロープ構造体1付近の拡大平面
図である。また、図26は、実施例1のスロープ構造体
1の構成に変形を加えた例を示すもので、スロープ構造
体1付近の拡大平面図である。
【0052】図23〜26に示す建物50は、多数階が
積層された集合住宅で、建物50の屋上(最上階)か
ら、屋外へ避難可能な避難階(図示の例では1階)まで
上下方向に連層的に設置されている。また、はり間方向
の一方側に共用廊下52、他方側にバルコニー55を有
している。スロープ構造体1は、建物本体を構成する架
構の外(屋外)に設けられている。スロープ構造体1の
長手方向は、建物の共用廊下52に沿う態様である。ス
ロープ構造体1の長手方向を建物50の壁面方向に沿わ
せて、スロープ構造体1を建物50に隣接させている。
【0053】また、スロープ構造体1は、避難階段60
の近くに設けられており、出入床部10と共用床部40
の連絡口Eは、避難階段60の出入口61に近接して設
けられている。このため、スロープ構造体1又は避難階
段60を利用する歩行者の動線が共用廊下で衝突するこ
とが少なく、安全である。また、常時昇降設備(エレベ
ータ)56は、共用廊下52を挟んでスロープ構造体1
と対向する位置に設けられている。スロープ構造体1
は、常時昇降設備(エレベータ)56の付近において共
用廊下52に連絡しているため、常時昇降設備56との
連絡も円滑に行われる。
【0054】図26に示すスロープ構造体1は、図5に
示したスロープ構造体1に変形を加えたもので、上下階
(Fn+1階とFn階)の間に3本の斜路部20,2
1,22を平面視並列させて配置したものである。連結
床部30,31は、それぞれ、並列された隣り合う斜路
部(20と21、21と22)の端部同士を結び、また
進路を順次反転させる。合計2つの連結床部30,31
が形成されている。上下階(Fn+1階とFn階)の間
に奇数本の斜路部20,21,22が並列されているた
め、上下階(Fn+1階とFn階)の間で、斜路部の開
始点Sと終了点Gとが、斜路部の長手方向における反対
側に位置するものとなる。そこで、図26に示すとお
り、終了点Gから水平に進路を反転し、かつ平面視、斜
路部に沿って並列する延長出入床部10aを形成し、こ
の延長出入床部10aを出入床部10に連結した。これ
により、4本の斜路部を並列させた場合と同様、斜路部
の開始点S及び終了点G(斜路への下り口及び上り口)
が各階とも同位置にあるものとなり、各階において同じ
(進行方向の)平面形が繰り返されるスロープ構造体と
なる。また、出入床部10も各階とも同位置にあるた
め、共用廊下への連絡口Eも、各階とも同位置にあるも
のとすることができる。
【0055】図27は、多層の板状(片廊下方式)の建
物50にスロープ構造体1(実施例2)を適用した例を
示すもので、(a)(b)は、それぞれ建物50の基準
階の平面図である。図27(a)(b)に示す建物7
は、はり間方向の一方側に共用廊下52、他方側にバル
コニー55を有している(片廊下方式)。
【0056】図27(a)において、スロープ構造体1
は、建物本体を構成する架構の外に設けられている。ス
ロープ構造体1は、帯状に延びる共用廊下52の中間部
に配置されている。共用廊下52に沿って、避難階段6
0とエレベータ56とで形成される昇降設備ゾーンが配
置されている。さらにその外側に、スロープ構造体1が
設けられている。スロープ構造体1は、避難階段60、
エレベータ56と一緒になってコア部を形成している。
スロープ構造体1の長手方向は、昇降設備ゾーンを置い
て共用廊下52に沿い並行する態様である。スロープ構
造体1と避難階段60さらにはエレベータ56とは、隣
接して設けられている。歩行者は、共用廊下52、コア
部の1箇所の入口を介してスロープ構造体1の連絡口E
あるいは避難階段60の出入口61から各内部へ入る。
両者間の往来、連絡は頗る良好である。また、スロープ
構造体1又は避難階段60を利用するために共用廊下5
2を移動する歩行者の動線は一致し、衝突することがな
く、安全である。エレベータ56との連絡も円滑に行わ
れる。
【0057】図27(b)においては、平面板状をなす
建物50の端部壁面(妻面)にスロープ構造体1が設け
られている。スロープ構造体1の長手方向は、建物の壁
面(妻面)に沿う方向に配置されている。スロープ構造
体1の長手方向の長さを建物の壁面(妻面)に対応する
寸法に設定することにより、平面板状をなす建物50の
端部位置に、スロープ構造体1をコンパクトに設けるこ
とができる。
【0058】図28は、スロープ構造体1を適用した建
物50の基準階の平面図である。図28に示す建物50
は、ロ字形の平断面形をなし、ほぼ中央に吹抜け空間7
5が形成されている。この吹抜け空間75内にスロープ
構造体1が設けられている。吹抜け空間75を囲むよう
に共用廊下52が配置されている。スロープ構造体1
は、共用廊下52の内周側に配置され、一方、避難階段
60、さらにはエレベータ56とで形成される昇降設備
ゾーンは、共用廊下52の外側に配置されている。スロ
ープ構造体1と避難階段60とは、共用廊下52を挟ん
でその両側に対向して配置されている態様である。建物
の内側の吹抜け空間75を活かしながらスロープ構造体
1を避難階段60の近くにコンパクトに配置したもので
ある。歩行者は、共用廊下52を介してスロープ構造体
の連絡口Eあるいは避難階段60の出入口61から各内
部へ入る。スロープ構造体1とエレベータ56との連絡
も円滑に行われる。建物の外周側にスロープ構造体1が
突出して表れないため、建物の美観を損なうことがな
い。
【0059】図29は、スロープ構造体1を適用した建
物50の基準階の平面図である。図29に示す建物50
は、ほぼC字形の平面形をなしている。建物50の中央
に無床空間76が形成されているが、この無床空間76
は建物によって閉じられてはおらず(完全に包囲されて
おらず)、開放空間(連通空間)を介して建物50の外
部と連通している。図29に示す建物50は、ロ字形の
平面形の一つの角部が欠かれた形態である。中央の無床
空間76に面して共用廊下52が形成され、共用廊下5
2の外周に住戸ゾーンが配置されている。建物50の桁
行方向の各端部に、避難階段60とエレベータ56とで
形成される昇降設備ゾーンが配置されている。
【0060】図29において、建物50の桁行方向の端
部の外側(妻面)に、スロープ構造体1が設けられてい
る。スロープ構造体1の長手方向は、建物50の端部面
(妻面)に沿い並行する態様である。スロープ構造体1
の長手方向を建物50の妻面方向に沿わせて、スロープ
構造体1を建物50に隣接させている。建物50の妻面
を有効に利用してスロープ構造体1を設けたものであ
る。また、スロープ構造体1と避難階段60さらにはエ
レベータ56とは、隣接して設けられ、共用廊下52を
介して結ばれている。スロープ構造体1及び避難階段6
0の各長手方向側辺部が互いにほぼ隣接するように並列
して配置されている。共用廊下52の両端部52d,5
2e同士は、渡り廊下52fによって連結されている。
歩行者は、共用廊下52を介してスロープ構造体1の連
絡口Eあるいは避難階段60の出入口61から各内部へ
入る。両者間の往来、連絡は頗る良好である。また、ス
ロープ構造体1又は避難階段60を利用する歩行者の動
線が衝突することは少なく、安全である。エレベータ5
6との連絡も円滑に行われる。また、共用廊下52の両
端部52d,52e同士を連結する渡り廊下52fが設
けられているため、スロープ構造体1の位置する建物5
0の端部と反対側の建物端部側からも、この渡り廊下5
2fを通って最短距離でスロープ構造体1へと到達し得
る。それゆえ、安全性も高い。
【0061】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲で種々の変形、付加等が可能であ
る。斜路部の本数は特に限定されない。また、スロープ
構造体1は、必要に応じて、建物の上下方向に断続的に
あるいは部分的に設けてもよい。スロープ構造体1の平
面形は、矩形に限定されるものではなく、他の四辺形、
多辺形等でもよい。スロープ構造体1の構造種別は、鉄
骨造、鉄筋コンクリート造、PC、その他により構成し
得、何ら限定されるものではない。上記実施例では、ス
ロープ構造体1を支持する骨組については、説明してい
ないが、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、その他により構
成し得、何ら限定されるものではない。手摺や側壁等の
形成は任意に行うことができる。スロープ構造体1が適
用される建物の形状、構造、階数等も任意である。集合
住宅に好適に適用されるが、他の用途の建物、例えば、
病院、福祉施設、ホテル、オフィスビル等にも適用する
ことができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高層住宅等の多層建物であっても、階段での移動が困難
な身体障害者や高齢者等の避難路を確保することがで
き、非常時の安全性を十分に確保することができる。健
常者は勿論、足の不自由な人や車椅子を使用する人等も
安心して生活することができる。また、限られた設置領
域内に、この設置領域の寸法に見合ったスロープ構造体
を効率的かつコンパクトに設けることができ、建築計画
上の融通性に優れ、建築計画の自由度を各段に向上させ
ることができるものである。移動する歩行者の頭上に常
に階高に相当する空間が確保され、安全かつスピーディ
ーに避難することができる。
【0063】スロープ構造体は、建物の上階から避難階
に至る歩行者の避難経路が確保される直通構造に構成さ
れているものとすることにより、歩行者は、一旦、共用
廊下からスロープ構造体に入ると、スロープ構造体以外
の他の部分を迂回することなく、スロープ構造体のみを
経由して、目的とする避難階まで辿りつくことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロープ構造体1の基本形の平面的な特徴の説
明図である。
【図2】スロープ構造体1の基本形の平面的な特徴の説
明図である。
【図3】スロープ構造体1の基本形の平面的な特徴の説
明図である。
【図4】スロープ構造体1の基本形の平面的な特徴の説
明図である。
【図5】実施例1のスロープ構造体1の一部を示すもの
で、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図6】(a)〜(d)は実施例1のスロープ構造体1
の平面形を分割して示す図、(e)はスロープ構造体1
の側断面図である。
【図7】(a)は実施例1のスロープ構造体1の実施例
の平面図、(b)は同側断面図、(c)は比較例の平面
図、(d)は同側断面図である。
【図8】実施例1のスロープ構造体1及びその設置空間
を示す斜視図である。
【図9】実施例1のスロープ構造体1の変形例の一部を
示す平面図である。
【図10】実施例1のスロープ構造体1の変形例の一部
を示す平面図である。
【図11】実施例2のスロープ構造体1の一部を示すも
ので、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は歩行
者の動線を示す平面図である。
【図12】実施例2のスロープ構造体1及びその設置空
間を示す斜視図である。
【図13】実施例2のスロープ構造体1の変形例の一部
を示す平面図である。
【図14】実施例2のスロープ構造体1の変形例の一部
を示す平面図である。
【図15】実施例2のスロープ構造体1の変形例の一部
を示す平面図である。
【図16】実施例2のスロープ構造体1の変形例の一部
を示す平面図である。
【図17】実施例2のスロープ構造体1の変形例の一部
を示す平面図である。
【図18】実施例3のスロープ構造体1の一部を示すも
ので、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は歩行
者の動線を示す平面図である。
【図19】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【図20】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【図21】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【図22】図19のスロープ構造体1付近の拡大平面図
である。
【図23】スロープ構造体1を適用した建物50の側面
図(軸組図)である。
【図24】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【図25】図22のスロープ構造体1付近の拡大平面図
である。
【図26】スロープ構造体1付近の拡大平面図である。
【図27】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【図28】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【図29】スロープ構造体1を適用した建物50の基準
階の平面図である。
【符号の説明】
1 スロープ構造体 10 出入床部 20,21,22,23 斜路部 30,31,32 連結床部 30a,32a 転回スペース 30b,32b 拡張スペース 40 共用床部 50 建物 52 共用廊下 E 連絡口 A1,A2,A3,A4 直進部 B 大転回部 C1, C2 小転回部 D 内小転回部

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の上下方向に複数階にわたって配置
    されるスロープ構造体であって、 建物の共用床部に連絡し、かつ上り及び下りの斜路部双
    方に接続する出入床部と、 上下階の間に配置した平面視重ならない3本以上の斜路
    部と、 これらの斜路部を結んで進路を変える連結床部とを有
    し、 上下階の間において、連結床部同士、並びに、連結床部
    と出入床部とを、平面視重ならないように位置をずらし
    て構成したスロープ構造体。
  2. 【請求項2】 上下階の間に平面視並列させて配置した
    4本以上の斜路部と、 複数本の斜路部を挟んで平面視最も外側に配置された斜
    路部の端部同士を結んで大転回部を形成する出入床部
    と、 隣り合う斜路部の端部同士を結んで進路を順次反転させ
    る複数の連結床部とを有する、 請求項1に記載のスロープ構造体。
  3. 【請求項3】 出入床部を、出入床部側に位置する連結
    床部の平面視外側を迂回する床平面形となし、出入床部
    側に位置する連結床部及び出入床部に、ほぼ階高に相当
    する上下方向の空間を形成した、 請求項2に記載のスロープ構造体。
  4. 【請求項4】 上下階の間に平面視並列させて配置した
    4本以上の斜路部と、 隣り合う斜路部の端部同士を結んで進路を反転させる出
    入床部とを有するとともに、 連結床部は、 出入床部と反対側に位置し、かつ複数本の斜路部を挟ん
    で平面視最も外側に配置された斜路部の端部同士を結ん
    で大転回部を形成する連結床部と、 出入床部側に位置し、かつ隣り合う斜路部の端部同士を
    結んで小転回部を形成する連結床部と、 出入床部と反対側に位置し、かつ隣り合う斜路部の端部
    同士を結んで内小転回部を形成する連結床部とを有す
    る、 請求項1に記載のスロープ構造体。
  5. 【請求項5】 大転回部を形成する連結床部を、内小転
    回部を形成する連結床部の平面視外側を迂回する床平面
    形となし、これらの連結床部それぞれに、ほぼ階高に相
    当する上下方向の空間を形成した、 請求項4に記載のスロープ構造体。
  6. 【請求項6】 上下階の各出入床部を斜路部と連結床部
    とを介して結ぶ歩行者の動線が、平面視、U字形と、該
    U字形に接続し、該U字形の内側又は外側にほぼ沿い、
    出入口床部に向かって反転する複U字形とによって白抜
    きのU字形に形成されている、 請求項4又は5に記載のスロープ構造体。
  7. 【請求項7】 上下階の各出入床部を斜路部と連結床部
    とを介して結ぶ歩行者の動線の軌跡は、平面視、ほぼ凹
    字形をなす、 請求項1〜6のいずれかに記載のスロープ構造体。
  8. 【請求項8】 出入床部は、建物の各階の床面に相当す
    るレベルに設置されている、 請求項1〜7のいずれかに記載のスロープ構造体。
  9. 【請求項9】 連結床部は、転回スペースと、移動の際
    の追い越し又はすれ違いを楽にする拡張スペースとを有
    する、 請求項1〜8のいずれかに記載のスロープ構造体。
  10. 【請求項10】 出入床部の共用床部への連絡口を、各
    階ともほぼ同じ位置に設けた、 請求項1〜9のいずれかに記載のスロープ構造体。
  11. 【請求項11】 スロープ構造体は、建物の上階又は地
    下階から避難階に至る歩行者の避難経路が確保される直
    通構造に構成されている、 請求項1〜10のいずれかに記載のスロープ構造体。
  12. 【請求項12】 スロープ構造体は、ほぼ矩形の水平断
    面形をなし、上下方向に細長い直方体状のスロープ設置
    空間に配置されている、 請求項1〜11のいずれかに記載のスロープ構造体。
  13. 【請求項13】 スロープ構造体の長手方向を建物の共
    用廊下に沿う方向か、あるいは建物の壁面に沿う方向に
    配置した、 請求項1〜12のいずれかに記載のスロープ構造体。
  14. 【請求項14】 建物の上下方向に複数階にわたって配
    置されるスロープ構造体であって、平面視並列させて配
    置した偶数本の直進部と、該直進部の端部同士を結んで
    進路を反転させる転回部とを有し、 上記転回部は、 直進部の一方端部において、複数本の直進部を挟んで平
    面視最も外側に配置された直進部同士を結ぶ大転回部
    と、 直進部の他方端部において、隣り合う直進部同士を結ぶ
    複数の小転回部と、直進部の一方端部において、異なる
    小転回部に他方端部が接続されているが隣り合っている
    直進部同士を大転回部と重ならないようにその内側で結
    ぶ内小転回部とを有する、 スロープ構造体。
JP2002096347A 2001-11-22 2002-03-29 スロープ構造体 Expired - Fee Related JP3531871B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002096347A JP3531871B2 (ja) 2001-11-22 2002-03-29 スロープ構造体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001356995 2001-11-22
JP2001-356995 2001-11-22
JP2002096347A JP3531871B2 (ja) 2001-11-22 2002-03-29 スロープ構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003221908A JP2003221908A (ja) 2003-08-08
JP3531871B2 true JP3531871B2 (ja) 2004-05-31

Family

ID=27759193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002096347A Expired - Fee Related JP3531871B2 (ja) 2001-11-22 2002-03-29 スロープ構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3531871B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003221908A (ja) 2003-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5749186A (en) Multistory building complex with access between garage parking decks and each building floor at same elevation
US4794747A (en) Multi-storied multiple-unit dwelling
JP3706608B2 (ja) 建物の避難昇降構造
JP3659580B2 (ja) 介護施設等の建築物
JP3531871B2 (ja) スロープ構造体
JP3074559B2 (ja) エレベーターを備えた歩道橋
JP2871572B2 (ja) 集合住宅
CN113006532A (zh) 一种可自由规划的建筑户型
JP2003232136A (ja) 住戸アクセス用昇降設備の増設方法およびその施工手順
JP2721776B2 (ja) 建物の構造とその構築法
JP3679393B2 (ja) スロープ
JP3679394B2 (ja) スロープ
RU91358U1 (ru) Жилое многоэтажное здание с гаражом
JP2003253896A (ja) 建 物
JP2000320167A (ja) 集合住宅
JP4109554B2 (ja) 立体駐車設備付建築物
RU2189418C1 (ru) Многофункциональный строительный комплекс для формирования пересечения пешеходных и/или транспортных потоков
JP4597545B2 (ja) 重層長屋住宅
JP2005226261A (ja) 集合住宅
JPH10306598A (ja) 多層一戸建て住宅
JP2003074198A (ja) 立体駐車場を備えた中高層建物
JP3067101U (ja) 多層階式観覧用建物における周回状観覧スペ―ス構造
JP2003049549A (ja) 螺旋状車道付き中高層建築物
JP2005240519A (ja) 集合住宅
JP2603792B2 (ja) 多層蔵型収納付き建物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3531871

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees