JP3530238B2 - 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂成形品の製造方法Info
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Description
ら成形品を製造する方法に関する。さらに詳しくは、特
定の伸張粘度特性を有する熱可塑性樹脂シートを用いて
熱成形法により、熱可塑性樹脂成形品を製造する方法に
関するものである。
得られるシートは、優れた耐衝撃性、成形加工性を示す
ことが知られており、このシートを用いて熱成形法(真
空成形法または圧空成形法等)により電気冷蔵庫の内
箱、ドアライナー等の成形品の製造に広く用いられてい
る。
ABS樹脂シートについて次のような成形性が要求され
る。 (a) 偏肉しないこと。成形品が不都合な偏肉を起こ
している場合には、薄い箇所に応力が集中し、その部分
の変形が大きくなり、極端な場合には、成形時にクレー
ジングやクラックが発生する。
形の場合には、通常、シートの加熱→ブローイング→プ
ラグによる強制延伸→真空吸引→冷却→離型の工程から
なるが、シート加熱から真空吸引工程の間でもシート温
度は、時間に対し指数関数的に低下する。したがって、
成形中のシート温度がABS樹脂のガラス転移温度(実
際には、マトリックス樹脂即ち分散媒であるAS樹脂の
ガラス転移温度の約100℃)以下に低下しないように
設定する。しかし、過剰に高温度にすると、シートの加
熱工程中に、シートが自重で垂れ下がり、またシートの
伸張粘度が低下するため、ブロー時のシート保形安定性
が悪くなる。したがって、シートの成形温度領域の広い
ものが望ましくなる。
ブ部等の曲率半径が小さくても追随して成形できるこ
と。 (d) 絞り比を大きく採れること。たとえば、内箱が
多隔室成形品の場合でも、均一な肉厚分布に仕上がるこ
と。
との滑りが適度にあること。ブロー時におけるプラグと
の滑り、あるいは真空吸引(あるいは圧空併用)時にお
ける成形型との滑りが適度にあることが必要であり、こ
れは成形温度における適当な伸張粘度範囲のものが優れ
ている。ABS樹脂シートを上記の熱成形法により成形
する場合、射出成形法等とは異なり成形条件の決定には
多くの困難が伴う。例えば、射出成形法の場合、その成
形性はメルトフローインデックスやスパイラルフローの
距離の値から、成形条件(例えば、シリンダー温度、射
出圧力、射出速度、金型温度等)を容易に決定できる。
に要求される成形性が多岐にわたるため、メルトフロー
インデックスやスパイラルフローの値のみから、成形条
件を決定することは困難である。さらに、射出成形法で
は熱成形法よりはるかに高温度で成形が行われること、
およびABS樹脂が成形時に受ける変形は、射出成形法
では主としてせん断変形であり、熱成形法では一軸ある
いは二軸延伸による延伸変形である点で、異なっている
からである。
るメルトフローインデックスやスパイラルフローの値
は、熱成形法の場合の成形条件の予測および決定に、そ
のまま適用することができないのである。さらに、従来
から行われている高温引張試験では、測定条件(延伸速
度、延伸率等の延伸条件)が実際の熱成形条件とは、大
きな隔たりがある。このため、得られる張力や破断伸び
の値から、熱成形条件を推測するのは困難である。
る際には、ほとんどの場合熟練した作業者の勘にたよっ
ているのが実状である。また、成形材料の開発において
も、実際に熱成形してみなければ、当該材料が、熱成形
性に優れているかどうか判定できない。その上、熱成形
するには、ABS樹脂を予めシート状に加工しておく必
要がある。このため、大量の試験用樹脂および樹脂シー
トを必要とするとともに、多くの時間と労力を費やすこ
ととなる。さらに、単量体から新規な樹脂を開発する際
には大型の重合装置を必要として、大量に試作重合する
必要がある。このために、新規な材料開発は容易ではな
かったのである。
粘度特性を規定する熱可塑性樹脂成形品の製造方法が提
案されていたが、最近の熱成形法では、要求される成形
品形状の変化に伴い、さらに型が複雑化し大型化し、よ
り薄肉化成形に対応する材料が求められてきた。このた
め、上記公報の方法によっても、熱成形性の良い材料を
取捨選択することが困難になってきた。
問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の
設定された伸張粘度特性を有する熱可塑性樹脂シートが
優れた熱成形性を示すことを見いだし本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、熱可塑性樹脂シートを用い
た成形品の製造方法を提供することにある。
ビニル化合物成分、シアン化ビニル化合物成分および場
合によりこれらと共重合可能な化合物成分と、ゴム弾性
体成分とからなり、伸張粘度特性が下記の式(1)およ
び(2)を満たす熱可塑性樹脂シートを用いて熱成形す
ることを特徴とする熱可塑性樹脂成形品の製造方法。伸
張粘度の測定条件が測定温度150℃、歪速度0.5se
c -1において、歪が1.0における応力σ1 が、
粘度特性(伸張応力およびその比)において、歪速度
ε′、および歪εは次の式のとおりである。延伸前の試
料長をl0 、時間tにおける試料長をl(t)とすれ
ば、次の式(5)、(6)および(7)で表すことがで
きる。
速度および温度によって種々の値をとることができる。
本発明においては、温度150℃、歪速度0.5sec -1
の条件で歪ε=1.0における伸張応力σ1 、およびε
=2.0における伸張応力σ2 を測定し、σ1および応
力の比σ2 /σ1 を特定した。これらの測定条件は、次
のように選定した。
れる。したがって、歪εは上記の式(7)から、ε=ln
2〜ln7、即ち、ε=0.69〜1.9 の範囲である。この歪
εの値は、ε=1の場合は標準となる延伸倍率に、ε=
2の場合には最も延伸された延伸倍率に相当する。
範囲である。したがって、平均の歪速度ε′は、
歪速度ε′=0.23〜1.9 sec -1の範囲となる。上記の計
算式(8)から歪速度ε′の標準値(ε=1、t=2se
c から計算)として、ε′=0.5 sec -1を選定した。
は、その熱可塑性樹脂のマトッリクス樹脂部のガラス転
移温度(AS樹脂の場合、約100℃)よりも20〜30度
以上高い必要があり、また樹脂シート温度が高すぎると
樹脂シートが自重で垂れ下がってしまう。このため、熱
成形は通常130 〜180 ℃の温度範囲で行われる。本発明
において、熱成形温度の標準値として、150 ℃を選定し
た。本発明における伸張粘度は、例えば特公昭58ー19978
号公報等に記載の「引張り試験装置」によって、測定し
たものである。本発明方法により熱成形することによっ
て得られる熱可塑性樹脂成形品の良否は、次の2点から
判定される。
りに再現される。即ち、成形品のコーナー部分の曲率半
径が成形型のものと同じになる。 (2)成形品全体の肉厚が均一である。局部的に薄く延
伸され引き延ばされた部分がない。 上記(1)のような条件を満たすためには、真空成形の
ような熱成形においてはブロー成形等と異なり樹脂シー
トを型に押しつける圧力の大きさに限界があるため、伸
張応力が低いことが望ましく、本発明の伸張粘度の測定
条件において、樹脂シートの示す応力σ1 は0.95×10
6Pa (パスカル)以下であることが必要となる。好まし
くは、0.90×106Pa 以下である。150 ℃における応力
σ1 が上記より大きいと、成形品コーナー部の形状の型
追随性が充分でなくなり、コーナー部の曲率半径を測定
すると、成形型に比べて成形品の曲率半径がより大きく
なる。
めには、応力の比σ2 /σ1 の値が3.2以上であること
が必要であり、好ましくは3.5 以上である。σ2 /σ1
の値がこれ未満であると、成形品の肉厚分布の振れが大
きくなって成形品の一部が薄膜状に延伸されることがあ
り、製品として利用しがたくなる。本発明方法における
熱可塑性樹脂シートとは、芳香族ビニル化合物成分、シ
アン化ビニル化合物成分および場合によりこれらと共重
合可能な化合物成分と、ゴム弾性体成分とからなるもの
である。本発明における芳香族ビニル化合物としては、
スチレン、αーメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙
げられる。本発明におけるシアン化ビニル化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げら
れる。本発明におけるこれらと共重合可能な化合物とし
ては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、マ
レイミド、N−フエニルマレイミド等が挙げられる。ま
た、本発明におけるゴム弾性体としては、ポリブタジエ
ン、スチレンーブタジエン共重合体、アクリルニトリル
ーブタジエン共重合体、ポリイソプレン、アクリル系ゴ
ム、EPDMゴム等とそのグラフト共重合体が挙げら
れ、それらの1種または2種以上の混合物が挙げられ
る。本発明方法における熱可塑性樹脂は、上記化合物お
よびゴム弾性体を共重合して得られ、ABS樹脂、AS
A樹脂、AES樹脂およびMBS樹脂等のいわゆるAB
S系樹脂が代表的なものであって、微粒子状に分散して
いるグラフトされたゴム状弾性体とマトリックス樹脂と
からなるものである。本発明方法に使用する熱可塑性樹
脂シートは、次に記載の方法によって得ることができ
る。
の押出成形性、および熱成形された成形品の強度等を考
えてマトリックス樹脂の重量平均分子量は、通常7万〜
20万であるが、本発明方法においてはこれに重量平均
分子量が30万〜500万程度の高分子量樹脂を少量
(10重量%以下)含有するような分子量分布にするこ
とにより、応力の比σ2 /σ1 の値を本発明方法で特定
する範囲とすることができる。ただし、この場合にσ2
/σ1 を大きくするため高分子量樹脂を過剰に多く含む
と応力σ1 が大きくなり過ぎ、一方熱成形では前述した
ように樹脂シートを型に押しつける圧力には限度がある
ため、成形品のコーナー部分の形が型通りに再現されな
くなる。このため、本発明方法においては、伸張粘度特
性の応力の比σ2 /σ1 の範囲を大きく保ちσ1 の範囲
を小さくすることが必要であり、例えば、高分子量樹脂
を配合する場合にはもともとのマトリックス樹脂の分子
量をある程度小さく設定して製造しておくか、または低
分子量樹脂を配合して分子量を小さく設定しておくこと
によって、達成することができる。
状態を制御することによっても、応力の比σ2 /σ1 の
範囲を大きくすることができる。しかし、ゴム状弾性体
の含有量を増加させることによって、このσ2 /σ1 を
大きくすると、樹脂成形品に必要とされる剛性を低下さ
せる場合がある。このため、ゴム弾性体の含有量を同じ
割合に保ち剛性を低下させずに応力の比σ2 /σ1 を大
きくするには、グラフト共重合体中のゴム弾性体のグラ
フト量を減少させてゴム弾性体の分散を不充分にして、
ゴム弾性体を樹脂シート中に部分的に凝集させた状態に
する等の方法がある。
成形温度ではゴム状弾性体であり室温においては固形樹
脂状(ガラス状態)を示す樹脂を併用する方法も良い。
本発明方法における熱可塑性樹脂を構成する各成分を溶
融混合する場合には、これら成分の混合物を、一軸押出
機、二軸押出機などの押出機、またはバンバリーミキサ
ー、ニーダー・ルーダー、加圧ニーダー、加熱ロールな
どの混練機などの加工装置により、溶融混合し、ついで
押出機により、本発明方法に使用する熱可塑性樹脂シー
トとすることができる。
法によって得られる樹脂成形品の性質を阻害しない種類
および量の潤滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、難燃
剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐光安定剤などの各種
樹脂添加剤を適宜組合せて添加することができる。本発
明方法によって製造される樹脂成形品には、例えば、事
務機器のハウジング、シャーシなどの事務機器、洗面化
粧台など家庭用製品、電気冷蔵庫の内箱、その他の電気
機器などの電気製品、および二輪車のカウリング、自動
販売機の内部ラックなどの自動車、船舶、機械などの工
業部品が挙げられるが、特に、本発明方法は熱可塑性樹
脂シートを真空成形法によって製造する電気冷蔵庫の内
箱の製造に好適である。
のような特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価
値は極めて大である。 (1)本発明方法によって、伸張粘度特性を特定した熱
可塑性樹脂シートを成形品に熱成形する場合、成形適性
範囲が広いので、熱可塑性樹脂成形品を製造する方法と
して優れている。 (2)本発明方法によって得られる成形品は、成形品の
型追随性(型ぎまり)が良く、成形品の肉厚分布が均一
で偏肉が少なく、良好である。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に記
載した例に限定されるものではない。なお、以下の例に
おいて「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるの
は「重量%」を、それぞれ意味する。また、共重合体
(B)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ
ー(GPC)装置を用い、次の条件で測定したものであ
る。
換算値)
値は、以下に記載の方法によって評価した。 *引張り強さ JIS K7113に準拠した。単位Kg/cm2 。 *耐衝撃強さ JIS K7110に準拠し、アイゾット衝撃強さ(ノ
ッチ付)を意味する。1/8インチの試験片による。単
位Kg・cm/cm。 *VICAT軟化点 JIS K7206に準拠した。単位℃。 *流動性(MFR) JIS K7210に準拠した。温度220℃、荷重1
0kgの条件下での10分間の流量を表す。単位g/1
0分。
を製造し、このシートから、真空成形機(浅野研究所製
FC−4APA、プラグアシスト式)を使用して、シー
トの加熱時間を変えて(50,60,70,80秒)、
開口部径300mm、底部径150mm、深さ250m
mのバケツ状であって、開口部から底部に達する幅が6
mmで外側に突出した2本のリブを壁面に対抗させて設
けた成形品を成形した。得られた成形品につき、(1) リ
ブから最も離れた部分を開口部から底部に縦に切断し、
切断面における最低肉厚の測定値を示した。測定値が大
きいほど、成形品の肉厚が均一となり好ましいことを意
味する。測定値が0.25mm未満の場合には、成形品
が局部的に延伸変形されて肉厚が薄く、その部分の成形
品強度が不良であることを示す。(2) 上記リブ部分のヒ
ケ(型追随性−真空成金型の形状に沿って成形されてい
るか否か)を肉眼で観察し、ヒケの良いもの(型追随性
の良いもの)を「リブのヒケ」○、「ヒケ」の悪いもの
(型追随性の悪いもの)を「リブのヒケ」×、としてそ
れぞれ表示した。
に、「リブのヒケ」(型追随性)が十分であり、かつ、
成形品の肉厚が0.25mm以上と均一に延伸成形され
て偏肉を起していない成形品を得るために許容されるシ
ートの加熱時間(秒)の範囲である。この領域範囲が広
いほど、熱成形法によるフレキシビリテイ(自由度)が
増加し、真空成形性が良好となる。
仕込み装置を備えた容量5Lのステンレス製のオートク
レーブに、脱イオン水を150部、高級脂肪酸石鹸(炭
素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)4.0
部、水酸化ナトリウム0.075部を仕込み、撹拌下、
窒素置換後、内温を68℃に昇温した。内温が68℃に
達した時点で、別途調整した1,3−ブタジエン90
部、スチレン10部と、t−ドデシルメルカプタン0.
3部よりなる単量体混合物のうち20%を仕込んだ後、
過硫酸カリウム0.135部を添加した。数分後に発熱
が起こり、重合の開始が確認された。過硫酸カリウムの
添加1時間経過の時点から単量体混合物の80%の連続
添加を開始し、6時間を要して添加を終了した。単量体
混合物の添加を終了してから内温が80℃に昇温し、さ
らに1時間重合を継続した。得られたゴム状重合体ラテ
ックスは、固形分濃度39.5%、ゴムの平均粒子径
0.08μmであった。
仕込み装置を備えた容量5Lの反応器に、上記(1)で
得られたゴム状重合体ラテックスであって、無水酢酸に
よって平均粒子径0.27μmに粒子径肥大したものを
固形分として100部、脱イオン水を347部(ラテッ
クス中の水分を含む)を仕込み、撹拌下、内温を70℃
に昇温した。内温が途中の60℃に達した時点で、脱イ
オン水20部に溶解したピロリン酸ナトリウム1.0
部、デキストローズ0.25部および硫酸第一鉄0.0
1部よりなる水溶液を添加した。
0部、アクリロニトリル40部、t−ドデシルメルカプ
タン0.2部よりなる単量体混合物の連続添加を開始
し、2時間30分で終了した。この単量体混合物の連続
添加と同じ時間にわたり、脱イオン水35部に不均化ロ
ジン酸カリウム石鹸1.8部、クメンハイドロパーオキ
サイド0.5部、水酸化カリウム0.37部よりなる溶
液を連続添加した。これらの連続添加終了後、70℃の
温度でさらに30分間反応を継続した後、内温を冷却し
て、反応を終了し、固形分濃度39.5%のグラフト重
合体ラテックスであった。このグラフト重合体ラテック
スをA−1とする。
仕込み装置を備えた容量5Lのステンレス製のオートク
レーブに、脱イオン水を151部、高級脂肪酸石鹸(炭
素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)2.0
部、炭酸水素ナトリウム1部を仕込み、撹拌下、窒素置
換後、内温を75℃に昇温した。過硫酸カリウム0.1
35部を添加し、5分経過後、アクリル酸ブチルエステ
ル100部、メタクリル酸アリルエステル0.05部、
t−ドデシルメルカプタン1.2部よりなる単量体混合
物のうち4部を仕込んだ。数分後に発熱が起こり、重合
の開始が確認された。
ら残りの単量体混合物の連続添加を開始し、3時間20
分を要して添加を終了した。途中2時間の時点で脂肪酸
石鹸1部を添加し、2時間30分の時点で過硫酸カリウ
ム0.015部を添加した。単量体混合物の添加を終了
してから内温が80℃に昇温し、さらに1時間重合を継
続した。得られたゴム状重合体ラテックスは、固形分濃
度39.5%、平均粒子径0.10μm、ゲル含有率は
0%であった。
仕込み装置を備えた容量5Lの反応器に、上記(1)で
得られたゴム状重合体ラテックスを固形分として100
部、脱イオン水を402部(ラテックス中の水分を含
む)ピロリン酸ナトリウム2.2部、ブドウ糖0.55
部、硫酸第一鉄0.022部を仕込み、撹拌下、内温を
70℃に昇温した。内温が70℃に達した時点で、スチ
レン154部、アクリロニトリル66部、t−ドデシル
メルカプタン0.44部およびクメンハイドロパーオキ
サイド1.1部よりなる単量体混合物の連続添加を開始
し、3時間30分で終了した。この単量体混合物の連続
添加と同じ時間にわたり、脱イオン水88.2部に不均
化ロジン酸カリウム石鹸3.96部よりなる溶液を連続
添加した。これらの連続添加終了後、70℃の温度でさ
らに30分間反応を継続した後、内温を冷却して、反応
を終了し、固形分濃度35.4%のグラフト重合体ラテ
ックスであった。このグラフト重合体ラテックスをA−
2とする。
アクリロニトリルが40%であり重量平均分子量(M
w)が異なる各種のスチレン・アクリロニトリル共重合
体(B)(AS樹脂)を、表ー1にある割合で混合し
て、二軸押出機で混練ペレット化した。このペレットを
用い、射出成形機によって物性測定用のテストピースを
成形し、前記の評価法によって物性を評価した。また、
このペレットを用いて押出機によってシートを成形し、
前記した評価法によって、このシートについての熱成形
性を評価した。最低肉厚0.25mm以上であって、リブのひ
け(型追随性)が良好な成形品が得られる範囲を対象と
した真空成形性の適性成形領域(秒:加熱時間の範囲)
を求めた。結果を表ー1に示す。
シートを熱成形する場合には、適性成形領域の範囲が広
く、型追随性が良く、成形品の肉厚分布が均一で偏肉の
少ない良好な成形品が得られる。(実施例1〜5) 2.これに対して、本発明の条件を満たしていない樹脂
シートを熱成形する場合には、適性成形領域の範囲が狭
く、型追随性が不良になったり、または局部的に延伸変
形され偏肉が大きくなって、良好な成形品が得られ難く
なる。(比較例1〜3)
Claims (2)
- 【請求項1】芳香族ビニル化合物成分、シアン化ビニル
化合物成分および場合によりこれらと共重合可能な化合
物成分と、ゴム弾性体成分とからなり、伸張粘度特性が
下記の式(1)および(2)を満たす熱可塑性樹脂シー
トを用いて熱成形することを特徴とする熱可塑性樹脂成
形品の製造方法。伸張粘度の測定条件が測定温度150
℃、歪速度0.5sec -1において、歪が1.0における
応力σ1 が、 【数1】σ1 ≦0.95×106 Pa (1) かつ、歪が2.0における応力σ2 とσ1 との比が、 【数2】σ2 /σ1 ≧3.2 (2) - 【請求項2】請求項1記載の伸張粘度特性が下記の式
(3)および(4)を満たすことを特徴とする請求項1
記載の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。 【数3】σ1 ≦0.90×106 Pa (3) σ2 /σ1 ≧3.5 (4)
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JPH08127061A JPH08127061A (ja) | 1996-05-21 |
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JP4596626B2 (ja) * | 2000-10-24 | 2010-12-08 | 電気化学工業株式会社 | 成形品の製造方法 |
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