JP3529600B2 - 超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置 - Google Patents
超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波診断装置、
探傷装置などに用いられる超音波プロ−ブ及びこれを用
いた超音波診断装置に関する。
探傷装置などに用いられる超音波プロ−ブ及びこれを用
いた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波プロ−ブが用いられた超音波画像
装置には人体内部を検査する為の医用診断装置や、金属
構造物内部の欠陥を検査する為の探傷装置などがある。
このうち医用診断装置では、人体の断層像(Bモ−ド
像)に加え、超音波の血流によるドプラシフトにより血
流速度を2次元カラ−表示するカラ−フロ−マッピング
(CFM)法が開発されている。超音波プロ−ブの中心
周波数はその診断対象によって様々に設計されている
が、このBモ−ド像を得るためのプロ−ブの中心周波数
と、CFM像を得るドプラモ−ドの為の周波数(ドプラ
リファレンス周波数)は、例えば前者が3.75MHz 、
後者が2.5MHz と2種の異なる周波数を設定する場合
がある。
装置には人体内部を検査する為の医用診断装置や、金属
構造物内部の欠陥を検査する為の探傷装置などがある。
このうち医用診断装置では、人体の断層像(Bモ−ド
像)に加え、超音波の血流によるドプラシフトにより血
流速度を2次元カラ−表示するカラ−フロ−マッピング
(CFM)法が開発されている。超音波プロ−ブの中心
周波数はその診断対象によって様々に設計されている
が、このBモ−ド像を得るためのプロ−ブの中心周波数
と、CFM像を得るドプラモ−ドの為の周波数(ドプラ
リファレンス周波数)は、例えば前者が3.75MHz 、
後者が2.5MHz と2種の異なる周波数を設定する場合
がある。
【0003】超音波プロ−ブの最大感度、すなわち反射
エコ−の信号レベルが最大になるのは、Bモ−ド像を得
る為の周波数領域、前記の例では3.75MHz 近傍に設
定してあり、従ってドプラモ−ドでのドプラリファレン
ス周波数、前記の例では2.5MHz での信号レベルは小
さくなる。また、ドプラモ−ドでは微小な血球からの反
射エコ−を利用しているため、得られる信号レベルはさ
らに小さくなる傾向がある。
エコ−の信号レベルが最大になるのは、Bモ−ド像を得
る為の周波数領域、前記の例では3.75MHz 近傍に設
定してあり、従ってドプラモ−ドでのドプラリファレン
ス周波数、前記の例では2.5MHz での信号レベルは小
さくなる。また、ドプラモ−ドでは微小な血球からの反
射エコ−を利用しているため、得られる信号レベルはさ
らに小さくなる傾向がある。
【0004】そのため、超音波プロ−ブにはBモ−ド像
の為の周波数のみならずドプラリファレンス周波数でも
大きな信号レベルが得られるものが望ましい。言い替え
れば広帯域な特性を持つプロ−ブが求められている。
の為の周波数のみならずドプラリファレンス周波数でも
大きな信号レベルが得られるものが望ましい。言い替え
れば広帯域な特性を持つプロ−ブが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、超音波
プロ−ブは広い周波数領域に渡って大きな信号レベルが
得られるものが望ましい。超音波プロ−ブの広帯域化を
図る手段として、超音波送受信素子の残留振動を抑制す
る為に素子の背面に設けられたバッキング材に、音響イ
ンピ−ダンスが大きなものを用いる事が考えられる。し
かしながらこの手段により、確かにプロ−ブの広帯域化
は実現できるが、一方で全体の信号レベルが著しく低下
してしまう。本発明の目的は信号レベルの著しい低下を
招かずに超音波プロ−ブの広帯域化を図る事である。
プロ−ブは広い周波数領域に渡って大きな信号レベルが
得られるものが望ましい。超音波プロ−ブの広帯域化を
図る手段として、超音波送受信素子の残留振動を抑制す
る為に素子の背面に設けられたバッキング材に、音響イ
ンピ−ダンスが大きなものを用いる事が考えられる。し
かしながらこの手段により、確かにプロ−ブの広帯域化
は実現できるが、一方で全体の信号レベルが著しく低下
してしまう。本発明の目的は信号レベルの著しい低下を
招かずに超音波プロ−ブの広帯域化を図る事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため本発明は、複数の振動子をアレイ状に配列した超音
波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
の振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
る透過率が0.1未満の圧電単結晶からなる部分を5%
以上、30%未満有する圧電体を含むことを特徴とする
超音波プロ−ブを提供する。
ため本発明は、複数の振動子をアレイ状に配列した超音
波プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つ
の振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
る透過率が0.1未満の圧電単結晶からなる部分を5%
以上、30%未満有する圧電体を含むことを特徴とする
超音波プロ−ブを提供する。
【0007】
【0008】上記した本発明において、以下の態様が好
ましい。 (1)前記第1及び第2の圧電単結晶部分の少なくとも
一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
((M11/3 Nb(2/3)-(2z/3)Ta2z/3)1-x-y Tix
M2y )O3 (M1はZn、Ni及びMgから選ばれる
少なくとも1つの金属、M2はPt,Fe、Bi、Rh
及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、
x、y及びzはそれぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y
≦0.01(好ましくは、0.00001≦y≦0. 0
1。)、0≦z≦0.1である。)として規定されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなること。
ましい。 (1)前記第1及び第2の圧電単結晶部分の少なくとも
一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
((M11/3 Nb(2/3)-(2z/3)Ta2z/3)1-x-y Tix
M2y )O3 (M1はZn、Ni及びMgから選ばれる
少なくとも1つの金属、M2はPt,Fe、Bi、Rh
及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、
x、y及びzはそれぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y
≦0.01(好ましくは、0.00001≦y≦0. 0
1。)、0≦z≦0.1である。)として規定されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなること。
【0009】(2)前記第1及び第2の圧電単結晶部分
の少なくとも一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分
は、Pb((M31/2 Nb(1/2)-(z/2) Taz/2 )
1-x-y Tix M2y )O3 (M2はPt,Fe、Bi、
Rh及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属、M3
はScおよびInから選ばれる少なくとも1つの金属を
示し、x、y及びzはそれぞれ0.2≦x≦0.6、0
≦y≦0.01(好ましくは、0.00001≦y≦
0. 01。)、0≦z≦0.1である。)として規定さ
れるペロブスカイト型複合酸化物からなること。
の少なくとも一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分
は、Pb((M31/2 Nb(1/2)-(z/2) Taz/2 )
1-x-y Tix M2y )O3 (M2はPt,Fe、Bi、
Rh及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属、M3
はScおよびInから選ばれる少なくとも1つの金属を
示し、x、y及びzはそれぞれ0.2≦x≦0.6、0
≦y≦0.01(好ましくは、0.00001≦y≦
0. 01。)、0≦z≦0.1である。)として規定さ
れるペロブスカイト型複合酸化物からなること。
【0010】(3)前記第1及び第2の圧電単結晶部分
の少なくとも一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分
は、Pb((Zn1/3 Nb2/3 )1-x Tix )O3 (x
は0.05≦x≦0.2である。)として規定されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなること。
の少なくとも一つ、或いは前記圧電単結晶からなる部分
は、Pb((Zn1/3 Nb2/3 )1-x Tix )O3 (x
は0.05≦x≦0.2である。)として規定されるペ
ロブスカイト型複合酸化物からなること。
【0011】(4)前記圧電体は単結晶からなること。
また本発明においては、上記超音波プローブの前記振動
子の中の少なくとも1つの振動子が、所定の中心周波数
及び所定のエコー感度の周波数特性の最大値を有する第
1の圧電単結晶部分と、この第1の圧電単結晶部分より
も中心周波数が低く、かつエコー感度の周波数特性の最
大値が小さい第2の圧電単結晶部分とを備えた超音波プ
ロ−ブを用いたことを特徴とする超音波診断装置を提供
することが出来る。
子の中の少なくとも1つの振動子が、所定の中心周波数
及び所定のエコー感度の周波数特性の最大値を有する第
1の圧電単結晶部分と、この第1の圧電単結晶部分より
も中心周波数が低く、かつエコー感度の周波数特性の最
大値が小さい第2の圧電単結晶部分とを備えた超音波プ
ロ−ブを用いたことを特徴とする超音波診断装置を提供
することが出来る。
【0012】さらにまた本発明は、複数の振動子をアレ
イ状に配列した超音波プロ−ブであって、前記振動子の
中の少なくとも1つの振動子は、厚さ1mmにおける波長
400nmの光に対する透過率が0.1未満の圧電単結晶
からなる部分を5%以上、30%未満有する圧電体を含
む上記超音波プロ−ブを用いた超音波診断装置を提供す
る。
イ状に配列した超音波プロ−ブであって、前記振動子の
中の少なくとも1つの振動子は、厚さ1mmにおける波長
400nmの光に対する透過率が0.1未満の圧電単結晶
からなる部分を5%以上、30%未満有する圧電体を含
む上記超音波プロ−ブを用いた超音波診断装置を提供す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係わる圧電単結晶を用い
た振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
る透過率が0.1未満の部分を5%以上、30%未満有
している。この透過率が0.1未満の部分(透過率が低
い部分と呼ぶ。)は、透過率が0.1以上の部分(透過
率が高い部分と呼ぶ。)に比べ、同じ厚さでも<001
>方位の厚み縦振動の共振周波数が10〜20%程度小
さいことが、本発明者によって見出された。
た振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対す
る透過率が0.1未満の部分を5%以上、30%未満有
している。この透過率が0.1未満の部分(透過率が低
い部分と呼ぶ。)は、透過率が0.1以上の部分(透過
率が高い部分と呼ぶ。)に比べ、同じ厚さでも<001
>方位の厚み縦振動の共振周波数が10〜20%程度小
さいことが、本発明者によって見出された。
【0014】そのため、アレイ状に多数配列された振動
子の一本一本が、異なる2種の共振周波数を有する振動
子の複合体のような振る舞いを示し、単一の共振周波数
を有する従来の振動子に較べ、広い周波数領域にわたっ
て高い信号レベルが得られる。
子の一本一本が、異なる2種の共振周波数を有する振動
子の複合体のような振る舞いを示し、単一の共振周波数
を有する従来の振動子に較べ、広い周波数領域にわたっ
て高い信号レベルが得られる。
【0015】図1は、上記圧電振動子における周波数と
エコー感度との関係を示す特性図である。この図に示さ
れるように、点線で示される共振周波数の高い部分の周
波数特性曲線(透過率の高い部分に相当する。)と、一
点破線で示される共振周波数の低い部分の周波数特性曲
線(透過率の低い部分に相当する。)とを合成すること
により、実線で表される周波数特性曲線が得られる。こ
の実線の周波数特性曲線は、広い周波数帯域にわたって
エコー感度が高くなっており、高い信号レベルが得られ
ることがわかる。
エコー感度との関係を示す特性図である。この図に示さ
れるように、点線で示される共振周波数の高い部分の周
波数特性曲線(透過率の高い部分に相当する。)と、一
点破線で示される共振周波数の低い部分の周波数特性曲
線(透過率の低い部分に相当する。)とを合成すること
により、実線で表される周波数特性曲線が得られる。こ
の実線の周波数特性曲線は、広い周波数帯域にわたって
エコー感度が高くなっており、高い信号レベルが得られ
ることがわかる。
【0016】図1においては、実線の周波数特性曲線の
エコー感度最高値から6dB小さいエコー感度における
周波数値はf1 (1.65MHz)とf2 (5.40M
Hz)であり、中心周波数は3.53MHzである。し
たがって、−6dB比帯域(f1 とf2 の差を中心周波
数で割った値)は106%となる。
エコー感度最高値から6dB小さいエコー感度における
周波数値はf1 (1.65MHz)とf2 (5.40M
Hz)であり、中心周波数は3.53MHzである。し
たがって、−6dB比帯域(f1 とf2 の差を中心周波
数で割った値)は106%となる。
【0017】特に、本発明者が検討した結果、一本の振
動子中に含まれる透明度の低い部分の割合を5%以上3
0%未満としたときに、特に信号レベルに著しい低下を
招かずに、超音波プロ−ブの広帯域化が可能であること
を見出した。その結果、Bモ−ド像とCFM像の双方に
高い信号レベルが得られ、透明度の低い部分を含まない
圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックス
を用いた超音波プロ−ブに比べて広帯域特性の超音波プ
ロ−ブを提供できる。
動子中に含まれる透明度の低い部分の割合を5%以上3
0%未満としたときに、特に信号レベルに著しい低下を
招かずに、超音波プロ−ブの広帯域化が可能であること
を見出した。その結果、Bモ−ド像とCFM像の双方に
高い信号レベルが得られ、透明度の低い部分を含まない
圧電単結晶やジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックス
を用いた超音波プロ−ブに比べて広帯域特性の超音波プ
ロ−ブを提供できる。
【0018】ただ、振動子に含まれる透過率の低い部分
の割合が5%未満の場合、広帯域化の効果は顕著に現れ
ず、30%を越える場合はある程度の広帯域化はなされ
るが、全体の信号レベルが低下してしまう。
の割合が5%未満の場合、広帯域化の効果は顕著に現れ
ず、30%を越える場合はある程度の広帯域化はなされ
るが、全体の信号レベルが低下してしまう。
【0019】
(実施例1)亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛圧電単結晶P
b((Zn1/3 Nb2/3 )1-x Tix )O3 (xは0.
05≦x≦0.2である。)を用いて超音波プロ−ブを
作製した。
b((Zn1/3 Nb2/3 )1-x Tix )O3 (xは0.
05≦x≦0.2である。)を用いて超音波プロ−ブを
作製した。
【0020】まず、単結晶原料として純度99.99%
以上のPbO、ZnO、Nb2 O5、TiO2 を、亜鉛
ニオブ酸鉛とチタン酸鉛が91:9のモル比となるよう
に秤量し、融材として単結晶原料の1.2倍のPbOを
加えた。これを雷潰機で20分混合し、250ccの白金
坩堝に充填し、さらに電気炉中で1270℃に加熱して
10時間保持した。その後、1℃/hの速度で900℃ま
で徐冷し、室温までは自然冷却した。
以上のPbO、ZnO、Nb2 O5、TiO2 を、亜鉛
ニオブ酸鉛とチタン酸鉛が91:9のモル比となるよう
に秤量し、融材として単結晶原料の1.2倍のPbOを
加えた。これを雷潰機で20分混合し、250ccの白金
坩堝に充填し、さらに電気炉中で1270℃に加熱して
10時間保持した。その後、1℃/hの速度で900℃ま
で徐冷し、室温までは自然冷却した。
【0021】次に、白金坩堝内の単結晶と融材の混合し
た固形物から融材を割り、中の単結晶塊を取り出した。
丸みを帯びた、1辺がおよそ35mmの平行6面体の単結
晶が得られ、X線回折でペロブスカイト構造を成してい
る事を確認した。前記単結晶塊をラウエカメラで観察す
ることにより、その<001>の方位を確定し、これを
垂直にダイヤモンドカッタ−で1mm厚にスライスし、
(001)ウエハを得た。
た固形物から融材を割り、中の単結晶塊を取り出した。
丸みを帯びた、1辺がおよそ35mmの平行6面体の単結
晶が得られ、X線回折でペロブスカイト構造を成してい
る事を確認した。前記単結晶塊をラウエカメラで観察す
ることにより、その<001>の方位を確定し、これを
垂直にダイヤモンドカッタ−で1mm厚にスライスし、
(001)ウエハを得た。
【0022】次に、鏡面研磨を行い、この後に前記(0
01)ウエハの表面を観察すると、ウエハには光学的に
透過率の高い部分と低い部分との2種類が混在して観察
された。透過率の高い部分と低い部分は、図3における
圧電単結晶薄板1の部分1b、1aにそれぞれ相当す
る。ここで、ウエハの透過率の測定は以下に述べる手法
により行った。
01)ウエハの表面を観察すると、ウエハには光学的に
透過率の高い部分と低い部分との2種類が混在して観察
された。透過率の高い部分と低い部分は、図3における
圧電単結晶薄板1の部分1b、1aにそれぞれ相当す
る。ここで、ウエハの透過率の測定は以下に述べる手法
により行った。
【0023】即ち、まず、キセノンランプを光源とし、
モノクロメータを介して波長400nmの単色光を得、さ
らにレンズを介してウエハ表面でのスポット径が1mmΦ
になるように集光した。このスポット光の単位面積当た
りのパワーが10μW/cmになるよう光源の出力を調整し
た。30×30×1mmの(001)ウエハの両面を鏡
面研磨し、(001)面に垂直に光が入射するように設
置した。(001)ウエハの透過光をシリコンのフォト
ダイオードを用いた光パワーメータで計測し、別途測定
したウエハへ入射する直前の光の強度に対する透過光の
強度比として透過率を求めた。
モノクロメータを介して波長400nmの単色光を得、さ
らにレンズを介してウエハ表面でのスポット径が1mmΦ
になるように集光した。このスポット光の単位面積当た
りのパワーが10μW/cmになるよう光源の出力を調整し
た。30×30×1mmの(001)ウエハの両面を鏡
面研磨し、(001)面に垂直に光が入射するように設
置した。(001)ウエハの透過光をシリコンのフォト
ダイオードを用いた光パワーメータで計測し、別途測定
したウエハへ入射する直前の光の強度に対する透過光の
強度比として透過率を求めた。
【0024】以上述べた透過率の測定方法に基づいて、
波長400nmの光を使用して、ウエハ1の透過率を測定
したところ、比較的透過率が高い部分は一様に30%以
上の透過率で、比較的透過率が低い部分は一様に5%以
下の透過率であった。
波長400nmの光を使用して、ウエハ1の透過率を測定
したところ、比較的透過率が高い部分は一様に30%以
上の透過率で、比較的透過率が低い部分は一様に5%以
下の透過率であった。
【0025】次に、前記(001)ウエハの両面を#2
000の研磨材で厚み0.24mmに研磨し、Ti/Au
をスパッタメタライズして電極を構成した。先述の透過
率の高い部分と低い部分をそれぞれ含むように、上記ウ
エハから幅0.12mm×長さ14mm×厚み0.24mmの
短冊状振動子を10本切り出し、電気機械結合係数k3
3' を測定した。
000の研磨材で厚み0.24mmに研磨し、Ti/Au
をスパッタメタライズして電極を構成した。先述の透過
率の高い部分と低い部分をそれぞれ含むように、上記ウ
エハから幅0.12mm×長さ14mm×厚み0.24mmの
短冊状振動子を10本切り出し、電気機械結合係数k3
3' を測定した。
【0026】透過率の高い部分から切り出した振動子は
平均でk33' =84%となり、共振周波数(fr )と
厚みの積で表される周波数定数Nr が820Hz・mとなっ
た。一方、透過率が低い部分はk33' が80%、周波
数定数Nr が720Hz・mとなり、透過率の低い部分は同
じ厚みでも共振周波数が低いことがわかった。
平均でk33' =84%となり、共振周波数(fr )と
厚みの積で表される周波数定数Nr が820Hz・mとなっ
た。一方、透過率が低い部分はk33' が80%、周波
数定数Nr が720Hz・mとなり、透過率の低い部分は同
じ厚みでも共振周波数が低いことがわかった。
【0027】次に、前記単結晶塊から切りだした別の
(001)ウエハを用いて以下に示す手順で超音波プロ
−ブを作製した。まず、(001)ウエハの両面を#2
000の研磨材で0.24mmに研磨し、Ti/Auをス
パッタメタライズして電極を構成した。
(001)ウエハを用いて以下に示す手順で超音波プロ
−ブを作製した。まず、(001)ウエハの両面を#2
000の研磨材で0.24mmに研磨し、Ti/Auをス
パッタメタライズして電極を構成した。
【0028】次に、図3に示すようにダイシングソ−で
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板に加工し
た。この図3には電極を示していないが、圧電単結晶薄
板1の両面に電極が形成されている。この電極は、後の
図4に示す短冊状振動子の電極3a及び3bに相当す
る。この際、図3に示す如く、圧電単結晶薄板1の面積
の8%から12%が先述の透過率が低い部分となるよう
に、(001)ウエハから切り出しを行った。
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板に加工し
た。この図3には電極を示していないが、圧電単結晶薄
板1の両面に電極が形成されている。この電極は、後の
図4に示す短冊状振動子の電極3a及び3bに相当す
る。この際、図3に示す如く、圧電単結晶薄板1の面積
の8%から12%が先述の透過率が低い部分となるよう
に、(001)ウエハから切り出しを行った。
【0029】この圧電単結晶薄板1に対して、210℃
のシリコ−ンオイル中で600V/mmの電界を10分間印
加し、電界を保持したまま40℃まで冷却して分極処理
を施し、電気機械結合係数ktを測定したところ、kt
=54%であった。
のシリコ−ンオイル中で600V/mmの電界を10分間印
加し、電界を保持したまま40℃まで冷却して分極処理
を施し、電気機械結合係数ktを測定したところ、kt
=54%であった。
【0030】次に、上記薄板の片面に128chのフレキ
シブル配線基盤(FPC)(図示せず。)を、もう一方
の面に銅箔からなるア−ス板(図示せず。)を半田付け
し、各々半田付けした部分の裏側の電極をエッチングに
より除去した。次に、図2に示すようにFPCを取り付
けた面にバッキング材2を、ア−ス板を取り付けた面に
マッチング層4を接着した。
シブル配線基盤(FPC)(図示せず。)を、もう一方
の面に銅箔からなるア−ス板(図示せず。)を半田付け
し、各々半田付けした部分の裏側の電極をエッチングに
より除去した。次に、図2に示すようにFPCを取り付
けた面にバッキング材2を、ア−ス板を取り付けた面に
マッチング層4を接着した。
【0031】次に、FPCのチャンネルピッチ(150
μm )に合わせ、マッチング層4と上記薄板をダイシン
グソ−で幅30μm のブレ−ドにより深さ400μm
(約50μm バッキング材2に切れ込む。)で128素
子にアレイ加工し、図示しない音響レンズをマッチング
層4上に接着し、図1に示すような超音波プロ−ブを作
製した。
μm )に合わせ、マッチング層4と上記薄板をダイシン
グソ−で幅30μm のブレ−ドにより深さ400μm
(約50μm バッキング材2に切れ込む。)で128素
子にアレイ加工し、図示しない音響レンズをマッチング
層4上に接着し、図1に示すような超音波プロ−ブを作
製した。
【0032】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.55±
0.15MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で106%になった。この帯
域は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数
を設定できる値であった。
エコ−法により測定し、すべての素子から3.55±
0.15MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で106%になった。この帯
域は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数
を設定できる値であった。
【0033】(比較例1)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×厚み14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図5に示す如く、圧電単結晶薄板51の面積の
0%から4%が先述の透過率が低い部分51aとなるよ
うにした。51bは透過率が高い部分である。このウエ
ハからの切り出し位置以外のプロセスは実施例1と同一
とし、図6に示す短冊状振動子からなる超音波プロ−ブ
を作製した(53a、53bは電極。)。
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×厚み14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図5に示す如く、圧電単結晶薄板51の面積の
0%から4%が先述の透過率が低い部分51aとなるよ
うにした。51bは透過率が高い部分である。このウエ
ハからの切り出し位置以外のプロセスは実施例1と同一
とし、図6に示す短冊状振動子からなる超音波プロ−ブ
を作製した(53a、53bは電極。)。
【0034】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.75±
0.11MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で82%になった。この値
は、従来のジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスを
用いた同タイプの超音波プロ−ブよりは広帯域である
が、実施例1の方がより広帯域特性を示した。また、エ
コ−波形の波高値は実施例1に較べて+1dBで、透過率
が低い部分を比較的多く含んだ実施例1の方がわずかに
劣るが、有異差と言える程の差はなかった。
エコ−法により測定し、すべての素子から3.75±
0.11MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で82%になった。この値
は、従来のジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスを
用いた同タイプの超音波プロ−ブよりは広帯域である
が、実施例1の方がより広帯域特性を示した。また、エ
コ−波形の波高値は実施例1に較べて+1dBで、透過率
が低い部分を比較的多く含んだ実施例1の方がわずかに
劣るが、有異差と言える程の差はなかった。
【0035】(実施例2)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図7に示す如く、圧電単結晶薄板71の面積の
20%から25%が先述の透過率が低い部分71aとな
るようにした。71bは透過率が高い部分である。この
ウエハからの切り出し位置以外のプロセスは実施例1と
同一とし、図8に示す短冊状振動子からなる超音波プロ
−ブを作製した(73a、73bは電極。)。
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図7に示す如く、圧電単結晶薄板71の面積の
20%から25%が先述の透過率が低い部分71aとな
るようにした。71bは透過率が高い部分である。この
ウエハからの切り出し位置以外のプロセスは実施例1と
同一とし、図8に示す短冊状振動子からなる超音波プロ
−ブを作製した(73a、73bは電極。)。
【0036】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.50±
0.15MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で108%になった。この帯
域は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数
を設定できる値であった。また、エコ−波形の波高値は
実施例1に較べ−3dBとなり、やや劣ったが、比帯域で
は優った。
エコ−法により測定し、すべての素子から3.50±
0.15MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で108%になった。この帯
域は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数
を設定できる値であった。また、エコ−波形の波高値は
実施例1に較べ−3dBとなり、やや劣ったが、比帯域で
は優った。
【0037】(比較例2)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図10に示す如く、圧電単結晶薄板91の面積
の45%から55%が先述の透過率が低い部分91aと
なるようにした。このウエハからの切り出し位置以外の
プロセスは実施例1と同一とし、図10に示す短冊状振
動子からなる超音波プロ−ブを作製した(93a、93
bは電極。)。
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図10に示す如く、圧電単結晶薄板91の面積
の45%から55%が先述の透過率が低い部分91aと
なるようにした。このウエハからの切り出し位置以外の
プロセスは実施例1と同一とし、図10に示す短冊状振
動子からなる超音波プロ−ブを作製した(93a、93
bは電極。)。
【0038】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.25±
0.25MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で80%になった。この値
は、従来のジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスを
用いた同タイプの超音波プロ−ブよりは広帯域である
が、実施例1及び2の方がより広帯域特性を示した。ま
た、エコ−波形の波高値は実施例2に較べて−8dBとな
り、比帯域と共に大きく劣った。
エコ−法により測定し、すべての素子から3.25±
0.25MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で80%になった。この値
は、従来のジルコン酸チタン酸鉛系圧電セラミックスを
用いた同タイプの超音波プロ−ブよりは広帯域である
が、実施例1及び2の方がより広帯域特性を示した。ま
た、エコ−波形の波高値は実施例2に較べて−8dBとな
り、比帯域と共に大きく劣った。
【0039】(比較例3)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、薄板の面積の32%から38%が先述の透過率
が低い部分となるようにした。このウエハからの切り出
し位置以外のプロセスは実施例1と同一とし、超音波プ
ロ−ブを作製した。
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、薄板の面積の32%から38%が先述の透過率
が低い部分となるようにした。このウエハからの切り出
し位置以外のプロセスは実施例1と同一とし、超音波プ
ロ−ブを作製した。
【0040】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、すべての素子から3.40±
0.20MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で93%になった。この帯域
は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数を
設定できる値であった。しかしながら、エコ−波形の波
高値は実施例1に較べ−6dBと劣った。
エコ−法により測定し、すべての素子から3.40±
0.20MHz 以内の中心周波数を有するエコ−が受信さ
れ、−6dBの比帯域は平均で93%になった。この帯域
は、従来よりも広範囲のドップラリファレンス周波数を
設定できる値であった。しかしながら、エコ−波形の波
高値は実施例1に較べ−6dBと劣った。
【0041】(比較例4)一般にバッキング材の音響イ
ンピ−ダンスを大きくする、すなわち振動子の音響イン
ピ−ダンスに近づけるほど、特性は広帯域となるが感度
は低下する。また、逆にバッキング材の音響インピ−ダ
ンスを小さくすると狭帯域となるが感度は上がる。そこ
で前記プロ−ブのバッキング材の音響インピ−ダンスを
これまでのもの(Z=6.2×106kg/m2s )よりも
小さいもの(Z=2.2×106kg/m2s )に替え、同
様のプロセスでプロ−ブを作製した。ところが、従来の
バッキング材を使用したプロ−ブと異なり、150μm
ピッチでのアレイ加工時に、振動子の折れ、チッピン
グ、FPCと振動子接合部の剥離等の不良が多く発生
し、歩留まりが著しく低下した。
ンピ−ダンスを大きくする、すなわち振動子の音響イン
ピ−ダンスに近づけるほど、特性は広帯域となるが感度
は低下する。また、逆にバッキング材の音響インピ−ダ
ンスを小さくすると狭帯域となるが感度は上がる。そこ
で前記プロ−ブのバッキング材の音響インピ−ダンスを
これまでのもの(Z=6.2×106kg/m2s )よりも
小さいもの(Z=2.2×106kg/m2s )に替え、同
様のプロセスでプロ−ブを作製した。ところが、従来の
バッキング材を使用したプロ−ブと異なり、150μm
ピッチでのアレイ加工時に、振動子の折れ、チッピン
グ、FPCと振動子接合部の剥離等の不良が多く発生
し、歩留まりが著しく低下した。
【0042】これは、一般に音響インピ−ダンスが小さ
いバッキング材を選択した場合、その材質が柔らかい傾
向があり、そのためダイシングソ−による切削性が低下
し、このような不良が多発したものである。また、不良
が発生しなかった振動子の特性を調べたところ、エコ−
波形の波高値は実施例1に較べ−4dBとなり、従来のバ
ッキング材を使用したプロ−ブよりも2dB向上してい
た。しかし、−6dBの比帯域は82%と狭帯域化してし
まった。
いバッキング材を選択した場合、その材質が柔らかい傾
向があり、そのためダイシングソ−による切削性が低下
し、このような不良が多発したものである。また、不良
が発生しなかった振動子の特性を調べたところ、エコ−
波形の波高値は実施例1に較べ−4dBとなり、従来のバ
ッキング材を使用したプロ−ブよりも2dB向上してい
た。しかし、−6dBの比帯域は82%と狭帯域化してし
まった。
【0043】このように、透過率の低い部分を実施例2
の場合よりも増し、かつバッキング材の音響インピ−ダ
ンスを小さいものに替えることによっても、感度向上と
広帯域化を同時に図ることはできなかった。
の場合よりも増し、かつバッキング材の音響インピ−ダ
ンスを小さいものに替えることによっても、感度向上と
広帯域化を同時に図ることはできなかった。
【0044】(実施例3)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図12に示す如く、圧電単結晶薄板101の面
積の20%から25%が先述の透過率が低い部分101
aとなるようにした。101bは透過率が高い部分であ
る。この実施例3では、透過率が低い部分101aが短
冊状振動子の中心に位置するようにした。
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様の研磨、電
極形成を行った。電極を形成した(001)ウエハから
幅20mm×長さ14mm×厚み0.24mmの薄板を切り出
す際に、図12に示す如く、圧電単結晶薄板101の面
積の20%から25%が先述の透過率が低い部分101
aとなるようにした。101bは透過率が高い部分であ
る。この実施例3では、透過率が低い部分101aが短
冊状振動子の中心に位置するようにした。
【0045】上記したウエハからの切り出し位置以外の
プロセスは実施例1と同一とし、図10に示す短冊状振
動子からなる超音波プロ−ブを作製した(図11)。こ
の超音波プロ−ブによれば、透過率が低い部分101a
が短冊状振動子の中心に位置しており、透過率が低い部
分101aは上述したように周波数定数が小さく、発振
される超音波の音速が小さくなるので、超音波の集束性
を向上させることが可能である。
プロセスは実施例1と同一とし、図10に示す短冊状振
動子からなる超音波プロ−ブを作製した(図11)。こ
の超音波プロ−ブによれば、透過率が低い部分101a
が短冊状振動子の中心に位置しており、透過率が低い部
分101aは上述したように周波数定数が小さく、発振
される超音波の音速が小さくなるので、超音波の集束性
を向上させることが可能である。
【0046】以上述べたように本発明の詳細を説明した
が、本発明は上記した実施例に限定されるものではな
い。例えば、透過率が低い圧電単結晶部分と透過率が高
い圧電単結晶部分とを別々のウエハに形成しておき、そ
れらをウエハからそれぞれ切り出して、透過率が低い圧
電単結晶部分と透過率が高い圧電単結晶部分とを接合す
ることにより、本発明の超音波プローブを作製すること
も可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することが可能である。
が、本発明は上記した実施例に限定されるものではな
い。例えば、透過率が低い圧電単結晶部分と透過率が高
い圧電単結晶部分とを別々のウエハに形成しておき、そ
れらをウエハからそれぞれ切り出して、透過率が低い圧
電単結晶部分と透過率が高い圧電単結晶部分とを接合す
ることにより、本発明の超音波プローブを作製すること
も可能である。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することが可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば圧
電単結晶を用いた超音波プロ−ブにおいて、厚さ1mmに
おける波長400nmの光に対する透過率が0.1未満の
部分が、面積率で5%以上30%未満含まれるような圧
電単結晶を用いることにより、従来のセラミックス、又
は透過率が5%未満、若しくは30%以上の圧電単結晶
を用いた同タイプの超音波プロ−ブよりも広帯域特性を
得ることができる。これにより、広範囲のドプラリファ
レンス周波数を設定することができるので、医用診断装
置などの診断能力向上に顕著な効果がある。
電単結晶を用いた超音波プロ−ブにおいて、厚さ1mmに
おける波長400nmの光に対する透過率が0.1未満の
部分が、面積率で5%以上30%未満含まれるような圧
電単結晶を用いることにより、従来のセラミックス、又
は透過率が5%未満、若しくは30%以上の圧電単結晶
を用いた同タイプの超音波プロ−ブよりも広帯域特性を
得ることができる。これにより、広範囲のドプラリファ
レンス周波数を設定することができるので、医用診断装
置などの診断能力向上に顕著な効果がある。
【図1】 本発明にかかる圧電振動子における周波数と
エコー感度との関係を示す特性図。
エコー感度との関係を示す特性図。
【図2】 本発明の実施例1にかかる超音波プロ−ブの
構成を示す斜視図。
構成を示す斜視図。
【図3】 本発明の実施例1にかかる、透過率が0.1
未満の部分を8〜12%含む圧電単結晶の構成を示す斜
視図。
未満の部分を8〜12%含む圧電単結晶の構成を示す斜
視図。
【図4】 本発明の実施例1にかかる、透過率が0.1
未満の部分を8〜12%含む圧電単結晶で作製したプロ
−ブの1振動子の構成を示す斜視図。
未満の部分を8〜12%含む圧電単結晶で作製したプロ
−ブの1振動子の構成を示す斜視図。
【図5】 比較例1にかかる、透過率が0.1未満の部
分を0〜4%含む圧電単結晶の構成を示す斜視図。
分を0〜4%含む圧電単結晶の構成を示す斜視図。
【図6】 比較例1にかかる、透過率が0.1未満の部
分を0〜4%含む圧電単結晶で作製したプロ−ブの1振
動子の構成を示す斜視図。
分を0〜4%含む圧電単結晶で作製したプロ−ブの1振
動子の構成を示す斜視図。
【図7】 本発明の実施例2にかかる、透過率が0.1
未満の部分を20〜25%含む圧電単結晶の構成を示す
斜視図。
未満の部分を20〜25%含む圧電単結晶の構成を示す
斜視図。
【図8】 本発明の実施例2にかかる、透過率が0.1
未満の部分を20〜25%含む圧電単結晶で作製したプ
ロ−ブの1振動子の構成を示す斜視図。
未満の部分を20〜25%含む圧電単結晶で作製したプ
ロ−ブの1振動子の構成を示す斜視図。
【図9】 比較例2にかかる、透過率が0.1未満の部
分を45〜55%含む圧電単結晶の構成を示す斜視図。
分を45〜55%含む圧電単結晶の構成を示す斜視図。
【図10】 比較例2にかかる、透過率が0.1未満の
部分を45〜55%含む圧電単結晶で作製したプロ−ブ
の1振動子の構成を示す斜視図。
部分を45〜55%含む圧電単結晶で作製したプロ−ブ
の1振動子の構成を示す斜視図。
【図11】 本発明の実施例3にかかる超音波プロ−ブ
の構成を示す斜視図。
の構成を示す斜視図。
【図12】 本発明の実施例3にかかる、透過率が0.
1未満の部分を中心部に含む圧電単結晶振動子の構成を
示す斜視図。
1未満の部分を中心部に含む圧電単結晶振動子の構成を
示す斜視図。
1、51、71、91、101…圧電体
1a、51a、71a、91a、101a…透過率が
0.1%未満の圧電体 1b、51b、71b、91b、101b…透過率が
0.1以上の圧電体 2…バッキング材 3a、3b、53a、53b、73a、73b、93
a、93b…電極 4…マッチング層
0.1%未満の圧電体 1b、51b、71b、91b、101b…透過率が
0.1以上の圧電体 2…バッキング材 3a、3b、53a、53b、73a、73b、93
a、93b…電極 4…マッチング層
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の振動子をアレイ状に配列した超音波
プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つの
振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対する
透過率が0.1未満の圧電単結晶からなる部分を5%以
上、30%未満有する圧電体を含むことを特徴とする超
音波プロ−ブ。 - 【請求項2】 前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
((M11/3 Nb(2/3)-(2z/3)Ta2z/3)1-x-y Tix
M2y )O3 (M1はZn、Ni及びMgから選ばれる
少なくとも1つの金属、M2はPt,Fe、Bi、Rh
及びIrから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、
x、y及びzはそれぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y
≦0.01、0≦z≦0.1である。)として規定され
るペロブスカイト型複合酸化物からなることを特徴とす
る請求項1記載の超音波プロ−ブ。 - 【請求項3】 前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
((M31/2 Nb(1/2)-(z/2) Taz/2)1-x-y TixM
2y )O3 (M2はPt,Fe、Bi、Rh及びIrか
ら選ばれる少なくとも1つの金属、M3はScおよびI
nから選ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及
びzはそれぞれ0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.0
1、0≦z≦0.1である。)として規定されるペロブ
スカイト型複合酸化物からなることを特徴とする請求項
1記載の超音波プロ−ブ。 - 【請求項4】 前記圧電単結晶からなる部分は、Pb
((Zn1/3 Nb2/3 )1-x Tix )O3 (xは0.0
5≦x≦0.2である。)として規定されるペロブスカ
イト型複合酸化物からなることを特徴とする請求項1記
載の超音波プロ−ブ。 - 【請求項5】 前記圧電体は単結晶からなることを特徴と
する請求項1乃至4記載の超音波プロ−ブ。 - 【請求項6】 前 記振動子の中の少なくとも1つの振動子
は、所定の中心周波数及び所定のエコー感度の周波数特
性の最大値を有する第1の圧電単結晶部分と、この第1
の圧電単結晶部分よりも中心周波数が低く、かつエコー
感度の周波数特性の最大値が小さい第2の圧電単結晶部
分とを備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波プ
ロ−ブを用いた超音波診断装置。 - 【請求項7】 複数の振動子をアレイ状に配列した超音波
プロ−ブであって、前記振動子の中の少なくとも1つの
振動子は、厚さ1mmにおける波長400nmの光に対する
透過率が0.1未満の圧電単結晶からなる部分を5%以
上、30%未満有する圧電体を含む超音波プロ−ブを用
いた超音波診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23796897A JP3529600B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23796897A JP3529600B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1176239A JPH1176239A (ja) | 1999-03-23 |
JP3529600B2 true JP3529600B2 (ja) | 2004-05-24 |
Family
ID=17023144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23796897A Expired - Fee Related JP3529600B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 超音波プロ−ブ及びこれを用いた超音波診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (5)
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JP2009082385A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Fujifilm Corp | 超音波探触子 |
JP4734354B2 (ja) * | 2008-02-13 | 2011-07-27 | 株式会社東芝 | 生体情報計測装置 |
JP5296121B2 (ja) * | 2011-02-28 | 2013-09-25 | 株式会社東芝 | 生体情報計測装置 |
KR20180078108A (ko) * | 2016-12-29 | 2018-07-09 | 주식회사 메타바이오메드 | 다중대역 blt 진동자를 적용한 초음파 수술기 |
-
1997
- 1997-09-03 JP JP23796897A patent/JP3529600B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH1176239A (ja) | 1999-03-23 |
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