JP2000279411A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

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JP2000279411A
JP2000279411A JP11093371A JP9337199A JP2000279411A JP 2000279411 A JP2000279411 A JP 2000279411A JP 11093371 A JP11093371 A JP 11093371A JP 9337199 A JP9337199 A JP 9337199A JP 2000279411 A JP2000279411 A JP 2000279411A
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JP
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vibrator
ultrasonic probe
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vibrators
single crystal
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JP11093371A
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Takashi Kobayashi
剛史 小林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アレイ加工時の振動子のクラック発生が無
く、またバッキング材と振動子の接合界面の応力による
振動子の破損が生じない、歩留まりの良い高感度な超音
波プロ−ブを提供する。 【解決手段】 Pb((Zn1/3Nb(2/3)−
(2z/3)Ta2z/3)1−x−y Tix M2
y)O3 ただし、M2はPt、Fe、Bi、Rh及びIrから選
ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びzはそ
れぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y≦0.01、0≦z
≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化物
による圧電単結晶を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波プローブに関
し、特に多数の振動子をアレイ状に配列した超音波プロ
ーブに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波プロ−ブが用いられた超音波画像
装置には人体内部を検査する為の医用診断装置や、金属
構造物内部の欠陥を検査する為の探傷装置などがある。
医用診断装置では人体の断層像(Bモ−ド像)に加え、
超音波の血流によるドプラシフトにより血流速度を2次
元カラ−表示するカラ−フロ−マッピング(CFM)法
が開発されている。CFM法では微小な血球からの反射
エコ−を利用しているため、得られる信号レベルが小さ
い。そのため鮮明なBモード像を得る為のみならず、体
内のより深部の血流を画像化する為にも超音波プロ−ブ
には高感度化が求められている。
【0003】一方、超音波プローブのバッキング材はア
レイ状に配列された圧電振動子の支持と振動子が超音波
を送受信する際の残留振動の抑制を目的として設けられ
ている。このバッキング材の材料はゴムに金属粉末を混
合したもの、あるいはゴムと樹脂とを混合した材料等が
あり、その硬度は例えばJIS-K6301で規定されたAスケ
ール硬度(以下、これを硬度と記す)が90〜97の材
料が多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超音波プローブの高感
度化の為には超音波の送受信をする圧電振動子に超音波
と電気信号との変換効率を表す電気機械結合係数の高い
圧電材料を用いる事が考えられる。従来超音波プローブ
の圧電材料に用いられているジルコン酸鉛とチタン酸鉛
の固溶体(PZT)セラミックスよりも電気機械結合係
数が高い材料として、亜鉛ニオブ酸鉛とチタン酸鉛の固
溶体やマグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛の固溶体の
圧電単結晶があり、これらを超音波プローブの振動子に
用いる事が高感度化に有望である。ところがこれらの圧
電単結晶はPZTに比べその機械的強度が小さく、加工
性に劣る欠点があった。そのため、これらの圧電単結晶
を超音波プローブの振動子に用いた場合以下のような不
具合があった。
【0005】超音波プローブ作製プロセスで、熱膨張率
が異なるバッキング材と圧電振動子を接着し、接着力を
高める為高温での硬化を行った場合、熱収差により接着
界面に応力が生じる。バッキング材の硬度が小さい場合
はバッキング材のある程度の変形によりこの応力が緩和
されるが、90以上の硬度を有する従来のバッキング材
を用いた場合、応力が緩和される度合いは小さい。その
ため、従来のセラミック振動子よりも機械的強度に劣る
単結晶振動子の場合では破損等の不良が頻発し、著しい
歩留まりの低下を招いていた。
【0006】一方、バッキング材の硬度が70未満と小
さい材料を用いた場合、先述の単結晶振動子とバッキン
グ材を接着した際の振動子の破損は抑制される。しか
し、大きな問題点として加工性の低下が挙げられる。現
在の短冊状の振動子を多数アレイ状に配列した超音波プ
ローブでは、まず大きな振動子板をバッキング材に接着
し、これをダイシングソー等を用いて細かいピッチで切
り揃えてゆくアレイ加工を行い、アレイ状に配列した振
動子群を得ている。このアレイ加工のピッチは数10μ
mから数100μmと非常に細かく、振動子の切削性が劣
るとプローブ作製上の歩留まりを低下させる要因とな
る。先述の硬度の小さい材料では、前記アレイ加工の際
に以下に述べる不具合が生じている。1つはバッキング
材が柔らかいとアレイ加工時の振動子が充分に支持され
ておらず、切削時のダイシングソーのブレードから受け
る応力に対し、振動子にぶれが生じ易い不安定な状態で
切削される事になる。またもう一つは、柔らかい素材で
あるバッキング材がブレードに目詰まりを起こし、切削
性が低下してしまう。これらの事に起因し、従来のPZ
Tセラミックスよりも機械的強度が小さい単結晶振動子
では、アレイ加工後の短冊状振動子1本1本に細かなク
ラックが発生し、振動子の電極層の断線、感度低下等が
発生し、プローブの歩留まりが低下していた。
【0007】本発明の目的は、超音波プローブの高感度
化が図れる圧電単結晶を振動子に用い、振動子へのクラ
ック発生の無い良好なアレイ加工性を維持しつつ、振動
子との接着時に振動子に破損が生じないバッキング材を
用いる事で、高感度で歩留まりの良い超音波プローブを
提供する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決する為に、多数の振動子をアレイ状に配列した超音波
プロ−ブにおいて、硬度Hが70≦H≦89(単位無し)、
好ましくは75≦H≦87の範囲にあるバッキング材を用い
る事を手段とする。また、前記圧電単結晶に、 Pb((Zn1/3Nb(2/3)−(2z/3)Ta2
z/3)1−x−y Tix M2y)O3 ただし、M2はPt、Fe、Bi、Rh及びIrから選
ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びzはそ
れぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y≦0.01、0≦z
≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化物
による圧電単結晶、あるいは、 Pb((Mg1/3Nb(2/3)−(2z/3)Ta2
z/3)1−x−y Tix M2y)O3 ただし、M2はPt、Fe、Bi、Rh及びIrから選
ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びzはそ
れぞれ0.12≦x≦0.52、0≦y≦0.01、0≦
z≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化
物による圧電単結晶、あるいは、 Pb((M31/2Nb(1/2)−(z/2)Taz/
2)1−x−y TixM2y)O3 ただし、M2はPt,Fe、Bi、Rh及びIrから選
ばれる少なくとも1つの金属、M3はScおよびInか
ら選ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びz
はそれぞれ0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.01、0≦
z≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化
物による圧電単結晶を用いる事を手段とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に関わる圧電単結晶を振動
子に用いた超音波プローブでは、硬度Hが70≦H≦8
9の材料がバッキング材に用いられている。そのためバ
ッキング材と振動子の接着時に振動子に破損が生じず、
また、アレイ加工性の低下による振動子へのクラック発
生などの不良が生じず、プロセス中の歩留まりが高くな
る。
【0010】ただ、バッキング材の硬度が90以上の場
合、バッキング材に接着した振動子の破損は顕著とな
る。また、硬度が70未満の場合、振動子の破損は抑制
できるが、振動子のアレイ加工時のクラック発生が顕著
となる。
【0011】
【実施例】(実施例1)亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛圧
電単結晶を用いて超音波プロ−ブを作製した。単結晶原
料として純度99.99%以上のPbO、ZnO、Nb
2O5、TiO2を、亜鉛ニオブ酸鉛とチタン酸鉛が9
1:9のモル比に秤量し、融材として単結晶原料の1.
2倍のPbOを加えた。これを雷潰機で20分混合し、
240ccの白金坩堝に充填し、電気炉中で1270℃に
加熱し、10時間保持した。その後、1℃/hの速度で9
00℃まで徐冷し、室温までは自然冷却した。白金坩堝
内の単結晶と融材の混合した固形物から中の単結晶塊を
取り出した。丸みを帯びた、1辺がおよそ35mmの平行
6面体の単結晶が得られ、X線回折でペロブスカイト構
造を成している事を確認した。前記単結晶塊をラウエカ
メラで<001>の方位を確定し、これに垂直にダイヤ
モンドカッタ−で1mm厚にスライスし、1辺がおよそ2
4mmの(001)ウエハを得た。前記(001)ウエハ
の両面を#2000の研磨材で0.25mmtに研磨し、
2種の金属層からなる電極を圧電体の両面にスパッタメ
タライズで電極を構成し、振動子を作製した。電極は圧
電体に近い層から順に、Tiを0.05μm、Auを0.
2μmの厚さで構成した。この平板状振動子から12mm
w×14mml×0.25mmtの短冊状振動子を10本切
り出し、210℃のシリコ−ンオイル中で600V/mmの
電界を10分間印加し、電界を保持したまま40℃まで
冷却し分極処理を施した後に、電気機械結合係数k3
3'を測定した結果、平均でk33'=84%となった。
【0012】前記単結晶塊から切りだした別の(00
1)ウエハを用いて以下に示す手順で超音波プロ−ブを
作製した。(001)ウエハの両面を#2000の研磨
材で0.25mmに研磨し、3種の金属層からなる電極を
圧電体の両面にスパッタメタライズし電極を構成した。
電極は圧電体に近い層から順に、Tiを0.05μm、C
uを1.0μm、Auを0.2μmの厚さで構成した。次
に、ダイシングソ−で20mmw×14mml×0.25mm
tに加工し、平板状振動子を得た。これを210℃のシ
リコ−ンオイル中で500V/mmの電界を10分間印加
し、電界を保持したまま40℃まで冷却し分極処理を施
し、電気機械結合係数ktを測定したところ、kt=54
%であった。次に、平板状振動子の1面に96chのフレ
キシブル配線基板(FPC)を、もう一方の面に銅箔か
らなるア−ス板を半田付けし、各々半田付けした部分の
裏側の電極をエッチングにより除去した。次に、FPC
を取り付けた面に硬度が86のバッキング材を、ア−ス
板を取り付けた面にマッチング層を接着した。バッキン
グ材と振動子の接着にはエポキシ系接着剤を用い、十分
な接着強度を得る為に60℃―90分の熱処理を行っ
た。次に、FPCのチャンネルピッチ(190μm)に
合わせ、マッチング層と平板状振動子をダイシングソ−
で幅30μmのブレ−ドにより深さ700μm(約200
μmバッキング材に切れ込む)で96素子にアレイ加工
し、音響レンズを接着し、図1に示す様な超音波プロ−
ブ試作体を作製した。
【0013】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、96チャンネルすべての素子か
ら3.5±0.1MHz以内の中心周波数を有するエコ−が
受信された。また、−6dBの比帯域は平均で82%にな
った。エコーの受信レベルは、比較のために、PZTセ
ラミックスを振動子に、硬度93の材料をバッキング材
に用いた以外は本プローブと同一材料、同一仕様で作製
したプローブに比べ、3〜5dBの感度向上が確認され
た。
【0014】次に本プローブをエポキシ剥離溶液に漬
け、短冊状振動子からバッキング材、音響マッチング層
等を剥離し短冊状振動子単体96本を得た。得られた振
動子のk33'を測定したところ、平均でk33'=84
%が得られた。さらにアドミッタンスの周波数スペクト
ラムもスプリアスの無い良好なものであった。また、本
プローブの振動子の端面を顕微鏡観察したところ、全て
の振動子で電極層の断線はなく、クラックの発生は図2
にその一例を示すごとく極僅かである事が確認された。
これにより圧電単結晶を振動子に用いた超音波プローブ
において、硬度が所定の範囲内にあるバッキング材を用
いた事により、歩留まりの良い高感度な超音波プローブ
が作製できた。
【0015】(比較例1)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様のプロセス
条件で研磨、電極形成、平板状振動子の切出し、分極処
理、FPCとア−ス板の接着、及び電極をエッチングを
実施例1と同様に行なった。次に、FPCを取り付けた
面に硬度が66のバッキング材を接着した。以下、マッ
チング層の接着、振動子の96チャンネルへのアレイ加
工、音響レンズの接着等は実施例1と同一とし、超音波
プローブ試作体を作製した。この超音波プロ−ブの反射
エコ−をパルスエコ−法により測定したところ、96チ
ャンネル中13チャンネルでエコーが測定不能の不良で
あった。残りのチャンネルのからは3.60±0.25MH
z以内の中心周波数を有するエコ−が受信された。ま
た、−6dBの比帯域は不良チャンネルを除くと平均で6
6%になった。次にこのプローブをエポキシ剥離溶液に
漬け、実施例1と同様にk33'を測定したところ、不
良素子を除く83チャンネルの平均でk33'=74%が
得られた。さらにアドミッタンスの周波数スペクトラム
もスプリアスが多く、共振点、反共振点が明瞭でない素
子も多く見られた。
【0016】また、このプローブの振動子の端面を顕微
鏡観察したところ、全チャンネルの素子で図3にその一
例を示すようなアレイ加工時に生じたクラックが多く発
生しており、エコーが測定不能だったチャンネルの振動
子はクラックにより振動子両面の電極が断線していた。
【0017】(比較例2)実施例1と同一の単結晶塊か
ら切りだした(001)ウエハを用い、同様のプロセス
条件で研磨、電極形成、平板状振動子の切出し、分極処
理、FPCとア−ス板の接着、及び電極をエッチングを
実施例1と同様に行なった。次に、FPCを取り付けた
面に硬度が93のバッキング材を接着した。以下、マッ
チング層の接着、振動子の96チャンネルへのアレイ加
工、音響レンズの接着等は実施例1と同一とし、超音波
プローブ試作体を作製した。ところが、バッキング材へ
の振動子の接着後にバッキング材上の振動子に破損が生
じる不良が頻発し、歩留まりは非常に低くなった。バッ
キング材に振動子を接着した際、両者の熱膨張率の差に
より接着界面に剥離応力が生じる。バッキング材の硬度
が小さい場合、バッキング材がある程度変形し、この応
力を緩和する事が出来るが、硬度が90以上のバッキン
グ材の場合、バッキング材の変形が少なく、応力が緩和
されづらい。そのため振動子が破損し易くなったもので
あった。
【0018】この他にバッキング材の硬度を種々変化さ
せ、バッキング材の硬度と超音波プローブの歩留まりの
関係を調べた所、図4に示すように、硬度が70未満、
及び90を超える範囲で急激に低下する事が分かった。
【0019】(実施例2)マグネシウムニオブ酸鉛−チ
タン酸鉛圧電単結晶を用いて超音波プロ−ブを作製し
た。単結晶原料として純度99.99%以上のPbO、
MgO、Nb2O5、TiO2を、マグネシウムニオブ
酸鉛とチタン酸鉛が68:32のモル比に秤量し、融材
として単結晶原料の1.3倍のPbOを加えた。これを
雷潰機で20分混合し、240ccの白金坩堝に充填し、
電気炉中で1270℃に加熱し、10時間保持した。そ
の後、1℃/hの速度で900℃まで徐冷し、室温までは
自然冷却した。白金坩堝内の単結晶と融材の混合した固
形物から中の単結晶塊を取り出した。丸みを帯びた、1
辺がおよそ33mmの平行6面体の単結晶が得られ、X線
回折でペロブスカイト構造を成している事を確認した。
前記単結晶塊をラウエカメラで<001>の方位を確定
し、これに垂直にダイヤモンドカッタ−で1mm厚にスラ
イスし、1辺がおよそ24mmの(001)ウエハを得
た。
【0020】前記(001)ウエハの両面を#2000
の研磨材で0.27mmtに研磨し、2種の金属層からな
る電極を圧電体の両面にスパッタメタライズで電極を構
成し、振動子を作製した。電極は圧電体に近い層から順
に、Tiを0.05μm、Auを0.2μmの厚さで構成し
た。この平板状振動子から12mmw×14mml×0.2
7mmtの短冊状振動子を10本切り出し、210℃のシ
リコ−ンオイル中で600V/mmの電界を10分間印加
し、電界を保持したまま40℃まで冷却し分極処理を施
した後に、電気機械結合係数k33'を測定した結果、
平均でk33'=82%となった。
【0021】前記単結晶塊から切りだした別の(00
1)ウエハを用いて以下に示す手順で超音波プロ−ブを
作製した。(001)ウエハの両面を#2000の研磨
材で0.27mmに研磨し、3種の金属層からなる電極を
圧電体の両面にスパッタメタライズし電極を構成した。
電極は圧電体に近い層から順に、Tiを0.05μm、C
uを1.0μm、Auを0.2μmの厚さで構成した。次
に、ダイシングソ−で20mmw×14mml×0.27mm
tに加工し、平板状振動子を得た。これを210℃のシ
リコ−ンオイル中で500V/mmの電界を10分間印加
し、電界を保持したまま40℃まで冷却し分極処理を施
し、電気機械結合係数ktを測定したところ、kt=60
%であった。次に、平板状振動子の1面に96chのフレ
キシブル配線基板(FPC)を、もう一方の面に銅箔か
らなるア−ス板を半田付けし、各々半田付けした部分の
裏側の電極をエッチングにより除去した。次に、FPC
を取り付けた面に硬度が85のバッキング材を、ア−ス
板を取り付けた面にマッチング層を接着した。バッキン
グ材と振動子の接着にはエポキシ系接着剤を用い、十分
な接着強度を得る為に60℃―90分の熱処理を行っ
た。次に、FPCのチャンネルピッチ(190μm)に
合わせ、マッチング層と平板状振動子をダイシングソ−
で幅30μmのブレ−ドにより深さ700μm(約200
μmバッキング材に切れ込む)で96素子にアレイ加工
し、音響レンズを接着し、超音波プロ−ブ試作体を作製
した。
【0022】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、96チャンネルすべての素子か
ら3.4±0.1MHz以内の中心周波数を有するエコ−が
受信された。また、−6dBの比帯域は平均で80%にな
った。エコーの受信レベルは、比較のために、PZTセ
ラミックスを振動子に、硬度93の材料をバッキング材
に用いた以外は本プローブと同一材料、同一仕様で作製
したプローブに比べ、3〜5dBの感度向上が確認され
た。
【0023】次に本プローブをエポキシ剥離溶液に漬
け、短冊状振動子からバッキング材、音響マッチング層
等を剥離し短冊状振動子単体96本を得た。得られた振
動子のk33'を測定したところ、平均でk33'=82
%が得られた。さらにアドミッタンスの周波数スペクト
ラムもスプリアスの無い良好なものであった。また、本
プローブの振動子の端面を顕微鏡観察したところ、全て
の振動子で電極層の断線はなく、クラックの発生は極僅
かである事が確認された。これにより圧電単結晶を振動
子に用いた超音波プローブにおいて、硬度が所定の範囲
内にあるバッキング材を用いた事により、歩留まりの良
い高感度な超音波プローブが作製できた。
【0024】(実施例3)スカンジウムニオブ酸鉛−チ
タン酸鉛圧電単結晶を用いて超音波プロ−ブを作製し
た。単結晶原料として純度99.99%以上のPbO、
Sc2O3、Nb2O5、TiO2を、スカンジウムニ
オブ酸鉛とチタン酸鉛が58:42のモル比に秤量し、
融材として単結晶原料の2.2倍のPbOを加えた。こ
れを雷潰機で20分混合し、240ccの白金坩堝に充填
し、電気炉中で1250℃に加熱し、10時間保持し
た。その後、1℃/hの速度で900℃まで徐冷し、室温
までは自然冷却した。白金坩堝内の単結晶と融材の混合
した固形物から中の単結晶塊を取り出した。直径50mm
高さ35mmの半球状の単結晶が得られ、X線回折でペロ
ブスカイト構造を成している事を確認した。前記単結晶
塊をラウエカメラで<001>の方位を確定し、これに
垂直にダイヤモンドカッタ−で1mm厚にスライスし、1
辺がおよそ23mmの(001)ウエハを得た。
【0025】前記(001)ウエハの両面を#2000
の研磨材で0.27mmtに研磨し、2種の金属層からな
る電極を圧電体の両面にスパッタメタライズで電極を構
成し、振動子を作製した。電極は圧電体に近い層から順
に、Tiを0.05μm、Auを0.2μmの厚さで構成し
た。この平板状振動子から12mmw×14mml×0.2
7mmtの短冊状振動子を10本切り出し、210℃のシ
リコ−ンオイル中で600V/mmの電界を10分間印加
し、電界を保持したまま40℃まで冷却し分極処理を施
した後に、電気機械結合係数k33'を測定した結果、
平均でk33'=81%となった。
【0026】前記単結晶塊から切りだした別の(00
1)ウエハを用いて以下に示す手順で超音波プロ−ブを
作製した。(001)ウエハの両面を#2000の研磨
材で0.27mmに研磨し、3種の金属層からなる電極を
圧電体の両面にスパッタメタライズし電極を構成した。
電極は圧電体に近い層から順に、Tiを0.05μm、C
uを1.0μm、Auを0.2μmの厚さで構成した。次
に、ダイシングソ−で20mmw×14mml×0.27mm
tに加工し、平板状振動子を得た。これを210℃のシ
リコ−ンオイル中で500V/mmの電界を10分間印加
し、電界を保持したまま40℃まで冷却し分極処理を施
し、電気機械結合係数ktを測定したところ、kt=54
%であった。次に、平板状振動子の1面に96chのフレ
キシブル配線基板(FPC)を、もう一方の面に銅箔か
らなるア−ス板を半田付けし、各々半田付けした部分の
裏側の電極をエッチングにより除去した。次に、FPC
を取り付けた面に硬度が84のバッキング材を、ア−ス
板を取り付けた面にマッチング層を接着した。バッキン
グ材と振動子の接着にはエポキシ系接着剤を用い、十分
な接着強度を得る為に60℃―90分の熱処理を行っ
た。次に、FPCのチャンネルピッチ(190μm)に
合わせ、マッチング層と平板状振動子をダイシングソ−
で幅30μmのブレ−ドにより深さ700μm(約200
μmバッキング材に切れ込む)で96素子にアレイ加工
し、音響レンズを接着し、超音波プロ−ブ試作体を作製
した。
【0027】この超音波プロ−ブの反射エコ−をパルス
エコ−法により測定し、96チャンネルすべての素子か
ら3.3±0.1MHz以内の中心周波数を有するエコ−が
受信された。また、−6dBの比帯域は平均で81%にな
った。エコーの受信レベルは、比較のために、PZTセ
ラミックスを振動子に、硬度93の材料をバッキング材
に用いた以外は本プローブと同一材料、同一仕様で作製
したプローブに比べ、3〜5dBの感度向上が確認され
た。
【0028】次に本プローブをエポキシ剥離溶液に漬
け、短冊状振動子からバッキング材、音響マッチング層
等を剥離し短冊状振動子単体96本を得た。得られた振
動子のk33'を測定したところ、平均でk33'=81
%が得られた。さらにアドミッタンスの周波数スペクト
ラムもスプリアスの無い良好なものであった。また、本
プローブの振動子の端面を顕微鏡観察したところ、全て
の振動子で電極層の断線はなく、クラックの発生は極僅
かである事が確認された。これにより圧電単結晶を振動
子に用いた超音波プローブにおいて、硬度が所定の範囲
内にあるバッキング材を用いた事により、歩留まりの良
い高感度な超音波プローブが作製できた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧電単結晶からなる短冊状の振動子を多数アレイ状に配
列した超音波プローブで、バッキング材の硬度Hが、7
0≦H≦89の範囲、好ましくは75≦H≦87の範囲
にある事により、硬度が小さいバッキング材を使用した
場合に生じていた切削性の低下によるアレイ加工時のク
ラック発生が少なく、かつ硬度が大きいバッキング材を
使用した場合に生じていた振動子とバッキング材の接着
界面の応力による振動子の破損も無い、高感度で歩留ま
りの高い超音波プローブが得られた。これにより医用診
断装置などの診断性能の向上に顕著な効果がある。ま
た、本発明の効果は前記超音波プローブ及び超音波診断
装置に限定されるものではなく、他の超音波送受信素子
にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる超音波プロ−ブの構成を示す斜
視図である。
【図2】本発明の実施例である、硬度が87のバッキン
グ材を用いたプローブのチッピング、クラックの様子を
示す図である。
【図3】比較例として示す、硬度が66のバッキング材
を用いたプローブのチッピング、クラックの様子を示す
図である。
【図4】バッキング材の硬度と超音波プローブの歩留ま
りの関係を示す図である。
【符号の説明】
1.圧電体 2.電極 3.バッキング材 4.音響マ
ッチング層 5.音響レンズ 6.アース板 7.FP
C 8.クラック 9.チッピング 10.電極層の断

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短冊状の圧電単結晶からなる振動子を多
    数アレイ状に配列した超音波プローブで、JIS-K6301で
    規定されたAスケール硬度Hが70≦H≦89(単位無し)の
    値を持つバッキング材を有する事を特徴とした超音波プ
    ローブ。
  2. 【請求項2】 短冊状の圧電単結晶からなる振動子を多
    数アレイ状に配列した超音波プローブで、JIS-K6301で
    規定されたAスケール硬度Hが75≦H≦87(単位無し)の
    値を持つバッキング材を有する事を特徴とした超音波プ
    ローブ。
  3. 【請求項3】 振動子の材料が、 Pb((Zn1/3Nb(2/3)−(2z/3)Ta
    2z/3)1−x−yTix M2y)O3 ただし、M2はPt,Fe、Bi、Rh及びIrから選
    ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びzはそ
    れぞれ0.05≦x≦0.2、0≦y≦0.01、0≦z
    ≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化物
    による圧電単結晶を用いた、請求項1もしくは請求項2
    に記載の超音波プロ−ブ。
  4. 【請求項4】 振動子の材料が、 Pb((Mg1/3Nb(2/3)−(2z/3)Ta
    2z/3)1−x−yTix M2y)O3 ただし、M2はPt,Fe、Bi、Rh及びIrから選
    ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びzはそ
    れぞれ0.12≦x≦0.52、0≦y≦0.01、0≦
    z≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化
    物による圧電単結晶を用いた、請求項1もしくは請求項
    2に記載の超音波プロ−ブ。
  5. 【請求項5】 振動子の材料が、 Pb((M31/2Nb(1/2)−(z/2)Taz
    /2)1−x−y Tix M2y)O3 ただし、M2はPt,Fe、Bi、Rh及びIrから選
    ばれる少なくとも1つの金属、M3はScおよびInか
    ら選ばれる少なくとも1つの金属を示し、x、y及びz
    はそれぞれ0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.01、0≦
    z≦0.1として規定されるペロブスカイト型複合酸化
    物による圧電単結晶を用いた、請求項1もしくは請求項
    2に記載の超音波プロ−ブ。
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