JP3529328B2 - 二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料及びその製造方法 - Google Patents

二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた汚れ防止作
用や抗菌作用を有する二酸化チタン被覆ステンレス鋼材
料及びその製造方法に関するものである。より詳しく述
べるならば本発明は二酸化チタン光触媒表面層を有し、
それによって、すぐれた汚れ防止効果と、意匠性に優れ
た外観とを有し、かつ、上記効果・特性の長期持続性に
優れている二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、台所の水まわり用具及び、厨房機
器等に光輝性を有するステンレス鋼材料を使用が多く普
及するようになってきた。このような光輝性材料を使用
する場合には、特に装飾性が重要となってくるが、長期
間使用すると表面に汚れが固着したり、カビや細菌等の
発生によって光沢が著しく低下し、美観を損なうことが
ある。また、特に厨房機器類においては、調理などによ
り発生する油汚れが表面に付着するため、頻繁に清掃が
必要となる。そこで、紫外線の照射によって高い酸化触
媒性を発揮する二酸化チタンによりステンレス鋼板表面
を被覆し、汚れの付着防止、カビの発生防止、抗菌作用
によって長期に渡り美観を維持する多数の方法が提案さ
れてきた。しかし、光輝性を有するステンレス鋼板上に
直接二酸化チタン層を形成すると、二酸化チタン層の屈
折率が大きいため、材料表面における反射光と二酸化チ
タン被覆膜表面における反射光とが互いに干渉を起こ
し、塗膜が着色してしまうという問題が生じている。な
お、二酸化チタン膜を厚膜化すれば理論上着色は少なく
なるが、この場合には、焼成時に二酸化チタン被覆膜に
ワレや剥離を生ずることがあり、また塗膜−焼成を数十
回繰り返さなければ、厚膜を形成することができず、こ
の場合、作業性が問題となり実用的ではなかった。
【0003】このような問題を解決させる手段として、
特開平9−56549号公報には、シリコーンを二酸化
チタンに混合し、それによって二酸化チタン被覆膜の屈
折率を下げて、二酸化チタン被覆膜の表面の反射率を下
げる方法が提案されている。この方法は二酸化チタン被
覆膜の表面の反射率を下げる方法としてはある程度の効
果はあるが、しかし実用上十分でなく、しかも二酸化チ
タン被覆膜中にシリコーンが多く含まれるため、二酸化
チタンの光触媒作用が著しく低下するという問題があ
る。従って、現状では優れた汚れ防止作用を有し、しか
も外観も良好な光輝性二酸化チタン被覆金属材料は得ら
れていないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の抱
えている上記問題点を解決するためのものであって、優
れた汚れ防止効果を有し、且つ装飾性にすぐれた外観が
長期間損なわれることのない、二酸化チタン被覆ステン
レス鋼材料およびその製造方法を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するための手段について鋭意検討した結果、ス
テンレス鋼材料の表面に、膜厚分布が均一な二酸化チタ
ン層を形成すると、二酸化チタン層の屈折率が大きいこ
とより、空気と二酸化チタン被覆膜との界面における反
射光が基材表面における反射光と干渉作用を起こし、こ
れが赤、青、緑、紫などの着色を生じて外観を損ねるこ
とが判明した。この現象は、二酸化チタン光触媒を含む
コーティングの実用化に大きな障害となっていたが、本
発明者等は、この障害を乗り越えるため種々の手段につ
いて研究し、二酸化チタン含有塗料の塗装時に、ステン
レス鋼材料の塗装すべき表面をあらかじめ一定温度に温
度調整しておき、これに二酸化チタン含有塗布液を噴霧
塗布すると、あらかじめ温度調整することなく同様に塗
布した場合に比較して、著しく干渉色が少なく、美麗な
外観を有する二酸化チタン被覆層が得られることを見出
した。
【0006】また、本発明者らは、さらにステンレス鋼
材料の表面に研削仕上げ、ダル仕上げ、エンボス仕上げ
などの各種表面仕上げを施すことにより、表面に規則的
な凹凸を形成し、このステンレス鋼材料の凹凸表面上に
二酸化チタンのクリヤー塗膜を形成し、その外観などを
評価したところ、表面の凹凸の形状が所定要件を満たす
場合のみに、その上に形成された二酸化チタン被覆膜層
の膜厚部及び薄膜部の分布が、ステンレス鋼材料表面の
凹凸形状に制御されて、厚膜部と薄膜部が交互に配置さ
れる。この場合も二酸化チタン被覆膜層の干渉色が少な
く美麗な外観が得られることを見いだした。さらに発明
者らは、上記の二酸化チタン被覆膜において良好な外観
が得られる理由について研究を続けた結果、これらの手
法により二酸化チタンの膜厚がミクロンオーダーで規則
的に変化し、このため干渉色が単一の色とならず、多数
の色相の反射光が混色することにより肉眼には白色の反
射光として認識されるためであるとの結論を得た。本発
明は上記知見に基いて完成されたものである。
【0007】本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材
料は、ステンレス鋼材料からなる基体と、その少なくと
も1表面上を被覆している二酸化チタン層とを有し、前
記二酸化チタン層が、0.01〜2μmの総平均被覆厚
さを有し、かつ、前記二酸化チタン層には、前記総平均
被覆厚さの1.1〜2倍の平均膜厚を有する少なくとも
1個の厚膜部と、前記総平均被覆厚さの0.1〜0.9
倍の平均厚さを有する少なくとも1個の薄膜部と、前記
厚膜層及び薄膜層の中間の平均厚さを有する少なくとも
1個の中間膜部が形成されていて、前記厚膜部、薄膜部
及び中間膜部のいずれか一方が連続膜部を形成している
ときは、他の膜部は、この連続膜部中に、互いに離間し
て散在する多数の独立膜部を形成しており、前記中間膜
部を介して互いに隣り合う厚膜部と薄膜部との間隔が、
1μm〜5mmの範囲内にある、ことを特徴とするもので
ある二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料。
【0008】本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材
料において、前記ステンレス鋼基体の、前記二酸化チタ
ン層により被覆されている表面の十点平均粗さ(RZ
が0.5〜200μmの範囲内にあり、かつその凹凸の
平均間隔(Sm)が、2μm〜10mmの範囲内にあるこ
とが好ましい。本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼
材料において、前記ステンレス鋼基体が、フェライト鋼
組織、オーステナイト鋼組織、マルテンサイト鋼組織、
又はこれらのいずれか2相の組織を有することが好まし
い。
【0009】また、本発明の二酸化チタン被覆ステンレ
ス鋼材料の製造方法は、ステンレス鋼材料からなる基体
の塗装すべき表面の温度を50〜300℃に調整する工
程と、この温度調整された表面に、二酸化チタン含有水
性塗布液を吹き付け塗装して、互いに厚さの差違のある
厚膜部、薄膜部及び中間膜部を有する二酸化チタン層を
形成する工程とを含み、前記温度調整工程及び吹き付け
塗装工程において、前記厚膜部、薄膜部及び中間膜部の
いずれか一方を連続膜部に形成し、他の膜部を、前記連
続膜部に互いに離間して散在する多数の独立膜部に形成
し、前記二酸化チタン層の総平均被覆厚さを0.01〜
2μmに調整し、前記厚膜部の平均膜厚を、前記総平均
被覆厚さの1.1〜2倍に調整し、前記薄膜部の平均膜
厚を、前記総平均被覆厚さの0.1〜0.9倍に調整
し、前記中間膜部の平均膜厚を、前記厚膜部及び薄膜部
の中間に調整し、かつ、前記中間膜部を介して互いに隣
り合う厚膜部と薄膜部との平均間隔を1μm〜5mmに調
整する、ことを特徴とするものである。本発明の二酸化
チタン被覆ステンレス鋼材料の製造方法において、前記
ステンレス鋼基体の前記二酸化チタン層により被覆され
る表面が、その十点平均粗さ(RZ )が0.5〜200
μmの範囲内にあり、かつその凹凸の平均間隔(Sm)
が、2μm〜10mmの範囲内にあるように粗面化されて
いることが好ましい。本発明の二酸化チタン被覆ステン
レス鋼材料の製造方法において、前記粗面化が、研削、
エンギス処理及び/又はダル処理により施されることが
好ましい。本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料
の製造方法において、前記ステンレス鋼基体が、フェラ
イト鋼組織、オーステナイト鋼組織、マルテンサイト鋼
組織又はこれらのいずれか2相の組織を有するものであ
ることが好ましい。本発明の二酸化チタン被覆ステンレ
ス鋼材料の製造方法において、前記二酸化チタン含有水
性塗布液が、オルソチタン酸、及びペルオキソチタン酸
から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の二酸化チタン被覆ステン
レス鋼材料及びその製造方法を下記に詳しく説明する。
本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料は、ステン
レス鋼材料からなる基体と、その少なくとも1表面上を
被覆している二酸化チタン層とを有し、前記二酸化チタ
ン層が、0.01〜2μmの総平均被覆厚さを有し、か
つ、前記二酸化チタン層には、前記総平均被覆厚さの
1.1〜2倍の平均膜厚を有する少なくとも1個の厚膜
部と、前記総平均被覆厚さの0.1〜0.9倍の平均厚
さを有する少なくとも1個の薄膜部と、前記厚膜層及び
薄膜層の中間の平均厚さを有する少なくとも1個の中間
膜部が形成されていて、前記厚膜部、薄膜部及び中間膜
部のいずれか一方が連続膜部を形成しているときは、他
の膜部は、この連続膜部中に、互いに離間して散在する
多数の独立膜部を形成しており、前記中間膜部を介して
互いに隣り合う厚膜部と薄膜部との間隔が、1μm〜5
mmの範囲内にある、ことを特徴とするものである。
【0011】二酸化チタン層の総平均被覆厚さが0.0
1μm未満であると、得られた二酸化チタン層による汚
れ分解性能及び抗菌性能が不十分になり、またそれが2
μmを超えると、得られる二酸化チタン被覆ステンレス
鋼材料の加工性及び、二酸化チタン層とステンレス鋼基
材との密着性が不十分になる。
【0012】本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材
料において、例えば図1−a〜eに示されているように
二酸化チタン層の厚膜部1と薄膜部2と中間膜部3と
が、形成・配置されている。図1−(a)〜(d)にお
いて二酸化チタン層の総平均被覆厚さの1.1〜2倍の
平均膜厚を有する多数の厚膜部1と、前記総平均被覆厚
さの0.1〜0.9倍の平均膜厚を有する多数の薄膜部
2とが、互いに独立に、前記厚膜部の平均膜厚より小さ
く、前薄膜部の平均膜厚よりも大きな平均膜厚を有する
中間膜部2中に配置されている。この場合中間膜部2が
連続膜部を形成している。図1−(a)〜(d)におい
て、厚膜部1と薄膜部2とは、たて、よこ、ななめ方向
に交互に配置されているが、少なくとも1方向において
厚膜部と薄膜部とが交互に配置されている限り、必ずし
もすべての方向において交互に配置されていなくてもよ
い。また、厚膜部1と、薄膜部2とが互いに直接連結さ
れていて、その間に中間膜部が形成されていない部分が
ってもよい。
【0013】図1−(e)において薄膜部2が連続膜部
を形成していて、その中に、多数の厚膜部1が、それぞ
れ中間膜部3を介して、独立膜部として散在している。
図1−(f)において、厚膜部1が連続膜部を形成して
いて、その中に、多数の薄膜部2が、それぞれ、中間膜
部2を介して散在し、独立膜部を形成している。図1−
(e)及び(f)において、中間膜部3が、実質上形成
されていないものであってもよい。
【0014】本発明の二酸化チタン層において、厚膜
部、薄膜部及び中間膜部の形状に格別の制限はないが、
中間膜部を介して互いに隣り合う厚膜部と薄膜部との間
隔の平均値が、1μm〜5mmの範囲内にあることが必要
である。この厚膜部と薄膜部との間隔とは、中間膜部
と、それに隣り合う厚膜部との境界線と、当該中間膜部
に隣り合う薄膜部との境界線との間の距離であると定義
される。
【0015】図2に示された本発明の二酸化チタン被覆
ステンレス鋼材料の一実施態様において、ステンレス鋼
材料基体4の平坦な表面上に凹凸をなす二酸化チタン層
5が形成されていて、この二酸化チタン層5は、平均被
覆厚さAの1.1〜2倍の平均膜厚を有する多数の厚膜
部1と、平均被覆厚さAの0.1〜0.9倍の平均膜厚
を有する多数の薄膜部2と、これらの中間の厚さを有す
る中間膜部3とからなり、中間膜部3が、例えば図1−
(a)に示されているように連続膜部を形成し、その中
に厚膜部1及び薄膜部2が互いに離間し独立している凸
部及び凹部を形成していてもよく、或は、図1(e)又
は図1(f)に示されているように厚膜部1又は薄膜部
2のいずれか一方が連続部を形成していてもよい。
【0016】図3に示された実施態様においては、ステ
ンレス鋼材料基体4の凹凸表面上に、二酸化チタン層5
が形成され、この二酸化チタン層5の上表面は平坦面を
なしている。この二酸化チタン層5においても、所定厚
さ要件を満たす厚膜部1、薄膜部2及び中間膜部3が形
成されていて、これらのいずれかが連続部を形成してい
てもよい。
【0017】図4に示された実施態様において、ステン
レス鋼材料基体4の凹凸表面上に、二酸化チタン層5が
凹凸表面をなして形成されている。この凹凸二酸化チタ
ン層5にも、所要膜厚要件を満たす厚膜部、薄膜部、中
間膜部が形成されていて、それらのいずれか一つが連続
部を形成している。
【0018】また本発明においては、膜厚分布が、少な
くとも1方向に厚膜部と薄膜部が交互に配置したもので
あることが必要であり、厚膜部の平均厚さは総平均被覆
厚さの1.1〜2倍であり、1.2〜1.6倍であるこ
とが好ましい。厚膜部の平均膜厚が総平均被覆厚さの
1.1倍未満では光干渉による着色が消えず、またそれ
が2倍を超えると皮膜が傷付き易くなり、また着色を生
ずる。また、薄膜部の平均膜厚は総平均被覆厚さの0.
1〜0.9倍であり、0.3〜0.7倍であることが好
ましい。薄膜部の平均膜厚が総平均被覆厚さの0.1倍
未満では皮膜の汚れ分解性能が低下してしまい、またそ
れが0.9倍を超えると光干渉による着色が消えないた
め好ましくない。さらに本発明においては、互いに隣り
合う厚膜部、互いに隣り合う薄膜部及び/又は互いに隣
り合う厚膜部と薄膜部との平均間隔が、1μm〜5mmで
あることが必要である。これが1μm未満では光沢のあ
る表面が得られず、またそれが5mmを超えると不均一な
着色が目視で容易に認められるようになる。厚膜部と薄
膜部とのより好ましい間隔は5〜200μmである。
【0019】本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材
料の膜厚分布を示した断面模式図の例を図2〜図4に示
す。膜厚の分布は上記本発明の要件を満たす限り等間
隔、不等間隔を問わず、厚膜部分の膜厚部、薄膜部の膜
厚が不揃いであってもよい。またその変化も図3に示さ
れるように連続的であってもよい図2に示されるように
不連続的であってもよい。また、本発明でいう膜厚とは
鋼板面に対して垂直方向に測定された二酸化チタン層の
微視的膜厚のことを指し、平均膜厚とはこの微視的膜厚
の平均値を指す。このため、膜厚の測定は、電子顕微鏡
やEPMAによる表面分析や断面分析、また、比較的平
滑な基材では表面粗さ計による塗布前後のプロファイル
測定によって行うことができる。
【0020】本発明に使用される酸化チタン含有水性塗
料に含まれる二酸化チタン原料としては、塩化チタン、
硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、およびオキシ塩化チタ
ンを用いることが好ましいが、その他の水溶性無機チタ
ン化合物及びしゅう酸チタンカリウム、クエン酸チタン
などの有機チタン塩、チタンのアルコキシド類も使用す
ることができる。これらのチタン塩水溶液としては、こ
れらの化合物を水中に溶解して加水分解したものを使用
してもよく、又は市販の二酸化チタン形成コーティング
液を使用してもよい。さらに本発明で使用される二酸化
チタン含有水性塗料としては、光触媒性二酸化チタン粉
体を、シリケートやシリコーンなどのバインダーととも
に、水性媒体中に混合分散したものを使用することもで
きる。一般に、前記チタン化合物を室温で加水分解させ
て形成されたオルソチタン酸やペルオキソチタン酸など
のアモルファス二酸化チタンを含む水性塗料が、密着性
に優れているためこれを用いることが好ましい。また、
この水性塗料のpHは6〜12の範囲内にあることが好ま
しく、かつ被塗布材料に対して腐食性を示す塩類を含ま
ないものが好ましい。水性塗料のチタン化合物濃度は二
酸化チタンに換算して0.3〜10重量%であることが
好ましい。溶媒として主として水が用いられ、これに沸
点が250℃未満の水溶性アルコール及び又はその他の
溶剤が添加されていてもよい。
【0021】最も好ましい二酸化チタン含有水性塗料の
調製方法としては、例えば塩化チタン水溶液を室温で脱
塩酸しながら加水分解させ、さらにアニオン分散剤とア
ルカリ中和剤を添加して分散させ、そのち夾雑イオンを
脱イオンする処理を施す方法、及び、塩化チタン水溶液
にアルカリ中和剤を添加してオルソチタン酸を沈殿さ
せ、これを濾過、洗浄したのち、この沈殿を過酸化水素
水に溶解してペルオキソチタン酸を主成分とする水溶液
を調製する方法などがある。何れの場合も、含有されて
いる二酸化チタンの一部を、70〜100℃の温度に加
熱して加水分解して結晶性二酸化チタンとしておくこと
が好ましく、このようにすると、二酸化チタン層上に付
着した汚れの分解効果を高めることができる。
【0022】上記の方法で調製された二酸化チタン含有
水性塗料中には、二酸化チタンとともにチタン酸または
ペルオキソチタン酸を含むことが好ましい。特に、水性
塗料は、アナターゼ型二酸化チタン粒子を、オルソチタ
ン酸及びペルオキソチタン酸の合計重量に対して、その
0.2倍以上10倍未満の範囲内の含有率で含むことが
好ましい。
【0023】本発明のステンレス鋼材料の塗装方法にお
いて、ステンレス鋼材料基体の塗装すべき表面の温度
を、50〜300℃の範囲内にあるように温度調整した
のち、これに二酸化チタン含有水性塗料を吹き付け塗装
することにより、容易に二酸化チタン層の膜厚分布を、
好ましい外観が得られる範囲内において、適宜に制御す
ることができる。二酸化チタン含有水性塗料としては前
記の組成のものが好ましい。ステンレス鋼材料基体の表
面温度は、60〜150℃に調整されることが好まし
い。この温度が50℃よりも低いと、塗着した塗料が基
体表面において広がってしまうため、二酸化チタン層の
膜厚分布を、厚膜部と薄膜部とがミクロンオーダーの膜
厚を有して混在した構造にすることができず、従って皮
膜に明瞭な着色が生じてしまうため好ましくない。ま
た、塗着してから乾燥までに長い時間を要するため、被
塗物の形状が複雑なほど、塗料のタレ、及び液切れを生
じ、膜厚がマクロに不均一になるため、外観において著
しい色むらを生じ、良好な外観品質を有する製品が得ら
れない。
【0024】また、基体表面温度が300℃を超える
と、塗着と同時に塗料中の溶媒が沸騰し、皮膜はポーラ
スなものとなって基体に対して、十分な密着性を示さ
ず、また十分な硬さが得られない。また、ステンレス鋼
材料基体のより好ましい表面温度は60〜150℃であ
るが、塗料の塗工性を向上させる目的で、塗料中に、沸
点が約250℃以下アルコール等を含む溶媒を使用した
場合、塗布の際のステンレス鋼材料基体の表面温度は、
溶媒の沸点に対し、±20℃の範囲内にあることが好ま
しい。
【0025】本発明に用いられるステンレス鋼材料基体
は、10点平均表面粗さ(RZ )が0.5〜200μm
の範囲内にあり、且つその凹凸の平均間隔(Sm)が2
μm〜10mmの範囲内にあるものであることが好まし
く、例えば、上記表面要件を満たすSUS304、及び
SUS316に代表されるオーステナイト系鋼板、SU
S430に代表されるフェライト系鋼板、SUS410
に代表されるマルテンサイト系鋼板、SUS329に代
表されるオーステナイト/フェライト2相系のものを使
用できる。また、基体の表面仕上げは、No.4などの
研削仕上げ、ヘアライン研削仕上げ、エンボス仕上げ、
およびダル仕上げの中から適宜用途に応じて選択するこ
とができる。また、ショット加工、ブラスト処理して所
定の表面形状にしたものも使用できる。基体の表面粗さ
は、ステンレス鋼材料の表面の凹凸の平均間隔(Sm)
に応じて、数mm〜10cmの距離にわたって測定された1
0点平均表面粗さ(RZ )が0.8μm〜20μmであ
ることがより好ましい。10点平均表面粗さ(RZ )が
0.5μmより小さい表面では、ステンレス鋼材料基体
表面における反射光と酸化チタン膜表面における反射光
が干渉を起こし、塗膜が着色しやすくなるため好ましく
ない。上記のステンレス鋼材料基体を使用することによ
り、本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料を容易
に製造することができる。また、基体表面の凹凸部の平
均間隔(Sm)は、10〜400μmであることがより
好ましい。
【0026】二酸化チタン層の膜厚分布が制御された本
発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料を用いると、
二酸化チタン層表面のすぐれた汚れ分解性、抗菌性、親
水性などの各種機能に加えて、二酸化チタン層に優れた
装飾性を付与することができる。本発明の製造方法にお
いては、ステンレス鋼材料基体の表面にあらかじめ制御
された凹凸を付与しておくことにより、上記装飾性をよ
り容易に実現することができる。また、本発明の製造方
法において二酸化チタン層形成用塗料を塗工する際に、
ステンレス鋼材料基体の表面を予じめ加熱された状態に
しておくことにより、噴霧塗装時に霧化した塗料粒子
が、ステンレス鋼材料基体表面上で直ちに固定、固定化
されて、一定サイズの微細な円形またはリング状の厚膜
部を形成し、それによって、膜厚分布を所望要件を満た
すように制御することができる。また、ステンレス鋼材
料基体の表面に、あらかじめ制御された凹凸を付与して
おくことによっても、二酸化チタン層の膜厚分布を所望
の状態にすることができる。上記の基体予熱及び凹凸化
を同時に使用することにより、二酸化チタン層の膜厚分
布をより良好な状態にすることができる。本発明におい
て、このようにして、二酸化チタン層の膜厚分布を制御
することにより、入射光はミクロな部位ごとにその膜厚
に従った干渉色を呈するが、これは顕微鏡的にしか観察
されず、肉眼では各色が合成され、銀白色の反射光を形
成するため、特定色の着色や色むらを発生することがな
く、深みのある装飾性の高い外観と光沢とを得ることが
できる。
【0027】
【実施例】下記実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0028】本発明の実施例及び比較例に使用した二酸
化チタン含有水性塗料は、下記に示す方法により作製し
た。 (1)酸化チタン含有塗料の製造方法(a)二酸化チタン含有塗料A 四塩化チタン水溶液(20重量%)をビーカーに入れて
水で希釈し、この溶液に、80℃の温度で10分間の加
熱処理を施したのち、これを水冷により30℃まで冷却
した。この生成液に、陰イオン交換膜を介して、脱イオ
ン流水を用いて、27℃において拡散透析を施し、生成
液から塩素イオンを除去した。得られた溶液に、ポリリ
ン酸0.2%を添加し、これをモルホリンで中和したの
ち、不純物イオンを除去し、pHを8.2に調製した。二
酸化チタン含有水性塗料Aが得られた。得られた塗料の
チタン化合物濃度は、二酸化チタン換算濃度で2%であ
った。(b)酸化チタン含有塗料B 四塩化チタン水溶液(20重量%)をビーカーに入れて
水で希釈した。この溶液にアンモニア水を添加し、生成
したチタン水和酸化物の沈殿を脱イオン水で洗浄し、こ
れを過酸化水素水に溶解してペルオキソチタン酸溶液を
調製した。得られた二酸化チタン含有水性塗料Bのチタ
ン化合物濃度は二酸化チタン換算濃度で1.6%であ
り、そのpHは7.2であった。
【0029】(2)ステンレス鋼板の前処理 供試表1に記載の基体用ステンレス鋼材料に表1に記載
の仕上げ処理を施し、これを市販のアルカリ洗浄剤(登
録商標:パルクリーンN364S、日本パーカライジン
グ(株)製)を用いて洗浄して清浄化した。供試基体の
Z 、Sm値を表1に示す。 (3)塗装方法 二酸化チタン含有水性塗料を、市販のエアーガン(アネ
スト岩田(株)製、モテル:LPH−400)を使用
し、エアー圧0.4MPa 、塗料吐出量20ml/min にお
いて、寸法:300×300mmに切断されたステンレス
鋼板の表面上に塗布した。表1に記載の表面濃度におい
て、基体の表面温度は赤外線表面温度計により測定し
た。基体の塗装すべき表面の温度調節は、ステンレス鋼
板基体の下に、伝熱シートを敷き、それを介して基体を
加熱又は冷却することにより実施した。
【0030】実施例1〜8及び比較例1〜4 実施例1〜8及び比較例1〜4の各々における二酸化チ
タン被覆ステンレス鋼材料の製造条件を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】評価試験 実施例及び比較例の各の二酸化チタン被覆ステンレス鋼
材料の性能を下記方法により評価した。 (1)膜厚分布 ステンレス鋼板表面の膜厚分布を下記方法により測定し
た。二酸化チタン被覆後のステンレス鋼材料の試料につ
いて、1)EPMA(エレクロトンプローブマイクロア
ナライザー)によってチタンの分布を測定する方法、ま
たは、2)カットした断面を樹脂に埋め込み、断面を電
子顕微鏡で観察する方法、の2種の方法により測定し
た。 (2)表面粗さ ステンレス鋼板の表面粗さについては、表面粗さ計
((株)東京精密製サーフコム)によりそのRZ および
Smを測定した。研削材、ヘアライン材については研削
の筋目に直角方向に測定した。測定範囲は、エンボス材
については80mm、その他は5mmとした。
【0033】(3)塗膜の外観 実施例1〜8および比較例1〜4で作製したステンレス
鋼板の外観を着色、及び白化度合いを判定した。着色は
目視により判定し、白化度合いは光沢度減少率により判
定した。 《評価基準−1》 ○・・・・・着色が全く見られない △・・・・・僅かに着色している ×・・・・・強く着色している 《評価基準−2》 ○・・・・・光沢度減少率が10%未満 △・・・・・光沢度減少率が10%以上20%未満 ×・・・・・光沢度減少率が20%以上
【0034】(4)塗膜の耐摩耗性 実施例1〜8および比較例1〜4の各において、作製さ
れた塗膜の耐摩耗性について、ワイパー紙((株)クレ
シア製、商標:キムワイプ)によるラビングを100回
手動で行い、外観を目視で判断した。 《評価基準》 ○・・・・・外観変化なし △・・・・・わずかにキズが見られる ×・・・・・一部剥離が見られる
【0035】(5)光触媒性 実施例1〜8および比較例1〜4の各において作製され
た二酸化チタン被覆ステンレス鋼板の二酸化チタン層上
に、ステアリン酸を塗布量:1g/m2 になるように塗
り、平均波長365nmの紫外線を100μW/cm2 の強
度下で24時間連続照射した後精秤し、光触媒機能によ
るステアリン酸の分解量を測定した。 《評価基準》 ○・・・・・ステアリン酸が分解量が300mg/m2
超える △・・・・・ステアリン酸の分解量が150〜300mg
/m2 ×・・・・・ステアリン酸の分解量が150mg/m2
満。
【0036】評価結果を表2に示す。
【表2】
【0037】比較例1は、本発明の製造法によらずに、
酸化チタン含有塗料をステンレス鋼板に本発明の範囲未
満の膜厚に塗布したもので、皮膜が極めて薄いため着色
は目立たないが、汚れの分解効果が不十分であった。ま
た、比較例2も本発明の方法によらない塗布膜を形成し
たもので、十分な平均膜厚を有しているが、厚膜部と薄
膜部の膜厚差が過小であって本発明の範囲外となったた
め、干渉色による着色を起こして実用に耐えない外観を
示した。比較例3は本発明方法の範囲外の400℃の表
面温度の基体表面に塗布を施したもので、二酸化チタン
層の膜厚分布において厚膜部と薄膜部の間隔が過小であ
って本発明の範囲外となり、このため表面の光沢が失わ
れて問題が生じたものである。また、比較例4では使用
したステンレス材料基体の凸凹の平均間隔(Sm)が過
大であったため厚膜部と薄膜部の平均間隔が本発明の範
囲を超えた結果、干渉色による色むらが発生したもので
ある。一方、本発明の塗装方法である実施例1〜8の塗
膜外観は、干渉による着色や光沢の消失がない美麗な外
観を呈しており、且つ汚れ分解作用にも優れていた。
【0038】
【発明の効果】上記説明により明らかなように、本発明
の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料およびその製造方
法は、ステンレス鋼板の有する光輝性及び美観を損なう
ことがなく、且つ十分な汚れ分解作用を有しているた
め、台所の水周り品、厨房機器などに使用されるステン
レス鋼板材料に適用できるようになり、高い実用価値を
有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(f)は、それぞれ、本発明の二
酸化チタン被覆ステンレス鋼材料の二酸化チタン層にお
ける厚膜部及び薄膜部の分布例を示す平面説明図。
【図2】図2は、本発明の二酸化チタン被覆ステンレス
鋼材料の一例の構成を示す断面説明図。
【図3】図3は本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼
材料の他の例の構成を示す断面説明図。
【図4】図4は本発明の二酸化チタン被覆ステンレス鋼
材料の更に他の例の構成を示す断面説明図。
【符号の説明】
1…厚膜部 2…薄膜部 3…中間膜部 4…ステンレス鋼材料基体 5…二酸化チタン層 A…平均被覆厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 1/00 C09D 1/00 5/16 5/16 // C22C 38/00 302 C22C 38/00 302Z (72)発明者 中村 充 東京都中央区日本橋1−15−1 日本パ ーカライジング株式会社内 (72)発明者 金子 道郎 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 金子 昭秀 東京都荒川区西日暮里6丁目22番22号 クリナップ株式会社内 (56)参考文献 特開2000−87259(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 26/00 B05D 7/14 B05D 7/24 302 B32B 9/00 B32B 15/04 C09D 1/00 C09D 5/16 C22C 38/00 302

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼材料からなる基体と、その
    少なくとも1表面上を被覆している二酸化チタン層とを
    有し、 前記二酸化チタン層が、0.01〜2μmの総平均被覆
    厚さを有し、かつ、前記二酸化チタン層には、前記総平
    均被覆厚さの1.1〜2倍の平均膜厚を有する少なくと
    も1個の厚膜部と、前記総平均被覆厚さの0.1〜0.
    9倍の平均厚さを有する少なくとも1個の薄膜部と、前
    記厚膜層及び薄膜層の中間の平均厚さを有する少なくと
    も1個の中間膜部が形成されていて、前記厚膜部、薄膜
    部及び中間膜部のいずれか一方が連続膜部を形成してい
    るときは、他の膜部は、この連続膜部中に、互いに離間
    して散在する多数の独立膜部を形成しており、前記中間
    膜部を介して互いに隣り合う厚膜部と薄膜部との間隔
    が、1μm〜5mmの範囲内にある、 ことを特徴とする二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料。
  2. 【請求項2】 前記ステンレス鋼基体の、前記二酸化チ
    タン層により被覆されている表面の十点平均粗さ(R
    Z )が0.5〜200μmの範囲内にあり、かつその凹
    凸の平均間隔(Sm)が、2μm〜10mmの範囲内にあ
    る、請求項1に記載の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材
    料。
  3. 【請求項3】 前記ステンレス鋼基体が、フェライト鋼
    組織、オーステナイト鋼組織、マルテンサイト鋼組織、
    又はこれらのいずれか2相の組織を有する、請求項1に
    記載の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料。
  4. 【請求項4】 ステンレス鋼材料からなる基体の塗装す
    べき表面の温度を50〜300℃に調整する工程と、 この温度調整された表面に、二酸化チタン含有水性塗布
    液を吹き付け塗装して、互いに厚さの差違のある厚膜
    部、薄膜部及び中間膜部を有する二酸化チタン層を形成
    する工程とを含み、 前記温度調整工程及び吹き付け塗装工程において、前記
    厚膜部、薄膜部及び中間膜部のいずれか一方を連続膜部
    に形成し、他の膜部を、前記連続膜部に互いに離間して
    散在する多数の独立膜部に形成し、 前記二酸化チタン層の総平均被覆厚さを0.01〜2μ
    mに調整し、前記厚膜部の平均膜厚を、前記総平均被覆
    厚さの1.1〜2倍に調整し、前記薄膜部の平均膜厚
    を、前記総平均被覆厚さの0.1〜0.9倍に調整し、
    前記中間膜部の平均膜厚を、前記厚膜部及び薄膜部の中
    間に調整し、かつ、前記中間膜部を介して互いに隣り合
    う厚膜部と薄膜部との平均間隔を1μm〜5mmに調整す
    る、 ことを特徴とする、二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ステンレス鋼基体の前記二酸化チタ
    ン層により被覆される表面が、その十点平均粗さ(R
    Z )が0.5〜200μmの範囲内にあり、かつその凹
    凸の平均間隔(Sm)が、2μm〜10mmの範囲内にあ
    るように粗面化されている、請求項4に記載の二酸化チ
    タン被覆ステンレス鋼材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粗面化が、研削、エンギス処理及び
    /又はダル処理により施される、請求項5に記載の二酸
    化チタン被覆ステンレス鋼材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ステンレス鋼基体が、フェライト鋼
    組織、オーステナイト鋼組織、マルテンサイト鋼組織又
    はこれらのいずれか2相の組織を有する、請求項4に記
    載の二酸化チタン被覆ステンレス鋼材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記二酸化チタン含有水性塗布液が、オ
    ルソチタン酸、及びペルオキソチタン酸から選ばれた少
    なくとも1種を含む、請求項4に記載の二酸化チタン被
    覆ステンレス鋼材料の製造方法。
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