JP2003093893A - 光触媒被覆用プライマー組成物および光触媒被覆材料 - Google Patents

光触媒被覆用プライマー組成物および光触媒被覆材料

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JP2003093893A
JP2003093893A JP2001294124A JP2001294124A JP2003093893A JP 2003093893 A JP2003093893 A JP 2003093893A JP 2001294124 A JP2001294124 A JP 2001294124A JP 2001294124 A JP2001294124 A JP 2001294124A JP 2003093893 A JP2003093893 A JP 2003093893A
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Kazuhiko Mori
和彦 森
Motoki Kanazawa
泉樹 金沢
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた触媒活性を持つと同時に干渉色の発生
を防止してコマーシャルべースでも外観品質に問題のな
い、かつ長期間の使用でも光触媒層の摩耗や脱落を防止
できる光触媒被覆用プライマーおよびこれを利用して光
触媒被覆した材料を提供する。 【解決手段】 粒子径が0.1〜1μmの範囲にある球
状シリカ粒子を10質量部と、難酸化性結着剤を3〜3
00質量部含むことを特徴とする光触媒被覆用プライマ
ー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化チタンに代
表される光触媒を、各種基材表面に被覆する際にその下
地層として使用されるプライマーコーティング剤組成
物、ならびにそれを用いた、外観品質および密着性に優
れる光触媒被覆材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光触媒による光反応を利用して防
汚、防曇、抗菌、脱臭などの機能を発揮させるために、
タイル、ガラスなどの建材や鏡、照明機器などの各種基
材に光触媒を被覆するケースが増えている。そしてこれ
らの用途は住宅、ビル、車両、道路、医療、農業、電気
・電子機器、日用品等の関連資材等、きわめて多岐にわ
たって検討されている。しかし、光触媒に主として使用
される二酸化チタンは、可視光線に対し透明であるが屈
折率が高く、しかも通常塗布される膜厚は0.1〜1μ
mと光の波長に近いため、光の干渉により膜面が不均一
な虹色に着色してしまう問題点があった。また、光触媒
粒子と基材との密着力や耐摩耗性が十分とはいえないこ
とから、耐久性に不安を生じ、これらの事実が実用化を
阻む大きな理由となっていた。樹脂材料、樹脂塗装材
料、金属、ガラスなど多くの基材では、光触媒を直接被
覆すると、触媒の酸化力による基材の劣化や腐食、また
はアルカリ金属の拡散による触媒活性の低下を防止する
ため予めプライマーコーティングを施すことが多い。光
触媒下地として使用されるプライマーコーティング剤と
しては、シリコーン樹脂や特許第3038599号公報
に開示されているアクリルーシリコーン樹脂、シリコー
ン変成樹脂からなるものなどがあるが、これらをそのま
ま下地として使用しても光の干渉による着色は防止し難
く、また、耐摩耗性の向上効果も期待できなかった。光
の干渉を抑制するためには、特開平9−56549号公
報に開示されているような、シリコーンを酸化チタンに
混ぜて酸化チタン層の屈折率を下げ、酸化チタン層の表
面の反射率を下げる方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法により十分な量のシリコーンなど低屈折率
成分を酸化チタン層に添加すると、光触媒層中の酸化チ
タン含有率が大きく低下し、触媒活性が著しく低下する
という問題点が発生するため根本的な解決には結びつか
なかった。
【0003】従って、現状では優れた触媒活性を持つと
同時に干渉色の発生を防止して外観品質に問題のない、
かつ光触媒層の摩耗を防止できるような光触媒被覆を達
成しうる光触媒下地用プライマーおよびこれを利用した
光触媒被覆材料は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の抱
えている上記課題を解決することを目的とし、優れた触
媒活性を持つと同時に干渉色の発生を防止してコマーシ
ャルベースでも外観品質に問題のない、かつ長期間の使
用でも光触媒層の摩耗や脱落を防止できる光触媒被覆用
プライマーおよびこれを利用して光触媒被覆した材料を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明等は、上記課題を
解決するための方法について、先ず、ステンレス鋼板を
基材として、この上に二酸化チタン光触媒のコーティン
グを行った場合、機械加工や圧延により種々異なる表面
仕上げを行ったステンレス鋼板の光触媒塗布、乾燥後の
外観が著しく異なることを見出した。即ち、鏡面仕上げ
の平滑なステンレス板に膜厚0.1〜0.5μmに塗布
した場合は、著しく明瞭な虹色(青、赤、黄、緑など)
の干渉色が発生し、実用に耐えるものはなかったが、研
削仕上げ、ダル仕上げ、エンボス仕上げなどの表面に凹
凸をつけて一定の表面粗さを付与したステンレス板では
干渉色がほとんど消失し、良好な外観が得られるとの知
見を得た。
【0006】さらに発明者らは、これらの場合に良好な
外観が得られる理由について研究を続けた結果、一定の
微細な凹凸を持つ基材に薄く二酸化チタン等の光触媒被
覆すると、光触媒層の微視的に見た膜厚が、基材の凸部
で薄く、凹部で厚くなっており、このため干渉色のパタ
ーンが肉眼で識別できないほど微細になっている(顕微
鏡では識別可)ため、七色が混合して白色光として人間
の目に識別されるためであるとの結論を得た。また、本
発明者らは、このような微細な凹凸を付与した表面に薄
膜に塗布した光触媒の密着性が優れ、摩耗に対しても脱
落、摩滅し難いことを併せて見出した。
【0007】さらに本発明者らは、干渉色の発生が著し
い鏡面仕上げステンレス、樹脂塗装品、ガラスなどの平
滑な基材に対しても同様な原理を応用することにより良
好な性能の光触媒被覆材料が得られるのではないかとの
予測から、その方法について鋭意研究を重ねた。その結
果、光触媒層の膜厚と同等程度の粒子を持つ球状シリカ
を含有させたプライマーコーティング剤を塗布、乾燥さ
せることにより微細な一定の凹凸を持つプライマー表面
を形成し、その上に光触媒コーティングを行うことによ
り、従来問題となっていた干渉色の発生を殆どなくすこ
とができ、しかも驚くべきことに光触媒被覆後の表面
は、初期の基材表面の光沢が維持されることを見出し
た。さらに本発明者らは、球状シリカを添加しない従来
のプライマーに比較してこの光触媒被覆材料が、光触媒
の密着性、耐摩耗性も向上していることを確認して本発
明を完成するに至ったのである。
【0008】すなわち、本発明の光触媒被覆用プライマ
ー組成物は、平均粒子径が0.1〜1μmの範囲にある
球状シリカ粒子を10質量部と、難酸化性結着剤を3〜
300質量部含むことを特徴とするもので、難酸化性結
着剤が、MeXもしくはRMeXの加水分解生物
(MeはSi,Ti,ZrおよびSnの中から選択され
る少なくとも1種;Xはハロゲンもしくはアルコキシ
基;Rはアルキル基、ビニル基、フェニル基、γ―グリ
シキドキシプロピル基、およびγ―メタクリロキシプロ
ピル基から選択される1種である)またはポリシラザン
から選択される少なくとも1種を含むものがさらに好ま
しい。
【0009】また、本発明の光触媒被覆材料は、基材に
前記組成の光触媒被覆用プライマー組成物を塗布、硬化
させることにより、該基材表面に平均膜厚が0.1〜2
0μmで且つそのRz(十点平均表面粗さ)が0.1〜
1μmの表面粗さを持つプライマー層を設けた後、さら
に最上層としてRa(平均表面粗さ)が0.1μm以下
の表面粗さを持つ光触媒含有層を設けたことを特徴とす
るものである。以下に本発明を詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒被覆用プライマー
組成物には、球状シリカ粒子を含むことが必要で、球状
シリカ粒子の粒子径が重要である。本発明の光触媒被覆
用プライマー組成物には、平均粒子径が0.1〜1μm
の球状シリカ粒子を含有することが必要であり、球状シ
リカ粒子の粒子径がこの範囲よりも小さいと、プライマ
ー塗膜表面が平滑になりすぎるため、この上に光触媒被
覆した場合に干渉色による色むらが発生しやすく、耐磨
耗性も不十分となる。一方、この平均粒子径が1μmを
超えると、プライマー塗膜表面の表面粗さが過大となっ
て、光触媒を被覆した表面の光沢が失われ、基材本来の
持つ外観品質を損なってしまう。最も好ましい球状シリ
カ粒子の平均粒子径は、0.2〜0.7μmの範囲であ
る。また、光触媒の被覆態様にもよるが、球状シリカ粒
子は0.1〜1μmの範囲外の粒子をできる限り含有せ
ず、実質的に0.1〜1μmの範囲内にあるのが好適で
あり、実質的に0.2〜0.7μmの範囲内にあるのが
最適である。たとえば1μmを超える粒子径の固体粒子
を含むことは光触媒被覆面の平滑性を損なうため好まし
くないが、不純物量ないし少量程度の量であれば許容さ
れる。
【0011】本発明に使用される球状シリカ粒子は、た
とえばトリアルコキシシランを原料とした加水分解によ
りSiO微粒子核を生成させ、これに上記シラン原料
を少しずつ加えながら粒子を加水分解生長させる方法に
より任意の粒子径のものを得ることができる。この方法
により製造した球状シリカ粒子は、半導体封止材料や液
晶パネル用スペーサー用として製造されているが、粒子
径のばらつきが殆どなく真球形で硬度が高いことから本
発明に使用するのには最も好ましい。その他の方法で製
造したシリカ粒子も粒子径が本発明の条件を満足すれば
使用することができる。
【0012】また、本発明の光触媒被覆用プライマー組
成物には、難酸化性結着剤を含むことが必要で、難酸化
性結着剤としては、MeXまたはRMeXの加水分
解生成物(MeはSi,Ti,ZrおよびSnの中から
選択される少なくとも1種;Xはハロゲンもしくはアル
コキシ基;Rはアルキル基、ビニル基、フェニル基、γ
―グリシドキシプロピル基、およびγ―メタクリロキシ
プロピル基から選択される1種である)またはポリシラ
ザンから選択される少なくとも1種を含有することが好
ましい。上記のアルコキシ基およびアルキル基は好まし
くは炭素数1〜6から選ばれ、アルキル基としては特に好
ましくはメチルもしくはエチルである。難酸化性結着剤
としては、水ガラス、金属酸化物、金属リン酸塩、金属
塩基性炭酸塩等の、難酸化性であってシリカ粒子に対し
結着力を有するものであれば使用できる。さらに難酸化
性結着剤としては、テトラアルコキシシランやメチルト
リアルコキシシランに必要に応じてAlやZr、Ti、
Bキレートを添加し、触媒の存在下での加水分解させた
縮重合生成物が特に好ましい。このような難酸化性結着
剤としては、たとえばポリアルミノシロキサン、ポリチ
タノシロキサン等が挙げられる。一方、ポリシラザン難
酸化性結着剤としては、ペルヒトロポリシラザン、ポリ
シクロシラザン等が好適である。
【0013】本発明において、球状シリカと難酸化性結
着剤との組成比は、球状シリカ粒子を10質量部に対
し、難酸化性結着剤を3〜300質量部含むことが必要
で、難酸化性結着剤のより好ましい範囲は20〜200
質量部である、難分解性結着剤が3重量部未満ではプラ
イマーの塗工性、レべリング性が低下し、300重量部
を超えると塗膜干渉色むらが発生しやすくなる。本発明
の光触媒被覆用プライマー組成物においては、上記の球
状シリカと難酸化性結着剤以外に目的に応じ他の成分を
含有していてもよい。このような成分としては、たとえ
ば紫外線吸収剤やレベリング剤が挙げられる。
【0014】次に、本発明の光触媒被覆材料は、基材に
本発明の光触媒被覆用プライマー組成物を塗布、硬化さ
せることにより、該基材表面にプライマー層を設けた
後、さらに最上層として光触媒含有層を設けることによ
って得られる。好ましくは、本発明の光触媒被覆材料
は、基材に本発明の光触媒被覆用プライマー組成物を塗
布、硬化させることにより、該基材表面に平均膜厚が
0.1〜20μmで且つそのRz(十点平均表面粗さ)
が0.1〜1μmの表面粗さを持つプライマー層を設け
た後、さらに最上層としてRa(平均表面粗さ)が0.
1μm以下の表面粗さを持つ光触媒含有層を設けること
によって得られる。塗布の方法は、特に限定されない
が、本発明の光触媒被覆用プライマー組成物を加圧気体
でノズルより噴出させるスプレー、ローラーで接触転写
させるロールコート、浸漬させるディップコート、回転
する基板上に供給し、遠心力で拡散させるスピンコー
ト、移動する基材に流下させるフローコート、刷毛を用
いる刷毛塗り、等の常法から被塗物の形状や大きさに応
じて選択することができる。本発明における光触媒被覆
材料のプライマー層の乾燥膜厚は、0.1〜20μmで
あることが好適であり、0.1μm未満ではプライマー
中の球状シリカが脱落しやすく、20μmを超えると塗
膜の加工性が悪化するため好ましくない。より好ましい
膜厚範囲は0.5〜10μmである。
【0015】また、本発明における光触媒被覆材料のプ
ライマー層の表面粗さは、Rz(十点平均表面粗さ)で
0.1〜1μmの範囲にあることが好適で、Rzが0.
1μm未満では干渉色の発生が十分に防止し難く、1μ
mを超えると塗膜外観が艶消しとなって基材本来の外観
を損なうため好ましくない。より好ましいRzの範囲は
0.2〜0.8μmである。本発明のプライマーは、塗
布されたのち、好ましくは常温〜200℃で乾燥または
焼き付けにより硬化させる必要がある。
【0016】本発明の光触媒被覆材料は、これらの条件
を満足するプライマー層を形成したのちさらに最上部と
して光触媒含有層を、好適にはRa(平均的表面粗さ)
が0.1μm以下の表面粗さを持つ光触媒含有層を設け
ることによって得られる。光触媒含有層のRaが0.1
μmを超えると表面が艶消し外観となり本来の光沢が失
われるため好ましくない。また、光触媒有層の膜厚は
0.1〜0.7μmが好ましい。
【0017】光触媒含有層を形成するには、たとえば粒
子径5〜10nmのアナタ―ゼ型二酸化チタン結晶粒子
を含み、結合性成分としてアモルファス酸化チタンやペ
ルオキソ酸化チタン、必要に応じてSiO系無機バイ
ンダーを含むコーティング液を塗布、乾燥することによ
って得ることができる。もっとも好ましい酸化チタン含
有コーティング液の調製方法としては、例えば酸化チタ
ン水溶液を室温でアニオン交換膜により脱塩酸しながら
加水分解させ、さらにアニオン分散剤とアルカリ中和剤
を添加して分散させた後、夾雑イオンを除去する方法
や、チタン塩水溶液にアルカリ中和剤を添加してオルソ
チタン酸を沈澱させ、これを濾過、洗浄したのち過酸化
水素水に溶解してペルオキソチタン酸溶液を調製する方
法などがある。何れの場合も二酸化チタンの一部を70
〜100℃で加熱加水分解してアナタ―ゼ形結晶を生成
させることにより低温乾燥でも良好な光触媒活性を得る
ことができる。塗布の方法は、特に限定されず、上記の
光触媒被覆用プライマー組成物の場合と同様の方法によ
ることができる.光触媒としては上記アナタ―ゼ型二酸
化チタンに限定されずルチル型二酸化チタン、さらには
チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化タングステ
ン、硫化セレン、酸化ニオブ、硫化カドミウム等も使用
されうる。
【0018】本発明光触媒被覆材料の断面模式図の例を
図1に示す。膜厚の分布は上記本発明の範囲内であれば
等間隔、不等間隔を問わず、厚膜部分の膜厚、薄膜部分
の膜厚が不揃いであっても構わない。また、本発明で言
う膜厚とは鋼板面に対して垂直方向に限定される微視的
膜厚のことを指し、平均膜厚とは微視的膜厚の平均値を
指す。このため、膜厚の測定は、電子顕微鏡やEPMA
(X線マイクロアナライザー)による断面分析や触針式
表面粗さ計による塗布前後のプロファイル測定によって
行うことができる。
【0019】本発明の光触媒被覆用プライマー組成物を
使用して本発明の光触媒被覆材料を製造することによ
り、光触媒含有層にミクロな膜厚の周期的変化を付与し
従来の二酸化チタン光触媒薄膜被覆において不可避だっ
た干渉色の発生や色むらが防止できるだけでなく、球状
シリカにより光触媒層の摩耗防止や投錨効果による密着
性の向上作用が得られる。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに挙
げ、本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。 実施例1〜7および比較例1〜3
【0021】本発明の実施例および比較例に使用した光
触媒被覆用プライマー剤、および光触媒被覆剤(光触媒
コーティング剤)は、以下に示す方法で作製した。 <光触媒被覆用プライマー剤>実施例の球状シリカは、
実施例1〜7では日本触媒(株)製「シーホスター」K
E−P30(粒径:0.3μm)、P50(粒径:0.
5μm)、P100(粒径:1.0μm)を使用した。
また、比較例1では日本アエロジル(株)製ヒュームド
シリカ「AEROSIL」380(粒径:0.007μ
m)を使用し、比較例2では日産化学(株)製メタノー
ルシリカゾル(粒径:0.015〜0.020μm)、
比較例3ではガラスパウダー(粒径:2〜3μm)を使
用した。また、難酸化性結着剤としては、大橋化学
(株)製ガラス質コーティング剤GS−600(加水分
解生成物)およびアクリル基含有シリカ系コーティング
剤GO−100を使用した。球状シリカと難酸化性結着
剤は、粒子が均一分散するまでホモディスパーで混合分
散し、固形分濃度が30〜40%となるよう適当な溶剤
で希釈してプライマー剤を調製した。
【0022】<塗装方法>プライマーコートおよび光触
媒コートは、市販のエアーガン(アネスト岩田(株)
製、LPH−400)を使用してスプレー法により塗布
した。プライマーは塗布した後、水平に1〜3分間静置
し、熱風オーブンにより120℃で10分間乾燥させ塗
膜を硬化させた。 <光触媒の被覆方法> ・酸化チタン含有コーティング剤 日本パーカライジング(株)製「パルチタン」5607
(TiO濃度:4%、溶媒:水)をアルコールで3倍
に希釈して乾燥膜厚が0.2〜0.7μmとなるように
スプレー塗布した。乾燥は、熱風オーブンを使用し、1
00℃で10分間行った。 <使用した基材>基材としては、以下のパネル(300
×300mm)を使用した。 a.SUS304ステンレス鋼板(鏡面仕上げ) b.ポリカーボネート樹脂板 c.亜鉛メッキ鋼板(アクリル樹脂塗装品)
【0023】<基材の前処理>供試材はガーゼに2−プ
ロパノ―ルを付けてワイピングしたのち、プライマーコ
ートした。 <塗装方法>プライマーコートおよび光触媒コートは、
市販のエアーガン(アネスト岩田(株)製、LPH−4
00)を使用し、エアー圧0.4MPaで行った。
【0024】<評価試験>実施例、比較例につき、以下
に示す方法で評価を行った。 1.塗膜の外観 実施例および比較例で作製したステンレス鋼板の外観を
干渉色による着色(色むら)、および光沢の変化につい
て判定した。 《評価基準―1》 ○・・・・・着色が全く見られない △・・・・・僅かに着色している ×・・・・・強く着色しており色むらが著しい 《評価基準―2》 ○・・・・・光沢度低下が10%未満 △・・・・・光沢度低下が10〜30% ×・・・・・光沢度低下が30%を超える
【0025】2.塗膜の耐磨耗性 実施例1〜6および比較例1〜3で作製した塗膜の耐摩
耗性については、キムワイプによるラビングを100往
復手動で行い、初期の付着量を基準としたTiOの脱
落率を蛍光X線分析値から算出した。 《評価基準》 ○・・・・・TiO脱落率5%未満 △・・・・・TiO脱落率5〜20% ×・・・・・TiO脱落率20%以上
【0026】3.表面粗さ プライマーコート塗膜の表面粗さ(RzおよびRa)を
触針式表面粗さ計((株)東京精密製「サーフコム」)
で測定した。測定幅は3mmで各試料について任意の3
ヶ所を測定し、3ヶ所の平均値を測定値とした。また、
光触媒被覆、乾燥後の表面についても同様に測定した。
【0027】評価結果を表1に示す。
【表1】
【0028】適正範囲の粒径を持つ球状シリカを含まな
い比較例1および比較例2は外観に著しい干渉色による
色むらが見られ、過大な粒径で不規則な粒子形状を持つ
比較例3では光沢を失い基材の外観を損なっていた。一
方、本発明の光触媒材料である実施例1〜7の塗膜外観
は干渉による着色、及び艶引け現象がなく良好な外観
で、耐磨耗性も優れていた。
【0029】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明の光触媒
用プライマー組成物および光触媒被覆材料を使用するこ
とにより、従来困難であった平滑な基材の外観を損なう
ことなく、着色や色むらがなく耐久性にも優れた光触媒
被覆材料を得ることが可能になり、その実用的価値は大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒被覆材料の断面模式図である。
【符号の説明】
1…球状シリカ 2…難酸化性結着剤 3…基材 4…光触媒含有層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 9/00 B32B 9/00 A Fターム(参考) 4D075 AE17 BB26Y BB26Z BB91Y BB91Z CA02 CA13 CA34 CA39 CA45 DA06 DB04 DB05 DB13 DB14 DB48 DC01 DC05 DC11 DC18 DC21 DC24 DC30 DC38 EA07 EA41 EB02 EB22 EB42 EB43 EB47 EB56 EC02 EC03 EC24 EC53 EC54 4F100 AA20A AA21 AB03 AH08A AK45 AK52A AS00A AT00B BA03 BA07 BA10B BA10C CC00A CC00C DD07A DD07C DE01A EH46A EH46C EJ08A EJ08C EJ65A GB07 GB31 GB41 JB03A JK09 JL00 JL08 JL08C JM02A JM02C YY00A YY00C 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04B BA27A BA27B BA48A BB08A BC22A BC50A BC51A BD05A BE01A CA10 CA11 CA17 DA06 EA08 EA11 FB24 FC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.1〜1μmの範囲にあ
    る球状シリカ粒子10質量部と、難酸化性結着剤3〜3
    00質量部を含有することを特徴とする光触媒被覆用プ
    ライマー組成物。
  2. 【請求項2】 難酸化性結着剤が、MeXもしくはR
    MeXの加水分解生成物(MeはSi,Ti,Zrお
    よびSnの中から選択される少なくとも1種;Xはハロ
    ゲンもしくはアルコキシ基;Rはアルキル基、ビニル
    基、フェニル基、γ―グリシドキシプロピル基、および
    γ―メタクリロキシプロピル基から選択される1種であ
    る)またはポリシラザンから選択される少なくとも1種
    を含有する請求項1記載の光触媒被覆用プライマー組成
    物。
  3. 【請求項3】 基材に請求項1または2記載の光触媒被
    覆用プライマー組成物を塗布、硬化させることにより該
    基材表面にプライマー層を設けた後、さらに最上層とし
    て光触媒含有層を設けたことを特徴とする光触媒被覆材
    料。
  4. 【請求項4】 基材に請求項1または2記載の光触媒被
    覆用プライマー組成物を塗布、硬化させることにより、
    該基材表面に平均膜厚が、0.1〜20μmで且つその
    Rz(十点平均表面粗さ)が0.1〜1μmの表面粗さ
    を持つプライマー層を設けた後、さらに最上層としてR
    a(平均表面粗さ)が0.1μm以下の表面粗さを有す
    る光触媒含有層を設けたことを特徴とする光触媒被覆材
    料。
JP2001294124A 2001-09-26 2001-09-26 光触媒被覆用プライマー組成物および光触媒被覆材料 Pending JP2003093893A (ja)

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JP2007167718A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装体
WO2016148108A3 (ja) * 2015-03-13 2016-11-24 株式会社バイオミミック アナターゼ型酸化チタンを含有する塗装用複合膜及びその製造方法
JP6067825B1 (ja) * 2015-11-20 2017-01-25 株式会社バイオミミック 光触媒複合膜及びその製造方法

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