JP3529282B2 - 集魚装置 - Google Patents
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Description
(イカ等の頭足類を含む)を誘致する集魚方法および装
置に関する。
域に誘き寄せる集魚方法のひとつとして、白色光源を使
用したものが知られている。
テンフィラメントランプ等の白熱燈を漁船上の欄干に設
置し、海面上から海中に白色光を投射して、多数の魚や
イカを誘き寄せ、魚網で一網打尽に捕獲する方法があ
る。
掛け(捕獲対象の魚類に適した形状の釣り針と釣り糸等
を連結したもの)に白色光ランプの発光体を取り付け、
魚類を誘き寄せる方法がある。
いた集魚方法は効率的ではなく、また消費電力が比較的
大きいといった課題がある。
来の白色光源を用いた集魚方法よりも効率的であり、更
に消費電力が少ない経済的な集魚装置を提供することを
目的とする。
明者が様々な色彩の光を海中に投射して集魚状況を調査
したところ、白色光よりも青色または青緑色の光を投射
した方がシラス(マイワシやセグロイワシの幼魚)等の
小魚が良く集まる傾向を見出した。そこで、発明者は以
下の点に着目して考察し、最適な発光源を探索するべく
試行を重ねた。 (1) 青色領域の波長450ナノメータ前後の光が格
段に魚類を誘き寄せる効果が高く、他の波長の光がこの
ような誘因効果が少ないか無いと仮定すれば、他の波長
(色)が混じらない単色の青色光が望ましい。 (2) このような単色光は、白色光のように様々な波
長成分を含む連続光に比べて、電気エネルギから光エネ
ルギへの変換効率が高いため、低消費電力なので経済的
である。 (3) 後述するように、可視光領域の光は水分子によ
り散乱されやすく、また、波長450ナノメータ前後の
青色成分は他の可視光領域の波長成分に比べて水中での
透過率が大きいため、水中を広く深く照らすことが可能
である。
前後の青色光のみを出射する窒化ガリウム(GaN)を
発光媒体とする発光ダイオードまたは発振媒体とするレ
ーザダイオードを用いたところ、特異的に良好な集魚効
果が得られることを確認した。
イオードおよび青色レーザダイオードの少なくとも一方
から出射された青色光を水中に投射し、魚類を青色光の
投射領域に誘致することを第1の特徴とする。
数のシラス等の小魚を集めることができる。また、青色
発光ダイオードや青色レーザダイオードから出射される
青色光は、ある波長域に発光強度ピークをもつ単色光で
あり、様々な波長成分を含む白色光よりも電気エネルギ
から光エネルギへの変換効率が高いため、経済的であり
効率よく集魚できる。
オードおよび青色レーザダイオードの少なくとも一方を
含む発光体を有し青色光を水中に投射する光源と、発電
手段および蓄電手段の少なくとも一方を有し光源に電力
を供給する電源とを備えることを第2の特徴とする。
少なくとも一方を有する電源は、青色発光ダイオードお
よび青色レーザダイオードの少なくとも一方を含む発光
体を有する光源に一定の電力を供給するので、電力は個
々の発光体に分配され、発光体は供給された電力を高効
率で青色光に変換し高輝度の青色光を出射する。光源は
この青色光を水中に投射してある領域を青色に照らし、
その投射領域に魚類を効率良く誘き寄せ得る。
下に浸漬されて青色光を水中に投射することを第3の特
徴としても良い。
色光は水中へ直接に出射されるので、光源の周辺領域は
より明るい青色光で照射され、さらに効率良く魚類を誘
き寄せ得る。
個々の発光体に供給する電力を制御する電源制御手段を
さらに備えることを第4の特徴としても良い。
置しておき、まずその領域の外縁にある発光体から青色
光を出射して広い水域から集魚し、次に点灯する発光体
を領域の中心に位置する発光体へと徐々に移行し得るの
で、青色光の投射範囲が徐々に狭まると同時に照度が増
大して、さらに集魚効果が向上する。
らの青色光に誘致された魚類による反射光を感知し電気
信号を出力する受光センサと、この受光センサからの電
気信号に基づき電源制御手段を介して光源の個々の発光
体の点滅を制御する点滅制御手段とをさらに備えること
を第5の特徴とする。
た魚類の集結状況を即時に確実に把握し得るので、その
情報をもとにして、多数の魚類を広い水域から徐々に狭
い範囲に集魚するための発光体の点灯を最適化し、合理
的且つより効率的に集魚可能となる。
実施形態を説明する。なお、同一の要素には同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。
装置の例の構成を示す斜視図、図2は同正面図である。
光源100は筐体12とこの筐体12の内部に行列状に
配置された略円筒形の青色発光ダイオード(以下青色L
EDと云う)1とから構成されている。なお、図1は5
行5列の、図2は10行10列の青色LED1の配列を
示す。これら青色LED1は、エネルギ変換効率が良好
で波長が450ナノメートル付近に発光強度ピークをも
つ青色の単色光を高輝度で発光する窒化ガリウム(Ga
N)を主成分とする半導体の発光素子を含む。
の単色光に比べて水中での吸収が少ない。具体的には、
深度10mにおける水中の透過率は、波長380ナノメ
ータ付近の紫色光が約30%、同450乃至500ナノ
メータの青色光および青緑色光が約80%、同600ナ
ノメートル付近の橙色光が約20%であり、また、青色
光7を含めて可視光領域の光は水分子により散乱され易
いため、青色光7は白色光や他の単色光よりも水中を広
く深く照らし得る。
1はその発光部が筐体12の下面から突き出るように固
定されており、また、筐体12の下面には光源100の
内部への水の浸入を防止するため、エポキシ等の透明な
樹脂による防水コーティング13が施されている。
(図示せず)を有する電源2が設置され、上面四隅には
ワイヤ11を連結するための吊り具10が固定されてい
る。ワイヤ11の他端は光源100を昇降するためのク
レーン等の荷役機器(図示せず)に連結している。この
ワイヤ11により光源100は水面下に浸漬された状態
に保持され、青色LED1が電源2からの電力供給を受
けて青色光7を出射し、この青色光7が水中に直接に投
射される。このように個々の青色LED1から出射され
た青色光7は互いに重なり合い、光源100の下面の領
域を全体的に青色光7で照らし出す。魚類8はこの青色
光7に誘われて青色光7の投射領域に集魚される。
験例について説明する。まず、GaN素子を含む青色L
ED1を図2に示すように行列状に配置し、エポキシ樹
脂製の防水コーティング13を施して海中へ浸漬させ
た。この状態で青色光7を投射したところ、青色光7は
水中で散乱されて出射角よりも広い範囲が照らし出され
た。青色光7を投射して間もなく、その投射領域は徐々
に白濁していき、その海水をサンプリングして内容物を
観察すると、プランクトンが通常の海水よりも非常に多
く含まれることが判明した。この実験では、薄桃色を帯
びた体表色のプランクトンの割合が特に高かった。やが
て、その投射領域には多数の小型の魚類8や表層付近を
泳動している太刀魚等が多数集まり、青色光7の投射領
域に魚群を維持し得ることを確認した。
7に感受性の高いプランクトンが広範囲から青色光の投
射領域に短時間に集結し、次に、この海域で活動する魚
類がこれらプランクトンの群れを感知し捕食するために
投射領域に集まるといった集魚メカニズムの可能性が推
測され得る。
より集魚効率が高く且つ水中での透過率が高い単色の青
色光7を水中に直接に投射し得るので、より多くの魚類
8を誘致し漁獲を増大させることができる。また、光源
100は水面上に引き上げられるので、集魚した魚類8
の捕獲が容易となり得る。さらに、青色LED1は従来
の白色光源よりも消費電力が少ないので、電源2を小型
軽量化できる利点がある。
システムの例の構成を示す側面図、図4は同正面図であ
る。光源100は、漁船5の甲板上に設置された支柱6
に一列に吊り下げられた青色LED1を有している。こ
の光源100は、漁船5の動力源4に直結した発電手段
3に接続された電源2に接続されている。この電源2は
充放電が可能であり、動力源4の駆動力で発電手段3が
運転されている間は充電し、光源100の点灯時には放
電して光源100へ電力を供給する。
が漁船5の側面の水面を臨む位置に光源100を保持
し、この状態で水面上から水中に向けて青色光7が投射
される。そしてこの青色光7の投射水域には、誘き寄せ
られた魚類8の魚群が形成され、これら魚類8は青色光
7が投射されている状態で漁船5上から投げ入れられた
魚網9によって一網打尽に捕獲される。
7を水面上から投射して集魚するので、魚網9等による
捕獲が容易である。また、光源100の消費電力が従来
の白色光源よりも少ないので、発電手段3を駆動する動
力源4を停止した状態で青色光7を投射できるため、こ
れらの運転により発生する振動が無く、より効果的に集
魚できる。
装置の別の例の構成を示す側面図である。青色LED1
と電源2とが一体化している液密構造の光源100a
と、青色LED1と電源2とおもり14とが一体化して
いる液密構造の光源100bは、釣り糸17b,17c
と釣り針19とから構成される仕掛け18の上端および
下端に連結されている。また、光源100aは、釣り竿
15から水中に垂らされた幹糸16に結びつけられた釣
り糸17aに連結されている。
示すように、仕掛け18の上部および下部から青色光7
を仕掛け18の周囲に投射する。仕掛け18はほぼ全体
が青色光7で照らし出され、この青色光7に誘われて魚
類8が集まり、これら魚類8が釣り針19に捕らえられ
る確率が高くなる。
の近傍から青色光7が直接に水中へ投射されて釣り針1
9の周囲が重点的に青色光7で照らし出され、また、従
来と同等出力の小型の電源2を用いてもより高輝度の発
光が得られるので、効率良い集魚が可能となる。
魚システムの別の例の構成を示す側面図である。青色L
ED1aを含む光源100cは、支柱6bの長手方向に
移動可能に保持されており、岸壁に設置された巻取り機
構21に接続されている。また、おもり14と共に数珠
繋ぎに連結された青色LED1bを含む光源100d
は、支柱6bの長手方向に移動可能な巻取り機構22に
保持されている。この巻取り機構22は支柱6bに水平
方向に移動可能に保持されながら、巻き取り機構21に
接続されている。また、この支柱6bは一端が岸壁上に
固定され、他端が海洋に向かって突き出しており、さら
に岸壁上に垂直に固定された支柱6aにワイヤ23によ
って略水平状態に堅持されている。
り機構21,22は、商用の電源2に接続されている電
源制御手段20に接続されている。この電源制御手段2
0は電源2から光源100c,100dへの電力供給を
制御し、例えば、昼間は水中にある光源100dを点灯
し、夜間はその光源100dに加えて水面上に位置する
光源100cも点灯するといった運転を行う。また、電
源制御手段20は個々の青色LED1a,1bの発光を
制御して所望の領域のみに青色光7を投射することもで
きる。
光7の投射領域には水面に浮かぶブイ24に釣支された
魚網9が予め定置されており、この領域に誘き寄せられ
た魚類8はこの魚網9で捕獲される。また、光源100
c,100dの保守は、巻取り機構21,22によって
青色LED1a,1bを岸壁上に回収して実施する。
00c,100dを海岸等の岸壁近くに設置して商業電
源を利用し得るので、長期の安定的な集魚が可能とな
る。その結果、このような海岸近くの水域を新たな漁場
とし得る。
システムの更に別の例の構成の一部を展開接続図で示し
た側面図である。光源100は青色LED1c,1d,
1eを含む発光体を有しており、これら個々の青色LE
D1c,1d,1eには小型で高感度な光電変換素子で
あるフォトダイオードを含む受光センサ31が併設され
ている。この光源100は電源制御手段20を経て電源
2に接続されており、また受光センサ31は点滅制御手
段30を介して電源制御手段20に接続されている。
面に展開して配置され、光源100は青色LED1cが
その領域の外縁の周方向に位置し、青色LED1eが領
域の中心に位置するように構成されている。そしてこれ
ら青色LED1c,1d,1eからの青色光7の出射出
力は1c<1d<1eの順に大きくなっている。
100の外縁に位置する青色LED1cを発光させて青
色光7aが比較的広い領域に投射され、広域から魚類8
が集まってくる。そして魚影が濃くなると、この青色光
7aの一部は魚類8の体表面で散乱・反射され、その反
射光7bの一部は受光センサ31に入射する。
を持つよう光の入射口が制限されており、まず青色LE
D1cに併設した受光センサ31に入射する反射光7b
が多くなる。受光センサ31に入射した反射光7bは電
気信号に変換され、その電気信号は点滅制御手段30へ
出力される。点滅制御手段30はその電気信号の強度と
頻度を解析し、魚類8が青色LED1cからの青色光7
aの投射領域に多く集結していると判断すると、次に光
源100の中心に近い位置に配置されている青色LED
1dの点灯を指示する電気信号を電源制御手段20に出
力する。
投射され、魚類8はより狭い領域へと移動する。このよ
うに受光センサ31の出力信号をもとに段階的に青色光
7aの投射領域を狭めていき、最終的に光源100の中
心に位置するより高輝度の青色LED1eを点灯するこ
とにより、広い水域から集めた多数の魚類8を狭い領域
に集結させる。
い水域からより多くの魚類8を徐々に狭い範囲に集める
ことができるので、集魚効率が向上し漁獲を増大させる
ことができる。また、集魚状況を即時に確実に把握して
青色光7aの出射位置を最適化できるので、合理的な集
魚が可能となる。
システムの更にまた別の例を示す側面図である。光源1
00は、ブイ24に発電面が上面を向くように保持され
た太陽光発電パネル34と、この太陽光発電パネル34
の下面に固定された電源2と、この電源2に吊り下げら
れた青色LED1とから構成されている。この光源10
0の下端にはおもり14が繋がれており、岩礁32付近
の海中に定置された延縄33に取り付けられている釣り
針19の間を縫うように青色LED1が配置されるよう
になっている。
り昼間に発電された電力を蓄え、夜間になると放電して
青色LED1に電力を供給し、釣り針19が展開してい
る領域に青色光7が満遍なく投射される。そしてこの青
色光7の投射領域には小型魚類8aが誘き寄せられ、や
がてこれら小型魚類8aを捕食する大型魚類8bが集ま
るようになる。
電した電力を使って青色光7を投射できるので、電灯線
が無いような岩礁32付近の海域などでも小型魚類8a
を集めることができ、さらにそれら小型魚類8aを狙う
大型魚類8bを誘き寄せることができる。また、このよ
うな集魚を長期的に実施することにより、良好な漁場を
開拓できる利点がある。
システムのまた更に別の例を示す側面図である。光源1
00は青色レーザダイオード(以下青色LDと云う)を
有しており、岸壁に設置された電源2に接続されてい
る。この青色LDとしては、波長450ナノメートル付
近に発光強度ピークがある青色レーザ光7cを発振する
窒化ガリウム(GaN)系の半導体を発光媒体としてい
る。
光7cは、空間伝送によりビーム径等を調整する光学系
40aを経て光学系40bに到達する。この光学系40
bには微動駆動が可能な反射ミラーやレンズが設置され
ており、青色レーザ光7dを水面に向かって掃引しなが
ら投射する。一方、青色レーザ光7dが投射される水域
の周辺には魚網9がブイ24に釣支されたおり、この領
域に集まる魚類8は一網打尽に捕獲される。
00に青色LDを用いるので、光源100が近設できな
いような水域にも空間伝送により青色レーザ光7c,7
dを投射し集魚することが可能となる。
源100等の数量および配置は図示したものに限定され
るものではなく任意に設定できる。例えば、図1の光源
装置の筐体12を球形としてその球面全体に多数の青色
LED1を配置してもよく、この場合、光源100は3
60度方向に青色光7を出射し得るので集魚範囲が広ま
る。
2の下面を青色光7が反射され得るような鏡面としても
良く、このようにすれば、青色LED1から出射した青
色光7の一部はこの鏡面で下方に反射されるので、青色
光7の投射領域の照度が増大して集魚効果が高まる。
電源2を放電のみ行う蓄電手段としても良いし、電源2
を用いずに光源100が発電手段3に直接接続されても
よい。後者の場合には発電手段3を電源2とみなすこと
ができる。
は、電源制御手段20に太陽光を感知するセンサが接続
され、このセンサからの信号により昼夜を自動判別して
光源100c,100dの運転制御を行うこともでき
る。
は、当然ながら光源100と受光センサ31が液密構造
とされ、水中に浸漬された状態で青色光7aが投射され
てもよい。
色レーザ光7c,7dの伝送に光ファイバが用いられて
もよく、このようにすれば、光源100と光学系40
a,40bの間に障害物があるような場合でも青色レー
ザ光7c,7dが確実に伝送され得る。
魚効果の高い青色光が水中または水面上から水中に投射
されるので、従来の白色光よりも効率良い集魚が可能と
なる。また、光源の発光体が青色LEDおよび青色LD
を有するので、より少ない電力で高輝度の単色の青色光
を得ることが可能となり、効果的且つ経済的である。さ
らに、個々の発光体の点灯が制御され、より広い水域か
ら魚類を誘き寄せることができるので、さらに効率的で
ある。
構成を示す斜視図である。
構成を示す正面図である。
例の構成を示す側面図である。
例の構成を示す正面図である。
例の構成を示す側面図である。
別の例の構成を示す側面図である。
更に別の例の構成の一部を展開接続図で示した側面図で
ある。
更にまた別の例を示す側面図である。
また更に別の例を示す側面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 青色発光ダイオードおよび青色レーザダ
イオードの少なくとも一方を含む発光体を有し青色光を
水中に投射する光源と、 発電手段および蓄電手段の少なくとも一方を有し前記光
源に電力を供給する電源と、 前記光源からの青色光に誘致された魚類による反射光を
感知し電気信号を出力する受光センサと、 この受光センサからの電気信号に基づき前記電源制御手
段を介して前記光源の個々の発光体の点滅を制御する点
滅制御手段と、 を備えることを特徴とする集魚装置。 - 【請求項2】 前記光源は水面下に浸漬されて青色光を
水中に投射することを特徴とする請求項1記載の集魚装
置。 - 【請求項3】 前記光源の個々の発光体に供給する電力
を制御する電源制御手段をさらに備えることを特徴とす
る請求項1又は請求項2記載の集魚装置。
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