JP3528231B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

Info

Publication number
JP3528231B2
JP3528231B2 JP07619994A JP7619994A JP3528231B2 JP 3528231 B2 JP3528231 B2 JP 3528231B2 JP 07619994 A JP07619994 A JP 07619994A JP 7619994 A JP7619994 A JP 7619994A JP 3528231 B2 JP3528231 B2 JP 3528231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
main
sub
air
air passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07619994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07276967A (ja
Inventor
博隆 知識
リック スミス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP07619994A priority Critical patent/JP3528231B2/ja
Publication of JPH07276967A publication Critical patent/JPH07276967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3528231B2 publication Critical patent/JP3528231B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の空気通路より吹
き出される空気の温度を独立して調節し、複数の空調ゾ
ーンを独立して温度調節可能な空気調和装置に関するも
ので、特に、ある空調ゾーン(メイン空調ゾーン)の温
度の設定をメイン温度設定手段によって行い、他のある
空調ゾーン(サブ空調ゾーン)の温度の設定をメイン温
度設定手段によって設定された設定値に対して、設定度
数を増減して設定するバイアス式のサブ温度設定手段を
用いて行う空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バイアス式の温度設定手段を用いた従来
の技術の一例として、メイン空調ゾーン(例えば運転席
側の空調ゾーン)に吹き出す空気の温度と、サブ空調ゾ
ーン(例えば助手席側空調ゾーン)へ吹き出す空気の温
度とを、それぞれ独立して調節可能に設けた車両用の空
気調和装置が知られている。この空気調和装置は、メイ
ン空調ゾーンへ空気を吹き出すメイン空気通路と、サブ
空調ゾーンに空気を吹き出すサブ空気通路とを備える。
【0003】メイン空気通路内には、上流に空気を除
湿、冷却するメイン冷却手段、その下流に空気を加熱す
るメイン加熱手段が設けられている。また、メイン空気
通路内には、メイン加熱手段をバイパスするメインバイ
パス路が設けられている。そして、メイン空気通路内に
は、メイン加熱手段を通過する空気量とメインバイパス
路を通過する空気量とを調節し、吹出温度を調節する板
状のメインミックスダンパが設けられている。
【0004】一方、サブ空気通路内にも、メイン空気通
路内と同様、上流に空気を除湿、冷却するサブ冷却手
段、その下流に空気を加熱するサブ加熱手段が設けられ
ているとともに、サブ加熱手段を通過する空気量とサブ
バイパス路を通過する空気量とを調節し、吹出温度を調
節する板状のサブミックスダンパが設けられている。
【0005】ここで、空気調和装置は、メイン空調ゾー
ンの温度を手動設定するメイン温度設定手段と、メイン
温度設定手段の設定値に対して、設定度数を増減してサ
ブ空調ゾーンの温度を手動設定するバイアス式のサブ温
度設定手段とを備える。つまり、図17に示すように、
メイン温度設定手段で設定されたメイン設定値Tset M
に対し、サブ温度設定手段によるサブ設定値Tset
S は、ハッチングの範囲内で設定される。
【0006】そして、空気調和装置の制御装置は、メイ
ン温度設定手段にて設定されたメイン設定値Tset M
基づいてメイン空調ゾーンへ吹き出すメイン目標吹出温
度TAOM を算出し、このメイン目標吹出温度TAOM
からメインミックスダンパの開度を決定し、メイン空調
ゾーンの吹出温度を制御している。つまり、メイン空調
ゾーンへの吹出温度は、図18に示すように、メイン設
定値Tset M に応じて変化する。
【0007】一方、空気調和装置の制御装置は、サブ温
度設定手段にて設定されたサブ設定値Tset S (メイン
温度設定手段の設定値に対して増減した設定値)に基づ
いてサブ空調ゾーンへ吹き出すサブ目標吹出温度TAO
S を算出し、このサブ目標吹出温度TAOS からサブミ
ックスダンパの開度を決定し、サブ空調ゾーンの吹出温
度を制御している。つまり、サブ空調ゾーンの吹出温度
は、図18に示すように、メイン空調ゾーンへの吹出温
度に対し、吹出温度差がΔt1 の範囲内で変化する(ハ
ッチング範囲参照)。具体的には、メイン設定値Tset
M が点Aの時は、サブ設定値Tset S の範囲は、Δtに
示す範囲内となり、サブ空調ゾーンの吹出温度は、メイ
ン空調ゾーンへの吹出温度に対し、吹出温度差がΔt1
の範囲内で変化する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、一方の温度
設定器の温度を、他方の温度設定器の温度と異なった温
度に設定しても、メイン空調ゾーンとサブ空調ゾーンと
に吹き出される温度に差が生じない、あるいは差が小さ
い不具合が生じる場合がある。
【0009】具体的な例を最大冷房時と最大暖房時に基
づき説明する。 (最大冷房時)夏期など大きな冷房能力が要求される時
期について説明する。メイン空調ゾーンより吹き出す空
気の温度を低くする冷却能力が最大能力(メインミック
スダンパがメイン加熱手段の空気通路を完全に塞ぎ、メ
インバイパス路を全開にするドア開度0%の状態)であ
る図18のaの範囲内の場合がある。
【0010】このような場合に、サブ設定値Tset S
メイン設定値Tset M に対してΔtの範囲内で増減して
も、吹出温度差Δtaが小さくなってしまう。つまり、
例えば、メイン設定値Tset M が点ア(冷却能力が最大
能力aの範囲内)の時は、サブ設定値Tset S の範囲
は、図18のΔtに示す範囲となるが、サブ空調ゾーン
の吹出温度は、メイン空調ゾーンへの吹出温度に対し、
吹出温度差がΔtaの範囲内でしか変化しない不具合が
生じる。
【0011】一方、乗員は、2つの設定手段の設定値を
異なった値に設定した場合、2つの空調ゾーンへ異なっ
た吹出温度の空気が吐出するのを期待している。このた
め、メイン空調ゾーンへの吹出温度が最大冷房の時に、
メイン設定値Tset M とサブ設定値Tset S とを異なっ
た値に設定した場合、上記の理由で吹出温度に変化が生
じない、あるいは変化が小さい場合は、乗員は操作フィ
ーリングを大変悪く感じてしまう。また、場合によって
は、空気調和装置を作動不良として誤解を招く可能性も
ある。
【0012】(最大暖房時)次に、冬期など大きな暖房
能力が要求される時期について説明する。メイン空調ゾ
ーンより吹き出す空気の温度を高くする暖房能力が最大
能力(メインミックスダンパがメイン加熱手段の空気通
路を完全に開き、メインバイパス路を全閉にするドア開
度100%の状態)である図19のbの範囲内の場合
で、かつサブ空調ゾーンより吹き出す空気の温度を高く
する暖房能力も最大能力(サブミックスダンパがサブ加
熱手段の空気通路を完全に開き、サブバイパス路を全閉
にするドア開度100%の状態)の場合がある。
【0013】このような場合に、サブ設定値Tset S
メイン設定値Tset M に対してΔtの範囲内で増減して
も、吹出温度差Δtbが小さくなってしまう。つまり、
例えば、メイン設定値Tset M が点ウ(暖房能力が最大
能力bの範囲内)の時は、サブ設定値Tset S の範囲
は、図19のΔtに示す範囲となるが、サブ空調ゾーン
の吹出温度は、メイン空調ゾーンへの吹出温度に対し、
吹出温度差がΔtbの範囲内でしか変化しない不具合が
生じる。
【0014】一方、乗員は、2つの設定手段の設定値を
異なった値に設定した場合、2つの空調ゾーンへ異なっ
た吹出温度の空気が吐出するのを期待している。このた
め、メイン空調ゾーンへの吹出温度が最大暖房の時に、
メイン設定値Tset M とサブ設定値Tset S とを異なっ
た値に設定した場合、上記の理由で吹出温度に変化が生
じない、あるいは変化が小さい場合は、乗員は操作フィ
ーリングを大変悪く感じてしまう。また、場合によって
は、空気調和装置を作動不良として誤解を招く可能性も
ある。
【0015】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、外気温度が高い
場合など、メイン空調ゾーンの空調を行うメイン空気通
路の吹出温度が、メイン温度調節手段で温度調節可能な
調節域の範囲よりも低い状態で、サブ温度設定手段のサ
ブ設定値がメイン温度設定手段のメイン設定値よりも高
く設定された場合に、サブ空気通路の吹出温度を、メイ
ン空気通路の吹出温度に対して適切に高くすることので
きる空気調和装置の提供にある。
【0016】本発明の第2の目的は、外気温度が低い場
合など、メイン空調ゾーンの空調を行うメイン空気通路
の吹出温度が、メイン温度調節手段で温度調節可能な調
節域の範囲よりも高い状態で、サブ温度設定手段のサブ
設定値がメイン温度設定手段のメイン設定値よりも低く
設定された場合に、サブ空気通路の吹出温度を、メイン
空気通路の吹出温度に対して適切に低くすることのでき
る空気調和装置の提供にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】空気調和装置は、上記2
つの目的を達成するために、それぞれ次の技術的手段を
採用する。 (請求項1による手段) 空気調和装置は、 (a−1)室内のメイン空調ゾーンへ向けて空気を吹き
出すメイン空気通路と、 (b−1)このメイン空気通路に設けられ、通過する空
気の温度を変化させるメイン熱交換器と、 (c−1)前記メイン空気通路から吹き出される空気の
温度を調節するメイン温度調節手段と、 (d−1)前記メイン空調ゾーンの温度を設定するメイ
ン温度設定手段と、 (e−1)このメイン温度設定手段によって設定された
設定値に基づき、前記メイン空気通路から吹き出される
メイン目標吹出温度を算出するメイン目標温度演算手段
と、 (f−1)前記メイン目標吹出温度に基づいて前記メイ
ン温度調節手段を制御して、前記メイン空気通路より吹
き出される空気の温度を可変させるメイン温度制御手段
と、 (g−1)前記メイン空調ゾーンとは異なったサブ空調
ゾーンへ向けて空気を吹き出すサブ空気通路と、 (h−1)このサブ空気通路に設けられ、通過する空気
の温度を変化させるサブ熱交換器と、 (i−1)前記サブ空気通路から吹き出される空気の温
度を調節するサブ温度調節手段と、 (j−1)前記メイン温度設定手段によって設定される
設定値に対して設定度数を増減し、前記サブ空調ゾーン
の温度を設定するサブ温度設定手段と、 (k−1)このサブ温度設定手段によって設定された設
定値に基づき、前記サブ空気通路から吹き出されるサブ
目標吹出温度を算出するサブ目標温度演算手段と、 (l−1)外気温度が増加して、前記メイン温度調節手
段が最大冷房状態に達した場合、前記サブ温度設定手段
によって設定された設定値を、前記メイン目標吹出温度
に応じて増加する高温時補正手段と、 (m−1)前記サブ目標吹出温度に基づいて前記サブ温
度調節手段を制御して、前記サブ空気通路より吹き出さ
れる空気の温度を可変させるサブ温度制御手段とを備え
る。
【0018】(請求項2による手段) 空気調和装置は、(a−2)室内のメイン空調ゾーンへ
向けて空気を吹き出すメイン空気通路と、 (b−2)このメイン空気通路に設けられ、通過する空
気の温度を変化させるメイン熱交換器と、 (c−2)前記メイン空気通路から吹き出される空気の
温度を調節するメイン温度調節手段と、 (d−2)前記メイン空調ゾーンの温度を設定するメイ
ン温度設定手段と、 (e−2)このメイン温度設定手段によって設定された
設定値に基づき、前記メイン空気通路から吹き出される
メイン目標吹出温度を算出するメイン目標温度演算手段
と、 (f−2)前記メイン目標吹出温度に基づいて前記メイ
ン温度調節手段を制御して、前記メイン空気通路より吹
き出される空気の温度を可変させるメイン温度制御手段
と、 (g−2)前記メイン空調ゾーンとは異なったサブ空調
ゾーンへ向けて空気を吹き出すサブ空気通路と、 (h−2)このサブ空気通路に設けられ、通過する空気
の温度を変化させるサブ熱交換器と、 (i−2)前記サブ空気通路から吹き出される空気の温
度を調節するサブ温度調節手段と、 (j−2)前記メイン温度設定手段によって設定される
設定値に対して設定度数を増減し、前記サブ空調ゾーン
の温度を設定するサブ温度設定手段と、 (k−2)このサブ温度設定手段によって設定された設
定値に基づき、前記サブ空気通路から吹き出されるサブ
目標吹出温度を算出するサブ目標温度演算手段と、 (l−2)外気温度が減少して、前記メイン温度調節手
段が最大暖房状態に達した場合、前記サブ温度設定手段
によって設定された設定値を、前記メイン目標吹出温度
に応じて減少する低温時補正手段と、 (m−2)前記サブ目標吹出温度に基づいて前記サブ温
度調節手段を制御して、前記サブ空気通路より吹き出さ
れる空気の温度を可変させるサブ温度制御手段とを備え
る。
【0019】
【発明の作用】
(請求項1の作用)メイン温度設定手段に設定されたメ
イン設定値に基づき、メイン目標温度演算手段がメイン
目標吹出温度を算出する。すると、メイン温度制御手段
がメイン目標吹出温度に基づいてメイン温度調節手段を
制御し、メイン空気通路からメイン空調ゾーンへ吹き出
す空気の温度を調節する。同様に、サブ温度設定手段に
設定されたサブ設定値に基づき、サブ目標温度演算手段
がサブ目標吹出温度を算出する。すると、サブ温度制御
手段がサブ目標吹出温度に基づいてサブ温度調節手段を
制御し、サブ空気通路からサブ空調ゾーンへ吹き出す空
気の温度を調節する。
【0020】外気温度が高く、メイン温度調節手段が最
大冷房状態に達して、サブ設定値がメイン設定値よりホ
ット側に設定された場合、補正手段は、メイン目標吹出
温度に応じてサブ設定値を増加する。すると、サブ温度
制御手段の算出するサブ目標吹出温度が増加する。この
結果、サブ空気通路からサブ空調ゾーンへ吹き出す空気
の温度が、メイン空気通路からメイン空調ゾーンへ吹き
出す空気の温度に比較して適切に高く補正される。
【0021】(請求項2の作用)メイン温度設定手段に
設定されたメイン設定値に基づき、メイン目標温度演算
手段がメイン目標吹出温度を算出する。すると、メイン
温度制御手段がメイン目標吹出温度に基づいてメイン温
度調節手段を制御し、メイン空気通路からメイン空調ゾ
ーンへ吹き出す空気の温度を調節する。同様に、サブ温
度設定手段に設定されたサブ設定値に基づき、サブ目標
温度演算手段がサブ目標吹出温度を算出する。すると、
サブ温度制御手段がサブ目標吹出温度に基づいてサブ温
度調節手段を制御し、サブ空気通路からサブ空調ゾーン
へ吹き出す空気の温度を調節する。
【0022】外気温度が低く、メイン温度調節手段が最
大暖房状態に達して、サブ設定値がメイン設定値よりク
ール側に設定された場合、補正手段は、メイン目標吹出
温度に応じてサブ設定値を減少する。すると、サブ温度
制御手段の算出するサブ目標吹出温度が減少する。この
結果、サブ空気通路からサブ空調ゾーンへ吹き出す空気
の温度が、メイン空気通路からメイン空調ゾーンへ吹き
出す空気の温度に比較して適切に低く補正される。
【0023】
【発明の効果】(請求項1の効果) 請求項1にかかる空気調和装置は、上記の作用で示した
ように、メイン温度調節手段が最大冷房状態に達して、
サブ設定値がメイン設定値よりホット側に設定された場
合は、サブ空気通路から吹き出す空気の温度が、メイン
空気通路から吹き出す空気の温度に比較して適切に高く
なる。つまり、メイン空調ゾーンよりも高い吹出温度を
求めるサブ空調ゾーンへ、違和感なく高い温度の空気を
吹き出すことができる。このため、従来に比較して、操
作フィーリングが大変優れる。
【0024】(請求項2の効果) 請求項2にかかる空気調和装置は、上記の作用で示した
ように、メイン温度調節手段が最大暖房状態に達して、
サブ設定値がメイン設定値よりクール側に設定された場
合は、サブ空気通路から吹き出す空気の温度が、メイン
空気通路から吹き出す空気の温度に比較して適切に低く
なる。つまり、メイン空調ゾーンよりも低い吹出温度を
求めるサブ空調ゾーンへ、違和感なく低い温度の空気を
吹き出すことができる。このため、従来に比較して、操
作フィーリングが大変優れる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の空気調和装置を、車両用の空
気調和装置に適用した2つの実施例に基づき図面を参照
して説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図8は請求項1を適用
した実施例を示すもので、図1は空調ユニットの概略
図、図2は制御装置のブロック図である。車両用の空気
調和装置は、車室内前部のダッシュボード内に配置され
た空調ユニット1と、冷凍サイクル(図示しない)と、
制御装置(後述する)とから構成されている。
【0026】(空調ユニット1の説明)空調ユニット1
は、車室内に向けて空気を送る空気通路をなすダクト2
を備える。このダクト2は、車室内に配置され、ダクト
2の一端には、内外気切替手段(図示しない)を備えた
送風機3が接続されている。
【0027】図示しない内外気切替手段を簡単に説明す
る。内外気切替手段は、車室内と連通して内気を導入す
る内気導入口と、車室外と連通して外気を導入する外気
導入口とを備える。そして、内外気切替手段は、内外気
切替ダンパを備え、この内外気切替ダンパにより、ダク
ト内に導かれる空気を、内気と外気とに切り替えること
ができる。なお、内外気切替ダンパを駆動する内外気切
替用アクチュエータは、内外気切替用駆動回路(図示し
ない)を介して制御装置(後述する)によって通電制御
される。
【0028】送風機3は、ファンケース4、ファン5、
ブロワモータ6(図2参照)からなり、ブロワモータ6
は印加電圧に応じてファン5を回転駆動し、内気または
外気をダクト2を介して車室内へ送る。なお、ブロワモ
ータ6は、モータ駆動回路7を介して制御装置(後述す
る)によって通電制御される。
【0029】ダクト2の上流側には、ダクト2内を通過
する空気を冷却する冷却手段(例えば、冷凍サイクルの
エバポレータ)10が、ダクト2の全面に亘って設けら
れている。ダクト2の冷却手段10の下流は、メイン空
調ゾーン(例えば、運転席側の空調ゾーン)へ向けて空
気を吹き出すためのメイン空気通路11と、サブ空調ゾ
ーン(例えば、助手席側の空調ゾーン)へ向けて空気を
吹き出すためのサブ空気通路12とに仕壁13によって
分けられている。仕壁13には、メイン空気通路11お
よびサブ空気通路12を通過する空気を加熱する加熱手
段(例えば、エンジンの冷却水を熱源としたヒータコ
ア)14が、仕壁13を貫通した状態で設けられてい
る。なお、メイン空気通路11内の加熱手段14が本発
明のメイン熱交換器に相当し、サブ空気通路12内の加
熱手段14が本発明のサブ熱交換器に相当する。
【0030】メイン空気通路11の上流には、加熱手段
14を迂回するメインバイパス路15が設けられてい
る。また、メイン空気通路11内には、加熱手段14を
通過する空気量とメインバイパス路15を通過する空気
量との比を調節することによって、メイン空気通路11
からメイン空調ゾーンへ吹き出す空気の温度を調節する
メイン温度調節手段16が設けられている。
【0031】本実施例のメイン温度調節手段16は、メ
イン空気通路11内で回動する板状のメインエアミック
スダンパ17を備え、このメインエアミックスダンパ1
7はメイン温調用サーボモータ18(図2参照)によっ
て駆動される。なお、このメイン温調用サーボモータ1
8は、メイン温調用駆動回路19(図2参照)を介して
制御装置(後述する)によって通電制御される。
【0032】メイン空気通路11の下流端には、メイン
空気通路11を通過した空気を、メイン空調ゾーンの各
部へ向けて吹き出させる吹出口が形成されている。この
吹出口は、室内前部の中央よりドライバーの頭胸部へ向
けて主に冷風を吹き出すメインフェイス吹出口20と、
ドライバーの足元へ向けて主に温風を吹き出すメインフ
ット吹出口21と、フロントガラスへ向けて主に温風を
吹き出すデフロスタ吹出口(図示しない)とからなる。
そして、メインフェイス吹出口20へ通じる箇所には、
吹出口への空気流量を調節するメインフェイスダンパ2
2が設けられ、メインフット吹出口21へ通じる箇所に
は、メインフットダンパ23が設けられ、デフロスタ吹
出口へ通じる箇所には、デフロスタダンパ(図示しな
い)が設けられている。
【0033】なお、メインフェイスダンパ22、メイン
フットダンパ23、デフロスタダンパは、メインフェイ
スサーボモータ24(図2参照)、メインフットサーボ
モータ25(図2参照)、メインデフロスタサーボモー
タ(図示しない)によってそれぞれ駆動される。また、
メインフェイスサーボモータ24、メインフットサーボ
モータ25、メインデフロスタサーボモータは、メイン
フェイス用駆動回路26(図2参照)、メインフット用
駆動回路27(図2参照)、メインデフロスタ用駆動回
路(図示しない)を介してそれぞれ制御装置(後述す
る)によって通電制御される。
【0034】サブ空気通路12の上流にも、加熱手段1
4を迂回するサブバイパス路30が設けられている。ま
た、サブ空気通路12内には、加熱手段14を通過する
空気量とサブバイパス路30を通過する空気量との比を
調節することによって、サブ空気通路12からサブ空調
ゾーンへ吹き出す空気の温度を調節するサブ温度調節手
段31が設けられている。
【0035】本実施例のサブ温度調節手段31は、メイ
ン温度調節手段16と同様、サブ空気通路12内で回動
する板状のサブエアミックスダンパ32を備え、このサ
ブエアミックスダンパ32はサブ温調用サーボモータ3
3(図2参照)によって駆動される。なお、このサブ温
調用サーボモータ33は、サブ温調用駆動回路34(図
2参照)を介して制御装置(後述する)によって通電制
御される。
【0036】サブ空気通路12の下流端には、サブ空気
通路12を通過した空気を、サブ空調ゾーンの各部へ向
けて吹き出させる吹出口が形成されている。この吹出口
は、室内前部の中央よりパッセンジャーの頭胸部へ向け
て主に冷風を吹き出すサブフェイス吹出口35と、パッ
センジャーの足元へ向けて主に温風を吹き出すサブフッ
ト吹出口36とからなる。そして、サブフェイス吹出口
35へ通じる箇所には、吹出口への空気流量を調節する
サブフェイスダンパ37が設けられている。また、サブ
フット吹出口36へ通じる箇所には、サブフット吹出口
36への空気流量を調節するサブフットダンパ38が設
けられている。
【0037】なお、サブフェイスダンパ37、サブフッ
トダンパ38は、サブフェイスサーボモータ39(図2
参照)、サブフットサーボモータ40(図2参照)によ
ってそれぞれ駆動される。また、サブフェイスサーボモ
ータ39、サブフットサーボモータ40は、サブフェイ
ス用駆動回路41(図2参照)、サブフット用駆動回路
42(図2参照)を介してそれぞれ制御装置(後述す
る)によって通電制御される。
【0038】(制御装置50の説明)空気調和装置の各
電気機能部品(図示しない内外気切替用駆動回路、モー
タ駆動回路7、メイン温調用駆動回路19、メインフェ
イス用駆動回路26、メインフット用駆動回路27、図
示しないデフロスタ用駆動回路、サブ温調用駆動回路3
4、サブフェイス用駆動回路41、サブフット用駆動回
路42、図示しない冷凍サイクルの冷媒圧縮機等)は、
図2に示す制御装置50によって作動が制御される。
【0039】制御装置50は、コンピュータを使用した
もので、車両に搭載されたバッテリ(図示しない)から
イグニッションスイッチ(図示しない)を介して給電さ
れて作動状態となり、操作パネル51の操作指示信号や
各種センサの入力信号に応じて、コンピュータ内のRO
Mに予め記憶されたプログラムを実行し、各電気機能部
品を制御して車室内の空気調和状態を制御する。
【0040】制御装置50は、入力信号として、メイン
空気通路11から吹き出される空気によって空気調和さ
れるメイン空調ゾーンの要求温度(本発明のメイン設定
値に相当するもので、以下、メイン設定温度)Tset M
を手動設定可能なメイン温度設定手段52、メイン設定
温度Tset M に対して設定度数(以下、バイアス値)β
を増減し、サブ空気通路12から吹き出される空気によ
って空気調和されるサブ空調ゾーンの要求温度(本発明
のサブ設定値に相当するもので、以下、サブ設定温度)
Tset S を設定するバイアス式のサブ温度設定手段5
3、車室内空気の温度Trを検出する内気温センサ54
(メイン空調ゾーンとサブ空調ゾーンの中間に設けられ
る)、外気温度Tamを検出する外気温センサ55、メイ
ン空調ゾーン側の日射量TsM を検出するメイン日射セ
ンサ56、サブ空調ゾーン側の日射量TsS を検出する
サブ日射センサ57、冷却手段10を通過した空気の温
度TEを検出するエバ後温度センサ(図示しない)、加
熱手段14を通過した空気の温度を検出するとともに、
加熱手段14に供給される冷却水の温度TWを検出する
水温センサ(図示しない)等の信号を入力する。
【0041】そして制御装置50は、乗員によって図示
しないオートエアコンスイッチが選択されると、メイン
空調ゾーンの温度が、メイン温度設定手段52によって
設定された温度とされるように、メイン空気通路11か
ら吹き出されるメイン目標吹出温度TAOM を算出する
メイン目標温度演算手段61と、このメイン目標温度演
算手段61で算出されたメイン目標吹出温度TAOM
空気がメイン空気通路11から吹き出されるように、メ
インエアミックスダンパ17の開度を0%(加熱手段1
4を通過する空気通路が全閉でメインバイパス路15が
全開)〜100%(加熱手段14を通過する空気通路が
全開でメインバイパス路15が全閉)に制御するメイン
温度制御手段62の機能が設けられている。
【0042】同様に、制御装置50は、オートエアコン
スイッチが選択されると、サブ空調ゾーンの温度が、サ
ブ温度設定手段53によって設定された温度とされるよ
うに、サブ空気通路12から吹き出されるサブ目標吹出
温度TAOS を算出するサブ目標温度演算手段63と、
このサブ目標温度演算手段63で算出されたサブ目標吹
出温度TAOS の空気がサブ空気通路12から吹き出さ
れるように、サブエアミックスダンパ32の開度を0%
〜100%に制御するサブ温度制御手段64の機能が設
けられている。
【0043】また、本実施例の制御装置50は、メイン
空調ゾーンへ吹き出される吹出口モード、およびメイン
空調ゾーンへ吹き出される吹出口モードを、それぞれ独
立して自動的に制御する吹出口モード制御手段(図示し
ない)と、送風機3の送風量を自動制御する風量制御手
段(図示しない)とを備える。
【0044】さらに、制御装置50は、外気温度が高
く、メイン目標吹出温度TAO M が所定値を回った場
合(本実施例では、メイン温度調節手段16が最大冷房
状態に達した場合)で、サブ空調ゾーンのサブ設定温度
Tset S が、メイン設定温度Tset M よりホット側に設
定された場合に、バイアス値βを、メイン目標吹出温度
TAO M に応じて増加させる高温時補正手段65を備え
る。具体的には、図3に示すように、メイン目標吹出温
度TAOM に応じて設定された補正係数aを、実際のバ
イアス値βに乗算することによって、サブ設定温度Tse
t S を増加させるものである。なお、メイン温度調節手
段16が最大冷房状態とは、メインエアミックスダンパ
17の開度が0%の状態、言い換えると、メイン目標温
度演算手段61の算出したメイン目標吹出温度TAOM
がメイン温度調節手段16で温度調節可能な調節域の範
囲よりも低い状態のことである。
【0045】(フローチャートの説明)次に、制御装置
50が実行する空気調和装置の制御を、図4のフローチ
ャートを用いて説明する。初めに、制御装置50がバッ
テリから給電され、エアコンスイッチが選択されると
(スタート)、ステップS1 で、初期化の処理を行い、
ステップS2 で各センサのセンサ信号や操作パネル51
の指示信号の信号の読み込みを行う。
【0046】続いてステップS3 で、メイン空気通路1
1より吹き出される空気のメイン目標吹出温度TAOM
を次式により算出する。
【数1】TAOM =Kset ・Tset M −Kr・Tr−K
am・Tam−Ks・TsM +C ここで、Kset は温度設定ゲイン、Krは内気温度ゲイ
ン、Kamは外気温度ゲイン、Ksは日射ゲイン、Cは補
正定数を表し、各ゲインおよび補正定数は予め制御装置
50のROMに記憶されている。なお、数式1に示すT
AOM の算出がメイン目標温度演算手段61の作動によ
るものである。
【0047】次に、ステップS4 で、バイアス値βが0
であるか否かの判断を行う。この判断結果がYES の場合
は、次のステップS5 へ進み、NOの場合は、後述するス
テップS12へ進む。
【0048】ステップS5 では、サブ空気通路12より
吹き出される空気のサブ目標吹出温度TAOS を次式に
より算出する。
【数2】TAOS =Kset ・Tset S −Kr・Tr−K
am・Tam−Ks・TsS +C なお、数式2に示すTAOS の算出がサブ目標温度演算
手段63の作動によるものである。
【0049】次のステップS6 では、送風機3の印加電
圧を決定する。このステップS5 では、まず図5に従
い、ステップS3 で算出されたメイン目標吹出温度TA
M からメイン印加電圧VM を算出し、次に図6に従
い、ステップS5 で算出されたサブ目標吹出温度TAO
S からサブ印加電圧VS を算出する。そして、メイン、
サブ印加電圧VM 、VS を平均化し、その平均値Vを送
風機3の印加電圧とする。なお、サブ印加電圧は加味せ
ずに、メイン印加電圧VM を送風機3の印加電圧として
も良い。
【0050】次に、ステップS7 で、メイン空気通路1
1から吹き出す空気の吹出口、およびサブ空気通路12
から吹き出す空気の吹出口を決定する。メイン空気通路
11から吹き出す空気の吹出口は、図7に従い、メイン
目標吹出温度TAOM から吹出口モードを決定する。同
様に、サブ空気通路12から吹き出す空気の吹出口は、
図8に従い、サブ目標吹出温度TAOS から吹出口モー
ドを決定する。
【0051】次に、ステップS8 で、メイン空気通路1
1から吹き出す空気の温度がメイン目標吹出温度TAO
M となり、サブ空気通路12から吹き出す空気の温度が
サブ目標吹出温度TAOS となるように、メインエアミ
ックスダンパ17の目標開度SWM とサブエアミックス
ダンパ32の目標開度SWS とを、それぞれ次の数式に
よって算出する。
【数3】SWM ={(TAOM −TE) /(TW−T
E) }×100(%)
【数4】SWS ={(TAOS −TE) /(TW−T
E) }×100(%)
【0052】次に、ステップS9 で、上記ステップS6
で求めた印加電圧Vが送風機3に印加されるように、モ
ータ駆動回路7へ制御信号を出力する。ステップS10で
は、上記ステップS8 で求めた目標開度SWM が得られ
るようにメイン温調用駆動回路19へ制御信号を出力す
るとともに、目標開度SWS が得られるようにサブ温調
用駆動回路34へ制御信号を出力する。なお、ステップ
S7 における数式3に示すSWM の算出と、ステップS
9 におけるメイン温調用サーボモータ18への制御信号
の出力とが、メイン温度制御手段62の作動によるもの
で、ステップS7 における数式4に示すSWS の算出
と、ステップS9 におけるサブ温調用サーボモータ33
への制御信号の出力とが、サブ温度制御手段64の作動
によるものである。
【0053】ステップS11では、メイン空気通路11か
ら吹き出す空気の吹出口が上記ステップS7 で求めた吹
出口モードとなるように、メインフェイス用駆動回路2
6、メインフット用駆動回路27へ制御信号を出力する
とともに、サブ空気通路12から吹き出す空気の吹出口
が上記ステップS6 で求めた吹出口モードとなるよう
に、サブフェイス用駆動回路41、サブフット用駆動回
路42へ制御信号を出力する。そして、その後、ステッ
プS2 へリターンする。
【0054】上述のステップS4 の判断結果がNOの場合
は、次のステップS12〜ステップS14において高温時補
正手段65の作動を行う。ステップS12では、目標開度
SWM が0%となる低温側境界目標吹出温度(メイン温
度調節手段16で温度調節可能な調節域と温度調節不可
能な調節域との境界温度)TAOイを算出する。
【0055】次に、ステップS13で、メイン目標吹出温
度TAOM と図3に示す関係から、補正係数aを求め
る。つまり、例えば、メイン目標吹出温度TAOM が図
3の点アであれば、補正係数がa2 になる。なお、本実
施例では、メイン目標吹出温度TAOM がTAOイより
大きい値(定常域)であれば、補正係数a1 は一定とな
る。この補正係数a1 は、1または1に近い値に設定さ
れる。
【0056】次に、ステップS14では、次式により、補
正されたサブ設定温度Tset S を算出する。
【数5】Tset S =Tset M +aβ その後、上述のステップS5 へ進み、このステップS14
で補正されたサブ設定温度Tset S を用いてサブ目標吹
出温度TAOS を算出する。
【0057】〔第1実施例の作動〕次に、メイン目標温
度演算手段61の算出するメイン目標吹出温度TAOM
が低温側境界目標吹出温度TAOイより低い温度で(T
AOM <TAOイ)、かつサブ温度設定手段53のバイ
アス値βがプラスの値、つまりホット側に設定された場
合における高温時補正手段65の作動を図9を用いて説
明する。
【0058】メイン目標吹出温度TAOM が低温側境界
目標吹出温度TAOイよりも低い点アの位置にあるとす
る。すると、補正係数はa2 となり、上記数式5からサ
ブ設定温度Tset S を算出する。そして、サブ設定温度
Tset S が増加することにより、サブ目標吹出温度TA
S が上昇し、結果的にサブ空調ゾーンへの吹出温度T
S が、メイン空調ゾーンへの吹出温度TM に比較してΔ
t2 だけ高くなる。つまり、サブ空調ゾーンへの吹出温
度TS とメイン空調ゾーンへの吹出温度TM との吹出温
度差Δt2 が、定常域の調節可能範囲(吹出温度差)Δ
t1 /2に近づく(Δt1 /2≒Δt2 )。
【0059】〔第1実施例の効果〕上記の作動で示した
ように、メイン目標吹出温度TAOM が境界目標吹出温
度TAOイより低く、サブ温度設定手段53のバイアス
値βがプラスの値の場合、サブ空調ゾーンへの吹出温度
TS が補正されて上昇するため、定常域とほぼ同様に温
度調節が可能になる。
【0060】この結果、メイン空調ゾーンが最大冷房運
転時であっても、サブ空調ゾーン側の要求に応じて違和
感なく高い吹出温度を吹き出すことができる。このた
め、従来に比較して、操作フィーリングが大変優れると
ともに、空気調和装置が作動不良であると誤解を招く可
能性もなくなる。
【0061】〔第2実施例の構成〕図10ないし図13
は請求項2を適用した実施例を示すもので、図10は制
御装置のブロック図である。なお、本実施例は、制御装
置50のプログラム以外、第1実施例の構成を採用す
る。 (制御装置50の説明)本実施例の制御装置50のコン
ピュータ内のROMには、メイン実施例の高温時補正手
段65のプログラムに代わって、低温時補正手段66の
プログラムが記憶されている。
【0062】低温時補正手段66は、外気温度が低く、
メイン目標吹出温度TAO M が所定値を回った場合
(本実施例では、メイン温度調節手段16が最大暖房状
態に達した場合)で、サブ空調ゾーンのサブ設定温度T
set S が、メイン設定温度Tset M よりクール側に設定
された場合に、バイアス値βを、メイン目標吹出温度T
AO M に応じて減少させるものである。具体的には、図
11に示すように、メイン目標吹出温度TAOM に応じ
て設定された補正係数bを、実際のバイアス値βに乗算
することによって、サブ設定温度Tset S を減少させる
ものである。なお、メイン温度調節手段16が最大暖房
状態とは、メインエアミックスダンパ17の開度が10
0%の状態、言い換えると、メイン目標温度演算手段6
1の算出したメイン目標吹出温度TAOM がメイン温度
調節手段16で温度調節可能な調節域の範囲よりも高い
状態のことである。
【0063】この作動の一例を、図12のフローチャー
トに基づいて説明する。なお、メイン実施例のフローチ
ャート(図4参照)と同一符号は同一機能を示す。この
ため、メイン実施例のフローチャートと同一符号の説明
は省略し、低温時補正手段66の作動にかかるフローチ
ャート(ステップS21〜S23)のみ説明する。
【0064】上述のステップS4 の判断結果がNOの場
合、ステップS21で、目標開度SWMが100%となる
高温側境界目標吹出温度(メイン16で温度調節可能な
調節域と温度調節不可能な調節域との境界温度、図12
の点エ参照)TAOエを算出する。
【0065】次に、ステップS22で、メイン目標吹出温
度TAOM と図11に示す関係から、補正係数bを求め
る。つまり、例えば、メイン目標吹出温度TAOM が図
11の点ウであれば、補正係数がb2 になる。なお、本
実施例では、メイン目標吹出温度TAOM がTAOエよ
り小さい値であれば、一定の補正係数b1 となる。この
補正係数b1 は、1または1に近い値に設定される。
【0066】次のステップS23では、次式により、補正
されたサブ設定温度Tset S を算出する。
【数6】Tset S =Tset M +bβ その後、第1実施例で説明したステップS5 へ進み、こ
のステップS23で補正されたサブ設定温度Tset S を用
いてサブ目標吹出温度TAOS を算出する。
【0067】〔第2実施例の作動〕次に、メイン目標温
度演算手段61の算出するメイン目標吹出温度TAOM
が高温側境界目標吹出温度TAOエより高い温度で(T
AOM >TAOエ)、かつサブ温度設定手段53のバイ
アス値βがマイナスの値、つまりクール側に設定された
場合における低温時補正手段66の作動を図13を用い
て説明する。
【0068】メイン目標吹出温度TAOM が高温側境界
目標吹出温度TAOエよりも高い点ウの位置にあるとす
る。すると、補正係数はb2 となり、上記数式6からサ
ブ設定温度Tset S を算出する。そして、サブ設定温度
Tset S が減少することにより、サブ目標吹出温度TA
S が低下し、結果的にサブ空調ゾーンへの吹出温度T
S が、メイン空調ゾーンへの吹出温度TM に比較してΔ
t3 だけ高くなる。つまり、サブ空調ゾーンへの吹出温
度TS とメイン空調ゾーンへの吹出温度TM との吹出温
度差Δt3 が、定常域の調節可能範囲(吹出温度差)Δ
t1 /2に近づく(Δt1 /2≒Δt3 )。
【0069】〔第2実施例の効果〕上記の作動で示した
ように、メイン目標吹出温度TAOM が境界目標吹出温
度TAOエより高く、サブ温度設定手段53のバイアス
値βがマイナスの値の場合、サブ空調ゾーンへの吹出温
度TS が補正されて低下するため、定常域とほぼ同様に
温度調節が可能になる。
【0070】この結果、メイン空調ゾーンが最大暖房運
転時であっても、サブ空調ゾーン側の要求に応じて違和
感なく低い吹出温度を吹き出すことができる。このた
め、従来に比較して、操作フィーリングが大変優れると
ともに、空気調和装置が作動不良であると誤解を招く可
能性もなくなる。
【0071】〔変形例〕上記の実施例では、高温時補正
手段65を適用した空気調和装置と、低温時補正手段6
6を適用した空気調和装置とを、別々に示したが、1つ
の空気調和装置に高温時補正手段65と低温時補正手段
66を適用しても良い。上記の実施例では、メイン空調
ゾーンの日射量を検出する日射センサ(メイン日射セン
サ)とサブ空調ゾーンの日射量を検出する日射センサ
(サブ日射センサ)とを、別々に設けた例を示したが、
メイン空調ゾーンとサブ空調ゾーンの中間など、例えば
車室内の左右中央に設けた1つの日射センサの出力を基
に、メイン、サブ目標吹出温度を算出するように設けて
も良い。上記の実施例では、メイン空調ゾーンとサブ空
調ゾーンの中間に設けた1つの内気センサで室内温度を
検出した例を示したが、メイン空調ゾーンとサブ空調ゾ
ーンのそれぞれ独立した内気温度センサを用いて、メイ
ン、サブ目標吹出温度を算出するように設けても良い。
【0072】上記の実施例では、メイン目標吹出温度T
AO M 変化に応じて補正係数aまたは補正係数bを直
線的に変化させた例を示したが、2次曲線的に補正係数
を変化させたり、例えば、図14のようにメイン目標吹
出温度TAO M が変化しても補正係数が変化しない部分
を設けたり、例えば、図15のようにメイン目標吹出温
度TAO M の変化に応じて補正係数をステップ的に変化
させたり、あるいはこれらを組み合わせた補正係数を用
いても良い。補正係数を定常域で一定とした例を示した
が、定常域であっても、例えば、図16のようにメイン
目標吹出温度TAO M の変化に応じて変化させても良
い。バイアス値βと補正係数a(あるいは補正係数b)
を常に乗算した例を示したが、メイン目標吹出温度TA
M が所定値を回ったか(あるいは回ったか)否か
を判断して、メイン目標吹出温度TAO M が所定値を
回った時(あるいは回った時)に、補正係数a(ある
いは補正係数b)をバイアス値βに乗算するように設け
ても良い。
【0073】
【0074】加熱手段(メイン、サブ熱交換器)の上流
側に冷却手段を配置した例を示したが、暖房のみの空調
装置では、冷却手段を廃止しても良い。メイン、サブ熱
交換器の一例として加熱手段を例に示したが、加熱手段
が不要な空調装置では、メイン、サブ熱交換器に冷却手
段を適用して本発明を適用しても良い。温度可変手段の
一例として板状のエアミックスダンパを回動させる例を
示したが、膜状部材に開口を設け、この開口による加熱
手段の開口率とバイパス路の開口率とを変化させて、吹
出温度を調節するように設けても良い。温度可変手段の
一例として、熱交換器を通過する空気量とバイパス路を
通過する空気量との比を変化させて、吹出温度を調節す
る例を示したが、例えばエバポレータに供給される冷媒
量を可変するなど冷却手段の空気冷却能力を可変させた
り、例えばヒータコアに供給される温水量を可変するな
ど加熱手段の空気加熱能力を変化させても良い。加熱手
段として冷凍サイクルのコンデンサを用いる場合は、コ
ンデンサに供給される冷媒量を可変して吹出温度を調節
しても良い。
【0075】各ダンパを駆動するアクチュエータの一例
としてサーボモータを例に示したが、バッキュームスイ
ッチングと組み合わせた負圧アクチュエータなど、他の
駆動手段を用いても良い。空調ゾーンの設定温度を目的
の温度で設定する例を示したが、ボリューム式に要求温
度をクール側あるいはホット側へ変化させる温度設定手
段を用いても良い。つまり、ダイヤル式、レバー式、ホ
ット側あるいはクール側へのプッシュ回数によって要求
温度を可変する温度設定手段を用いても良い。
【0076】2つの空気通路を有する空気調和装置に本
発明を適用したが、3つ以上の空気通路を用いて3つ以
上の空調ゾーンを独立温調制御する空気調和装置に適用
しても良い。車両用空気調和装置に適用した例を示した
が、家庭用、店舗用、商業用、工場用、会社建物用な
ど、一般建造物の2か所以上の空調を行うように設けて
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調ユニットの概略図である(第1実施例)。
【図2】制御装置のブロック図である(第1実施例)。
【図3】メイン目標吹出温度と補正係数との関係を示す
グラフである(第1実施例)。
【図4】制御装置の作動を示すフローチャートである
(第1実施例)。
【図5】メイン目標吹出温度と送風機の印加電圧との関
係を示すグラフである(第1実施例)。
【図6】サブ目標吹出温度と送風機の印加電圧との関係
を示すグラフである(第1実施例)。
【図7】メイン目標吹出温度とメイン空調ゾーンの吹出
口モードとの関係を示すグラフである(第1実施例)。
【図8】サブ目標吹出温度とサブ空調ゾーンの吹出口モ
ードとの関係を示すグラフである(第1実施例)。
【図9】作動説明のためのグラフである(第1実施
例)。
【図10】制御装置のブロック図である(第2実施
例)。
【図11】メイン目標吹出温度と補正係数との関係を示
すグラフである(第2実施例)。
【図12】制御装置の作動を示すフローチャートである
(第2実施例)。
【図13】作動説明のためのグラフである(第2実施
例)。
【図14】メイン目標吹出温度と補正係数との関係を示
すグラフである(変形例)。
【図15】メイン目標吹出温度と補正係数との関係を示
すグラフである(変形例)。
【図16】メイン目標吹出温度と補正係数との関係を示
すグラフである(変形例)。
【図17】メイン設定温度とサブ設定温度との関係を示
すグラフである。
【図18】作動説明のためのグラフである(従来技
術)。
【図19】作動説明のためのグラフである(従来技
術)。
【符号の説明】
11 メイン空気通路 12 サブ空気通路 14 加熱手段(メイン熱交換器、サブ熱交換器) 16 メイン温度調節手段 31 サブ温度調節手段 52 メイン温度設定手段 53 サブ温度設定手段 61 メイン目標温度演算手段 62 メイン温度制御手段 63 サブ目標温度演算手段 64 サブ温度制御手段 65 高温時補正手段 66 低温時補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−122213(JP,A) 特開 平2−296525(JP,A) 特開 昭61−257312(JP,A) 特開 平3−50013(JP,A) 特開 昭57−191117(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 - 3/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a−1)室内のメイン空調ゾーンへ向
    けて空気を吹き出すメイン空気通路と、 (b−1)このメイン空気通路に設けられ、通過する空
    気の温度を変化させるメイン熱交換器と、 (c−1)前記メイン空気通路から吹き出される空気の
    温度を調節するメイン温度調節手段と、 (d−1)前記メイン空調ゾーンの温度を設定するメイ
    ン温度設定手段と、 (e−1)このメイン温度設定手段によって設定された
    設定値に基づき、前記メイン空気通路から吹き出される
    メイン目標吹出温度を算出するメイン目標温度演算手段
    と、 (f−1)前記メイン目標吹出温度に基づいて前記メイ
    ン温度調節手段を制御して、前記メイン空気通路より吹
    き出される空気の温度を可変させるメイン温度制御手段
    と、 (g−1)前記メイン空調ゾーンとは異なったサブ空調
    ゾーンへ向けて空気を吹き出すサブ空気通路と、 (h−1)このサブ空気通路に設けられ、通過する空気
    の温度を変化させるサブ熱交換器と、 (i−1)前記サブ空気通路から吹き出される空気の温
    度を調節するサブ温度調節手段と、 (j−1)前記メイン温度設定手段によって設定される
    設定値に対して設定度数を増減し、前記サブ空調ゾーン
    の温度を設定するサブ温度設定手段と、 (k−1)このサブ温度設定手段によって設定された設
    定値に基づき、前記サブ空気通路から吹き出されるサブ
    目標吹出温度を算出するサブ目標温度演算手段と、 (l−1)外気温度が増加して、前記メイン温度調節手
    段が最大冷房状態に達した場合、前記サブ温度設定手段
    によって設定された設定値を、前記メイン目標吹出温度
    に応じて増加する高温時補正手段と、 (m−1)前記サブ目標吹出温度に基づいて前記サブ温
    度調節手段を制御して、前記サブ空気通路より吹き出さ
    れる空気の温度を可変させるサブ温度制御手段とを備え
    た空気調和装置。
  2. 【請求項2】 (a−2)室内のメイン空調ゾーンへ向
    けて空気を吹き出すメイン空気通路と、 (b−2)このメイン空気通路に設けられ、通過する空
    気の温度を変化させるメイン熱交換器と、 (c−2)前記メイン空気通路から吹き出される空気の
    温度を調節するメイン温度調節手段と、 (d−2)前記メイン空調ゾーンの温度を設定するメイ
    ン温度設定手段と、 (e−2)このメイン温度設定手段によって設定された
    設定値に基づき、前記メイン空気通路から吹き出される
    メイン目標吹出温度を算出するメイン目標温度演算手段
    と、 (f−2)前記メイン目標吹出温度に基づいて前記メイ
    ン温度調節手段を制御して、前記メイン空気通路より吹
    き出される空気の温度を可変させるメイン温度制御手段
    と、 (g−2)前記メイン空調ゾーンとは異なったサブ空調
    ゾーンへ向けて空気を吹き出すサブ空気通路と、 (h−2)このサブ空気通路に設けられ、通過する空気
    の温度を変化させるサブ熱交換器と、 (i−2)前記サブ空気通路から吹き出される空気の温
    度を調節するサブ温度調節手段と、 (j−2)前記メイン温度設定手段によって設定される
    設定値に対して設定度数を増減し、前記サブ空調ゾーン
    の温度を設定するサブ温度設定手段と、 (k−2)このサブ温度設定手段によって設定された設
    定値に基づき、前記サブ空気通路から吹き出されるサブ
    目標吹出温度を算出するサブ目標温度演算手段と、 (l−2)外気温度が減少して、前記メイン温度調節手
    段が最大暖房状態に達した場合、前記サブ温度設定手段
    によって設定された設定値を、前記メイン目標吹出温度
    に応じて減少する低温時補正手段と、 (m−2)前記サブ目標吹出温度に基づいて前記サブ温
    度調節手段を制御して、前記サブ空気通路より吹き出さ
    れる空気の温度を可変させるサブ温度制御手段とを備え
    た空気調和装置。
JP07619994A 1994-04-14 1994-04-14 空気調和装置 Expired - Fee Related JP3528231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07619994A JP3528231B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07619994A JP3528231B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07276967A JPH07276967A (ja) 1995-10-24
JP3528231B2 true JP3528231B2 (ja) 2004-05-17

Family

ID=13598494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07619994A Expired - Fee Related JP3528231B2 (ja) 1994-04-14 1994-04-14 空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3528231B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19731908B4 (de) * 1997-07-24 2006-06-08 Behr Gmbh & Co. Kg Heizungs- und Klimaanlage für ein Kraftfahrzeug
JP2008222133A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Fuji Heavy Ind Ltd 左右独立温度調節オートエアコン制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07276967A (ja) 1995-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7556090B2 (en) Vehicular air-conditioner providing a comfortable condition for a passenger
JP3185854B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004142646A (ja) 車両用空調装置
JP2004196111A (ja) 車両用空調装置
JPH08113026A (ja) 空調装置
JP3692586B2 (ja) 車両用空調装置
JP3781612B2 (ja) 車両用空調装置
JP3528231B2 (ja) 空気調和装置
JP3758269B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3289477B2 (ja) 空気調和装置
JP3726982B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP2002248936A (ja) 車両用空調装置
JPH10915A (ja) 車両用空調装置
JP3287098B2 (ja) 空気調和装置
JP4218550B2 (ja) 車両用空調装置
JP3518053B2 (ja) 車両用空調装置
JP3690026B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP4269428B2 (ja) 車両用空調装置
JP3049940B2 (ja) 車両用ヒートポンプ式冷暖房装置
JP4048816B2 (ja) 車両用空調装置
JP3306880B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004217036A (ja) 車両用空調装置
JP2564906B2 (ja) 自動車用空気調和装置
JPH0840044A (ja) 車両用空気調和装置
JP2000025448A (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031212

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees