JP2000025448A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000025448A
JP2000025448A JP10198772A JP19877298A JP2000025448A JP 2000025448 A JP2000025448 A JP 2000025448A JP 10198772 A JP10198772 A JP 10198772A JP 19877298 A JP19877298 A JP 19877298A JP 2000025448 A JP2000025448 A JP 2000025448A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DEFスイッチがONされると、短時間でフ
ロント窓ガラスの曇りを確実に晴らすことができ、且つ
車両乗員が希望する運転モードを得ることのできる電気
自動車用空調装置を提供する。 【解決手段】 通常AUTO状態の途中からDEF制御
に移行する時に、DEF制御に移行する前の運転モード
が冷房モードの場合には、外気温度の関数と目標吹出温
度との温度差に基づいて、外気導入冷房モードまたは冷
房ぎみ除湿モードが選択されることにより、直ちに車室
内を除湿できる。また、通常AUTO状態の途中からD
EF制御に移行する時に、DEF制御に移行する前の運
転モードが暖房モードの場合には、暖房ぎみ除湿モード
が選択されることにより、直ちに車室内を除湿できるの
で、フロント窓ガラスの曇りを除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DEFスイッチを
押すと確実に短時間で窓の曇りを晴らすことが可能な電
気自動車用ヒートポンプ式エアコンシステム等の車両用
空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開平9−286225号公
報においては、DEFモードにて暖房ぎみ除湿(基本動
作:暖房)と冷房ぎみ除湿(基本動作:冷房)の運転条
件の区別をDEFスイッチのON時の外気温度により一
義的に選択するようにした電気自動車用空調装置が記載
されている。すなわち、外気温度が切替温度(例えば1
8℃)以上の高温の場合には、冷房ぎみ除湿モードを選
択して車室内を冷房ぎみ除湿し、外気温度が切替温度よ
りも低温の場合には、暖房ぎみ除湿モードを選択して車
室内を暖房ぎみ除湿している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の電気
自動車用空調装置の制御方法では、図9のタイムチャー
トに示したように、A/CスイッチをONしてコンプレ
ッサを起動し、運転モードが暖房モードの場合に、フロ
ント窓ガラスが曇ると、車両乗員がDEFスイッチをO
Nして車室内の除湿を希望する(DEF制御に移行す
る)。すると、DEF制御時の運転モードによっては、
つまり冷房ぎみ除湿モードが選択されることにより、冷
凍サイクル中の冷媒の流れを切り替える電磁弁がON、
OFFする際にかなり大きな冷媒音(騒音)が発生する
可能性があり、商品性を低下させるという問題が生じて
いる。ここで、図9中のTAOは演算結果により算出さ
れた目標吹出温度で、NCはコンプレッサの回転速度
で、Pdはコンプレッサの吐出圧力で、TAは実際の吹
出温度で、TEはエバ後温度である。
【0004】そこで、暖房モードからDEF制御に移行
する際の冷媒音対策としてコンプレッサを一旦停止、も
しくはコンプレッサの回転速度を低回転速度(例えば5
00rpm)以下に落として冷凍サイクルの高圧圧力を
下げてから電磁弁をOFFまたはONするように制御し
ている。それによって、除湿の効果が発揮される回転速
度まで到達するのに少なくとも30秒間〜1分間の時間
が余計に必要となる。そのため、DEFスイッチをON
して急速にフロント窓ガラスの曇りを晴らしたい場合で
も、暖房モードからDEF制御に移行する際に長時間の
切替待機時間を必要とするので、その時間分はフロント
窓ガラスの曇りを晴らす時間が遅れてしまい、ドライバ
ーの運転視界を十分に得ることができないという問題が
生じる。
【0005】また、外気温度により一義的にモードを決
定することで、例えば車室内を暖房したい時でも、運転
モードが冷房ぎみ除湿モードに切り替えられるケースも
起こり得るので、車両乗員の意図しない運転モードおよ
び吹出温度を作り出してしまう。それによって、車両乗
員が希望する車室内の空調環境の快適性を損ねてしま
い、車両乗員が希望する暖房感を得ることができず、車
両乗員が故障したと誤解する可能性もあった。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、除湿モード設定手段が
操作されると、短時間で窓の曇りを確実に晴らすことが
でき、車両乗員が希望する運転モードを得ることのでき
る車両用空調装置を提供することにある。また、車両乗
員に違和感を与えない快適な吹出温度を作り出して車室
内を除湿することのできる車両用空調装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、除湿モード設定手段により車室内の除湿が希望
された際には、外気温度と目標吹出温度との温度差に基
づいて、冷房モード、冷房ぎみ除湿モードまたは暖房ぎ
み除湿モードのうちのいずれかの運転モードが選択され
る。そして、この選択した運転モードとなるように循環
回路切替手段を制御することにより、除湿モード設定手
段により車室内の除湿を希望する前の基本動作モードが
維持される。
【0008】それによって、長時間の切替待機時間を必
要とすることなく、冷房モード、冷房ぎみ除湿モードま
たは暖房ぎみ除湿モードのうちのいずれかの運転モード
にて車室内の除湿が成されるので、短時間で窓の曇りを
確実に晴らすことができる。また、車両乗員に違和感を
与えない快適な吹出温度を作り出すことができ、且つ車
両乗員が希望する運転モードで車室内を冷房ぎみ除湿ま
たは暖房ぎみ除湿することができる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、除湿モー
ド設定手段により車室内の除湿を希望する前の運転モー
ドが冷房モード用循環回路の場合に、外気温度の関数が
目標吹出温度よりも小さい時には、冷房ぎみ除湿モード
用循環回路に切り替えるように循環回路切替手段を制御
することにより、除湿モード設定手段により車室内の除
湿を希望する前の基本動作モードが維持される。それに
よって、請求項1に記載の発明と同様な効果を達成する
ことができる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、除湿モー
ド設定手段により車室内の除湿を希望する前の運転モー
ドが冷房モード用循環回路の場合に、目標吹出温度が外
気温度の関数以下の時または所定の吹出温度以下の時、
冷房モード用循環回路を維持するように循環回路切替手
段を制御することにより、除湿モード設定手段により車
室内の除湿を希望する前の基本動作モードが維持され
る。それによって、請求項1に記載の発明と同様な効果
を達成することができる。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、除湿モー
ド設定手段により車室内の除湿を希望する前の運転モー
ドが暖房モード用循環回路の場合は、暖房ぎみ除湿モー
ド用循環回路に切り替えるように循環回路切替手段を制
御することにより、除湿モード設定手段により車室内の
除湿を希望する前の基本動作モードが維持される。それ
によって、請求項1に記載の発明と同様な効果を達成す
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】〔実施例の構成〕発明の実施の形
態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、
図1は電気自動車用空調装置の全体構成を示した図で、
図2は電気自動車用空調装置の制御系を示した図であ
る。
【0013】電気自動車用空調装置は、走行用モータM
を搭載する電気自動車(車両)の車室内を空調するエア
コンユニット(空調ユニット)1における各空調機器
(アクチュエータ)を、エアコン制御装置(以下エアコ
ンECUと呼ぶ)10によって制御するように構成され
た電気自動車用ヒートポンプ式エアコンシステムであ
る。
【0014】エアコンユニット1は、内部に電気自動車
の車室内に空調空気を導く空気通路を形成する空調ダク
ト2、この空調ダクト2内において空気流を発生させる
遠心式送風機、空調ダクト2内を流れる空気を加熱して
車室内を暖房するためのブラインサイクル、および空調
ダクト2内を流れる空気を冷却除湿して車室内を除湿す
るための冷凍サイクル等から構成されている。
【0015】空調ダクト2は、電気自動車の車室内の前
方側に配設されている。その空調ダクト2の最も上流側
(風上側)は、内外気切替箱を構成する部分で、車室内
空気(以下内気と言う)を取り入れる内気吸込口3、お
よび車室外空気(以下外気と言う)を取り入れる外気吸
込口4を有している。さらに、内気吸込口3および外気
吸込口4の内側には、内外気切替ダンパ5が回転自在に
支持されている。この内外気切替ダンパ5は、サーボモ
ータ等のアクチュエータ(図示せず)により駆動され
て、吸込口モードを内気循環モード、外気導入モード等
に切り替える。なお、内外気切替ダンパ5は、内外気切
替箱と共に内外気切替手段を構成する。
【0016】また、空調ダクト2の下流側(風下側)
は、吹出口切替箱を構成する部分で、電気自動車のフロ
ント窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフ
ロスタ(DEF)吹出口11、車両乗員の頭胸部に向か
って主に冷風を吹き出すフェイス(FACE)吹出口1
2、および車両乗員の足元部に向かって主に温風を吹き
出すフット(FOOT)吹出口13を有している。
【0017】さらに、各吹出口の内側には、デフロスタ
(DEF)ダンパ14、フェイス(FACE)ダンパ1
5およびフット(FOOT)ダンパ16が回転自在に支
持されている。DEF、FACE、FOOTダンパ14
〜16よりなる吹出口切替ドアは、サーボモータ等のア
クチュエータ(図示せず)により駆動されて、吹出口モ
ードをフェイス(FACE)モード、バイレベル(B/
L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ
(F/D)モードまたはデフロスタ(DEF)モードに
切り替える。
【0018】遠心式送風機は、空調ダクト2と一体的に
構成されたスクロールケースに回転自在に収容された遠
心式ファン17、およびこの遠心式ファン17を駆動す
るブロワモータ18を有し、ブロワ駆動回路(図示せ
ず)を介して印加されるブロワモータ端子電圧(ブロワ
電圧)に基づいてブロワ風量(ブロワモータ18の回転
速度)が制御される。
【0019】ブラインサイクルは、温水式ヒータ6、ブ
ライン冷媒熱交換器7、ウォータポンプ8、燃焼式ヒー
タ9、およびこれらを環状に接続する温水配管(ブライ
ン配管)等から構成されている。なお、本実施例では、
ブラインサイクル内を循環する温水(熱媒体、ブライ
ン)として不凍液(例えばエチレングリコール水溶液)
やLLC(ロングライフクーラント)を使用している。
【0020】温水式ヒータ6は、本発明の加熱用室内熱
交換器に相当するもので、空調ダクト2内に設置され、
内部を流れる温水との熱交換によって通過する空気を加
熱する室内空気加熱器である。温水式ヒータ6の空気の
入口部および出口部には、2個のエアミックス(A/
M)ダンパ19が回転自在に支持されている。これらの
A/Mダンパ19は、温水式ヒータ6を通過する空気量
(温風量)と温水式ヒータ6を迂回する空気量(冷風
量)とを調節して車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調
整する。そして、2個のA/Mダンパ19は、ステッピ
ングモータやサーボモータ等のアクチュエータ(図示せ
ず)により開度が変更されて温水式ヒータ6内に流入し
た温水による空調ダクト2内の空気の加熱量を調節する
加熱量調節手段である。
【0021】ブライン冷媒熱交換器7は、本発明の加熱
用室内熱交換器に相当するもので、アルミニウム合金等
の熱伝導性に優れる金属パイプよりなる二重管構造を成
し、内周側に温水通路、外周側に冷媒通路が形成されて
いる。このブライン冷媒熱交換器7は、車室外に設置さ
れ、温水通路内を流れる低温の温水(ブライン:熱媒
体)と冷媒通路内を流れる高温高圧のガス冷媒とを熱交
換させることにより、温水を加熱する温水加熱器として
運転されると共に、冷凍サイクルの凝縮器として運転さ
れる。
【0022】ウォータポンプ8は、通電を受けて起動す
ることによりブラインサイクル内に温水の循環流を発生
するウォータポンプである。燃焼式ヒータ9は、図示し
ない燃料ポンプから圧送された燃料を燃焼用空気と混合
して燃焼し、その燃焼時に生成される燃焼ガスとの熱交
換によって温水を加熱する。温水との熱交換を終えた燃
焼ガスは、大気に排出される。但し、この燃焼式ヒータ
9は、外気温度が低い(例えば4℃以下の)時に、ブラ
イン冷媒熱交換器7だけでは十分に温水を加熱できない
時に切り替えて単独で使用される。なお、燃焼式ヒータ
9は、燃料ポンプから圧送される燃料供給量および燃焼
用空気量を調節することにより、燃焼量(発熱量)を1
00〜40%の間で無段階に切り替えて使用することが
できる。
【0023】冷凍サイクルは、ヒートポンプサイクルで
もあり、冷媒圧縮機(以下コンプレッサと言う)20、
ブライン冷媒熱交換器7、後記する減圧手段、室外熱交
換器23、エバポレータ24、アキュームレータ25、
後記する循環回路切替手段、およびこれらを環状に接続
する冷媒配管等から構成されて、各運転モードに基づい
て冷媒の循環方向が変わる。
【0024】なお、本実施例の通常AUTO状態(通常
の冷暖房モード、温度コントロール状態)の時の運転モ
ードとしては、車室内を冷房する冷房モード、ヒートポ
ンプのみで車室内を暖房する(ヒートポンプ)暖房モー
ド、燃焼式ヒータ9のみで車室内を暖房する燃焼暖房モ
ード等が設定されている。また、本実施例のDEF制御
(除湿モード、DEFモード)の時の運転モードとして
は、フロント窓ガラスの防曇を行う外気導入冷房モー
ド、車室内を冷房しながら除湿する冷房ぎみ除湿モー
ド、車室内を暖房しながら除湿する暖房ぎみ除湿モー
ド、フロント窓ガラスの防曇とエバポレータ24のフロ
スト防止を行う外気導入暖房モード、燃焼式ヒータ9の
みで車室内を暖房ぎみ除湿する燃焼暖房モード等が設定
されている。
【0025】コンプレッサ20は、吸入したガス冷媒を
圧縮する電動式の冷媒圧縮機であって、エアコンECU
10の出力信号に基づいてコンプレッサ20の駆動モー
タ(図示せず)の回転速度を制御する回転速度制御手段
としてのエアコン用インバータ30を備えている。そし
て、駆動モータは、エアコン用インバータ30によって
車載電源Vから印加される電力が連続的あるいは段階的
に可変制御される。したがって、コンプレッサ20は、
印加電力の変化による駆動モータの回転速度の変化によ
って、冷媒吐出容量を変化させて冷凍サイクル内を循環
する冷媒の流量を調節することによりブライン冷媒熱交
換器7(温水式ヒータ6)の加熱能力やエバポレータ2
4の冷却能力(除湿能力)が制御される。
【0026】本実施例では、本発明の減圧手段に相当す
る部品として2個の第1、第2減圧手段21、22を備
えている。第1減圧手段21は、暖房モード時および除
湿モード時にブライン冷媒熱交換器7より流入した冷媒
を減圧するキャピラリチューブである。第2減圧手段2
2は、冷房モードおよび除湿モード時に室外熱交換器2
3より流入した冷媒を減圧するキャピラリチューブであ
る。
【0027】室外熱交換器23は、電気自動車が走行す
る際に生じる走行風を受け易い車室外(例えば電気自動
車の前部)に設置されて、内部を流れる冷媒と電動ファ
ン26により送風される外気とを熱交換する。なお、室
外熱交換器23は、暖房モード時および除湿モード時に
は、第1減圧手段21で減圧された低温低圧の冷媒を外
気との熱交換により蒸発気化させる蒸発器として運転さ
れ、冷房モードおよび除湿モード時には、ブライン冷媒
熱交換器7より流入した冷媒を外気との熱交換により凝
縮液化させる凝縮器として運転される。
【0028】エバポレータ24は、本発明の冷却用室内
熱交換器に相当するもので、空調ダクト2内において温
水式ヒータ6よりも下流側(風下側)に設置され、冷房
モード時および除湿モード時に第2減圧手段22および
第1減圧手段21で減圧された低温低圧の冷媒を空調ダ
クト2内の空気との熱交換により蒸発気化させる蒸発器
として運転される。これにより、エバポレータ24の内
部を流れる冷媒がエバポレータ24を通過する空気から
蒸発潜熱を奪って(吸熱して)蒸発することで、エバポ
レータ24を通過する空気が冷却除湿される。アキュー
ムレータ25は、内部に流入した冷媒を液冷媒とガス冷
媒とに気液分離して液冷媒を貯溜し、ガス冷媒のみをコ
ンプレッサ20へ供給する気液分離器として運転され
る。
【0029】循環回路切替手段は、冷凍サイクル中の冷
媒の循環方向を冷房サイクル(図1において矢印Cの経
路)、暖房サイクル(図1において矢印Hの経路)、除
湿サイクル(図1において矢印Dの経路)等のいずれか
のサイクルに切り替えるものである。ここで、冷房サイ
クルは本発明の冷房ぎみ除湿モード用循環回路および冷
房モード用循環回路に相当し、暖房サイクルは本発明の
暖房モード用循環回路に相当し、除湿サイクルは本発明
の暖房ぎみ除湿モード用循環回路に相当する。本実施例
では、循環回路切替手段として、通電(ON、オン)さ
れると開弁し、通電が停止(OFF、オフ)されると閉
弁する3個の電磁式開閉弁(以下電磁弁と略す)VC、
VH、VDが使用されている。
【0030】電磁弁VCは、第1減圧手段21を迂回
し、ブライン冷媒熱交換器7と室外熱交換器23とを結
ぶ冷房用冷媒流路に設置されている。そして、電磁弁V
Cは、冷房サイクル時に、コンプレッサ20より吐出さ
れた冷媒を、ブライン冷媒熱交換器7→室外熱交換器2
3→第2減圧手段22→エバポレータ24→アキューム
レータ25→コンプレッサ20の順に流す第3冷媒流路
を開く冷房用開閉手段である。
【0031】電磁弁VHは、第2減圧手段22およびエ
バポレータ24を迂回し、室外熱交換器23とアキュー
ムレータ25とを結ぶ暖房用冷媒流路に設置されてい
る。そして、電磁弁VHは、暖房サイクル時に、コンプ
レッサ20より吐出された冷媒を、ブライン冷媒熱交換
器7→第1減圧手段21→室外熱交換器23→アキュー
ムレータ25→コンプレッサ20の順に流す第1冷媒流
路を開く暖房用開閉手段である。
【0032】電磁弁VDは、第2減圧手段22を迂回
し、第1減圧手段21とエバポレータ24とを結ぶ除湿
用冷媒流路に設置されている。そして、電磁弁VDは、
除湿サイクル時および暖房ぎみ除湿サイクル時に、コン
プレッサ20より吐出された冷媒を、ブライン冷媒熱交
換器7→第1減圧手段21→エバポレータ24→アキュ
ームレータ25→コンプレッサ20の順に流す第2冷媒
流路を開く除湿用開閉手段である。
【0033】エアコンECU10は、本発明の空調制御
手段、目標吹出温度決定手段に相当するもので、中央演
算処理装置(以下CPUと言う)31、ROM32、R
AM33、A/D変換器34、インターフェイス35、
36等を持ち、それ自体は周知のものである。また、エ
アコンECU10は、走行用モータMの回転速度を制御
する走行用インバータIにも接続するジャンクションボ
ックスJを介して車載電源Vより電力が供給されて作動
する。
【0034】そして、エアコンECU10は、内気温セ
ンサ41、外気温センサ42、日射センサ43、冷媒圧
力センサ44、エバ後温度センサ45、水温センサ4
6、除霜センサ47、水温センサ48および操作パネル
50より入力される入力信号と予めインプットされた制
御プログラムに基づいて、各空調機器を制御する。すな
わち、エアコンECU10は、各センサの検出値(検出
信号)および操作パネル50の操作値(操作信号)など
の入力信号と予めインプットされた制御プログラムに基
づいて、各冷凍機器(アクチュエータ)の運転状態を制
御する。
【0035】内気温センサ41は、例えばサーミスタ等
の感温素子よりなり、車室内の空気温度(内気温度)を
検出する内気温度検出手段である。外気温センサ42
は、例えばサーミスタ等の感温素子よりなり、車室外の
空気温度(外気温度)を検出する外気温度検出手段であ
る。日射センサ43は、車室内への日射量を検出する日
射量検出手段である。冷媒圧力センサ44は、コンプレ
ッサ20の吐出圧力である冷凍サイクルの高圧圧力を検
出する冷媒圧力検出手段である。
【0036】エバ後温度センサ45は、例えばサーミス
タ等の感温素子よりなり、エバポレータ24を通過した
直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出する蒸
発器温度検出手段(エバ後温度検出手段)である。水温
センサ46は、例えばサーミスタ等の感温素子よりな
り、温水式ヒータ6の入口水温を検出する熱媒体温度検
出手段である。除霜センサ47は、例えばサーミスタ等
の感温素子よりなり、暖房モード時および暖房ぎみ除湿
モード時に室外熱交換器23の入口部の冷媒温度を検出
する冷媒温度検出手段である。水温センサ48は、例え
ばサーミスタ等の感温素子よりなり、燃焼式ヒータ9の
出口水温を検出する。
【0037】操作パネル50には、図3に示したよう
に、温度設定スイッチ51、ブロワオフスイッチ52、
オートスイッチ53、風量設定スイッチ54、モード設
定スイッチ55、液晶表示器56、内気循環設定スイッ
チ57、フロントデフロスタスイッチ(以下DEFスイ
ッチと言う)58、リヤデフォッガスイッチ59、エア
コン(A/C)スイッチ60、燃焼式ヒータ切替スイッ
チ61および燃焼式ヒータオフスイッチ62が配置され
ている。
【0038】このうち、温度設定スイッチ51は、本発
明の吹出温度設定手段に相当するもので、コンプレッサ
20の回転速度の設定、またはA/Mダンパ19の開度
設定を行って車室内へ吹き出す空気の吹出温度を設定す
るスイッチである。オートスイッチ53は、各アクチュ
エータを各センサ信号に応じて自動コントロールするよ
うに指令するスイッチである。モード設定スイッチ55
は、DEF、FACE、FOOTダンパ14〜16を開
閉制御することによって、吹出口モードを、フェイス
(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フ
ット(FOOT)モードまたはフットデフ(F/D)モ
ードのうちのいずれかに設定するように指令するスイッ
チである。
【0039】内気循環設定スイッチ57は、内外気切替
ダンパ5を開閉制御することによって吸込口モードを内
気循環モードに設定するスイッチである。DEFスイッ
チ58は、本発明の除湿モード設定手段に相当するもの
で、通常AUTO状態の時に押すと吹出口モードをデフ
ロスタ(DEF、除湿)モードに設定するように指令
し、次に再度押すと除湿モードを解除するように指令す
る吹出口モード切替指令手段である。
【0040】〔第1実施例の作用〕次に、本実施例の電
気自動車用空調装置の作動を図1ないし図7に基づいて
説明する。先ず、本実施例のエアコンECU10の制御
処理を図1ないし図4に基づいて説明する。ここで、図
4はエアコンECU10による主要な制御処理を示した
フローチャートである。
【0041】先ず、エアコンECU10に車載電源Vか
ら電力が供給されると、図4のルーチンが起動され、各
イニシャライズおよび初期設定を行う(ステップS
1)。次に、温度設定スイッチ51で設定された設定吹
出温度Tsetを読み込む(吹出温度設定手段:ステッ
プS2)。
【0042】次に、操作パネル50からの各操作信号
(例えば風量設定スイッチ54で設定される遠心式送風
機のブロワ風量信号、モード設定スイッチ55で設定さ
れる吹出口モード信号、DEFスイッチ58で設定され
るDEFモード信号、内気循環設定スイッチ57で設定
される内気循環モード信号)を読み込む(除湿モード設
定手段:ステップS3)。
【0043】次に、内気温センサ41で検出した内気温
度TR、外気温センサ42で検出した外気温度TAM、
日射センサ43で検出した日射量TS、エバ後温度セン
サ45で検出したエバ後温度TE、水温センサ46で検
出した温水温度TW等の各種センサから各センサ信号を
読み込む(内気温度検出手段、外気温度検出手段、蒸発
器温度検出手段:ステップS4)。
【0044】次に、予めROM32に記憶された下記の
数1の式に基づいて、電気自動車の車室内に吹き出す空
気の目標吹出温度TAOを算出する(目標吹出温度決定
手段:ステップS5)。
【数1】TAO=Kset×Tset−KR×TR−K
AM×TAM−KS×TS+C
【0045】なお、Tsetは温度設定スイッチ51で
設定された設定吹出温度、TRは内気温センサ41で検
出した内気温度、TAMは外気温センサ42で検出した
外気温度、TSは日射センサ43で検出した日射量であ
る。また、Kset、KR、KAMおよびKSはゲイン
で、Cは補正用の定数である。
【0046】次に、予めROM32に記憶された図示し
ない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に
対応するブロワ電圧(ブロワモータ18に印加する電
圧)を決定する(ステップS6)。
【0047】次に、予めROM32に記憶された図示し
ない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に
対応する吹出口モードを決定する(ステップS7)。な
お、DEFスイッチ58が押された場合には、DEFダ
ンパ14を図1の一点鎖線位置、FACEダンパ15を
図1の一点鎖線位置およびFOOTダンパ16を図1の
実線位置に設定して、空調風をフロント窓ガラスの内面
に吹き出すDEFモードに設定される。また、モード設
定スイッチ55を車両乗員が操作した場合には、その操
作に対応した吹出口モードに決定される。
【0048】ここで、吹出口モードの決定においては、
目標吹出温度(TAO)または目標温水温度(TWO)
が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B
/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードとなる
ように決定される。なお、FACEモードとは、DEF
ダンパ14を図1の実線位置、FACEダンパ15を図
1の実線位置およびFOOTダンパ16を図1の一点鎖
線位置に設定して、空調風を車室内の車両乗員の頭胸部
に向けて吹き出す吹出口モードである。B/Lモードと
は、DEFダンパ14を図1の実線位置、FACEダン
パ15を図1の実線位置およびFOOTダンパ16を図
1の一点鎖線位置に設定して、空調風を車室内の車両乗
員の頭胸部および足元部に向けて吹き出す吹出口モード
である。
【0049】FOOTモードとは、DEFダンパ14を
若干量開く位置、FACEダンパ15を図1の一点鎖線
位置およびFOOTダンパ16を図1の一点鎖線位置に
設定して、空調風の約8割を車両乗員の足元部に向けて
吹き出し、空調風の約2割をフロント窓ガラスの内面に
向けて吹き出す吹出口モードである。F/Dモードと
は、DEFダンパ14を図1の一点鎖線位置、FACE
ダンパ15を図1の一点鎖線位置およびFOOTダンパ
16を図1の一点鎖線位置に設定して、空調風を車両乗
員の足元部とフロント窓ガラスの内面に同量ずつ吹き出
す吹出口モードである。
【0050】次に、予めROM32に記憶された図示し
ない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に
対応する吸込口モードを決定する(ステップS8)。こ
こで、吸込口モードの決定においては、内気循環設定ス
イッチ57が押された場合には吸込口モードが内気循環
モードに設定される。なお、DEFスイッチ58が押さ
れた場合には、内気循環設定スイッチ57が押されてい
ても外気導入モードに設定されるが、その後に内気循環
設定スイッチ57が押された場合には吸込口モードが内
気循環モードに設定される。
【0051】なお、内気循環モードとは、内外気切替ダ
ンパ5を図1の一点鎖線位置に設定して、内気吸込口3
を開き、外気吸込口4を閉じて空調ダクト2内に100
%内気を導入する吸込口モードである。また、外気導入
モードとは、内外気切替ダンパ5を図1の実線位置に設
定して、内気吸込口3を閉じ、外気吸込口4を開いて空
調ダクト2内に100%外気を導入する吸込口モードで
ある。また、内外気切替ダンパ5を中立位置に設定し
て、内気吸込口3および外気吸込口4の両方とも開いて
空調ダクト2内に内気および外気を導入する内外気モー
ドを設定しても良い。
【0052】次に、図5に示すサブルーチンがコールさ
れ、図4のフローチャートのステップS5で算出された
目標吹出温度TAOおよび外気温センサ42で検出した
外気温度TAM等に応じて、車室内を空調する運転モー
ドを決定する(ステップS9)。次に、図6に示すサブ
ルーチンがコールされ、コンプレッサ20の目標回転速
度を決定して、車室内に吹き出す空気の吹出温度制御を
行う(回転速度制御手段:ステップS10)。
【0053】次に、各ステップS5〜ステップS8にて
算出または決定した各制御状態が得られるように、内外
気切替ダンパ5、ウォータポンプ8、燃焼式ヒータ9、
DEF、FACE、FOOTダンパ14〜16、ブロワ
モータ18、エアコン用インバータ30、電動ファン2
6、電磁弁VC、VH、VDおよびA/Mダンパ19等
の各アクチュエータに対して制御信号を出力する(ステ
ップS11)。そして、ステップS12で、制御サイク
ル時間であるτ(例えば0.5秒間〜2.5秒間の経過
を待ってステップS2の処理に戻る。
【0054】〔第1実施例の運転モード決定制御〕次
に、本実施例のエアコンECU10による通常AUTO
状態(温度コントロール状態)からDEF制御に移行す
るときの運転モード決定制御を図1ないし図5に基づい
て説明する。ここで、図5はエアコンECU10による
運転モード決定制御を示したサブルーチンである。
【0055】先ず、通常AUTO状態の途中でDEFス
イッチ58がON(押)されたか否かを判断する(ステ
ップS21)。この判断結果がNOの場合には、通常A
UTO状態(温度コントロール状態)の時の運転モード
決定制御を行う。例えば図4のフローチャートのステッ
プS5で算出された目標吹出温度TAOと外気温センサ
42で検出した外気温度TAMに応じて運転モードが選
択される(ステップS22)。その後に、図5のサブル
ーチンを抜ける。
【0056】具体的には、目標吹出温度TAOが高温側
の場合には、室外熱交換器23のみを蒸発器として単独
運転する暖房モード(図1の暖房サイクルH)が選択さ
れる。また、目標吹出温度TAOが低温側の場合には、
ウォータポンプ8をOFFし、室外熱交換器23のみを
凝縮器として単独運転し、エバポレータ24のみを蒸発
器として単独運転する冷房モード(図1の冷房サイクル
C)が選択される。そして、外気温度TAMが4℃以下
の場合には、コンプレッサ20をOFFし、燃焼式ヒー
タ9を燃焼能力を可変して運転する燃焼暖房モードが選
択される。これら以外に、冷房モードと暖房モードとの
間に、ウォータポンプ8およびコンプレッサ20をOF
Fし、遠心式送風機のみを運転する送風モードを選択す
るようにしても良い。
【0057】また、ステップS21の判断結果がYES
の場合には、すなわち、通常AUTO状態からDEF制
御に移行する場合には、図4のステップS5で算出され
た目標吹出温度TAOおよび外気温度TAMに応じたD
EF制御の時の運転モード決定制御を行う。すなわち、
DEF制御に移行する前の運転モードが冷房モードであ
るか否かを判断する(ステップS23)。この判断結果
がYESの場合には、図4のステップS5で算出された
目標吹出温度TAOが(外気温度TAM−15℃)以下
の低温、または目標吹出温度TAOが3℃以下の低温で
あるか否かを判断する(ステップS24)。
【0058】このステップS24の判断結果がYESの
場合には、除湿モードとして外気導入冷房モードを選択
する(ステップS25)。その後に、図5のサブルーチ
ンを抜ける。また、ステップS24の判断結果がNOの
場合には、除湿モードとして冷房ぎみ除湿モードを選択
する(ステップS26)。その後に、図5のサブルーチ
ンを抜ける。
【0059】ここで、エアコンユニット1のOFF状態
のときにDEFスイッチ58をONすると、エアコンE
CU10は下記の表1に示したDEF制御を行う。ま
た、エアコンユニット1の通常AUTO状態のときにD
EFスイッチ58をONすると、エアコンECU10は
下記の表1に示したDEF制御を行う。表1はDEF
(除湿モード)制御時の運転モードの選択状況を示す。
【表1】
【0060】なお、DEF制御開始前に仮にマニュアル
操作で内気循環設定スイッチ57が押されて内気循環モ
ードが指令されていたとしても100%外気導入モード
に固定してDEF制御を開始する。但し、DEF制御の
外気導入冷房モード時はオートエアコンの場合に必ず1
00%外気導入モードに固定するが、マニュアル操作で
内気循環設定スイッチ57が押されて内気循環モードが
指令されたらこれを受け付ける。
【0061】すなわち、予めROM32に記憶された下
記の数2の式または数3の式に示された関係を満足する
場合には、ウォータポンプ8をOFFし、冷凍サイクル
を冷房サイクルに切り替える外気導入冷房モードを選択
する。この外気導入冷房モード時には、2個のA/Mダ
ンパ19はMAX・COOL位置に固定される。なお、
(TAM−α℃)が(3℃)よりも高温の場合には数2
の式を採用し、(TAM−α℃)が(3℃)よりも低温
の場合には数3の式を採用する。
【0062】
【数2】TAO≦TAM−15(℃)
【数3】TAO≦3(℃)
【0063】また、予めROM32に記憶された下記の
数4の式に示された関係を満足する場合には、ウォータ
ポンプ8をONし、冷凍サイクルを冷房サイクルに切り
替える冷房ぎみ除湿モードを選択する。この冷房ぎみ除
湿モード時には、2個のA/Mダンパ19は、目標吹出
温度TAOやエバ後温度TE等に応じてMAX・COO
L位置〜MAX・HOT位置間で可変される。
【数4】TAM−15(℃)<TAO≦TAM
【0064】また、ステップS23の判断結果がNOの
場合には、DEF制御に移行する前の運転モードが暖房
モードであるか否かを判断する(ステップS27)。こ
の判断結果がYESの場合には(すなわち、TAO>T
AMの場合には)、ウォータポンプ8をONし、冷凍サ
イクルを除湿サイクルに切り替える暖房ぎみ除湿モード
を選択する(ステップS28)。その後に、図5のサブ
ルーチンを抜ける。
【0065】また、ステップS27の判断結果がNOの
場合には、DEF制御に移行する前の運転モードが燃焼
暖房モードであり、コンプレッサ20のOFF状態を継
続するため、燃焼暖房モードを選択する(ステップS2
9)。その後に、図5のサブルーチンを抜ける。
【0066】〔第1実施例のDEF制御時の吹出温度制
御〕次に、本実施例のエアコンECU10によるDEF
制御時の吹出温度制御を図1ないし図6に基づいて説明
する。ここで、図6はエアコンECU10によるDEF
制御時の吹出温度制御(冷媒圧縮機の回転速度制御)を
示したサブルーチンである。
【0067】先ず、DEFスイッチ58が押されたか否
かを判断する(ステップS31)。この判断結果がNO
の場合には、図6のサブルーチンを抜ける。また、ステ
ップS31の判断結果がYESの場合には、運転モード
として暖房ぎみ除湿モードが選択されているか否かを判
断する(ステップS32)。この判断結果がYESの場
合には、温水式ヒータ6を通過する空気のブロワ風量V
(m 3 /h)から温度効率φを決定する(温度効率決定
手段:ステップS33)。ここでは、遠心式送風機の運
転状態によって求めた遠心式送風機のブロワ風量Vと温
度効率φとの特性図(図示せず)に基づいて温度効率φ
を算出する。
【0068】次に、目標温水温度TWOを後述の方法で
決定する(目標熱媒体温度決定手段:ステップS3
4)。すなわち、エバ後温度センサ45で検出したエバ
後温度TE、図4のフローチャートのステップS5で決
定した目標吹出温度TAO、およびステップS21で決
定した温度効率φから目標温水温度TWOを下記の数5
の式に基づいて算出する。
【数5】TWO=(TAO−TE)/φ+TE
【0069】次に、目標温水温度TWOと水温センサ4
6で検出した温水式ヒータ6の入口水温(以下温水温度
と言う)TWとの温度偏差に基づいて、コンプレッサ2
0の目標回転速度を決定する(目標回転速度決定手段:
ステップS35)。その後に、図6のサブルーチンを抜
ける。そして、図4のフローチャートのステップS11
では、エバ後温度センサ45で検出したエバ後温度TE
を凍結限界温度(着霜限界温度、例えば2℃)に保ちな
がら、車室内に吹き出す実際の吹出温度TAが目標吹出
温度TAOになるように、コンプレッサ20の回転速度
が、目標温水温度TWOと温水温度TWとの温度偏差に
応じて制御される(TWO制御)。
【0070】ここで、図6のサブルーチンのステップS
34で決定される目標温水温度TWOを、例えばDEF
吹出口11よりフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出
す空気の吹出温度と関連させておけば、温度設定スイッ
チ51等により車両乗員が希望する吹出温度を設定する
のみで、フロント窓ガラスの内面へ吹き出す空気の吹出
温度が車両乗員の希望に合った温度に到達する。
【0071】また、ステップS32の判断結果がNOの
場合には、運転モードとして冷房ぎみ除湿モードが選択
されているか否かを判断する(ステップS36)。この
判断結果がYESの場合には、MAX・COOLである
か否かを判断する。すなわち、A/Mダンパ19の目標
ダンパ開度(SW)が0(%)であるか否かを判断する
(ステップS37)。この判断結果がNOの場合には、
前述の方法で、温水式ヒータ6を通過する空気のブロワ
風量V(m3 /h)から温度効率φを決定する(温度効
率決定手段:ステップS38)。
【0072】次に、下記の数6の式に基づいて2個のA
/Mダンパ19の目標ダンパ開度(SW)を算出する
(ステップS39)。
【数6】SW={(TAO−TE)/φ(TW−T
E)}×100(%) ここで、SWはMAX・COOL(全閉)を0(%)と
し、MAX・HOT(全開)を100(%)とする。
【0073】次に、エバ後温度センサ45で検出したエ
バ後温度TEが凍結限界温度(例えば2℃)付近に接近
するようにコンプレッサ20の目標回転速度を決定する
(ステップS40)。その後に、図6のサブルーチンを
抜ける。そして、図4のフローチャートのステップS1
1では、エバ後温度センサ45で検出したエバ後温度T
Eを凍結限界温度(例えば2℃)に保ちながらコンプレ
ッサ20の回転速度が制御されると共に、車室内に吹き
出す実際の吹出温度TAが目標吹出温度TAOになるよ
うに、A/Mダンパ19の目標ダンパ開度(SW)が、
目標吹出温度TAOとエバ後温度TEと温水温度TWに
応じて制御される(A/Mダンパ制御)。
【0074】また、ステップS36の判断結果がNOの
場合、ステップS37の判断結果がYESの場合には、
運転モードとして外気導入冷房モードが選択されている
ので、エバ後温度センサ45で検出するエバ後温度TE
が目標吹出温度TAOに一致(TE=TAO)するよう
に、コンプレッサ20の目標回転速度を決定する(ステ
ップS41)。その後に、図6のサブルーチンを抜け
る。そして、図4のフローチャートのステップS11で
は、エバ後温度センサ45で検出するエバ後温度TEが
目標吹出温度TAOに一致するように、コンプレッサ2
0の回転速度が、目標吹出温度TAOに応じて制御され
る(TE=TAO制御)。
【0075】〔第1実施例のDEF制御〕次に、本実施
例のエアコンECU10によるエアコンユニット1の通
常AUTO状態(温度コントロール状態)からDEF制
御に移行する時の各アクチュエータの作動を図1ないし
図6に基づいて説明する。
【0076】イ)外気導入冷房モード 通常AUTO状態の時に運転モードが車両乗員がDEF
スイッチ58を押してフロント窓ガラスの曇りの除去を
希望した時に、目標吹出温度TAOが(外気温度TAM
−15℃)以下の低温の場合、または目標吹出温度TA
Oが3℃以下の低温の場合には、除湿モードとして外気
導入冷房モードが選択される。この場合には、ウォータ
ポンプ8がOFFされ、コンプレッサ20がONされ、
2個のA/Mダンパ19がMAX・COOLに固定さ
れ、電磁弁VCがONされ、電磁弁VH、VDがOFF
される。このとき、吸込口モードは外気導入モードに設
定され、吹出口モードはDEFモードに設定される。
【0077】したがって、コンプレッサ20の吐出口よ
り吐出された冷媒は、冷房サイクル(矢印C方向)を流
れ、コンプレッサ20→ブライン冷媒熱交換器7(単に
冷媒通路として使用)→電磁弁VC→室外熱交換器23
→第2減圧手段22→エバポレータ24→アキュームレ
ータ25→コンプレッサ20のように循環する。
【0078】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となって、温水式ヒー
タ6を迂回した後に、DEF吹出口11よりフロント窓
ガラスの内面に向けて吹き出される。これにより、フロ
ント窓ガラスの防曇性能も十分得られると共に、電動式
のウォータポンプ8の作動を止めることができるので省
動力および省消費電力となり、電気自動車の走行距離も
延びる。
【0079】ロ)冷房ぎみ除湿モード 車両乗員がDEFスイッチ58を押してフロント窓ガラ
スの曇りの除去を希望した時に、目標吹出温度TAOが
(外気温度TAM−15℃)よりも高温の場合には、除
湿モードとして冷房ぎみ除湿モードが選択される。この
場合には、ウォータポンプ8およびコンプレッサ20が
ONされ、目標吹出温度TAOやエバ後温度TE等に応
じて2個のA/Mダンパ19がMAX・HOT〜MAX
・COOL間で可変され、電磁弁VCがONされ、電磁
弁VH、VDがOFFされる。このときも、吸込口モー
ドは外気導入モードに固定され、吹出口モードはDEF
モードに固定される。
【0080】したがって、コンプレッサ20の吐出口よ
り吐出された冷媒は、冷房サイクル(矢印C方向)を流
れ、ブライン冷媒熱交換器7→電磁弁VC→室外熱交換
器23→第2減圧手段22→エバポレータ24→アキュ
ームレータ25→コンプレッサ20のように循環する。
一方、ブライン冷媒熱交換器7で冷媒の凝縮熱によって
加熱された温水は、同様に温水式ヒータ6に循環され
る。
【0081】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となる。そして、エバ
ポレータ24を通過した空気は、A/Mダンパ19の開
度に応じて温水式ヒータ6を通過し再加熱された後に、
DEF吹出口11よりフロント窓ガラスの内面に向けて
吹き出される。これにより、フロント窓ガラスの曇りが
除去される。
【0082】ここで、冷房ぎみ除湿モード時には室外熱
交換器23が凝縮器として運転される。また、同様に、
電気自動車が走行中であれば走行風も室外熱交換器23
に吹き付けられるので、ブライン冷媒熱交換器7での冷
媒の放熱量よりも室外熱交換器23での冷媒の放熱量が
多くなり、ブライン冷媒熱交換器7での冷媒から温水に
与えられる熱量が少なくなる。
【0083】したがって、空調ダクト2内に吸い込まれ
た外気はエバポレータ24で冷却除湿された後に温水式
ヒータ6を通過する際に再加熱される量が小さくなる。
このため、暖房ぎみ除湿モードの目標吹出温度TAOよ
りも低い温度が算出されるので、冷房ぎみ除湿モード時
の目標吹出温度TAOを作り易くなり、車室内が冷房ぎ
み除湿される。
【0084】イ)暖房ぎみ除湿モード 車両乗員がDEFスイッチ58を押してフロント窓ガラ
スの曇りの除去を希望した時に、除湿モードとして暖房
ぎみ除湿モードが選択された場合には、ウォータポンプ
8およびコンプレッサ20がONされ、2個のA/Mダ
ンパ19がMAX・HOTに固定され、電磁弁VCがO
FFされ、電磁弁VH、VDがエバ後温度TEに応じて
ON−OFF制御される。このとき、吸込口モードは外
気導入モードに固定され、吹出口モードはDEFモード
に固定される。
【0085】1)第1暖房ぎみ除湿モード そして、エバ後温度TEが凍結限界温度(例えば2℃)
よりも高温の第1所定温度(例えば2.5℃)以上の場
合には、電磁弁VHがOFFされ、電磁弁VDがONさ
れることによって、エバポレータ24を蒸発器として単
独運転する第1暖房ぎみ除湿モードに設定される。
【0086】したがって、コンプレッサ20の吐出口よ
り吐出された冷媒は、除湿サイクル(矢印D方向)を流
れ、ブライン冷媒熱交換器7→第1減圧手段21→電磁
弁VD→エバポレータ24→アキュームレータ25→コ
ンプレッサ20のように循環する。一方、ブライン冷媒
熱交換器7を通過する際に冷媒の凝縮熱によって加熱さ
れた温水は、エバポレータ24の風下側に配置された温
水式ヒータ6に循環される。
【0087】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となる。そして、エバ
ポレータ24を通過した全ての空気は、温水式ヒータ6
を通過する際に再加熱された後に、DEF吹出口11よ
りフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出される。これ
によりフロント窓ガラスの曇りが除去されると共に、車
室内が暖房ぎみ除湿される。さらに、室外熱交換器23
を蒸発器として運転しないため、室外熱交換器23の除
霜を行うこともできる。
【0088】2)第2暖房ぎみ除湿モード また、エバ後温度TEが第1所定温度と第2所定温度と
の間の温度(例えば1.5℃〜2.5℃)の場合には、
電磁弁VH、VDが共にONされることによって、室外
熱交換器23とエバポレータ24とを並列して蒸発器と
して運転する第2暖房ぎみ除湿モードに設定される。
【0089】したがって、コンプレッサ20の吐出口よ
り吐出された冷媒は、暖房ぎみ除湿サイクル(図1にお
いて矢印H・Dの経路)を冷媒が流れ、ブライン冷媒熱
交換器7→第1減圧手段21を通過した後に、室外熱交
換器23→電磁弁VHを通るものと、電磁弁VD→エバ
ポレータ24を通るものとに分かれる。一方、ブライン
冷媒熱交換器7で冷媒の凝縮熱によって加熱された温水
は温水式ヒータ6に循環される。
【0090】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となる。そして、エバ
ポレータ24を通過した全ての空気は、温水式ヒータ6
を通過する際に再加熱された後に、DEF吹出口11よ
りフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出される。これ
により、フロント窓ガラスの曇りが除去されると共に、
車室内が暖房ぎみ除湿される。
【0091】ここで、上述したように、第2暖房ぎみ除
湿モードでは、室外熱交換器23がエバポレータ24と
並列して蒸発器として運転される。また、電気自動車が
走行中であれば走行風も室外熱交換器23に吹き付けら
れるので、エバポレータ24よりも室外熱交換器23の
吸熱量が多くなることにより、空調ダクト2内に吸い込
まれた外気からのエバポレータ24内を通過する冷媒の
吸熱量は少なくなる。さらに、ブライン冷媒熱交換器7
での冷媒から温水に与えられる熱量は、エバポレータ2
4を蒸発器として単独運転する第1暖房ぎみ除湿モード
と比較して、室外熱交換器23を蒸発器として運転する
ことによる吸熱量の増加分だけ上昇する。これにより、
車室内の暖房能力が向上するので目標吹出温度TAOを
作り易くなる。
【0092】3)第3暖房ぎみ除湿モード(外気導入暖
房モード) さらに、エバ後温度TEが凍結限界温度(例えば2℃)
よりも低温の第2所定温度(例えば1.5℃)以下の場
合には、電磁弁VHがONされ、電磁弁VDがOFFさ
れることによって、室外熱交換器23を蒸発器として単
独運転する第3暖房ぎみ除湿モード(外気導入暖房モー
ド)に設定される。
【0093】したがって、コンプレッサ20の吐出口よ
り吐出された冷媒は、暖房サイクル(矢印H方向)を流
れ、ブライン冷媒熱交換器7→第1減圧手段21→室外
熱交換器23→電磁弁VH→アキュームレータ25→コ
ンプレッサ20のように循環する。一方、ブライン冷媒
熱交換器7で冷媒の凝縮熱によって加熱された温水が温
水式ヒータ6に循環する。
【0094】そして、外気吸込口4から空調ダクト2内
に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する際
にエバポレータ24の表面に付着した霜を解かして、温
水式ヒータ6を通過する際に加熱された後に、DEF吹
出口11よりフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出さ
れる。これにより、フロント窓ガラスの曇りが除去され
ると共に、外気温度TAMが低温でもエバポレータ24
の着霜(フロスト)を抑えられ、且つ車室内を外気導入
暖房できる。ここで、外気温度TAMが例えば4℃以下
に低下した場合には、コンプレッサ20をOFFして燃
焼式ヒータ9を能力可変運転制御する。
【0095】〔第1実施例の効果〕以上のことから、本
実施例では、通常AUTO状態の途中からDEF制御に
移行する時に、DEF制御に移行する前の運転モードが
冷房モードの場合には、冷房ぎみ除湿モードが選択され
る。このとき、電磁弁VCはON(開弁)状態を継続
し、電磁弁VH、VDはOFF(閉弁)状態を継続する
ことになるため、冷房モード時も冷房ぎみ除湿モード時
も共に室外熱交換器23は凝縮器として運転される。
【0096】これにより、通常AUTO状態の途中から
DEF制御に移行する時に、電磁弁VCをONからOF
Fすることにより、室外熱交換器23の前後を高圧圧力
から低圧圧力に切り替える必要はない。これにより、冷
房モード時に冷凍サイクルの高圧側に配される電磁弁V
Cを開閉弁(ON−OFF)することにより発生する冷
媒音も出ない。
【0097】また、通常AUTO状態の途中からDEF
制御に移行する時に、DEF制御に移行する前の運転モ
ードが暖房モードの場合には、暖房ぎみ除湿モードが選
択される。このとき、電磁弁VCはOFF(閉弁)状態
を継続し、電磁弁VH、VDはON−OFF制御される
ことになるため、暖房モード時も暖房ぎみ除湿モード時
も共に、室外熱交換器23が蒸発器として運転される。
【0098】これにより、通常AUTO状態の途中から
DEF制御に移行する時に、電磁弁VCをOFFからO
Nすることにより、室外熱交換器23の前後を低圧圧力
から高圧圧力に切り替える必要はない。これにより、暖
房モード時に冷凍サイクルの低圧側に配される電磁弁V
Cを開閉弁(OFF−ON)することにより発生する冷
媒音も出ない。
【0099】したがって、通常AUTO状態の途中でフ
ロント窓ガラスが曇ってしまい、DEFスイッチ58を
押して通常AUTO状態からDEF制御に移行する際に
長時間の切替待機時間を必要とすることなく、すなわ
ち、タイムラグなく、直ちにDEF制御に移行すること
ができる。このため、直ちに車室内を除湿することがで
きるので、フロント窓ガラスの曇りを除去でき、車両乗
員が故障したと誤解することもない。これによって、電
気自動車用空調装置としての商品性を向上できる。
【0100】また、DEF制御に移行する前の運転モー
ドが冷房モードで、しかも目標吹出温度TAOが(TA
M−15℃)以下に低下している時、あるいは目標吹出
温度TAOが3℃以下に低下している時には、冷房ぎみ
除湿モードの代わりに外気導入冷房モードを選択するこ
とにより、ブラインサイクルの電動式のウォータポンプ
8の作動を停止できる。このため、省動力および省消費
電力となると共に、フロント窓ガラスやサイド窓ガラス
の防曇性能も十分得られる。
【0101】本実施例では、DEF制御に移行する前の
運転モードが冷房モードで、(TAM−15℃)が目標
吹出温度TAOよりも低温の場合には、冷房ぎみ除湿モ
ードを選択することにより、低めに設定される目標吹出
温度TAOを作り易くなる。また、DEF制御に移行す
る前の運転モードが暖房モードの場合には、暖房ぎみ除
湿モードを選択することにより、高めに設定される目標
吹出温度TAOを作り易くなる。
【0102】本実施例のように、DEF制御に移行する
前の運転モードが暖房モードの時に、DEFスイッチ5
8をONして運転モードが暖房ぎみ除湿モードに切り替
わった場合に、目標吹出温度TAO、コンプレッサ20
の回転速度NC、コンプレッサ20の吐出圧力Pd、実
際の吹出温度TA、エバ後温度TEがどのように変化す
るかについて調査した試験例について説明する。この試
験結果を図7のタイムチャートに示した。なお、この試
験は、外気温度が20℃〜25℃、車室内湿度が100
%、5人乗車の場合の空調状態を表している。
【0103】この図7のタイムチャートからも確認でき
るように、暖房モードからDEF制御に移行する際に長
時間の切替待機時間(例えば30秒間〜1分間)を必要
とすることなく、コンプレッサ20の回転速度を除湿の
効果を発揮する回転速度を維持しながら、暖房ぎみ除湿
モードにて車室内の除湿が成されるので、従来の技術と
比較して短時間でフロント窓ガラスの内面の曇りを確実
に晴らすことができる。また、実際の吹出温度TAと目
標吹出温度TAOとがDEFスイッチ58をONしてか
ら短時間で一致するので、車両乗員に違和感を与えない
快適な吹出温度を作り出すことができることが分かる。
【0104】〔第2実施例〕図8は本発明の第2実施例
を示したもので、電気自動車用空調装置の全体構成を示
した図である。
【0105】本実施例の冷凍サイクルは、回転速度がイ
ンバータ制御されるコンプレッサ20、このコンプレッ
サ20の吐出口より吐出された冷媒が流入するコンデン
サ71、このコンデンサ71より流出冷媒を減圧する第
1、第2減圧手段21、22よりなる減圧手段、空調ダ
クト2外に設置された室外熱交換器23、空調ダクト2
内に設置されたエバポレータ24、気液分離するアキュ
ームレータ25、冷凍サイクル中の冷媒の流れ方向を切
り替える電磁弁VC、VH、VDよりなる循環回路切替
手段、およびこれらを環状に接続する冷媒配管等から構
成されている。
【0106】コンデンサ71は、本発明の加熱用室内熱
交換器に相当するもので、空調ダクト2内においてエバ
ポレータ24よりも下流側に設置され、内部を流れる冷
媒の凝縮熱によって通過する空気を加熱する凝縮器であ
る。コンデンサ71には、コンデンサ71を通過する空
気量(温風量)とコンデンサ71を迂回する空気量(冷
風量)とを調節して車室内へ吹き出す空気の吹出温度を
調整する空気量調節手段としての2個のエアミックス
(A/M)ダンパ72が回転自在に支持されている。こ
れらのA/Mダンパ72は、ステッピングモータやサー
ボモータ等のアクチュエータ(図示せず)により駆動さ
れる。
【0107】ここで、本実施例では、エアコンユニット
1の通常AUTO状態からDEF制御に移行するとき
に、DEF制御に移行する前の運転モードが冷房モード
の時には冷房ぎみ除湿モードを選択し、DEF制御に移
行する前の運転モードが暖房モードの時には暖房ぎみ除
湿モードを選択するようにして、第1実施例と同様な効
果を得る。なお、冷房サイクルとして、コンプレッサ2
0の吐出口より吐出された冷媒をコンデンサ71を迂回
させて電磁弁VCを経て室外熱交換器23に直接流入さ
せることのできる冷媒流路を設ければ、第1実施例の除
湿モード時の外気導入冷房モードと同じ作用効果を得る
ことができる。
【0108】〔変形例〕本実施例では、本発明を電気自
動車用空調装置に適用したが、本発明を空冷式エンジン
搭載車または水冷式エンジン搭載車用空調装置に適用し
ても良い。第1、第2実施例では、通常AUTO状態
(通常の冷暖房モード)からDEF制御(除湿モード)
に移行する時に、DEF制御に移行する前の運転モード
の時の電磁弁VCの作動状態に一致した除湿モードに切
り替えるようにした。また、第3実施例では、DEF制
御(除湿モード)から通常AUTO状態(通常の冷暖房
モード)に移行する時に、通常AUTO状態に移行する
前の除湿モードの時の電磁弁VCの作動状態に一致した
通常AUTO状態に切り替えるようにした。これらの制
御を1つの実施例で両方行うようにしても良い。
【0109】第1、第2実施例では、エアコンユニット
1の通常AUTO状態(温度コントロール状態)の途中
でDEF制御に移行する時にのみ本発明を用いたが、エ
アコンユニット1の通常AUTO状態からDEF制御に
移行する時に本発明を用いても良く、また通常AUTO
状態(温度コントロール状態)の途中でモード設定スイ
ッチ55によりFOOTモードやF/Dモードが選択さ
れた時に本発明を用いても良い。
【0110】また、第3実施例では、エアコンユニット
1のDEF制御の途中で通常AUTO状態(温度コント
ロール状態)に移行する時にのみ本発明を用いたが、モ
ード設定スイッチ55によりFOOTモードやF/Dモ
ードが選択されてFOOTモードやF/Dモードの途中
でオートスイッチ53が押されて通常AUTO状態(温
度コントロール状態)に移行する際に本発明を用いても
良い。
【0111】本実施例では、温水温度TWとして水温セ
ンサ46で検出する温水式ヒータ6の入口水温を用いた
が、温水温度TWとして水温センサ48で検出する燃焼
式ヒータ9の出口水温を用いても良い。なお、ブライン
サイクルのいずれの箇所の水温を温水温度TWとして読
み込んでも良い。
【0112】また、本実施例では、加熱量調節手段とし
てA/Mダンパ19の開度を調節して車室内に吹き出す
空気の吹出温度を調整するエアミックス温度コントロー
ル方式を利用したが、加熱量調節手段として温水式ヒー
タ6に流入する温水量を調節して車室内に吹き出す空気
の吹出温度を調整するリヒート式温度コントロールを利
用しても良い。
【0113】本実施例では、第2暖房ぎみ除湿モード時
に、コンプレッサ20→ブライン冷媒熱交換器7または
コンデンサ71→第1減圧手段21→室外熱交換器23
およびエバポレータ24→コンプレッサ20のように冷
媒が循環する暖房ぎみ除湿サイクルH、D(暖房ぎみ除
湿モード循環回路)を形成したが、第2暖房ぎみ除湿モ
ード時に、コンプレッサ20→ブライン冷媒熱交換器7
またはコンデンサ71→第1減圧手段21→室外熱交換
器23→エバポレータ24→コンプレッサ20のように
冷媒が循環する暖房ぎみ除湿サイクルが形成できるよう
に冷凍サイクルを変更しても良い。すなわち、第2暖房
ぎみ除湿モード時に、室外熱交換器23とエバポレータ
24とを直列に蒸発器として運転する暖房ぎみ除湿サイ
クルが形成できるように冷凍サイクルを変更しても良
い。
【0114】本実施例では、暖房ぎみ除湿モード時に、
エバポレータ24のみ蒸発器として単独運転する第1暖
房ぎみ除湿モードと、室外熱交換器23とエバポレータ
24とを並列または直列して蒸発器として運転する第2
暖房ぎみ除湿モードと、室外熱交換器23のみ蒸発器と
して単独運転する第3暖房ぎみ除湿(外気導入暖房)モ
ードとを行うようにしたが、暖房ぎみ除湿モード時に、
第1暖房ぎみ除湿モード、第2暖房ぎみ除湿モードまた
は外気導入暖房モードのいずれか1つ以上の暖房ぎみ除
湿モードを行うようにしても良い。例えば第2暖房ぎみ
除湿モードのみ、第1、第2暖房ぎみ除湿モードのみ、
第2暖房ぎみ除湿モードおよび外気導入暖房モードのみ
行うようにする。
【0115】そして、図1に示したブラインサイクル
に、ラジエータ等の放熱装置、電動器具の排熱を回収す
る排気回収器や電気ヒータ等の補助加熱装置、流路切替
弁等の付属装置を追加しても良い。さらに、減圧手段と
して、温度自動膨張弁、電動式の膨張弁、オリフィス等
の減圧手段を用いても良いが、安価で、故障のないキャ
ピラリチューブやオリフィス等の固定絞りを用いること
が望ましい。そして、気液分離器として、レシーバ(受
液器)を使用しても良い。このレシーバの接続箇所は、
ブライン冷媒熱交換器7と第1減圧手段21との間に接
続するか、あるいは室外熱交換器23と第2減圧手段2
2との間に接続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気自動車用空調装置の全体構成を示した模式
図である(第1実施例)。
【図2】電気自動車用空調装置の制御系を示したブロッ
ク図である(第1実施例)。
【図3】操作パネルを示した正面図である(第1実施
例)。
【図4】エアコンECUによる主要な制御処理を示した
フローチャートである(第1実施例)。
【図5】運転モード決定制御を示したサブルーチンであ
る(第1実施例)。
【図6】DEF制御時の吹出温度制御を示したサブルー
チンである(第1実施例)。
【図7】コンプレッサの回転速度、吐出圧力等の変化を
示したタイムチャートである(第1実施例)。
【図8】電気自動車用空調装置の全体構成を示した模式
図である(第2実施例)。
【図9】コンプレッサの回転速度、吐出圧力等の変化を
示したタイムチャートである(従来の技術)。
【符号の説明】
1 エアコンユニット 2 空調ダクト 6 温水式ヒータ(加熱用室内熱交換器) 7 ブライン冷媒熱交換器(加熱用室内熱交換器) 8 ウォータポンプ 10 エアコンECU(空調制御手段、目標吹出温度決
定手段) 20 コンプレッサ(冷媒圧縮機) 21 第1減圧手段 22 第2減圧手段 23 室外熱交換器 24 エバポレータ(冷却用室内熱交換器) 41 内気温センサ(内気温度検出手段) 42 外気温センサ(外気温度検出手段) 50 操作パネル 51 温度設定スイッチ(吹出温度設定手段) 58 DEFスイッチ(除湿モード設定手段) 71 コンデンサ(加熱用室内熱交換器) VC 電磁弁(循環回路切替手段) VD 電磁弁(循環回路切替手段) VH 電磁弁(循環回路切替手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)通過する空気を冷却する冷却用室内
    熱交換器、およびこの冷却用室内熱交換器よりも空気下
    流側に配されて、通過する空気を加熱する加熱用室内熱
    交換器を収容した空調ダクトと、 (b)この空調ダクト内において車室内へ向かう空気流
    を発生させる送風機と、 (c)冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、室外熱交換
    器、減圧手段、前記冷却用室内熱交換器の順に流して前
    記冷媒圧縮機に戻す冷房モード用循環回路、 前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記加熱用室内
    熱交換器、前記減圧手段、前記室外熱交換器の順に流し
    て前記冷媒圧縮機に戻す暖房モード用循環回路、 前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記加熱用室内
    熱交換器、前記室外熱交換器、前記減圧手段、前記冷却
    用室内熱交換器の順に流して前記冷媒圧縮機に戻す冷房
    ぎみ除湿モード用循環回路、 並びに前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記加熱
    用室内熱交換器、前記減圧手段、前記室外熱交換器また
    は前記冷却用室内熱交換器の順に流して前記冷媒圧縮機
    に戻す暖房ぎみ除湿モード用循環回路を有する冷凍サイ
    クルと、 (d)この冷凍サイクルを、前記冷房モード用循環回
    路、前記暖房モード用循環回路、前記冷房ぎみ除湿モー
    ド用循環回路または前記暖房ぎみ除湿モード用循環回路
    のうちのいずれかの循環回路に切り替える循環回路切替
    手段と、 (e)車室内の除湿を希望する除湿モード設定手段と、 (f)車室内に吹き出す空気の吹出温度を所望の吹出温
    度に設定する吹出温度設定手段と、 (g)車室内の温度を検出する内気温度検出手段と、 (h)車室外の温度を検出する外気温度検出手段と、 (i)前記吹出温度設定手段にて設定された設定吹出温
    度、前記内気温度検出手段にて検出した内気温度、前記
    外気温度検出手段にて検出した外気温度に基づいて、車
    室内に吹き出す空気の目標吹出温度を決定する目標吹出
    温度決定手段と、 (j)前記除湿モード設定手段により車室内の除湿が希
    望された際に、 前記外気温度検出手段にて検出した外気温度と前記目標
    吹出温度決定手段にて決定された目標吹出温度との温度
    差に基づいて、冷房モード、冷房ぎみ除湿モードまたは
    暖房ぎみ除湿モードのうちのいずれかの運転モードを選
    択し、この選択した運転モードとなるように前記循環回
    路切替手段を制御する空調制御手段とを備えた車両用空
    調装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空調装置におい
    て、 前記空調制御手段は、前記除湿モード設定手段により車
    室内の除湿を希望する前の運転モードが前記冷房モード
    用循環回路の場合は、 前記外気温度検出手段にて検出した外気温度の関数が、
    前記目標吹出温度決定手段にて決定された目標吹出温度
    よりも小さい時、 前記冷房ぎみ除湿モード用循環回路に切り替えるように
    前記循環回路切替手段を制御することを特徴とする車両
    用空調装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用空
    調装置において、 前記空調制御手段は、前記除湿モード設定手段により車
    室内の除湿を希望する前の運転モードが前記冷房モード
    用循環回路の場合は、 前記目標吹出温度決定手段にて決定された目標吹出温度
    が、前記外気温度検出手段にて検出した外気温度の関数
    以下の時、または所定の吹出温度以下の時、 前記冷房モード用循環回路を維持するように前記循環回
    路切替手段を制御することを特徴とする車両用空調装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の車両用空調装置において、 前記空調制御手段は、前記除湿モード設定手段により車
    室内の除湿を希望する前の運転モードが前記暖房モード
    用循環回路の場合は、前記暖房ぎみ除湿モード用循環回
    路に切り替えるように前記循環回路切替手段を制御する
    ことを特徴とする車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6915649B2 (en) * 2000-05-15 2005-07-12 Peugeot Citroen Autombiles SA Optimized heat pump apparatus for regulating motor vehicle temperature
US10787061B2 (en) 2015-12-23 2020-09-29 Hanon Systems Heat pump system with additional heat source for evaporation of refrigerant
CN112976986A (zh) * 2019-12-13 2021-06-18 杭州三花研究院有限公司 应用于汽车热管理系统的控制装置及控制方法

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