JP3319168B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP3319168B2
JP3319168B2 JP20399094A JP20399094A JP3319168B2 JP 3319168 B2 JP3319168 B2 JP 3319168B2 JP 20399094 A JP20399094 A JP 20399094A JP 20399094 A JP20399094 A JP 20399094A JP 3319168 B2 JP3319168 B2 JP 3319168B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、室内熱交換器の温度
を調整して各吹出口の吹出温度を制御するリヒート式温
度コントロールと、室内熱交換器のバイパス風量を調整
して上側吹出口の吹出温度と下側吹出口の吹出温度との
上下吹出温度に温度差を作り出すエアミックス式温度コ
ントロールとを共用することが可能な車両用空気調和装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空気調和装置では、デ
フ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口等の複数
の吹出口から吹き出す空気の吹出温度を制御する方式と
して、リヒート式温度コントロールとエアミックス式温
度コントロールのどちらか一方が採用されてきた。
【0003】リヒート式温度コントロールは、例えばヒ
ータコア等の暖房用熱交換器(放熱器)の熱源である温
水の流量を調整して暖房用熱交換器を通過する空気の温
度を変更する流調方式や、温水の温度を調整して暖房用
熱交換器を通過する空気の温度を変更する温調方式など
により吹出温度制御を行う方法である。また、エアミッ
クス式温度コントロールは、温度調節ダンパ、所謂エア
ミックスダンパを働かせて、ダクト内を通過する空気の
一部を暖房用熱交換器に導き、残りを暖房用熱交換器を
通さないでバイパスさせ、暖房用熱交換器の風下側のエ
アミックスチャンバで温風と冷風を合流させ、乗員の要
求する吹出温度の風を作り出す方法である。
【0004】そして、従来より、ダクト内にエバポレー
タ、ヒータコアおよびエアミックスダンパを備えたカー
エアコンでは、例えばフットデフモード時やバイレベル
モード時に、車両上方に設置されたフェイス吹出口また
はデフロスタ吹出口の吹出温度と車両下方に設置された
フット吹出口の吹出温度との上下吹出温度に所定の温度
差(例えば10℃〜20℃)を作るようにエアミックス
して吹き出し、乗員の足下部の暖房感を維持しながらも
頭部のほてり感がないようにして快適な室内暖房を行っ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ダクト内に
コンデンサを配したヒートポンプ式冷凍サイクルを備え
たヒートポンプエアコンでは、コンプレッサの回転速度
を変化させて、コンプレッサの吐出圧力を調節してコン
デンサの温度(放熱温度、凝縮温度)を制御することに
よって各吹出口から吹き出される空気の吹出温度を、所
定の吹出温度にしている。したがって、コンデンサを通
過した空気の温度はほぼ一定の温度であるため、エアミ
ックス式温度コントロールのように、フェイス吹出口ま
たはデフロスタ吹出口の吹出温度とフット吹出口の吹出
温度との上下吹出温度に温度差を作り出すことができな
いという問題点があった。
【0006】そこで、ヒートポンプエアコンにおいて、
上下温度に温度差を作り出す方式として、コンプレッサ
の回転速度を変化させてコンデンサの温度を調整するリ
ヒート式温度コントロールとコンデンサを迂回して上側
吹出口寄りでエアミックスされるバイパス風量を調整す
るエアミックス式温度コントロールとを組み合わせるこ
とが考えられる。
【0007】ところが、ヒートポンプエアコンにおい
て、エアミックス式温度コントロールを採用した場合に
は、リヒート式温度コントロール時に対してコンデンサ
を通過する風量が減少するが、コンデンサをダクト内の
全風量を通過させる場合とコンデンサの放熱量を一定に
しようとバランスする。このため、冷凍サイクルの高圧
圧力(凝縮圧力)が上昇し、且つ低圧圧力(蒸発圧力)
が下降することにより、コンプレッサの動力が増加する
ので、ヒートポンプ式冷凍サイクルの成績係数(CO
P)が低下してしまう。
【0008】そして、このようなヒートポンプエアコン
のヒートポンプ式冷凍サイクルに、コンプレッサとして
電動式のコンプレッサを使用した場合には、エアミック
ス温度コントロールを行うと、前述のようにコンプレッ
サの動力が増加することにより、コンプレッサの消費電
力が増加することになる。このコンプレッサの消費電力
の増加は、消費電力の高い時、すなわち、より高い吹出
温度の吹き出しが必要な時ほどその増加は多く、あまり
高い吹出温度を必要としない時には、その増加は僅かと
なる。とくに電気自動車などにおいては、空気調和装置
に省電力が要求されており、コンプレッサの消費電力の
増加は好ましくない。
【0009】この発明の目的は、リヒート式温度コント
ロールとエアミックス式温度コントロールを共用して、
上側吹出口と下側吹出口から吹き出される空気の吹出温
度制御を行うことが可能な車両用空気調和装置を提供す
ることにある。また、この発明の目的は、冷媒圧縮機の
動力の多大な増加を防ぎながら、乗員の頭部のほてり感
をなくして快適な室内暖房を行うことが可能な車両用空
気調和装置を提供することにある。さらに、この発明の
目的は、電動式のコンプレッサの消費電力の多大な増加
を防ぎながら、乗員の頭部のほてり感をなくして快適な
室内暖房を行うことが可能な車両用空気調和装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、次の技術手段を採用している。車室内上方から空気
を吹き出す上側吹出口、および車室内下方から空気を吹
き出す下側吹出口を有するダクトと、冷媒を圧縮して吐
出する冷媒圧縮機、および前記ダクト内を流れる空気
を、前記冷媒圧縮機より流入した冷媒と熱交換させて加
熱する室内熱交換器を有するヒートポンプ式冷凍サイク
と、前記室内熱交換器の温度を調整する熱交換器温度
調整手段と、前記室内熱交換器を通過する風量と前記室
内熱交換器を迂回する風量との割合を調整する風量割合
調整手段と、前記熱交換器温度調整手段の制御によるリ
ヒート式温度コントロール、および前記風量割合調整手
段の制御によるエアミックス式温度コントロールを共用
して、前記上側吹出口および前記下側吹出口から吹き出
される空気の吹出温度制御を行う吹出温度制御手段とを
備えている。そして、前記冷媒圧縮機は、電力を消費し
て作動する電動式のコンプレッサであって、前記吹出温
度制御手段は、前記コンプレッサの消費電力を検出する
消費電力検出手段を有し、この消費電力検出手段にて検
出された前記コンプレッサの消費電力が基準電力以下の
時のみ、前記エアミックス式温度コントロールを行うこ
とを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、次の技術手段を
採用している。前記吹出温度制御手段は、車室内の空調
状態に影響を及ぼす物理量を検出する環境条件検出手
段、およびこの環境条件検出手段で検出された物理量に
基づいて目標吹出温度を演算する吹出温度演算手段を有
し、前記吹出温度演算手段にて演算された目標吹出温度
が基準温度以下の時のみ、前記エアミックス式温度コン
トロールを行うことを特徴とする。請求項3に記載の発
明は、次の技術手段を採用している。前記吹出温度制御
手段は、前記室内熱交換器に吸い込まれる空気の吸込温
度を検出する吸込温度検出手段を有し、前記吹出温度演
算手段にて演算された目標吹出温度と前記吸込温度検出
手段にて検出された吸込温度との温度差が基準温度差以
上の時のみ、前記エアミックス式温度コントロールを行
うことを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、次の技術手段を
採用している。車室内上方から空気を吹き出す上側吹出
口、および車室内下方から空気を吹き出す下側吹出口を
有するダクトと、このダクト内を流れる空気を、流入し
た熱媒体と熱交換させて加熱する室内熱交換器を有する
熱媒体回路と、前記室内熱交換器の温度を調整する熱交
換器温度調整手段と、前記室内熱交換器を通過する風量
と前記室内熱交換器を迂回する風量との割合を調整する
風量割合調整手段と、前記熱交換器温度調整手段の制御
によるリヒート式温度コントロール、および前記風量割
合調整手段の制御によるエアミックス式温度コントロー
ルを共用して、前記上側吹出口および前記下側吹出口か
ら吹き出される空気の吹出温度制御を行う吹出温度制御
手段とを備えている。そして、前記吹出温度制御手段
は、車室内の空調状態に影響を及ぼす物理量を検出する
環境条件検出手段、およびこの環境条件検出手段で検出
された物理量に基づいて目標吹出温度を演算する吹出温
度演算手段を有し、前記吹出温度演算手段にて演算され
た目標吹出温度が基準温度以下の時のみ、前記エアミッ
クス式温度コントロールを行うことを特徴とする。請求
項5に記載の発明は、次の技術手段を採用している。前
記吹出温度制御手段は、前記室内熱交換器に吸い込まれ
る空気の吸込温度を検出する吸込温度検出手段を有し、
前記吹出温度演算手段にて演算された目標吹出温度と前
記吸込温度検出手段にて検出された吸込温度との温度差
が基準温度差以上の時のみ、前記エアミックス式温度コ
ントロールを行うことを特徴とする。請求項6に記載の
発明は、次の技術手段を採用している。前記吹出温度制
御手段は、前記上側吹出口から吹き出される空気の吹出
温度と前記下側吹出口から吹き出される空気の吹出温度
との上下吹出温度に温度差を作り出すように指令する指
令手段を有し、前記指令手段にて上下吹出温度に温度差
を作り出すように指令がなされた時のみ、前記エアミッ
クス式温度コントロールを行うことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、吹出温度制御
手段が熱交換器温度調整手段を制御してリヒート式温度
コントロールを行うと、熱交換器温度調整手段によっ
て、ダクト内の室内熱交換器の温度が調整される。これ
により、上側吹出口の吹出温度と下側吹出口の吹出温度
との上下吹出温度に温度差がつかない状態で車室内が空
調される。また、吹出温度制御手段が風量割合調整手段
を制御してエアミックス式温度コントロールを行うと、
風量割合調整手段によって室内熱交換器を通過する風量
と室内熱交換器を迂回する風量との割合が調整される。
これにより、上側吹出口の吹出温度と下側吹出口の吹出
温度との上下吹出温度に温度差がついた状態で車室内が
空調される。そして、消費電力検出手段で検出したコン
プレッサの消費電力が基準電力以下の時のみ、吹出温度
制御手段が風量割合調整手段を制御することによりエア
ミックス式温度コントロールが行われる。これにより、
エアミックス式温度コントロール時に、室内熱交換器を
通過する風量の減少を要因とするコンプレッサの動力の
多大な増加が抑えられるので、コンプレッサの消費電力
の多大な増加が阻止される。
【0014】請求項に記載の発明によれば、目標吹出
温度が基準温度より大きい時には、エアミックス式温度
コントロールを行わないようにしている。この理由は、
目標吹出温度が基準温度より大きい時、すなわち、ヒー
トポンプ式冷凍サイクルの最大能力付近の時には、上側
吹出口の吹出温度と下側吹出口の吹出温度との上下温度
に温度差を作り出さなくても、快適な空調状態を損なう
ことはない。これは、必要とする車室内の温度より大幅
に内気温が低いため、乗員がより高い吹出温度を必要と
するためである。 請求項3に記載の発明によれば、目標
吹出温度と吸込温度との温度差が基準温度差より小さい
時には、エアミックス式温度コントロールを行わないよ
うにしている。この理由は、目標吹出温度と吸込温度と
の温度差が基準温度差より小さい時には、室内熱交換器
の吸込温度と室内熱交換器の吹出温度との温度差が小さ
く、上側吹出口の吹出温度と下側吹出口の吹出温度との
上下温度に所定の吹出温度差を作り出すのが困難である
ためである。
【0015】
【実施例】次に、この発明の車両用空気調和装置を、自
動車用オートエアコンに適用した実施例に基づいて説明
する。
【0016】〔第1実施例の構成〕図1ないし図13は
この発明の第1実施例を示したもので、図1は電気自動
車用オートエアコンを示した図である。
【0017】電気自動車用オートエアコン1は、車室内
に空気を送るダクト2、このダクト2内において車室内
に向かう空気流を発生させる室内ファン3、ダクト2内
を流れる空気を冷却するエバポレータ4、このエバポレ
ータ4の下流側の空気を加熱するコンデンサ5、このコ
ンデンサ5の入口側に回動自在に取り付けられたエアミ
ックスダンパ(以下A/Mダンパと記す)6、および車
載電源(バッテリ)8の電力により作動し室内ファン3
の風量、エバポレータ4の冷却能力、コンデンサ5の加
熱能力、A/Mダンパ6のダンパ開度等の各空調機器の
作動状態を制御する電子制御装置(以下ECUと呼ぶ)
9を備えている。
【0018】ダクト2は、車室内の前方側に配設されて
いる。そのダクト2の風上側には、車室内空気(内気)
を導入する内気導入口11、および車室外空気(外気)
を導入する外気導入口12の2つの導入口が設けられて
いる。さらに、内気導入口11および外気導入口12の
内側には、内外気切替ダンパ13が回動自在に取り付け
られている。なお、内気導入口11および外気導入口1
2を形成したダクト2の風上側部分は、内外気切替箱を
形成する。
【0019】内外気切替ダンパ13は、本例では板ダン
パが用いられ、サーボモータ14等の駆動手段によって
駆動されるもので、内気導入口11および外気導入口1
2を選択的に開閉することによって内外気モードを内気
循環モード、外気導入モード等に切り替える。この内外
気切替ダンパ13と前述の内外気切替箱により内外気切
替手段を構成する。なお、板ダンパの代わりにフィルム
ダンパ、ロータリダンパ、スライドドア等を用いても良
い。また、サーボモータ14の代わりにステップモータ
等のその他の駆動手段を用いても良い。
【0020】また、ダクト2の風下側には、電気自動車
のフロント窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出
すデフ吹出口15、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を
吹き出すフェイス吹出口16、および乗員の足元部に向
かって主に温風を吹き出すフット吹出口17の3つの吹
出口が設けられている。なお、フェイス吹出口16は、
図2に示したように、2つのセンタフェイス吹出口18
と、2つのサイドフェイス吹出口19とからなる。ま
た、デフ吹出口15とフェイス吹出口16は、本発明の
上側吹出口を構成し、フット吹出口17は、本発明の下
側吹出口を構成する。そして、デフ吹出口15、フェイ
ス吹出口16およびフット吹出口17を形成したダクト
2の風下側部分は、吹出口切替箱を形成する。
【0021】さらに、各吹出口の内側には、デフダンパ
20、フェイスダンパ21およびフットダンパ22が回
動自在に取り付けられている。デフダンパ20、フェイ
スダンパ21およびフットダンパ22は、本例では板ダ
ンパが用いられ、サーボモータ23〜25等の駆動手段
によって駆動されるもので、デフ吹出口15、フェイス
吹出口16およびフット吹出口17を選択的に開閉する
ことによって吹出口モードをフェイスモード、バイレベ
ルモード、フットモード、フットデフモード、デフロス
タモード等に切り替える。これらのデフダンパ20、フ
ェイスダンパ21およびフットダンパ22と前述の吹出
口切替箱により吹出口切替手段を構成する。吹出口切替
手段である。なお、板ダンパの代わりにフィルムダン
パ、ロータリダンパ、スライドドア等を用いても良い。
また、サーボモータ23〜25の代わりにステップモー
タ等のその他の駆動手段を用いても良い。
【0022】そして、ダクト2内には、エバポレータ4
を通過した後にコンデンサ5を迂回した冷風を、フット
吹出口17に対してデフ吹出口15やフェイス吹出口1
6寄りに導くバイパス通路(冷風通路)26と、このバ
イパス通路26を通過した冷風とコンデンサ5(温風通
路)を通過した温風と混ぜ合わせて所望の吹出温度にす
るためのエアチャンバ27とが設けられている。なお、
バイパス通路26を、ダクト2の外側に一旦突き出た外
部ダクト内に形成しても良い。
【0023】室内ファン3は、ブロワ駆動回路28によ
り印加電圧が制御されるブロワモータ29等の駆動手段
によって回転速度が制御され、内気導入口11または外
気導入口12のいずれか開かれた導入口から空気を吸引
してダクト2を介して車室内へ送風する送風手段であ
る。なお、室内ファン3、ブロワモータ29および室内
ファン3を収容するスクロールケースより送風機が構成
される。
【0024】エバポレータ4は、室内ファン3の下流側
のダクト2の通風路全体を塞ぐように配され、内部に流
入した冷媒を室内ファン3により送られてくる空気と熱
交換させて蒸発気化させる冷媒蒸発器として働き、且つ
空気を冷却する冷却器としても働く。なお、このエバポ
レータ4の代わりにペルチェ素子等の冷却素子を用いて
も良い。
【0025】コンデンサ5は、本発明の室内熱交換器で
あって、エバポレータ4の下流側のダクト2の通風路の
下方、すなわち、デフ吹出口15やフェイス吹出口16
に対してフット吹出口17寄りの通風路を塞ぐように配
され、内部に流入した冷媒を室内ファン3により送られ
てくる空気と熱交換させて凝縮液化させる冷媒凝縮器と
して働き、且つ空気を加熱する加熱器としても働く。な
お、コンデンサ5の代わりに温水式ヒータコアを用いて
も良い。
【0026】A/Mダンパ6は、本発明の風量割合調整
手段であって、本例では板ダンパが用いられ、サーボモ
ータ30等の駆動手段により設定される開度に応じて、
コンデンサ5を通過する風量とバイパス通路26を通過
する風量とを調整する。また、A/Mダンパ6は、コン
デンサ5を通過する風量とコンデンサ5を迂回するバイ
パス風量とを調整して車室内へ吹き出す空気の上下吹出
温度を所定の吹出温度差にする上下吹出温度調整手段と
しても働く。なお、板ダンパの代わりにフィルムダン
パ、ロータリダンパ、スライドドア等を用いても良い。
また、サーボモータ30の代わりにステップモータ等の
その他の駆動手段を用いても良い。
【0027】前述したエバポレータ4およびコンデンサ
5は、冷凍サイクル7の構成要素となっている。この冷
凍サイクル7は、本発明の熱媒体回路、ヒートポンプ式
冷凍サイクルであって、コンプレッサ31、室外熱交換
器32、エバポレータ4、コンデンサ5、キャピラリチ
ューブ33、減圧弁34、アキュームレータ35、四方
切替弁36、電磁弁37〜39、逆止弁40、41を冷
媒配管で接続して構成される、所謂アキュームレータ式
冷凍サイクルである。
【0028】コンプレッサ31は、吸入口より内部に吸
入したガス冷媒を圧縮して高温、高圧のガス冷媒を吐出
口より吐出する冷媒圧縮機(圧縮機本体)である。そし
て、コンプレッサ31は、駆動手段としての電動モータ
(交流モータ)42により回転駆動される。このコンプ
レッサ31は、ECU9の出力信号に基づいてコンプレ
ッサ31の回転速度を可変する回転速度可変手段として
のエアコン用インバータ43を備えている。そして、電
動モータ42は、エアコン用インバータ43によって車
載電源(バッテリ)8から印加される電力が連続的また
は段階的に可変制御される。
【0029】コンプレッサ31とエアコン用インバータ
43は、本発明の熱交換器温度調整手段であって、暖房
モード時に、印加電力の変化による電動モータ42の回
転速度の変化によって、コンプレッサ31での冷媒吐出
圧力を変化させてコンデンサ5の加熱能力(放熱温度、
凝縮温度)を制御する。また、コンプレッサ31とエア
コン用インバータ43は、冷房モード時には、印加電力
の変化による電動モータ42の回転速度の変化によっ
て、コンプレッサ31の吐出口からの冷媒の吐出量を変
化させて冷凍サイクル7内を循環する冷媒の循環量を調
整することによりエバポレータ4の冷却能力を制御する
冷却能力可変手段として働く。
【0030】室外熱交換器32は、電気自動車の車室
外、例えば電気自動車の走行風を受け易い場所に設置さ
れている。この室外熱交換器32は、暖房モード時に、
低温、低圧の気液二相状態の冷媒と室外ファン44によ
り吹き付けられる外気とを熱交換させて冷媒を蒸発気化
させる冷媒蒸発器として働く。また、室外熱交換器32
は、冷房モード時に、高温、高圧のガス冷媒と室外ファ
ン44により吹き付けられる外気とを熱交換させて冷媒
を凝縮液化させる冷媒凝縮器として働く。室外ファン4
4は、ECU9により印加電圧が制御されるファンモー
タ45等の駆動手段によって回転速度が制御され、外気
を吸引して室外熱交換器32へ送風する送風手段、強制
冷却手段である。
【0031】
【表1】 なお、ファンモータ45は、表1に示したように、冷凍
サイクル7の運転モードと後述する各センサの出力デー
タにより高速回転「Hi」、低速回転「Lo」、停止
「OFF」に切り替えられるようになっている。例え
ば、冷房モードでは、後述する外気温センサ59により
検出された外気温Tamが25℃以上で「Hi」となり、
22℃以下で「Lo」となる。
【0032】一方、暖房モードでは、外気温Tamが13
℃以下で「Hi」となり、16℃以下で「Lo」とな
る。また、高温除湿モードでは、後述する目標吹出温度
TAOとコンデンサ5通過直後の空気温度(以下「コンデ
ンサ後側温度」と呼ぶ)Tcとの温度差(TAO−Tc)
が0℃以下で「OFF」となり、2℃以上で「Hi」と
なり、1℃→2℃と1℃→0℃の範囲で「Lo」とな
る。
【0033】一方、低温除湿モードでは、後述する冷媒
吐出圧力センサ63により検出されたコンプレッサ31
の冷媒吐出圧力Pf、コンデンサ後側温度Tc、TAO−
TcによりHi>Lo>OFFの優先順位で決定され
る。例えば、冷媒吐出圧力Pfが19kgf/cm2
以上であれば、Tc、TAO−Tcがどんな値であろうと
も、常に「Hi」となり、同様に、TAO−Tcが−2℃
以下であれば、仮に冷媒吐出圧力Pfが19kgf/c
2 Gよりも低くても、常に「Hi」となる。
【0034】キャピラリチューブ33は、内部を流れる
冷媒を減圧して気液二相状態の冷媒にする減圧手段であ
る。このキャピラリチューブ33の代わりに、オリフィ
ス、膨張弁等の減圧手段を用いても良い。減圧弁34
は、内部を流れる冷媒を減圧して気液二相状態の冷媒に
する減圧手段である。この減圧弁34の代わりに、キャ
ピラリチューブ、オリフィス、膨張弁等の減圧手段を用
いても良い。
【0035】アキュームレータ35は、内部に流入した
冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離してガス冷媒のみコン
プレッサ31に供給する気液分離手段である。このアキ
ュームレータ35の代わりにレシーバ等の気液分離手段
を設置しても良い。レシーバは、暖房モード時はコンデ
ンサ5と減圧弁34との間にレシーバが接続され、冷房
モード時は室外熱交換器32とキャピラリチューブ33
との間にレシーバが接続されるように設置すれば良い。
【0036】四方切替弁36および各電磁弁37〜39
は、冷凍サイクル7内の冷媒の流れ方向を切り替える冷
媒経路切替手段である。四方切替弁36に代えて複数の
電磁弁を設けても良く、各電磁弁37〜39に代えて三
方切替弁を設けても良い。四方切替弁36と各電磁弁3
7〜39とは、冷凍サイクル7の運転モードに応じて表
1のように切り替えられる。
【表2】
【0037】この表2からも明らかなように、冷房モー
ドでは、四方切替弁36が図1に点線で示す位置(オン
位置)に切り替えられ、電磁弁37〜39が閉弁され
て、コンプレッサ31の吐出口から吐出された冷媒が、
四方切替弁36→逆止弁40→室外熱交換器32→キャ
ピラリチューブ33→エバポレータ4→アキュームレー
タ35→コンプレッサ31の吸入口に経路で循環する。
これにより、コンプレッサ31の吐出口から吐出された
高温、高圧のガス冷媒が室外熱交換器32で放熱して液
化し、この液冷媒がエバポレータ4で蒸発することによ
り、エバポレータ4を通過する空気が冷却される。
【0038】一方、暖房モードでは、四方切替弁36が
図1に点線で示す位置(オフ位置)に切り替えられ、電
磁弁37が開弁され、電磁弁38、39が閉弁されて、
コンプレッサ31の吐出口から吐出された冷媒が、四方
切替弁36→コンデンサ5→減圧弁34→逆止弁41→
室外熱交換器32→電磁弁37→アキュームレータ35
→コンプレッサ31の吸入口に経路で循環する。これに
より、コンプレッサ31の吐出口から吐出された高温、
高圧のガス冷媒がコンデンサ5で放熱して液化し、この
放熱によりコンデンサ5を通過する空気が加熱される。
【0039】また、除霜モードでは、四方切替弁36が
図1に実線で示す位置(オン位置)に切り替えられ、電
磁弁38が開弁され、電磁弁37、39が閉弁されて、
コンプレッサ31の吐出口から吐出された高温、高圧の
ガス冷媒がコンデンサ5と電磁弁38を経由して室外熱
交換器32にも供給され、室外熱交換器32の表面に付
着している霜を取り除く。
【0040】さらに、高温除湿モードでは、四方切替弁
36が図1に実線で示す位置(オン位置)に切り替えら
れ、電磁弁37、38が閉弁され、電磁弁39が開弁さ
れる。これにより、冷媒の流通経路が、四方切替弁36
→コンデンサ5→減圧弁34→逆止弁41→室外熱交換
器32→電磁弁39→エバポレータ4となり、コンデン
サ5から室外熱交換器32へ至る冷媒流路中の流路抵抗
が「大」に切り替えられると共に、室外熱交換器32か
らエバポレータ4へ至る冷媒流路中の流路抵抗が「小」
に切り替えられる。これにより、室外熱交換器32をエ
バポレータ4と共に冷媒蒸発器として働かせ、エバポレ
ータ4への液冷媒の流入量を減少させて、このエバポレ
ータ4の吸熱量を低下させると同時にコンデンサ5の放
熱量を増加させることで、高温気味の除湿を行う。
【0041】一方、低温除湿モードでは、四方切替弁3
6が図1に実線で示す位置(オン位置)で、電磁弁38
が開弁され、電磁弁37、39が閉弁される。これによ
り、冷媒の流通経路が、四方切替弁36→コンデンサ5
→電磁弁38→逆止弁41→室外熱交換器32→キャピ
ラリチューブ33→エバポレータ4となり、コンデンサ
5から室外熱交換器32へ至る冷媒流路中の流路抵抗が
「小」に切り替えられると共に、室外熱交換器32から
エバポレータ4へ至る冷媒流路中の流路抵抗が「大」に
切り替えられる。これにより、室外熱交換器32をコン
デンサ5と共に冷媒凝縮器として働かせ、エバポレータ
4への液冷媒の流入量を増加させて、このエバポレータ
4の吸熱量を増大させると同時にコンデンサ5の放熱量
を低下させることで、低温気味の除湿を行う。
【0042】サーボモータ14、23〜25、30、ブ
ロワ駆動回路28、ブロワモータ29、四方切替弁3
6、電磁弁37〜39、エアコン用インバータ43およ
びファンモータ45等は、ECU9によって制御され
る。このECU9は、本発明の吹出温度制御手段であっ
て、マイクロコンピュータを主体として構成され、CP
U51、各種データ等を一時的に記憶するRAM52、
制御プログラム(図4参照)等の記憶されているROM
53、入力データ(アナログ値)をディジタル値に変換
するA/D変換器54、I/O部55、数MHzの基準
信号を発生する水晶振動子56等を備え、バッテリ8か
らイグニッションスイッチ57を介して電力が供給され
る。
【0043】そして、ECU9は、内気温センサ58、
外気温センサ59、日射センサ60、エバポレータ後側
温度センサ61、コンデンサ後側温度センサ62、冷媒
吐出圧力センサ63、デフ吹出温度センサ64、フェイ
ス吹出温度センサ65、フット吹出温度センサ66、ダ
ンパ開度センサ67および温感設定器68等のからの出
力信号をA/D変換器54を介して読み込む。
【0044】内気温センサ58は、例えばサーミスタ等
が用いられ、電気自動車の車室内温度(内気温)Trを
検出する内気温検出手段で、環境条件検出手段の1つで
ある。外気温センサ59は、例えばサーミスタ等が用い
られ、電気自動車の車室外温度(外気温)Tamを検出す
る外気温検出手段で、環境条件検出手段の1つである。
日射センサ60は、例えば光ダイオード等が用いられ、
電気自動車の車室内に入射する日射量Tsを検出する日
射量検出手段で、環境条件検出手段の1つである。
【0045】エバポレータ後側温度センサ61は、例え
ばサーミスタ等が用いられ、エバポレータ4通過直後の
冷風温度(以下エバポレータ後側温度と呼ぶ)Teを検
出する冷風温度検出手段である。コンデンサ後側温度セ
ンサ62は、例えばサーミスタ等が用いられ、コンデン
サ後側温度Tcを検出する温風温度検出手段である。冷
媒吐出圧力センサ63は、コンプレッサ31の冷媒吐出
圧力Pf、所謂冷凍サイクル7の高圧圧力(凝縮圧力)
を検出する高圧圧力検出手段である。
【0046】デフ吹出温度センサ64は、例えばサーミ
スタ等が用いられ、デフ吹出口15を通過する空気の温
度を検出するデフ吹出温度検出手段、上側吹出口温度検
出手段である。フェイス吹出温度センサ65は、例えば
サーミスタ等が用いられ、フェイス吹出口16を通過す
る空気の温度を検出するフェイス吹出温度検出手段、上
側吹出口温度検出手段である。フット吹出温度センサ6
6は、例えばサーミスタ等が用いられ、フット吹出口1
7を通過する空気の温度を検出するフット吹出温度検出
手段、下側吹出口温度検出手段である。ダンパ開度セン
サ67は、例えばポテンショメータが用いられ、A/M
ダンパ6の開度を検出するダンパ開度検出手段であると
共に、コンデンサ5を通過する風量とコンデンサ5を迂
回するバイパス風量との風量割合を検出する風量割合検
出手段である。
【0047】温感設定器68は、涼しめキー69と暖か
めキー70とを備え、図2に示したように、インストル
メントパネル71の中央部に設置されたエアコン操作パ
ネル72に設けられている。このエアコン操作パネル7
2は、図3に示したように、温感設定器68の上方に複
数の発光素子73を横一列に配列した温感表示部74が
設けられている。この温感表示部74は、涼しめキー6
9と暖かめキー70により入力された設定温感Sset を
表示する温感表示手段である。
【0048】この設定温感Sset は、平均的な温度(例
えば25℃)を基準にしてどの程度涼しくするか、ある
いは暖かくするかを示す指標であり(図5(a)参
照)、各キー69、70を操作する前の状態では、温感
表示部74の中央の発光素子73を点灯させ、涼しめキ
ー69を1回押すごとに、設定温感Sset を1ランクず
つ低下させて点灯位置を1つずつ左側にずらし、暖かめ
キー70を1回押すごとに、設定温感Sset を1ランク
ずつ上昇させて点灯位置を1つずつ右側にずらすように
なっている。この他、エアコン操作パネル72には、エ
アコンオンオフスイッチ75、リヤディフォッガスイッ
チ76、フロントデフロスタスイッチ77および除湿ス
イッチ78が設けられている。
【0049】一方、ECU9は、図4の制御プログラム
を実行することにより、電気自動車の車室内の空調状態
を設定温感Sset に維持するのに必要な車室内への吹出
熱量QAO(目標吹出温度TAO)を内気温Tr、外気温T
am、日射量Tsを考慮して演算する吹出温度演算手段と
しても働く。また、ECU9は、除湿モード時にエバポ
レータ後側温度センサ61とコンデンサ後側温度センサ
62とダンパ開度センサ67の出力信号に基づいてA/
Mダンパ6の動作を制御することによりコンデンサ5を
通過する風量とコンデンサ5を迂回するバイパス風量と
の割合を可変して車室内への吹出熱量(目標吹出温度)
を演算値QAO(TAO)に合わせるように制御する風量割
合制御手段としても働く。
【0050】そして、ECU9は、冷房モード、暖房モ
ード時にエアコン用インバータ43を介してコンプレッ
サ31(電動モータ42)の回転速度を制御することに
よりエバポレータ4の冷却能力やコンデンサ5の加熱能
力(放熱温度)を可変して車室内への吹出熱量(目標吹
出温度)を演算値QAO(TAO)に合わせるように制御す
るリヒート(温調)式温度コントロールを行う熱交換器
温度制御手段として働く。
【0051】さらに、ECU9は、暖房モード時にデフ
吹出温度センサ64とフェイス吹出温度センサ65とフ
ット吹出温度センサ66とダンパ開度センサ67の出力
信号に基づいてA/Mダンパ6の動作を制御することに
よりコンデンサ5を通過する風量とコンデンサ5を迂回
するバイパス風量との割合を可変して車室内の上下温度
差を目標温度差TJ (例えば10℃〜20℃)に合わせ
るように制御するエアミックス式温度コントロールを行
う風量割合制御手段、上下温度制御手段としても働く。
【0052】また、ECU9は、エアコン用インバータ
43への出力信号に基づいてコンプレッサ31の消費電
力を検出する消費電力検出手段としても働き、さらにダ
クト2内に吸い込まれる空気の吸込温度Tinを検出する
吸込温度検出手段としても働く。なお、本例では、吸込
温度Tinとして内気循環モード時には内気温センサ58
の内気温Trを用い、外気導入モード時には外気温セン
サ59の外気温Tamを用いる。また、コンデンサ5の風
上側、つまりエバポレータ4とコンデンサ5との間のダ
クト2内の温度を検出する吸込温度センサ(吸込温度検
出手段)を設けても良い。さらに、吸込温度検出手段と
して、暖房モード時にエバポレータ後側温度センサ61
を代用しても良く、エアポレータ4の風上側のダクト2
内の温度を検出する吸込温度センサを設けても良い。
【0053】さらに、ECU9は、リヒート式温度コン
トロールに加えてエアミックス式温度コントロールを行
って上下温度差を作り出す第1の吹出温度制御と、リヒ
ート式温度コントロールのみを行って上下温度差を作り
出さない第2の吹出温度制御との2つの空調制御を切り
替える切替制御手段としても働く。そして、2つの空調
制御を切り替える閾値として、本例では、コンプレッサ
31の消費電力Wである基準電力W0 (例えば0.5k
W〜1.0kW)を利用している。
【0054】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
電気自動車用オートエアコン1の作用を図1ないし図1
3に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はECU9
の基本的な制御プログラムを示したフローチャートであ
る。先ず、以降の演算処理に使用するカウンタやフラグ
を初期設定する初期化処理を実行する。例えばフラグを
0に設定する(ステップS1)。
【0055】次に、温感設定器68の操作により入力さ
れた設定温感Sset を読み込む。さらに、内気温センサ
58、外気温センサ59、日射センサ60、エバポレー
タ後側温度センサ61、コンデンサ後側温度センサ6
2、冷媒吐出圧力センサ63、デフ吹出温度センサ6
4、フェイス吹出温度センサ65、フット吹出温度セン
サ66およびダンパ開度センサ67にて検出された内気
温Tr、外気温Tam、日射量Ts、エバポレータ後側温
度Te、コンデンサ後側温度Tc、冷媒吐出圧力Pc、
デフ吹出温度TDEF 、フェイス吹出温度TFACE、フット
吹出温度TFOOTおよびダンパ開度SW等の各入力データ
を読み込むと共に、コンプレッサ31の消費電力Wcを
検出する(ステップS2)。
【0056】次に、設定温感Sset 、外気温Tamおよび
日射量Tsから設定温度Tset を下記の数1の式より算
出する(ステップS3)。
【数1】 Tset =f(Sset ,外気温Tam,日射量Ts) =Tset'+ΔTam+ΔTs ここで、Tset'=25℃+0.4Sset ……図5(a)参照 ΔTam=(10−Tam)/20……図5(b)参照 ΔTs=−Ts+1000 ……図5(c)参照
【0057】以上のようにして、設定温度Tset を算出
した後に、電気自動車の車室内を設定温度Tset に維持
するために必要な目標吹出熱量QAOを下記の数2の式に
より算出する(ステップS4)。
【数2】 QAO=K1 ×Tset −K2 ×Tr−K3 ×Tam−K4 ×Ts+C ここで、K1 、K2 、K3 、K4 は係数(ゲイン)、C
は定数である。
【0058】上記の数2の式により目標吹出熱量QAOを
算出した後に、その時点の空調状態が定常状態であるか
過渡状態であるかを次のように判定する。先ず、設定温
度Tset と内気温Trとの温度差|Tset −Tr|を算
出し、この|Tset −Tr|が所定値δ(例えば3℃)
以下であるか否かを判定し、|Tset −Tr|≦δであ
れば定常状態であると判定し、|Tset −Tr|>δで
あれば過渡状態であると判定する(ステップS5)。
【0059】定常状態であると判定された場合には、図
6に示されている定常時の目標吹出熱量QAOに対する風
量特性から風量VB を求めて、この風量VB を吹出風量
VAOとする(ステップS6)。さらに、図6に示されて
いる定常時の目標吹出熱量QAOに対する温度特性から目
標吹出温度TAOを求める(ステップS7)。
【0060】一方、前述したステップS5で過渡状態で
あると判定された場合には、吹出風量VAOを下記の数3
の式により算出する(ステップS8)。
【数3】VAO=VB +ΔV ここで、VB は、図6に示されている定常時の目標吹出
熱量QAOに対する風量特性から求められる。また、ΔV
は補正風量であり、図7に示されているTr−Tset に
対する補正風量特性から求められる。
【0061】上記の数3の式により吹出風量VAOを求め
た後に、過渡時の目標吹出温度TAOを下記の数4の式に
より算出する(ステップS9)。
【数4】TAO=QAO/(Cp ・γ・VAO)+Tr =0.57×QAO/VAO+Tr ここで、Cp が空気の比熱、γは空気の比重(25℃)
【0062】なお、暖房モード時は下記数5の式により
過渡時の目標吹出温度TAOを算出する。
【数5】 TAO=QAO/(Cp ・γ・VAO・SW)+Tr =3.57×QAO/(VAO・SW)+Tr ここで、SWはA/Mダンパ6のダンパ開度の補正量で
ある。これは、暖房モード時に実際にコンデンサ5を通
過する風量を考慮するためである。
【0063】一方、前述したステップS7またはステッ
プS9の処理を終了すると、除湿モードの運転を行うか
否かを判定する(ステップS10)。この除湿モードの
運転を行う条件は、次の2条件を満たすことである。 イ)除湿スイッチ78がオンであること ロ)TAO>T0 (例えば5℃)であること この2条件が満たされれば、ステップS10の判定が
「Yes」となって、ステップS16に移行する。な
お、ロ)の条件は、TAO≦5℃のときには冷房モードで
十分に除湿可能であるためである。
【0064】上記イ)、ロ)の2条件のいずれか一方で
も満たされない場合には、ステップS10の判定が「N
o」となって、先ず、下記の数6の式のように、内気導
入口11または外気導入口12から吸い込まれる空気の
吸込温度TinとステップS7またはステップS9で算出
した目標吹出温度TAOとの温度差TM を求める。
【数6】TM =TAO−Tin そして、TM <0のとき内外気モードを内気循環モード
に決定し、TM ≧0のとき内外気モードを外気導入モー
ドに決定する(ステップS11)。
【0065】上述のように、内外気モードを決定した後
に、冷凍サイクル7の運転モードを冷房モード、暖房モ
ードのいずれのモードにするかを次のようにして判定す
る(ステップS12)。先ず、吸込温度Tinと目標吹出
温度TAOとの温度差TM を数6の式により算出する。そ
して、TM >0のときには運転モードを暖房モードと
し、TM <0のときには運転モードを冷房モードとし、
TM =0のときには冷凍サイクル7のコンプレッサ31
を停止する。
【0066】これにより、冷房モード時には、エバポレ
ータ後側温度Te=THC(例えば5℃)となるように、
コンプレッサ31の回転速度がエアコン用インバータ4
3により変更され、エバポレータ4の冷却能力(除湿能
力)を制御するリヒート式温度コントロールが行われ
る。また、暖房モード時には、目標吹出温度TAOおよび
コンデンサ後側温度Tcに基づいてコンプレッサ31の
回転速度がエアコン用インバータ43により変更され、
コンデンサ5の加熱能力(放熱温度)を制御するリヒー
ト式温度コントロールが行われる。
【0067】以上のようにして、冷凍サイクル7の運転
モードを判定した後に、目標吹出温度TAOと吹出風量V
AOに基づいて、吹出口モードを「フェイス(FACE)
モード」、「バイレベル(B/L)モード」、「フット
(FOOT)モード」、「フットデフ(FOOT/DE
F)モード」、「デフロスタ(DEF)モード」のいず
れかに決定する(ステップS13)。
【0068】以上のようにして、吹出口モードを判定し
た後に、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを決定する。
すなわち、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを制御する
エアミックス式温度コントロールを実行するか否かを判
定する(ステップS14)。以上のようにして決定され
た各種の制御データを各空調機器へ出力し(ステップS
15)、以後、前述したステップS2に戻って処理を繰
り返すことにより、空調運転を制御する。この際、ステ
ップS6およびステップS8で求めた吹出風量VAOを実
現するために、ブロワモータ29に印加するブロワ電圧
は、図8の電圧特性により吹出口モードに応じて決定さ
れる。
【0069】一方、前述したステップS10で、除湿モ
ードの運転を行うと判定された場合、すなわち、イ)除
湿スイッチ78がオンであること、ロ)TAO>T0 (例
えば5℃)であることの2条件を満たす場合には、内外
気ダンパ13を外気導入モード(内気導入口11を全閉
して外気導入口12から外気を導入するモード)に切り
替える(ステップS16)。
【0070】次に、上記の数6の式により算出される吸
込温度Tinと目標吹出温度TAOとの温度差TM に基づい
て、除湿モードを図9に示すように低温除湿モードと高
温除湿モードのいずれに切り替えるかを判定する(ステ
ップS17)。これら両除湿モードともに、エバポレー
タ後側温度Te=THC(例えば5℃)となるように、コ
ンプレッサ31の回転速度がエアコン用インバータ43
により変更される。このため、エバポレータ4の冷却能
力(除湿能力)およびコンデンサ5の加熱能力(放熱温
度)を制御するリヒート式温度コントロールが行われ
る。
【0071】このようにして、除湿モードを判定した後
に、目標吹出温度TAOと吹出風量VAOに基づいて、吹出
口モードを「フェイス(FACE)モード」、「バイレ
ベル(B/L)モード」、「フット(FOOT)モー
ド」、「フットデフ(FOOT/DEF)モード」、
「デフロスタ(DEF)モード」のいずれかに決定する
(ステップS18)。
【0072】次に、吹出口モードを判定した後に、エア
ミックス式温度コントロールを実行する。すなわち、目
標吹出温度TAO、コンデンサ後側温度Tcおよびエバポ
レータ後側温度Teに基づいて、A/Mダンパ6のダン
パ開度SWを以下の数7の式により算出する(ステップ
S19)。以上のようにして決定された各種の制御デー
タを各空調機器へ出力し(ステップS20)、以後、前
述したステップS2に戻って処理を繰り返すことによ
り、空調運転を制御する。
【数7】 SW={(TAO−Te)/(Tc−Te)}×100(%)……図10参照 (0≦SW≦100)
【0073】次に、ECU9のエアミックス式温度コン
トロールを実行するか否かの判定制御を、図11のサブ
ルーチンに基づいて詳細に説明する。ここで、図11は
ダンパ開度決定サブルーチンを示したフローチャートで
ある。この図11のフローチャートは図4のステップS
13の処理が終了した後にスタートする。
【0074】前述のステップS12にて判定された冷凍
サイクル7の運転モードが暖房モードであるか否かを判
定する(ステップS21)。すなわち、前記数6の式に
より算出した吸込温度Tinと目標吹出温度TAOとの温度
差TM が所定温度差(例えば0℃)より大きいか(TM
>0)否かを判定する。このステップS21の判定がN
oの場合、すなわち、冷凍サイクル7の運転モードが冷
房モードである場合には、A/Mダンパ6のダンパ開度
SWを0%とし、エアミックス式温度コントロールを行
わない(ステップS22)。その後に図4のステップS
14を抜ける。
【0075】一方、ステップS21の判定がYesの場
合には、フラグがHに設定されている(FLG=H)か
否かを判定する。すなわち、サブルーチンの実行が2回
目以降か否かを判定する(ステップS23)。このステ
ップS23の判定がNoの場合には、フラグをHに設定
する。すなわち、FLG=Hに設定し(ステップS2
4)、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを100%とす
る(ステップS25)。その後に図4のステップS14
を抜ける。なお、A/Mダンパ6のダンパ開度SWの暖
房モードによる運転開始前の初期値は必ずSW=100
(%)とされている。
【0076】一方、ステップS23の判定がYesの場
合、すなわち、フラグがHに設定されている場合には、
コンプレッサ31の消費電力Wが基準電力W0 (=閾
値:例えば0.5kW〜1.0kW)以下である(W≦
W0 )か否かを判定する(ステップS26)。このステ
ップS26の判定がNoの場合には、すなわち、コンプ
レッサ31の消費電力Wが基準電力W0 より多い場合に
は、ステップS25に移行して、A/Mダンパ6のダン
パ開度SWを100%とし、エアミックス式温度コント
ロールを行わない。これにより、コンデンサ5を迂回す
るバイパス風量の増加によるコンプレッサ31の冷媒吐
出圧力の増加を要因とするコンプレッサ31の消費電力
(動力)の多大な増加を防止できる。
【0077】一方、ステップS26の判定がYesの場
合には、すなわち、コンプレッサ31の消費電力Wが基
準電力W0 以下の場合には、図4のステップS7および
ステップS9で求めた目標吹出温度TAOが基準吹出温度
TMAX (例えば70℃)以下である(TAO≦TMAX )か
否かを判定する(ステップS27)。このステップS2
7の判定がNoの場合には、すなわち、目標吹出温度T
AOが基準吹出温度TMAX より高い場合には、ステップS
25に移行して、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを1
00%とし、エアミックス式温度コントロールを行わな
い。
【0078】一方、ステップS27の判定がYesの場
合には、すなわち、目標吹出温度TAOが基準吹出温度T
MAX 以下の場合には、目標吹出温度TAOと吸込温度Tin
(外気温Tam)との温度差TM が基準温度差TMS以上で
ある(TAO−Tin≧TMS)か否かを判定する(ステップ
S28)。このステップS28の判定がNoの場合に
は、すなわち、目標吹出温度TAOと吸込温度Tinとの温
度差TM が基準温度差TMSより小さい場合には、ステッ
プS25に移行して、A/Mダンパ6のダンパ開度SW
を100%とし、エアミックス式温度コントロールを行
わない。
【0079】一方、ステップS28の判定がYesの場
合には、すなわち、目標吹出温度TAOと吸込温度Tinと
の温度差TM が基準温度差TMS以上の場合には、図4の
ステップS13にて判定した吹出口モードが「バイレベ
ル(B/L)モード」、「フット(FOOT)モー
ド」、「フットデフ(FOOT/DEF)モード」のい
ずれかであるか否かを判定する(ステップS29)。こ
のステップS29の判定がNoの場合には、すなわち、
吹出口モードが「バイレベル(B/L)モード」、「フ
ット(FOOT)モード」、「フットデフ(FOOT/
DEF)モード」のいずれでもない場合には、ステップ
S25に移行して、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを
100%とし、エアミックス式温度コントロールを行わ
ない。
【0080】一方、ステップS29の判定がYesの場
合には、すなわち、吹出口モードが「バイレベル(B/
L)モード」、「フット(FOOT)モード」、「フッ
トデフ(FOOT/DEF)モード」のいずれかである
場合には、リヒート式温度コントロールに加えてエアミ
ックス式温度コントロールを行う。すなわち、下記の数
8の式に基づいて、デフ吹出口15またはフェイス吹出
口16から吹き出される空気の吹出温度とフット吹出口
17から吹き出される空気の吹出温度との上下温度の吹
出温度差TJ の判定を行う(ステップS30)。
【数8】 TJ =TFOOT−TDEF ……フットモード、フットデフモードの時 TJ =TFOOT−TFACE……バイレベルモードの時
【0081】ここで、TDEF はデフ吹出温度センサ64
にて検出したデフ吹出口15から吹き出される空気の吹
出温度(以下デフ吹出口15の吹出温度と言う)で、T
FACEはフェイス吹出温度センサ65にて検出したフェイ
ス吹出口16から吹き出される空気の吹出温度(以下フ
ェイス吹出口16の吹出温度と言う)で、TFOOTはフッ
ト吹出温度センサ66にて検出したフット吹出口17か
ら吹き出される空気の吹出温度(以下フット吹出口17
の吹出温度と言う)である。
【0082】以上のような判定により、上下温度の吹出
温度差TJ が10℃より小さい時には、変化量tを−X
(例えば−5%)とし(ステップS31)、上下温度の
吹出温度差TJ が10℃以上15℃以下の時には、補正
量tを0%とし(ステップS32)、上下温度の吹出温
度差TJ が15℃より大きい時には、補正量tを+X
(例えば+5%)とする(ステップS33)。以上のよ
うにして決定した補正量tを以下の数9の式に代入して
A/Mダンパ6のダンパ開度SWを算出する(ステップ
S34)。その後に図4のステップS14を抜ける。
【数9】SW=SWn-1 +t(%) 但し、0≦SW≦100(%)、SWn-1 は前回のダン
パ開度、SWは今回のダンパ開度(更新したダンパ開
度)
【0083】次に、冷凍サイクル7の運転モードが暖房
モードで、吹出口モードがフットモード時の制御内容に
ついて図12に基づいて説明する。ここで、図12は目
標吹出温度TAOに対するコンデンサ5の放熱温度、A/
Mダンパ6のダンパ開度SW、デフ吹出口15の吹出温
度とフット吹出口17の吹出温度、コンプレッサ31の
消費電力の変化を示したグラフである。
【0084】コンプレッサ31の消費電力Wが基準電力
W0 (例えば0.5kW〜1.0kW)以下の時には、
すなわち、目標吹出温度TAOがT3 〜T1 に相当する時
には、コンデンサ5の放熱温度(凝縮温度)をコンプレ
ッサ31の回転速度制御(コンプレッサ31の冷媒吐出
圧力制御)により調整するリヒート式温度コントロール
に加えてA/Mダンパ6のダンパ開度SWを調整するエ
アミックス式温度コントロールを行ってデフ吹出口15
の吹出温度とフット吹出口17の吹出温度を制御するよ
うにしている。
【0085】これにより、A/Mダンパ6のダンパ開度
をダクト2内を流れる全ての空気がコンデンサ5を通過
していたダンパ開度100%からコンデンサ5を迂回さ
せて、デフ吹出口15の吹出温度とフット吹出口17の
吹出温度との上下温度の吹出温度差が所定の吹出温度差
(例えば10℃〜15℃)となるように所定のダンパ開
度SW=Xとする。
【0086】このとき、図12に示したように、目標吹
出温度TAO=T1 、A/Mダンパ6のダンパ開度SW=
100%にてコンデンサ5の放熱温度がT1 であったも
のが、ダンパ開度Xではコンデンサ5の放熱温度はT2
となり、コンプレッサ31の消費電力がW1 からW2 へ
増加してしまうが、消費電力の増加量は僅かである。ま
た、このとき、図12に示したように、目標吹出温度T
AOがT3 〜T1 間ではデフ吹出口15の吹出温度とフッ
ト吹出口17の吹出温度との上下温度の吹出温度差が所
定の吹出温度差(例えば10℃〜15℃)になる。この
ため、乗員の足下部の暖房を維持しながら頭部のほてり
感がなくなるので、快適な室内暖房がなされる。
【0087】また、コンプレッサ31の消費電力Wが基
準電力W0 (例えば0.5kW〜1.0kW)より大き
い時には、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを100%
にしてエアミックス式温度コントロールを行わず、コン
デンサ5の放熱温度をコンプレッサ31の回転速度制御
(コンプレッサ31の冷媒吐出圧力制御)により調整す
るリヒート式温度コントロールにてデフ吹出口15の吹
出温度とフット吹出口17の吹出温度を制御するように
している。
【0088】したがって、仮に目標吹出温度TAOがT1
からT0 へ増加させる場合には、コンプレッサ31の回
転速度が増速することにより、図12に示したように、
コンデンサ5の放熱温度が上昇するだけでなく、コンプ
レッサ31の消費電力が増大するが、エアミックス式温
度コントロールを行った時の消費電力より遙に小さい。
なお、この場合には、デフ吹出口15の吹出温度とフッ
ト吹出口17の吹出温度との上下温度に所定の吹出温度
差がつかないので、図12に示したように、デフ吹出口
15の吹出温度とフット吹出口17の吹出温度とは等温
となる。
【0089】このように、コンプレッサ31の消費電力
Wが基準電力W0 (例えば0.5kW〜1.0kW)よ
り大きい時に、リヒート式温度コントロールに加えてエ
アミックス式温度コントロールを行わないことにより、
コンプレッサ31の回転速度の増速側でのコンプレッサ
31の動力の多大な増加や、コンプレッサ31の消費電
力の多大な増加を防止することができる。
【0090】ここで、リヒート式温度コントロールに加
えてエアミックス式温度コントロールを行って上下温度
の吹出温度差を作り出す第1の吹出温度制御と、リヒー
ト式温度コントロールのみを行って上下温度に所定の吹
出温度差を作り出さない第2の吹出温度制御との2つの
空調制御を切り替えるコンプレッサ31の消費電力は、
図13に示したように、第1の吹出温度制御から第2の
吹出温度制御へ切り替える消費電力W0 は前述中のA/
Mダンパ6のダンパ開度を開いた時に増加する消費電力
W2 より十分大きな値とする。
【0091】なお、この実施例では、エアミックス式温
度コントロールの実行、不実行の閾値として、コンプレ
ッサ31の消費電力だけでなく、目標吹出温度TAOが基
準吹出温度TMAX (例えば70℃)より大きい時もエア
ミックス式温度コントロールを行わないようにしてい
る。この理由は、目標吹出温度TAOが基準吹出温度TMA
X (例えば70℃)より大きい時、すなわち、冷凍サイ
クル7の最大能力付近の時には、デフ吹出口15の吹出
温度とフット吹出口17の吹出温度との上下温度に温度
差を作り出さなくても、快適な空調状態を損なうことは
ない。これは、必要とする車室内の温度より大幅に内気
温が低いため、乗員がより高い吹出温度を必要とするた
めである。
【0092】また、この実施例では、目標吹出温度TAO
と吸込温度Tinとの温度差TM が基準温度差TMS(例え
ば10℃)より小さい時にもエアミックス式温度コント
ロールを行わないようにしている。この理由は、目標吹
出温度TAOと吸込温度Tinとの温度差が基準温度差TMS
より小さい時は、コンデンサ5の吸込温度Tinとコンデ
ンサ5の吹出温度(コンデンサ後側温度)Tcとの温度
差が小さく、デフ吹出口15の吹出温度とフット吹出口
17の吹出温度との上下温度に所定の吹出温度差を作り
出すのが困難であるためである。
【0093】〔第1実施例の効果〕以上のように、電気
自動車用オートエアコン1は、冷凍サイクル7が暖房モ
ードで運転されている場合に、コンプレッサ31の消費
電力が基準電力以下で、目標吹出温度が基準吹出温度以
下で、目標吹出温度と吸込温度との温度差が基準温度差
以上で、しかも吹出口モードがバイレベルモード、フッ
トモード、フットデフモードの時に、すなわち、全ての
条件を満足した時にリヒート式温度コントロールに加え
てエアミックス式温度コントロールにより吹出温度制御
を行い、上記の条件の1つでも満足しない時にリヒート
式温度コントロールのみにより吹出温度制御を行うよう
にしている。
【0094】したがって、快適な室内暖房(安定時)の
要求がある時には、各吹出口の吹出温度差を算出して所
定の吹出温度差(10℃〜15℃)に近づくようにA/
Mダンパ6のダンパ開度を変化させて吹出温度制御を行
って、デフ吹出口15またはフェイス吹出口16の吹出
温度とフット吹出口17の吹出温度との上下温度に所定
の吹出温度差を作り出し、上述の乗員の頭部の暖房を維
持しながらも頭部のほてり感がない快適な室内暖房を実
現する。
【0095】なお、A/Mダンパ6を所定のダンパ開度
だけ開くことによりエバポレータ4を通過した空気がコ
ンデンサ5をバイパスするようになると、コンデンサ5
を通過する風量が減少するため、冷凍サイクル7の高圧
圧力(凝縮圧力)が上昇し、且つ低圧圧力(蒸発圧力)
が下降してコンプレッサ31の消費電力(動力)が非常
に大きくなり、冷凍サイクル7の成績係数(COP)が
低下してしまう。この消費電力(動力)の上昇は、冷凍
サイクル7の能力が大きい時、すなわち、コンプレッサ
31の消費電力が大きい時ほどその電力の上昇傾向が大
きい。
【0096】したがって、この実施例では、コンプレッ
サ31の消費電力が基準電力以下の時のみエアミックス
式温度コントロールを行うようにしているので、省電力
性に優れる。よって、この実施例の電気自動車用オート
エアコン1は、コンプレッサ31の消費電力の大小や目
標吹出温度の大小等に拘らず、全空調領域にてリヒート
式温度コントロールとエアミックス式温度コントロール
を行う電気自動車用オートエアコンより、コンプレッサ
31の回転速度の高速側においてコンプレッサ31の消
費電力を著しく減少することができる。また、バッテリ
8を大きく消耗させることなく車室内を暖房できるの
で、電気自動車の走行距離を長くすることができる。
【0097】〔第2実施例〕図14および図15はこの
発明の第2実施例を示したもので、図14は電気自動車
用オートエアコンのエアコン操作パネルを示した図であ
る。この実施例では、乗員の頭部のほてり感のない快適
な暖房を要求するための快適暖房スイッチ79を、エア
コン操作パネル72に設けている。
【0098】この快適暖房スイッチ79は、本発明の指
令手段であって、リヒート式温度コントロールに加えて
エアミックス式温度コントロールを行って上下温度に吹
出温度差を作り出す第1の吹出温度制御と、リヒート式
温度コントロールのみを行って上下温度に吹出温度差を
作り出さない第2の吹出温度制御との切替時期を決める
切替手段である。
【0099】次に、ECU9のエアミックス式温度コン
トロールを実行するか否かの判定制御を図15に基づい
て詳細に説明する。ここで、図15はダンパ開度決定サ
ブルーチンプログラムを示したフローチャートである。
この図15のフローチャートは図4のステップS13の
処理が終了した後にスタートする。なお、第1実施例の
図11のフローチャートと同一の処理は同符号を付し、
説明を省略する。
【0100】ステップS23にてフラグがHに設定され
ている場合に、快適暖房スイッチ79がオンされている
か否かを判定する(ステップS35)。このステップS
35の判定がNoの場合には、すなわち、快適暖房スイ
ッチ79がオフされている場合には、ステップS25に
移行して、A/Mダンパ6のダンパ開度SWを100%
とし、エアミックス式温度コントロールを行わない。一
方、ステップS35の判定がYesの場合には、すなわ
ち、快適暖房スイッチ79がオンされている場合には、
ステップS27の処理を行う。
【0101】〔変形例〕この実施例では、熱媒体回路と
してヒートポンプ式冷凍サイクルを用いたが、熱媒体回
路としてエンジン等を熱源とする温水回路を用いても良
い。この場合には、コンデンサ5の代わりに室内熱交換
器として温水式ヒータコアを用いる。
【0102】そして、リヒート式温度コントロールを行
う場合には、温水回路中に流調式温水弁を設けて、温水
式ヒータコアの熱源であるエンジンの温水流量を変更す
る流調式温度コントロールか、あるいは温水回路中に温
調式温水弁を設けて、温水温度を変更する温調式温度コ
ントロールのいずれかを行うと良い。
【0103】この実施例では、冷媒圧縮機として電動式
のコンプレッサ31を用いたが、冷媒圧縮機として電磁
クラッチ等の係脱手段を介してエンジンにより回転駆動
されるコンプレッサを用いても良い。この場合に、コン
プレッサの回転速度を制御するため、無段変速機等の変
速手段をエンジンとコンプレッサとの間に設けても良
い。
【0104】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、電動式のコン
プレッサの消費電力が基準電力以下の時のみエアミック
ス式温度コントロールを行うことにより、電動式のコン
プレッサの消費電力の多大な増加を防ぎながら、すなわ
ち、冷媒圧縮機の動力の多大な増加を防ぎながら、上側
吹出口から吹き出される空気の吹出温度と下側吹出口か
ら吹き出される空気の吹出温度との上下温度に温度差を
作り出すことができるので、乗員の頭部のほてり感のな
い快適な室内暖房を行うことができる。
【0105】請求項に記載の発明は、目標吹出温度が
基準温度より大きい時には、エアミックス式温度コント
ロールを行わないようにしている。この理由は、目標吹
出温度が基準温度より大きい時には、上側吹出口の吹出
温度と下側吹出口の吹出温度との上下温度に温度差を作
り出さなくても、快適な空調状態を損なうことはない。
これは、必要とする車室内の温度より大幅に内気温が低
いため、乗員がより高い吹出温度を必要とするためであ
る。 請求項5に記載の発明によれば、目標吹出温度と吸
込温度との温度差が基準温度差より小さい時には、エア
ミックス式温度コントロールを行わないようにしてい
る。この理由は、目標吹出温度と吸込温度との温度差が
基準温度差より小さい時には、室内熱交換器の吸込温度
と室内熱交換器の吹出温度との温度差が小さく、上側吹
出口の吹出温度と下側吹出口の吹出温度との上下温度に
所定の吹出温度差を作り出すのが困難であるためであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に用いた電気自動車用オ
ートエアコンを示した構成図である。
【図2】電気自動車のインストルメントパネルを示した
正面図である。
【図3】この発明の第1実施例のエアコン操作パネルを
示した正面図である。
【図4】この発明の第1実施例の制御プログラムを示し
たフローチャートである。
【図5】空調制御に用いられるグラフである。
【図6】吹出風量および目標吹出温度を決定するグラフ
である。
【図7】補正風量を決定するグラフである。
【図8】ブロワ電圧を決定するグラフである。
【図9】除湿モードを決定するグラフである。
【図10】ダンパ開度を決定するグラフである。
【図11】この発明の第1実施例のダンパ開度決定サブ
ルーチンを示したフローチャートである。
【図12】目標吹出温度に対するコンデンサの放熱温
度、ダンパ開度、各吹出口の吹出温度、コンプレッサの
消費電力の変化を示したグラフである。
【図13】コンプレッサの消費電力に対する第1の吹出
温度制御と第2の吹出温度制御との切替時期を示したグ
ラフである。
【図14】この発明の第2実施例に用いたエアコン操作
パネルを示した正面図である。
【図15】この発明の第2実施例のダンパ開度決定サブ
ルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 電気自動車用オートエアコン(車両用空気調和装
置) 2 ダクト 5 コンデンサ(室内熱交換器) 6 A/Mダンパ(風量割合調整手段) 7 冷凍サイクル(熱媒体回路、ヒートポンプ式冷凍サ
イクル) 9 ECU(吹出温度制御手段、吹出温度演算手段、消
費電力検出手段) 15 デフ吹出口(上側吹出口) 16 フェイス吹出口(上側吹出口) 17 フット吹出口(下側吹出口) 31 コンプレッサ(冷媒圧縮機、熱交換器温度調整手
段) 43 エアコン用インバータ(熱交換器温度調整手段) 58 内気温センサ(環境条件検出手段、吸込温度検出
手段) 59 外気温センサ(環境条件検出手段、吸込温度検出
手段) 60 日射センサ(環境条件検出手段) 79 快適暖房スイッチ(指令手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−40235(JP,A) 特開 平5−262120(JP,A) 特開 平5−294138(JP,A) 特開 昭62−8815(JP,A) 特開 平5−254329(JP,A) 特開 平5−229334(JP,A) 特開 平6−171340(JP,A) 特開 昭60−53420(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/32 623 B60H 1/32 624 B60H 1/32 622 B60H 1/22 B60H 1/00 101 B60H 3/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)車室内上方から空気を吹き出す上側
    吹出口、および車室内下方から空気を吹き出す下側吹出
    口を有するダクトと、 (b)冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、および前記
    ダクト内を流れる空気を、前記冷媒圧縮機より流入した
    冷媒と熱交換させて加熱する室内熱交換器を有するヒー
    トポンプ式冷凍サイクルと、 (c)前記室内熱交換器の温度を調整する熱交換器温度
    調整手段と、 (d)前記室内熱交換器を通過する風量と前記室内熱交
    換器を迂回する風量との割合を調整する風量割合調整手
    段と、 (e)前記熱交換器温度調整手段の制御によるリヒート
    式温度コントロール、および前記風量割合調整手段の制
    御によるエアミックス式温度コントロールを共用して、
    前記上側吹出口および前記下側吹出口から吹き出される
    空気の吹出温度制御を行う吹出温度制御手段とを備え 前記冷媒圧縮機は、電力を消費して作動する電動式のコ
    ンプレッサであって、 前記吹出温度制御手段は、前記コンプレッサの消費電力
    を検出する消費電力検出手段を有し、この消費電力検出
    手段にて検出された前記コンプレッサの消費電力が基準
    電力以下の時のみ、前記エアミックス式温度コントロー
    ルを行うことを特徴とする 車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、前記吹出温度制御手段は、車室内の空調状態に影響を及
    ぼす物理量を検出する環境条件検出手段、およびこの環
    境条件検出手段で検出された物理量に基づいて目標吹出
    温度を演算する吹出温度演算手段を有し、 前記吹出温度演算手段にて演算された目標吹出温度が基
    準温度以下の時のみ、前記エアミックス式温度コントロ
    ールを行う ことを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、前記吹出温度制御手段は、前記室内熱交換器に吸い込ま
    れる空気の吸込温度を検出する吸込温度検出手段を有
    し、 前記吹出温度演算手段にて演算された目標吹出温度と前
    記吸込温度検出手段にて検出された吸込温度との温度差
    が基準温度差以上の時のみ、前記エアミックス式温度コ
    ントロールを行う ことを特徴とする車両用空気調和装
    置。
  4. 【請求項4】(a)車室内上方から空気を吹き出す上側
    吹出口、および車室内下方から空気を吹き出す下側吹出
    口を有するダクトと、 (b)このダクト内を流れる空気を、流入した熱媒体と
    熱交換させて加熱する室内熱交換器を有する熱媒体回路
    と、 (c)前記室内熱交換器の温度を調整する熱交換器温度
    調整手段と、 (d)前記室内熱交換器を通過する風量と前記室内熱交
    換器を迂回する風量との割合を調整する風量割合調整手
    段と、 (e)前記熱交換器温度調整手段の制御によるリヒート
    式温度コントロール、および前記風量割合調整手段の制
    御によるエアミックス式温度コントロールを共用して、
    前記上側吹出口および前記下側吹出口から吹き出される
    空気の吹出温度制御を行う吹出温度制御手段とを備え、 前記吹出温度制御手段は、車室内の空調状態に影響を及
    ぼす物理量を検出する環境条件検出手段、およびこの環
    境条件検出手段で検出された物理量に基づいて目標吹出
    温度を演算する吹出温度演算手段を有し、 前記吹出温度演算手段にて演算された目標吹出温度が基
    準温度以下の時のみ、前記エアミックス式温度コントロ
    ールを行う ことを特徴とする車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、前記吹出温度制御手段は、前記室内熱交換器に吸い込ま
    れる空気の吸込温度を検出する吸込温度検出手段を有
    し、 前記吹出温度演算手段にて演算された目標吹出温度と前
    記吸込温度検出手段にて検出された吸込温度との温度差
    が基準温度差以上の時のみ、前記エアミックス式温度コ
    ントロールを行う ことを特徴とする車両用空気調和装
    置。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5に記載の車両用空
    気調和装置において、 前記吹出温度制御手段は、前記上側吹出口から吹き出さ
    れる空気の吹出温度と前記下側吹出口から吹き出される
    空気の吹出温度との上下吹出温度に温度差を作り出すよ
    うに指令する指令手段を有し、 前記指令手段にて上下吹出温度に温度差を作り出すよう
    に指令がなされた 時のみ、前記エアミックス式温度コン
    トロールを行うことを特徴とする車両用空気調和装置。
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