JP3726982B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調ケースの内部を、内気吸込口から吸い込まれた車室内空気をフット吹出口より車室内に吹き出す第1空気通路と外気吸込口から吸い込まれた車室外空気をデフロスタ吹出口より車室内に吹き出す第2空気通路とに区画する仕切り部材を備えた車両用空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような車両用空気調和装置の第1従来技術として、特開平5−124426号公報に開示された技術がある。この第1従来技術の構成を簡単に説明すると、車両用空気調和装置の空調ケースは、その一端側に内気吸込口および外気吸込口が形成され、他端側にフット吹出口、デフロスタ吹出口およびフェイス吹出口が形成されている。
【0003】
そして、空調ケースの内部空間は、仕切り板によって、内気吸込口から吸い込まれた車室内空気(以下内気と言う)をフット吹出口より車室内に吹き出す第1空気通路と外気吸込口から吸い込まれた車室外空気(以下外気と言う)をデフロスタ吹出口より車室内に吹き出す第2空気通路とに区画形成されている。そして、空調ケースの内部には、空気流を発生する送風機、空気を冷却するエバポレータおよび空気を加熱するヒータコアが設けられている。
【0004】
そして、吹出口モードとしてフットデフモードが選択された時は、第1空気通路内に内気を導入し、第2空気通路内に外気を導入する二層モードとすることによって、既に温められている内気にて車室内を暖房するので暖房性能が向上し、さらに低湿度の外気が窓ガラスの内面に吹き出すので窓ガラスの防曇性能が向上する。
【0005】
また、第2従来技術として、特開平7−47831号公報に開示された技術がある。この第2従来技術の構成は、上記の第1従来技術と同じく、空調ケースの一端側に内気吸込口および外気吸込口が形成され、他端側にフット吹出口、デフロスタ吹出口およびフェイス吹出口が形成されている。そして、空調ケースの内部空間は、上記の第1従来技術と同様な構造の第1空気通路と第2空気通路とが仕切り板によって区画形成されていると共に、空調ケース内には送風機、エバポレータおよびヒータコアが設けられている。さらに、第2従来技術には、エバポレータを通過した直後の空気温度(エバ後温度)を検出するエバ後温度センサが設けられている旨が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の第1、第2従来技術のいずれにも、上記エバ後温度センサの具体的な配置位置について記載されていない。
そこで、エバ後温度センサを、第1空気通路側に設けた場合と第2空気通路側に設けた場合とについて、それぞれ以下のような実験を行った。すなわち、第1空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については、第2空気通路側におけるエバポレータの直後に実験用温度センサを設け、第2空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については、第1空気通路側におけるエバポレータの直後に実験用温度センサを設けた。
【0007】
そして、エバ後温度センサで検出したエバ後温度が第1所定温度(例えば4℃)以上の時にエバポレータによる冷却を行い、エバ後温度センサで検出したエバ後温度が第2所定温度(例えば3℃)以下の時にエバポレータによる冷却を停止する制御を種々の外気温度のもとで行ったときに、上記の実験用温度センサで検出したエバ後温度がどのような温度となるかについて実験を行った。
その結果、主に内気が流れる第1空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については図13に示すデータが得られ、主に外気が流れる第2空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合については図14に示すデータが得られた。
【0008】
これらのデータから分かることは、第2空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合には、図14に示したように、外気温度が10℃以下の低外気温領域のときの第1空気通路側の冷風温度が第2所定温度より非常に高い温度となる。これにより、第2空気通路側のエバ後温度を基準にしてエバポレータの作動状態を制御するようにした場合には、低外気温領域のときに第1空気通路側のエバ後温度が第2所定温度まで低下する前に、エバポレータの作動が停止することになるので、第1空気通路側の内気の除湿性能が低下する。したがって、窓ガラスの内面が曇り易くなるという問題が生じる。
【0009】
また、第1空気通路側にエバ後温度センサを設けた場合には、図13に示すように、第1、第2空気通路のそれぞれにおいて除湿性能を確保できるが、外気温度が10℃以下の低外気温領域のときの第2空気通路側のエバ後温度が第2所定温度より低い温度となる。これにより、第1空気通路側のエバ後温度を基準にしてエバポレータの作動状態を制御するようにした場合には、低外気温領域のときに第2空気通路側のエバ後温度が第2所定温度より低下してもエバポレータの作動が継続されることになるので、第2空気通路側のエバポレータが着霜(フロスト)するという可能性がある。したがって、第2空気通路側のエバポレータを通過する空気の抵抗(通風抵抗)が大きくなり、窓ガラスの内面に向けて吹き出す空気量が減少するので窓ガラスの防曇性能が低下するという問題が生じる。
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、冷却度合検出手段の好ましい配置位置を明確にすることにより、低外気温領域のときの除湿性能の低下または冷却用熱交換器の着霜を防止することのできる車両用空気調和装置の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、空調ケースの第1空気通路内に第1冷却度合検出手段を配置し、第2空気通路内に第2冷却度合検出手段を配置することにより、第1空気通路側の空気冷却度合と第2空気通路側の空気冷却度合との両方の空気冷却度合を温度で検出できるようになる。それによって、第1空気通路側の空気冷却度合または第2空気通路側の空気冷却度合のうち低温側の空気冷却度合を基準にして冷却用熱交換器の作動および停止を制御することができる。
【0012】
この結果、仮に第1空気通路内に吸い込まれる車室内空気の内気温度が外気温度よりも高く、且つ第2空気通路内に吸い込まれる車室外空気の外気温度が低外気温領域のときであっても、第2空気通路側にのみ冷却度合検出手段を設けたものと比較して、冷却用熱交換器の作動が停止し難くなり、車室内空気の除湿性能の低下を抑えることができる。また、第1空気通路側にのみ冷却度合検出手段を設けたものと比較して、冷却用熱交換器の作動が継続され難くなり、第2空気通路側の冷却用熱交換器の着霜を抑えることができる。
したがって、車室内に向けて吹き出す空気の湿度の上昇を抑えることができるので窓ガラスの内面が曇り難くなり、車室内に向けて吹き出す空気量の減少を抑えることができるので窓ガラスの防曇性能の低下を抑えることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、仮に第1吸込口から第1空気通路内に吸い込まれる車室内空気の内気温度が外気温度よりも高く、且つ第2吸込口から第2空気通路内に吸い込まれる車室外空気の外気温度が低外気温領域のときであっても、請求項1に記載の発明と同様に、車室内空気の除湿性能の低下を抑えることができ、且つ第2空気通路側の冷却用熱交換器の着霜を抑えることができる。
したがって、第1吹出口から車両の乗員の足元部に向けて吹き出す空気の湿度の上昇を抑えることができるので窓ガラスの内面が曇り難くなり、第2吹出口から窓ガラスに向けて吹き出す空気量の減少を抑えることができるので窓ガラスの防曇性能の低下を抑えることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、冷却用熱交換器を通過した直後の第1空気通路側の空気温度または冷却用熱交換器を通過した直後の第2空気通路側の空気温度のうち少なくとも一方の空気温度を基準にして冷却用熱交換器の作動状態を制御することができるので、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、冷却用熱交換器を通過した直後の第1空気通路側の空気温度または冷却用熱交換器を通過した直後の第2空気通路側の空気温度のうち低温側の空気温度が第1所定温度以上の時には、冷却用熱交換器を作動させる。また、冷却用熱交換器を通過した直後の第1空気通路側の空気温度または冷却用熱交換器を通過した直後の第2空気通路側の空気温度のうち低温側の空気温度が、第1所定温度よりも低い第2所定温度以下の時には、冷却用熱交換器の作動を停止させる。これにより、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、冷却用熱交換器を通過した直後の第1空気通路側の空気温度または冷却用熱交換器を通過した直後の第2空気通路側の空気温度のうち低温側の空気温度に高温側の空気温度の影響を加えた補正温度が第1所定温度以上の時には、冷却用熱交換器を作動させる。また、冷却用熱交換器を通過した直後の第1空気通路側の空気温度または冷却用熱交換器を通過した直後の第2空気通路側の空気温度のうち低温側の空気温度に高温側の空気温度の影響を加えた補正温度が第2所定温度以下の時には、冷却用熱交換器の作動を停止させる。これにより、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
請求項6に記載の発明によれば、空調ケースの第1空気通路内に第1冷却度合検出手段を配置し、第2空気通路内に第2冷却度合検出手段を配置することにより、第1空気通路側の空気冷却度合と第2空気通路側の空気冷却度合との両方の空気冷却度合を温度で検出できるようになる。それによって、第1空気通路側の空気冷却度合または第2空気通路側の空気冷却度合のうち高温側の空気冷却度合を基準にして冷却用熱交換器の作動および停止を制御することができる。これにより、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
請求項7に記載の発明によれば、第1冷却度合検出手段で検出した第1空気通路側の空気冷却度合または第2冷却度合検出手段で検出した第2空気通路側の空気冷却度合のうち、高温側の空気冷却度合が高温側第1設定値以上の時、あるいは低温側の空気冷却度合が低温側第1設定値以上の時には、冷却用熱交換器を作動させる。また、高温側の空気冷却度合が高温側第1設定値よりも低い高温側第2設定値以下の時、あるいは低温側の空気冷却度合が低温側第1設定値よりも低い低温側第2設定値以下の時には、冷却用熱交換器を停止させる。これにより、請求項1に記載の発明と同様な効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図9は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置の通風系の全体構成を示した図である。
【0018】
本実施形態の車両用空気調和装置は、例えばディーゼルエンジン(以下エンジンと略す)を搭載する車両の車室内を空調する空調ユニット1の各空調手段を、空調制御装置(以下ECUと言う)9によって制御することにより、車室内の温度を常に設定温度に保つよう自動コントロールするように構成されたオートエアコンである。
【0019】
先ず、空調ユニット1の構成を図1に基づいて説明する。
空調ユニット1は、図示上方が車両前方(エンジン側)、図示下方が車両後方(車室内側)、および図示左右方向が車両幅方向となるように、車両に搭載されており、車室内に空調空気を導く空気通路を成す空調ケース2を備える。この空調ケース2は、ポリプロピレン等の樹脂材料にて形成され、空気上流側から順に、内外気切替手段と送風機8とクーラユニットとヒータユニットとが結合されることで構成されている。なお、図1中破線X、Yはこれらの結合部位を示す。なお、内外気切替手段および送風機8については後述する。
【0020】
クーラユニット内には、車両に搭載された冷凍サイクル10の一構成を成すエバポレータ(冷媒蒸発器)15が設けられている。冷凍サイクル10は、自動車のエンジンの駆動力によって冷媒を圧縮するコンプレッサ(冷媒圧縮機)11と、圧縮された冷媒を凝縮液化させるコンデンサ(冷媒凝縮器)12と、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すレシーバ(気液分離器)13と、液冷媒を減圧膨張させるエキスパンションバルブ(膨張弁、減圧手段)14と、減圧膨張された冷媒を蒸発させる上記のエバポレータ15とから構成される。
【0021】
エバポレータ15は、本発明の冷却用熱交換器に相当する部品であって、後記する仕切り板20を貫通して空調ケース2の内部を全面塞ぐようにして配設され、自身を通過する空気を冷却する空気冷却作用および自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う。つまり、エバポレータ15は、後記する第1空気通路18内を流れる空気を冷却する第1冷却部と後記する第2空気通路19内を流れる空気を冷却する第2冷却部とから構成されている。
【0022】
また、コンプレッサ11には、エンジンからコンプレッサ11への回転動力の伝達を断続する電磁クラッチ16が連結されている。この電磁クラッチ16が通電された時に、エンジンの回転動力がコンプレッサ11に伝達されて、エバポレータ15による空気冷却作用が行われ、電磁クラッチ16の通電が停止した時に、エンジンとコンプレッサ11とが遮断され、エバポレータ15による空気冷却作用が停止される。
【0023】
ヒータユニット内には、エバポレータ15を通過した冷風を再加熱するヒータコア17が設けられている。このヒータコア17は、図2および図3に示したように、冷風がヒータコア17を迂回するバイパス通路18a、19aを形成するように配設されており、内部にエンジンを冷却した冷却水が流れ、この冷却水を暖房用熱源として冷風を再加熱する加熱用熱交換器である。また、ヒータコア17は、後記する仕切り板20を貫通して空調ケース2内において空調ケース2の幅方向または高さ方向を部分的に塞ぐように配設されており、後記する第1空気通路18内を流れる空気を加熱する第1加熱部と後記する第2空気通路19内を流れる空気を加熱する第2加熱部とから構成されている。
【0024】
ヒータコア17の空気上流側には、回転軸3a、4aが空調ケース2に対して回転自在に設けられている。そして、回転軸3a、4aには、板状の第1、第2エアミックスドア3、4が一体的に結合されている。また、回転軸3a、4aには、その駆動手段としてのサーボモータ39、40(図5参照)が連結されている。そして、サーボモータ39、40によって回転軸3a、4aが回転させられることによって、第1、第2エアミックスドア3、4は、図2および図3の実線位置から一点鎖線位置までの間で回動する。つまり、第1、第2エアミックスドア3、4は、その停止位置によって、ヒータコア17を通過する冷風量と第1、第2バイパス通路18a、19aを通過する温風量との割合を調節して、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調節する吹出温度調節手段として機能する。
【0025】
クーラユニットとヒータユニットとは、結合手段として例えば爪嵌合やねじ部材によって結合されている。そして、クーラユニットとヒータユニット内には、図1に示したように、略垂直方向に延在する仕切り板20によって、主に内気が流れる第1空気通路(内気通路)18と主に外気が流れる第2空気通路(外気通路)19とが区画形成されている。そして、エバポレータ15、ヒータコア17および回転軸3a、4aは、第1空気通路18と第2空気通路19とにまたがって配設されている。
【0026】
第1空気通路18は、後記する第1内気吸込口5aから吸い込まれた車室内空気(以下内気と言う)を、フット(FOOT)開口部2aを経てフット吹出口より車室内に吹き出す通風路である。第2空気通路19は、後記する外気吸込口5cから吸い込まれた車室外空気(以下外気と言う)を、デフロスタ(DEF)開口部2bとフェイス(FACE)開口部2cを経てデフロスタ吹出口、センタフェイス吹出口、サイドフェイス吹出口より車室内に吹き出す通風路である。
【0027】
仕切り板20は、本発明の仕切り部材に相当する部品で、空調ケース2の最下流よりやや上流側で且つヒータコア17の下流側の部位にて途切れており、この途切れた部分にて、第1空気通路18と第2空気通路19とを連通する連通孔20aが形成されている。なお、この連通孔20aは後記するフットドアにて開閉される。
【0028】
そして、空調ケース2の最下流端には、FOOT開口部2a、DEF開口部2bおよびFACE開口部2cが形成されている。そして、FOOT開口部2aには、フットダクト(図示せず)が接続されており、このフットダクトの最下流端であるフット吹出口(本発明の第1吹出口に相当する)から乗員の足元部に向けて主に温風が吹き出される。また、DEF開口部2bには、デフロスタダクト(図示せず)が接続されており、このデフロスタダクトの最下流端であるデフロスタ吹出口(本発明の第2吹出口に相当する)からフロントシールドガラスの内面に向けて主に温風が吹き出される。さらに、FACE開口部2cには、センタフェイスダクトとサイドフェイスダクト(いずれも図示せず)が接続されている。このうち、センタフェイスダクト内に導入された空調風は、センタフェイスダクトの最下流端であるセンタフェイス吹出口から乗員の頭胸部に向けて吹き出される。さらに、サイドフェイスダクト内に導入された空調風は、サイドフェイスダクトの最下流端であるサイドフェイス吹出口からサイドシールドガラスの内面に向けて吹き出される。
【0029】
そして、各開口部2a〜2cの上流側の部位には、フットドア21、デフロスタドア22およびフェイスドア23が設けられている。フットドア21はフットダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアであり、デフロスタドア22はデフロスタダクトへの空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアであり、フェイスドア23はセンタフェイスダクトへの空気流入通路への空気流入通路を開閉する吹出口切替ドアである。
【0030】
なお、これらのドア21〜23は、図示しないリンク機構にて連結されており、そのリンク機構は、その駆動手段としてのサーボモータ41(図5参照)によって駆動される。つまり、サーボモータ41がリンク機構を動かすことによって、後述する各吹出口モードが得られるように各ドア21〜23が動く。また、サイドフェイスダクトへの空気流入通路は、各ドア21〜23によっては開閉されない。サイドフェイス吹出口付近には、乗員が手動でサイドフェイス吹出口を開閉する図示しない吹出グリルが設けられており、サイドフェイスダクトへの空気流入通路はその吹出グリルによって開閉される。
【0031】
次に、内外気切替手段および送風機8の構成を図4に基づいて説明する。ここで、図4は図1の矢印C方向から見た概略透視図である。
内外気切替手段は、図4に示したように、空調ケース2内に少なくとも内気と外気の一方または両方を取り入れるためのものであり、空調ケース2の空気最上流を構成する内外気切替箱5と、この内外気切替箱5内に回動自在に取り付けられた第1、第2吸込口切替ドア6、7とから構成されている。内外気切替箱5の内部には、車室内に向かう空気流を発生する送風機8が配設されている。内外気切替箱5には、送風機8の第1吸込口8aに対応して第1内気吸込口(本発明の第1吸込口に相当する)5aが形成されており、送風機8の第2吸込口8bに対応して第2内気吸込口5bおよび外気吸込口(本発明の第2吸込口に相当する)5cが形成されている。
【0032】
第1吸込口切替ドア6は第1内気吸込口5aを開閉するドアで、第2吸込口切替ドア7は第2内気吸込口5bおよび外気吸込口5cを開閉するドアである。そして、第1、第2吸込口切替ドア6、7には、それぞれの駆動手段としてのサーボモータ42、43(図5参照)が連結されており、これらのサーボモータ42、43によってそれぞれ図中実線位置と一点鎖線位置との間で回動させられる。また、内外気切替箱5には、第2内気吸込口5bまたは外気吸込口5cと第1吸込口8aとを連通する連通路30が形成されている。そして、第1吸込口切替ドア6は、第1内気吸込口5aを全開したとき(図4の実線位置)に連通路30を全閉し、第1内気吸込口5aを全閉したとき(図4の一点鎖線位置)に連通路30を全開する。
【0033】
送風機8は、本発明の送風手段に相当する部品で、内外気切替箱5内のほぼ中央に配設されている。そして、送風機8は、第1ファン31、第2ファン32、およびこれらの第1、第2ファン31、32を回転駆動するブロワモータ33からなる。ここで、第1、第2ファン31、32は一体的に形成されており、第1ファン31の径よりも第2ファン32の径の方が大きい。そして、これらの第1、第2ファン31、32は、その空気吸込側がベルマウス形状を呈する第1、第2スクロールケーシング部34、35にそれぞれ収納されている。これらの第1、第2スクロールケーシング部34、35の各終端部(空気吹出側)は、それぞれ第1、第2空気通路18、19に連通している。また、第1、第2スクロールケーシング部34、35は仕切り部36を共用している。
【0034】
次に、本実施形態の制御系の構成を図5に基づいて説明する。ここで、図5は車両用空気調和装置の制御系を示したブロック図である。
空調ユニット1の各空調手段を制御するECU(本発明の空調制御手段に相当する)9には、車室内前面に設けられた操作パネル37上の各スイッチからのスイッチ信号が入力される。ここで、操作パネル37上の各スイッチとは、例えば冷凍サイクル10の起動および停止を指令するためのエアコンスイッチ50、車室内設定温度を乗員が設定するための温度設定スイッチ、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ、吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ、第1、第2ファン31、32の風量を切り替えるための風量切替スイッチ、各空調手段のオート制御を指令するためのオートスイッチ等である。
【0035】
なお、オート制御中であっても、エアコンスイッチ50、吸込口切替スイッチ、吹出口切替スイッチおよび風量切替スイッチからのスイッチ信号を優先して各空調手段を制御する。また、吸込口切替スイッチには、外気導入モードに固定するための外気導入スイッチ、および内気循環モードに固定するための内気循環スイッチがある。さらに、吹出口切替スイッチには、フェイス(FACE)モードに固定するためのフェイススイッチ、バイレベル(B/L)モードに固定するためのバイレベルスイッチ、フット(FOOT)モードに固定するためのフットスイッチ、フットデフ(F/D)モードに固定するためのフットデフスイッチ、およびデフロスタ(DEF)モードに固定するためのフェイススイッチがある。
【0036】
また、ECU9には、車室内の空気温度(内気温度)を検出する内気温センサ51、車室外の空気温度(外気温度)を検出する外気温センサ52、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ53、ヒータコア17に流入する冷却水温を検出する水温センサ54、エバポレータ15の直後の第1空気通路18側の空気冷却度合を検出する第1エバ後温度センサ55、およびエバポレータ15の直後の第2空気通路19側の空気冷却度合を検出する第2エバ後温度センサ56からの各センサ信号が入力される。
【0037】
このうち、第1エバ後温度センサ55は、本発明の第1冷却度合検出手段に相当する部品で、具体的にはエバポレータ15を通過した直後の第1空気通路18側の空気温度(第1エバ後温度、内気側エバ後温度)を検出するサーミスタ等の第1温度検出手段である。また、第2エバ後温度センサ56は、本発明の第2冷却度合検出手段に相当する部品で、具体的には第1エバ後温度センサ56と同様にエバポレータ15を通過した直後の第2空気通路19側の空気温度(第2エバ後温度、外気側エバ後温度)を検出するサーミスタ等の第2温度検出手段である。
【0038】
そして、ECU9の内部には、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、上記各センサ51〜56からの信号は、ECU9内の図示しない入力回路によってA/D変換された後、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。なお、ECU9は、自動車のエンジンの図示しないイグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリーから電源が供給される。
【0039】
次に、本実施形態のマイクロコンピュータの制御処理を図6ないし図9に基づいて説明する。ここで、図6はマイクロコンピュータによる制御処理を示したフローチャートである。
【0040】
先ず、イグニッションスイッチがON(オン)されてECU9に電源が供給されると、図6のルーチンが起動され、各イニシャライズおよび初期設定を行う(ステップS1)。続いて、温度設定スイッチにて設定された設定温度を読み込む(ステップS2)。続いて、内気温センサ51、外気温センサ52、日射センサ53、水温センサ54および第1、第2エバ後温度センサ55、56からの各センサ信号をA/D変換した信号を読み込む(ステップS3)。
【0041】
続いて、予めROMに記憶された下記の数1の式に基づいて車室内に吹き出す空気の目標吹出温度(TAO)を算出する(ステップS4)。
【数1】
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
なお、Tsetは温度設定スイッチによる設定温度、Trは内気温センサ51で検出した内気温度、Tamは外気温センサ52で検出した外気温度、およびTsは日射センサ53で検出した日射量である。また、Kset、Kr、KamおよびKsはゲインで、Cは補正用の定数である。
【0042】
続いて、予めROMに記憶された図示しない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に対応するブロワ電圧(ブロワモータ33に印加する電圧)を決定する(ステップS5)。続いて、予めROMに記憶された図示しない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)に対応する吹出口モードを決定する(ステップS6)。ここで、吹出口モードの決定においては、目標吹出温度(TAO)が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードとなるように決定される。
【0043】
なお、FACEモードとは、フットドア21を図1の一点鎖線位置、デフロスタドア22を実線位置、フェイスドア23を一点鎖線位置に設定して、空調風を車室内の乗員の頭胸部に向けて吹き出すモードである。また、B/Lモードとは、フットドア21、デフロスタドア22を図1の実線位置、フェイスドア23を一点鎖線位置に設定して、空調風を車室内の乗員の頭胸部および足元部に向けて吹き出すモードである。
【0044】
そして、FOOTモードとは、フットドア21、フェイスドア23を図1の実線位置、デフロスタドア22をDEF開口部2bを若干量開く位置に設定して、空調風の約8割を車室内の乗員の足元部に向けて吹き出し、空調風の約2割をフロントシールドガラスの内面に向けて吹き出すモードである。また、F/Dモードとは、フットドア21を図1の実線位置、デフロスタドア22を一点鎖線位置、フェイスドア23を実線位置に設定して、空調風を乗員の足元部とフロントシールドガラスの内面に同量ずつ吹き出すモードである。
【0045】
なお、本実施形態では、操作パネル37上に設けられたデフロスタスイッチを操作すると、フットドア21、デフロスタドア22を図1の実線位置、デフェイスドア23を実線位置に設定して、空調風をフロントシールドガラスの内面に向けて吹き出すDEFモードも設定される。また、いずれの吹出口モードにおいても、サイドフェイス吹出口は吹出グリルにて開閉可能である。
【0046】
続いて、図9に示すサブルーチンがコールされ、フロスト制御を行う。具体的には、エバ後温度TEに基づいてコンプレッサ11の作動および停止を制御する(フロスト制御手段:ステップS7)。続いて、予めROMに記憶された下記の数2の式に基づいて第1、第2エアミックスドア3、4の目標ドア開度(SW)を算出する(ステップS8)。
【数2】
SW={(TAO−TE)/(TW−TE)}×100(%)
なお、TEは後記する図9のステップS32、S33、S36、S38で決定したエバ後温度(補正温度)およびTWは水温センサ54で検出した冷却水温である。
【0047】
また、SW≦0(%)として算出されたときは、第1、第2エアミックスドア3、4は、エバポレータ15からの冷風の全てを第1、第2バイパス通路18a、19aへ通す位置(MAXCOOL位置)に制御される。さらに、SW≧100(%)として算出されたときは、第1、第2エアミックスドア3、4は、エバポレータ15からの冷風の全てをヒータコア17へ通す位置(MAXHOT位置)に制御される。そして、0(%)<SW<100(%)として算出されたときは、第1、第2エアミックスドア3、4は、エバポレータ15からの冷風をヒータコア17および第1、第2バイパス通路18a、19aの両方へ通す位置に制御される。
【0048】
続いて、吸込口モード決定の制御処理を行う。つまり、図7に示すサブルーチンがコールされ、第1、第2吸込口切替ドア6、7の設定位置を決定する(ステップS9)。続いて、各ステップS5〜ステップS9にて算出または決定した各制御状態が得られるように、ブロワモータ33およびサーボモータ39〜43に対して制御信号を出力する(ステップS10)。そして、ステップS11で、制御サイクル時間であるτ(例えば0.5秒間〜2.5秒間)の経過を待ってステップS2の処理に戻る。
【0049】
次に、吸込口モード決定の制御処理を図7に基づいて説明する。ここで、図7は吸込口モード決定の制御処理を示したフローチャートである。
先ず、予めROMに記憶された図8の特性図(マップ)から吸込口モードを決定する(ステップS20)。続いて、ステップS20にて決定した吸込口モードが外気導入モードであるか否かを判定する(吸込口モード判定手段:ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、すなわち、吸込口モードが内気循環モードに決定している場合には、第1吸込口切替ドア6を図4の実線位置、第2吸込口切替ドア7を一点鎖線位置に設定する。つまり、このときには、第1空気通路18および第2空気通路19内に、共に内気が導入される内気循環モードに制御されるよう吸込口モードを決定する(ステップS22)。その後にこのサブルーチンを抜ける。
【0050】
また、ステップS21の判定結果がYESの場合には、図6のステップS6で決定された吹出口モードが、FOOTモードまたはF/Dモードのいずれかであるか否かを判定する。つまり、車室内の暖房とフロントシールドガラスの防曇の両方を行う吹出口モードであるか否かを判定する(吹出口モード判定手段:ステップS23)。この判定結果がNOの場合には、第1吸込口切替ドア6を図4の一点鎖線位置、第2吸込口切替ドア7を実線位置に設定する。つまり、このときには、第1空気通路18および第2空気通路19内に、共に外気が導入される外気導入モードに制御されるよう吸込口モードを決定する(ステップS24)。その後にこのサブルーチンを抜ける。
【0051】
また、ステップS23の判定結果がYESの場合には、車室内の空調状態(暖房状態)がMAXHOT付近であるか否かを判定する。具体的には、図6のステップS7で決定された第1、第2エアミックスドア3、4の目標ドア開度(SW)が80(%)以上か否かを判定する。つまり、第1、第2エアミックスドア3、4が、エバポレータ15からの冷風のほとんどをヒータコア17へ通す位置(MAXHOT位置)付近に制御されるか否かを判定する(最大暖房判定手段:ステップS25)。この判定結果がNOの場合には、ステップS24の処理に移って、第1空気通路18および第2空気通路19内に、共に外気が導入される外気導入モードに制御されるよう吸込口モードを決定する。
【0052】
また、ステップS25の判定結果がYESの場合には、目標吹出温度(TAO)に対して暖房能力が不足しているということであり、第1、第2吸込口切替ドア6、7を図4の実線位置に設定する。つまり、第1空気通路18内に内気を導入し、第2空気通路19内に外気を導入する内外気2層モードに制御されるよう吸込口モードを決定する(ステップS26)。その後にこのサブルーチンを抜ける。
【0053】
次に、フロスト制御の制御処理を図9に基づいて説明する。ここで、図9はフロスト制御の制御処理を示したフローチャートである。
先ず、吸込口モードが内外気2層モードに制御されているか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果がNOの場合には、吸込口モードが外気導入モードに制御されているか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果がNOの場合には、吸込口モードが内気循環モードに制御されているので、第1エバ後温度センサ55で検出した第1エバ後温度と第2エバ後温度センサ56で検出した第2エバ後温度とは一致する。このため、例えば第1エバ後温度センサ55で検出した第1エバ後温度TEinをエバ後温度TEとして決定する(ステップS32)。
【0054】
また、ステップS31の判定結果がYESの場合には、吸込口モードが外気導入モードに制御されているので、第1エバ後温度センサ55で検出した第1エバ後温度と第2エバ後温度センサ56で検出した第2エバ後温度とは一致する。このため、例えば第2エバ後温度センサ56で検出した第2エバ後温度TEoutをエバ後温度TEとして決定する(ステップS33)。
【0055】
また、ステップS30の判定結果がYESの場合には、第1エバ後温度センサ55で検出した第1エバ後温度TEinが第2エバ後温度センサ56で検出した第2エバ後温度TEout以上の高温か否かを判定する(低温側判定手段:ステップS34)。この判定結果がNOの場合、つまり第1エバ後温度TEinが第2エバ後温度TEoutよりも低温の場合には、第1エバ後温度TEinをエバ後温度TE1として読み込む(ステップS35)。
【0056】
続いて、ステップS35で読み込んだエバ後温度TE1に第2エバ後温度TEoutの影響を加えて補正した補正値をエバ後温度(補正温度)TEとして決定する(エバ後温度補正手段:ステップS36)。具体的には、下記の数3の式に基づいてエバ後温度TEを算出する。
【数3】
TE=TE1+KEout×TEout+C1
なお、KEoutはゲインで、C1は補正用の定数である。
【0057】
また、ステップS34の判定結果がYESの場合、つまり第2エバ後温度TEoutが第1エバ後温度TEin以下の低温の場合には、第2エバ後温度TEoutをエバ後温度TE2として読み込む(ステップS37)。続いて、ステップS37で読み込んだエバ後温度TE2に第1エバ後温度TEinの影響を加えて補正した補正値をエバ後温度(補正温度)TEとして決定する(エバ後温度補正手段:ステップS38)。具体的には、下記の数4の式に基づいてエバ後温度TEを算出する。
【数4】
TE=TE2+KEin×TEin+C2
なお、KEinはゲインで、C2は補正用の定数である。
【0058】
続いて、予めROMに記憶された特性図(マップ)を用いてコンプレッサ11のON/OFFを決定する(ステップS39)。具体的には、ステップS32、S33、S36、S38で決定したエバ後温度TEが第1所定温度(本実施形態では4℃)以上のときには、コンプレッサ11が起動(ON)するように電磁クラッチ16を通電制御して冷凍サイクル10を作動させる。つまり、エバポレータ15を作動(空気冷却作用)させる。また、ステップS32、S33、S36、S38で決定したエバ後温度TEが第2所定温度(本実施形態では3℃)以下のときには、コンプレッサ11の作動が停止(OFF)するように電磁クラッチ16を通電制御して冷凍サイクル10の作動を停止する。つまり、エバポレータ15の空気冷却作用を停止させる。
【0059】
〔第1実施形態の作用〕
次に、吸込口モードが内外気2層モードで、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードの時の空調ユニット1の各空調手段の作用を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。
【0060】
吸込口モードが外気導入モードに決定され、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードに決定され、車室内の空調状態がMAXHOT付近のときには、第1、第2吸込口切替ドア6、7が図4の実線位置に移動し、フットドア21が図1の実線位置、デフロスタドア22が一点鎖線位置、フェイスドア23を実線位置に移動して吸込口モードが内外気2層モードとなるように制御される。
【0061】
したがって、車室内に存する内気は、送風機8の第1ファン31の回転によって第1内気吸込口5aから内外気切替箱5内に吸い込まれ、さらに送風機8の第1吸込口8aを通り第1スクロールケーシング部34内に吸い込まれる。そして、内気は、空調ダクト2の第1空気通路18内に侵入してエバポレータ15の第1冷却部を通過する。そして、内気は、第1冷却部を通過する際に冷却されて冷風となった後、第1エバ後温度センサ55でその温度が検出され、さらにヒータコア17の第1加熱部を通過する。そして、冷風は、第1加熱部を通過する際に再加熱されて温風となった後に、FOOT開口部2aからフットダクト内に侵入して、FOOT吹出口から車両の乗員の足元部に向けて吹き出される。これにより、既に温められている内気にて車室内を暖房することになるので暖房性能に優れる。
【0062】
一方、車室外に存する外気は、第2ファン32の回転によって外気吸込口5cから内外気切替箱5内に吸い込まれ、さらに第2吸込口8bを通り第2スクロールケーシング部35内に吸い込まれる。そして、外気は、空調ダクト2の第2空気通路19内に侵入してエバポレータ15の第2冷却部を通過する。そして、外気は、第2冷却部を通過する際に冷却されて冷風となった後、第2エバ後温度センサ56でその温度が検出され、さらにヒータコア17の第2加熱部を通過する。そして、冷風は、第2加熱部を通過する際に再加熱されて温風となった後に、DEF開口部2bからデフロスタダクト内に侵入して、DEF吹出口から車両の乗員の足元部に向けて吹き出される。これにより、低湿度の外気がフロントシールドガラスの内面に吹き出すことになるのでフロントシールドガラスの防曇性能に優れる。
【0063】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態では、第1、第2エバ後温度センサ55、56をそれぞれ第1、第2空気通路18、19内に配置して、吸込口モードが内外気2層モードに制御されているとき、エバポレータ15の第1冷却部の下流直後の第1エバ後温度TE1とエバポレータ15の第2冷却部の下流直後の第2エバ後温度TE2とのうち低温側のエバ後温度に、高温側のエバ後温度を考慮した値を加えた補正温度をエバ後温度TEとして算出し、その算出したエバ後温度TEを基準にしてフロスト制御を行うようにしている。
【0064】
したがって、本実施形態のフロスト制御の制御処理では、第1空気通路18内に吸い込まれる内気の吸入温度が、第2空気通路19内に吸い込まれる外気の吸入温度よりも低い低温の場合には、内気側の温度である第1エバ後温度TE1に関連するエバ後温度TEを用いてコンプレッサ11のON/OFFを決定することにより、低温側のエバポレータ15の第1冷却部がフロストする前にエバポレータ15の作動が停止するので、エバポレータ15の第1冷却部がフロストすることはない。そして、エバ後温度TEが外気側の温度である第2エバ後温度TE2を考慮した補正温度であるため、10℃以下の低外気温領域であっても、第2エバ後温度TE2が第2所定温度に近い値でエバポレータ15の作動が停止することになるので、エバポレータ15の第2冷却部の除湿性能、つまり外気の除湿性能が低下することを抑えることもできる。
【0065】
また、第2空気通路19内に吸い込まれる外気の吸入温度が、第1空気通路18内に吸い込まれる内気の吸入温度以下の低温の場合には、外気側の温度である第2エバ後温度TE2に関連するエバ後温度TEを用いてコンプレッサ11のON/OFFを決定することにより、低温側のエバポレータ15の第2冷却部がフロストする前にエバポレータ15の作動が停止するので、エバポレータ15の第2冷却部がフロストすることはない。そして、エバ後温度TEが内気側の温度である第1エバ後温度TE1を考慮した補正温度であるため、10℃以下の低外気温領域であっても、第1エバ後温度TE1が第2所定温度に近い値でエバポレータ15の作動が停止することになるので、エバポレータ15の第1冷却部の除湿性能、つまり内気の除湿性能の低下を抑えることもできる。
【0066】
以上のように、本実施形態の空調ユニット1では、第1空気通路(内気通路)18側または第2空気通路(外気通路)19側のいずれか一方のみのエバ後温度を検出するものと比較して、外気温度が高温となる夏と外気温度が低温となる冬との吸込空気の変動を受け難いフロスト防止効果優先のフロスト制御を行うことができる。具体的には、第1空気通路18側にのみエバ後温度センサを設けた空調ユニットと比較して、第2空気通路19側の第2冷却部のフロストによる目詰まりを抑えることができる。これにより、DEF吹出口からフロントシールドガラスに向けて吹き出す空気量の減少を抑えることができるので、フロントシールドガラスの防曇性能の低下を抑えることができる。
【0067】
また、第2空気通路19側にのみエバ後温度センサを設けた空調ユニットと比較して、FOOT吹出口から乗員の足元部に向けて吹き出す空気の除湿性能の低下を抑えることができる。これにより、内気の湿度の上昇を抑えることができるので、フロントシールドガラス、サイドシールドガラスやその他のシールドガラスの内面が曇り難くなる。
【0068】
さらに、第1エバ後温度センサ55で検出したエバポレータ15の第1冷却部の下流直後の第1エバ後温度TE1と第2エバ後温度センサ56で検出したエバポレータ15の第2冷却部の下流直後の第2エバ後温度TE2とを用いて、第1、第2エアミックスドア3、4の目標ドア開度をそれぞれ演算することにより、DEF吹出口からフロントシールドガラスに向けて吹き出す空気の吹出温度とFOOT吹出口から乗員の足元部に向けて吹き出す空気の吹出温度とを適切に調節することもできる。
【0069】
〔第2実施形態の構成〕
図10は本発明の第2実施形態を示したもので、図10はフロスト制御の制御処理を示したフローチャートである。
【0070】
本実施形態では、第1実施形態がフロスト防止効果優先のフロスト制御を行っているのに対して、除湿性能低下防止効果を優先するフロスト制御を行っている。具体的には、以下の制御処理を行う。なお、ステップS40〜S43、S49は、図9のステップS30〜S33、S39と同様な制御処理のため説明を省略する。
【0071】
吸込口モードが内外気2層モードに制御されている(ステップS40の判定結果がYES)の場合には、第1エバ後温度センサ55で検出した第1エバ後温度TEinが第2エバ後温度センサ56で検出した第2エバ後温度TEout以上の高温か否かを判定する(高温側判定手段:ステップS44)。この判定結果がYESの場合、つまり第1エバ後温度TEinが第2エバ後温度TEout以上の高温の場合には、第1エバ後温度TEinをエバ後温度TE1として読み込む(ステップS45)。
【0072】
続いて、ステップS45で読み込んだエバ後温度TE1に第2エバ後温度TEoutの影響を加えて補正した補正値をエバ後温度(補正温度)TEとして決定する(エバ後温度補正手段:ステップS46)。具体的には、下記の数5の式に基づいてエバ後温度TEを算出する。その後にステップS49の制御処理を行う。
【数5】
TE=TE1−KEout×TEout+C1
なお、KEoutはゲインで、C1は補正用の定数である。
【0073】
また、ステップS44の判定結果がNOの場合、つまり第2エバ後温度TEoutが第1エバ後温度TEinよりも高温の場合には、第2エバ後温度TEoutをエバ後温度TE2として読み込む(ステップS47)。続いて、ステップS47で読み込んだエバ後温度TE2に第1エバ後温度TEinの影響を加えて補正した補正値をエバ後温度(補正温度)TEとして決定する(エバ後温度補正手段:ステップS48)。具体的には、下記の数6の式に基づいてエバ後温度TEを算出する。その後にステップS49の制御処理を行う。
【数6】
TE=TE2−KEin×TEin+C2
なお、KEinはゲインで、C2は補正用の定数である。
【0074】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態では、第1、第2エバ後温度センサ55、56をそれぞれ第1、第2空気通路18、19内に配置して、吸込口モードが内外気2層モードに制御されているとき、エバポレータ15の第1冷却部の下流直後の第1エバ後温度TE1とエバポレータ15の第2冷却部の下流直後の第2エバ後温度TE2とのうち高温側のエバ後温度に、低温側のエバ後温度を考慮した値を加えた補正温度をエバ後温度TEとして算出し、その算出したエバ後温度TEを基準にしてフロスト制御を行うようにしている。
【0075】
したがって、本実施形態のフロスト制御の制御処理では、第1空気通路18内に吸い込まれる内気の吸入温度が、第2空気通路19内に吸い込まれる外気の吸入温度以上の高温の場合には、内気側の温度である第1エバ後温度TE1に関連するエバ後温度TEを用いてコンプレッサ11のON/OFFを決定することにより、10℃以下の低外気温領域であっても、第1エバ後温度TE1が第2所定温度に近い値でエバポレータ15の作動が停止することになるので、エバポレータ15の第1冷却部の除湿性能、つまり内気の除湿性能が低下することを抑えることができる。そして、エバ後温度TEが外気側の温度である第2エバ後温度TE2を考慮した補正温度であるため、10℃以下の低外気温領域であっても、低温側のエバポレータ15の第2冷却部のフロストを抑えることもできる。
【0076】
また、第2空気通路19内に吸い込まれる外気の吸入温度が、第1空気通路18内に吸い込まれる内気の吸入温度よりも高温の場合には、外気側の温度である第2エバ後温度TE2に第1エバ後温度TE1を考慮した補正温度であるエバ後温度TEを用いてコンプレッサ11のON/OFFを決定することにより、10℃以下の低外気温領域であっても、第1エバ後温度TE1が第2所定温度に近い値でエバポレータ15の作動が停止することになるので、低温側のエバポレータ15の第2冷却部がフロストする前にエバポレータ15の作動が停止するので、エバポレータ15の第2冷却部がフロストすることはない。
【0077】
〔第3実施形態〕
図11は本発明の第3実施形態を示したもので、図11はフロスト制御の制御処理を示したフローチャートである。
【0078】
本実施形態では、以下の制御処理を行う。なお、ステップS50〜S53、S59は、図9のステップS30〜S33、S39と同様な制御処理のため説明を省略する。吸込口モードが内外気2層モードに制御されている(ステップS50の判定結果がYES)の場合には、第1エバ後温度センサ55で検出した第1エバ後温度TEinが第2エバ後温度センサ56で検出した第2エバ後温度TEout以上の高温か否かを判定する(高低温側判定手段:ステップS54)。この判定結果がYESの場合、つまり第1エバ後温度TEinが第2エバ後温度TEout以上の高温の場合には、第1エバ後温度TEinを高温側のエバ後温度TEHとし、第2エバ後温度TEoutを低温側のエバ後温度TELとして読み込む(ステップS55)。
【0079】
また、ステップS54の判定結果がNOの場合には、つまり第2エバ後温度TEoutが第1エバ後温度TEinよりも高温の場合には、第2エバ後温度TEoutを高温側のエバ後温度TEHとし、第1エバ後温度TEinを低温側のエバ後温度TELとして読み込む(ステップS56)。
【0080】
続いて、予めROMに記憶されていた第1所定温度と第2所定温度とを読み込む。具体的には、第1所定温度として高温側の第1設定値TEH0(例えば11℃)および低温側の第1設定値TEL0(例えば4℃)を読み込み、第2所定温度として高温側の第2設定値TEH0(例えば10℃)および低温側の第2設定値TEL0(例えば3℃)を読み込む(ステップS57)。
【0081】
予めROMに記憶された特性図(マップ)を用いてコンプレッサ11のON/OFFを決定する(ステップS58)。具体的には、高温側のエバ後温度TEHが高温側の第1設定値(例えば11℃)TEH0以上のとき、あるいは低温側のエバ後温度TELが低温側の第1設定値(例えば4℃)TEL0以上のときには、コンプレッサ11が起動(ON)するように電磁クラッチ16を通電制御して冷凍サイクル10を作動させる。つまり、エバポレータ15を作動(空気冷却作用)させる。
【0082】
また、高温側のエバ後温度TEHが第2設定値(例えば10℃)TEH0以下のとき、あるいは低温側のエバ後温度TELが第2設定値(例えば3℃)TEL0以下のときには、コンプレッサ11の作動が停止(OFF)するように電磁クラッチ16を通電制御して冷凍サイクル10の作動を停止する。つまり、エバポレータ15の空気冷却作用を停止させる。
【0083】
本実施形態では、フロスト制御時に以上の制御処理を行うことにより、エバ後温度が高温側の空気通路のみにエバ後温度を設けた空調ユニットに対して、本実施形態の空調ユニット1はエバ後温度が低温側の空気通路のエバポレータ15のフロストの可能性を回避できる。また、エバ後温度が低温側の空気通路のみにエバ後温度を設けた空調ユニットに対して、本実施形態の空調ユニット1は低外気温領域であってもエバ後温度が高温側の空気通路内を流れる空気の除湿性能の低下を抑えることができる。
【0084】
〔第4実施形態〕
図12は本発明の第4実施形態を示したもので、図12はエアミックスドア開度決定の制御処理を示したフローチャートである。
【0085】
第1実施形態の図6のステップS8のエアミックスドア開度決定の制御処理に対して次の制御処理を行う。本実施形態では、予めROMに記憶された下記の数7の式に基づいて第1エアミックスドア3の目標ドア開度(SW1)を算出する(ステップS60)。
【数7】
SW1={(TAO−TE1)/(TW−TE1)}×100(%)
なお、TE1は第1エバ後温度センサ55で検出した、エバポレータ15の下流直後の第1空気通路18内の空気温度である第1エバ後温度(実測値)およびTWは水温センサ54で検出した冷却水温である。
【0086】
続いて、予めROMに記憶された下記の数8の式に基づいて第2エアミックスドア4の目標ドア開度(SW2)を算出する(ステップS61)。
【数8】
SW2={(TAO−TE2)/(TW−TE2)}×100(%)
なお、TE2は第2エバ後温度センサ56で検出した、エバポレータ15の下流直後の第2空気通路19内の空気温度である第1エバ後温度(実測値)およびTWは水温センサ54で検出した冷却水温である。
【0087】
本実施形態では、第1エバ後温度センサ55にてエバポレータ15の第1冷却部の下流直後の第1エバ後温度TE1を検出し、第2エバ後温度センサ56にてエバポレータ15の第2冷却部の下流直後の第2エバ後温度TE2を検出しているので、2つのエバ後温度を用いて、第1、第2エアミックスドア3、4の目標ドア開度をそれぞれ演算することにより、DEF吹出口からフロントシールドガラスに向けて吹き出す空気の吹出温度とFOOT吹出口から乗員の足元部に向けて吹き出す空気の吹出温度とを適切な上下温度差(例えば10℃〜15℃)に調節するようにしている。ここで、一般に空調ケース2の形状や各ドア21〜23の開度によって、上部吹出口(DEF吹出口またはFACE吹出口)から吹き出す空気の吹出温度よりも下部吹出口(FOOT吹出口)から吹き出す空気の吹出温度を例えば10℃〜15℃程度高温にするようにしている。
【0088】
なお、吸込口モードが内外気2層モードのときに、目標吹出温度(TAO)も第1空気通路18を通ってFOOT吹出口から吹き出される空気の目標吹出温度(TAO1)と第2空気通路19を通ってDEF吹出口から吹き出される空気の目標吹出温度(TAO2)とを求めて、DEF吹出口からフロントシールドガラスに向けて吹き出す空気の吹出温度とFOOT吹出口から乗員の足元部に向けて吹き出す空気の吹出温度とを適切な上下温度差(例えば10℃〜15℃)になるように第1、第2エアミックスドア3、4の目標ドア開度を制御しても良い。
【0089】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、冷却用熱交換器として冷凍サイクル10のエバポレータ15を使用し、加熱用熱交換器としてヒータコア17を使用したが、冷却用熱交換器としてペルチェ素子等の空気冷却部品を組み込んだ熱交換器を使用し、または加熱用熱交換器として電気ヒータ等の空気加熱部品を組み込んだ熱交換器を使用しても良い。
【0090】
本実施形態では、第1、第2冷却度合検出手段としてエバポレータ15を通過した直後の空気温度を検出する第1、第2エバ後温度センサ55、56を使用したが、第1、第2冷却度合検出手段としてエバポレータ15のフィン温度を検出する第1、第2温度センサや第1、第2スイッチを使用しても良い。また、第1、第2冷却度合検出手段として冷凍サイクル10の低圧圧力を検出する第1、第2冷媒圧力検出手段(冷媒圧力センサ、冷媒圧力スイッチ)を使用しても良い。
【0091】
本実施形態では、オート制御時に、吸込口モードが外気導入モードに決定され、吹出口モードがFOOTモードまたはF/Dモードに決定され、MAXHOTTに決定されたときに、第1、第2吸込口切替ドア6、7を内外気2層モードとなるように動かしたが、マニュアル制御時に、外気導入スイッチがONされ、フットスイッチまたはフットデフスイッチがONされ、温度設定レバー等の操作レバーによって車室内の暖房状態が最大暖房状態(MAXHOT付近)に設定されたときに、第1、第2吸込口切替ドア6、7を内外気2層モードとなるように動かしても良い。
【0092】
本実施形態では、MAXHOT付近、つまり目標ドア開度(SW)が80%以上に決定されたときに吸込口モードを内外気2層モードに決定する制御を行ったが、MAXHOT、つまり目標ドア開度(SW)が100%以上に決定されたときに吸込口モードを内外気2層モードに決定する制御を行っても良い。また、吸込口モード決定の制御処理において、目標吹出温度(TAO)の値を基準にして、内気循環モード、外気導入モードおよび内外気2層モードのいずれかに決定する制御処理を行っても良い。さらに、強制的に吸込口モードを内外気2層モードに固定する吸込口切替スイッチを設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の通風系の全体構成を示した構成図である(第1実施形態)。
【図2】図1のA−A断面図である(第1実施形態)。
【図3】図1のB−B断面図である(第1実施形態)。
【図4】図1の矢印C方向から見た概略透視図である(第1実施形態)。
【図5】車両用空気調和装置の制御系を示したブロック図である(第1実施形態)。
【図6】マイクロコンピュータによる制御処理を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図7】図6の吸込口モード決定の制御処理を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図8】吸込口モードと目標吹出温度との関係を示した特性図である(第1実施形態)。
【図9】図6のフロスト制御の制御処理を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図10】図6のフロスト制御の制御処理を示したフローチャートである(第2実施形態)。
【図11】図6のフロスト制御の制御処理を示したフローチャートである(第3実施形態)。
【図12】図6のエアミックスドア開度決定の制御処理を示したフローチャートである(第4実施形態)。
【図13】第1空気通路側に温度検出手段を設けた場合の実験データである。
【図14】第2空気通路側に温度検出手段を設けた場合の実験データである。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ケース
3 第1エアミックスドア
4 第2エアミックスドア
5 内外気切替箱
6 第1吸込口切替ドア
7 第2吸込口切替ドア
8 送風機(送風手段)
9 ECU(空調制御手段)
10 冷凍サイクル
15 エバポレータ(冷却用熱交換器)
17 ヒータコア
18 第1空気通路
19 第2空気通路
20 仕切り板(仕切り部材)
55 第1エバ後温度センサ(第1冷却度合検出手段、第1温度検出手段)
56 第2エバ後温度センサ(第2冷却度合検出手段、第1温度検出手段)
2a FOOT開口部
2b DEF開口部
2c FACE開口部
5a 第1内気吸込口(第1吸込口)
5b 第2内気吸込口
5c 外気吸込口(第2吸込口)

Claims (7)

  1. (a)車室内に空気を送るための空調ケースと、
    (b)この空調ケース内において車室内へ向かう空気流を発生させる送風手段と、
    (c)前記空調ケース内において空気の流れ方向に沿って設けられ、前記空調ケースの内部を、主に車室内空気が流れる第1空気通路と主に車室外空気が流れる第2空気通路とに区画形成する仕切り部材と、
    (d)前記第1空気通路内および前記第2空気通路内を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器と、
    (e)前記第1空気通路内に設けられ、前記冷却用熱交換器による前記第1空気通路側の空気冷却度合を温度で検出する第1冷却度合検出手段と、
    (f)前記第2空気通路内に設けられ、前記冷却用熱交換器による前記第2空気通路側の空気冷却度合を温度で検出する第2冷却度合検出手段と、
    (g)前記第1冷却度合検出手段で検出した前記第1空気通路側の空気冷却度合または前記第2冷却度合検出手段で検出した前記第2空気通路側の空気冷却度合のうち低温側の空気冷却度合に応じて、前記冷却用熱交換器の作動状態を制御する空調制御手段と
    を備えた車両用空気調和装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
    前記第1空気通路は、第1吸込口から吸い込まれた車室内空気を第1吹出口より車両の乗員の足元部に向けて吹き出させるための通風路であり、
    前記第2空気通路は、第2吸込口から吸い込まれた車室外空気を第2吹出口より窓ガラスに向けて吹き出させるための通風路であることを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用空気調和装置において、
    前記第1冷却度合検出手段は、前記冷却用熱交換器を通過した直後の前記第1空気通路側の空気温度を検出する第1温度検出手段であり、
    前記第2冷却度合検出手段は、前記冷却用熱交換器を通過した直後の前記第2空気通路側の空気温度を検出する第2温度検出手段であることを特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 請求項3に記載の車両用空気調和装置において、
    前記空調制御手段は、前記第1温度検出手段で検出した第1空気通路側の空気温度または前記第2温度検出手段で検出した第2空気通路側の空気温度のうち低温側の空気温度が第1所定温度以上の時に前記冷却用熱交換器を作動させ、前記低温側の空気温度が、前記第1所定温度よりも低い第2所定温度以下の時に前記冷却用熱交換器の作動を停止させることを特徴とする車両用空気調和装置。
  5. 請求項4に記載の車両用空気調和装置において、
    前記空調制御手段は、前記第1温度検出手段で検出した第1空気通路側の空気温度または前記第2温度検出手段で検出した第2空気通路側の空気温度のうち低温側の空気温度に高温側の空気温度の影響を加えた補正温度が前記第1所定温度以上の時に前記冷却用熱交換器を作動させ、前記補正温度が前記第2所定温度以下の時に前記冷却用熱交換器の作動を停止させることを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. (a)車室内に空気を送るための空調ケースと、
    (b)この空調ケース内において車室内へ向かう空気流を発生させる送風手段と、
    (c)前記空調ケース内において空気の流れ方向に沿って設けられ、前記空調ケースの内部を、主に車室内空気が流れる第1空気通路と主に車室外空気が流れる第2空気通路とに区画形成する仕切り部材と、
    (d)前記第1空気通路内および前記第2空気通路内を流れる空気を冷却する冷却用熱 交換器と、
    (e)前記第1空気通路内に設けられ、前記冷却用熱交換器による前記第1空気通路側の空気冷却度合を温度で検出する第1冷却度合検出手段と、
    (f)前記第2空気通路内に設けられ、前記冷却用熱交換器による前記第2空気通路側の空気冷却度合を温度で検出する第2冷却度合検出手段と、
    (g)前記第1冷却度合検出手段で検出した前記第1空気通路側の空気冷却度合または前記第2冷却度合検出手段で検出した前記第2空気通路側の空気冷却度合のうち高温側の空気冷却度合に応じて、前記冷却用熱交換器の作動状態を制御する空調制御手段と
    を備えた車両用空気調和装置。
  7. (a)車室内に空気を送るための空調ケースと、
    (b)この空調ケース内において車室内へ向かう空気流を発生させる送風手段と、
    (c)前記空調ケース内において空気の流れ方向に沿って設けられ、前記空調ケースの内部を、主に車室内空気が流れる第1空気通路と主に車室外空気が流れる第2空気通路とに区画形成する仕切り部材と、
    (d)前記第1空気通路内および前記第2空気通路内を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器と、
    (e)前記第1空気通路内に設けられ、前記冷却用熱交換器による前記第1空気通路側の空気冷却度合を温度で検出する第1冷却度合検出手段と、
    (f)前記第2空気通路内に設けられ、前記冷却用熱交換器による前記第2空気通路側の空気冷却度合を温度で検出する第2冷却度合検出手段と、
    (g)前記第1冷却度合検出手段で検出した前記第1空気通路側の空気冷却度合または前記第2冷却度合検出手段で検出した前記第2空気通路側の空気冷却度合に応じて、前記冷却用熱交換器の作動状態を制御する空調制御手段と
    を備え、
    前記空調制御手段は、前記第1冷却度合検出手段で検出した前記第1空気通路側の空気冷却度合または前記第2冷却度合検出手段で検出した前記第2空気通路側の空気冷却度合のうち、高温側の空気冷却度合が高温側第1設定値以上の時、あるいは低温側の空気冷却度合が低温側第1設定値以上の時に、前記冷却用熱交換器を作動させ、
    前記高温側の空気冷却度合が前記高温側第1設定値よりも低い高温側第2設定値以下の時、あるいは前記低温側の空気冷却度合が前記低温側第1設定値よりも低い低温側第2設定値以下の時に、前記冷却用熱交換器を停止させることを特徴とする車両用空気調和装置。
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