JP3049940B2 - 車両用ヒートポンプ式冷暖房装置 - Google Patents

車両用ヒートポンプ式冷暖房装置

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JP3049940B2
JP3049940B2 JP4132376A JP13237692A JP3049940B2 JP 3049940 B2 JP3049940 B2 JP 3049940B2 JP 4132376 A JP4132376 A JP 4132376A JP 13237692 A JP13237692 A JP 13237692A JP 3049940 B2 JP3049940 B2 JP 3049940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンプレッサの駆動
により冷媒を車室外熱交換器及び車室内熱交換器に循環
させる蒸気圧縮サイクルを備えた車両用ヒートポンプ式
冷暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用ヒートポンプ式冷暖房装置
としては、特開平2−290475号公報や実開平2−
130808号公報などに開示されているように、四方
弁で冷媒の流れを暖房運転時と冷媒運転時とで逆転さ
せ、暖房運転時には、車室外熱交換器を吸熱器として使
用すると共に、車室内熱交換器を放熱器として使用し、
冷房運転時には、車室外熱交換器を放熱器として使用す
ると共に、車室内熱交換器を吸熱器として使用するもの
が知られている。
【0003】具体的には、上記特開平2−290475
号公報に開示された冷暖房装置を、図16に図示して説
明する。つまり、暖房運転時には、四方弁2が実線示の
ように切り換えられ、冷媒がコンプレッサ1→四方弁2
→第1車室内熱交換器3→加熱用熱交換器4→第2車室
内熱交換器5→膨張弁6→車室外熱交換器7→四方弁2
→レシーバ8→コンプレッサ1と循環し、第1車室内熱
交換器3がコンプレッサ1から吐出された高温なる冷媒
の熱をブロワファン9で導入された空気に放熱して車室
内暖房用の温風を作り、加熱用熱交換器4がエンジン1
0からの廃熱を冷媒に吸熱し、この冷媒の熱を第2車室
内熱交換器5がブロワファン11で導入された空気に放
熱して車室内暖房用の温風を作り、車室外熱交換器7が
ファン12で導入された外気の熱を冷媒に吸熱する。冷
房運転時には、四方弁2が点線示のように切り換えら
れ、冷媒がコンプレッサ1→車室外熱交換器7→膨張弁
6→第2車室内熱交換器5→第1車室内熱交換器3→四
方弁2→レシーバ8→コンプレッサ1と循環し、車室外
熱交換器7がコンプレッサ1から吐出された高温な冷媒
の熱を外気に放熱し、第1,第2車室内熱交換器3,5
がブロワファン9,11で導入された空気の熱を冷媒に
吸熱して車室内冷房用の冷風を作る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来例にあって
は、暖房運転時と冷媒運転時とで冷媒の流れを四方弁2
の切換えによって逆転させ、暖房運転時には、車室外熱
交換器7を吸熱器として使用すると共に、車室内熱交換
器3,5を放熱器として使用して車室内暖房用の温風を
作り、冷房運転時には、車室外熱交換器7を放熱器とし
て使用すると共に、車室内熱交換器3,5を吸熱器とし
て使用して車室内冷房用の冷風を作るようになっている
ので、外気温が低い時や走行時、あるいは降雨時、さら
に降雪時などのような気候条件において、暖房運転を行
うと、車室外熱交換器7での吸熱量が減少する。そし
て、コンプレッサ1の仕事量が一定であると仮定する
と、車室外熱交換器7からの吸熱量とコンプレッサ1の
仕事量との合計熱量を放熱する車室内熱交換器3,5で
の放熱量が減少し、暖房能力が低下する。しかも、上記
気候条件では、着霜現象を生じ易く、デフロスト運転の
回数が増加して安定した暖房運転が得られなくなる恐れ
がある。
【0005】また、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の
流れ方向が変わるため、車室外熱交換器7側、車室内熱
交換器3,5側のいずれの配管も高温、高圧に耐えられ
るよう管径等を変更する必要があった。
【0006】また、暖房運転時には、エンジン10から
の廃熱を吸熱して車室内暖房用の温風を作るため、ソー
ラカーや電気自動車のように大きな熱源を持たない車両
には不向きであった。
【0007】すなわち、ソーラカーや電気自動車などで
は暖房運転時にエンジン10からの廃熱を吸熱すること
ができないため、別途電気ヒータなどを設けなければな
らず、その分空調装置に使用する電力量が増えるので、
走行距離が短くなる恐れがある。
【0008】また、暖房運転中に乗員によって外気導入
スイッチがONされて外気導入量が増えると、車室内を
設定温度に保つために電気ヒータによる熱入力量をさら
に増大しなければならないが、電気自動車などにおいて
は電気ヒータによる熱入力量の増大に限界があり、外気
導入量増加と乗員の快適感の両立とが困難となる恐れが
ある。
【0009】そこでこの発明は、車室外の気候条件に左
右されず安定した制御で冷暖房能力を向上することがで
き、大幅な設計変更を必要とせず電気自動車などにも適
し、しかも外気導入量増加と乗員の快適感との両立が容
易な車両用ヒートポンプ式冷暖房装置の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、冷媒に仕事量を加えるコンプレ
ッサと、このコンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷
媒の熱を外気に放熱する車室外熱交換器と、前記コンプ
レッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を送風手段に
よって導入された空気に放熱して温風を作る放熱用車室
内熱交換器と、この放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側
に接続された膨張手段と、この膨張手段の冷媒流出側と
前記コンプレッサの冷媒吸入側とに接続され、送風手段
によって導入された空気の熱を、前記車室外熱交換器お
よび前記放熱用車室内熱交換器の少なくとも一方から前
記膨張手段を通して供給された冷媒に吸熱して冷風を作
る吸熱用車室内熱交換器と、前記コンプレッサの冷媒吐
出側と前記車室外熱交換器および前記放熱用車室内熱交
換器の冷媒流入側との間に設けられ、コンプレッサから
吐出される冷媒を、冷房運転時に少なくとも前記車室外
熱交換器に導入し、暖房運転時に前記車室外熱交換器を
回避させて前記放熱用車室内熱交換器に導入する冷媒流
路切換手段とを備えた車両用ヒートポンプ式冷暖房装置
であって、前記吸熱用車室内熱交換器の冷却状態と放熱
用車室内熱交換器の加熱状態との少なくとも一方とコン
プレッサの仕事量を可変する物理量との相関関係で示さ
れる暖房特性を設定する手段と、この暖房特性に関係す
る吸熱用車室内熱交換器の冷却状態と放熱用車室内熱交
換器の加熱状態との少なくとも一方を検出する手段と、
前記暖房特性と前記検出手段の検出結果との関係で前記
コンプレッサを可変する物理量を設定し前記コンプレッ
サを制御する手段と、車室内の熱負荷に関係する熱環境
情報に基づいて前記送風手段を制御する手段とを設けた
ことを特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、冷媒に仕事量を加える
コンプレッサと、このコンプレッサの冷媒吐出側に接続
され、冷媒の熱を外気に放熱する車室外熱交換器と、前
記コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を送
風手段によって導入された空気に放熱して温風を作る放
熱用車室内熱交換器と、この放熱用車室内熱交換器の冷
媒流出側に接続された膨張手段と、この膨張手段の冷媒
流出側と前記コンプレッサの冷媒吸入側とに接続され、
送風手段によって導入された空気の熱を、前記車室外熱
交換器および前記放熱用車室内熱交換器の少なくとも一
方から前記膨張手段を通して供給された冷媒に吸熱して
冷風を作る吸熱用車室内熱交換器と、前記コンプレッサ
の冷媒吐出側と前記車室外熱交換器および前記放熱用車
室内熱交換器の冷媒流入側との間に設けられ、コンプレ
ッサから吐出される冷媒を、冷房運転時に少なくとも前
記車室外熱交換器に導入し、暖房運転時に前記車室外熱
交換器を回避させて前記放熱用車室内熱交換器に導入す
る冷媒流路切換手段とを備えた車両用ヒートポンプ式冷
暖房装置であって、前記吸熱用車室内熱交換器の冷却状
態と放熱用車室内熱交換器の加熱状態との少なくとも一
方とコンプレッサの仕事量を可変する物理量との相関関
係で示される暖房特性を設定する手段と、この暖房特性
に関係する吸熱用車室内熱交換器の冷却状態と放熱用車
室内熱交換器の加熱状態との少なくとも一方を検出する
手段と、前記暖房特性と前記検出手段の検出結果との関
係で前記コンプレッサを可変する物理量を設定し前記コ
ンプレッサを制御する手段と、前記コンプレッサの仕事
量の上限値と、車室内を設定室温にするために必要な車
室内熱入力により設定されるコンプレッサの仕事量とか
ら前記コンプレッサの仕事量の目標値を設定する手段
と、前記コンプレッサの仕事量が目標値となるように前
記送風手段を制御する手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0012】請求項3の発明は、冷媒に仕事量を加える
コンプレッサと、このコンプレッサの冷媒吐出側に接続
され、冷媒の熱を外気に放熱する車室外熱交換器と、前
記コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を送
風手段によって導入された空気に放熱して温風を作る放
熱用車室内熱交換器と、この放熱用車室内熱交換器の冷
媒流出側に接続された膨張手段と、この膨張手段の冷媒
流出側と前記コンプレッサの冷媒吸入側とに接続され、
送風手段によって導入された空気の熱を前記車室外熱交
換器および前記放熱用車室内熱交換器の少なくとも一方
から前記膨張手段を通して供給された冷媒に吸熱して冷
風を作る吸熱用車室内熱交換器と、前記コンプレッサの
冷媒吐出側と前記車室外熱交換器および前記放熱用車室
内熱交換器の冷媒流入側との間に設けられ、コンプレッ
サから吐出される冷媒を、冷房運転時に少なくとも前記
車室外熱交換器に導入し、暖房運転時に前記車室外熱交
換器を回避させて前記放熱用車室内熱交換器に導入する
冷媒流路切換手段とを備えた車両用ヒートポンプ式冷暖
房装置であって、暖房運転時に外気が導入される場合、
前記吸熱用車室内熱交換器の目標吹出空気温度を漸次低
下させながら外気導入量を漸次増加させる手段を設けた
ことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1の発明では、暖房運転時にコンプレッ
サの駆動により冷媒がコンプレッサから流路切換手段、
放熱用車室内熱交換器、膨脹手段、吸熱用車室内熱交換
器を順に経由してコンプレッサに循環し、放熱用車室内
熱交換器がコンプレッサから吐出された高温な冷媒の熱
を送風手段で導入された空気に放熱して温風を作り、吸
熱用車室内熱交換器が送風手段で導入された空気の熱を
冷媒に吸熱して冷風を作る。冷房運転時には、コンプレ
ッサの駆動により冷媒がコンプレッサから流路切換手
段、車室外熱交換器のみ、または車室外熱交換器と放熱
用車室内熱交換器との両方、膨脹手段、吸熱用車室内熱
交換器を順に経由してコンプレッサに循環し、車室外熱
交換器がコンプレッサから吐出された高温な冷媒の熱を
外気に放熱し、吸熱用車室内熱交換器が送風手段で導入
された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。また、暖
房運転時には、吸熱用車室内熱交換器の冷却状態又は放
熱用車室内熱交換器の加熱状態の少なくとも一方の検出
結果と設定した暖房特性との関係で物理量を設定してコ
ンプレッサが制御され、所定の吹出空気温度を得ること
ができる。さらに、車室内の熱負荷に関係する熱環境情
報に基づいて送風手段が制御され、車室内の熱入力が増
減する。すなわち、所定の吹出空気温度を維持しながら
車室内熱入力を増減する。
【0014】請求項2の発明では、暖房運転時に外気が
導入される場合、コンプレッサの仕事量の上限値と乗員
の快適感を維持できる車室内熱入力により設定されるコ
ンプレッサの仕事量とから、コンプレッサの仕事量の目
標値を設定し、コンプレッサの仕事量がこの目標値とな
るように送風手段が制御され、暖房運転時の外気導入に
対処することができる。すなわち、コンプレッサの仕事
量と乗員の快適感とを考慮しながら外気導入を増減す
る。
【0015】請求項3の発明では、暖房運転時に外気が
導入される場合、吸熱用車室内熱交換器の目標吹出空気
温度を漸次低下させながら外気導入量を漸次増加させる
ため、車室内への熱入力状態をほぼ一定に保ちながら外
気導入量を増加させる。
【0016】
【実施例】図1は、この発明の一実施例に係る車両用ヒ
ートポンプ式冷暖房装置を示している。
【0017】図1において、コンプレッサ31は、エン
ジンルームのような車室外に設けられ、電動式コンプレ
ッサや油圧駆動式コンプレッサのように、入力値が直接
可変となっている。このコンプレッサ31の吐出側に
は、車室外熱交換器38と放熱用車室内熱交換器33と
が流路切換手段としての三方弁32を介して接続されて
いる。車室外熱交換器38は、車室外に設けられ、コン
プレッサ31から吐出される冷媒の熱を外気に放熱する
車室外コンデンサになっている。放熱用車室内熱交換器
33は、インストルメントパネルの裏側のような車室内
前部に配置された装置本体としてのダクト39内に設け
られ、コンプレッサ31から吐出される冷媒の熱を送風
手段としてのブロワファン37によって導入された空気
に放熱する放熱タイプの車室内コンデンサになってい
る。三方弁32は、暖房運転時には、実線示のような流
路切り換え状態となり、コンプレッサ31の吐出側を放
熱用車室内熱交換器33の冷媒流入側に接続する一方、
冷房運転時には、点線示のような流路切り換え状態とな
り、コンプレッサ31の吐出側を車室外熱交換器38及
び逆止弁70を介して放熱用車室内熱交換器33の冷媒
流入側に接続している。逆止弁70は、車室外熱交換器
38側から放熱用車室内熱交換器33側への冷媒の流れ
を許容し、放熱用車室内熱交換器33側から車室外熱交
換器38への冷媒の流れを阻止するようになっている。
放熱用車室内熱交換器33の冷媒流出側には、ダクト3
9内の上流側に設けられた吸熱用車室内熱交換器35の
冷媒流入側が、液タンク36及び車室外に設けられた膨
張手段として液体冷媒を断熱膨張して霧状にする膨張弁
34を介して接続されている。吸熱用車室内熱交換器3
5は、ブロワファン37によって導入された空気の熱
を、車室外熱交換器38および放熱用車室内熱交換器3
3の少なくとも一方から膨張弁34を通して供給された
冷媒に吸熱して冷風を作る吸熱タイプのエバポレータに
なっている。吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側に
は、コンプレッサ31の冷媒吸入側が接続されている。
【0018】ダクト39の吸熱用車室内熱交換器35よ
りも上流側には、車室内空気を導入する内気導入口40
と、走行風圧を受けて外気を導入する外気導入口41と
が設けられている。この内気導入口40と外気導入口4
1とが分岐する部分には、内気導入口40と外気導入口
41とを任意の比率で開閉するインテークドア42が設
けられている。内気導入口40と外気導入口41との空
気導出側(空気流の下流側)と吸熱用車室内熱交換器3
5との間には、前記ブロワファン37が配置され、制御
装置43で駆動されるブロワファンモータ44で回転駆
動されるようになっている。
【0019】放熱用車室内熱交換器33の上流側には、
エアミックスドア46が設けられている。このエアミッ
クスドア46は、制御装置43で駆動される図外のエア
ミックスドアアクチュエータにより、吸熱用車室内熱交
換器35を通過して冷えている空気が、放熱用車室内熱
交換器33を回避して冷えたままの冷風と、吸熱用車室
内熱交換器33を通過して暖められた温風との割合(冷
風と温風との風量配分)を調整するように開閉する。エ
アミックスドア46の開度たるエアミックスドア開度X
dsc は、エアミックスドア46が一点鎖線示の位置とな
り、冷風と温風との風量配分が冷風100%となるとき
を、エアミックスドア開度Xdsc =0%(全閉)と設定
し、エアミックスドア46が実線示の位置となり、冷風
と温風との風量配分が温風100%となるときを、エア
ミックスドア開度Xdsc =100%(全開)と設定して
ある。
【0020】ダクト39の放熱用車室内熱交換器33よ
りも下流側には、上記冷風と温風との混合を良くするこ
とにより、温度調整された空調風を作る部屋としてのエ
アミックスチャンバ47が設けられている。エアミック
スチャンバ47には、図外の対象乗員の上半身に向けて
空調風を吹き出すベンチレータ吹出口51と、対象乗員
の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口52と、
図外のフロントウインドウガラスに向けて空調風を吹き
出すデフロスタ吹出口53とが連設されている。エアミ
ックスチャンバ47内には、ベンチレータドア55とフ
ットドア56とデフロスタドア57とが設けられてい
る。ベンチレータドア55は、制御装置43で駆動され
る図外のベンチレータドアアクチュエータにより、ベン
チレータ吹出口51を開閉する。フットドア56は、制
御装置43で駆動される図外のフットドアアクチュエー
タにより、フット吹出口52を開閉する。デフロスタド
ア57は、制御装置43で駆動される図外のデフロスタ
ドアアクチュエータにより、デフロスタ吹出口53を開
閉する。
【0021】制御装置43は、吸熱用車室内熱交換器吸
込風温センサ58と吸熱用車室内熱交換器吹出風温セン
サ59とベンチレータ吹出口風温センサ60と日射量セ
ンサ61と外気温センサ62と室温センサ63と室温設
定器64と吹出口モードスイッチ65とブロワファンス
イッチ66と放熱用車室内熱交換器吹出風温センサ67
などの熱環境情報入力手段からの熱環境情報により各ア
クチュエータ等を駆動する。すなわち、吸熱用車室内熱
交換器35の吸い込み空気温度Tsuc と吸熱用車室内熱
交換器35の吹出空気温度Tout と放熱用車室内熱交換
器33の吹出空気温度Tv とベンチレータ吹出口51の
吹出空気温度Tventと車両の日射量Qsu n と車室外の外
気温度Tamb と車室内の検出室温(車室内気温度)T
roomと車室内の設定温度Tptc などの熱環境情報によ
り、エアミックスドア開度Xdsc とコンプレッサ31の
入力値Wcompと吸熱用車室内熱交換器35を通過する通
過風量Veva と目標空調風温度Tofなどの目標冷暖房条
件を演算し、車室内の冷暖房条件が上記演算された目標
冷暖房条件を維持するように、コンプレッサ31とブロ
ワファンモータ44とエアミックスドアアクチュエータ
とベンチレータドアアクチュエータとフットドアアクチ
ュエータとデフロスタドアアクチュエータなどを駆動す
る。
【0022】一方、この車両用ヒートポンプ式冷暖房装
置の冷暖房の切換えは、前記三方弁32を制御装置43
によって設定温度で切換制御することにより行なってい
る。前記設定温度は車室内気温度としての検出室温T
room及び外気温度Tamb の関係での窓曇りを生じない境
界の温度と熱環境情報に応じた目標空調風温度Tofとが
略一致するものとして定めている。
【0023】そして、暖房運転時には、三方弁32が図
1の実線示のように切り換えられ、冷媒がコンプレッサ
31→三方弁32→放熱用車室内熱交換器33→液タン
ク36→膨張弁34→吸熱用車室内熱交換器35→コン
プレッサ31と循環し、放熱用車室内熱交換器33がコ
ンプレッサ31から吐出された高温なる冷媒の熱をブロ
ワファン37で導入された空気または車両走行時のラム
圧によって導入された空気に放熱して温風を作り、吸熱
用車室内熱交換器35がブロワファン37で導入された
空気または車両走行時のラム圧によって導入された空気
の熱を冷媒に放熱して冷風を作る。また、冷房運転時に
は、三方弁32が図1の点線示のように切り換えられ、
冷媒がコンプレッサ31→三方弁32→車室外熱交換器
38→逆止弁70→放熱用車室内熱交換器33→液タン
ク36→膨張弁34→吸熱用車室内熱交換器35→コン
プレッサ31と循環し、車室外熱交換器38がコンプレ
ッサ31から吐出された高温なる冷媒の熱を外気に放熱
し、残りの熱を放熱用車室内熱交換器33がブロワファ
ン37で導入された空気または車両走行時のラム圧によ
って導入された空気に放熱して温風を作り、吸熱用車室
内熱交換器35がブロワファン37で導入された空気ま
たは車両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を
冷媒に放熱して冷風を作る。
【0024】すなわち、暖房運転時には、コンプレッサ
31が始動すると、吸熱用車室内熱交換器35の吸熱量
と、コンプレッサ31の実入力値Wcompに相当する仕事
量とを、放熱用車室内熱交換器33において放熱するの
で、車室内には吸熱用車室内熱交換器35の吸い込み空
気温度Tsuc よりも高温の空気が吹き出され、運転時間
の経過とともに、車室内温度、すなわち、吸熱用車室内
熱交換器35の吸い込み空気温度Tsuc は上昇し、それ
に伴って、コンプレッサ31の実入力値Wcompも大きく
できるので、車室内は加速的に暖められる。換言する
と、本発明実施例の車両用冷暖房装置の暖房運転におい
ては、外気温の影響を受けずに連続した暖房運転が可能
で、一定量のコンプレッサ1の仕事量の増減が、外気温
度や走行条件に依らず、つねに所定量の吹出温度変化量
(車室内への放熱量変化)となって現われ、しかも、暖
房運転時には吸熱用車室内熱交換器35において必ず除
湿(冷却)を伴なうといった特徴を持つために、不安定
現象がない車室内除湿温度制御を行なうことができる。
また、吸熱用車室内熱交換器35に流入した空気が、放
熱用車室内熱交換器33に流入するので吸熱用車室内熱
交換器35に流入する空気の熱負荷に対して、吸熱用車
室内熱交換器35で凍結が生じない範囲で、コンプレッ
サ31の実入力値Wcompを決めておくことにより、コン
プレッサ31の効率が最適となる。
【0025】一方、この発明の実施例では、制御装置4
3は、前記吸熱用車室内熱交換器35の冷却状態と放熱
用車室内熱交換器33の加熱状態との少なくとも一方と
コンプレッサ31の仕事量を可変する物理量との相関関
係で示される暖房特性を設定する手段を構成している。
吸熱用車室内熱交換器35の冷却状態は吹出風温センサ
59で検出し、放熱用車室内熱交換器33の加熱状態は
吹出風温センサ67で検出する。そして、吹出風温セン
サ59,67は、暖房特性に関係する吸熱用車室内熱交
換器35の冷却状態と放熱用車室内熱交換器33の加熱
状態との少なくとも一方を検出する手段を構成する。さ
らに、制御手段43は、前記暖房特性と前記検出手段と
しての吹出風温センサ59,67の検出結果との関係で
前記コンプレッサ31を可変する物理量を設定しコンプ
レッサ31を制御する手段を構成すると共に、車室内の
熱負荷に関係する熱環境情報に基づいて送風手段、すな
わち、ブロワファン37を制御する手段を構成してい
る。
【0026】そして、このような構成により、暖房能力
や除湿性能を一定状態に維持すべく吸熱用車室内熱交換
器35の吹出空気温度Tout や放熱用車室内熱交換器3
3の吹出空気温度Tv を一定温度に維持したまま、風量
制御によって車室内熱入力を変化させることができるの
である。このため、制御装置43には、さらにブロワフ
ァン37の回転数Vfan を検出するブロワファン回転数
検出センサ71、コンプレッサ仕事量を可変する物理量
(例えば回転数や吐出容量)Vcompを検出する物理量検
出センサ73からの検出信号が入力されるようになって
いる。
【0027】図2は前記風量制御のフローチャートであ
る。
【0028】まず、ステップ201で制御を開始する
と、ステップ202で各センサによって検出された値が
読み込まれる。各センサによって検出された値として
は、室温設定器64からの設定室温Tptc 、日射センサ
61で検出される日射量Qsun 、吸熱用車室内熱交換器
吸込風温センサ58で検出される吸熱用車室内熱交換器
35の吸込空気温度Tsuc 、吸熱用車室内熱交換器吹出
風温センサ59が検出する吸熱用車室内熱交換器35の
吹出空気温度Tout 、室温センサ63によって検出され
る車室内気温度Troom、外気温センサ62が検出する車
室外の外気温度Tam b 、放熱用車室内熱交換器吹出風温
センサ67で検出した放熱用車室内熱交換器33の吹出
空気温度Tv (Tvent)、ブロワファン回転数センサ7
1で検出されるブロワファン37の回転数Vfan 、物理
量検出センサ73で検出されるコンプレッサ仕事量を可
変する物理量Vcompである。
【0029】ステップ203では、ステップ202で検
出した各値を基にして放熱用車室内熱交換器33の吹出
空気温度Tv の目標温度Tvoを演算する。
【0030】ステップ204ではステップ202で検出
された吹出空気温度Tv と、ステップ203で演算した
目標温度Tvoとの差Δθ1を演算する。
【0031】ステップ205では吸熱用車室内熱交換器
35での冷却状態の目標として目標Tout を演算する
(Touto)。
【0032】ステップ206では、ステップ202で検
出された吹出空気温度Tout と目標吹出空気温度Touto
との差Δθ2を演算する。
【0033】ステップ207では、コンプレッサ仕事量
を可変する物理量Vcompや吸熱用車室内熱交換器35の
吸込空気温度Tsuc の変化に対する放熱用車室内熱交換
器33の吹出空気温度Tv と吸熱用車室内熱交換器35
の吸込空気温度Tsuc との特性を基にした暖房特性を現
す計算式(実験式)から、放熱用車室内熱交換器33の
吹出空気温度Tv と吸熱用車室内熱交換器35の吹出空
気温度Tout とをそれぞれ目標値とするための物理量V
compと吸熱用車室内熱交換器35の吸込空気温度Tsuc
の微小変化量ΔVcomp、ΔTsuc を演算する(詳細は後
述する)。
【0034】ステップ208では、コンプレッサ仕事量
を可変する物理量Vcompをステップ207で計算した微
小変化量ΔVcompで補正して出力する。
【0035】ステップ209では、車室内の設定温度T
ptc と検出した車室内温度Troomとの差Δθ4を演算す
る。
【0036】ステップ210では、ステップ209で演
算した偏差Δθ4の大きさを設定値S4と比較する。Δ
θ4<−S4の場合には、室内への熱入力が大きいた
め、車室内気温度Troomが設定温度Tptc よりも高くな
っているので、ステップ211に進み、風量を減らすよ
うにブロワファン37のブロワファンモータ44を制御
する。逆にΔθ4>S4の場合には、室内への熱入力が
小さく車室内温度Troomが設定温度Tptc よりも低いの
でステップ213に進み風量を増加する。|Δθ4|<
S4の場合には、車室内温度Troomが適温であるため、
ステップ212に進み現状の風量を維持する。
【0037】このようにこの発明実施例では、吸熱用車
室内熱交換器35の下流に放熱用車室内熱交換器33が
位置する構成であるため、暖房運転時に風量のみの変化
に対して吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気温度T
out と、放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度Tv
とがほぼ一定温度に維持されたままコンプレッサ31の
仕事量(入力)が変化するという特性を利用した。そし
て、コンプレッサ仕事量を可変する物理量Vcompや吸熱
用車室内熱交換器35の吸込空気温度Tsuc を用いて、
目標とする吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気温度T
out や放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度Tv
制御した後に、前記特性を利用すべく風量を可変して車
室内に入力される熱量を制御するのである。
【0038】従って、吸熱用車室内熱交換器35によっ
て窓曇りを生じないように除湿(冷却)を行うことがで
き、また、放熱用車室内熱交換器33によって所定温度
まで加熱することができ、十分な除湿暖房性能を維持す
ることができる。
【0039】ここで、吸熱用車室内熱交換器35の吹出
空気温度Tout と放熱用車室内熱交換器33の吹出空気
温度Tv とがほぼ一定温度に維持されたまま、風量制御
によって車室内熱入力が変化するという特性は実験によ
り判明したものであり、以下これを説明する。
【0040】この発明実施例の車両用ヒートポンプ式冷
暖房装置は、従来のガソリン車用冷凍サイクルやヒート
ポンプ式冷暖房装置と異なり、暖房運転時、吸熱用車室
内熱交換器35で冷却された空調風が放熱用車室内熱交
換器33に流入し、放熱器である放熱用車室内熱交換器
33を冷却する構成となっているため、吸熱用車室内熱
交換器35を通過する空気の熱負荷状態が放熱用車室内
熱交換器33の作動状態、さらにはサイクル全体の作動
状態に強く影響を及ぼす。
【0041】図3〜図5は、この発明実施例の車両用ヒ
ートポンプ式冷暖房装置の特性を調べた実験結果の一例
であり、図6、図7は従来の車両用冷暖房装置において
同様な実験を行った結果である。
【0042】図3〜図5は、吸熱用車室内熱交換器35
の吸込空気温度Tsuc (湿度一定)とコンプレッサ31
の仕事量を可変する物理量Vcompを固定して風量Veva
のみを変化させた場合に、吸熱用車室内熱交換器35の
吹出空気温度Tout 、放熱用車室内熱交換器33の吹出
空気温度Tv 、コンプレッサ31の仕事量(入力)がど
のように変化するかを調べた。
【0043】ここで、図16のような従来の車両用冷暖
房装置では、第1、第2車室内熱交換器3,5の吸込空
気温度Tsuc とコンプレッサ1の仕事量を可変とする物
理量Vcompとを固定して風量のみを増加させると、図
6、図7に示すように車室内熱交換器3,5の空気側の
熱伝達率が良くなるためにコンプレッサ仕事量Wcomp
微増するが車室内熱交換器3,5の吹出空気温度Tv
低下してしまい、暖房性能を維持することができなくな
る。
【0044】これに対し、この発明実施例の車両用ヒー
トポンプ式冷暖房装置では、吸熱用車室内熱交換器35
の吸込空気温度Tsuc とコンプレッサ31の仕事量を可
変する物理量Vcompとを固定して風量Veva のみを増加
させると、 a)コンプレッサ31の仕事量(車室内熱入力)は風量
に比例して増加する(図5)。
【0045】b)吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気
温度Tout はほぼ一定に保たれ、風量が変化した場合で
も吸熱用車室内熱交換器35での除湿性能(冷却性能)
は維持される(図4)。
【0046】c)放熱用車室内熱交換器33の吹出空気
温度Tv もほぼ一定に保たれ、風量が変化した場合でも
暖房能力を維持することができる(図3)。
【0047】という結果が得られた。
【0048】この図3〜図5の結果によれば、外気導入
量が多いとか室内温度が低い場合に、吸熱用車室内熱交
換器35の吸込空気温度Tsuc が低くても風量を増加す
ることによって、吸熱用車室内熱交換器35の吸込空気
温度Tsuc 、すなわち放熱用車室内熱交換器33の吹出
空気温度Tv が高い場合と同等レベルの車室内熱入力を
確保することができる。
【0049】次に、前記ステップ207で用いる暖房特
性を表わす計算式は以下のように求めた。
【0050】この発明実施例に係る車両用ヒートポンプ
式冷暖房装置では、コンプレッサ仕事量を可変する物理
量Vcomp、吸熱用車室内熱交換器35の吸込空気温度T
sucに対するコンプレッサ仕事量Wcomp、放熱用車室内
熱交換器33の吹出空気温度Tv 、吸熱用車室内熱交換
器35の吹出空気温度Tout の変化が、図8〜図12の
ような実験結果となった。
【0051】まず、図9、図10は、吸熱用車室内熱交
換器35の吸込空気温度Tsuc を固定してコンプレッサ
仕事量を可変する物理量Vcompのみを変化させた場合
に、放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度(ベント
吹出温度)Tv 、吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気
温度Tout の変化をそれぞれ示している。
【0052】同各図に示すように、吸熱用車室内熱交換
器35の吸込空気温度Tsuc が異なる場合にも放熱用車
室内熱交換器33の吹出空気温度Tv 、吸熱用車室内熱
交換器35の吹出空気温度Tout の変化はコンプレッサ
仕事量を可変する物理量Vco mpに対して同じ変化率を示
し、これらの変化率を使って物理量Vcompの微小変化Δ
compに対する吹出空気温度Tv ,Tout の変化量ΔT
v ,ΔTout とを式化して表すことが可能となる。
【0053】 ΔTv =A11ΔVcomp …(1) ΔTout =A21ΔVcomp …(2) 一方、図11、図12は物理量Vcompを固定して吸込空
気温度Tsuc のみを変化させた場合、吹出空気温度
v ,Tout の変化を示している。この場合も図9、図
10と同じく物理量Vcompが異なる場合であっても吹出
空気温度Tv ,Tou t の変化は吸込空気温度Tsuc に対
して同じ変化率を示し、これらの変化率を使ってTsuc
の微小変化ΔTsuc に対する吹出空気温度Tv ,Tout
の変化量ΔTv ,ΔTout を式化して表現することがで
きる。
【0054】 ΔTv =A12ΔTsuc …(3) ΔTout =A22ΔTsuc …(4) このような実験結果を基にして得られた(1)式から
(4)式を使って物理量Vcomp、吸込空気温度Tsuc
同時に変化する場合の吹出空気温度Tv 、Toutの変化
量を ΔTv =A11ΔVcomp+A12ΔTsuc …(5) ΔTout =A21ΔVcomp+A22ΔTsuc …(6) と表し、図8において物理量Vcompと吸込空気温度T
suc とを微小変化させた場合の吹出空気温度の微小変化
ΔTv ,ΔTout の変化を調べると実験結果と一致する
ことが確認された。
【0055】このように、物理量Vcompや吸込空気温度
suc の変化に対する吹出空気温度Tv ,Tout の特性
を基にした暖房特性を表わす実験式(5),(6)に基
づいて前記ステップ207のように物理量Vcomp、吸込
空気温度Tsuc の微小変化量ΔVcomp,ΔTsuc を演算
することにより、目標とする放熱用車室内熱交換器33
の吹出空気温度Tv 、吸熱用車室内熱交換器35の吹出
空気温度Tsuc を得ることができるのである。従って、
実験式(5),(6)は制御装置43に暖房特性として
設定されている。なお、(1)式〜(4)式をも制御装
置に記憶させ、所定の制御に用いることもでき、また、
微小変化量ΔVcomp、ΔTsuc を設定し、これに対する
v ,Tout の変化をテーブルとして備え、制御に用い
ることもできる。
【0056】また、このように電気ヒータなどを別途用
いることなく風量制御によって車室内熱入力を増加する
ことができるため、ソーラカーや電気自動車などの場合
には電力消費量を軽減することによって、走行距離を著
しく増大させることが可能となる。
【0057】図13は、この発明の他の実施例に係るフ
ローチャートを示す。
【0058】このフローチャートは、外気導入スイッチ
をONにしたときの風量制御のフローチャートを示す。
すなわち、外気導入スイッチをONにして外気導入量を
多くした場合でも、車室内温度の低下をきたさないよう
にし車室内快適性を維持する必要がある。
【0059】従って、この実施例では図1に示す制御装
置43は、コンプレッサ31の仕事量の上限値と乗員の
快適感を維持できる車室内熱入力により設定されるコン
プレッサ31の仕事量とからコンプレッサ31の仕事量
の目標値を設定する手段と、コンプレッサ31の仕事量
が目標値となるように送風手段としてのブロワファン3
7を制御する手段をも構成することとしている。
【0060】そして、この制御を以下のようにして行っ
ている。
【0061】ステップ1401において、制御が開始さ
れるとステップ1402以下が実行される。ステップ1
402からステップ1406までは図2のステップ20
2からステップ206と同様であり、ステップ1402
で各センサの出力が読み込まれ、ステップ1403で放
熱用車室内熱交換器33の目標吹出空気温度Tv の演算
(Tv0)が行われ、ステップ1404において温度差Δ
θ1が演算され、ステップ1405で吸熱用車室内熱交
換器35の吹出空気温度Tout の目標値Toutoの演算が
行われ、ステップ1406で温度差Δθ2が演算され
る。
【0062】次に、ステップ1407では、吸熱用車室
内熱交換器35の吸込空気温度Tsu c の目標値Tsuco
演算する。外気導入スイッチがONされている場合には
外気導入によって車室内温度が低下し過ぎないようにす
るため、吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気温度T
out または放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度T
v を目標とする一定温度に保ちつつ、吸熱用車室内熱交
換器35の目標吸込空気温度Tsucoを低下させて外気導
入量を増加するのである。
【0063】ステップ1408では、吸熱用車室内熱交
換器35の吸込空気温度Tsuc とステップ1407で演
算した目標の吸込空気温度Tsucoの差Δθ3を演算す
る。
【0064】ステップ1409では、制御対象温度を選
択する。放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度(ベ
ント吹出空気温度)Tv を目標値とする場合には、ステ
ップ1410の演算式でコンプレッサ仕事量を可変する
物理量Vcompの微小変化量ΔVcompを演算し、逆に吸熱
用車室内熱交換器35の吹出空気温度Tout を目標値と
する場合には、ステップ1411の演算式でコンプレッ
サ仕事量を可変する物理量Vcompの微小変化量ΔVcomp
を演算する。
【0065】ステップ1412では、ステップ1410
あるいはステップ1411で演算したΔVcompを用いて
コンプレッサ仕事量を可変する物理量Vcompを補正して
出力する。
【0066】ステップ1413では、コンプレッサ31
で使用できる電力量の上限値Wcomp .maxを検出する。こ
れは、電気自動車などにおいてはバッテリーの容量や外
気温度などの条件から空調装置に使用できる電力量が制
限されるため、この制限によって決められる上限値W
comp.maxを検出するものである。
【0067】ステップ1414では、車室内の最低限の
快適性を維持できる設定室温Tset1を用いて、車室内を
この設定室温にするために必要な車室内熱入力Qinを演
算する。
【0068】ステップ1415では、ステップ1413
で検出したWcomp.maxとステップ1414で算出した必
要熱入力Qinのうち、小さいほうをコンプレッサ仕事量
の目標値Wcompとする。この時、電気ヒータなどを併用
して車室内暖房する場合、あるいは上記図1の実施例の
冷暖房装置の構成にさらに熱交換器を追加して廃熱回収
を行う場合には、それらの熱量を考慮してコンプレッサ
仕事量の目標値Wcompを設定する。
【0069】ステップ1416では、コンプレッサ仕事
量をステップ1415で求めたコンプレッサ仕事量の目
標値Wcompとするための風量Veva を演算する。
【0070】このような制御によって外気導入量を増加
する場合には、吸熱用車室内熱交換器35の吹出空気温
度Tout と放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度T
v が所定の一定状態となるようにコンプレッサ仕事量を
可変する物理量Vcompと吸熱用車室内熱交換器35の吸
込空気温度Tsuc を設定し、また、車両の熱負荷状態や
乗員の快適性を維持するために必要な車室内への熱入力
またはコンプレッサ31で使用可能な電力量Wcomp.max
からコンプレッサ入力Wcompo を設定し、このコンプレ
ッサ入力となるように風量を設定するのである。従っ
て、車室内の快適性の維持と、外気導入量の増加とを両
立させることができるのである。
【0071】図14は、さらに他の実施例に係るフロー
チャートを示し、外気導入スイッチがONされた時の吸
込口制御のフローチャートを示している。
【0072】この実施例では、外気導入スイッチがON
された場合に吸熱用車室内熱交換器35の吸込空気温度
suc の急激な変化を回避して徐々に外気導入量を増や
すことによって暖房運転をしばらく維持し、ベント吹出
温度Tventや車室内温度Tro omの急激な低下を防止する
のである。
【0073】従って、この実施例では、制御装置43
が、吸熱用車室内熱交換器35の目標吹出空気温度T
outoを漸次低下させながら外気導入量を漸次増加させる
手段を構成することとしている。
【0074】まず、ステップ1501で外気導入スイッ
チON時の吸込口制御が開始されると、ステップ150
2で吸熱用車室内熱交換器35の検出した吸込空気温度
su c が読み込まれ、ステップ1503でその時に検出
した外気温度Tamb が読み込まれる。
【0075】ステップ1504では、ステップ1502
で検出した吸込空気温度Tsuc が設定温度Tsuc.set
りも高いか否かを判断する。吸込空気温度Tsuc が設定
温度Tsuc.set 以下になると吸熱用車室内熱交換器35
の作動温度/圧力が低下し、コンプレッサ31の入力も
低下するため、放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温
度(ベント吹出温)Tv は低下してしまい、結果的に車
室内温度が非常に不快に感じるほどの低温になったり、
コンプレッサ31において液圧縮の不具合が生じてコン
プレッサ31を破壊する恐れ等があるため、これを回避
するのである。
【0076】従って、ステップ1504でTsuc >T
suc.set の場合にはステップ1505に進むが、それ以
外の場合にはステップ1510に進み、吸込空気温度T
suc の目標温度Tsucoの設定値をそのまま維持し、それ
以上の外気導入を行わないようにする。この場合、ステ
ップ1511においてこの時の状態を表すXint .FL
G=1をセットする。
【0077】一方、ステップ1505では、外気導入ス
イッチがONされた直後か否かを判断し、ONされた直
後でなければステップ1506へ移行し、ONされた直
後であればステップ1508へ進む。
【0078】ステップ1506では、吸込空気温度T
suc の目標温度Tsucoの設定を変更してから設定時間経
過したか否かを判断し、設定時間経過した場合にはステ
ップ1508に進み、設定時間経過していない場合には
ステップ1510に進んで目標吸込空気温度Tsucoをそ
のまま維持する。
【0079】ステップ1508では、吸込空気温度T
suc の目標温度Tsucoの補正量ΔTsu coだけ低く設定す
る。
【0080】ステップ1509では、その時の状態を表
すXint .FLGを0にセットする。
【0081】ステップ1512では、検出した吸込空気
温度Tsuc とステップ1508で補正した目標吸込温度
sucoあるいはステップ1510でそのまま維持した目
標吸込温度Tsucoとの温度差Δθを演算する。
【0082】ステップ1513では、Δθを設定値Sと
比較する。Δθ<−Sの場合には吸込空気温度Tsuc
低いのでステップ1514に進んで、インテークダンパ
42の開度を微小量ΔXint だけ小さくし、Δθ>sの
場合には吸込空気温度Tsucが高いのでステップ151
6に進んでインテークダンパ42の回路を大きくして外
気導入量を増やし、これら以外の場合にはステップ15
15に進んでインテークダンパ42の開度を維持する。
【0083】このように外気導入を行う場合に単位時間
毎に設定された温度差ΔTsucoだけ吸込空気温度Tsuc
を低下させ、吸込空気温度Tsuc の下限温度を設定して
乗員が不快になる温度以下まで車室内温度が低下するの
を防ぐことができる。
【0084】従って、暖房運転時の外気導入に際して急
激な吹出温変化を伴わず、吸熱用車室内熱交換器35の
凍結を防ぎながら最大限の外気導入を行うことができ
る。そして、急激な吹出温度変化を防止するために電気
ヒータなどを用いる必要がなく、電力消費量を軽減し
て、電気自動車などにおいては走行距離を著しく延ばす
ことができるのである。
【0085】図15はこの発明のさらに他の実施例に係
る吸込口制御のフローチャートを示す。
【0086】すなわち、この実施例では単位時間毎に外
気温度Tamb や放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温
度Tv と外気温度Tamb との温度差などによって設定さ
れた変化量だけインテークダンパ42の開度を大きく
し、吸熱用車室内熱交換器35の吸込空気温度Tsuc
下限温度を設定し、乗員が不快になる温度以下まで車室
内温度が低下するのを防ぐのである。
【0087】従って、この実施例において制御装置43
は暖房運転時に外気が導入された場合、吸熱用車室内熱
交換器35の目標吹出空気温度Tout を漸次低下させな
がら外気導入量を漸次増加させる手段として構成してい
る。
【0088】まず、ステップ1601で外気導入スイッ
チONの時の吸込口制御が開始されると、ステップ16
02で吸熱用車室内熱交換器35の検出した吸込空気温
度Tsuc が読み込まれる。
【0089】ステップ1603では、その時の外気温度
amb が読み込まれる。
【0090】ステップ1604では、ステップ1602
で検出した吸込空気温度Tsuc が設定温度Tsuc.set
りも高いか否かを判断する。この判断は図14のステッ
プ1504の判断と同様であり、Tsuc >Tsuc.set
場合にはステップ1605に進み、それ以外の場合には
ステップ1610に進んでインテークダンパ開度Xin t
をそのまま維持する。なお、ステップ1611では、そ
の時の状態を表すXin t .FLG=1がセットされる。
【0091】ステップ1605では、外気導入スイッチ
がONされた直後か否かが判断され、ONされた直後で
なければステップ1606へ移行し、ONされた直後で
あればステップ1607へ移行する。
【0092】ステップ1606では、インテークダンパ
開度Xint を変更してから設定時間経過したか否かが判
断され、経過している場合にはステップ1607へ移行
してインテークダンパ開度Xint を設定変更し、経過し
ていない場合にはステップ1610へ移行してインテー
クダンパ開度Xint をそのまま維持する。
【0093】ステップ1607では、外気温度Tamb
応じてインテークダンパ開度Xintの変化量ΔXint
設定する。すなわち、外気温度の低下に伴ってΔXint
を小さくし、吸込空気温度Tsuc や車室内温度Troom
るいは放熱用車室内熱交換器33の吹出空気温度(ベン
ト吹出温度)Tv が急激に変化することを防止する。
【0094】ステップ1608では、ステップ1607
で求めたインテークダンパ開度の変化量ΔXint だけイ
ンテークダンパ開度を大きくして外気導入量を増加す
る。
【0095】ステップ1609では、その時の状態を表
すXint.FLGを0にセットしリターンする。
【0096】このような吸込口制御を行うことによっ
て、外気導入スイッチがONされた時に、吸熱用車室内
熱交換器35の吸込空気温度Tsuc や放熱用車室内熱交
換器33の吹出空気温度Tv や車室内温度の急激な低下
を伴うことなく外気導入量を増やすことができる。これ
によってコンプレッサ破損などのサイクル作動の異常を
防止でき、しかも徐々に室内温度を低下させるので、外
気導入スイッチがONされた後も乗員の快適感を不快に
することがない。また、室内温度が低下して乗員が外気
導入モードから通常のオートエアコン制御に切換えた場
合にも、サイクルが連続運転していて、車室内温度が最
低限設定温度以上に維持されていれば、外気導入スイッ
チが押される以前の状態まで素早く戻すことができるの
である。
【0097】なお、上記各実施例は外気導入量を増加す
る場合と外気導入スイッチON時の制御を例にしている
が、外気導入量を増加する場合だけでなくウォームアッ
プ時や通常の風量制御にも適用できるものである。
【0098】また、上記実施例では、電気自動車に適用
する場合を想定して説明しているが、ガソリン車のよう
に暖房用熱源を有する車両にも適用できるものである。
【0099】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明によれば、切換手段の流路切換動作により冷媒が逆流
することなく、暖房運転時には放熱用車室内熱交換器で
放熱すると共に、吸熱用車室内熱交換器で吸熱し、冷房
運転時には車室外熱交換器のみまたは車室外熱交換器と
放熱用車室内熱交換器の双方で放熱すると共に、吸熱用
車室内熱交換器で吸熱しているので、暖房運転時には吸
熱用車室内熱交換器の吸熱量とコンプレッサの仕事量と
を放熱用車室内熱交換器で放熱し暖房能力が向上すると
共に、外部の気象条件に左右されず低外気温でも運転が
可能となり、安定した制御が可能となる。
【0100】また、吸熱用車室内熱交換器で除湿した
後、放熱用車室内熱交換器で加熱するので除湿暖房が可
能となる。しかも、暖房運転時に除湿性能を落とすこと
なく風量制御によって車室内熱入力を増加することがで
き、十分な暖房性能を維持することができる。この暖房
性能の維持は電気ヒータなどを用いることなく、風量制
御によって行うことができるから電力消費量を軽減し、
ソーラカーや電気自動車などの走行距離を著しく増大す
ることができる。
【0101】その他、電気ヒータやエンジンの廃熱を用
いることなく効率よく暖房ができるため、エンジンを持
った車に限らずソーラカーや電気自動車のように大きな
熱源を持たない場合にも十分に適用することができる。
冷房と暖房とで冷媒の流れ方向が同じであるため、現在
車両に用いられているヒートポンプ式冷暖房装置を余り
変更せずに適用することができ設計上有利である。
【0102】また、請求項2の発明によれば、暖房運転
時に乗員が外気導入の操作を行った場合に車室内温度を
低下させずにその快適性を維持し、かつ、十分な外気導
入を行わせることができる。
【0103】請求項3の発明によれば、暖房運転時の外
気導入に際して急激な吹出風温の変化を防止し、吸熱用
車室内熱交換器の凍結を防ぎながら最大限の外気導入を
行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るブロック図である。
【図2】この発明の一実施例に係る風量制御のフローチ
ャートである。
【図3】この発明の一実施例に係り、風量変化に対する
放熱用車室内熱交換器の吹出空気温度変化を示す実験結
果のグラフである。
【図4】この発明の一実施例に係り、風量変化に対する
吸熱用車室内熱交換器の吹出空気温度の変化を示すグラ
フである。
【図5】この発明の一実施例に係り、風量変化に対する
車室内熱入力の変化を示すグラフである。
【図6】従来の車両用冷暖房装置に係り、風量変化に対
する車室内熱入力の変化の実験結果を示すグラフであ
る。
【図7】従来の車両用冷暖房装置の風量変化に対する放
熱用車室内熱交換器の吹出空気温度変化を示す実験結果
のグラフである。
【図8】この発明の一実施例に係り、コンプレッサ仕事
量を可変する物理量の変化に対するコンプレッサ仕事量
の変化などを示す実験結果のグラフである。
【図9】この発明の一実施例に係り、コンプレッサ仕事
量を可変する物理量の変化に対する放熱用車室内熱交換
器吹出空気温度の変化を示す実験結果のグラフである。
【図10】この発明の一実施例に係り、コンプレッサ仕
事量を可変する物理量の変化に対する吸熱用車室内熱交
換器吹出空気温度の変化を示す実験結果のグラフであ
る。
【図11】この発明の一実施例に係り、吸熱用車室内熱
交換器吸込空気温度の変化に対する放熱用車室内熱交換
器吹出空気温度の変化を示す実験結果のグラフである。
【図12】この発明の一実施例に係り、吸熱用車室内熱
交換器吸込空気温度の変化に対する吸熱用車室内熱交換
器吹出空気温度の変化を示す実験結果のグラフである。
【図13】この発明の他の実施例に係り、外気導入スイ
ッチON時の風量制御のフローチャートである。
【図14】この発明のさらに他の実施例に係り、外気導
入スイッチON時の吸込口制御のフローチャートであ
る。
【図15】この発明のさらに他の実施例に係り、外気導
入スイッチON時の吸込口制御のフローチャートであ
る。
【図16】従来例の車両用冷暖房装置のブロック図であ
る。
【符号の説明】
31 コンプレッサ 32 三方弁(流路切換手段) 33 放熱用車室内熱交換器 35 吸熱用車室内熱交換器 37 ブロワファン(送風手段) 38 車室外熱交換器 43 制御装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒に仕事量を加えるコンプレッサと、 このコンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    外気に放熱する車室外熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    送風手段によって導入された空気に放熱して温風を作る
    放熱用車室内熱交換器と、 この放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側に接続された膨
    張手段と、 この膨張手段の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷媒吸
    入側とに接続され、送風手段によって導入された空気の
    熱を、前記車室外熱交換器および前記放熱用車室内熱交
    換器の少なくとも一方から前記膨張手段を通して供給さ
    れた冷媒に吸熱して冷風を作る吸熱用車室内熱交換器
    と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記車室外熱交換器お
    よび前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側との間に設
    けられ、コンプレッサから吐出される冷媒を、冷房運転
    時に少なくとも前記車室外熱交換器に導入し、暖房運転
    時に前記車室外熱交換器を回避させて前記放熱用車室内
    熱交換器に導入する冷媒流路切換手段とを備えた車両用
    ヒートポンプ式冷暖房装置であって、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷却状態と放熱用車室内熱
    交換器の加熱状態との少なくとも一方とコンプレッサの
    仕事量を可変する物理量との相関関係で示される暖房特
    性を設定する手段と、 この暖房特性に関係する吸熱用車室内熱交換器の冷却状
    態と放熱用車室内熱交換器の加熱状態との少なくとも一
    方を検出する手段と、 前記暖房特性と前記検出手段の検出結果との関係で前記
    コンプレッサを可変する物理量を設定し前記コンプレッ
    サを制御する手段と、 車室内の熱負荷に関係する熱環境情報に基づいて前記送
    風手段を制御する手段とを設けたことを特徴とする車両
    用ヒートポンプ式冷暖房装置。
  2. 【請求項2】 冷媒に仕事量を加えるコンプレッサと、 このコンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    外気に放熱する車室外熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    送風手段によって導入された空気に放熱して温風を作る
    放熱用車室内熱交換器と、 この放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側に接続された膨
    張手段と、 この膨張手段の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷媒吸
    入側とに接続され、送風手段によって導入された空気の
    熱を、前記車室外熱交換器および前記放熱用車室内熱交
    換器の少なくとも一方から前記膨張手段を通して供給さ
    れた冷媒に吸熱して冷風を作る吸熱用車室内熱交換器
    と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記車室外熱交換器お
    よび前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側との間に設
    けられ、コンプレッサから吐出される冷媒を、冷房運転
    時に少なくとも前記車室外熱交換器に導入し、暖房運転
    時に前記車室外熱交換器を回避させて前記放熱用車室内
    熱交換器に導入する冷媒流路切換手段とを備えた車両用
    ヒートポンプ式冷暖房装置であって、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷却状態と放熱用車室内熱
    交換器の加熱状態との少なくとも一方とコンプレッサの
    仕事量を可変する物理量との相関関係で示される暖房特
    性を設定する手段と、 この暖房特性に関係する吸熱用車室内熱交換器の冷却状
    態と放熱用車室内熱交換器の加熱状態との少なくとも一
    方を検出する手段と、 前記暖房特性と前記検出手段の検出結果との関係で前記
    コンプレッサを可変する物理量を設定し前記コンプレッ
    サを制御する手段と、 前記コンプレッサの仕事量の上限値と、車室内を設定室
    温にするために必要な車室内熱入力により設定されるコ
    ンプレッサの仕事量とから前記コンプレッサの仕事量の
    目標値を設定する手段と、 前記コンプレッサの仕事量が目標値となるように前記送
    風手段を制御する手段とを設けたことを特徴とする車両
    用ヒートポンプ式冷暖房装置。
  3. 【請求項3】 冷媒に仕事量を加えるコンプレッサと、 このコンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    外気に放熱する車室外熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側に接続され、冷媒の熱を
    送風手段によって導入された空気に放熱して温風を作る
    放熱用車室内熱交換器と、 この放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側に接続された膨
    張手段と、 この膨張手段の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷媒吸
    入側とに接続され、送風手段によって導入された空気の
    熱を前記車室外熱交換器および前記放熱用車室内熱交換
    器の少なくとも一方から前記膨張手段を通して供給され
    た冷媒に吸熱して冷風を作る吸熱用車室内熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記車室外熱交換器お
    よび前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側との間に設
    けられ、コンプレッサから吐出される冷媒を、冷房運転
    時に少なくとも前記車室外熱交換器に導入し、暖房運転
    時に前記車室外熱交換器を回避させて前記放熱用車室内
    熱交換器に導入する冷媒流路切換手段とを備えた車両用
    ヒートポンプ式冷暖房装置であって、 暖房運転時に外気が導入される場合、前記吸熱用車室内
    熱交換器の目標吹出空気温度を漸次低下させながら外気
    導入量を漸次増加させる手段を設けたことを特徴とする
    車両用ヒートポンプ式冷暖房装置。
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