JP3716686B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3205Control means therefor
    • B60H1/322Control means therefor for improving the stop or idling operation of the engine

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置、より具体的には、コンプレッサの駆動により冷媒を車室外熱交換器および車室内熱交換器に循環させる蒸気圧縮サイクルを備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、従来のエンジンを備えた車両は、コンプレッサをエンジンで駆動して得られる冷風とエンジン冷却水を利用して得られる温風とを使って車室内空調を行なっている。
【0003】
ところが、ハイブリッド車両やアイドルストップ車両においては、ハイブリッド車両ならばモータ走行時や停車時、アイドルストップ車両ならば停車時にそれぞれエンジン非作動となり、十分な車室内空調ができなくなる、という課題があった。
【0004】
これに対して、極力エンジン作動を少なくしながら必要な車室内空調が得られるようにした車両用空調装置としては、例えば、特開平10−258629号公報に開示されている空調装置が知られている。
【0005】
冷房時にエンジン停止する場合には、空調負荷が所定値よりも小さく、かつ、車室内熱交換器の吹出空気温度が所定温度よりも低ければ、内外気モードを強制的に内気循環モードに切り替えて車室内熱交換器の冷熱で車室内の冷房感を維持し、空調負荷が所定値よりも大きくなるか、あるいは、車室内熱交換器の吹出空気温度が所定温度よりも高くなれば、エンジン停止を禁止してコンプレッサをエンジンで駆動するようにしている。
【0006】
また、暖房時にエンジン停止する場合には、空調負荷が所定値よりも小さく、かつ、水温が所定温度よりも高ければ、内外気モードを強制的に内気循環モードに切り替えてヒータコアの熱で車室内の暖房感を維持し、空調負荷が所定値よりも大きくなるか、あるいは、水温が所定温度よりも低くなれば、エンジン停止を禁止してエンジンをONしてヒータコアに温水を供給するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用空調装置で冷房時に内気モードにしてエンジン停止すると、吹出温が10℃近く上昇し、車室内空気の湿度も高くなるので、車室内の快適感が損なわれるだけでなく、車室内熱交換器からの臭いが発生する、といった問題があった。
【0008】
こうした問題の解決手段の一つとして、エンジン停止時にモータでコンプレッサを駆動して冷房運転を行なうことで、吹出温や車室内湿度の上昇を抑え、車室内熱交換器からの臭いの発生を防止する方法が考えられる。
【0009】
一方、暖房時に内気モードにしてエンジン停止すると、吹出温が10℃近く低下し、車室内空気の湿度が高くなるので、窓ガラスの曇りが発生する、といった問題があった。
【0010】
また、ハイブリッド車両やアイドルストップ車両では、従来の同等クラスの車両に比べ、より小型で効率がいいエンジンを車載する。そのために、車室内の暖房要求が高かったり、外気温が低い条件においては、水温が所定温度まで上昇しないためにエンジン停止が行えない、という問題もあった。
【0011】
こうした問題の解決手段の一つとして、除湿暖房運転と冷房運転の可能なエアコンサイクルを用い、水温が所定温度よりも低いときやエンジン停止時に、エンジンやモータでコンプレッサを駆動して暖房運転を行なう、という方法が考えられる。
【0012】
本エアコンサイクルの除湿暖房運転は、車室内への外気導入量を減らしながら暖房性能とガラスの防曇維持を両立できるだけでなく、外気温が低下したりエンジン発熱量が減少したとしても、高いヒータ性能を維持したまま短時間で所定温度までエンジン水温を高めることができる。
【0013】
本発明は、エンジンとモータで駆動されるコンプレッサを備えた除湿暖房運転と冷房運転の可能なエアコンサイクルにおいて、除湿暖房運転時のエンジン駆動とモータ駆動の選択方法を提供するとともに、冷房運転可能なエアコンサイクルにおいて、冷房運転時のエンジン駆動とモータ駆動の選択方法を提供することが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車両駆動用エンジンとモータで駆動されるコンプレッサと車室外に置かれた車室外熱交換器と車室内に置かれた1個あるいは複数個の車室内熱交換器と膨張手段とで構成されたハイブリッドエアコンシステムにおいて、除湿暖房運転時に必要なコンプレッサの駆動負荷を演算するコンプレッサ負荷演算手段と、コンプレッサ負荷演算手段で演算されたコンプレッサの駆動負荷が大きい時は、エンジンによるコンプレッサ駆動を決定し、コンプレッサの駆動負荷が小さい時は、モータによるコンプレッサ駆動を決定し、コンプレッサの駆動負荷がそれらの中間の時は、エンジンによるコンプレッサ駆動とモータによるコンプレッサ駆動のいずれか一方の効率の良い方の動力によるコンプレッサ駆動を決定するコンプレッサ駆動方法決定手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明をコンプレッサ専用モータを備えた車両に適用する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1および請求項2に記載の車両用空調装置を車両駆動用モータを格別に備えたハイブリッド車両やアイドルストップ車両に適用する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載の車両用空調装置において、アイドル時にエンジンによるコンプレッサ駆動を停止するアイドルストップシステムを備える。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4に記載の車両用空調装置において、上記空調負荷検出手段により検出された空調負荷に応じて上記コンプレッサをON・OFFする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用空調装置において、前記除湿暖房運転時の空調負荷が大きいときには、エンジンでコンプレッサを駆動することを特徴とする。
【0020】
以下、本発明の作用を説明する。
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、車両駆動用エンジンとモータで駆動されるコンプレッサと車室外に置かれた車室外熱交換器と車室内に置かれた1個あるいは複数個の車室内熱交換器と膨張手段とで構成されたハイブリッドエアコンシステムにおいて、除湿暖房運転時に必要なコンプレッサの駆動負荷を演算するコンプレッサ負荷演算手段と、コンプレッサ負荷演算手段で演算されたコンプレッサの駆動負荷が大きい時は、エンジンによるコンプレッサ駆動を決定し、コンプレッサの駆動負荷が小さい時は、モータによるコンプレッサ駆動を決定し、コンプレッサの駆動負荷がそれらの中間の時は、エンジンによるコンプレッサ駆動とモータによるコンプレッサ駆動のいずれか一方の効率の良い方の動力によるコンプレッサ駆動を決定するコンプレッサ駆動方法決定手段とを備え、車両の空調負荷やコンプレッサ駆動負荷に応じて、エンジンによるコンプレッサ駆動とモータによるコンプレッサ駆動が選択される。
【0022】
この結果、モータによるコンプレッサ駆動が選択されている間は、エンジンを停止しても車室内の空調状態を維持することが可能になる。また、エンジン駆動とモータ駆動の効率の良い方でコンプレッサを駆動することが可能になる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明をコンプレッサ専用モータを備えた車両に適用するので、請求項1に記載の発明の作用に加えて、バッテリ容量や車体サイズ等の車両の仕様に応じてモータの仕様を容易に変更することが可能になる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1および請求項2に記載の車両用空調装置を車両駆動用モータを格別に備えたハイブリッド車両やアイドルストップ車両に適用するので、空調性能を犠牲にすることなくアイドル時のエンジン停止を行なうことが可能になる。また、モータとエンジンの効率の良い方でコンプレッサを駆動するので、エアコンによる燃費の悪化を軽減することが可能になる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3に記載の車両用空調装置において、アイドル時にエンジンによるコンプレッサ駆動を停止するアイドルストップシステムを備えるので、アイドル時にはコンプレッサがモータ駆動に切り替えられ、車両はエンジン停止を行なうことが可能になる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4に記載の車両用空調装置において、上記空調負荷検出手段により検出された空調負荷に応じて上記コンプレッサをON・OFFするので、無駄なコンプレッサ駆動によるエンジン負荷やバッテリ負荷の増加、燃費の悪化等を防ぐことが可能になる。
【0027】
請求項に6に記載の発明によれば、請求項1から請求項5に記載の車両用空調装置において、上記除湿暖房運転時の空調負荷が大きいときには、上記エンジンで上記コンプレッサを駆動するので、クールダウン能力やウォームアップ能力を損なうことなく、車室内の快適性を確保することが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両用空調装置の一実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明による車両用空調装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
【0030】
まず、構成を説明する。
図1において、コンプレッサ31は、エンジン201とモータ30の両方または何れか一方で駆動され、コンプレッサクラッチがONならばベルト(図示せず)を介してエンジン201で駆動され、モータ30がONならばモータ30で駆動され、コンプレッサクラッチとモータ30の両方がOFFならば停止する。
【0031】
冷媒流路切換手段としての四方弁73には、コンプレッサ31の吐出側と車室外熱交換器38と第2の車室内熱交換器33とコンプレッサ31の吸入側が接続され、暖房設定時には、実線示のような流路切り換え状態となり、コンプレッサ31の吐出側と第2の車室内熱交換器33および車室外熱交換器38とコンプレッサ31の吸入側がそれぞれ連通する一方、冷房設定時には、点線示のような流路切り換え状態となり、コンプレッサ31の吐出側と車室外熱交換器38および第2の車室内熱交換器33とコンプレッサ31の吸入側がそれぞれ連通する。
【0032】
車室外熱交換器38は車室外に設けられ、コンプレッサ31から吐出される冷媒の熱を外気に放熱する車室外コンデンサになっている。
【0033】
第1の車室内熱交換器35と第2の車室内熱交換器33は、ダクト39内に配置される。第1の車室内熱交換器35の一端はコンプレッサ31の冷媒吸入に、他端は膨張手段としての膨張弁34に接続し、コンプレッサ31が運転しているときには、常に吸熱器となってブロワファン37によって送風された空気を冷却する。
【0034】
第2の車室内熱交換器33の一端は四方弁73に接続し、他端は逆止弁71に接続する。四方弁73が暖房側に設定されたときには、第2の車室内熱交換器33が放熱器となる状態となって暖房運転が行なわれ、四方弁73が冷房側に設定されたときには、逆止弁71によって第2の車室内熱交換器33に冷媒が流れない状態となって冷房運転が行なわれる。逆止弁70は、四方弁73が暖房側に設定されたときに、第2の車室内熱交換器33で凝縮された冷媒が車室外熱交換器38に流入することを阻止する。
【0035】
また、ダクト39には、第2の車室内熱交換器33の下流にヒータコア202が設けられ、エンジン冷却水が流入する。203は、エンジン冷却水配管である。
【0036】
ダクト39の第1の車室内熱交換器35よりも上流側には、車室内空気を導入する内気導入口40と、走行風圧を受けて外気を導入する外気導入口41とが設けられている。この内気導入口40と外気導入口41とが分岐する部分には、内気導入口40と外気導入口41とを任意の比率で開閉するインテークドア42が設けられている。インテークドア42の開度たるインテークドア開度Xintは、外気導入量がゼロでフル内気となる位置をXint=0%と設定し、フル外気導入となる位置をXint=100%と設定する。内気導入口40と外気導入口41との空気導入側(空気流の下流側)と第1の車室内熱交換器35との間には、ブロワファン37が配置され、制御装置43で駆動されるブロワファンモータ44で回転駆動されるようになっている。
【0037】
第2の車室内熱交換器33の下流側には、エアミックスドア46が設けられている。このエアミックスドア46は、制御装置43で駆動される図外のエアミックスドアアクチュエータにより、下流のヒータコア202を通過する空気と通過しない空気の割合を調節するように開閉する。エアミックスドア46は、ヒータコア通過風量を可変することができ、ヒータ風量可変手段となっている。エアミックスドア46の開度たるエアミックスドア開度Xmixは、エアミックスドア46が一点鎖線示の位置となってヒータコア202を通過する空気がゼロとなるときをXmix=0%(全閉、Full COOL)と設定し、エアミックスドア46が二点鎖線示の位置となってすべての空気がヒータコア202を通過するときをXmix=100%(全開、Full HOT)と設定する。
【0038】
ダクト39のヒータコア202よりも下流側には、上記冷風と温風との混合を良くすることにより、温度調節された空調風を作る部屋としてのエアミックスチャンバ47が設けられている。エアミックスチャンバ47には、図外の対象乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すベンチレータ吹出口51と、対象乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口53と、図外のフロントウィンドガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口52とが設けられている。エアミックスチャンバ47内には、ベンチレータドア55とフットドア57とデフロスタドア56とが設けられている。ベンチレータドア55は、制御装置43で駆動される図外のベンチレータドアアクチュエータにより、ベンチレータ吹出口51を開閉する。フットドア57は、制御装置43で駆動される図外のフットドアアクチュエータにより、フット吹出口53を開閉する。デフロスタドア56は、制御装置43で駆動される図外のデフロスタドアアクチュエータにより、デフロスタ吹出口52を開閉する。デフロスタドア56の開度たるデフロスタドア開度Xdefは、デフロスタ吹出口52が全閉となる位置をXdef=0%と設定し、デフロスタ吹出口52が全開となる位置をXdef=100%と設定する。
【0039】
制御装置43は、第1の車室内熱交換器作動温度センサ59と第2の車室内熱交換器吹出空気温度センサ60と日射量センサ61と外気温センサ62と室温センサ63と室温設定器64と吹出口モードスイッチ65とブロワファンスイッチ66とエンジン冷却水温センサ204などの熱環境情報入力手段から得られる第1の車室内熱交換器35の作動温度Tevaと、第2の車室内熱交換器33の吹出空気温度Tvscと、車両の日射量Qsunと、車室外の外気温度Tambと、車室内の検出温度(車室内温度)Ticと、車室内の設定温度Tptcと、水温Twなどの熱環境情報により、エアミックスドア開度Xmixとインテークドア開度Xintとデフロスタドア開度Xdefと風量Vevaと目標吹出温度Tofなどの目標冷暖房条件を演算し、車室内の冷暖房条件が上記演算された目標冷暖房条件を維持するように、ブロワファンモータ44とインテークドアアクチュエータとエアミックスドアアクチュエータとベンチレータドアアクチュエータとフットドアアクチュエータとデフロスタドアアクチュエータなどを駆動する。
【0040】
制御装置43は、エアコンの空調(冷房暖房)負荷を検出する空調負荷検出手段からの信号に基づいてコンプレッサ31の駆動負荷を予測するコンプレッサ負荷演算手段となっているとともに、コンプレッサ31をエンジン201で駆動するか、モータ30で駆動するか、あるいは、OFFするかを決定するコンプレッサ駆動方法決定手段の役目をも果たしている。
【0041】
エンジン制御装置206はエンジン201の制御装置で、スロットル開度センサ207、車速センサ208、エンジン回転数センサ209、走行モードセンサ210、エアコン作動圧力センサ(図示せず)等から各センサ認識値を入力し、車両が所定のエンジン停止可能状態にあるか否か、走行のためにエンジン201をONしているか否かを判断する車両状態判断手段となっている。
【0042】
また、エンジン制御装置206は、制御装置43に、エンジン停止可能不可能の車両状態信号とエンジン回転数とエアコン作動圧力等の信号を出力し、制御装置43からエンジン作動要求信号を入力し、車両状態およびエンジン作動要求に応じて、エンジン201の作動非作動を制御するエンジン制御手段の役割も果たしている。
【0043】
また、エンジン制御装置206は、電動ウォータポンプ205の作動非作動制御を行なう。エンジン201が非作動で、車室内から暖房要求がある場合には、電動ウォータポンプを作動させて、エンジン温水をヒータ202に循環させる。
【0044】
なお、実際の車両では、車室外熱交換器38の後にラジエータが設けられ、ここにもエンジン冷却水が流れて外気に放熱するようになっているが、図1には図示されていない。また、本実施の形態では、加熱手段としてエンジン冷却水を利用したヒータコアを例にして説明するが、電気ヒータや燃焼式ヒータ等の加熱手段を用いても良い。
【0045】
図9は、本実施の形態におけるエンジンの作動非作動制御の制御フローを示している。
ハイブリッド車は車両駆動用のエンジンとモータを備え、所定の車速以下ではモータで走行し、所定の車速以上ではエンジンで走行する。
【0046】
ステップS1でエンジンの作動非作動制御を開始すると、ステップS2では、各センサ値を検出する。スロットル開度センサ207からはスロットル開度を検出し、車速センサ208からは車速を検出し、エンジン回転数センサ209からはエンジン回転数を検出し、走行モードセンサ210からはエンジン走行状態かモータ走行状態かといった走行状態を検出し、エアコン作動圧力信号を検出し、制御装置43からはエンジン作動要求信号を取り込む。
【0047】
ステップS3では、ステップS2で検出したセンサ値の少なくとも一つあるいは複数に基づいて、車両が加速走行状態にあるのか、定常走行状態にあるのか、減速走行状態にあるのか、停車状態にあるのかといった車両状態を判断し、所定の条件に照らし合わせてエンジン停止可能状態と判断した場合にはステップS4に進み、エンジン停止不可能状態と判断した場合にはステップS5に進む。
【0048】
ステップS4では、さらに、制御装置43からエンジン作動要求があるか否かを判断し、エンジン作動要求がある場合にはステップS5に進み、コンプレッサ作動要求がない場合にはステップS6に進む。
【0049】
ステップS5ではエンジンを作動状態に設定し、一方、ステップS6ではエンジンを非作動状態に設定して、再びステップS2に戻り、上述のエンジン作動非作動制御を繰り返す。
【0050】
以上は、ハイブリッド車を例にして説明したが、アイドル時にはエンジンがOFFし、アイドル以外ではエンジンがONになるアイドルストップ車としても同様である。
【0051】
図10〜図14は、図1に示す実施の形態のエアコンサイクルにおいて除湿暖房運転(以下、単に暖房運転)を行なう場合の制御フローを示している。
【0052】
暖房運転時は四方弁73が実線で示すように接続され、コンプレッサ31から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、第2の車室内熱交換器33で空調風に放熱して高温高圧の液冷媒に変化し、膨張手段34で断熱膨張して低温低圧の二相流になって第1の車室内熱交換器35に流入し、ここで空調風から吸熱して低温低圧の冷媒ガスに変化した後、コンプレッサ31に吸入される。所定の内外気比率に制御された空調風がブロワファン37によって導入され、第1の車室内熱交換器35で冷却(除湿)された後、第2の車室内熱交換器33で加熱される。ヒータコア202にはエンジン冷却水が流入し、外気温やエンジン負荷が比較的高く、水温が十分高い場合には、エアコンサイクルによる暖房運転は行なわず、水温が低くヒータ性能が不足する場合に不足するヒータ能力に応じてエアコンサイクルによる暖房運転が行なわれる。
【0053】
ステップS101でエアコンサイクルによる暖房運転を開始すると、ステップS102では、各センサ値およびアクチュエータ出力を検出する。ここで、Tptcは設定温度、Twはエンジン水温、Tevaは第1の車室内熱交換器35の作動温度、Tvscは第2の車室内熱交換器33の吹出空気温度、Tambは外気温、Ticは室温、Qsunは日射量、Vfanはブロワファン電圧、Xdefはデフロスタドア開度、Xintはインテークドア開度、Xmixはエアミックスドア開度、Pdはエアコンサイクル作動圧力、車両状態信号はエンジン制御装置206から取り込むエンジン作動状態に関する信号である。
【0054】
ステップS103では、ステップS102で検出したセンサ値に基づいて目標吹出温度Tofを演算する。
【0055】
ステップS104では、目標吹出温度Tofとエンジン水温Twとヒータコア202の温度効率から、目標ヒータ入口空気温度Tohを演算を演算する。
【0056】
ステップS105では、ヒータ入口空気温度Tvscと目標ヒータ入口空気温度Tohの温度差から、エアコンサイクルによる暖房運転を行なうか否かを判断する。目標とするヒータ入口空気温度Tohが高く、実際のヒータ入口空気温度Tvscが低く、ヒータ入口空気温度Tvscと目標ヒータ入口空気温度Tohの温度差が所定の値よりも大きい場合にはエアコンサイクルによる暖房運転を行なう(エアコン暖房ON)と判断し、ヒータ入口空気温度Tvscと目標ヒータ入口空気温度Tohの温度差が所定の値よりも小さい場合にはエアコンサイクルによる暖房運転は行なわない(エアコン暖房OFF)と判断する。
【0057】
ステップS106では、ステップS105でエアコン暖房OFFとなったか否かを判断し、エアコン暖房OFFの場合にはステップS107に進み、エアコン暖房ONの場合にはステップS108に進む。
【0058】
ステップS107では、エアコンサイクルによる暖房運転を行なわないので、コンプレッサクラッチをOFF、モータ30をOFFに設定し、ステップS122に進む。
【0059】
ステップS108では、走行のためにエンジンONしているか否かを判断し、エンジン走行している場合にはステップS119に進み、そうでない場合にはステップS109に進む。走行のためにエンジンONしているときは比較的燃費率がいい領域でエンジン201が作動しているので、優先的にステップS119に進んでエンジン駆動でエアコンサイクルによる暖房運転を行なう。
【0060】
ステップS109では、目標吹出温度Tofまたは目標ヒータ入口空気温度Tohを用いて、エアコンサイクルによる暖房運転を行なう場合の暖房負荷が大きいか否かを判断する。例えば、暖房運転開始直後のウォームアップ時や設定温度が一気に高い温度に設定変更された直後など、要求される暖房能力が大きく、目標吹出温度Tofまたは目標ヒータ入口空気温度Tohが所定の値よりも大きい場合にはDとなり、そうでない場合にはCとなる。
【0061】
ステップS110では、ステップS109でCとなったかDとなったかを判断し、Cであった場合にはステップS111に進み、Dであった場合にはエンジン201でコンプレッサ31を駆動してエアコンサイクルによる暖房運転を行なうためにステップS118に進む。
【0062】
ステップS111では、風量や目標ヒータ入口空気温度Tohとヒータ入口空気温度Tvscの温度差から、必要コンプレッサ仕事Wcompを演算する。図1に示すエアコンサイクルの暖房運転では、暖房運転時に車室外熱交換器38に冷媒を流さないので車室外熱交換器38における外気からの吸熱量はゼロで、第1の車室内熱交換器35で空調風から吸熱する熱量とコンプレッサ31の仕事エネルギの和が第2の車室内熱交換器33において空調風に放熱される。この特徴を利用すれば、風量や目標ヒータ入口空気温度Tohとヒータ入口空気温度Tvscの温度差から必要となるコンプレッサ仕事Wcompを推定することができる。
【0063】
ステップS112では、ステップS111で演算した必要コンプレッサ仕事Wcompを用いて、H1〜H3の状態に分類する。車載を考えた場合、レイアウト上の制約からモータ30は小型にせざるを得ず、最高出力も自ずと制約を受ける。そのため、必要コンプレッサ仕事Wcompが小さいH1の領域ではモータ駆動を優先させ、必要コンプレッサ仕事Wcompが大きいH3の領域ではエンジン駆動を優先させ、その中間は効率を基準にモータ駆動かエンジン駆動を選択する。必要コンプレッサ仕事Wcompが小さいH1領域は、エンジン駆動ではON/OFFによる断続運転を行なわざるを得ず、コンプレッサのON/OFFによって吹出温が10℃以上変動してしまうために、温調が難しくエンジン駆動による暖房運転が苦手としていた範囲であるが、モータ駆動を行なうことで、効率の悪化を招くことなく、きめ細かな温調が可能になる。
【0064】
ステップS113では、ステップS112でH1〜H3の何れが選択されたかを判断し、H1の場合はステップS116に進み、H2の場合にはステップS114に進み、H3の場合にはステップS118に進む。
【0065】
モータ駆動時のエンジン負荷は、発電効率、バッテリ効率、モータ効率等の諸効率を考慮して得られる。そのため、同一必要コンプレッサ仕事Wcompに対するエンジン負荷は、モータ駆動の方がエンジン駆動よりも大きくなる。ところが、エンジン201の燃費率のいい領域を使って発電を行ない、この電力を使ってモータ駆動することで、アイドルのようにエンジン201の燃費率が悪い低回転数・低負荷の領域はモータ駆動が有利になり、走行時のように比較的エンジン201の燃費率がいい作動領域ではエンジン駆動が有利になる。
【0066】
ステップS114では、ステップS111で予測した必要コンプレッサ仕事Wcompに対するエンジン軸トルクとアイドル時のエンジン回転数から、エンジン駆動域にあるかモータ駆動域にあるかを判断する。図中の実線は発電等の効率を考慮したエンジン駆動とモータ駆動の損得分岐線で、この線よりも下の低負荷域ではモータ駆動が有利で、この線よりも上の高負荷域ではエンジン駆動が有利になる。厳冬下に信号で停止したような場合以外では、モータ駆動が有利になるので、アイドル時にエンジンによるコンプレッサ駆動を停止するアイドルストップシステムの役割を果たしている。
【0067】
ステップS115では、ステップS114でエンジン駆動域とモータ駆動域の何れが選択されたかを判断し、モータ駆動域が選択された場合にはステップS116に進み、エンジン駆動域が選択された場合にはステップS118に進む。
【0068】
ステップS116では、バッテリ残量等を考慮してモータ駆動可能か否かを判断し、モータ駆動可能な場合にはステップS117に進み、バッテリ残量不足等の理由でモータ駆動不可能な場合にはステップS118に進む。
【0069】
ステップS117では、コンプレッサクラッチOFF、モータONに設定する。
【0070】
ステップS118では、コンプレッサを駆動するためにエンジン制御装置206に対してエンジンON要求を出す。
【0071】
ステップS119では、モータOFFに設定する。
【0072】
ステップS120では、コンプレッサ制御温度Tcompを設定する。コンプレッサ制御温度Tcompは外気温やガラスの防曇を考慮して設定する。
【0073】
ステップS121では、第1の車室内熱交換器35の作動温度Tevaとコンプレッサ制御温度Tcompの温度差に応じて、コンプレッサ31のON・OFFを選択する。
【0074】
ステップS122では、インテークドア開度を目標吹出温度Tofに基づいて演算されるインテークドア開度Xintに設定する。
【0075】
ステップS123では、ミックスドア開度を目標吹出温度Tofに基づいて演算されるミックスドア開度Xmixに設定する。
【0076】
ステップS124では、ブロワファン電圧を目標吹出温度Tofに基づいて演算されるブロワファン電圧Vfanに設定する。
【0077】
ステップS125では、吹出モードを目標吹出温度Tofに基づいて選択される吹出モードに設定した後、再びステップS102に戻り、暖房運転時の制御を繰り返す。
【0078】
暖房運転時は、車室内の空調負荷から暖房要求があり、かつ、ヒータコア水温が低い場合に、不足する暖房能力に応じてそれを補うだけのエアコンサイクルによる暖房運転が行なわれる。一般に、アイドルのようにエンジン201の燃費率が悪い低回転数・低負荷の領域はモータ駆動が有利になり、走行時のように比較的エンジン201の燃費率がいい作動領域ではエンジン駆動が有利になる。そのため、本実施の形態では、走行時はコンプレッサをエンジン駆動するとしたが、不足する暖房能力の大きさやモータ出力によっては、温調性や効率を考えると、走行時にエンジン駆動で暖房運転するよりもモータ駆動で暖房運転する方がより好適となることがある。
【0079】
図2〜図7は、暖房運転と冷房運転が可能な別のエアコンサイクル構成を示している。これらのエアコンサイクルについても前述の実施例の制御を適用することが出来るのはもちろんである。
【0080】
図2に示すエアコンサイクルは、図1に示すエアコンサイクルにおいて、第2の車室内熱交換器33の一端(暖房時の出口側、冷房時の入口側)と逆止弁70の下流を絞り74と二方弁75を介してバイパス路100で接続している。冷房運転時に二方弁75を開閉すると、二方弁開状態では第1の車室内熱交換器35と第2の車室内熱交換器33の両方が蒸発器となり、二方弁閉状態では第1の車室内熱交換器35のみが蒸発器となるので、車室内の冷房負荷に応じて車室内蒸発器の吸熱能力を可変することができる。暖房運転時には、第1の車室内熱交換器35が蒸発器、第2の車室内熱交換器33が凝縮器となる。
【0081】
図3に示すエアコンサイクルは、図1に示すエアコンサイクルにおいて、第2の車室内熱交換器33の一端(暖房時の出口側)と、膨張弁34と第1の車室内熱交換器35の間を絞り80を介してバイパス路100で接続している。冷房運転時は、第1の車室内熱交換器35と第2の車室内熱交換器33の両方が蒸発器となり、暖房運転時は、第1の車室内熱交換器35が蒸発器、第2の車室内熱交換器33が凝縮器となる。
【0082】
図4に示すエアコンサイクルは、図1に示すエアコンサイクルにおいて、第1の車室内熱交換器35と第2の車室内熱交換器33の配置を変えた場合で、冷房運転時は、第2の車室内熱交換器33には冷媒が流れず、第1の車室内熱交換器35が蒸発器となり、暖房運転時は、第1の車室内熱交換器35が蒸発器、第2の車室内熱交換器33が凝縮器となる。
【0083】
図5に示すエアコンサイクルは、図1に示すエアコンサイクルにおいて、一つの車室内熱交換器101を第1の冷媒パス77と第2の冷媒パス76で構成した場合で、冷房運転時には、第1の冷媒パス77が蒸発部となり、暖房運転時には、第1の冷媒パス77が蒸発部、第2の冷媒パス76が凝縮部となる。
【0084】
図6に示すエアコンサイクルは、図3に示すエアコンサイクルにおいて、四方弁73の代わりに電磁弁81〜83を用いた場合のエアコンサイクル構成を示している。
【0085】
図7に示すエアコンサイクルは、図1に示すエアコンサイクルにおいて、絞り手段111を追加して、第2の車室内熱交換器33が冷房運転時に蒸発器、暖房運転時に凝縮器となるようにした場合のエアコンサイクル構成を示している。第1の車室内熱交換器35は冷房運転時も暖房運転時も蒸発器となり、冷房運転時には絞り手段111で減圧された後にさらに絞り手段34で減圧された低温冷媒が流入し、暖房運転時には絞り手段34で減圧された低温冷媒が流入する。なお、冷房運転時には、絞り手段111をバイパスさせて第2の車室内熱交換器33を凝縮器、第1の車室内熱交換器35を蒸発器としても良いし、あるいは、絞り弁34をバイパスさせて絞り手段111で減圧された低温冷媒が第1の車室内熱交換器35と第2の車室内熱交換器33の両方に流入するようにしても良い。
【0086】
図16〜図19は、図1〜図7に示すエアコンサイクル、あるいは、図15に示すような冷房運転のみを行なうエアコンサイクルで冷房運転を行なう場合の制御フローを示している。
【0087】
暖房運転時は、車室内の空調負荷から暖房要求があり、かつ、ヒータコア水温が低い場合に、不足する暖房能力に応じてそれを補うだけのエアコンサイクルによる暖房運転しか行なわないのに対して、冷房運転時は、車室内の空調負荷から冷房要求があればエアコンサイクルによる冷房運転を行なう。暖房運転時と同様に、アイドルのようにエンジン201の燃費率が悪い低回転数・低負荷の領域はモータ駆動が有利になり、走行時のように比較的エンジン201の燃費率がいい作動領域ではエンジン駆動が有利になる。
【0088】
例えば、図1のエアコンサイクルの冷房運転は次のようになる。四方弁73が破線に示すように接続され、コンプレッサ31から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、車室外熱交換器38に流入し、ここで外気に放熱して高温高圧の液冷媒に変化する。その後、膨張手段34で断熱膨張して低温低圧の二相流になって第1の車室内熱交換器35に流入し、ここで空調風から吸熱して低温低圧の冷媒ガスに変化してコンプレッサ31に吸入される。冷房運転時は第2の車室内熱交換器33には冷媒は流れない。ブロワファン37で導入された空調風は、第1の車室内熱交換器35で冷却(除湿)された後、所定の温度までヒータコア202でリヒートされて車室内に吹き出される。
【0089】
ステップS201でエアコンサイクルによる暖房運転を開始すると、ステップS202では、各センサ値およびアクチュエータ出力を検出する。ここで、Tptcは設定温度、Twはエンジン水温、Tevaは第1の車室内熱交換器35の作動温度、Tambは外気温、Ticは室温、Qsunは日射量、Vfanはブロワファン電圧、Xdefはデフロスタドア開度、Xintはインテークドア開度、Xmixはエアミックスドア開度、Pdはエアコンサイクル作動圧力、車両状態信号はエンジン制御装置206から取り込むエンジン作動状態に関する信号である。
【0090】
ステップS203では、ステップS202で検出したセンサ値に基づいて目標吹出温度Tofを演算する。
【0091】
ステップS204では、第1の車室内熱交換器35の作動温度Tevaと目標吹出温度Tofの温度差、あるいは、第1の車室内熱交換器35の作動温度Tevaとα(予め設定した温度)の温度差に応じて、コンプレッサONかコンプレッサOFFを選択する。
【0092】
ステップS205では、ステップS204でコンプレッサONが選択されたか否かを判断し、コンプレッサONが選択された場合にはステップS207に進み、コンプレッサOFFが選択された場合にはステップS206に進む。
【0093】
ステップS206では、コンプレッサクラッチOFF、モータOFFに設定する。
【0094】
ステップS207では、走行のためにエンジンONしているか否かを判断し、走行のためにエンジンONしている場合にはエンジン駆動した方が効率がいいのでステップS217に進む。
【0095】
ステップS208では、目標吹出温度Tofが所定の値よりも小さくクールダウン時のように冷房負荷が大きい場合にはA、逆に、所定の値よりも大きく冷房負荷が比較的大きくない場合にはBを選択する。
【0096】
ステップS209では、ステップS208でAとBの何れが選択されたかを判断し、Aが選択された場合にはステップS216に進み、Bが選択された場合にはステップS210に進む。
【0097】
ステップS210では、エアコンサイクル作動圧力Pdとアイドル時のエンジン回転数から、エンジン駆動すると仮定した場合のコンプレッサ駆動負荷Wcompを推定する。
【0098】
ステップS211では、ステップS210で推定したコンプレッサ駆動負荷Wcompに対するエンジン軸トルクを演算する。
【0099】
ステップS212では、コンプレッサ駆動負荷Wcompに対するエンジン軸トルクとアイドル時のエンジン回転数から、エンジン駆動域にあるかモータ駆動域にあるかを判断する。図中の実線は発電等の効率を考慮したエンジン駆動とモータ駆動の損得分岐線で、この線よりも下の低負荷域ではモータ駆動が有利で、この線よりも上の高負荷域ではエンジン駆動が有利になる。真夏の炎天下に信号で停止したような場合以外では、モータ駆動が有利になるので、アイドル時にエンジンによるコンプレッサ駆動を停止するアイドルストップシステムの役割を果たしている。
【0100】
ステップS213では、ステップS212でエンジン駆動域とモータ駆動域の何れが選択されたかを判断し、モータ駆動域が選択された場合にはステップS214に進み、エンジン駆動域が選択された場合にはステップS216に進む。
【0101】
ステップS214では、バッテリ残量等を考慮してモータ駆動可能か否かを判断し、モータ駆動可能な場合にはステップS215に進み、バッテリ残量不足等の理由でモータ駆動不可能な場合にはステップS216に進む。
【0102】
ステップS215では、コンプレッサクラッチOFF、モータONに設定する。
【0103】
ステップS216では、コンプレッサを駆動するためにエンジン制御装置206に対してエンジンON要求を出す。
【0104】
ステップS217では、コンプレッサクラッチON、モータOFFに設定する。
【0105】
ステップS218では、インテークドア開度を目標吹出温度Tofに基づいて演算されるインテークドア開度Xintに設定する。
【0106】
ステップS219では、ミックスドア開度を目標吹出温度Tofに基づいて演算されるミックスドア開度Xmixに設定する。
【0107】
ステップS220では、ブロワファン電圧を目標吹出温度Tofに基づいて演算されるブロワファン電圧Vfanに設定する。
【0108】
ステップS221では、吹出モードを目標吹出温度Tofに基づいて選択される吹出モードに設定した後、再びステップS202に戻り、冷房運転時の制御を繰り返す。
【0109】
本実施の形態では、図1に示す車両用空調装置を例にして説明したが、図2〜図7に示すエアコンサイクル、あるいは、これらを組み合わせたエアコンサイクルにおいても同様の効果が得られる。
【0110】
また、本実施の形態では、フロントのみにエアコンを備えた場合を例にして説明したが、フロントとリアにエアコンを備えた場合にも同様の効果を得ることができる。
【0111】
また、コンプレッサとモータが一体となった一体型を例にして説明したが、図8に示すように別体でコンプレッサを駆動することが可能なモータを用いた場合にも同様の効果が得られ、バッテリ容量や車体サイズ等の車両の仕様に応じてモータの仕様を容易に変更することが可能になる。
【0112】
また、コンプレッサは固定容量タイプのコンプレッサでも可変容量タイプのコンプレッサでも同様の効果が得られる。
【0113】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、本発明の車両用空調装置によれば、モータによるコンプレッサ駆動が選択されている間は、エンジンを停止しても車室内の空調状態を維持することができ、しかも、エンジン駆動とモータ駆動の効率の良い方でコンプレッサを駆動するので、エンジン停止中の車室内快適性の悪化を防ぎ、エアコンによる燃費の悪化を軽減することができる。
【0114】
一般に、アイドルのようにエンジンの燃費率が悪い低回転数・低負荷の領域はモータ駆動が有利になり、走行時のように比較的エンジンの燃費率がいい作動領域ではエンジン駆動が有利になるので、特にハイブリッド車やアイドルストップ車には最適なシステムで、コンプレッサ駆動のためのエンジン運転を減らし、車両のエンジン停止要求を最大限に満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用空調装置の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図3】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図4】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図5】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図6】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図7】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図8】別の実施の形態のコンプレッサ駆動方法を示す図である。
【図9】エンジンの作動非作動制御の制御フローである。
【図10】エアコンサイクルによる暖房運転を行なう場合の制御フローである。
【図11】エアコンサイクルによる暖房運転を行なう場合の制御フローである。
【図12】エアコンサイクルによる暖房運転を行なう場合の制御フローである。
【図13】エアコンサイクルによる暖房運転を行なう場合の制御フローである。
【図14】エアコンサイクルによる暖房運転を行なう場合の制御フローである。
【図15】別の実施の形態のエアコンサイクルの概略構成図である。
【図16】エアコンサイクルによる冷房運転を行なう場合の制御フローである。
【図17】エアコンサイクルによる冷房運転を行なう場合の制御フローである。
【図18】エアコンサイクルによる冷房運転を行なう場合の制御フローである。
【図19】エアコンサイクルによる冷房運転を行なう場合の制御フローである。
【符号の説明】
30 モータ
31 コンプレッサ
33 第2の車室内熱交換器
34 膨張手段
35 第1の車室内熱交換器
37 ブロワファン
38 車室外熱交換器
39 ダクト
40 内気導入口
41 外気導入口
42 インテークドア
43 制御装置
44 ブロワファンモータ
46 エアミックスドア
47 エアミックスチャンバ
51 ベンチレータ吹出口
52 デフロスタ吹出口
53 フット吹出口
55 ベンチレータドア
56 デフロスタドア
57 フットドア
59 第1の車室内熱交換器作動温度センサ
60 第2の車室内熱交換器吹出空気温度センサ
61 日射量センサ
62 外気温センサ
63 室温センサ
64 室温設定器
65 吹出口モードスイッチ
66 ブロワファンスイッチ
70,71 逆止弁
73 四方弁
74 絞り手段
75 二方弁
76 第2の冷媒パス
77 第1の冷媒パス
80 絞り手段
81,82,83 二方弁
100 バイパス路
101 室内熱交換器
111 絞り手段
201 エンジン
202 ヒータコア
203 エンジン冷却水配管
204 エンジン冷却水温センサ
205 電動ウォータポンプ
206 エンジン制御装置
207 スロットル開度センサ
208 車速センサ
209 エンジン回転数センサ
210 走行モードセンサ

Claims (6)

  1. 車両駆動用エンジンとモータで駆動されるコンプレッサと車室外に置かれた車室外熱交換器と車室内に置かれた1個あるいは複数個の車室内熱交換器と膨張手段とで構成されたハイブリッドエアコンシステムにおいて、
    除湿暖房運転時に必要なコンプレッサの駆動負荷を演算するコンプレッサ負荷演算手段と、
    コンプレッサ負荷演算手段で演算されたコンプレッサの駆動負荷が大きい時は、エンジンによるコンプレッサ駆動を決定し、コンプレッサの駆動負荷が小さい時は、モータによるコンプレッサ駆動を決定し、コンプレッサの駆動負荷がそれらの中間の時は、エンジンによるコンプレッサ駆動とモータによるコンプレッサ駆動のいずれか一方の効率の良い方の動力によるコンプレッサ駆動を決定するコンプレッサ駆動方法決定手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 項求項1に記載の車両用空調装置において、
    コンプレッサ専用モータを備えた車両に適用したことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    車両駆動用モータを格別に備えたハイブリッド車両やアイドルストップ車両に適用したことを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置において、
    アイドル時にエンジンによるコンプレッサ駆動を停止するアイドルストップシステムを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用空調装置において、
    空調負荷検出手段により検出された空調負荷に応じてコンプレッサをON・OFFすることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用空調装置において、前記除湿暖房運転時の空調負荷が大きいときには、エンジンでコンプレッサを駆動することを特徴とする車両用空調装置。
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