JP3478148B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JP3478148B2
JP3478148B2 JP35233198A JP35233198A JP3478148B2 JP 3478148 B2 JP3478148 B2 JP 3478148B2 JP 35233198 A JP35233198 A JP 35233198A JP 35233198 A JP35233198 A JP 35233198A JP 3478148 B2 JP3478148 B2 JP 3478148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
vehicle
temperature
air conditioner
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35233198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000168350A (ja
Inventor
孝佳 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP35233198A priority Critical patent/JP3478148B2/ja
Publication of JP2000168350A publication Critical patent/JP2000168350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3478148B2 publication Critical patent/JP3478148B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用空調装置、よ
り具体的には、コンプレッサの駆動により冷媒を車室外
熱交換器及び車室内熱交換器に循環させる蒸気圧縮サイ
クルを備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エアコンサイクル内に冷蔵手段や蓄冷手
段を備えた従来の車両用空調装置としては、例えば特開
平8−2243号公報に開示されているように、図14
に示すような構造のものがあった。
【0003】この従来技術は、コンプレッサ1、車室外
熱交換器2、リキッドタンク3、膨張弁4、車室内熱交
換器5で構成されるエアコンサイクルにおいて、膨張弁
4の冷媒流れ上流から分岐して、膨張弁6、冷温蔵庫用
蒸発器7を経由して、車室内熱交換器5とコンプレッサ
1の間に接続する冷媒流路を備え、エアコンの冷却能力
を利用して冷温蔵庫内を冷却することができるものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のエンジン車で
は、コンプレッサをエンジンで駆動することで車室内の
冷房を行っている。近年のエンジンストップ運動の高ま
りやハイブリッド車の登場により、エンジンを停止して
いる間も冷房感を維持することができるエアコンシステ
ムのニーズが高まってきている。
【0005】図14に示す従来の冷温蔵庫の場合、冷温
蔵庫の冷却能力を使って車室内を冷却することができ
ず、仮に、冷温蔵庫用蒸発器7を取り出して、エンジン
停止後に、ここに蓄えられる冷熱を利用して車室内を冷
房するようにしたとしても、室温のような比較的温度の
高い環境に曝される冷温蔵庫用蒸発器7に蓄えられる低
温の冷媒量は少なく、あまり効果が期待できないといっ
た問題点があった。しかも、冷温蔵庫用蒸発器7の熱負
荷が小さい状態で冷媒を流すと、コンプレッサ1への液
バックが激しくなり、コンプレッサ1の耐久信頼性の問
題が生じる可能性が高かった。
【0006】また、蓄熱材を用いる一般的な蓄冷システ
ムの場合、(1)応答性が悪く、蓄冷や放冷に時間がか
かる、(2)重量増加や容積増加の理由から小型車両へ
の車載が難しい、(3)エアコンの省動力のために目標
吹出温の変化に応じてエアコンサイクルの低圧圧力を制
御しようとした場合にその温度変化全域に適応できる適
当な蓄冷材がない、といった問題点もあった。
【0007】上述の問題点に対して、本発明者は、コン
プレッサがエンジンで駆動されるエアコンサイクルにお
いて、アイドル時等にエンジンを停止したまま、冷房感
を維持することができる車両用空調装置として、
を考案した。
【0008】上記発明は、コンプレッサを運転する冷房
運転中に車室内熱交換器に低温低圧の冷媒を蓄え、アイ
ドル時等でエンジンを停止したときに、この蓄えた低温
低圧冷媒の冷熱を利用して冷房感を維持しようとしたも
のであるが、適切な制御を行いながら車室内の目標室温
維持とエアコン燃費の向上を両立させることがより一層
望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、請求項1に記載の第1の発明の車両用空
調装置は、少なくとも、エンジンで駆動可能なコンプレ
ッサと、前記コンプレッサから吐出された冷媒と外気で
熱交換する車室外熱交換器と、前記車室外熱交換器で凝
縮された冷媒を断熱膨張させる膨張手段と、前記膨張手
段で断熱膨張された冷媒と車室内に吹き出す空調風とで
熱交換する車室内熱交換器とを順次接続して構成される
エアコンサイクルを備える車両用空調装置において、車
室内の熱負荷を検出する熱負荷検出手段と、前記熱負荷
検出手段で検出された車室内熱負荷により車室内への目
標吹出温度を演算する目標吹出温演算手段と、前記熱負
荷検出手段で検出された車室内熱負荷により許容上限吹
出温度を設定する許容上限吹出温設定手段と、前記車室
内熱交換器の作動状態を検出する車室内熱交換器作動検
出手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段
と、前記車室内熱交換器の凍結温度に関わる温度により
前記コンプレッサの仕事量を制御する第1コンプレッサ
運転モードと、少なくとも前記許容上限吹出温度に関わ
る温度により前記コンプレッサをONし、前記目標吹出
温度に関わる温度と前記車室内熱交換器の凍結温度に関
わる温度の間で設定される制御温度により前記コンプレ
ッサをOFFするように、前記コンプレッサの仕事量を
制御する第2コンプレッサ運転モードと、車室内熱負荷
と車両走行状態により、前記第1コンプレッサ運転モー
ドと前記第2コンプレッサ運転モードを切り替える冷房
モード切替手段と、を備える。
【0010】また、請求項2に記載の第2の発明の車両
用空調装置は、第1の発明の車両用空調装置において、
ガラスの防曇に関する温度を設定する防曇温度設定手段
と、少なくとも前記防曇温度に関わる温度により前記コ
ンプレッサをONし、前記車室内熱交換器の凍結に関わ
る温度と前記防曇温度に関わる温度の間で設定される制
御温度で前記コンプレッサをOFFするように、前記コ
ンプレッサの仕事量を制御する第3コンプレッサ運転モ
ードと、車室内熱負荷と車両走行状態により、前記第1
コンプレッサ運転モードと前記第3コンプレッサ運転モ
ードを切り替える防曇モード切替手段とを備え、前記目
標吹出温度に関わる温度が前記防曇温度に関わる温度よ
りも低い場合には前記冷房モード切替手段により前記コ
ンプレッサの仕事量を制御し、それ以外の場合には前記
防曇モード切替手段により前記コンプレッサの仕事量を
制御する。
【0011】また、請求項3に記載の第3の発明の車両
用空調装置は、第1または第2の発明の車両用空調装置
において、前記冷房モード切替手段は、車両の走行状態
が、アイドル、モータ走行、予め設定した車速以下、予
め設定したエンジン回転数以下の少なくとも一つを満足
する場合には、優先的に前記第2コンプレッサ運転モー
ドに切り替える。
【0012】また、請求項4に記載の第4の発明の車両
用空調装置は、第1または第2の発明の車両用空調装置
において、前記第2コンプレッサ運転モードにより前記
コンプレッサの仕事量を制御するときには、強制的に車
室内への外気導入量を減少させる。
【0013】また、請求項5に記載の第5の発明の車両
用空調装置は、第1または第2の発明の車両用空調装置
において、前記第2コンプレッサ運転モードにより前記
コンプレッサの仕事量を制御するときには、前記コンプ
レッサのONとOFFに合わせて車室内吹出空気温度の
補正を行う手段を備える。
【0014】また、請求項6に記載の第6の発明の車両
用空調装置は、第1または第2の発明の車両用空調装置
において、前記第2コンプレッサ運転モードにより前記
コンプレッサの仕事量を制御するときには、前記コンプ
レッサのONとOFFに合わせて車室内吹出風量の補正
を行う手段を備える。
【0015】また、請求項7に記載の第7の発明の車両
用空調装置は、第2の発明の車両用空調装置において、
前記防曇モード切替手段は、乗員によりデフロスタスイ
ッチが選択された場合には、前記第1コンプレッサ運転
モードにより前記コンプレッサの仕事量を制御する。
【0016】以下、本発明の作用を説明する。第1の発
明では、前記車室内熱交換器の凍結温度に関わる温度の
みにより前記コンプレッサをON・OFFする第1コン
プレッサ運転モードと、少なくとも前記許容上限吹出温
度に関わる温度と凍結温度により前記コンプレッサをO
N,OFFする第2コンプレッサ運転モードとを備え
て、前記コンプレッサの仕事量を制御する。これによっ
て、十分な冷房能力が得られる第1コンプレッサ運転モ
ードと冷房感を維持しながら極力コンプレッサ停止を行
う第2コンプレッサ運転モードを選択することが可能に
なるので、車両の走行状態や車室内熱負荷に応じて、第
1コンプレッサ運転モードと第2コンプレッサ運転モー
ドを切り替えることで、コンプレッサ運転率を最適にし
てエアコン燃費を向上させることが可能になる。
【0017】また、第2の発明では、第1の発明に加え
て、少なくとも前記防曇温度に関わる温度により前記コ
ンプレッサをONし、前記車室内熱交換器の凍結に関わ
る温度と前記防曇温度に関わる温度の間で設定される制
御温度で前記コンプレッサをOFFするように、前記コ
ンプレッサの仕事量を制御する第3コンプレッサ運転モ
ードと、車室内熱負荷と車両走行状態により、前記第1
コンプレッサ運転モードと前記第3コンプレッサ運転モ
ードを切り替える防曇モード切替手段とを備え、前記目
標吹出温度に関わる温度が前記防曇温度に関わる温度よ
りも低い場合には前記冷房モード切替手段により前記コ
ンプレッサの仕事量を制御し、それ以外の場合には前記
防曇モード切替手段により前記コンプレッサの仕事量を
制御する。これによって、防曇のためにコンプレッサ運
転を行う領域においても、コンプレッサ運転の最適化が
行われ、エアコン燃費を向上させることが可能になる。
【0018】また、第3の発明では、第1の発明と第2
の発明に加えて、前記冷房モード切替手段は、車両の走
行状態が、アイドル、モータ走行、予め設定した車速以
下、予め設定したエンジン回転数以下の少なくとも一つ
を満足する場合には、優先的に前記第2コンプレッサ運
転モードに切り替える。これによって、エンジンの燃費
率が悪く、エアコンの運転効率も低下するアイドル、モ
ータ走行、予め設定した車速以下、予め設定したエンジ
ン回転数以下等の走行状態において、優先的にコンプレ
ッサ停止を行う第2コンプレッサ運転モードに切り替え
られるので、上記走行状態でのエアコン燃費向上が可能
になる。
【0019】また、第4の発明では、第1の発明と第2
の発明に加えて、前記第2コンプレッサ運転モードによ
り前記コンプレッサの仕事量を制御するときには、強制
的に車室内への外気導入量を減少させる。これによっ
て、第2コンプレッサ運転モード時は外気よりもより低
温低湿度の空気が車室内熱交換器に流入するので、コン
プレッサ停止時間を長く、コンプレッサ運転時間を短く
することが可能になる。
【0020】また、第5の発明では、第1の発明と第2
の発明に加えて、前記第2コンプレッサ運転モードによ
り前記コンプレッサの仕事量を制御するときには、前記
コンプレッサのONとOFFに合わせて車室内吹出空気
温度の補正を行う手段を備える。これによって、コンプ
レッサON直後にはより短時間で車室内吹出空気温度の
低下を抑制し、コンプレッサOFF直後にはより短時間
で車室内吹出空気温度の上昇を抑制するので、コンプレ
ッサON・OFFによる車室内吹出空気温度の変動を最
小に抑えることが可能になる。
【0021】また、第6の発明では、第1の発明と第2
の発明に加えて、前記第2コンプレッサ運転モードによ
り前記コンプレッサの仕事量を制御するときには、前記
コンプレッサのONとOFFに合わせて車室内吹出風量
の補正を行う手段を備える。コンプレッサOFF時に車
室内吹出風量を減少させることでコンプレッサ停止時間
を長くし、コンプレッサON時に車室内吹出風量を増加
させることでコンプレッサ運転時のエアコンサイクルの
運転効率を向上させてコンプレッサ運転時間を短くする
ことが可能になる。
【0022】また、第7の発明では、第2の発明に加え
て、前記防曇モード切替手段は、乗員によりデフロスタ
スイッチが選択された場合には、前記第1コンプレッサ
運転モードにより前記コンプレッサの仕事量を制御す
る。これによって、乗員によりデフロスタスイッチが押
された場合には、第1コンプレッサ運転モードに切り替
えられるので、確実にガラスの防曇を行うことが可能に
なる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用空調装
置の一実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明す
る。図1は、本発明による車両用空調装置の一実施の形
態を示す概略構成図である。
【0024】まず、構成を説明する。図1において、コ
ンプレッサ31は、エンジンルームに設けられ、コンプ
レッサクラッチがONならばエンジン201で駆動さ
れ、OFFならばエンジンと切り離されて停止する。車
室外熱交換器32は車室外に設けられ、コンプレッサ3
1から吐出される冷媒の熱を外気に放熱する車室外コン
デンサになっている。
【0025】第1の車室内熱交換器34と第2の車室内
熱交換器36は、ダクト39内に配置される。第1の車
室内熱交換器34の一端はコンプレッサ31の冷媒吸入
に、他端は膨張手段としての第1の膨張弁33に接続
し、コンプレッサ31が運転しているときには、常に吸
熱器となってブロワファン38によって送風された空気
を冷却する。第2の車室内熱交換器36は第1の車室内
熱交換器34の空気流れ下流に置かれ、第1の車室内熱
交換器34で冷却された後の空調風と内部を流れる冷媒
とが熱交換を行う。
【0026】バイパス路37は、車室外熱交換器32と
第1の膨張弁33の間から分岐し、第2の膨張弁35と
第2の車室内熱交換器36を経由して、第1の膨張弁3
3と第1の車室内熱交換器34の間に接続する。そのた
め、車室外熱交換器32で凝縮された後に第2の膨張弁
35で断熱膨張された低温低圧の冷媒が、第2の車室内
熱交換器36に流入する。
【0027】また、ダクト39には、第2の車室内熱交
換器36の下流にヒータコア202が設けられ、エンジ
ン冷却水が流入する。203は、エンジン冷却水配管で
ある。
【0028】ダクト39の第1の車室内熱交換器34よ
りも上流側には、車室内空気を導入する内気導入口40
と、走行風圧を受けて外気を導入する外気導入口41と
が設けられている。この内気導入口40と外気導入口4
1とが分岐する部分には、内気導入口40と外気導入口
41とを任意の比率で開閉するインテークドア42が設
けられている。インテークドア42の開度たるインテー
クドア開度Xintは、外気導入量がゼロでフル内気と
なる位置をXint=0%と設定し、フル外気導入とな
る位置をXint=100%と設定する。内気導入口4
0と外気導入口41との空気導入側(空気流の下流側)
と第1の車室内熱交換器34との間には、ブロワファン
38が配置され、制御装置43で駆動されるブロワファ
ンモータ44で回転駆動されるようになっている。
【0029】第2の車室内熱交換器36の下流側には、
エアミックスドア46が設けられている。このエアミッ
クスドア46は、制御装置43で駆動される図外のエア
ミックスドアアクチュエータにより、下流のヒータコア
202を通過する空気と通過しない空気の割合を調節す
るように開閉する。エアミックスドア46は、ヒータコ
ア通過風量を可変することができ、ヒータ風量可変手段
となっている。エアミックスドア46の開度たるエアミ
ックスドア開度Xmixは、エアミックスドア46が一
点鎖線示の位置となってヒータコア202を通過する空
気がゼロとなるときをXmix=0%(全閉、Full
COOL)と設定し、エアミックスドア46が二点鎖
線示の位置となってすべての空気がヒータコア202を
通過するときをXmix=100%(全開、Full
HOT)と設定する。
【0030】ダクト39のヒータコア202よりも下流
側には、上記冷風と温風との混合を良くすることによ
り、温度調節された空調風を作る部屋としてのエアミッ
クスチャンバ47が設けられている。エアミックスチャ
ンバ47には、図外の対象乗員の上半身に向けて空調風
を吹き出すベンチレータ吹出口51と、対象乗員の足元
に向けて空調風を吹き出すフット吹出口53と、図外の
フロントウィンドガラスに向けて空調風を吹き出すデフ
ロスタ吹出口52とが設けられている。エアミックスチ
ャンバ47内には、ベンチレータドア55とフットドア
57とデフロスタドア56とが設けられている。ベンチ
レータドア55は、制御装置43で駆動される図外のベ
ンチレータドアアクチュエータにより、ベンチレータ吹
出口51を開閉する。フットドア57は、制御装置43
で駆動される図外のフットドアアクチュエータにより、
フット吹出口53を開閉する。デフロスタドア56は、
制御装置43で駆動される図外のデフロスタドアアクチ
ュエータにより、デフロスタ吹出口52を開閉する。デ
フロスタドア56は、デフロスタ吹出風量を可変するこ
とができ、デフロスタ風量可変手段となっている。デフ
ロスタドア56の開度たるデフロスタドア開度Xdef
は、デフロスタ吹出口52が全閉となる位置をXdef
=0%と設定し、デフロスタ吹出口52が全開となる位
置をXdef=100%と設定する。
【0031】制御装置43は、第2の車室内熱交換器吹
出温センサ58と第2の車室内熱交換器出口冷媒温セン
サ59と日射量センサ61と外気温センサ62と室温セ
ンサ63と室温設定器64と吹出口モードスイッチ65
とブロワファンスイッチ66とエンジン冷却水温センサ
204などの熱環境情報入力手段から得られる第2の車
室内熱交換器36の吹出空気温度Toutと、第2の車
室内熱交換器36の出口冷媒温度Teoと、車両の日射
量Qsunと、車室外の外気温度Tambと、車室内の
検出温度(車室内温度)Ticと、車室内の設定温度T
ptcと、水温Twなどの熱環境情報により、エアミッ
クスドア開度Xmixとインテークドア開度Xintと
デフロスタドア開度Xdefと風量Vevaと目標吹出
温度Tofなどの目標冷暖房条件を演算し、車室内の冷
暖房条件が上記演算された目標冷暖房条件を維持するよ
うに、ブロワファンモータ44とインテークドアアクチ
ュエータとエアミックスドアアクチュエータとベンチレ
ータドアアクチュエータとフットドアアクチュエータと
デフロスタドアアクチュエータなどを駆動する。また、
制御装置43は、コンプレッサクラッチをON/OFF
したり、エンジン回転数やタイヤの回転数から車両がど
のような走行状態にあるかを検出する。第2の車室内熱
交換器作動温度センサ58は、第2の車室内熱交換器3
6の作動温度検出手段の役割も果たしている。
【0032】なお、実際の車両では、車室外熱交換器3
2の後にラジエータが設けられ、ここにもエンジン冷却
水が流れて外気に放熱するようになっているが、図1に
は図示されていない。
【0033】図5〜図13は、本実施の形態のエアコン
制御のフローチャートを示している。
【0034】図5は、エアコン制御の全体の流れを示し
ている。ステップS100で、エアコン制御を開始する
と、ステップS200では、各センサ値及び各アクチュ
エータ出力を検出する。ここで、Tptcは乗員により
設定された目標温度、Twは水温、Toutは第2の車
室内熱交換器作動温度センサ58により検出された第2
の車室内熱交換器36の吹出空気温度、Tambは外気
温センサ62により検出された外気温、Ticは室温セ
ンサ63により検出された室温、Qsunは日射量セン
サ61により検出された日射量、Vfanはブロワファ
ン電圧、Xdefはデフロスタドア開度、Xintはイ
ンテークドア開度、Xmixはエアミックスドア開度で
ある。
【0035】ステップS300では、ステップS200
で検出したTptc,Tamb,Qsun,Tic等の
車室内熱負荷に基づいて目標吹出温度Tofを演算す
る。
【0036】ステップS400では、ガラスの防曇に関
わる温度Tfineを演算する。ここでは、外気温Ta
mbを基にして、(Tamb−ΔTf)をTfineに
設定する。この他にも、車両の走行状態や内外気の温湿
度やガラス面温度等を考慮してTfineを設定しても
よい。
【0037】ステップS500では、図6に示す制御フ
ローチャートにより、制御モードの選択を行う。
【0038】ステップS600では、図7〜図9に示す
制御フローチャートにより、コンプレッサ制御を行う。
【0039】ステップS700では、図10に示す制御
フローチャートにより、インテークドア制御を行う。
【0040】ステップS800では、図11に示す制御
フローチャートにより、ファン制御を行う。
【0041】ステップS900では、図12に示す制御
フローチャートにより、ミックスドア制御を行う。
【0042】ステップS1000では、図13に示す制
御フローチャートにより、吹き出し口制御を行い、再び
ステップS200に戻って、以上の制御フローチャート
を繰り返す。
【0043】図6は、図5のステップS500の制御モ
ードの選択のフローチャートを示している。ステップS
501では、目標吹出温度Tofとガラスの防曇に関わ
る温度Tfineの大小を比較し、Tof≧Tfine
の場合には防曇を優先したエアコン運転を行うためにス
テップS502に進み、Tof<Tfineの場合には
車室内の冷房を優先したエアコン運転を行うためにステ
ップS505に進む。
【0044】ステップS502では、乗員によりデフロ
スタスイッチが押されているか否かを判断する。デフロ
スタスイッチが押されている場合には、十分な防曇性確
保が必要と判断し、ステップS504に進んで第1コン
プレッサ運転モードであるフル運転モードを選択する。
逆に、デフロスタスイッチが押されていない場合には、
ステップS503に進んで、可能な限りコンプレッサ運
転を省略しつつ必要最小限の防曇性を確保する第3コン
プレッサ運転モードである省運転モードBを選択する。
【0045】一方、ステップS501で、Tof<Tf
ineの場合、ステップS505において、室温Tic
と乗員の設定温度Tptcの温度差を計算する。この温
度差が所定の温度差ΔTよりも大きい場合には、まだ十
分に車室内が冷房されていないと判断してステップS5
04に進んでフル運転モードを選択する。逆に、(Ti
c−Tptc)<ΔTの場合、ステップS506に進
む。
【0046】ステップS506では、アイドル開始か否
かを判断し、アイドル開始直後の場合にはステップS5
08に進んで第2コンプレッサ運転モードである省運転
モードAを選択し、そうでない場合にはステップS50
7に進む。
【0047】ステップS507では、走行開始直後か否
かを判断し、走行開始直後の場合にはステップS504
に進んでフル運転モードを選択し、そうでない場合には
ステップS508に進んで第2コンプレッサ運転モード
である省運転モードAを選択する。
【0048】ここで、フル運転モードは、従来のエアコ
ン運転のように、車室内熱交換器の作動温度または吹出
空気温度が所定の温度以下に維持されるようにコンプレ
ッサ31の運転を制御する運転モードである。これに対
して、省運転モードAや省運転モードBは、必要最小限
のコンプレッサ運転とコンプレッサ運転中に車室内熱交
換器内に蓄えられた低温低圧冷媒の冷熱を利用したコン
プレッサ停止を組み合わせた運転モードで、省運転モー
ドAは車室内の冷房を優先した省運転モード、省運転モ
ードBはガラスの防曇を優先した省運転モードである。
【0049】アイドル時のエアコン運転は、エンジンに
とっては燃費率の悪い運転で、エアコンにとっては車室
外熱交換器の風温上昇、風速低下、回転数低下といった
悪条件が重なり効率の悪い運転となっている。これに対
して、走行時のエアコン運転は、エンジンにとっては燃
費率の良い運転で、エアコンにとっては車室外熱交換器
の風速上昇、高回転数、車室内熱負荷の低下といった好
条件のもとで効率の良い運転となっている。そのため、
アイドル時や低速時や低エンジン回転時にはできる限り
コンプレッサ31を停止し、走行時のように車速やエン
ジン回転数が高い時にはコンプレッサ停止期間中の不足
冷力を補いながらコンプレッサ31を運転すれば、エア
コン燃費が向上できることがわかった。
【0050】図6の制御フローチャートでは、ステップ
S506によりアイドル開始直後に省運転モードAを選
択することで、その後、ステップS505で室温が上昇
したと判断されるか、ステップS507で走行開始と判
断されるまで、アイドル中は省運転モードAが優先的に
選択される。また、ステップS507により走行開始直
後にフル運転モードを選択することで、その後、ステッ
プS505で車室内が十分に冷房されたと判断される
か、ステップS506でアイドル開始と判断されるま
で、フル運転モードが優先的に選択される。
【0051】ステップS506やステップS507で
は、従来のエンジン車を想定してアイドル開始や走行開
始を運転モード選択の判断条件としたが、エンジンとモ
ータを併用するハイブリッド車ならば、ステップS50
6の条件をモータ走行開始直後、ステップS507の条
件をエンジン走行開始直後としてもよい。また、車速や
エンジン回転数を用いて、ステップS506の条件を車
速やエンジン回転数が所定値よりも小さい、ステップS
507の条件を車速やエンジン回転数が所定値よりも大
きい、としてもよい。
【0052】なお、以上の説明からわかるように、本実
施の形態におけるフル運転モードが第1コンプレッサ運
転モード、省運転モードAが第2コンプレッサ運転モー
ド、省運転モードBが第3コンプレッサ運転モードにそ
れぞれ対応する。
【0053】図7〜図9は、図5のステップS600の
コンプレッサ制御のフローチャートを示している。ステ
ップS601では、図5のステップS500で選択され
た制御モードに応じて、フル運転モードが選択された場
合にはステップS602に進み、省運転モードBが選択
された場合にはステップS605に進み、省運転モード
Aが選択された場合にはステップS608に進む。
【0054】ステップS602では、コンプレッサ31
をOFFする温度Toffを設定する。ここでは、第1
の車室内熱交換器34または第2の車室内熱交換器36
の少なくとも一つの凍結に関する温度Teva1を用い
て、Toff=Teva1と設定する。
【0055】ステップS603では、コンプレッサ31
をONする温度Tonを設定する。ここでは、第1の車
室内熱交換器34または第2の車室内熱交換器36の少
なくとも一つの凍結に関する温度Teva1を用いて、
Toff=Teva1+α1(α1>0)と設定する。
【0056】ステップS604では、ToutとTon
とToffが比較され、コンプレッサONかコンプレッ
サOFFが選択される。フル運転時は、ステップS60
2とステップS603により、Teva1を基準にして
α1の温度幅でコンプレッサ31が断続運転される。
【0057】また、ステップS601でガラスの防曇を
優先した省運転モードである省運転モードBと判断され
た場合はステップS605に進み、アイドルとアイドル
以外に区分して、コンプレッサ31のOFFに関する制
御定数α2と、コンプレッサ31のONに関する制御定
数α3をそれぞれ設定する(α2>α3)。ここで、ア
イドル時のα2は、アイドル時のエンジン回転数が低い
ためにアイドル以外時に比べて小さい値に設定し、アイ
ドル以外時のα3は、アイドル以外時は走行によりガラ
ス面が冷却されてガラス曇りが発生しやすいためにアイ
ドル時に比べて大きい値に設定する。
【0058】ステップS606では、コンプレッサ31
をOFFする温度Toffを設定する。ここでは、(T
fine−α2)とTeva1を比較し、大きい方をT
offに設定する。
【0059】ステップS607では、コンプレッサ31
をONする温度Tonを設定する。ここでは、Tfin
eとα3を用いて、Ton=Tfine−α3と設定す
る。
【0060】省運転モードBでは、ステップS604に
おいて、ToutとステップS606で設定されたTo
ffとステップS607で設定されたTonが比較さ
れ、コンプレッサONかコンプレッサOFFが選択され
る。
【0061】また、ステップS601で冷房を優先した
省運転モードである省運転モードAと判断された場合は
ステップS608に進み、車室内熱負荷に応じて許容吹
出温度Tupperを求める。ここでは、予め外気温T
ambと日射量Qsunをパラメータにした実験を行
い、Tupperに関するマップを作成しておき、これ
を使用する。
【0062】ステップS609では、コンプレッサ31
をONする温度Tonを設定する。ここでは、ステップ
S608で得られたTupperを用い、Ton=Tu
pperと設定する。
【0063】ステップS610では、アイドル時とアイ
ドル以外時に分けて、コンプレッサ31をOFFする温
度Toffに関する制御定数α4を設定する。ここで、
アイドル時のα4は、アイドル時のエンジン回転数が低
いためにアイドル以外時に比べて小さい値に設定する。
【0064】ステップS611では、コンプレッサ31
をOFFする温度Toffを設定する。ここでは、(T
of−α4)とTeva1の大きい方を設定する。
【0065】省運転モードAでは、ステップS604に
おいて、ToutとステップS611で設定されたTo
ffとステップS609で設定されたTonが比較さ
れ、コンプレッサONかコンプレッサOFFが選択され
る。
【0066】図10は、図5のステップS700のイン
テークドア制御のフローチャートを示している。ステッ
プS701では、図5のステップS500で選択された
制御モードに応じて、省運転モードAが選択された場合
にはステップS703に進み、それ以外の運転モードが
選択された場合にはステップS702に進む。
【0067】ステップS702では、インテークドア開
度を乗員のスイッチ操作に応じたインテークドア開度X
int.setに設定する。
【0068】ステップS703では、強制的に外気導入
量がゼロになるようにインテークドア開度を設定する。
これによって、省運転モードAを行っている間は、外気
よりも温度や湿度が低い車室内空気が車室内熱交換器に
流入することになり、車室内熱交換器内に蓄えられた低
温低圧冷媒を使ってより長時間コンプレッサ31を停止
したままで冷房感を維持することができ、逆に、コンプ
レッサ運転時にはより短時間で車室内熱交換器の作動状
態を所定の状態まで低下させることができるので、結果
的にコンプレッサ31の運転率を低下させてエアコン燃
費を向上させることができる。
【0069】図11は、図5のステップS800のファ
ン制御のフローチャートを示している。ステップS80
1では、目標吹出温度Tofと乗員のファンスイッチ操
作に応じたブロワファン電圧Vfan.setを演算す
る。
【0070】ステップS802では、図5のステップS
500で選択された制御モードに応じて、省運転モード
Aが選択された場合にはステップS804に進み、それ
以外の運転モードが選択された場合にはステップS80
3に進む。
【0071】ステップS803では、ステップS801
で得られたVfan.setをブロワファン電圧Vfa
nに設定する。
【0072】ステップS804では、コンプレッサ31
がONされているか否かを判断し、コンプレッサ31が
ONされている場合にはステップS805に進み、コン
プレッサ31がOFFの場合にはステップS806に進
む。
【0073】ステップS805では、VfanをVfa
n.setよりもΔVfanだけ低い電圧に設定する。
【0074】ステップS806では、VfanをVfa
n.setよりもΔVfanだけ高い電圧に設定する。
【0075】ステップS804〜S806により、省運
転モードAを行う時、コンプレッサ停止時は風量がやや
減少し、コンプレッサ運転時は風量がやや増加する。コ
ンプレッサ停止時に風量が減少すると、吹出空気温度が
低下するとともにコンプレッサ停止時間が長くなる。ま
た、コンプレッサ運転時に風量が増加すると、エアコン
サイクルの運転効率が向上し、コンプレッサ運転時間が
短くなるので、コンプレッサ31の運転率が低下し、エ
アコン燃費の向上につながる。
【0076】図12は、図5のステップS900のミッ
クスドア制御のフローチャートを示している。ステップ
S901では、図5のステップS500で選択された制
御モードに応じて、フル運転モードが選択された場合に
はステップS902に進み、それ以外の運転モードが選
択された場合にはステップS903に進む。
【0077】ステップS902では、Tout補正=0
に設定してステップS907に進む。本発明のフル運転
モードは従来のエアコン制御とほぼ同じなので、コンプ
レッサ31の断続運転によるToutの変化に対しては
すでに対策がなされているので、さらなる補正は不必要
と判断して、Tout補正=0と設定する。
【0078】ステップS901でフル運転モード以外と
判断された場合には、ステップS903でコンプレッサ
OFF直後か否かを判断する。ステップS903でコン
プレッサOFF直後と判断された場合にはステップS9
06に進み、そうでない場合にはステップS904に進
む。
【0079】ステップS906では、Tout補正とし
て、+(Ton−Tout)を設定する。コンプレッサ
停止直後は10秒前後の短い時間で急激に第2の車室内
熱交換器36の吹出空気温度が上昇するので、Tout
補正=+(Ton−Tout)とすることで、遅れるこ
となくミックスドアの開度を修正することが可能にな
る。
【0080】ステップS904では、コンプレッサON
直後か否かを判断し、コンプレッサON直後の場合には
ステップS905に進み、そうでない場合にはステップ
S902に進む。
【0081】ステップS905では、Tout補正とし
て、−(Ton−Tout)を設定する。コンプレッサ
運転開始直後は数十秒前後の比較的短い時間で急激に第
2の車室内熱交換器36の吹出空気温度が低下するの
で、Tout補正=−(Ton−Tout)とすること
で、遅れることなくミックスドアの開度を修正すること
が可能になる。
【0082】ステップS907では、Tof及びTou
t補正を加味したミックスドア開度Xmix.setを
演算し、これをXmixに設定する。
【0083】図13は、図5のステップS1000の吹
き出し口制御のフローチャートを示している。ステップ
S1001では、Tofと乗員の吹き出しモードスイッ
チ操作に応じた吹き出しモードに設定する。
【0084】以上、本実施の形態では、図1に示すエア
コンサイクルを用いて説明を行ったが、図2〜図4に示
すエアコンサイクルを用いても同様の効果を得ることが
できる。
【0085】図2は、コンプレッサ31、車室外熱交換
器32、膨張弁80、第1の車室内熱交換器34で構成
されるエアコンサイクルである。
【0086】図3は、図2に示すエアコンサイクルにお
いて、膨張弁80の冷媒流れ下流に第2の車室内熱交換
器36と第1の車室内熱交換器34が直列に配置された
場合のエアコンサイクルである。
【0087】図4は、図2に示すエアコンサイクルにお
いて、膨張弁80の冷媒流れ下流に第1の車室内熱交換
器34と第2の車室内熱交換器36が並列に配置された
場合のエアコンサイクルである。
【0088】図3と図4に示す第2の車室内熱交換器3
6は、図1に示す車両用空調装置と同じく、第1の車室
内熱交換器34の空気流れ下流に置かれ、第1の車室内
熱交換器34で冷却された後の空調風と内部を流れる冷
媒とが熱交換を行う。
【0089】また、本実施の形態では、エンジン車の場
合を例にして説明したが、エンジンとモータを併用した
ハイブリッド車に適用しても同様の効果を得ることがで
きる。
【0090】また、以上の説明では、固定容量コンプレ
ッサを想定して説明を行ったが、可変容量タイプのコン
プレッサや電動コンプレッサのように回転数を任意に可
変可能なコンプレッサを用いてもよい。この場合、フル
運転モード時においては、第2の車室内熱交換器36の
吹出空気温度Toutが、図7のステップS602で設
定されるToffとなるようにコンプレッサ31の仕事
量が可変され、省運転モードAにおいては、コンプレッ
サON時に第2の車室内熱交換器36の吹出空気温度T
outが図8のステップS611で設定されるToff
となるようにコンプレッサの仕事量が可変され、省運転
モードBにおいては、コンプレッサON時に第2の車室
内熱交換器36の吹出空気温度Toutが図7のステッ
プS606で設定されるToffとなるようにコンプレ
ッサの仕事量が可変される。さらに、省運転モードAや
省運転モードBでコンプレッサ31をONする場合に
は、コンプレッサ31の仕事量を大きくしてコンプレッ
サ運転時間を短くするように制御を行ってもよい。
【0091】
【発明の効果】近年のハイブリッド車のように、アイド
ル時にエンジンを停止することで数十%以上の燃費向上
が見込まれる。実際、エアコン運転時のアイドルでは、
コンプレッサを回すためにだけエンジンが運転され、こ
の部分を少なくできればエアコン時の燃費向上が期待で
きる。
【0092】本発明の車両用空調装置によれば、車両の
走行状態と車室内熱負荷に応じて、フル運転モードと省
運転モードAと省運転モードBが選択される。
【0093】車室内冷房が優先される車室内熱負荷条件
では、省運転モードAとフル運転モードが切り替えら
れ、車両の走行状態がアイドル、モータ走行、低速度、
低エンジン回転のいずれか一つに合致する場合には優先
的に省運転モードAを選択し、車両が走行状態にある場
合にはフル運転モードを優先するので、エンジンとエア
コンサイクルの効率が悪い上記走行状態におけるコンプ
レッサ運転を減らし、その減少分をエンジンとエアコン
サイクルの効率が良い走行時に振り分けることが可能に
なるので、車両としてのエアコン燃費が向上する。
【0094】一方、ガラスの防曇が優先される車室内熱
負荷条件では、省運転モードBとフル運転モードが切り
替えられ、可能な限りコンプレッサ運転率を低下させる
コンプレッサ制御が行われるので、車両としてのエアコ
ン燃費が向上する。
【0095】また、省運転モードAによりコンプレッサ
を断続運転するときには、強制的に車室内への外気導入
量を減少させるので、省運転モードA時は外気よりもよ
り低温低湿度の空気が車室内熱交換器に流入することに
なり、この結果、コンプレッサ停止時間を長く、コンプ
レッサ運転時間を短くすることが可能になる。
【0096】また、省運転モードAによりコンプレッサ
を断続運転するときには、コンプレッサのONとOFF
に合わせて車室内吹出空気温度のTout補正を行う。
これによって、コンプレッサON直後にはより短時間で
車室内吹出空気温度の低下を抑制し、コンプレッサOF
F直後にはより短時間で車室内吹出空気温度の上昇を抑
制するので、コンプレッサのON・OFFによる車室内
吹出空気温度の変動を最小限に抑えることが可能にな
る。
【0097】また、省運転モードAによりコンプレッサ
を断続運転するときには、コンプレッサのONとOFF
に合わせて車室内吹出風量の補正を行う。これによっ
て、コンプレッサOFF時に車室内吹出風量を減少させ
てコンプレッサ停止時間を長くし、コンプレッサON時
に車室内吹出風量を増加させてコンプレッサ運転時のエ
アコンサイクルの運転効率を向上させコンプレッサ運転
時間を短くすることが可能になる。
【0098】また、ガラスの防曇が優先される車室内熱
負荷条件では、乗員によりデフロスタスイッチが選択さ
れた場合、フル運転モードによりコンプレッサを断続運
転させるので、確実にガラスの防曇を行うことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用空調装置の一実施の形態の
概略構成図である。
【図2】本発明による車両用空調装置の別のエアコンサ
イクル構成図である。
【図3】本発明による車両用空調装置の別のエアコンサ
イクル構成図である。
【図4】本発明による車両用空調装置の別のエアコンサ
イクル構成図である。
【図5】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図6】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図7】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図8】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図9】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図10】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図11】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図12】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図13】本発明のエアコン制御のフローチャートであ
る。
【図14】従来技術による車両用空調装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
31 コンプレッサ 32 車室外熱交換器 33 第1の膨張弁 34 第1の車室内熱交換器 35 第2の膨張弁 36 第2の車室内熱交換器 37 バイパス路 38 ブロワファン 39 ダクト 40 内気導入口 41 外気導入口 42 インテークドア 43 制御装置 44 ブロワファンモータ 46 エアミックスドア 47 エアミックスチャンバ 51 ベンチレータ吹出口 52 デフロスタ吹出口 53 フット吹出口 55 ベンチレータドア 56 デフロスタドア 57 フットドア 58 第2の車室内熱交換器吹出温センサ 59 第2の車室内熱交換器出口冷媒温センサ 61 日射量センサ 62 外気温センサ 63 室温センサ 64 室温設定器 65 吹出口モードスイッチ 66 ブロワファンスイッチ 80 膨張弁 201 エンジン 202 ヒータコア 203 エンジン冷却水配管 204 エンジン冷却水温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B60H 1/00 B60H 1/00 101N (56)参考文献 特開 平4−95523(JP,A) 特開 平7−172156(JP,A) 特開 平1−119412(JP,A) 特開 昭62−227809(JP,A) 特開 昭58−209612(JP,A) 特開 平8−132861(JP,A) 特開 平1−254418(JP,A) 特開 平3−143720(JP,A) 実開 昭62−156515(JP,U) 実開 昭60−174615(JP,U) 実開 昭61−42308(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/32 623 B60H 1/32 621 B60H 1/32 626 B60H 1/00 101

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、エンジンで駆動可能なコン
    プレッサと、 前記コンプレッサから吐出された冷媒と外気で熱交換す
    る車室外熱交換器と、 前記車室外熱交換器で凝縮された冷媒を断熱膨張させる
    膨張手段と、 前記膨張手段で断熱膨張された冷媒と車室内に吹き出す
    空調風とで熱交換する車室内熱交換器と、 を順次接続して構成されるエアコンサイクルを備える車
    両用空調装置において、 車室内の熱負荷を検出する熱負荷検出手段と、 前記熱負荷検出手段で検出された車室内熱負荷により車
    室内への目標吹出温度を演算する目標吹出温演算手段
    と、 前記熱負荷検出手段で検出された車室内熱負荷により許
    容上限吹出温度を設定する許容上限吹出温設定手段と、 前記車室内熱交換器の作動状態を検出する車室内熱交換
    器作動検出手段と、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 前記車室内熱交換器の凍結温度に関わる温度により前記
    コンプレッサの仕事量を制御する第1コンプレッサ運転
    モードと、 少なくとも前記許容上限吹出温度に関わる温度により前
    記コンプレッサをONし、前記目標吹出温度に関わる温
    度と前記車室内熱交換器の凍結温度に関わる温度の間で
    設定される制御温度により前記コンプレッサをOFFす
    るように、前記コンプレッサの仕事量を制御する第2コ
    ンプレッサ運転モードと、 車室内熱負荷と車両走行状態により、前記第1コンプレ
    ッサ運転モードと前記第2コンプレッサ運転モードを切
    り替える冷房モード切替手段と、 を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用空調装置におい
    て、 ガラスの防曇に関する温度を設定する防曇温度設定手段
    と、 少なくとも前記防曇温度に関わる温度により前記コンプ
    レッサをONし、前記車室内熱交換器の凍結に関わる温
    度と前記防曇温度に関わる温度の間で設定される制御温
    度で前記コンプレッサをOFFするように、前記コンプ
    レッサの仕事量を制御する第3コンプレッサ運転モード
    と、 車室内熱負荷と車両走行状態により、前記第1コンプレ
    ッサ運転モードと前記第3コンプレッサ運転モードを切
    り替える防曇モード切替手段と、 を備え、 前記目標吹出温度に関わる温度が前記防曇温度に関わる
    温度よりも低い場合には前記冷房モード切替手段により
    前記コンプレッサの仕事量を制御し、それ以外の場合に
    は前記防曇モード切替手段により前記コンプレッサの仕
    事量を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の車両用空調装
    置において、 前記冷房モード切替手段は、車両の走行状態が、アイド
    ル、モータ走行、予め設定した車速以下、予め設定した
    エンジン回転数以下の少なくとも一つを満足する場合に
    は、優先的に前記第2コンプレッサ運転モードに切り替
    えることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の車両用空調装
    置において、 前記第2コンプレッサ運転モードにより前記コンプレッ
    サの仕事量を制御するときには、強制的に車室内への外
    気導入量を減少させることを特徴とする車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の車両用空調装
    置において、 前記第2コンプレッサ運転モードにより前記コンプレッ
    サの仕事量を制御するときには、前記コンプレッサのO
    NとOFFに合わせて車室内吹出空気温度の補正を行う
    手段を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の車両用空調装
    置において、 前記第2コンプレッサ運転モードにより前記コンプレッ
    サの仕事量を制御するときには、前記コンプレッサのO
    NとOFFに合わせて車室内吹出風量の補正を行う手段
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の車両用空調装置におい
    て、 前記防曇モード切替手段は、乗員によりデフロスタスイ
    ッチが選択された場合には、前記第1コンプレッサ運転
    モードにより前記コンプレッサの仕事量を制御すること
    を特徴とする車両用空調装置。
JP35233198A 1998-12-11 1998-12-11 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP3478148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35233198A JP3478148B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35233198A JP3478148B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000168350A JP2000168350A (ja) 2000-06-20
JP3478148B2 true JP3478148B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=18423334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35233198A Expired - Fee Related JP3478148B2 (ja) 1998-12-11 1998-12-11 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3478148B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012721A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Denso Corp 車両用空調制御装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4624853B2 (ja) * 2005-05-27 2011-02-02 富士重工業株式会社 車両用エアコン制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012721A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Denso Corp 車両用空調制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000168350A (ja) 2000-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3480410B2 (ja) 車両用空調装置
US9250005B2 (en) Air conditioner for vehicle with heat pump cycle
US7013659B2 (en) Battery cooling system for vehicle
JP3463303B2 (ja) 車両用ヒートポンプ式冷暖房装置
JP5663849B2 (ja) 車両用空調装置
JP5403006B2 (ja) 車両用空調装置
US6898946B2 (en) Vehicle air-conditioning system
JP2005059797A (ja) 車両用空調装置
JP2004142646A (ja) 車両用空調装置
JP4443812B2 (ja) 車両用空調装置
CN108349349B (zh) 车辆用空调装置
JP3876762B2 (ja) 車両用空調装置
JP2010030435A (ja) 車両用空調装置
JP3716686B2 (ja) 車両用空調装置
JP3478148B2 (ja) 車両用空調装置
JP4561014B2 (ja) 車両用空調装置
JP2000062452A (ja) 車両用空調装置
JP3718935B2 (ja) 車両用空調装置
JP3460422B2 (ja) 車両用空調装置
JP3456021B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP2002154319A (ja) 車両用空調装置
JP3931438B2 (ja) 車両用空調装置
JP3336886B2 (ja) 車両用空調装置
JP3812042B2 (ja) 電気自動車用空気調和装置
JPH10264646A (ja) 車両用空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101003

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees