JP3526029B2 - 建物のバリアフリー改修工法 - Google Patents

建物のバリアフリー改修工法

Info

Publication number
JP3526029B2
JP3526029B2 JP2000326727A JP2000326727A JP3526029B2 JP 3526029 B2 JP3526029 B2 JP 3526029B2 JP 2000326727 A JP2000326727 A JP 2000326727A JP 2000326727 A JP2000326727 A JP 2000326727A JP 3526029 B2 JP3526029 B2 JP 3526029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
existing
floors
elevator
entrance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000326727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002129755A (ja
Inventor
久 津田
Original Assignee
株式会社小山工作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社小山工作所 filed Critical 株式会社小山工作所
Priority to JP2000326727A priority Critical patent/JP3526029B2/ja
Publication of JP2002129755A publication Critical patent/JP2002129755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526029B2 publication Critical patent/JP3526029B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G23/00Working measures on existing buildings
    • E04G23/02Repairing, e.g. filling cracks; Restoring; Altering; Enlarging
    • E04G23/0266Enlarging

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古い共同住宅など
のようにエレベーターのない既存建物に昇降設備を新設
してバリアフリー化する建物のバリアフリー改修工法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】5階建て以下の古い共同住宅などのよう
にエレベーターのない既存建物では、2階以上に居住す
る高齢者や身体的障害のある人達は、外出するにも階段
の昇降が大変である。公的共同住宅のみを考えてもエレ
ベーターのない夥しい数の古い建物があり、高齢化時代
を迎えて前述のような問題は益々社会問題化すると思わ
れる。そこで、そのようなエレベーターのない古い共同
住宅等の建物を、最近では常識化したエレベーター付き
の建物に改修してバリアフリー化することが考えられ
る。
【0003】図5は、階段室方式の共同住宅の1例であ
り、既存建物1の表側(玄関側)に隣接住戸2,2に共
通の階段室3が設けられ、この階段室3の奥には玄関4
が設けられ、また既存建物1の裏側(反玄関側)にベラ
ンダ5が設けられている。
【0004】このような階段室方式の共同住宅をエレベ
ーター付きの建物に改修する場合、図6に示すように、
既存建物1の表側(階段室側)に片廊下式の新設廊下5
0を各階の床レベルに一致させて設置し、この新設廊下
50の所定の箇所にエレベーター51と屋外階段52を
固定設置する工法が考えられている。
【0005】各住戸2の玄関4は既存階段室3の奥まっ
た所にあるため、玄関4に新設廊下50を接続すると、
既存階段3aが邪魔になるため、既存階段3aを撤去し
ている。なお、新設廊下50は、通常、2階以上に設け
ればよいが、1階にも設置する場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の改
修工法の場合、次のような問題がある。 (1) 既存階段3aを撤去する必要があるため、工事が大
掛かりとなり、また古い建物の構造体と一体化している
既存階段3aを撤去することは、建物の耐震性能の低下
を招き、耐震補強が別途必要になる可能性もある。 (2) 既存階段3aがなくなると、居住者の地上への避難
距離が長くなる。 (3) 廊下50を新設した側にある部屋は外光が入りにく
くなり、暗くなる。 (4) 改修工事中に既存の玄関4を使用することができ
ず、また住民の一時退去が必要となる場合もあり、住民
に多くの不自由を強いることになる。
【0007】本発明は、前述のような、既存階段の撤去
により、工事が大掛かりになること、建物の耐震性能の
低下を招くこと、地上への避難距離が長くなること、部
屋が暗くなること、改修工事中に住民の不自由を強いる
こと、などの従来の問題点を解消あるいは軽減すること
ができる建物のバリアフリー改修工法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、エ
レベーターのない2階建て以上の既存建物において、既
存階段を使用可能な状態に残したまま、全階または一部
階の各戸の表側(玄関側)または裏側(ベランダ側)に
既存の出入口以外の新設出入口を確保し、地上から前記
新設出入口まで到達するアクセス手段(出入手段)を建
物の表側(玄関側)または裏側(ベランダ側)の屋外に
施設し、前記アクセス手段は、既存建物の単棟毎または
何棟か毎に1箇所以上固定設置されたエレベーターと、
既存建物の全階または一部階の各階毎に単独で水平走行
可能に設けられた人荷搬送装置から構成されていること
を特徴とする建物のバリアフリー改修工法である(図1
参照)本発明(請求項1〜4 ) においては、新設出入
口とアクセス手段の各階部分は、1階から最上階までの
各階に設けてもよいし、到達の容易な1階を除いて2階
以上の各階に設けてもよく、さらにバリアフリー化の必
要な階のみに設けることもできる。
【0009】上記の人荷搬送装置は、例えば、走行レー
ル上を走行する走行台車上にケージを設けて構成し、既
存建物に沿って設けたラック式等の簡易な支持構造体の
各段に配設する。複数棟にわたって設置する場合は、支
持構造体と走行レールを延長する。
【0010】本発明の請求項2は、請求項1に記載のア
クセス手段が、既存建物の単棟毎または何棟か毎に1箇
所以上固定設置されたエレベーターと、既存建物の全階
または一部階の各階に対応した人荷積載部を有し地上を
建物に沿って水平走行可能な多段式水平走行装置から構
成されていることを特徴とする建物のバリアフリー改修
工法である(図2参照)。多段式水平走行装置は、例え
ば、地上の基礎上に既存建物の外壁面と平行に敷設され
た走行レール上を走行する走行台車上に縦長ラック式等
の簡易な支持構造体を設けて構成し、この支持構造体内
に人荷積載部としての人荷積載ケージ等を内蔵固定す
る。複数棟にわたって設置する場合は、走行レールを延
長する。
【0011】本発明の請求項3は、請求項1に記載のア
クセス手段が、既存建物の単棟毎または何棟か毎に地上
を建物に沿って水平走行可能に設けられた水平走行式エ
レベーターであることを特徴とする建物のバリアフリー
改修工法である(図3参照)。水平走行式エレベーター
は、例えば、地上の基礎上に既存建物の外壁面と平行に
敷設された走行レール上を走行する走行台車上に縦長ラ
ック式等の簡易な支持構造体を設けて構成し、この支持
構造体内に昇降ケージを昇降装置により昇降可能に設け
る。複数棟にわたって設置する場合は、走行レールを延
長する。
【0012】本発明の請求項4は、請求項1に記載のア
クセス手段が、既存建物の単棟毎または何棟か毎に1箇
所以上固定設置されたエレベーターと、既存建物の全階
または一部階の各階毎に建物外壁面から所定の距離をお
いて配設された固定廊下から構成されていることを特徴
とする建物のバリアフリー改修工法である(図4参
照)。固定廊下は、例えば、既存建物の外壁面に沿って
設置されたラック式等の簡易な支持構造体の各段に設置
固定する。この支持構造体は、既存建物の屋上から吊り
下げる吊りタイプや地上の基礎上に立設する自立タイプ
を用いることができる。複数棟にわたって設置する場合
は、支持構造体と固定廊下を延長する。
【0013】以上のような構成の本発明においては、共
同住宅等の既存建物の既存階段を使用可能な状態に残し
たまま、建物の表側や裏側の屋外に地上から新設出入口
までのアクセス手段を設けるようにしたため、既存階段
の撤去が不要となり、大掛かりでコストのかかる工事を
なくすことができ、また建物の耐震性能の低下を解消で
き、耐震補強も不要となる。
【0014】既存階段が残るため、従来の改修工法にお
ける地上への避難距離が長くなるという問題を解消する
ことができる。アクセス手段の各階部分は既存建物から
所定距離をおいて設置されたラック式等の支持構造体な
どであるため、アクセス手段を新設した側にある部屋で
も外光が入り、部屋が暗くなるのを最小限に抑えること
ができる。改修工事中に既存の玄関・既存の階段を使用
することができ、一時退去も不要となり、住民に不自由
を強いることがない。
【0015】新設出入口・アクセス手段を既存建物の裏
側すなわちベランダ側に設ける方法では、ベランダの一
部を改造して新設出入口とすればよいため、表側の玄関
側に新設出入口を新設する場合のように外壁を一部撤去
し、各戸内部の間取りを変更する必要がなく、より経済
的となる。また、表側の玄関側には下水道管等の埋設物
があるため、アクセス手段の設置を容易に行える。
【0016】アクセス手段に、エレベーターと、各階毎
の人荷搬送装置を用いることにより、安全かつ迅速な出
入りが可能となる。アクセス手段に、エレベーターと各
階毎の人荷積載部を有する多段式水平走行装置を用いた
場合、建物全長にわたる支持構造体と各階毎の走行レー
ルが不要となり、比較的簡便な設備で安全かつ迅速な出
入りが可能となる。アクセス手段に、水平走行式エレベ
ーターを用いた場合、エレベーターと建物全長にわたる
支持構造体と各階毎の走行レールが不要となり、さらに
簡便な設備で安全かつ迅速な出入りが可能となり、また
昇降ケージが縦横に自由自在に移動できるため、各階へ
の移動が迅速になる。
【0017】アクセス手段に、エレベーターと各階毎の
固定廊下を用いた場合、エレベーター以外には機械的手
段がないため、他のアクセス手段よりもより簡易で安価
な設備とすることができる。また、健常者が日常的に新
設固定廊下とエレベーターを使用しても、非健常者の妨
げとならず、利便性が向上する。さらに、新設固定廊下
は吊りタイプとすることができ、この場合、新設固定廊
下を支える柱の基礎を作る必要がなく、直下に下水道管
等の埋設物がある場合に有効となる。
【0018】複数棟を1単位としてアクセス手段の人荷
移動システムを設置することにより、単棟の場合と比べ
て経済的な設備とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。この実施形態は、階段室方式の共
同住宅に本発明を適用した例である。図1〜図4は、本
発明の第1実施形態〜第4実施形態を示したものであ
る。
【0020】[A]本発明の基本構成 図1〜図4において、既存建物1の表側(玄関側)に隣
接住戸2,2に共通の階段室3が設けられ、この階段室
3の奥には玄関4が設けられ、また既存建物1の裏側
(反玄関側)にベランダ5が設けられており、本発明に
おいては、このような既存建物1の既存の階段3aおよ
び玄関4を使用可能な状態に残したまま、全階または2
階以上の各住戸2の玄関側またはベランダ側に新設出入
口10を設け、地上と各新設出入口10の間を居住者等
が円滑・迅速・安全に移動できるアクセス手段を既存建
物1の新設出入口10側の屋外に施設する。なお、図1
〜図4は、新設出入口10を2階以上に設けた場合を例
示している。
【0021】[B]本発明の具体例 (1) 第1実施形態 (1-1) 単棟設置の場合(図1参照) 図1に示すように、既存建物1の1棟毎にエレベーター
11を1箇所以上固定設置し、全階または2階以上の各
階にそれぞれ個別に水平走行可能な人荷搬送装置12を
設け、アクセス手段とする。
【0022】エレベーター11は、既存建物1の階数に
対応した定置のエレベーターシャフト11aと昇降ケー
ジ11bなどからなる通常のエレベーターであり、人荷
搬送装置12が設置される側の建物側部や建物中間部に
おける屋外に配置される。人荷搬送装置12は、例え
ば、一対の走行レール13上を走行する走行台車12a
上にケージ12bを設けて構成し、駆動装置による自走
式とする。また、運転は、利用者Pによる手動操作ある
いは自動運転とする。
【0023】既存建物1の玄関側(図1(c) 参照) ある
いはベランダ側(図1(d) 参照) に、柱材と水平材とブ
レース等からなるラック式で既存建物1と同じ高さの支
持構造体14を、既存建物1の外壁面1aと平行に、外
壁面1aから所定の距離をおいて設置する。この支持構
造体14の各階床に対応した各段に走行レール13を既
存建物1の外壁面1aと平行に配置し、走行方向に間隔
をおいて多数配設した支持フレーム14a(図1(b) 参
照) で走行レール13を支持固定する。なお、支持構造
体14の上部は既存建物1につなぎ材15(図1(c) 参
照) で固定しておく。
【0024】走行レール13は、図1(b) に示すよう
に、エレベーター11のエレベーターホール11cの手
前まで敷設し、エレベーターホール11cから人荷搬送
装置12に対して乗り降りできるようにする。一方、既
存建物側においては、図1(c)の玄関側の場合は、各住
戸2の新設出入口10にステップ16を設け、人荷搬送
装置12から住戸2に対して乗り降りできるようにす
る。図1(d) のベランダ側の場合は、ベランダ5の立ち
上がり壁に扉を設けることで新設出入口10とする。
【0025】なお、人荷搬送装置12には、建物側とエ
レベーター側の2面に乗降口を設け、この乗降口には簡
易な扉を設け、安全を図る。ステップ16にも両サイド
に安全柵を設けるなどする。
【0026】なお、人荷搬送装置12は、以上のような
一対の走行レール13上を走行する方式に限らず、懸垂
式や跨設式のモノレール方式などでもよい。図1(e)
は、懸垂式のモノレール方式の例であり、外壁面1aに
取付けたブラケット17に走行レール13を設け、この
走行レール13に沿って走行するトロリー18に人荷搬
送装置12を取付ける。人荷搬送装置12の下部はガイ
ドレール19で案内させるのが好ましい。このようなモ
ノレール方式の場合、ラツク式の支持構造体14が不要
となり、設備を簡易で安価なものとすることができる。
【0027】以上のような構成の第1実施形態におい
て、各階に配置した人荷搬送装置12をそれぞれ他の
階とは無関係に水平走行させる。人荷を載せての人荷
搬送装置12の運転は、利用者Pによる手動操作あるい
は自動運転とし、新設出入口10の位置検出、乗降扉の
インターロックなどで、乗降は決められた場所でのみ可
能とする。任意の住戸2への呼び寄せは、コンピュー
タ制御による無人運転とする。人荷の住戸2への運搬
終了後は、エレベーターホール11cへ自動帰還させ
る。
【0028】(1-2) 複数棟設置の場合(図示省略) 前述の単棟の場合の支持構造体14と各階の走行レール
13を延長し、複数棟にわたって設置し、複数棟の各階
で人荷搬送装置12を共用する。エレベーター11は、
複数棟に1箇所以上固定設置する。その他の構成および
運転等は単棟の場合と同様である。
【0029】(2) 第2実施形態 (2-1) 単棟設置の場合(図2参照) 図2に示すように、既存建物1の1棟毎にエレベーター
11を1箇所以上固定設置し、全階または2階以上の各
階に専用の人荷積載ケージ20を内蔵固定した多段式水
平走行装置21を地上に水平走行可能に設け、アクセス
手段とする。
【0030】エレベーター11は、第1実施形態の場合
と同様に、定置のエレベーターシャフト11aと昇降ケ
ージ11bなどからなる通常のエレベーターであり、多
段式水平走行装置21が設置される側の建物側部や建物
中間部における屋外に配置される。
【0031】多段式水平走行装置21は、既存建物1の
玄関側(図2(c) 参照) あるいはベランダ側(図2(d)
参照) に配置し、例えば、地上の基礎上に既存建物1の
外壁面1aと平行に敷設された一対の走行レール22上
を走行する走行台車21a上に既存建物1より若干高い
縦長ラック式の支持構造体21bを設けて構成し、駆動
装置による自走式とする。また、運転は、利用者Pによ
る手動操作あるいは自動運転とする。支持構造体21b
の各階床に対応した各段に人荷積載ケージ20を設置固
定する。
【0032】また、図2(c) ,(d) に示すように、既存
建物1の屋上にも一対の走行レール23を敷設して、多
段式水平走行装置21の上部を案内し、多段式水平走行
装置21の転倒および走行直角方向の振れを防止する。
【0033】走行レール22の長さ、人荷積載ケージ2
0の乗降口、新設出入口10のステップ16等は、第1
実施形態と同様である。
【0034】なお、多段式水平走行装置21は、以上の
ような一対の走行レール22上を走行する方式に限ら
ず、懸垂式や跨設式のモノレール方式などでもよい。
【0035】以上のような構成の第2実施形態におい
て、多段式水平走行装置21を水平走行させることで
各階の人荷積載ケージ20が一緒に水平移動する。人
荷を載せての多段式水平走行装置21の運転は、利用者
Pによる手動操作あるいは自動運転とし、新設出入口1
0の位置検出、乗降扉のインターロックなどで、乗降は
決められた場所でのみ可能とする。任意の住戸2への
呼び寄せは、コンピュータ制御による無人運転とする。
人荷の住戸2への運搬終了後は、エレベーターホール
11cへ自動帰還させる。
【0036】(2-2) 複数棟設置の場合(図示省略) 前述の単棟の場合において各階に設置した走行レール2
2および23を延長し、複数棟にわたって敷設し、複数
棟で多段式水平走行装置21を共用する。エレベーター
11は、複数棟に1箇所以上固定設置する。その他の構
成および運転等は単棟の場合と同様である。
【0037】(3) 第3実施形態 (3-1) 単棟設置の場合(図3参照) 図3に示すように、既存建物1の1棟毎に、昇降ケージ
30を内蔵した1台の水平走行式エレベーター31を地
上に水平走行可能に設け、アクセス手段とする。
【0038】水平走行式エレベーター31は、既存建物
1の玄関側(図3(c) 参照) あるいはベランダ側(図3
(d) 参照) に配置し、例えば、地上の基礎上に既存建物
1の外壁面1aと平行に敷設された一対の走行レール3
2上を走行する走行台車31a上に既存建物1より若干
高い縦長ラック式の支持構造体31bを設けて構成し、
駆動装置による自走式とする。また、運転は、利用者P
による手動操作あるいは自動運転とする。支持構造体3
1b内に昇降ケージ30を昇降装置33により昇降可能
に設ける。
【0039】また、図3(c) ,(d) に示すように、第2
実施形態と同様に、既存建物1の屋上にも一対の走行レ
ール34を敷設して、水平走行式エレベーター31の上
部を案内し、水平走行式エレベーター31の転倒および
走行直角方向の振れを防止する。走行レール32・34
は、水平走行式エレベーター31が建物全長にわたって
水平走行できるように敷設する。
【0040】走行レール32の端部における地上には、
乗降場35を新設しておく。昇降ケージ30の構造・乗
降口、新設出入口10のステップ16等は、第2実施形
態と同様である。
【0041】なお、水平走行式エレベーター31は、以
上のような一対の走行レール32上を走行する方式に限
らず、懸垂式や跨設式のモノレール方式などでもよい。
【0042】以上のような構成の第3実施形態におい
て、水平走行式エレベーター31が水平走行しつつ昇
降ケージ30が昇降し、昇降ケージ30が縦横に自由に
移動する。人荷を載せての水平走行式エレベーター3
1の運転は、利用者Pによる手動操作あるいは自動運転
とし、新設出入口10の位置検出、乗降扉のインターロ
ックなどで、乗降は決められた場所でのみ可能とする。
任意の住戸2への呼び寄せは、コンピュータ制御によ
る無人運転とする。人荷の住戸2への運搬終了後は、
乗降場35へ自動帰還させる。
【0043】(3-2) 複数棟設置の場合(図示省略) 前述の単棟の場合において各階に設置した走行レール3
2および34を延長し、複数棟にわたって敷設し、複数
棟で水平走行式エレベーター31を共用する。乗降場3
5は、複数棟に1箇所以上固定設置する。その他の構成
および運転等は単棟の場合と同様である。
【0044】(4) 第4実施形態 (4-1) 単棟設置の場合(図4参照) 図4に示すように、既存建物1の1棟毎にエレベーター
11を1箇所以上固定設置し、全階または2階以上の各
階に、固定廊下40を既存建物1の外壁面1aから所定
の距離をおいて配設し、アクセス手段とする。
【0045】エレベーター11は、第1実施形態等と同
様に、定置のエレベーターシャフト11aと昇降ケージ
11bなどからなる通常のエレベーターであり、固定廊
下40が設置される側の屋外に配置される。
【0046】固定廊下40は、既存建物1の玄関側(図
4(b) ,(c) 参照) に既存建物1の外壁面1aと平行に
設置し、外壁面1aから所定の距離をおいて設置するこ
とで、新設廊下40側にある部屋に入る採光をある程度
確保する。
【0047】また、固定廊下40は、端部がエレベータ
ー11のエレベーターホール11cに連続するように接
続する。一方、既存建物側においては、各住戸2の新設
出入口10にステップ16を設け、各住戸2と固定廊下
40を接続する。
【0048】また、図4(b) ,(c) に示すように、固定
廊下40は、ラック式の支持構造体41の各段に設置固
定する。この支持構造体41は、1階部分のない支持構
造体を既存建物1の屋上に水平に固定した片持ち梁42
から吊り下げてもよいし(吊りタイプ・図4(b))、既存
建物1とほぼ同じ高さの支持構造体を地上の基礎上に設
置固定し、上部をつなぎ材43で既存建物に固定し、自
立させてもよい(自立タイプ・図4(c))。
【0049】なお、固定廊下40・支持構造体41はベ
ランダ側に設けてもよい。この場合、ベランダ5の立ち
上がり壁に新設出入口10を設ければよい。
【0050】以上のような構成の第4実施形態におい
て、エレベーター11で昇降し、新設廊下40・新設出
入口10を使用して住戸2に出入りする。健常者は、既
存階段3aの他に、新設廊下40・エレベーター11も
日常的に自由に使用することができる。
【0051】(4-2) 複数棟設置の場合(図示省略) 前述の単棟の場合において各階に設置した固定廊下40
を延長し、複数棟にわたって敷設し、複数棟で固定廊下
40を共用する。エレベーター11は、複数棟に1箇所
以上固定設置する。その他の構成等は単棟の場合と同様
である。
【0052】なお、以上の図示例は、新設出入口10と
人荷搬送装置12等のアクセス手段の各階部分を2階以
上に設けた場合を例示しているが、1階から最上階まで
の各階に設けてもよいし、バリアフリー化の必要な階の
みに設けるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】(1) 共同住宅等の既存建物の既存階段を
使用可能な状態に残したまま、建物の表側や裏側の屋外
に地上から新設出入口までのアクセス手段を設けるよう
にしたため、既存階段の撤去が不要となり、従来の大掛
かりでコストのかかる工事をなくすことができ、既存建
物のバリアフリー改修を低コストで行える。
【0054】(2) 既存階段の撤去による建物の耐震性能
の低下を解消でき、また耐震補強も不要となる。
【0055】(3) 既存階段が残るため、従来の改修工法
における地上への避難距離が長くなるという問題を解消
することができる。
【0056】(4) アクセス手段の各階部分は既存建物か
ら所定距離をおいて設置されたラック式等の支持構造体
などであるため、アクセス手段を新設した側にある部屋
でも外光が入り、部屋が暗くなるのを最小限に抑えるこ
とができる。
【0057】(5) 改修工事中に既存の玄関・既存の階段
を使用することができ、住民の一時退去も不要となり、
住民に不自由を強いることがない。
【0058】(6) 新設出入口・アクセス手段を既存建物
のベランダ側に設ける方法では、ベランダの一部を改造
して新設出入口とすればよいため、表側の玄関側に新設
出入口を新設する場合のように外壁を一部撤去し、各戸
内部の間取りを変更する必要がなく、より経済的にバリ
アフリー改修を行える。また、表側の玄関側には下水道
管等の埋設物があるため、アクセス手段の設置を容易に
行える利点がある。
【0059】(7) アクセス手段に、エレベーターと、各
階毎の人荷搬送装置を用いることにより、安全かつ迅速
な出入りが可能となる。
【0060】(8) アクセス手段に、エレベーターと各階
毎の人荷積載部を有する多段式水平走行装置を用いた場
合、建物全長にわたる支持構造体と各階毎の走行レール
が不要となり、比較的簡便な設備で安全かつ迅速な出入
りが可能となる。
【0061】(9) アクセス手段に、水平走行式エレベー
ターを用いた場合、エレベーターと建物全長にわたる支
持構造体と各階毎の走行レールが不要となり、さらに簡
便な設備で安全かつ迅速な出入りが可能となる。また、
昇降ケージが縦横に自由自在に移動できるため、各階へ
の移動が迅速になる。
【0062】(10) アクセス手段に、エレベーターと各
階毎の固定廊下を用いた場合、エレベーター以外には機
械的手段がないため、他のアクセス手段よりもより簡易
で安価な設備とすることができる。また、健常者が日常
的に新設固定廊下とエレベーターを使用しても、非健常
者の妨げとならず、利便性が向上する。さらに、新設固
定廊下は吊りタイプとすることができ、この場合、新設
固定廊下を支える柱の基礎を作る必要がなく、直下に下
水道管等の埋設物がある場合に有効となる。
【0063】(11) 複数棟を1単位としてアクセス手段
の人荷移動システムを設置することにより、単棟の場合
と比べて経済的な設備とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の改修工法の第1実施形態を示したもの
であり、(a) は正面図、(b) は平面図、(c) は断面図、
(d) は(c) の変形例の断面図、(e) は走行方式の変形例
の断面図である。
【図2】本発明の改修工法の第2実施形態を示したもの
であり、(a) は正面図、(b) は平面図、(c) は断面図、
(d) は変形例の断面図である。
【図3】本発明の改修工法の第3実施形態を示したもの
であり、(a) は正面図、(b) は平面図、(c) は断面図、
(d) は変形例の断面図である。
【図4】本発明の改修工法の第4実施形態を示したもの
であり、(a) は平面図、(b) は断面図、(c) は変形例の
断面図である。
【図5】階段室方式の共同住宅の1例を示したものであ
り、(a) は平面図、(b) は断面図である。
【図6】従来の改修工法の1例を示したものであり、
(a) は平面図、(b) は断面図である。
【符号の説明】
1…既存建物 1a…外壁面 2…住戸 3…階段室 3a…既存階段 4…玄関 5…ベランダ 10…新設出入口 11…エレベーター 11a…エレベーターシャフト 11b…昇降ケージ 11c…エレベーターホール 12…人荷搬送装置 12a…走行台車 12b…ケージ 13…走行レール 14…支持構造体 14a…支持フレーム 15…つなぎ材 16…ステップ 17…ブラケット 18…トロリー 19…ガイドレール 20…人荷積載ケージ 21…多段式水平走行装置 21a…走行台車 21b…支持構造体 22…走行レール 23…走行レール 30…昇降ケージ 31…水平走行式エレベーター 31a…走行台車 31b…支持構造体 32…走行レール 33…昇降装置 34…走行レール 35…乗降場 40…固定廊下 41…支持構造体 42…片持ち梁 43…つなぎ材 P…利用者(居住者等)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02 B66B 7/00,9/00 E04H 6/18 607,609

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベーターのない2階建て以上の既存
    建物において、既存階段を使用可能な状態に残したま
    ま、全階または一部階の各戸の表側または裏側に既存の
    出入口以外の新設出入口を確保し、地上から前記新設出
    入口まで到達するアクセス手段を建物の表側または裏側
    の屋外に施設し、前記アクセス手段は、既存建物の単棟
    毎または何棟か毎に1箇所以上固定設置されたエレベー
    ターと、既存建物の全階または一部階の各階毎に単独で
    水平走行可能に設けられた人荷搬送装置から構成されて
    いることを特徴とする建物のバリアフリー改修工法。
  2. 【請求項2】 エレベーターのない2階建て以上の既存
    建物において、既存階段を使用可能な状態に残したま
    ま、全階または一部階の各戸の表側または裏側に既存の
    出入口以外の新設出入口を確保し、地上から前記新設出
    入口まで到達するアクセス手段を建物の表側または裏側
    の屋外に施設し、前記アクセス手段は、既存建物の単棟
    毎または何棟か毎に1箇所以上固定設置されたエレベー
    ターと、既存建物の全階または一部階の各階に対応した
    人荷積載部を有し地上を建物に沿って水平走行可能な多
    段式水平走行装置から構成されていることを特徴とする
    建物のバリアフリー改修工法。
  3. 【請求項3】 エレベーターのない2階建て以上の既存
    建物において、既存階段を使用可能な状態に残したま
    ま、全階または一部階の各戸の表側または裏側に既存の
    出入口以外の新設出入口を確保し、地上から前記新設出
    入口まで到達するアクセス手段を建物の表側または裏側
    の屋外に施設し、前記アクセス手段は、既存建物の単棟
    毎または何棟か毎に地上を建物に沿って水平走行可能に
    設けられた水平走行式エレベーターであることを特徴と
    する建物のバリアフリー改修工法。
  4. 【請求項4】 エレベーターのない2階建て以上の既存
    建物において、既存階段を使用可能な状態に残したま
    ま、全階または一部階の各戸の表側または裏側に既存の
    出入口以外の新設出入口を確保し、地上から前記新設出
    入口まで到達するアクセス手段を建物の表側または裏側
    の屋外に施設し、前記アクセス手段は、既存建物の単棟
    毎または何棟か毎に1箇所以上固定設置されたエレベー
    ターと、既存建物の全階または一部階の各階毎に建物外
    壁面から所定の距離をおいて配設された固定廊下から構
    成されていることを特徴とする建物のバリアフリー改修
    工法。
JP2000326727A 2000-10-26 2000-10-26 建物のバリアフリー改修工法 Expired - Lifetime JP3526029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000326727A JP3526029B2 (ja) 2000-10-26 2000-10-26 建物のバリアフリー改修工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000326727A JP3526029B2 (ja) 2000-10-26 2000-10-26 建物のバリアフリー改修工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002129755A JP2002129755A (ja) 2002-05-09
JP3526029B2 true JP3526029B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=18803865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000326727A Expired - Lifetime JP3526029B2 (ja) 2000-10-26 2000-10-26 建物のバリアフリー改修工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3526029B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4044408B2 (ja) * 2002-10-03 2008-02-06 株式会社ミラクルスリーコーポレーション 階段室型共同住宅の増築方法及びこの方法を用いて増築された建築物
CN102464247B (zh) * 2011-08-21 2015-06-17 冯静 在多层住宅楼中设置多幢楼共用电梯的建筑结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002129755A (ja) 2002-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3744193A (en) High-rise versatile mobile home structure
CN111852061A (zh) 一种旧楼加装电梯楼梯改造平层入户结构及其施工方法
JP3526029B2 (ja) 建物のバリアフリー改修工法
JP2001295479A (ja) 中低層建物にエレベーターを付設する方法
CN212562624U (zh) 一种旧楼加装电梯楼梯改造平层入户结构
JP3760133B2 (ja) 住戸アクセス用昇降設備の増設方法
JP3074559B2 (ja) エレベーターを備えた歩道橋
JP2005350178A (ja) 建物のエレベータ装置
US3075655A (en) bryant
CN111425007A (zh) 一种既有建筑加装电梯的无障碍入户通道与入户方法
JP3695281B2 (ja) エレベータの塔屋の構造
JP2001073322A (ja) 別置型ヘリポートを備えた無人中高層建築物
JP4090451B2 (ja) 建物の昇降室ユニットおよび昇降室ユニット付き建物
JP2009263132A (ja) 集合住宅向け昇降装置
CN220412553U (zh) 一种户外电梯
KR102629387B1 (ko) 탑승카 출입문 방향과 기계실의 위치를 자유롭게 배치할 수 있는 경사형 엘리베이터
JP2917665B2 (ja) 立体駐車場
JPH0510044A (ja) 高層建物に於ける駐車施設
AU2010214698A1 (en) A residential lift
JP3155200U (ja) 昇降・走行・横移動・形ハイブリッドエレベーター
JP3103278U (ja) 鉄筋コンクリート壁を有した建物組込型で横行搬送装置を具備した篭の昇降式立体駐車装置
JP2002154770A (ja) エレベータ
Bohne Conveying Systems
JP3684946B2 (ja) エレベータの塔屋の構造
KR20240038920A (ko) 전용 엘리베이터 증설 리노베이션 공법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3526029

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term