JP3684946B2 - エレベータの塔屋の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中層階の建物の外側方位置に構築して建物の目的とする階への登り降りができるようにするためのエレベータの塔屋の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、既設の中層のマンションなどにおいてはエレベータが設置してないものが多くあり、近年、既設の中層のマンションなどにエレベータを設置する要望がある。既設の中層のマンションなどにエレベータを設置するには、既存の建物に居住者が住んでいるため、既存の建物に殆ど手を加えることなくエレベータを設置する必要がある。このため、既存の建物の外側方にエレベータ用塔屋を形成するようにしている。
【0003】
既存の建物の外側方にエレベータ用塔屋を形成するには、現場で鉄骨を組み立ててエレベータ用塔屋を形成し、更に、現場でエレベータ用塔屋を形成する際に塔屋に出入り口を形成するとともに、エレベータ用塔屋の出入り口と既存の建物の階段の踊り場や外廊下とエレベータ用塔屋の出入り口とを接続する専用の連絡通路を現場で形成していた。
【0004】
上記のような従来例にあっては、現場で鉄骨を組み立ててエレベータ用塔屋を形成し、更に、現場で連絡通路を形成する必要があり、現場作業が面倒で工期が長くなり、コストが高くなると共に、工期が長いということは既存の建物に居住者が住んでいるということを考えると好ましいものではなかった。
【0005】
ところで、建物の新築の際に建物内のエレベータ設置空所部分にエレベータ用塔屋ユニットを単に上下に積み重ねてエレベータ昇降路を形成し、その後、建物の各階に廊下などの乗り場を現場で形成するものが知られているが、この新築の際に建物内においてエレベータの塔屋ユニットを積層してエレベータ昇降路を形成する技術を、建物の外側方にエレベータ用塔屋を形成するのに適用することも考えられるが、このものにおいては、エレベータ用塔屋ユニットを積層してエレベータ昇降路を形成するということにおいては現場施工を簡略化して工期を短くできるが、このものにおいても、依然として現場において、エレベータの塔屋の出入り口と既存の建物の階段の踊り場や外廊下とエレベータ用塔屋の出入り口とを接続する専用の連絡通路を現場で形成する必要があり、専用の連絡通路を現場で施工するため現場作業が増えてコストが高くなると共にその分工期が長くなるという問題がある。特に、現場で専用の連絡通路を形成するため、現場で足場を作る必要があり、また、現場での施工のばらつきにより専用の連絡通路の仕上がりが均一でないという問題がある。
【0006】
また、上記いずれの場合においても、現場で連絡通路を形成するのであるが、連絡通路には両側に手摺りを現場で形成するだけであり、このため、エレベータ用塔屋の出入り口及びその付近が風雨に曝されることになって、エレベータのかごへの乗り降りが快適にできないという問題があり、更に、出入り口に設けられる開閉戸や開閉戸の開閉機構、あるいは各種電気機器や配線等が風雨により悪影響を受けるという問題がある。このため、エレベータ用塔屋の出入り口及びその付近が風雨に曝されないようにするには現場で別途防風雨用スクリーンを形成する必要があり、このような防風雨用スクリーンを現場で形成する場合には更に現場工事が増え、工期がいっそう長くなるという問題がある。
【0007】
また、建物の外側方にエレベータの塔屋を形成した場合、かごが昇降するためのエレベータ昇降路内に電気配線が上下に通してあり、一応電気配線はかごの昇降の支障がないように取付けてあるが、万一のことを考えるとかごが昇降するエレベータ昇降路内に電気配線を上下に通すことは好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、現場工事が簡単且つ迅速にでき、また、簡単な構造で建物の上下に連続する階にそれぞれ昇降できるような構造に形成でき、また、簡単な構造で建物の一つ置きの階にそれぞれ昇降できるような構造に形成でき、また、簡単な構成でエレベータの塔屋の屋根部分を簡単に構成することができ、更に、簡単な構成でエレベータの塔屋の出入り口及びその付近が風雨に曝されるのを防止でき、また、簡単な構成でエレベータ用塔屋ユニット内にエレベータホール部を形成することができ、また、簡単な構造で配線をエレベータ昇降路とは別の所に配線でき、更にまた、建物側からの排煙が確実にできて安全性を確保できるエレベータの塔屋の構造を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るエレベータの塔屋の構造は、エレベータ用塔屋ユニット1を上下に複数個積み重ねて内部に上下に連続したエレベータ昇降路2を形成するエレベータの塔屋の構造であって、複数のエレベータ用塔屋ユニット1のうち少なくとも幾つかのエレベータ用塔屋ユニット1として出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる外側方に突出した通路用床4を一体に形成し、通路用床4の一部がエレベータ用塔屋ユニット1の内側に位置し、この通路用床4のエレベータ用塔屋ユニット1の内側に位置する部分の両側に通路用側壁部10を形成し、通路用側壁部10とエレベータ用塔屋ユニット1の外壁部11との間に配線用スペース12を形成して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、建物Bの外側方にエレベータ用塔屋ユニット1を上下に複数個積み重ねることでエレベータ用の塔屋Aを形成できる共に、エレベータ用塔屋ユニット1を上下に複数個積み重ねてエレベータの塔屋Aを形成する際にエレベータの塔屋Aの出入り口3から建物Bの必要階に通じための通路用床4を同時に形成することができて、現場で通路用床4の施工を別途行う必要がないものである。
また、通路用床4の一部がエレベータ用塔屋ユニット1の内側に位置し、この通路用床4のエレベータ用塔屋ユニット1の内側に位置する部分の両側に通路用側壁部10を形成することで、簡単な構成でエレベータの塔屋Aの出入り口3及びその付近が風雨に曝されるのを防止できると共に、エレベータの塔屋ユニット1内にエレベータホール部を形成することができるものである。また、通路用側壁部10とエレベータ用塔屋ユニット1の外壁部11との間に配線用スペース12を形成することで、通路用側壁部10とエレベータ用塔屋ユニット1の外壁部11との間のスペースを有効利用して配線ができ、このように配線することで、エレベータ昇降路2とは離れた位置で配線ができることになる。
【0010】
また、高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる通路用床4を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニット5を設け、エレベータ用塔屋基本ユニット5が上下に連続して積み重ねた部分があることが好ましい。このような構成とすることで、簡単な構造で建物Bの上下方向に連続する階にそれぞれ昇降できるようなエレベータの塔屋Aを形成することができるものである。
【0011】
また、高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる通路用床4を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニット5を設け、高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3が無く且つ庇部8を一体に形成したエレベータ用塔屋副ユニット6を設け、エレベータ用塔屋基本ユニット5とエレベータ用塔屋副ユニット6とが上下に交互に積み重ねた部分があることが好ましい。このような構成とすることで、簡単な構造で建物Bの一つ置きの階にそれぞれ昇降できるようなエレベータの塔屋Aを形成することができるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0019】
本発明のエレベータの塔屋Aはあらかじめ工場で形成されたエレベータ用塔屋ユニット1を現場で上下に複数個積み重ねて構築するもので、上下に積み重ねることで内部に上下に連続したエレベータ昇降路2が形成されるものである。
【0020】
エレベータ用塔屋ユニット1としては、出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる通路用床4を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニット5、最下部に配置される出入り口3を備えたエレベータ用塔屋最下部ユニット15、最上部に配置されるエレベータ用塔屋最上段ユニット9、出入り口3が無く且つ庇部を一体に形成したエレベータ用塔屋副ユニット6等の複数種類のものが用いられ、少なくともエレベータ用塔屋基本ユニット5、エレベータ用塔屋最下部ユニット15、エレベータ用塔屋最上段ユニット9の各ユニットは用いるものであり、エレベータ用塔屋副ユニット6は現場により用いる場合と用いない場合とがある。
【0021】
上記いずれのエレベータ用塔屋ユニット1もその基本的な構造は、柱16、梁17、火打梁24等を連結固着して架構体ユニットを構成し、この架構体ユニットにブレース18を架け渡し、架構体ユニットの外面部に外壁材を取着して外壁部11を構成したものであり、角筒状をしており、後述のエレベータ用塔屋最上段ユニット9を除く他のエレベータ用塔屋ユニット1は上下に開口しているものである。
【0022】
エレベータ用塔屋基本ユニット5は、高さがエレベータ用塔屋ユニット1を付設する建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる通路用床4を一体に形成したものである。出入り口3には開閉扉3aが開閉自在に取付けられる。この開閉扉3aを現場で組み込むようにしてもよいが、現場工事の短縮化、簡略化ということからあらかじめ工場でエレベータ用塔屋基本ユニット5を形成する際に開閉扉3aを組み込むのが好ましいものである。
【0023】
通路用床4は図9に示すように、架構体ユニットの梁17部分から直交して片持梁状に通路用梁19などの通路用下地構造材を固着し、この通路用下地構造材上にデッキプレートのような床材20を敷設固着して構成してある。上記のようにして通路用床4をエレベータ用塔屋基本ユニット5から外側方に片持梁状に突出形成してある。
【0024】
通路用床4の両側には通路用側壁部10が形成してあって、出入り口3及びその付近が風雨に曝されるのを防止するようになっている。図1乃至図19に示す各実施形態においては、前述のようにエレベータ用塔屋基本ユニット5から外側方に片持梁状に突出形成した通路用床4の一部(突出基部側)がエレベータ用塔屋ユニット1の内側に位置するようにエレベータ用塔屋基本ユニット5の側面部の一部を内側に凹ませてある。そして、図1乃至図19に示す各実施形態では通路用床4のエレベータ用塔屋基本ユニット5の内側に位置する部分の両側に通路用側壁部10が形成してあってエレベータホール部を構成してある。また、両側の通路用側壁部10の上部間に天井部13を形成してもよいものである。
【0025】
ここで、図17に示す実施形態のように通路用床4のエレベータ用塔屋基本ユニット5の内側に位置する部分の両側と、エレベータ用塔屋基本ユニット5から突出した部分の一部に連続して通路用側壁部10を形成してもよく、この場合には更に出入り口3及びその付近が風雨に曝されるのを防止することができるものである。この実施形態においてはエレベータ用塔屋基本ユニット5から突出した部分に形成した通路用側壁部10に窓を設けてもよいものである。
【0026】
図9、図10に示すように、通路用床4のエレベータ用塔屋基本ユニット5の内側に位置する部分の両側に通路用側壁部10を形成した状態で、該通路用側壁部10とエレベータ用塔屋ユニット1の外壁部11との間に配線用スペース12が形成される。
【0027】
通路用床4の出入り口3と反対側の側部には手摺りや腰壁等の背の低い壁状ガード部14を形成する。このように通路用床4の出入り口3と反対側の側部に防風・防雨用の前記通路用側壁部10を設けることなく背の低い壁状ガード部14を形成するのは以下の理由によるものである。すなわち、建物Bの外方に建物Bに近づけてエレベータ用の塔屋Aを構築し、建物Bの形態によって建物Bの階段の踊り場や廊下等にエレベータ用の塔屋A側に設けた通路用床4を接続又は近接対向させた場合、建物B側から煙が発生した場合に、建物Bとエレベータ用の塔屋Aとの間が通路用側壁部10で覆われた構成とすると排煙ができないことがある。したがって、通路用床4の出入り口3と反対側の側部に防風・防雨用の前記通路用側壁部10を設けることなく背の低い壁状ガード部14を形成することで、建物B側からの煙を背の低い壁状ガード部14の上方の開口部分から排煙できるようにするのであり、同時に背の低い壁状ガード部14を設けることで通路用床4を歩行する際の安全性を確保するようにしている。
【0028】
エレベータ用塔屋ユニット1の主体を構成する架構体ユニットには四隅にH型鋼よりなる柱16が位置しているが、エレベータ用塔屋基本ユニット5、エレベータ用塔屋最下部ユニット15、エレベータ用塔屋副ユニット6の上端部においては柱16の上端面に平プレート21を固着し、この平プレート21の上面部に断面コ字状をした鋼製の接続突部22が突設してある。また、エレベータ用塔屋最下部ユニット15の柱16の下端面にはアンカーボルト連結用プレート23が固着してある。
【0029】
エレベータ用塔屋最下部ユニット15には出入り口3が設けられるが、この出入り口3には工場であらかじめ開閉扉3aを取付けたり、あるいは現場で開閉扉3aを取付けたりする。
【0030】
最上部に配置されるエレベータ用塔屋最上段ユニット9は屋根部7と庇部8とがあらかじめ形成してある。庇部8はエレベータ用塔屋最上段ユニット9の外側面部の下端部から外側方に向けて突出形成してある。
【0031】
エレベータ用塔屋副ユニット6には出入り口3が設けてなく、また、エレベータ用塔屋副ユニット6の外側面部の下端部から外側方に向けて庇部8が突出形成してある。
【0032】
上記のような構成の各種のエレベータ用塔屋ユニット1を工場で形成し、これを現場に運んで建物Bの側方に隣接した位置において複数積み重ねてエレベータの塔屋Aを構築するものである。
【0033】
塔屋Aの形成に当たっては、図1乃至図4に示すように、建物Bの階段や外廊下の外側方位置において地面25を掘削してピット26を形成し、このピット26の上端面にエレベータ用塔屋最下部ユニット15を載設し、エレベータ用塔屋最下部ユニット15の柱16の下端面に設けたアンカーボルト連結用プレート23に設けた孔27(図11に示す)にピット26に植設したアンカーボルトを通してナットにより固着することで、エレベータ用塔屋最下部ユニット15をピット26に固着するものである。
【0034】
ここで、添付図面に示す実施形態においては、ピット26は図2に示すように、地上に突出した部分の側面部に開口28を凹設して形成してあり、この開口28とエレベータ用塔屋最下部ユニット15の出入り口3とが上下に連続してこの部分に開閉扉3aが取付けられるものである。
【0035】
エレベータ用塔屋最下部ユニット15の上に出入り口3のないエレベータ用塔屋副ユニット6を積み重ねて連結し、更に、エレベータ用塔屋副ユニット6の上に多段(図1に示す実施形態では3段)にエレベータ用塔屋基本ユニット5を積み重ねて連結し、更に、最部にエレベータ用塔屋最上段ユニット9を積み重ねてて連結する。ここで、各エレベータ用塔屋ユニット1同士は上下方向に積載した状態で、下段のエレベータ用塔屋ユニット1の上端部の四隅に上方に向けて突出した断面コ字状をした鋼製の接続突部22を図12に示すように上段のエレベータ用塔屋ユニット1の四隅に設けたH型鋼よりなる柱16の下端部内に嵌め込み、ボルト29を用いて固着するものであり、このボルト29による固着はエレベータ用塔屋ユニット1内に柱16が露出していることからエレベータ用塔屋ユニット1の内部からの操作でできるものである。なお、ボルト29が螺合されるナット30はあらかじめ工場においてH型鋼に溶接してある。上記のようにして上下に連結することで、エレベータ用塔屋ユニット1の柱16を上下方向に連続一体化できるものである。
【0036】
上記のようにして建物Bの階段や外廊下の外側方位置にエレベータの塔屋Aを構築するのであるが、この場合、各エレベータ用塔屋ユニット1はクレーンで持ち上げて積み重ねるものである。そして、エレベータ用塔屋基本ユニット5にあらかじめ外側方に向けて一体に突設形成してある通路用床4の突出先端部が建物Bの階段31の踊り場32や外廊下等に近接して配置される。ここで、建物Bが既設の建物Bの場合、既設の建物Bの踊り場32や外廊下等に設けてある手摺りや腰壁33を除去して通路用床4に対向する部分を開放し、建物Bの踊り場32や外廊下から通路用床4に歩いて移行できるようにするものである。この場合、建物Bの踊り場32や外廊下と通路用床4とは僅かな隙間を介して離し、通路用床4の先端部に踏み板34を固着し、この踏み板34を踊り場32や外廊下の床面の端部上面に重ね、建物Bとエレベータ用塔屋基本ユニット5とを構造的に非連結状態で踊り場32や外廊下と通路用床4とが連通するようにしたり、あるいは、通路用床4の先端部を建物Bの踊り場32や外廊下に任意の固着手段により固着して構造的に連結したりする。
【0037】
エレベータの塔屋A内に形成された上下に連続したエレベータ昇降路2内には図5、図6、図13に示すようにガイドレール35が上下にわたって配設される。ガイドレール35の下端部はピット26の底面部に立設して固着され、ガイドレール35は上下方向の複数箇所においてエレベータ用塔屋ユニット1の主体を構成する架構体ユニットに連結部材を介して連結支持してある。ガイドレール35の上端部間には横架材36が架設してあり、横架材36に吊り部材37を介して支持ベース部材40が取付けてあり、支持ベース部材40に昇降駆動装置38が載設してある。
【0038】
昇降駆動装置38にはモータとモータにより回転駆動されるシーブとが設けてあり、シーブにワイヤが掛け回してあって、ワイヤの一端部にエレベータのかご装置39を取付けるとともにワイヤの他端部につり合い重り41を取付けてあり、モータを回転駆動することでかご装置39を昇降するようになっている。図中39aはかご装置39に設けた扉である。
【0039】
通路用側壁部10とエレベータ用塔屋ユニット1の外壁部11との間に形成された配線用スペース12には各種配線を通すものであり、このように、通路用側壁部10とエレベータ用塔屋ユニット1の外壁部11との間の配線用スペース12に各種電気配線を通すことで、エレベータ昇降路2とは離れた位置、つまりかご装置39やつり合い重り41の昇降する部分から離れた位置で配線ができ、これにより電気配線がかごの昇降の支障がないようにできるものである。
【0040】
エレベータ用塔屋最下部ユニット15の上に設けたエレベータ用塔屋副ユニット6の庇部8はエレベータ用塔屋最下部ユニット15の出入り口3と同じ面側に位置させ、エレベータ用塔屋最下部ユニット15の出入り口3から利用者が出入りする際に雨がかからないように庇の役目をするものである。また、エレベータ用塔屋基本ユニット5を上下に連続して積み重ねた部分においては上段のエレベータ用塔屋基本ユニット5の外側方に突出した通路用床4が下段のエレベータ用塔屋基本ユニット5の通路用床4の真上に位置し、このため、上段の通路用床4が下段の通路用床4を通行する利用者にとっては庇の役目をして雨がかからないようなっている。更に、エレベータ用塔屋最上段ユニット9に設けた庇部8は上から2段目のエレベータ用塔屋基本ユニット5の外側方に突出した通路用床4の真上に位置し、このため、エレベータ用塔屋最上段ユニット9に設けた庇部8が上から2段目のエレベータ用塔屋基本ユニット5の通路用床4を通行する利用者にとっては庇の役目をして雨がかからないようなっている。
【0041】
上記のように、本発明によれば、現場においては、エレベータ用塔屋ユニット1を上下に複数積み重ねるてエレベータの塔屋Aを構築することで、同時に通路用床4、風雨除けのための通路用側壁部10、庇部8等も同時に形成できて、現場で、別工程の現場施工により通路用床4、風雨除けのための通路用側壁部10、庇部8等を形成する必要がなく、現場工事を大幅に簡略化且つ短縮化できるものである。
【0042】
次に、本発明の他の実施形態を図18、図19に基づいて説明する。上記実施形態では高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる通路用床4を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニット5を上下に連続して積み重ねることで、建物Bの上下に連続する階にそれぞれエレベータで昇降できるようなエレベータの塔屋Aを形成する例(図1においては建物Bの2階と3階の中間の踊り場32、3階と4階の中間の踊り場32、4階と5階の中間の踊り場32にそれぞれ通路用床4を連通させることで、建物Bの2階、3階、4階、5階という上下に連続する各階にエレベータで昇降できるようにしている例が示してある)につき説明したが、図18、図19のように、高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3が無く且つ庇部8を一体に形成したエレベータ用塔屋副ユニット6を別途形成し(あらかじめ工場で形成する)、高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3を備え且つ該出入り口3に通じる通路用床4を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニット5と、高さが建物Bの階高さに略等しいとともに出入り口3が無く且つ庇部8を一体に形成したエレベータ用塔屋副ユニット6とを上下に交互に積み重ねた部分があるようにしてエレベータの塔屋Aを構築すると、例えば、建物Bの2階と3階への昇降を2階と3階との中間の踊り場32に連通する通路用床4により行い、また、建物Bの4階と5階への昇降を4階と5階との中間の踊り場32に連通する通路用床4により行うことができ、簡単な構造で建物Bの一つ置きの階にそれぞれ昇降できるようなエレベータの塔屋Aを形成することができ、また、出入り口3と、この出入り口3に連通する通路用床4を設けたエレベータ用塔屋基本ユニット5の使用個数が減り、低コスト化が実現できるものである。
【0043】
添付図面に示す各実施形態では通路用床4から建物Bの階段の踊り場32に出入りするようにエレベータの塔屋Aを構築している例を示しているが、通路用床4から建物Bの外廊下に出入りするようにエレベータの塔屋Aを構築してもよいものである。
【0044】
また、前述の実施形態では通路用床4の一部をエレベータ用塔屋基本ユニット5内に位置させた例を示したが、通路用床4をエレベータ用塔屋基本ユニット5内に位置させることなくほぼ全体を図20に示すようにエレベータ用塔屋基本ユニット5から外側方に突出形成してもよいものである。
【0045】
また、本発明のエレベータの塔屋Aは、既設の中層マンションのような建物Bにエレベータを新たに付設する場合に特に有効である。つまり、既設の中層マンションのような建物Bに殆ど手を加える必要がないので、建物Bに居住者が居住したまま、建物Bの外側方に独立して短時間でエレベータの塔屋Aを構築することができるのである。
【0046】
もちろん、新築の建物においても本発明のエレベータの塔屋Aを付設することができるものである。
【0047】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、エレベータ用塔屋ユニットを上下に複数個積み重ねて内部に上下に連続したエレベータ昇降路を形成するエレベータの塔屋の構造であって、複数のエレベータ用塔屋ユニットのうち少なくとも幾つかのエレベータ用塔屋ユニットとして出入り口を備え且つ該出入り口に通じる外側方に突出した通路用床を一体に形成し、通路用床の一部がエレベータ用塔屋ユニットの内側に位置し、この通路用床のエレベータ用塔屋ユニットの内側に位置する部分の両側に通路用側壁部を形成し、通路用側壁部とエレベータ用塔屋ユニットの外壁部との間に配線用スペースを形成したものを用いてあるので、建物の外側方にエレベータ用塔屋ユニットを上下に複数個積み重ねるだけでエレベータ用の塔屋を簡単に形成できるのはもちろん、このエレベータ用塔屋ユニットを上下に複数個積み重ねるだけで同時にエレベータの塔屋の出入り口から建物の必要階の階段の踊り場や外廊下等に通じための通路用床を同時に形成することができるものであり、この結果、現場で通路用床の施工を別途行う必要がなく、大幅に現場における工事内容を簡略化できるともに施工期間を短縮化でき、コストダウン、仕上がり状態の均質化が図れるものである。
この時、通路用床の両側に通路用側壁部を形成してあるので、簡単な構成でエレベータの塔屋の出入り口及びその付近が風雨に曝されるのを防止でき、建物の外方にエレベータの塔屋を構築しても、エレベータの塔屋の出入り口への出入りが快適にできるものであり、更に、エレベータ用塔屋ユニットの通路用床の両側に通路用側壁部を形成してあることで、エレベータ用塔屋ユニットを積み重ねるのみで同時に通路用側壁部の施工もできるものであり、別途現場工事として防風雨用スクリーンを形成する工事が必要でないものであり、この点でも構造が簡略化し、施工時間も短縮化するものである。
またこの時、通路用床の一部がエレベータ用塔屋ユニットの内側に位置し、この通路用床のエレベータ用塔屋ユニットの内側に位置する部分の両側に通路用側壁部を形成するので、簡単な構成でエレベータの塔屋ユニット内にエレベータホール部を形成することができるものである。
またこの時、通路用側壁部とエレベータ用塔屋ユニットの外壁部との間に配線用スペースを形成するので、通路用側壁部とエレベータ用塔屋ユニットの外壁部との間のスペースを有効に利用して配線ができるものであり、このように配線することで、エレベータ昇降路とは離れた位置で配線ができることになり、万一の場合でもエレベータかご装置やつり合い重り等の昇降の支障になることがない。
【0048】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、高さが建物の階高さに略等しいとともに出入り口を備え且つ該出入り口に通じる通路用床を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニットを設け、エレベータ用塔屋基本ユニットが上下に連続して積み重ねた部分があるので、簡単な構造で建物の上下方向に連続する階にそれぞれ昇降できるようなエレベータの塔屋を形成することができるものである。
【0049】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、高さが建物の階高さに略等しいとともに出入り口を備え且つ該出入り口に通じる通路用床を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニットを設け、高さが建物の階高さに略等しいとともに出入り口が無く且つ庇部を一体に形成したエレベータ用塔屋副ユニットを設け、エレベータ用塔屋基本ユニットとエレベータ用塔屋副ユニットとが上下に交互に積み重ねた部分があるので、簡単な構造で建物の一つ置きの階にそれぞれ昇降できるようなエレベータの塔屋を形成することができ、出入り口と出入り口に通じる通路用床を備えたエレベータ用塔屋基本ユニットの使用数を減らすことができて、コストダウンが図れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータの塔屋を建物の外側方に隣接して構築した一例を示す側面図である。
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上の側面断面図である。
【図4】同上の正面断面図である。
【図5】同上のガイドレールやエレベータかご装置等の内部機構を記載した正面図である。
【図6】同上のガイドレールやエレベータかご装置等の内部機構を記載した側面図である。
【図7】同上の斜視図である。
【図8】同上のエレベータ用塔屋基本ユニットの一例を示す斜視図である。
【図9】同上のエレベータ用塔屋基本ユニットの一例を示す通路用床部分における平断面図である。
【図10】同上のエレベータ用塔屋基本ユニットの一例を示す天井部分における平断面図である。
【図11】(a)は同上のエレベータ用塔屋最下部ユニットの柱の下端部を示す平断面図であり、(b)は側面図である。
【図12】同上の柱と接続突部との接続を示す断面図である。
【図13】同上のエレベータ昇降路内にガイドレール及びエレベータかご装置及び昇降駆動装置を設備した部分の断面図である。
【図14】同上のエレベータ用塔屋ユニットを積み重ねて形成したエレベータの塔屋の他の実施形態を示す側面図である。
【図15】同上の正面図である。
【図16】同上の断面図である。
【図17】同上のエレベータ用塔屋基本ユニットの他例を示す斜視図である。
【図18】同上のエレベータの塔屋を建物の外側方に隣接して構築した他例を示す正面図である。
【図19】同上の側面図である。
【図20】同上のエレベータ用塔屋基本ユニットの更に他例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 エレベータ用塔屋ユニット
2 エレベータ昇降路
3 出入り口
4 通路用床
5 エレベータ用塔屋基本ユニット
6 エレベータ用塔屋副ユニット
7 屋根部
8 庇部
9 エレベータ用塔屋最上段ユニット
10 通路用側壁部
11 外壁部
12 配線用スペース
13 天井部
Claims (3)
- エレベータ用塔屋ユニットを上下に複数個積み重ねて内部に上下に連続したエレベータ昇降路を形成するエレベータの塔屋の構造であって、複数のエレベータ用塔屋ユニットのうち少なくとも幾つかのエレベータ用塔屋ユニットとして出入り口を備え且つ該出入り口に通じる外側方に突出した通路用床を一体に形成し、通路用床の一部がエレベータ用塔屋ユニットの内側に位置し、この通路用床のエレベータ用塔屋ユニットの内側に位置する部分の両側に通路用側壁部を形成し、通路用側壁部とエレベータ用塔屋ユニットの外壁部との間に配線用スペースを形成して成ることを特徴とするエレベータの塔屋の構造。
- 高さが建物の階高さに略等しいとともに出入り口を備え且つ該出入り口に通じる通路用床を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニットを設け、エレベータ用塔屋基本ユニットが上下に連続して積み重ねた部分があることを特徴とする請求項1記載のエレベータの塔屋の構造。
- 高さが建物の階高さに略等しいとともに出入り口を備え且つ該出入り口に通じる通路用床を一体に形成したエレベータ用塔屋基本ユニットを設け、高さが建物の階高さに略等しいとともに出入り口が無く且つ庇部を一体に形成したエレベータ用塔屋副ユニットを設け、エレベータ用塔屋基本ユニットとエレベータ用塔屋副ユニットとが上下に交互に積み重ねた部分があることを特徴とする請求項1記載のエレベータの塔屋の構造。
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