JP3523627B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3523627B2
JP3523627B2 JP2001299461A JP2001299461A JP3523627B2 JP 3523627 B2 JP3523627 B2 JP 3523627B2 JP 2001299461 A JP2001299461 A JP 2001299461A JP 2001299461 A JP2001299461 A JP 2001299461A JP 3523627 B2 JP3523627 B2 JP 3523627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
さらなる高集積化を実現でき、高速且つ低消費電力で動
作が可能な半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の超高集積化に伴って、
MIS型トランジスタの微細化がますます要望されてお
り、その実現のためには、浅い接合面を持つMIS型ト
ランジスタの製造方法が求められている。
【0003】以下、従来のMIS型トランジスタの製造
方法について図面を参照しながら説明する。
【0004】まず、図13(a)に示すように、P型シ
リコンからなる半導体基板101に対して、N型の不純
物であるヒ素(As)イオンと、該ヒ素イオンよりも大
きい注入エネルギー及びドーズ量を持つリン(P)イオ
ンとを注入する。その後、熱処理を行なって、半導体基
板101の上部に、N型ウエル101aと該N型ウエル
101aの上部にN型チャネル拡散層102を形成す
る。
【0005】次に、図13(b)に示すように、半導体
基板101上に、膜厚が2nm程度のゲート酸化膜10
3と、該ゲート酸化膜103上に膜厚が200nm程度
の多結晶シリコンからなるゲート電極104を形成す
る。
【0006】次に、図13(c)に示すように、ヒ素イ
オンを注入して、第1のイオン注入層105Aを形成し
た後、P型の不純物であるフッ化ボロン(BF2 )イオ
ンを、ヒ素イオンよりも低エネルギーで且つ高ドーズ量
で注入して、第2のイオン注入層106Aを形成する。
【0007】次に、図14(a)に示すように、半導体
基板101上に窒化シリコン等の絶縁膜を50nm程度
の厚さに堆積した後、基板面に垂直な方向に強い異方性
を持つ選択的エッチングにより、堆積した絶縁膜からサ
イドウォール107を形成する。
【0008】次に、図14(b)に示すように、ゲート
電極104及びサイドウォール107をマスクとして、
半導体基板101に対してフッ化ボロンを注入し、続い
て、高温且つ短時間の熱処理により、半導体基板101
におけるサイドウォール107の下側の領域に、第2の
イオン注入層106AからP型エクステンション高濃度
拡散層106を形成すると共に、該P型エクステンショ
ン高濃度拡散層106の下側の領域に、第1のイオン注
入層105Aからポケット拡散層105を形成する。こ
れと同時に、サイドウォール107の側方の領域にN型
高濃度拡散層108を形成する。
【0009】このように、P型エクステンション高濃度
拡散層106の形成に、ボロン(B)に代えてフッ化ボ
ロン(BF2 )を用いている。このボロンとフッ化ボロ
ンとの質量差によって、ボロンの実質的な注入飛程を小
さくすることができ、P型エクステンション高濃度拡散
層106の接合位置を浅くしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のMIS型トランジスタの製造方法は、P型エクステ
ンション高濃度拡散層106を形成するボロン原子が半
導体基板101の界面から抜けてしまう、いわゆるドー
ズロス現象を起こす。このドーズロス現象により、半導
体基板101における熱処理後のP型不純物濃度が低減
して、トランジスタの駆動力が低下するという問題を有
している。
【0011】本発明は、前記従来の問題を解決し、不純
物イオンの注入後のドーズロス現象を抑止して、素子の
駆動力を低下させることなく微細化を実現できるように
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、P型ドー
パントとしてフッ化ボロンを用いる際のボロンのドーズ
ロス現象を種々検討した結果、以下に示すような結論を
得ている。
【0013】すなわち、N型ウエル101aにフッ化ボ
ロンを注入した後、サイドウォール107の形成時に施
される680℃〜850℃程度の比較的に低温で且つ長
時間のアニール処理を行なうと、ボロンに過渡増速拡散
(transient enhanced diffusion、以下、TEDと略称
する。)が生じてその接合面が深くなると同時に、フッ
化ボロンを構成するフッ素がボロンのドーズロス現象を
増大させるというものである。このドーズロス現象によ
り、半導体基板101中のボロンの濃度が大きく低下す
る。なお、過渡増速拡散とは、結晶格子中に過剰に存在
する点欠陥と、注入された不純物イオンとが相互作用す
ることによって拡散し、不純物イオンがその熱平衡状態
の拡散係数以上に増速して拡散してしまう現象のことを
いう。
【0014】さらに、浅い接合を得ようとして、フッ化
ボロンの注入エネルギーを小さくするに連れて、ドーズ
ロス現象が大きくなるという問題もある。これは、注入
エネルギーの低エネルギー化によって、注入飛程が小さ
くなり、注入された原子の濃度ピーク位置と半導体基板
101の表面との距離が近くなる。このため、ボロン原
子の表面への流束が大きくなり、いわゆる表面拡散効果
が生じることによると考えられる。
【0015】特に、フッ化ボロンを用いる場合には、高
濃度のフッ素原子が半導体基板101中に存在すること
となり、フッ素は表面拡散効果が非常に大きいことか
ら、フッ素の基板表面への流束がさらに増大し、このフ
ッ素の表面拡散により、不純物原子、特にボロンのドー
ズロスが増大してしまう。例えば、フッ化ボロンの注入
後のボロンのドーズロス現象は、注入エネルギーが20
keV以下の低エネルギーで顕著となる。
【0016】逆に、半導体基板101中の熱処理後のボ
ロン濃度を大きくするために、注入ドーズ量を大きくす
ると、半導体基板101に余分な結晶ダメージを与える
こととなり、その結果、ボロン原子のTEDの増大につ
ながる。
【0017】なお、転位ループ欠陥層を形成して、この
転位ループ欠陥層によりTEDを抑制する方法は、例え
ば、特開平11−40801号公報に開示されている。
この公報には、転位ループ欠陥層の形成に、XYn +
イオン(但し、XはIV族元素であり、YはVII族元素で
あり、n=1,2,3とする。)の少なくとも1つのイ
オン種を用いて、半導体基板101をアモルファス化
し、アモルファス化した後に熱処理を行なって転位ルー
プ欠陥層を形成することを開示している。
【0018】しかしながら、前記公報は元素Yをフッ素
とすることが好ましいとしており、フッ素はドーズロス
現象を増加させてしまうと考えられる。また、LDD拡
散層の形成を絶縁膜からなるゲート側壁からの固相拡散
で行なうとしており、固層拡散では、微細化される半導
体装置に必要な高濃度のエクステンション拡散層を形成
するには濃度が不十分であると考える。
【0019】また、本願発明者は、フッ化ボロンよりも
加速エネルギーを低くしたボロン(B+ )イオンを用い
てP型拡散層の浅接合化を図る場合においても、該ボロ
ンのTEDが生じる原因及び活性化率が低い原因を種々
検討した結果、以下のような結論をも得ている。
【0020】すなわち、例えば2keV程度の低エネル
ギーで且つ3×1014/cm2 程度の高ドーズ量のボロ
ンをN型ウエルにイオン注入し、その後、サイドウォー
ル形成時に680℃〜800℃程度の低温且つ長時間の
アニール処理を行なうと、注入されたボロンにTEDが
起こって接合位置が深くなる。このとき、ボロンは比較
的に高ドーズ量で注入されているため、図15に示すよ
うに、イオン注入時における注入飛程付近の高濃度部分
がそのままクラスタ化し、ボロンの活性化濃度が大きく
低下するというものである。このクラスタ化は、ボロン
と過剰格子間シリコンとが相互作用して、いわゆるボロ
ン−格子間シリコンクラスタ(Boron-Interstitial Clus
ters:BIC)が形成されることによると考えられる。
【0021】本発明は、以上の検討結果に基づき、エク
ステンション高濃度拡散層を形成する不純物イオンの注
入飛程よりも浅い位置に、転位ループ欠陥層を積極的に
設ける構成とする。
【0022】具体的に、本発明に係る半導体装置は、半
導体領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電
極と、半導体領域におけるゲート電極の側方に形成され
た第1導電型のエクステンション高濃度拡散層と、半導
体領域におけるゲート電極の側方の領域で且つエクステ
ンション高濃度拡散層の注入飛程よりも浅い位置に形成
された転位ループ欠陥層とを備えている。
【0023】本発明の半導体装置によると、半導体領域
におけるゲート電極の側方の領域で且つエクステンショ
ン高濃度拡散層の注入飛程よりも浅い位置に形成された
転位ループ欠陥層を備えているため、熱処理時には、エ
クステンション高濃度拡散層から基板の表面側に拡散す
る不純物原子が転位ループ欠陥層に捕獲される。これに
より、エクステンション高濃度拡散層のドーズロス現象
が抑制されるので、半導体装置としての駆動力を維持し
たまま微細化が実現される。また、エクステンション高
濃度拡散層の注入飛程よりも浅い位置に設けられた転位
ループ欠陥層は、エクステンション高濃度拡散層の接合
面と離れているため、転位ループ欠陥層に起因する接合
リークをも抑制することができる。
【0024】本発明の半導体装置において、エクステン
ション高濃度拡散層の下側に形成された第2導電型のポ
ケット拡散層をさらに備えていることが好ましい。この
ようにすると、エクステンション高濃度拡散層とその下
側に位置するポケット拡散層とからなるPN接合によ
り、チャネル領域において空乏層の広がりが抑制される
ため、短チャネル特性の顕在化を抑止することができ
る。
【0025】本発明の半導体装置において、転位ループ
欠陥層にはフッ素が偏析していることが好ましい。すな
わち、エクステンション高濃度拡散層の接合位置を浅く
する場合に、ボロンの代わりにフッ化ボロンを用いるこ
とが好ましく、フッ化ボロンを構成するフッ素原子が転
位ループ欠陥層に捕獲されてなる偏析が生じていると、
ボロンのドーズロス現象が抑制されていることになる。
なお、注入されたフッ素原子が欠陥部分に偏析する現象
は、 M. C. Ozturk, J. J. Worttman, and R.B. Fair,
Appl. Phys. Lett., 52, 963 (1988).等の資料に記さ
れている。
【0026】本発明の半導体装置は、半導体領域上のゲ
ート電極の側面に形成されたサイドウォールと、半導体
領域におけるサイドウォールの側方で且つエクステンシ
ョン高濃度拡散層の外側に接するように形成され、エク
ステンション高濃度拡散層よりも深い接合面を持つ第1
導電型の高濃度拡散層とをさらに備えていることが好ま
しい。このようにすると、半導体装置を微細化されたM
IS型トランジスタとして構成できる。
【0027】本発明に係る半導体装置の製造方法は、半
導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成す
る第1の工程と、ゲート電極をマスクとして、半導体領
域にIV族元素からなるイオンを注入することにより、半
導体領域の上部にアモルファス層を形成する第2の工程
と、ゲート電極をマスクとして、半導体領域に、第1導
電型の第1の不純物を注入飛程がアモルファス層よりも
深い位置にまで到達するように注入する第3の工程と、
半導体領域に対して熱処理を行なうことにより、半導体
領域の上部に、第1の不純物が拡散してなり、アモルフ
ァス層よりも接合位置が深い第1導電型のエクステンシ
ョン高濃度拡散層を形成する第4の工程とを備えてい
る。
【0028】本発明の半導体装置の製造方法によると、
半導体領域の上部にゲート電極をマスクとしてアモルフ
ァス層を形成しておき、さらに、半導体領域に、第1導
電型の第1の不純物を注入飛程がアモルファス層よりも
深い位置にまで到達するように注入する。その後の熱処
理により、半導体領域におけるアモルファス層と結晶層
との界面(アモルファス/クリスタル界面、以下、a/
c界面と呼ぶ。)における結晶層側に転位ループ欠陥層
が生成される。この転位ループ欠陥層が格子間原子及び
不純物原子の捕獲位置となるため、不純物原子における
半導体領域の表面側への流束が抑制される。これによ
り、エクステンション高濃度拡散層のドーズロスが低減
されるので、装置の駆動力が低下せず且つ微細化が可能
な半導体装置を実現できる。
【0029】本発明の半導体装置の製造方法において、
第3の工程が、ゲート電極をマスクとして、半導体領域
に第2導電型の第2の不純物を注入飛程がアモルファス
層よりも深い位置にまで到達するように注入する工程を
含み、第4の工程が、エクステンション高濃度拡散の下
側に、第2の不純物が拡散してなる第2導電型のポケッ
ト拡散層を形成する工程を含むことが好ましい。
【0030】本発明の半導体装置の製造方法は、第4の
工程よりも後に、ゲート電極の側面に絶縁膜からなるサ
イドウォールを形成する工程と、ゲート電極及びサイド
ウォールをマスクとして、半導体領域に第1導電型の第
3の不純物を注入した後、熱処理を行なうことにより、
エクステンション高濃度拡散層の外側に位置し、エクス
テンション高濃度拡散層よりも深い接合面を持ち、第3
の不純物が拡散してなる第1導電型の高濃度拡散層を形
成する工程とをさらに備えていることが好ましい。この
ようにすると、微細化されたMIS型トランジスタを実
現できる。
【0031】本発明の半導体装置の製造方法において、
IV族元素がシリコン又はゲルマニウムであることが好ま
しい。このようにすると、a/c界面をエクステンショ
ン高濃度拡散層の接合面よりも浅い位置に確実に形成す
ることができる。その上、IV族元素は電気的に中性であ
り、さらに、半導体領域がシリコンからなる場合には、
シリコンによりアモルファス化を行なうと、格子位置に
ある原子と格子間原子とが同一原子となり好ましい。
【0032】本発明の半導体装置の製造方法において、
第2の工程がIV族元素からなるイオンを半導体領域がア
モルファス化するドーズ量以上で注入することが好まし
い。このようにすると、a/c界面をエクステンション
高濃度拡散層の接合面よりも浅い位置に均一に形成でき
る。
【0033】本発明の半導体装置の製造方法において、
第3の工程が、第1の不純物をその注入飛程が約14n
m以下となるように注入することが好ましい。このよう
に、浅接合化を図るために低エネルギーで第1の不純物
を注入したとしても、転位ループ欠陥層によってエクス
テンション高濃度拡散層のドーズロス現象を抑制できる
ので、該エクステンション高濃度拡散層の接合面を確実
に浅くすることができる。
【0034】本発明の半導体装置の製造方法において、
第1の不純物がフッ化ボロン又はフッ素を含む分子であ
ることが好ましい。このようにすると、フッ素原子が転
位ループ欠陥層に捕獲されやすいため、フッ素原子にお
ける半導体領域の表面側への強い流束を低減でき、これ
により、ボロン等のP型の不純物イオンのドーズロス現
象を確実に防ぐことができる。
【0035】または、本発明の半導体装置の製造方法に
おいて、第1の不純物がボロンであることが好ましい。
このようにすると、格子間原子が転位ループ欠陥層に捕
獲されるため、BICの生成を抑制でき、これにより、
ボロン等のP型の不純物イオンの活性化率を確実に向上
させることができる。
【0036】本発明の半導体装置の製造方法において、
第3の工程が、第1の不純物を半導体領域がアモルファ
ス化するドーズ量以下で複数回に分けてイオン注入する
と共に、複数回のイオン注入後のそれぞれに熱処理を行
なうことにより、半導体領域の結晶性を回復する工程を
含むことが好ましい。このようにすると、a/c界面が
表面から深い位置に移動することを防止できると共に、
エクステンション高濃度拡散層形成用の第1の不純物を
注入する際の注入ダメージが緩和され、第1の不純物に
起因するTEDが抑制される。
【0037】本発明の半導体装置の製造方法は、第1の
工程と第3の工程との間に、半導体領域上にその露出部
分を覆う絶縁膜を形成する工程をさらに備えていること
が好ましい。このようにすると、エクステンション高濃
度拡散層形成用の第1の不純物のドーズロス現象をさら
に抑止することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0039】図1は本発明の第1の実施形態に係るMI
S型トランジスタの断面構成を示している。
【0040】図1に示すように、例えば、P型シリコン
からなる半導体基板11の上部には、N型ウエル11a
が形成されている。なお、本実施形態に係るトランジス
タはN型ウエル11a及びその上に形成されているが、
該N型ウエル11aはSOI構造を有する基板に設けら
れたN型の半導体層でも良く、また、N型の半導体基板
であっても良い。
【0041】N型ウエル11a上には、酸化シリコン等
からなるゲート絶縁膜12を介して、ポリメタル又はポ
リシリコンからなるゲート電極13が選択的に形成され
ている。ゲート電極13の側面には窒化シリコン又は酸
化シリコンからなるサイドウォール14が形成されてい
る。
【0042】N型ウエル11aにおけるゲート電極13
の下側の領域にはN型チャネル拡散層15が形成されて
おり、各サイドウォール14の下側の領域には、P型エ
クステンション高濃度拡散層16が形成され、該高濃度
拡散層16の下側にはN型ポケット拡散層17が形成さ
れている。
【0043】N型ウエル11aにおけるサイドウォール
14の側方には、P型エクステンション高濃度拡散層1
6の外側に接するように形成され、且つP型エクステン
ション高濃度拡散層16よりも深い接合面を持つソース
ドレイン拡散層となるP型高濃度拡散層18が形成され
ている。
【0044】第1の実施形態は、N型ウエル11aにお
けるゲート電極13の側方の領域で、P型エクステンシ
ョン高濃度拡散層16の不純物イオンの注入飛程よりも
浅い位置に設けられた転位ループ欠陥層19を有してい
ることを特徴とする。
【0045】このように、ゲート電極14の側方の浅い
位置に転位ループ欠陥層19が設けられているため、特
に、P型エクステンション高濃度拡散層16を形成する
不純物原子のドーズロスが抑制されるので、トランジス
タの駆動力の低下が抑制され且つ短ゲート長を持つMI
S型トランジスタを実現できる。
【0046】以下、前記のように構成されたMIS型ト
ランジスタの製造方法を図面に基づいて説明する。
【0047】図2(a)〜図2(d)、図3(a)及び
図3(b)は本発明の第1の実施形態に係るMIS型ト
ランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示してい
る。
【0048】まず、図2(a)に示すように、P型シリ
コンからなる半導体基板11に対して、N型の不純物イ
オンである、例えばヒ素(As)イオンを用いて、注入
エネルギーが140keV程度で注入ドーズ量が1×1
12/cm2 程度のイオン注入を行なう。続いて、N型
の不純物イオン、例えばリン(P)イオンを用いて、注
入エネルギーが260keV程度で注入ドーズ量が4×
1012/cm2 程度のイオン注入を行ない、さらに、注
入エネルギーが540keV程度で、注入ドーズ量が1
×1013/cm2 程度のイオン注入を行なう。イオン注
入に続いて、昇温レートが約100℃/秒で、約900
℃〜1025℃の高温にまで昇温し、この温度を1秒〜
10秒間程度保持する、いわゆる急速熱処理(ラピッド
サーマルアニール)を行なうことにより、半導体基板1
1の上部に、リンイオンが拡散してなるN型ウエル11
aと該N型ウエル11aの上部にヒ素イオンが拡散して
なるN型チャネル拡散層15をそれぞれ形成する。ここ
で、N型チャネル拡散層15にはヒ素イオンを用いた
が、アンチモンでも良く、また、ヒ素とアンチモンとの
混合物でも良い。なお、ここでは、ヒ素とリンとのイオ
ン注入の順序は問われない。
【0049】次に、図2(b)に示すように、膜厚が約
2.2nmの熱酸化膜等からなるゲート絶縁膜12を形
成する。続いて、CVD法等により、ゲート酸化膜12
上に膜厚が約250nm程度の多結晶シリコン膜を堆積
した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用い
て、堆積した多結晶シリコン膜からゲート電極13を選
択的に形成する。ここで、ゲート電極13は多結晶シリ
コン上に金属膜を積層してなるポリメタルゲート構造と
しても良い。
【0050】次に、図2(c)に示すように、ゲート電
極13をマスクとしてN型ウエル11aに、IV族の原
子、例えばシリコン(Si)を用いて、注入エネルギー
が6keV程度で、注入ドーズ量が1×1015/cm2
程度のイオン注入を行なうことにより、N型チャネル拡
散層15の上部に、ごく浅い接合面を持つシリコンから
なるアモルファス層19Aを形成する。ここで、アモル
ファス層19Aを形成するIV族元素にシリコンに代えて
ゲルマニウム(Ge)を用いてもよい。これらIV族元素
は電気的に中性であることから好ましい。
【0051】次に、図2(d)に示すように、再度ゲー
ト電極13をマスクとしてN型ウエル11aに、N型の
不純物イオン、例えばヒ素イオンを用いて、注入エネル
ギーが130keV程度で注入ドーズ量が7×1013
cm2 程度のイオン注入を行なう。続いて、P型の不純
物イオン、例えばフッ化ボロン(BF2 )イオンを用い
て、注入エネルギーが10keV程度で注入ドーズ量が
3×1014/cm2 程度のイオン注入を行なう。このと
きのフッ化ボロンイオンの注入飛程は約14nm以下と
することが好ましい。イオン注入に続いて、昇温レート
が約100℃/秒で、約900℃〜1050℃の高温に
まで昇温し、この温度を最大で10秒間程度保持する急
速熱処理を行なうことにより、N型ウエル11aにおけ
るアモルファス層19Aのa/c界面の下側に、転位ル
ープ欠陥層19が形成される。これと同時に、ボロンイ
オンが拡散することにより、転位ループ欠陥層19より
も深い接合面を持つP型エクステンション高濃度拡散層
16が形成され、該高濃度拡散層16の下側にヒ素イオ
ンが拡散することにより、N型ポケット拡散層17が形
成される。なお、ここでのヒ素とフッ化ボロンとの注入
順序は問われない。
【0052】また、ヒ素イオンの注入は必ずしも必要で
はなく、従ってN型ポケット拡散層17は必ずしも設け
る必要はない。また、この工程における急速熱処理は省
略してもよい。
【0053】次に、図3(a)に示すように、例えばC
VD法により、半導体基板11上にゲート電極13を含
む全面にわたって、例えば、膜厚が50nm程度の窒化
シリコンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜に対
して基板面に垂直な方向に強い異方性エッチングを行な
って、ゲート電極13の側面に絶縁膜からなるサイドウ
ォール14を形成する。
【0054】次に、図3(b)に示すように、ゲート電
極13及びサイドウォール14をマスクとして、N型ウ
エル11aにP型の不純物イオン、例えばフッ化ボロン
イオンを用いて、注入エネルギーが30keV程度で注
入ドーズ量が3×1015/cm2 程度のイオン注入を行
なう。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/
秒で、約1000℃〜1050℃の高温にまで昇温し、
この温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理を行
なうことにより、P型エクステンション高濃度拡散層1
6の外側に位置するソースドレイン形成領域に、P型エ
クステンション高濃度拡散層16よりも深い接合面を持
ち、ボロンイオンが拡散してなるP型高濃度拡散層18
を形成する。
【0055】なお、図2(d)に示す工程における急速
熱処理を行なうよりも前で且つゲート電極13を形成す
るよりも後に、半導体基板11の露出面を絶縁膜により
覆うことが好ましい。このようにすると、ボロンイオン
のドーズロスをより確実に防止することができる。具体
的には、減圧CVD法等により、例えば膜厚が2nm程
度のシリコン窒化膜を堆積した後、該シリコン窒化膜を
介してフッ化ボロンのイオン注入を行なう。但し、シリ
コン窒化膜は熱処理後に除去することが好ましい。
【0056】以下、図2(c)に示すアモルファス層1
9A、及び図2(d)に示す転位ループ欠陥層19の機
能を説明する。
【0057】第1の実施形態においては、P型エクステ
ンション高濃度拡散層16を形成するフッ化ボロンを注
入するよりも前に、図2(c)に示すように、シリコン
イオンを低エネルギー且つ高ドーズで注入し、熱処理を
行なうことにより、図2(d)に示すように、転位ルー
プ欠陥層19を極めて浅い位置に形成することを特徴と
している。
【0058】図4はアモルファス層19Aによるa/c
界面と、注入直後のボロンイオン及び格子間シリコンの
不純物濃度分布と、アニール後のフッ素イオンの不純物
濃度分布とを表わしている。ここで、グラフの横軸は基
板表面からの深さを示し、縦軸は不純物濃度の対数値を
示す。
【0059】図4に示すように、P型エクステンション
高濃度拡散層16を形成するボロンイオンは、アモルフ
ァス層19Aによるa/c界面よりも深い位置に不純物
のピークAを持つように注入する。このようにすると、
格子間シリコンの不純物濃度のピーク位置は、a/c界
面の結晶層側(基板の深部側)の近傍に位置するため、
a/c界面とボロンイオンのピーク位置Aとの間に来
る。その結果、a/c界面がボロンイオンの不純物濃度
分布における基板の深部側、いわゆるテール部分に位置
せず、従って格子間シリコンのピークもテール部分に位
置しない。このため、熱処理時においても、ボロンイオ
ンがTED拡散によって基板の深部側に拡散することが
なくなるので、P型エクステンション高濃度拡散層の接
合面を浅くすることができる。
【0060】さらに、a/c界面がボロンイオンのピー
ク位置Aよりも基板の表面側に位置するため、熱処理時
には、ボロンイオン、フッ素イオン及び格子間シリコン
が該a/c界面に捕獲される。このため、特に、表面拡
散効果が大きいフッ素イオンが表面側に流れにくくなる
ので、ボロンイオンのドーズロス現象を抑制することが
できる。
【0061】以上説明した拡散及び捕獲の機構により、
図5に示すボロンイオンの不純物濃度分布を得る。
【0062】図5は図2(d)に示すフッ化ボロンイオ
ンの注入直後及び熱処理後におけるボロンイオンの不純
物濃度分布を従来例と比較して表わしている。図5にお
いて、破線1はボロンイオンの注入直後の不純物濃度分
布を示し、基板表面の比較的に浅い位置にピークがあ
る。実線2は本実施形態に係るボロンイオンの熱処理後
の不純物濃度分布を示している。このように、第1の実
施形態においては、ほぼ注入直後の不純物プロファイル
を保っている。一方、破線3に示す従来例に係るボロン
イオンの熱処理後の不純物濃度は、基板の深部に拡散す
るだけでなく、基板面付近でも大きく濃度が低下してお
り、ドーズロスを起こしていることが分かる。
【0063】また、第1の実施形態の他の効果として、
P型エクステンション高濃度拡散層16を形成するより
も前に、N型ウエル11aの最上部をアモルファス化す
るため、エクステンション層を形成するフッ化ボロンイ
オンのチャネリングをも抑制することができる。
【0064】また、転位ループ欠陥層19をP型エクス
テンション高濃度拡散層16の注入飛程よりも浅い位置
に設けているため、P型エクステンション高濃度拡散層
16の接合面と離れるので、転位ループ欠陥層19に起
因する接合リークをも抑制できる。
【0065】また、ドーズロスを抑制できるため、イオ
ン注入を所定量以上に行なわなくても済むので、イオン
注入時の結晶に与えるダメージを低減でき、その上、イ
オン注入工程のスループットも向上する。
【0066】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0067】図6(a)〜図6(d)及び図7(a)〜
図7(c)は本発明の第2の実施形態に係るMIS型ト
ランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示してい
る。
【0068】まず、図6(a)に示すように、P型シリ
コンからなる半導体基板11に対して、N型の不純物イ
オン、例えばヒ素イオンを用いて、注入エネルギーが1
40keV程度で注入ドーズ量が1×1012/cm2
度のイオン注入を行なう。続いて、N型の不純物イオ
ン、例えばリンイオンを用いて、注入エネルギーが26
0keV程度で注入ドーズ量が4×1012/cm2 程度
のイオン注入を行ない、さらに、注入エネルギーが54
0keV程度で、注入ドーズ量が1×1013/cm2
度のイオン注入を行なう。イオン注入に続いて、昇温レ
ートが約100℃/秒で、約900℃〜1025℃の高
温にまで昇温し、この温度を1秒〜10秒間程度保持す
る急速熱処理を行なうことにより、半導体基板11の上
部に、リンイオンが拡散してなるN型ウエル11aと該
N型ウエル11aの上部にヒ素イオンが拡散してなるN
型チャネル拡散層15を形成する。ここで、N型チャネ
ル拡散層15にはヒ素イオンを用いたが、アンチモンで
も良く、また、ヒ素とアンチモンとの混合物でも良い。
なお、ヒ素とリンとのイオン注入の順序は問われない。
【0069】次に、図6(b)に示すように、膜厚が約
2.2nmの熱酸化膜等からなるゲート絶縁膜12を形
成する。続いて、ゲート酸化膜12上に膜厚が約250
nm程度の多結晶シリコン膜を堆積した後、堆積した多
結晶シリコン膜からゲート電極13を選択的に形成す
る。ここで、ゲート電極13はポリメタルゲート構造と
しても良い。
【0070】次に、図6(c)に示すように、ゲート電
極13をマスクとしてN型ウエル11aに、注入エネル
ギーが6keV程度で、注入ドーズ量が1×1015/c
2程度のシリコンをイオン注入することにより、N型
チャネル拡散層15の上部に、ごく浅い接合面を持つシ
リコンからなるアモルファス層19Aを形成する。ここ
でも、アモルファス層19Aを形成する原子にゲルマニ
ウムを用いてもよい。
【0071】次に、図6(d)に示すように、ゲート電
極13をマスクとしてN型ウエル11aに、N型の不純
物イオン、例えばヒ素イオンを、注入エネルギーが13
0keV程度、注入ドーズ量が7×1013/cm2 程度
でイオン注入することにより、N型ウエル11aにおけ
るアモルファス層19Aのa/c界面よりも深い位置に
接合面を持つヒ素イオン注入層17Aを形成する。
【0072】次に、図7(a)に示すように、ゲート電
極13をマスクとしてN型ウエル11aに、P型の不純
物イオン、例えばフッ化ボロンイオンを、注入エネルギ
ーが10keV程度、注入ドーズ量が6×1013/cm
2 程度で、5回に分けてイオン注入する。このときのフ
ッ化ボロンイオンの注入飛程は約14nm以下とするこ
とが好ましい。各イオン注入後に、昇温レートが約10
0℃/秒で、約900℃〜1050℃の高温にまで昇温
し、この温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理
をそれぞれ行なうことにより、N型ウエル11aにおけ
るアモルファス層19Aのa/c界面の下側に、転位ル
ープ欠陥層19が形成される。これと同時に、ボロンイ
オンが拡散することにより、転位ループ欠陥層19より
も深い接合面を持つP型エクステンション高濃度拡散層
16が形成され、該高濃度拡散層16の下側にヒ素イオ
ン注入層17Aからヒ素イオンが拡散することにより、
N型ポケット拡散層17が形成される。
【0073】第2の実施形態においても、N型ポケット
拡散層17を形成するヒ素イオンと、P型エクステンシ
ョン高濃度拡散層16を形成するフッ化ボロンとの各イ
オン注入の順序は問われない。また、N型ポケット拡散
層17は必ずしも設ける必要はない。
【0074】次に、図7(b)に示すように、CVD法
により、半導体基板11上にゲート電極13を含む全面
にわたって、例えば、膜厚が50nm程度の窒化シリコ
ンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜に対して基
板面に垂直な方向に強い異方性エッチングを行なって、
ゲート電極13の側面に絶縁膜からなるサイドウォール
14を形成する。
【0075】次に、図7(c)に示すように、ゲート電
極13及びサイドウォール14をマスクとして、N型ウ
エル11aにP型の不純物イオン、例えばフッ化ボロン
イオンを用いて、注入エネルギーが30keV程度で注
入ドーズ量が3×1015/cm2 程度のイオン注入を行
なう。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/
秒で、約1000℃〜1050℃の高温にまで昇温し、
この温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理を行
なうことにより、P型エクステンション高濃度拡散層1
6の外側に位置するソースドレイン形成領域に、P型エ
クステンション高濃度拡散層16よりも深い接合面を持
ち、ボロンイオンが拡散してなるP型高濃度拡散層18
を形成する。
【0076】以上説明したように、第2の実施形態は、
図7(a)に示すエクステンション層の注入工程におい
て、フッ化ボロンのイオン注入を低ドーズで5回に分け
て行ない、各イオン注入後にそれぞれ熱処理を加えて半
導体基板11の結晶性を回復している。これにより、シ
リコンイオンの注入により形成された浅いアモルファス
層19Aのa/c界面が半導体基板11の深部に移動し
ないようにすることができる。その結果、図4に示す格
子間シリコンのピーク位置がボロンイオンのピーク位置
Aを超えることを防止できるため、P型エクステンショ
ン高濃度拡散層16の浅い接合を確実に維持できると共
に、ボロンイオン及びフッ素イオンのドーズロス現象を
確実に抑制できる。
【0077】なお、フッ化ボロンの複数回の注入は、N
型ウエル11aがアモルファス化しない程度のドーズ量
で行なうことが好ましい。
【0078】また、図7(a)に示す工程における急速
熱処理を行なうよりも前で且つゲート電極13を形成す
るよりも後に、半導体基板11の露出面を絶縁膜により
覆うことが好ましい。このようにすると、ボロンイオン
のドーズロスをより確実に防止することができる。具体
的には、減圧CVD法等により、例えば膜厚が2nm程
度のシリコン窒化膜を堆積した後、該シリコン窒化膜を
介してフッ化ボロンのイオン注入を行なう。但し、シリ
コン窒化膜は熱処理後に除去することが好ましい。
【0079】また、第1又は第2の実施形態において、
P型エクステンション高濃度拡散層16を形成する不純
物イオンは、フッ化ボロンに限らず、フッ素を含む分
子、例えば、BF3 であっても良い。
【0080】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0081】図8(a)〜図8(d)、図9(a)及び
図9(b)は本発明の第3の実施形態に係るMIS型ト
ランジスタの製造方法の工程順の断面構成を示してい
る。
【0082】まず、図8(a)に示すように、P型シリ
コンからなる半導体基板11に対して、N型の不純物イ
オンである、例えばヒ素(As)イオンを用いて、注入
エネルギーが140keV程度で注入ドーズ量が1×1
12/cm2 程度のイオン注入を行なう。続いて、N型
の不純物イオン、例えばリン(P)イオンを用いて、注
入エネルギーが260keV程度で注入ドーズ量が4×
1012/cm2 程度のイオン注入を行ない、さらに、注
入エネルギーが540keV程度で、注入ドーズ量が1
×1013/cm2 程度のイオン注入を行なう。イオン注
入に続いて、昇温レートが約100℃/秒で、約900
℃〜1025℃の高温にまで昇温し、この温度を1秒〜
10秒間程度保持する急速熱処理を行なうことにより、
半導体基板11の上部に、リンイオンが拡散してなるN
型ウエル11aと該N型ウエル11aの上部にヒ素イオ
ンが拡散してなるN型チャネル拡散層15をそれぞれ形
成する。ここで、N型チャネル拡散層15にはヒ素イオ
ンを用いたが、アンチモンでも良く、また、ヒ素とアン
チモンとの混合物でも良い。なお、ここでは、ヒ素とリ
ンとのイオン注入の順序は問われない。
【0083】次に、図8(b)に示すように、膜厚が約
2.2nmの熱酸化膜等からなるゲート絶縁膜12を形
成する。続いて、CVD法等により、ゲート酸化膜12
上に膜厚が約250nm程度の多結晶シリコン膜を堆積
した後、堆積した多結晶シリコン膜からゲート電極13
を選択的に形成する。ここで、ゲート電極13はポリメ
タルゲート構造としても良い。
【0084】次に、図8(c)に示すように、ゲート電
極13をマスクとしてN型ウエル11aに、IV族の原
子、例えばシリコンを用いて、注入エネルギーが6ke
V程度で、注入ドーズ量が1×1015/cm2 程度のイ
オン注入を行なうことにより、N型チャネル拡散層15
の上部に、ごく浅い接合面を持つシリコンからなるアモ
ルファス層19Aを形成する。ここで、アモルファス層
19Aを形成するIV族元素にゲルマニウム(Ge)を用
いてもよい。
【0085】次に、図8(d)に示すように、再度ゲー
ト電極13をマスクとしてN型ウエル11aに、N型の
不純物イオン、例えばヒ素イオンを用いて、注入エネル
ギーが130keV程度で注入ドーズ量が7×1013
cm2 程度のイオン注入を行なう。続いて、P型の不純
物イオン、例えばボロン(B+ )イオンを用いて、注入
エネルギーが2keV程度で注入ドーズ量が3×1014
/cm2 程度のイオン注入を行なう。このときのボロン
イオンの注入飛程は約14nm以下とすることが好まし
い。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/秒
で、約900℃〜1050℃の高温にまで昇温し、この
温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理を行なう
ことにより、N型ウエル11aにおけるアモルファス層
19Aのa/c界面の下側に、転位ループ欠陥層19が
形成される。これと同時に、ボロンイオンが拡散するこ
とにより、転位ループ欠陥層19よりも深い接合面を持
つP型エクステンション高濃度拡散層26が形成され、
該高濃度拡散層26の下側にヒ素イオンが拡散すること
により、N型ポケット拡散層17が形成される。
【0086】なお、ここでのヒ素とボロンとの注入順序
は問われない。また、ヒ素イオンの注入は必ずしも必要
ではなく、従ってN型ポケット拡散層17は必ずしも設
ける必要はない。また、この工程における急速熱処理は
省略してもよい。
【0087】次に、図9(a)に示すように、例えばC
VD法により、半導体基板11上にゲート電極13を含
む全面にわたって、例えば、膜厚が50nm程度の窒化
シリコンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜に対
して基板面に垂直な方向に強い異方性エッチングを行な
って、ゲート電極13の側面に絶縁膜からなるサイドウ
ォール14を形成する。
【0088】次に、図9(b)に示すように、ゲート電
極13及びサイドウォール14をマスクとして、N型ウ
エル11aにP型の不純物イオン、例えばフッ化ボロン
イオンを用いて、注入エネルギーが30keV程度で注
入ドーズ量が3×1015/cm2 程度のイオン注入を行
なう。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃/
秒で、約1000℃〜1050℃の高温にまで昇温し、
この温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理を行
なうことにより、P型エクステンション高濃度拡散層2
6の外側に位置するソースドレイン形成領域に、P型エ
クステンション高濃度拡散層26よりも深い接合面を持
ち、ボロンイオンが拡散してなるP型高濃度拡散層18
を形成する。
【0089】なお、図8(d)に示す工程における急速
熱処理を行なうよりも前で且つゲート電極13を形成す
るよりも後に、半導体基板11の露出面を絶縁膜により
覆うことが好ましい。このようにすると、ボロンイオン
のドーズロスをより確実に防止することができる。具体
的には、減圧CVD法等により、例えば膜厚が2nm程
度のシリコン窒化膜を堆積した後、該シリコン窒化膜を
介してフッ化ボロンのイオン注入を行なう。但し、シリ
コン窒化膜は熱処理後に除去することが好ましい。
【0090】第3の実施形態においても、第1及び第2
の実施形態と同様に、P型エクステンション高濃度拡散
層26を形成するボロンを注入するよりも前に、図8
(c)に示すように、シリコンイオンを低エネルギー且
つ高ドーズで注入し、熱処理を行なうことにより、図8
(d)に示すように、転位ループ欠陥層19を極めて浅
い位置に形成する。
【0091】図10は第3の実施形態に係るMIS型ト
ランジスタにおける、転位ループ欠陥層と、ボロンイオ
ンの注入直後及びアニール後の濃度分布とを表わしてい
る。ここで、グラフの横軸は基板表面からの深さを示
し、縦軸はボロンの濃度の対数値を示す。図10に示す
ように、基板の浅い位置に転位ループ欠陥層を形成する
ため、該転位ループ欠陥層が格子間シリコンを捕獲する
ことにより、ボロンのTEDが抑制される。さらに、ボ
ロンの注入時における高濃度領域の近傍に存在する過剰
な格子間シリコンの濃度が減少するため、ボロンと格子
間シリコンとの相互作用に起因するボロンクラスタ化反
応の進行が抑制される。その結果、ボロンの活性化濃度
の低下を防ぐことができる。
【0092】また、半導体基板11の浅い位置に転位ル
ープ欠陥層19を形成することにより、ボロンの基板内
部から表面への拡散現象が抑制されるので、ボロンのド
ーズロスをも防ぐことが可能となる。
【0093】また、転位ループ欠陥層19がP型エクス
テンション高濃度拡散層26の接合面と離れているた
め、転位ループ欠陥層19に起因する接合リークをも抑
制することができる。
【0094】その上、P型エクステンション高濃度拡散
層26の形成用のボロンイオンを注入するよりも前に、
半導体基板11のアモルファス化を行なうため、ボロン
イオンのチャネリングを抑制する効果も生じる。
【0095】このように、第3の実施形態によると、P
型エクステンション高濃度拡散層26におけるボロンの
活性化効率が向上すると共に、ドーズロスが抑制される
ため、イオン注入時に必要以上のドーズ量を注入せずに
済む。これにより、イオン注入時の結晶ダメージが低減
されるため、P型不純物に質量数が小さいボロンを用い
ながらも、該ボロンのTEDが抑制されるので、P型高
濃度不純物層の接合位置を確実に浅くすることができ
る。
【0096】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0097】図11(a)〜図11(d)及び図12
(a)〜図12(c)は本発明の第4の実施形態に係る
MIS型トランジスタの製造方法の工程順の断面構成を
示している。
【0098】まず、図11(a)に示すように、P型シ
リコンからなる半導体基板11に対して、N型の不純物
イオン、例えばヒ素イオンを用いて、注入エネルギーが
140keV程度で注入ドーズ量が1×1012/cm2
程度のイオン注入を行なう。続いて、N型の不純物イオ
ン、例えばリンイオンを用いて、注入エネルギーが26
0keV程度で注入ドーズ量が4×1012/cm2 程度
のイオン注入を行ない、さらに、注入エネルギーが54
0keV程度で、注入ドーズ量が1×1013/cm2
度のイオン注入を行なう。イオン注入に続いて、昇温レ
ートが約100℃/秒で、約900℃〜1025℃の高
温にまで昇温し、この温度を1秒〜10秒間程度保持す
る急速熱処理を行なうことにより、半導体基板11の上
部に、リンイオンが拡散してなるN型ウエル11aと該
N型ウエル11aの上部にヒ素イオンが拡散してなるN
型チャネル拡散層15を形成する。ここで、N型チャネ
ル拡散層15にはヒ素イオンを用いたが、アンチモンで
も良く、また、ヒ素とアンチモンとの混合物でも良い。
なお、ここでは、ヒ素とリンとのイオン注入の順序は問
われない。
【0099】次に、図11(b)に示すように、膜厚が
約2.2nmの熱酸化膜等からなるゲート絶縁膜12を
形成する。続いて、ゲート酸化膜12上に膜厚が約25
0nm程度の多結晶シリコン膜を堆積した後、堆積した
多結晶シリコン膜からゲート電極13を形成する。ここ
で、ゲート電極13はポリメタルゲート構造としても良
い。
【0100】次に、図11(c)に示すように、ゲート
電極13をマスクとしてN型ウエル11aに、注入エネ
ルギーが6keV程度で、注入ドーズ量が1×1015
cm 2 程度のシリコンをイオン注入することにより、N
型チャネル拡散層15の上部に、ごく浅い接合面を持つ
シリコンからなるアモルファス層19Aを形成する。こ
こでも、アモルファス層19Aを形成する原子にゲルマ
ニウムを用いてもよい。
【0101】次に、図11(d)に示すように、ゲート
電極13をマスクとしてN型ウエル11aに、N型の不
純物イオン、例えばヒ素イオンを、注入エネルギーが1
30keV程度、注入ドーズ量が7×1013/cm2
度でイオン注入することにより、N型ウエル11aにお
けるアモルファス層19Aのa/c界面よりも深い位置
に接合面を持つヒ素イオン注入層17Aを形成する。
【0102】次に、図12(a)に示すように、ゲート
電極13をマスクとしてN型ウエル11aに、P型の不
純物イオン、例えばボロンイオンを、注入エネルギーが
2keV程度、注入ドーズ量が6×1013/cm2 程度
で、5回に分けてイオン注入する。このときのボロンイ
オンの注入飛程は約14nm以下とすることが好まし
い。各イオン注入後に、昇温レートが約100℃/秒
で、約900℃〜1050℃の高温にまで昇温し、この
温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理をそれぞ
れ行なうことにより、N型ウエル11aにおけるアモル
ファス層19Aのa/c界面の下側に、転位ループ欠陥
層19が形成される。これと同時に、ボロンイオンが拡
散することにより、転位ループ欠陥層19よりも深い接
合面を持つP型エクステンション高濃度拡散層26が形
成され、該高濃度拡散層26の下側にヒ素イオン注入層
17Aからヒ素イオンが拡散することにより、N型ポケ
ット拡散層17とがそれぞれ形成される。
【0103】第4の実施形態においても、N型ポケット
拡散層17を形成するヒ素イオンと、P型エクステンシ
ョン高濃度拡散層26を形成するフッ化ボロンとの各イ
オン注入の順序は問われない。また、N型ポケット拡散
層17は必ずしも設ける必要はない。
【0104】次に、図12(b)に示すように、CVD
法により、半導体基板11上にゲート電極13を含む全
面にわたって、例えば、膜厚が50nm程度の窒化シリ
コンからなる絶縁膜を堆積し、堆積した絶縁膜に対して
基板面に垂直な方向に強い異方性エッチングを行なっ
て、ゲート電極13の側面に絶縁膜からなるサイドウォ
ール14を形成する。
【0105】次に、図12(c)に示すように、ゲート
電極13及びサイドウォール14をマスクとして、N型
ウエル11aにP型の不純物イオン、例えばフッ化ボロ
ンイオンを用いて、注入エネルギーが30keV程度で
注入ドーズ量が3×1015/cm2 程度のイオン注入を
行なう。イオン注入に続いて、昇温レートが約100℃
/秒で、約1000℃〜1050℃の高温にまで昇温
し、この温度を最大で10秒間程度保持する急速熱処理
を行なうことにより、P型エクステンション高濃度拡散
層26の外側に位置するソースドレイン形成領域に、P
型エクステンション高濃度拡散層26よりも深い接合面
を持ち、ボロンイオンが拡散してなるP型高濃度拡散層
18を形成する。
【0106】以上説明したように、第4の実施形態は、
図12(a)に示すエクステンション層の注入工程にお
いて、ボロンイオンを低ドーズで5回に分けてイオン注
入し、各イオン注入後にそれぞれ熱処理を行なうことに
より、半導体基板11の結晶性の回復を図っている。こ
れにより、シリコンイオンの注入により形成された浅い
アモルファス層19Aのa/c界面が半導体基板11の
深部に移動しないようにすることができる。その結果、
P型エクステンション高濃度拡散層26の浅い接合を確
実に維持できると共に、ボロンイオンのドーズロス現象
を確実に抑制できる。
【0107】なお、ボロンの複数回の注入は、N型ウエ
ル11aがアモルファス化しない程度のドーズ量で行な
うことが好ましい。
【0108】また、図12(a)に示す工程における急
速熱処理を行なうよりも前で且つゲート電極13を形成
するよりも後に、半導体基板11の露出面を絶縁膜によ
り覆うことが好ましい。このようにすると、ボロンイオ
ンのドーズロスをより確実に防止することができる。具
体的には、減圧CVD法等により、例えば膜厚が2nm
程度のシリコン窒化膜を堆積した後、該シリコン窒化膜
を介してフッ化ボロンのイオン注入を行なう。但し、シ
リコン窒化膜は熱処理後に除去することが好ましい。
【0109】なお、第1〜第4の実施形態において、ソ
ースドレイン拡散層であるP型高濃度拡散層18を形成
するための不純物イオンとして、フッ化ボロンに代えて
ボロンを用いてもよい。但し、ボロンの場合の注入条件
は、注入エネルギーを5keV程度とし、注入ドーズ量
を3×1015/cm2 程度とすることが好ましい。
【0110】また、第1〜第4の実施形態において、P
型MISトランジスタを例として説明したが、N型MI
Sトランジスタであっても良く、例えばN型のエクステ
ンション高濃度拡散層を形成する不純物イオンに、ヒ素
(As)又はアンチモン(Sb)を用いても同様の効果
を得ることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明に係る半導体装置及びその製造方
法によると、ゲート電極の側方のごく浅い領域に転位ル
ープ欠陥層を設けることにより、不純物原子のドーズロ
スを抑制できるため、装置の駆動力を低下させることな
く該装置の微細化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るMIS型トラン
ジスタを示す構成断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係
るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成
断面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に
係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るMISトランジ
スタにおける、アモルファス層によるa/c界面、ボロ
ン、フッ素、格子間シリコンの各基板表面からの深さと
不純物濃度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るMISトランジ
スタの製造方法における、フッ化ボロンイオンの注入直
後及び熱処理後におけるボロンイオンの不純物濃度分布
を従来例と比較して表わしたグラフである。
【図6】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係
るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成
断面図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係
るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成
断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係
るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構成
断面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に
係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るMISトラン
ジスタにおける、転位ループ欠陥層の基板表面からの位
置と、ボロンの注入直後及びアニール後の濃度分布とを
示すグラフである。
【図11】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に
係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図12】(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に
係るMIS型トランジスタの製造方法を示す工程順の構
成断面図である。
【図13】(a)〜(c)は従来のMIS型トランジス
タの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図14】(a)及び(b)は従来のMIS型トランジ
スタの製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図15】従来のMISトランジスタにおけるボロンの
注入直後及びアニール後の濃度分布を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11 半導体基板 11a N型ウエル 12 ゲート絶縁膜 13 ゲート電極 14 サイドウォール 15 N型チャネル拡散層 16 P型エクステンション高濃度拡散層 26 P型エクステンション高濃度拡散層 17 N型ポケット拡散層 17A ヒ素イオン注入層 18 P型高濃度拡散層 19A アモルファス層 19 転位ループ欠陥層

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介して形
    成されたゲート電極と、 前記半導体領域における前記ゲート電極の側方に形成さ
    れた第1導電型のエクステンション高濃度拡散層と、 前記半導体領域における前記ゲート電極の側方の領域で
    且つ前記エクステンション高濃度拡散層の注入飛程より
    も浅い位置に形成された転位ループ欠陥層と 前記エクステンション高濃度拡散層の下側に形成された
    第2導電型のポケット拡散層と を備えていることを特徴
    とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介して形
    成されたゲート電極と、 前記半導体領域における前記ゲート電極の側方に形成さ
    れた第1導電型のエクステンション高濃度拡散層と、 前記半導体領域における前記ゲート電極の側方の領域で
    且つ前記エクステンション高濃度拡散層の注入飛程より
    も浅い位置に形成された転位ループ欠陥層とを備え、 前記転位ループ欠陥層にはフッ素が偏析していることを
    特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介して形
    成されたゲート電極と、 前記半導体領域における前記ゲート電極の側方に形成さ
    れた第1導電型のエクステンション高濃度拡散層と、 前記半導体領域における前記ゲート電極の側方の領域で
    且つ前記エクステンション高濃度拡散層の注入飛程より
    も浅い位置に形成された転位ループ欠陥層と、 前記半導体領域上における前記ゲート電極の側面に形成
    されたサイドウォールと、 前記半導体領域における前記サイドウォールの側方で且
    つ前記エクステンション高濃度拡散層の外側に接するよ
    うに形成され、前記エクステンション高濃度拡散層より
    も深い接合面を持つ第1導電型の高濃度拡散層とを備
    ていることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記転位ループ欠陥層にはフッ素が偏析
    していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置。
  5. 【請求項5】 前記半導体領域上における前記ゲート電
    極の側面に形成されたサイドウォールと、 前記半導体領域における前記サイドウォールの側方で且
    つ前記エクステンション高濃度拡散層の外側に接するよ
    うに形成され、前記エクステンション高濃度拡散層より
    も深い接合面を持つ第1導電型の高濃度拡散層とをさら
    に備えていることを特徴とする請求項1、2及び4のう
    ちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲ
    ート電極を形成する第1の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域にIV族
    元素からなるイオンを注入することにより、前記半導体
    領域の上部にアモルファス層を形成する第2の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に、第
    1導電型の第1の不純物を注入飛程が前記アモルファス
    層よりも深い位置にまで到達するように注入する第3の
    工程と、 前記半導体領域に対して熱処理を行なうことにより、前
    記半導体領域の上部に、前記第1の不純物が拡散してな
    り、前記アモルファス層よりも接合位置が深い第1導電
    型のエクステンション高濃度拡散層を形成する第4の工
    程とを備え、前記第3の工程は、前記ゲート電極をマスクとして、前
    記半導体領域に、第2導電型の第2の不純物を注入飛程
    が前記アモルファス層よりも深い位置にまで到達するよ
    うに注入する工程を含み、 前記第4の工程は、前記エクステンション高濃度拡散の
    下側に、前記第2の不純物が拡散してなる第2導電型の
    ポケット拡散層を形成する工程を含む ことを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲ
    ート電極を形成する第1の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に IV
    元素からなるイオンを注入することにより、前記半導体
    領域の上部にアモルファス層を形成する第2の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に、第
    1導電型の第1の不純物を注入飛程が前記アモルファス
    層よりも深い位置にまで到達するように注入する第3の
    工程と、 前記半導体領域に対して熱処理を行なうことにより、前
    記半導体領域の上部に、前記第1の不純物が拡散してな
    り、前記アモルファス層よりも接合位置が深い第1導電
    型のエクステンション高濃度拡散層を形成する第4の工
    程と、 前記第4の工程よりも後に、前記ゲート電極の側面に絶
    縁膜からなるサイドウォールを形成する第5の工程と、 前記ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、前
    記半導体領域に第1導電型の第3の不純物を注入した
    後、熱処理を行なうことにより、前記エクステンション
    高濃度拡散層の外側に位置し、前記エクステンション高
    濃度拡散層よりも深い接合面を持ち、前記第3の不純物
    が拡散してなる第1導電型の高濃度拡散層を形成する
    6の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲ
    ート電極を形成する第1の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に IV
    元素からなるイオンを注入することにより、前記半導体
    領域の上部にアモルファス層を形成する第2の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に、第
    1導電型の第1の不純物を注入飛程が前記アモルファス
    層よりも深い位置にまで到達するように注入する第3の
    工程と、 前記半導体領域に対して熱処理を行なうことにより、前
    記半導体領域の上部に、前記第1の不純物が拡散してな
    り、前記アモルファス層よりも接合位置が深い第1導電
    型のエクステンション高濃度拡散層を形成する第4の工
    程とを備え、 前記第1の不純物は、フッ化ボロン又はフッ素を含む分
    子であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲ
    ート電極を形成する第1の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に IV
    元素からなるイオンを注入することにより、前記半導体
    領域の上部にアモルファス層を形成する第2の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に、第
    1導電型の第1の不純物を注入飛程が前記アモルファス
    層よりも深い位置にまで到達するように注入する第3の
    工程と、 前記半導体領域に対して熱処理を行なうことにより、前
    記半導体領域の上部に、前記第1の不純物が拡散してな
    り、前記アモルファス層よりも接合位置が深い第1導電
    型のエクステンション高濃度拡散層を形成する第4の工
    程とを備え、 前記第3の工程は、前記第1の不純物を、前記半導体領
    域がアモルファス化するドーズ量以下で複数回に分けて
    イオン注入すると共に、前記複数回のイオン注入後のそ
    れぞれに熱処理を行なうことにより、前記半導体領域の
    結晶性を回復する工程を含むことを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体領域上にゲート絶縁膜を介して
    ゲート電極を形成する第1の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に IV
    元素からなるイオンを注入することにより、前記半導体
    領域の上部にアモルファス層を形成する第2の工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体領域に、第
    1導電型の第1の不純物を注入飛程が前記アモルファス
    層よりも深い位置にまで到達するように注入する第3の
    工程と、 前記半導体領域に対して熱処理を行なうことにより、前
    記半導体領域の上部に、前記第1の不純物が拡散してな
    り、前記アモルファス層よりも接合位置が深い第1導電
    型のエクステンション高濃度拡散層を形成する第4の工
    程と、 前記第1の工程と前記第3の工程との間に、前記半導体
    領域上にその露出部分を覆う絶縁膜を形成する第5の工
    程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第4の工程よりも後に、 前記ゲート電極の側面に絶縁膜からなるサイドウォール
    を形成する工程と、 前記ゲート電極及びサイドウォールをマスクとして、前
    記半導体領域に第1導電型の第3の不純物を注入した
    後、熱処理を行なうことにより、前記エクステンション
    高濃度拡散層の外側に位置し、前記エクステンション高
    濃度拡散層よりも深い接合面を持ち、前記第3の不純物
    が拡散してなる第1導電型の高濃度拡散層を形成する工
    程とをさらに備えていることを特徴とする請求項6、
    8、9及び10のうちのいずれか1項に記載の半導体装
    置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1不純物は、フッ化ボロン又は
    フッ素を含む分子であることを特徴とする請求項6、
    7、9及び10のうちのいずれか1項に記載の半導体装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の不純物は、ボロンであるこ
    とを特徴とする請求項6、7、9及び10のうちのいず
    れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第3の工程は、前記第1の不純物
    を、前記半導体領域がアモルファス化するドーズ量以下
    で複数回に分けてイオン注入すると共に、前記複数回の
    イオン注入後のそれぞれに熱処理を行なうことにより、
    前記半導体領域の結晶性を回復する工程を含むことを特
    徴とする請求項6、7、8及び10のうちのいずれか1
    項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の工程と前記第3の工程との
    間に、 前記半導体領域上にその露出部分を覆う絶縁膜を形成す
    る工程をさらに備えていることを特徴とする請求項6〜
    のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記IV族元素は、シリコン又はゲルマ
    ニウムであることを特徴とする請求項6〜15のうちの
    いずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第2の工程は、前記IV族元素から
    なるイオンを前記半導体領域がアモルファス化するドー
    ズ量以上で注入することを特徴とする請求項6〜16
    うちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第3の工程は、前記第1の不純物
    をその注入飛程が約14nm以下となるように注入する
    ことを特徴とする請求項6〜17のうちのいずれか1項
    に記載の半導体装置の製造方法。
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