JP3523413B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
Description
好適に使用されるとともに、低温焼成可能な誘電体磁器
組成物、特に、共振器,コンデンサ,フィルタ等の電子
部品またはそれらを内蔵した基板など内部導体を有する
基板や電子部品に適する誘電体磁器組成物に関するもの
である。
ラミックスが、共振器,コンデンサ,フィルタまたはそ
れらを内蔵した基板など内部導体を有する電子部品に広
く使用されており、近年、携帯電話に代表される移動体
通信等の高周波機器の発展と普及に伴い、高周波領域で
使用する電子部品として誘電体セラミックスが積極的に
利用されるようになってきた。
成するに際しては、印刷された内部導体が誘電体セラミ
ックスの焼成温度で溶融することがないように、該導体
には、アルミナ,ステアタイト,フォルステライト等の
誘電体セラミックスの焼成温度よりも高い融点を有す
る、例えばW,Mo等の金属が用いられていた。
いことから、従来の電子部品では、共振回路のQ値が小
さくなってしまい、導体線路の伝送損失が大きくなる等
の問題があった。
の小さいAg系,Cu系およびAu系等の金属を導体と
して採用し、低温で同時焼成できる誘電体セラミックス
が種々提案されている。更に、最近の高周波用電子部品
に対する小型化と高性能化の要求に応えるために、特定
の周波数領域で適切な比誘電率εrを有する誘電体セラ
ミックスを用いることにより共振回路やインダクタンス
の小型化を可能とし、また、誘電体セラミックスのQ値
を高くすることにより、共振回路のQ値も高くすること
ができて低損失となることから、各種の複合誘電体が提
案されている。
公報に開示された誘電体磁器組成物は、アノーサイト−
チタン酸カルシウム系のガラスとTiO2 からなるもの
で、低温焼成できるため導体としてAgやCu等の金属
と同時焼成できるものであった。
4−292460号公報に開示された誘電体磁器組成物
では、Q値が低いため高周波電子部品、共振回路のQ値
が低いものであった。
の誘電体磁器組成物が従来から知られているが、この組
成系では、焼成温度が1500℃程度であったため、内
部導体も焼成温度よりも高い融点を有する、例えばW,
Mo等の金属を使用する必要があり、上記したように、
共振回路のQ値が小さくなってしまい、導体線路の伝送
損失が大きくなる等の問題があった。
で、900〜1200℃程度の比較的低温でAg系やC
u系、Au系等の導体金属と同時に焼成でき、誘電体セ
ラミックスの比誘電率εrを使用周波数に適したものを
選べ、かつQ値が高い等の特徴を有し、高周波電子部品
や基板の小型化と高性能化を実現できる誘電体磁器組成
物を提供することを目的とする。
物は、金属元素として少なくともCa,Zrを含有する
複合酸化物であって、これらのモル比による組成式をx
CaO・ZrO2と表した時、前記xが0.87≦x≦
1.36を満足する主成分100重量部に対して、硼素
含有化合物をB2O3換算でa重量部、アルカリ金属炭
酸塩をアルカリ金属炭酸塩換算でb重量部の範囲で添加
含有してなり、かつ、前記a,bが0≦a≦30、0<
b≦20、1.5≦a+bを満足するものである。ここ
で、前記a,bが、0≦a≦20、0<b≦10、1.
5≦a+bを満足することが望ましい。
00℃程度の比較的低温でAg系やCu系、Au系等の
導体金属と同時に焼成でき、誘電体セラミックスの比誘
電率εrを使用周波数に適したものを選べ、かつQ値が
高い等の特徴を有し、高周波電子部品や基板の小型化と
高性能化を実現できる。
物および/またはアルカリ金属炭酸塩を添加したのは焼
成温度を低下させることができるからである。しかしな
がら、硼素含有化合物を単独で含有する場合ある一定量
を越えると焼成時等の高温下で主成分のCaO−ZrO
2からなる高Q値の結晶相と反応するので、配合量が多
すぎた場合は、焼成後において未反応のCaO−ZrO
2からなる高Q値の結晶相の残存量が少なくなり、高い
Q値を維持することができない。
温度低下効果と焼成後の磁器組成物の誘電特性向上効果
とは背反関係にあり、硼素含有化合物のみを添加した組
成物では、低い焼結温度と高いQ値等の優れた誘電特性
とを共に備えた組成物を得ることが困難である。
属炭酸塩のみを添加した場合には、高Q値を維持したま
ま組成物の焼結温度を充分に低下させることができな
い。
属炭酸塩とを、各々特定量比で組み合わせ添加含有する
ことが望ましいが、これは硼素含有化合物とCaO−Z
rO2からなる高Q値の結晶相との過度の反応が抑制さ
れ、かつ、硼素含有化合物のみの添加の場合と比較して
さらに焼結温度を低下させることができると同時に、高
Q値を達成できるため、Agを主成分とする金属導体と
の同時焼成が可能となるからである。
ル比による組成式をxCaO・ZrO2と表した時、x
が0.87≦x≦1.36を満足する主成分100重量
部に対して、硼素含有化合物をB2O3換算でa重量
部、アルカリ金属炭酸塩をアルカリ金属炭酸塩換算でb
重量部の範囲で添加含有してなり、かつ、前記a,bが
0≦a≦30、0<b≦20、1.5≦a+bを満足す
るものである。
x≦1.36としたのは、xが0.87未満の場合には
Qf値が低下(2000未満)し、xが1.36を越え
る場合には1200℃以下では焼結しなくなるからであ
る。とりわけ低温焼結と高Qf値の観点からは0.95
≦x≦1.28が好ましい。
はアルカリ金属炭酸塩を添加したのは高Q値を維持した
まま焼成温度を低下させることができるからであり、こ
れらの合量a+bが1.5重量部よりも少ない場合には
1200℃では焼結せず、一方、硼素含有化合物の量a
が30重量部よりも多くなる場合やアルカリ金属炭酸塩
の量bが20重量部よりも多くなる場合には、Qf値が
2000未満に低下するからである。
化合物の量aおよびアルカリ金属炭酸塩bは、0≦a≦
20、0<b≦10、1.5≦a+bを満足することが
望ましい。これは、この範囲内であれば、Qf値を40
00以上とできるとともに、1200℃以下で焼結でき
るからである。
xCaO・ZrO2と表した時のxが0.95≦x≦
1.28、硼素含有化合物の量aおよびアルカリ金属炭
酸塩bは、0<a≦15、0<b≦7.5、1.5≦a
+bを満足することが望ましい。この範囲内であれば、
Qf値を8000以上とできるとともに、1070℃以
下で焼結できるからである。
xCaO・ZrO2と表した時のxが0.95≦x≦
1.28、硼素含有化合物の量aおよびアルカリ金属炭
酸塩bは、0.1≦a≦10、2.5≦b≦7.5を満
足することが望ましい。この範囲内であれば、Qf値が
13000以上とできるとともに、950℃以下で焼結
できるからである。このように、硼素含有化合物とアル
カリ金属炭酸塩とを同時に含有することにより、Qf値
の向上と低温焼成化をともに実現することができる。
O3,コレマナイト,CaB2O4等がある。アルカリ
金属としては、Li,Na,Kがあり、とくに高Q値、
低温焼成化のためにはLiが望ましい。
と、該誘電体磁器の内部および/または表面に形成され
た導体とを具備する電子部品や基板において、前記誘電
体磁器として用いることができ、望ましい第1の態様で
は導体としてAg,Cu,Au,Niおよびこれらを含
む合金を、望ましい第2の態様では導体としてAg,C
u,Auおよびこれらを含む合金を、望ましい第3の態
様では導体としてAgを主成分とするものを使用でき
る。
子部品としては、共振器、コンデンサ、フィルタ、イン
ダクタ等があり、基板としては、前記電子部品を内蔵し
た基板等がある。特に高周波用途に適した電子部品や基
板に最適である。導体としては、導通抵抗がより低いと
いう点からAgおよびCuが最も望ましい。
O3 ,ZrO2 の各原料粉末を所定量秤量し、該原料粉
末を混合した後、該混合物を乾燥し、次いで該乾燥物を
大気中等の酸化性雰囲気において1100〜1400℃
の温度で1〜4時間仮焼する。
よび/またはアルカリ金属炭酸塩を所定量添加し、混合
した後、プレス成形等の周知の方法で所定形状に成形
し、その後、前記成形体を大気中等の酸化性雰囲気中あ
るいは窒素雰囲気などの非酸化性雰囲気において880
〜1200℃で0.5〜4時間焼成することにより得ら
れる。
2 の各原料粉末を表1,2に示す割合で秤量し、該原料
粉末に媒体として純水を加えて20時間ボールミルにて
混合した後、該混合物を乾燥し、次いで該乾燥物を大気
中において1200℃の温度で2時間仮焼した。
O3,Na2CO3,K2CO3などのアルカリ金属炭
酸塩粉末を表1,2に示す割合となるように秤量し、Z
rO2ボールを用いたボールミルにて20時間混合した
後、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量%
加えてから造粒し、該造粒物を約1t/cm2の加圧力
でプレス成形して円柱状の成形体を成形した。
温度で4時間加熱して脱バインダー処理し、引き続いて
表1,2に示す各温度で大気中2時間焼成した。得られ
た円柱体の両端面を平面研磨し、直径約8mm、高さ約
3.5〜6mmの円柱状の誘電体特性評価用試料を作製
した。
いて誘電体円柱共振器法により、共振周波数を8〜11
GHzで比誘電率εrとQ値を測定するとともに、−4
0〜+85℃の温度範囲における共振周波数の温度係数
τfを測定した。なおQ値は1GHzでのQ値(Q×f
(fは測定周波数))に換算した。これらの結果を表
1,2に示す。
での共振周波数を基準にして−40℃および+85℃に
おける共振周波数の温度係数τfを算出した結果、すべ
ての試料の共振周波数の温度係数τfが±40ppm/
℃の範囲内であった。尚、試料No.40は参考試料を
示す。
体磁器組成物では、1200℃以下の比較的低温で焼成
でき、さらに、比誘電率εrが10〜28、Qf値が2
000以上、かつ共振周波数の温度係数τfが±40p
pm/℃以内の優れた特性を有することが判る。
リ金属炭酸塩の量bが、0≦a≦20、0<b≦10、
1.5≦a+bを満足する望ましい第1の態様では、1
200℃以下で焼成でき、さらに、比誘電率εrが13
〜28、Qf値が4000以上、かつ共振周波数の温度
係数τfが±40ppm/℃以内の優れた特性を有する
ことが判る。さらに、組成式をxCaO・ZrO2と表
した時のxが0.95≦x≦1.28、硼素含有化合物
の量aおよびアルカリ金属炭酸塩の量bは、0<a≦1
5、0<b≦7.5、1.5≦a+bを満足する望まし
い第2の態様では、1070℃以下で焼成でき、さら
に、比誘電率εrが13〜28、Qf値が8000以
上、かつ共振周波数の温度係数τfが±40ppm/℃
以内の優れた特性を有することが判る。
と表した時のxが0.95≦x≦1.28、硼素含有化
合物の量aおよびアルカリ金属含有化合物bは、0.1
≦a≦10、2.5≦b≦7.5を満足する望ましい第
3の態様では、950℃以下で焼成でき、さらに、比誘
電率εrが17〜28、Qf値が13000以上、かつ
共振周波数の温度係数τfが±40ppm/℃以内の優
れた特性を有することが判る。
よびアルカリ金属含有化合物bを添加しない試料No.4
8では、焼成温度が1500℃であり、比誘電率εrが
30、Qf値が30000、かつ共振周波数の温度係数
τfが6ppm/℃であった。
〜1200℃程度の比較的低温でAg系やCu系、Au
系等の導体金属と同時に焼成でき、比誘電率εrが使用
周波数に適したものを選べ、かつQ値が高い等の特徴を
有し、高周波電子部品や基板のより一層の小型化と高性
能化が実現できる。
Claims (2)
- 【請求項1】金属元素として少なくともCa,Zrを含
有する複合酸化物であって、これらのモル比による組成
式を xCaO・ZrO2 と表した時、前記xが 0.87≦x≦1.36 を満足する主成分100重量部に対して、硼素含有化合
物をB2O3換算でa重量部、アルカリ金属炭酸塩をア
ルカリ金属炭酸塩換算でb重量部の範囲で添加含有して
なり、かつ、前記a,bが 0≦a≦30 0<b≦20 1.5≦a+b を満足することを特徴とする誘電体磁器組成物。 - 【請求項2】前記a,bが 0≦a≦20 0<b≦10 1.5≦a+b を満足することを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器
組成物。
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JP13517896A JP3523413B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 誘電体磁器組成物 |
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JPH09315859A JPH09315859A (ja) | 1997-12-09 |
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1996
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