JP3215029B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JP3215029B2 JP30468795A JP30468795A JP3215029B2 JP 3215029 B2 JP3215029 B2 JP 3215029B2 JP 30468795 A JP30468795 A JP 30468795A JP 30468795 A JP30468795 A JP 30468795A JP 3215029 B2 JP3215029 B2 JP 3215029B2
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昭哉 藤崎
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0306Inorganic insulating substrates, e.g. ceramic, glass

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域で使用
する電子回路基板や電子部品等に適用される誘電体磁器
組成物に関するもので、例えば、共振器、コンデンサ、
LCフィルター等に好適な誘電体磁器組成物である。
【0002】
【従来の技術】従来より誘電体材料として各種誘電体セ
ラミックスが電子回路基板や電子部品等に広く使用され
ており、近年、携帯電話などに代表される移動体通信等
の高周波機器の発展と普及に伴い、高周波領域で使用す
る電子回路基板や電子部品として誘電体セラミックスが
積極的に利用されるようになってきた。
【0003】このような誘電体セラミックスを前記電子
回路基板等の導体と同時焼成するに際しては、前記基板
上に印刷された導体が誘電体セラミックスの焼成温度で
溶融することがないように、係る導体には、アルミナ、
ステアタイト、フォルステライト等の誘電体セラミック
スの焼成温度よりも高い融点を有する、例えば、Pt、
Pd、W、Mo等の金属が用いられていた。
【0004】しかしながら、前記金属は導通抵抗が大き
いことから、従来の電子回路基板では、共振回路やイン
ダクタンスのQ値が小さくなってしまい、導体線路の電
送損失が大きくなる等の問題があった。
【0005】そこで、かかる問題を解消するために導通
抵抗の小さいAgやCu等の金属を導体として採用し、
低温で同時焼成できる誘電体セラミックスが種々提案さ
れている。
【0006】更に、最近の高周波電子回路基板に対する
小型化と高性能化の要求に応えるために、特定の周波数
領域で比誘電率εrを高くすることにより共振回路やイ
ンダクタンスの小型化を可能とし、また、誘電体セラミ
ックスのQ値を高くすることにより、共振回路やインダ
クタンスのQ値も高くすることができて低損失となるこ
とから、各種の複合誘電体が提案されている(特開平4
−292460号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記複
合誘電体は、導体として使用するAgやCu等の金属と
同時焼成でき、かつ誘電体セラミックスのQ値も6GH
zの測定周波数で最大330程度と高くすることができ
るものの、比誘電率εrが4〜6GHzの高周波領域で
は16未満と低く、高周波電子回路基板の小型化には限
界があるという課題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は上記課題に鑑みなされたもの
で、850〜1050℃の比較的低温でAgやCu等の
導体金属と同時に焼成でき、誘電体セラミックスの比誘
電率εrやQ値が高く、かつ共振周波数の温度係数τf
が比較的小さいなどの特徴を有し、高周波電子回路基板
の小型化と高性能化を実現できる誘電体磁器組成物の提
供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器組成
物は、その組成式が aLaO2/3 ・bCaO・cTiO2 ・dMgO 但し、式中、a、b、c、dはモル比を表し、 0.15 ≦a≦0.35 0.15 ≦b≦0.35 0.325≦c≦0.43 0.07 ≦d≦0.18 a+b+c+d=1を満足するからなる組成物100重
量部に対して、硼素含有化合物をB2 3 換算で3〜3
0重量部、リチウム含有化合物をLi2 CO3 換算で1
〜10重量部添加してなるものである。
【0010】前記LaO2/3 の含有量がモル比で0.1
5未満の場合には、LaO2/3 からなる結晶相、即ちL
a(Mg1/2 Ti1/2 )O3 の量が減少することから、
誘電体磁器のQ値が低下し、また、前記モル比が0.3
5を越える場合にはLa2 3 の単相が生成して誘電体
磁器の耐水性が悪くなり、該磁器が緻密化しなくなる。
【0011】その結果、前記LaO2/3 の含有量はモル
比aが0.15〜0.35に特定され、とりわけ誘電体
磁器の共振周波数の温度係数τfの観点からは0.15
〜0.25が好ましい。
【0012】また、前記CaOの含有量がモル比で0.
15未満の場合には、CaOから成るCaTiO3 の結
晶相の量が減少することから、共振周波数の温度係数τ
fがマイナス側にずれてしまい、また前記モル比が0.
35を越える場合にはQ値が低下してしまう。
【0013】そこで前記CaOの含有量はモル比bが
0.15〜0.35に特定され、とりわけ共振周波数の
温度係数τfの観点からは0.20〜0.30が好まし
い。
【0014】一方、前記TiO2 の含有量がモル比で
0.325未満の場合には、TiO2自体の比誘電率ε
rが110、温度係数τfが450程度であることか
ら、誘電体磁器の比誘電率εrが小さく、共振周波数の
温度係数τfがマイナス側となってしまい、逆に、その
モル比が0.43を越える場合にはTiO2 自体の特性
から温度係数τfがプラス側にずれてしまう。
【0015】故に前記TiO2 の含有量はモル比cが
0.325〜0.43に特定され、とりわけ共振周波数
の温度係数τfの観点からは0.35〜0.42が好ま
しい。
【0016】更に、前記MgOの含有量がモル比で0.
07未満の場合には、MgOからなる結晶相であるLa
(Mg1/2 Ti1/2 )O3 の量が減少することから、誘
電体磁器のQ値が小さくなり、逆にまた前記モル比が
0.18を越える場合には、誘電体磁器の比誘電率εr
が小さくなる。
【0017】従って前記MgOの含有量はモル比dが
0.07〜0.18に特定され、とりわけ共振周波数の
温度係数τfの観点からは0.08〜0.17が好まし
い。
【0018】また、本発明の誘電体磁器組成物は、主成
分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2 3
算で3〜30重量部、かつリチウム含有化合物をLi2
CO3 換算で1〜10重量部含有してなるものである
が、このように主成分に対して、硼素含有化合物の含有
量がB2 3 換算で3重量部よりも少ない場合には、誘
電体磁器組成物の焼成温度が1000℃でも緻密化せ
ず、逆に30重量部を越える場合には低温焼成が可能で
はあるが、La(Mg1/2 Ti1/2 )O3 の結晶相が変
化し、磁器特性が劣化し、特にQ値が500程度まで低
下してしまう。
【0019】また、リチウム含有化合物の含有量がLi
2 CO3 換算で1重量部よりも少ない場合にも焼成温度
が1100℃でも緻密化せず、逆に10重量部を越える
場合にはLa(Mg1/2 Ti1/2 )O3 の結晶相が変化
し、磁器特性が劣化する。
【0020】従って、硼素含有化合物の含有量は、前記
主成分100重量部に対してB2 3 換算で3〜30重
量部で、かつリチウム含有化合物の含有量も、前記主成
分100重量部に対してLi2 CO3 換算で1〜10重
量部に特定され、とりわけ誘電体磁器のQ値の観点から
は硼素含有化合物の含有量は4〜15重量部、かつリチ
ウム含有化合物の含有量も3〜7重量部が望ましい。
【0021】また、硼素含有化合物としては、金属硼
素、B2 3 、コレマナイト、CaB2 4 等が好適に
使用できる。
【0022】また、本発明においては、誘電体磁器特性
に悪影響を及ばさない範囲でSi、Zn、Mn等の酸化
物を添加しても良く、この場合には更に低温での焼成が
可能となる。
【0023】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物は、組成式がaLa
2/3 ・bCaO・cTiO2・dMgOから成る主成
分に硼素含有化合物とリチウム含有化合物を含有させた
ことから、硼素含有化合物またはリチウム含有化合物単
独では前述のように低温では焼結しないが、前記硼素含
有化合物とリチウム含有化合物を共に含有させることに
より、BがMgTiO3 −CaTiO3 相と反応するの
が抑制され、TiO3 −CaTiO3 相の存在によって
Q値が高く維持されると共に、主成分の構成元素である
La、Mg、Ca、Tiの一部と反応してガラス相を生
成し、該ガラス相がLaO2/3 、CaO、TiO2 、M
gOから構成される結晶相の粒界に存在することとな
り、硼素含有化合物を単独で含有させた場合より更に低
温の焼成が可能となり、その結果、850〜1050℃
の比較的低温でAgやCu等の導体金属と同時に焼成で
き、誘電体セラミックスの比誘電率εrやQ値が高く、
かつ共振周波数の温度係数τfを比較的小さくすること
ができ、高周波電子回路基板の小型化と高性能化が実現
できることとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、例
えば、LaO2/3 、CaO、TiO2 、MgOの各原料
粉末を所定量となるように秤量して混合粉砕した後、該
混合粉砕物を1200〜1400℃の温度で1〜3時間
仮焼する。
【0025】かくして得られた仮焼物に硼素含有化合物
粉末とリチウム含有化合物粉末を所定量となるように秤
量して混合粉砕し、該混合粉砕物をプレス成形等、周知
の成形方法により成形した後、大気中において脱バイン
ダー処理し、該脱バインダー体を大気中または窒素雰囲
気中、850〜1050℃の温度で0.5〜2.0時間
焼成することにより得られる。
【0026】
【実施例】本発明の誘電体磁器組成物を評価するに際
し、先ず、純度99%以上のLa23 、CaO、Ti
2 、MgOの各種原料粉末を表1に示すモル比となる
ように秤量し、該原料粉末に媒体として水を加えて24
時間、ボールミルにて混合した後、該混合物を乾燥し、
次いで該乾燥物を1400℃の温度で1時間仮焼した。
【0027】
【表1】
【0028】かくして得られた仮焼物にB2 3 粉末と
Li2 CO3 粉末を表1に示す含有割合となるように秤
量し、ボールミルにて24時間、混合した後、バインダ
ーとしてポリビニルアルコールを1重量%加えてから造
粒し、該造粒物を約1t/cm2 の加圧力でプレス成形
し、直径20mm、高さ10mmの円柱状の成形体を作
製した。
【0029】その後、前記成形体を大気中、400℃の
温度で4時間加熱して脱バインダー処理し、引き続いて
大気中において表2に示す各温度で1時間焼成した。
【0030】かくして得られた円柱状の両端面を平面研
磨し、誘電体特性評価用試料を作製した。
【0031】前記誘電体特性評価用試料を用いて、誘電
体円柱共振器法により、共振周波数を4〜6GHzに設
定して各試料の比誘電率εrと、6GHzにおけるQ値
を測定するとともに、−40℃〜+85℃の温度範囲に
おける共振周波数の温度係数τfを測定して誘電体諸特
性の評価を行った。
【0032】
【表2】
【0033】前記表1及び表2の結果から明らかなよう
に、本発明の請求範囲外の試料番号6、23、31はい
ずれも緻密化せず、硼素含有化合物かリチウム含有化合
物のいずれかが上限を越える同じく試料番号30、36
では焼成時に溶融してしまい成形体形状を保たず、試料
番号1、11、17ではQ値が880以下と低く、更に
試料番号7、12、16は温度係数が±60ppm/℃
を越え、MgOの含有量が上限を越える試料番号22は
比誘電率が26.3と低く実用的でないのに対して、本
発明の誘電体磁器組成物は、いずれも1050℃以下の
比較的低温で焼成でき、更に、比誘電率εrが31.0
以上、Q値が1050以上、かつ共振周波数の温度係数
τfが0±50.0ppm/℃以内の優れた特性を有す
ることが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明の誘電体磁器組成物では組成式が
aLaO2/3 ・bCaO・cTiO2・dMgOの組成
物100重量部に対して、硼素含有化合物をB2 3
算で3〜30重量部、リチウム含有化合物をLi2 CO
3 換算で1〜10重量部含有することから、850〜1
050℃の比較的低温で焼成することができ、その結
果、AgやCu等の導体金属と同時に焼成することが可
能となり、高周波領域において高い比誘電率を有すると
ともに、Q値も高く、かつ、共振周波数の温度特性にも
優れ、高周波電子回路基板のより一層の小型化と高性能
化が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−83751(JP,A) 特開 昭62−249306(JP,A) 特開 昭61−128411(JP,A) 特開 昭58−73907(JP,A) 特開 昭49−97300(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式が aLaO2/3 ・bCaO・cTiO2 ・dMgO 但し、式中、a、b、c、dはモル比を表し、 0.15 ≦a≦0.35 0.15 ≦b≦0.35 0.325≦c≦0.43 0.07 ≦d≦0.18 a+b+c+d=1を満足するから成る組成物100重
    量部に対して、硼素含有化合物をB2 3 換算で3〜3
    0重量部、リチウム含有化合物をLi2 CO3 換算で1
    〜10重量部含有してなることを特徴とする誘電体磁器
    組成物。
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