JP3522333B2 - 紫外線照射装置 - Google Patents

紫外線照射装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は紫外線照射装置の改良
に関し、特に本体内部に取り付けた樋状の反射体の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来,箱状の紫外線照射装置の下面開
口部にガラス、紙あるいは樹脂等の表面に紫外線硬化樹
脂を被着した被硬化材(ワーク)をコンベアで搬送し、
同装置本体の内部に配置した紫外線硬化用光源により前
記ワークの表面を照射することにより前記樹脂を硬化す
ることが行なわれている。従来の紫外線照射装置は図5
の一部縦断側面図に示すように、照射装置本体21の内
部に樋状の反射体23を取り付け、又、反射体の下面中
央に直管状の高圧放電ランプ22を配置してなる。な
お、前記同反射体は放電ランプから照射される紫外線を
装置の下面に配置したコンベア上のワークに反射集光さ
せるため、断面が回転楕円状の曲線形状となっている。
【0003】又、前記反射体23はワークに対する熱的
影響を抑えるために、紫外線を反射し熱線を吸収するガ
ラス部材で構成される。又、反射体の頂部には通風孔2
4を設けており、装置本体21の開口部から冷却風を送
り込み、前記通風孔から上面に排気して放電ランプ22
及び反射体23を冷却している。しかし、ワークに対す
る熱的影響を少なくするためには、反射体によりランプ
からの熱を多く吸収しなければならないが、その熱吸収
効率に応じて反射体を冷却しないと、反射体にクラック
が生じるという欠点がある。
【0004】そこで、図3の一部縦断側面図に示すよう
な紫外線照射装置が提案されている。照射装置本体21
の内部に樋状の反射体23を取り付け、又、反射体の下
面中央に直管状の高圧放電ランプ22を配置してなる。
なお、前記同反射体は放電ランプから照射される紫外線
を装置の下面に配置したコンベア上のワークに反射集光
させるため、断面が回転楕円状の曲線形状となってい
る。又、前記反射体23は放電ランプ22からの紫外線
及び熱線により、熱膨張して早期に劣化あるいは変形が
生じるので、これを防止するために反射体の外周面に密
着して金属製部材で構成した覆体24を配置してなり、
該覆体24の外周面には複数の冷却用放熱フィン25が
所定の間隔で設けられている。
【0005】又、この種紫外線照射装置は、前記のよう
に装置本体内部が高温となるので、本体21の下面開口
部から冷却風を送風して放電ランプ22を冷却し、反射
体23の頂部通風孔26を介し、本体の上面に設けた排
気筒27を通して外部に排出される。この際、冷却風は
反射体の内面及び放電ランプを冷却してランプの壁面温
度を下げるばかりでなく、反射体に密着した覆体24の
外面をも冷却することとなり、放熱フィン25により覆
体24及び反射体25を冷却することとなる。
【0006】しかし、この構造の場合も放電ランプの入
力電力が20KW以上の高出力の場合や、反射体として
その内面に熱線を吸収し紫外線を反射する皮膜を被着し
た金属製部材を使用した場合、覆体の放熱フィンを形成
するだけでは十分に反射体の熱膨張により劣化等を抑え
ることはできないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、冷却風の風量
を大きくして冷却効果を上げるようにすることも考えら
れるが、コスト高になるばかりか、ワークに対する冷却
風の悪影響が生じるという問題がある。又、図4に示す
ように、反射体23の覆体24の外面に放熱フィン25
と共に水冷用の金属製パイプ27を取り付ける構造が提
案されている。そして、前記パイプに冷却水を流通して
水冷し、併せ空冷することにより冷却効果が上がるとい
う利点がある。しかし、覆体24を水冷構造とする場
合、覆体24の窪み部28に水冷用の金属パイプ27を
取り付けて接触させているが、この構造では水冷効率は
金属パイプ27と覆体24の接触面積で決ってしまい、
接触面積を大きくすることには限界がある。又、金属パ
イプ27と覆体24の窪み部を完全に密着することは不
可能であり、十分な冷却効果が得られないという問題が
ある。
【0008】本発明は、前記の点に鑑みなされたもので
あり、反射体の耐熱性が向上して、反射体の熱膨張によ
る劣化および変形を防止し、安定に紫外線硬化性能を有
するばかりでなく、コスト高となることがなくワークに
対する熱的影響が生じないので、ワークの連続処理が可
能な紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明に係わる紫外線
照射装置は、下面を開口し上面に排気筒を設けた箱状照
射装置本体の内部に、長手方向に沿って下面を開口した
樋状の反射体を取り付けてなり、該反射体の光学上の焦
点近傍に直管状の高圧放電ランプを配置してなる紫外線
照射装置において、前記反射体の上部外周面に金属製部
材で構成した覆体を密着して配置してなり、該覆体の上
部外周面には、複数の放熱フィンが形成されると共に複
数の冷却水用通路が埋設されている。又、前記反射体は
その内面を、高純度アルミニウムの鏡面仕上げ部材で構
成してなる。更に、前記反射体はその内面を、熱線を吸
収し紫外線を反射する皮膜を被着した金属部材で構成し
てなる。
【0010】
【作用】前記構成により、覆体の内部に直接、水を通す
空孔を形成して水冷するので熱吸収が大きく、冷却効率
が極めて良い。又、その空孔により構成される冷却水用
通路の位置は反射体が最も高熱になる部分にあり、かつ
冷却水用通路の間には空冷用の冷却フィンが適切な間隔
で設けているので、更に冷却効率を高めることができ、
万一冷却水が流れなくなった場合でも反射体が使用不可
能な熱変形を起こすことはない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2に基
づき説明する。1は断面長方形の箱形に構成してなる紫
外線照射装置本体であり、下面に開口部を上面に排気筒
2を形成してなる。3は紫外線照射装置本体1の内部に
配置してなる樋状の反射体であって、その断面形状は回
転放物面状に形成し、高純度アルミニウム反射板を用
い、その内面を鏡面仕上げ処理している。又、この他に
ステンレス製の金属製反射板を用い、その内面に熱線を
吸収し紫外線を反射する皮膜、例えばTiO2等の酸化金
属蒸着膜を被着して構成してある。なお、同皮膜を被着
した反射板は、240nmから460nmの波長領域で
90%以上の紫外線を反射し、かつ500nmから12
00nmの波長領域で30%以下の反射特性を有するよ
うに構成する。4は反射体3の外周面に密着して配置し
た覆体であって、アルミニウム押出し材等の金属製部材
で構成する。5は覆体4の内部に所定間隔で形成した複
数の冷却水用空孔であり、冷却水を流通するように構成
している。又、6は覆体5の外周面の冷却水用空孔5の
間に所定間隔で形成した多数の放熱フィンである。
【0012】7は反射体3の内面のその焦点位置に配置
した、例えば20キロワットの高圧放電ランプであり、
両端に電極を封着し、内部に水銀、希ガスと共に金属ハ
ロゲン化物が封入してある。8は反射体3を紫外線照射
装置本体1に支持するための支持具、9は放電ランプ7
を固定するための支持板、10はソケット、11は接続
碍子である。
【0013】そして、紫外線照射装置の下面開口部にそ
の表面に紫外線硬化樹脂を被着したワークをコンベアで
搬送し、同装置本体の内部に配置した高圧放電ランプに
よりワークの表面を照射することにより前記樹脂を硬化
することが行なわれる。ところで、硬化の際、高圧放電
ランプは800℃以上の高温となるので、装置の運転中
にランプの管壁を冷却するための冷却風が取り入れられ
る。その冷却風は、実線矢印で示すように、本体1の下
面開口部から取り入れられ、ランプ7の管壁に当り冷却
した後に、反射体3の上部に形成した通風孔3a及び本
体1の排気筒2を通して外部に排出される。又、冷却風
の一部は覆体4の放熱フィン6に接触し、冷却した後排
気筒2を通して外部に排出される。
【0014】又、冷却水は片側(図2の左側)の覆体4
の上部冷却水用空孔(通路)5aを流れ、終端部で反対
側(図2の右側)の上部冷却水用空孔(通路)5aを通
り、その後下部冷却水用空孔(通路)5b(図2の右
側)を通り最後に覆体4の下部冷却水用空孔(通路)5
b(図2の左側)に戻り外部の冷却装置に入り、更に循
環するように構成されている。そして、覆体4は水冷さ
れるので反射体3を冷却し、かつランプ7の管璧付近の
空気までも冷却することとなり、ランプ管璧を適温に冷
却する風量は、覆体を水冷にしない場合の約半分です
む。又、反射体の温度は覆体を水冷にしない場合に対し
て著しく低いので、反射体の変形が生じることがなく、
反射光のずれによる紫外線硬化性能が低下することはな
いし、反射体の劣化が生じることもない。
【0015】更に、上記した紫外線照射装置において、
ワーク表面の紫外線硬化樹脂を紫外線で硬化する場合、
前記したように覆体の外壁内部の冷却水用空孔に冷却水
を流すと同時にランプを点灯し、装置本体の下面開口部
から冷却風を吸引する。この際、反射体3は冷却水で冷
却されるので熱膨張が生じない。同装置において、ラン
プからワークまでの距離を、例えば10センチメートル
とした場合、ワーク表面の温度上昇は約10度となり、
紙あるいは樹脂等のいずれについても実施できる。又、
万一冷却水が流れなくなった場合、多数の放熱フィン6
を形成し空冷しているので、反射体の一時的な熱膨張を
抑えることができる。更に、高圧放電ランプの容量が小
さい場合、水冷あるいは空冷の一方を中止し、一つの冷
却構造での装置の運転が可能である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係わる紫外
線照射装置は、その反射体を工夫することにより空冷と
水冷とを併せ持つ構造としたので、反射体の熱膨張によ
る変形あるいは劣化がなく、常に安定した紫外線硬化を
行うことができる。又、冷却するための風量は、水冷構
造としない場合の約半分ですむ。更に、多数の放熱フィ
ン6を形成し空冷しているので、反射体の一時的な熱膨
張を抑えることができ、装置の不慮の事故あるいは光源
の容量に併せて対応できる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる紫外線照射装置の一実施例を示
す正面図である。
【図2】図1の照射装置の要部縦断側面図である。
【図3】本願出願人より提案されている紫外線照射装置
の要部縦断側面図である。
【図4】本願出願人より提案されている紫外線照射装置
の要部縦断側面図である。
【図5】従来の紫外線照射装置の要部縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
1 照射装置本体 2 排気筒 3 反射体 3a 通風孔 4 覆体 5 冷却水用空孔 6 放熱フィン 7 高圧放電ランプ 8 支持具 9 支持板 10 ソケット 11 接続碍子
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/12 B05C 9/12 B41F 23/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面を開口し上面に排気筒を設けた箱状
    照射装置本体の内部に、長手方向に沿って下面を開口し
    た樋状の反射体を取り付けてなり、該反射体の光学上の
    焦点近傍に直管状の高圧放電ランプを配置してなる紫外
    線照射装置において、前記反射体の上部外周面に金属製
    部材で構成した覆体を密着して配置してなり、該覆体の
    上部外周面には、複数の放熱フィンが形成されると共に
    複数の冷却水用通路が埋設された紫外線照射装置。
  2. 【請求項2】 前記反射体は、その内面を、高純度アル
    ミニウムの鏡面仕上げ部材で構成してなる請求項1記載
    の紫外線照射装置。
  3. 【請求項3】 前記反射体は、その内面を、熱線を吸収
    し紫外線を反射する皮膜を被着した金属製部材で構成し
    てなる請求項1記載の紫外線照射装置。
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