JP5822035B2 - インクジェット印刷装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェット印刷装置にあっては、例えば、インク吐出時にインクミストが発生した場合には、針状電極に高電圧を印可してインクミストを分極し、分極したインクミストを静電的に吸着することで除去するものもある(例えば特許文献1参照)。
本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであって、インクミストの除去機構を比較的簡単な構成で実現可能なインクジェット印刷装置を提供することを課題とする。
また、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置において、前記放熱部はフィン式のヒートシンクである。
また、本発明の一実施形態に係るインクジェット印刷装置は、ヘッドユニットと相対移動する記録媒体に、当該ヘッドユニットの記録ヘッドから光硬化性インクを吐出して印刷を行うインクジェット印刷装置であって、前記ヘッドユニットは、前記記録媒体との対向面に前記記録ヘッドを保持するヘッド保持部と、前記記録ヘッドから吐出された光硬化性インクに当該光硬化性インクを硬化させる光を照射する光照射部と、前記光照射部を冷却する冷却用ファンと、を備え、前記ヘッド保持部は、前記記録媒体との対向面に吸込口が形成され且つ前記冷却用ファンが空気を吸い込む領域に排出口が形成されたダクトを備えることを特徴とする。
さらに、前記フィルタは、前記ヒートシンクの前記排出口との対向面に接する部位に比べ、他の面に接する部位の目が細かいものであることを特徴とするものでもよい。
このような構成によれば、排出口との対向面からフィン間により多くの空気を流入させることができ、ダクト内の空気を排出口側から効率よく吸い込むことができる。
このような構成によれば、インクミストを突出部で堰き止めることができ、ダクトが吸い込む空気に含まれるインクミストの濃度を増大でき、その結果、インクミストを効率よく吸い込むことができる。
このような構成によれば、ヘッドユニットの移動により、ヘッドユニットの移動方向と反対方向側の吸込口付近のインクミストの濃度が増大するところ、ヘッドユニットの移動方向と反対方向にインクミストが流れて当該インクミストの濃度をより増大できる。その結果、当該反対方向側の吸込口で、インクミストを効率よく吸い込むことができる。
このような構成によれば、ヘッドユニットの移動により、ヘッドユニットの移動方向と反対方向側の吸込口付近のインクミストの濃度が増大するところ、ヘッドユニットの移動方向と反対方向にインクミストが流れて当該インクミストの濃度をより増大できる。その結果、当該反対方向側の吸込口で、インクミストを効率よく吸い込むことができる。
<第1実施形態>
<構成>
図1は、UVインクジェット印刷装置1の概略構成を示す構成図である。
本実施形態のUVインクジェット印刷装置1は、図1に示すように、シリアルヘッド方式のインクジェット印刷装置であり、媒体送り機構2、ヘッド走査機構3、ヘッドユニット4およびコントローラ5を備える。
ヘッドユニット4は、図2に示すように、キャリッジ10、およびキャリッジ10のヘッド走査方向端部それぞれの隣接位置に配された光源ユニット11を備える。
キャリッジ10は、媒体搬送方向に向かってキャリッジ10に正対した位置を基準として、左側面が−X方向に向けられ、右側面が+X方向に向けられ、正面が媒体搬送方向と反対方向に向けられた直方体状に形成されている。
記録ヘッド12を挟み、キャリッジ10のヘッド走査方向端部それぞれの側の内部には、図3に示すように、キャリッジ10の下面に吸込口14が形成され且つキャリッジ10の側面に排出口15が形成されて、キャリッジ10の下面と側面とを繋ぐダクト13が配されている。すなわち、ダクト13は、記録媒体6との対向面に吸込口14を有し且つ後述するヒートシンク17の側面と対向する位置(フィルタ18との対向面)、つまり、後述する冷却用ファン20が空気を吸い込む領域に排出口15を有する。ここで、吸込口14の媒体搬送方向の幅は、記録ヘッド12の媒体搬送方向の幅よりも広く形成され、また、吸込口14の開口部の大きさは、吸込口14での流速が増大するように、排出口15の開口部の大きさよりも狭く形成されている。そして、ダクト13は、インク吐出孔が液滴を吐出しているときに、ダクト13内の空気が排出口15側から吸引されることで、キャリッジ10の下方を漂うインクミストを吸込口14側から吸い込む。
光源ユニット11は、キャリッジ10と同様に、媒体搬送方向に向かって光源ユニット11に正対した位置を基準として、左側面が−X方向に向けられ、右側面が+X方向に向けられ、正面が媒体搬送方向と反対方向に向けられた直方体状に形成されている。
光源ユニット11の中段部には、LED16から発せられる熱を吸収して拡散するフィン式のヒートシンク17が配されている。ヒートシンク17は、LED16の上端に接するベース、およびベースに対して垂直に立っている複数のフィンを備える。そして、ヒートシンク17は、複数のフィンにより外形がほぼ角柱状に形成されている。
ヒートシンク17の側面の外周には、図4に示すように、インクミストを吸着して空気のみを通すフィルタ18が巻き付けられている。また、ヒートシンク17は、ヒートシンク17の側面の外周よりも内周が若干大きい角筒状で且つ当該側面と対向する箇所の中央部それぞれがくり抜かれたフィルタ固定治具19を備える。そして、フィルタ18は、ヒートシンク17の側面の外周に巻き付けられた後、フィルタ固定治具19がフィルタ18ごとヒートシンク17にかぶせられることで、ヒートシンク17に固定される。すなわち、フィルタ18は、ヒートシンク17に交換可能に取り付けられる。
また、フィルタ18は、ダクト13の排出口15との対向面から空気を流入させることで、ダクト13の排出口15から排出される空気がフィルタ18を通るときに、空気に含まれるインクミストをフィルタ18に吸着させて回収する。
なお、フィルタ固定治具19としては、角筒状のものに限られるものではない。例えば、図5に示すように、ヒートシンク17の4つの側面のうち、3つの側面と対向する部位のみを備え残り1つの側面と対向する部位が開放状態となっているものでもよい。
図6は、フィルタ18の特性を説明するための説明図である。
また、フィルタ18は、図6に示すように、ヒートシンク17のキャリッジ10側の側面に接する部位に比べ、他の側面に接する部位の目が細かいものとなっている。そして、フィルタ18は、ヒートシンク17のキャリッジ10側の側面に接する部位、つまり、ダクト13の排出口15との対向面からより多くの空気を流入させることで、冷却用ファン20がダクト13内の空気を排出口15側からより効率よく吸引できる。
コントローラ5は、印刷対象である画像(印刷画像)の印刷を指示する印刷操作が利用者によって行われると、搬送指令を媒体送り機構2に出力し、往復指令をヘッド走査機構3に出力し、また、印刷画像に対応した印刷指令を記録ヘッド12に出力する。
次に、本実施形態の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、記録媒体6をステージ7にセットした後、利用者がコントローラ5に印刷操作を行ったとする。すると、コントローラ5によって、搬送指令が媒体送り機構2に出力され、往復指令がヘッド走査機構3に出力される。そして、媒体送り機構2およびヘッド走査機構3によって、記録媒体6が媒体搬送方向に印刷幅分ずつ搬送され、印刷幅分搬送されるたびに、記録媒体6の上方をヘッドユニット4が一往復する。
これに対し、記録媒体6との対向面に吸込口14が形成され且つ冷却用ファン20が空気を吸い込む領域に排出口15が形成されたダクト13をキャリッジ10に設けることで、インクミストの除去機構を比較的簡単な構成で実現できることを見いだした。
(1)このように、本実施形態にあっては、記録媒体6との対向面に吸込口14が形成され且つ冷却用ファン20が空気を吸い込む領域に排出口15が形成されたダクト13をキャリッジ10の内部に設けた。そのため、ダクト13内の空気が排出口15から冷却用ファン20に吸い込まれることで、記録ヘッド12周辺の空気が吸込口14からダクト13に流入するようになる。それゆえ、インク吐出時にインクミストが発生しても、記録ヘッド12周辺を漂っているインクミストを含む空気をダクト13で吸い込むことができる。すなわち、冷却用ファン20をインクミストの除去にも利用することができ、インクミストの除去機構を比較的簡単な構成で実現できる。
なお、本実施形態では、キャリッジ10を一部品で形成する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、図7に示すように、記録ヘッド12が配されたキャリッジ本体部21およびダクト13が形成された中実プレート22を設け、キャリッジ本体部21を挟むように中実プレート22を配することでキャリッジ10を形成してもよい。中実プレート22は、図8に示すように、中実の板状部材にダクト13を切削して形成する。
また、UVインクの吐出時に冷却用ファン20を常に動作状態とする例を示したが、これに限られるものではない。例えば、冷却用ファン20が発生する気流がUVインクの吐出曲がりに影響を及ぼす場合には、UVインクを吐出する瞬間に冷却用ファン20を停止したり冷却用ファン20の回転数を低減したりしてもよい。
また、紫外線の照射によって硬化するUVインクで印刷を行う例を示したが、これに限られるものではない。例えば、電子線、X線、可視光線、赤外線等の紫外線以外の光の照射によって硬化するインクであってもよい。なお、紫外線以外の光で硬化するインクを用いる場合には、LED16に代えてその光を照射する光源を用いる。
(3)さらに、フィルタ18は、ヒートシンク17の排出口15との対向面に接する部位に比べ、他の面に接する部位の目を細かいものとした。そのため、排出口15との対向面からヒートシンク17のフィン間により多くの空気を流入させることができ、冷却用ファン20がダクト13内の空気を排出口15側から効率よく吸い込むことができる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
<構成>
図9は、第2実施形態のヘッドユニット4の構成を示す構成図である。
この第2実施形態は、図9に示すように、ダクト13の吸込口14の縁部分のうち、記録ヘッド12から遠い側の縁部分に当該縁部分に沿って記録媒体6側に突き出たプレート23を配した点が前記第1実施形態と異なる。
すなわち、プレート23は、媒体搬送方向に沿って延びている板上部材であり、上端が吸込口14の記録ヘッド12から遠い側の縁部分に当該縁部分に沿って固定され、下端が記録ヘッド12側(キャリッジ10の中央側)に傾いて形成されている。
このように、本実施形態では、記録ヘッド12から遠い側のダクト13の縁部分に当該縁部分に沿って記録媒体6側に突き出たプレート23を配した。そのため、インクミストをプレート23で堰き止めることができ、ダクト13が吸い込む空気に含まれるインクミストの濃度を増大でき、その結果、インクミストを効率よく吸い込むことができる。
ちなみに、ダクト13の縁部分にプレート23を備えないものにあっては、インクミストが広い領域に拡散し、ダクト13が吸い込む空気に含まれるインクミストの濃度が低下し、その結果、インクミストの吸い込み効率が低下する可能性がある。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
<構成>
図10は、第3実施形態のヘッドユニット4の構成を示す構成図である。
この第3実施形態は、図10に示すように、ヘッドユニット4の往復時に、ヘッドユニット4の移動方向側の冷却用ファン20の回転数を当該移動方向と反対側の冷却用ファン20の回転数よりも低くするようにした点が前記第1実施形態と異なる。
以上、本実施形態では、図1の媒体送り機構2が特許請求の範囲に記載の媒体送り機構を構成し、以下同様に、図1のヘッド走査機構3がヘッド走査機構を構成し、図1のコントローラ5が制御手段を構成する。
このように、本実施形態にあっては、ヘッドユニット4の往復時に、ヘッドユニット4の移動方向側の冷却用ファン20の回転数を当該移動方向と反対側の冷却用ファン20の回転数よりも低くするようにした。そのため、ヘッドユニット4の移動により、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向側の吸込口14付近のインクミストの濃度が増大するところ、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向にインクミストが流れて当該インクミストの濃度をより増大できる。その結果、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向側の吸込口14で、インクミストを効率よく吸い込むことができる。
ちなみに、冷却用ファン20の回転数を常に一定とするものにあっては、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向にインクミストが流れるものの、ヘッドユニット4の移動方向側の冷却用ファン20により、ヘッドユニット4の移動方向にもインクミストが流れる。そのため、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向側の吸込口14付近のインクミストの濃度が低下し、その結果、インクミストの吸い込み効率が低下する可能性がある。
図11は、第4実施形態のヘッドユニット4の構成を示す構成図である。
この第4実施形態は、図11に示すように、ダクト13それぞれに吸込口14を塞ぐシャッタ24を備え、ヘッドユニット4の往復時に、ヘッドユニット4の移動方向側のダクト13の吸込口14をシャッタ24で塞ぐようにした点が前記第1実施形態と異なる。
そして、媒体搬送方向に向かってヘッドユニット4に正対した位置を基準として、ヘッドユニット4が右方向に移動するときに、コントローラ5によって、左側のダクト13の吸込口14をシャッタ24によって開状態としつつ右側のダクト13の吸込口14をシャッタ24によって閉状態とする。また、ヘッドユニット4が左方向に移動するときに、コントローラ5によって、右側のダクト13の吸込口14をシャッタ24によって開状態としつつ左側のダクト13の吸込口14をシャッタ24によって閉状態とする。
以上、本実施形態では、図1の媒体送り機構2が特許請求の範囲に記載の媒体送り機構を構成し、以下同様に、図1のヘッド走査機構3がヘッド走査機構を構成し、図1のコントローラ5および図11のシャッタ24が閉塞手段を構成する。
このように、本実施形態にあっては、ヘッドユニット4の往復時に、ヘッドユニット4の移動方向側のダクト13の吸込口14をシャッタ24で塞ぐようにした(閉塞状態とした)。そのため、ヘッドユニット4の移動により、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向側の吸込口14付近のインクミストの濃度が増大するところ、ヘッドユニット4の移動方向と反対方向にインクミストが流れて当該インクミストの濃度をより増大できる。その結果、当該反対方向側の吸込口14で、インクミストを効率よく吸い込むことができる。
なお、本実施形態では、ダクト13の吸込口14を閉塞状態とすることで、ダクト13を閉塞状態とする例を示したが、これに限られるものではない。例えば、ダクト13の排出口15を塞ぐようにしてもよいし、ダクト13の中間部分を塞ぐようにしてもよい。
Claims (2)
- 記録媒体に向けて光硬化性インクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録媒体に付着した前記光硬化性インクに光を照射する光照射部と、
前記光照射部が発する熱を放熱可能な放熱部と、
前記放熱部を冷却することが可能な気流を発生するファンと、
前記ファンによって吸引された空気を前記放熱部に導くことが可能なダクトと、
を備え、
前記ダクトの吸込口は、前記記録ヘッド周辺の空気を吸引可能な位置に位置し、
前記放熱部は、前記吸込口から吸引された前記空気が前記吸込口から前記ファンに至る前記空気の流路に位置しているインクジェット印刷装置。 - 前記放熱部はフィン式のヒートシンクであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
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