JP3520065B2 - シート状化粧料 - Google Patents

シート状化粧料

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JP3520065B2 JP2001280377A JP2001280377A JP3520065B2 JP 3520065 B2 JP3520065 B2 JP 3520065B2 JP 2001280377 A JP2001280377 A JP 2001280377A JP 2001280377 A JP2001280377 A JP 2001280377A JP 3520065 B2 JP3520065 B2 JP 3520065B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀・ゼオライト抗
菌剤を含有し、且つ、着色防止機能を有するウェットテ
ィッシュ又はパップタイプの化粧料に関する。また、本
発明は、銀・ゼオライト抗菌剤及びプリン塩基より選ば
れた一種類以上の成分を含有する着色防止機能を有する
シート状化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】各種製品に銀・ゼオライト抗菌剤を配合
したり、あるいは各種製品を銀・ゼオライト抗菌剤によ
って処理することは汎用されているが、銀・ゼオライト
が抗菌効果を奏することは、古くから公知(昭和12年8
月12日台湾発明協会より出願された特許第128654号;
「殺菌性を有する硬水軟化剤の製造法」)により公知で
ある。また、これら銀・ゼオライト抗菌剤の需要の拡大
にともなって、銀・ゼオライト抗菌剤の開発が積極的に
行われており、その製造あるいは使用に関する技術は、
数多く報告されている(特開昭59-133235号公報、特開
昭60-100504号公報)。
【0003】しかしながら、銀・ゼオライト抗菌剤は、
有用な抗菌剤ではあるが、これらの銀・ゼオライト抗菌
剤を使用した場合に、製品が着色汚染する問題がクロー
ズアップされ、銀・ゼオライト抗菌剤を使用したときの
製品の着色を防止する技術が研究されている。例えば、
ゼオライトの一部にアンモニウムイオンで交換する方法
も提案されている(特開昭63-265958号公報、特開平1-2
4860号公報)も知られている。しかし、これらの技術に
おいて、銀・ゼオライト抗菌剤をプラスチックなどに配
合する場合には、製品には着色の問題がなく、有効に使
用できるが、銀・ゼオライト抗菌剤を含む水性媒体を担
体に支持させて清拭に用いた場合や銀・ゼオライト抗菌
剤を含む化粧料を肌に直接塗布した場合には、残存着色
及び発色着色が大きな問題となっている。例えば、銀・
ゼオライト抗菌剤を含む水性媒体を、不織布、紙などの
シート状基材に担持させて使用した場合に、使用後に残
留する銀・ゼオライト抗菌剤が肌や衣服などに付着し、
褐色ないし黄色に着色してその防止はきわめて難しかっ
た。また、銀・ゼオライト抗菌剤を水性媒体とともに使
用せずとも、直接的に化粧料に添加した場合あるいはシ
ート状基材に直接配合した場合でも同様に残留した場合
あるいは自体の発色により着色が問題であった。
【0004】銀・ゼオライト抗菌材の特徴は、細菌真菌
の抗菌ヒストグラフの幅が広く、各種の細菌に有効であ
ること、人体に安全であること、耐性菌を生じないこ
と、環境汚染に安全とされていることなどからシート状
化粧料としてウェット製品、パップタイプ製品によりベ
ビー用、介護用、化粧用などへの利用が期待されている
が、現実には、上述するように残留による発色あるいは
銀・ゼオライト抗菌剤自体の発色によって、肌や衣類を
褐色や黄色に着色汚染するために、化粧製品等への使用
ではユーザの満足が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】銀・ゼオライト抗菌剤
は、化粧料の分野では、腋臭、体臭の防臭に優れた効果
を発揮し、しかもアクネ菌に対しても有効であり、身体
への使用に安全上の問題がなく、特にウェットティッシ
ュやパックタイプの化粧料などの製品としては、デオド
ラント製品として使用が有望で、携帯用としての有用な
製品が期待されている。しかしながら、銀・ゼオライト
抗菌剤を水性媒体に配合してシート状化粧料にして不織
布などに含浸したウェット製品にした場合に、上述する
ように著しい着色の問題があり、銀・ゼオライト抗菌剤
を化粧品用途に使用しても着色や汚染の問題のない使用
法が求められていた。本発明者らは、銀・ゼオライト抗
菌剤は、湿潤状態に置くと、水に解離した銀イオンが抗
菌効果に機能するが、一方では銀イオンが会合したり、
酸化したりして褐色ないし黄色に着色し、その着色の度
合いは、水系に存在する銀イオン量に依存して、銀・ゼ
オライト抗菌剤が水系で解離して溶出する銀イオンの量
は、水系に存在する塩などのイオンの影響を受けて大き
く変化することに着目した。
【0006】すなわち、シート状化粧料に配合した場合
に、化粧料の成分、シート状基材としての不織布成分の
影響、あるいは含有する空気の影響によって銀イオンに
基づく着色が大きく左右され、場合によっては化粧料成
分の影響よりも大きくなり、着色防止が困難になるの
で、これを防ぐために銀・ゼオライト抗菌剤が水系で解
離して溶出する銀イオンの量の調整の必要のあることが
わかった。そこで、銀・ゼオライト抗菌剤を水性媒体に
配合してシート状化粧料にして不織布などに含浸したウ
ェット製品にした場合に、着色や汚染の問題のない、銀
・ゼオライト抗菌剤の化粧品への使用の問題を解決する
ことを図った。したがって、本発明では、銀・ゼオライ
ト抗菌剤を含有するシート状化粧料において、残在着色
及び発色着色の問題のない化粧料を提供することを課題
とする。また、本発明では、銀・ゼオライト抗菌剤を直
接的に化粧品に添加使用したときにおける着色問題を解
決することも本発明の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
以下の基本的な構成によって解決することができた。 (1)(A) 銀・ゼオライト抗菌剤と、(B)プリン塩基
類もしくはピリミジン塩基類選ばれた1種類又は2種以
上とよりなる配合物が、育毛剤液、精製水、防臭化粧
液、口腔化粧液、ボディ化粧液又は美顔化粧液から選ば
れた水性媒体と共に不織布、紙又は多孔性シートから選
ばれたシート状基材に担持されてなる、水性媒体及び化
粧料成分による着色を防止したことを特徴とするシート
状化粧料。 (2)プリン塩基類もしくはピリミジン塩基類が、遊離
の塩基又はDNA、RNAを構成するものであることを特徴と
する請求項1に記載の水性媒体及び化粧料成分による着
色を防止したシート状化粧料。 (3)シート状基材100重量%に対して、銀・ゼオライ
ト抗菌剤0.02〜3.0重量%及び塩基類0.0002〜3.0重量%
の配合物が、水性媒体50〜300重量%によって担持され
てなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性媒
体及び化粧料成分による着色を防止したシート状化粧
料。 (4)配合物が、銀・ゼオライト抗菌剤100重量部とプ
リン塩基類もしくはピリミジン塩基類より選ばれた1種
又は2種以上1〜100重量部とよりなるものであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性媒体
及び化粧料成分による着色を防止したシート状化粧料。 (5)配合物を、シート基材を構成する不織布の紡糸原
料に直接的に添加又はシート状基材を構成する多孔性シ
ートに直接的に配合することを特徴とする請求項1〜4
のいずれかに記載の着色防止機能を有するシート状化粧
料。 (6)シート状化粧料が、着色防止されてなるウェット
ティシュであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
かに記載の水性媒体及び化粧料成分による着色を防止し
シート状化粧料。 (7)シート状化粧料が、着色防止されてなるパックタ
イプであるであることを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載の水性媒体及び化粧料成分による着色を防止
したシート状化粧料。
【0008】銀・ゼオライトを抗菌剤として化粧料など
に配合したときには、銀・ゼオライト抗菌剤から解離し
た、抗菌効果を有する銀イオン領域と着色を惹起する銀
イオン領域とが重複しているので、有効な抗菌効果を発
揮させようとすると上述するような着色が避けられなか
った。銀・ゼオライトのこれらの着色の原因について、
本発明者らは鋭意研究した結果、銀・ゼオライト抗菌剤
を化粧料に配合した場合の着色原因として、例えば(1)
水性媒体に配合することで銀イオンが解離して酸化銀又
は銀の会合等により着色を生ずるものと考えられたが、
さらに(2)水性媒体に配合して不織布のようなシート状
基材に担持させた場合には溶存酸素や空気量の影響によ
るものか着色が顕著であった。その他の着色原因とし
て、(3)化粧料成分と銀・ゼオライトの相互作用による
着色があり、例えば制汗剤として多用されているアルミ
ニウロムクロロハイドレートと銀・ゼオライトの併用に
よる着色、あるいは(4)銀・ゼオライトと人体の汗との
作用による着色の挙げられることを見出した。そこで、
本発明では、着色レベルは(2)が最も高く、上記原因(2)
に対する着色防止ができれば原因(1)についても有効で
あり、さらには、原因(3)や(4)に対しても有効であるこ
とがわかった。以下に、本発明において、上記着色レベ
ルの最も高い(2)についての着色防止の技術を説明す
る。
【0009】本発明では、銀・ゼオライトの着色につい
て鋭意研究した結果、銀・ゼオライトが水系において解
離する銀イオンの濃度において、抗菌性に有効な濃度領
域Aと、着色を生ずる濃度領域Bが存在し、この濃度領
域を意識的に活用することが着想の基本である。抗菌性
に有効な濃度領域Aは、抗菌力に有効な銀イオンの1pp
m 以上の濃度範囲であるが、着色を生ずる濃度領域B
は、40ppm 以上の濃度範囲にあることから、水系におい
て解離する銀イオンの濃度が、1〜40ppm の間で抗菌性
に有効で着色しない領域Cが存在する。水系において銀
ゼオライト1000ppmから解離する銀イオンの濃度は40ppm
〜600ppmにわたって変動する。変動要因には水系の酸化
銀の生成又は銀イオンの吸着等による銀イオン濃度の低
減、金属塩による銀の解離度への影響、界面活性剤の影
響、温度の影響等があり、銀の置換量や銀ゼオライトの
使用量を調節して領域Cに相当する銀イオンに設定して
も、銀イオン低下に対して補充が不足して抗菌力を経時
的に保持することができないのである。
【0010】上記着色を生ずる濃度の領域Bでは、水系
の液体単独の場合よりも、不織布、紙などのシート状基
材に担持された場合の着色度合いが大きくなり、着色防
止の対策が当然ながら必要となってくる。そこで、銀イ
オンの濃度で着色しない領域Cに相当する銀イオン量を
保つためには、抗菌性に有効な濃度の領域Aより着色を
生ずる濃度の領域Bの銀イオン量を化学的に捕捉するこ
とができれば、汚染の防止が可能となる。換言すれば、
抗菌には有効で、且つ解離する銀イオンの濃度で、着色
しない領域としての領域Cの銀イオン濃度を存在させる
ことにより抗菌効果を発揮し、着色はしない。銀置換量
の低下又は該抗菌剤の使用量の低減により銀イオン濃度
を領域Cに調節することはできるが、この場合、経時的
又は系の変化により銀イオンの低下を補うことができな
いので、結果的に抗菌性が得られない。
【0011】上記着色を生ずる濃度の領域Bの銀イオン
の捕捉には、弱い付着が好ましく、解離する銀イオンの
濃度で着色しない中間の領域Cの銀イオンが消費された
際には、補足されている銀イオンが出てきて上記領域C
に供給されることが抗菌効果の持続性に有効である。銀
・ゼオライト抗菌剤の銀への反応性の高い、例えばSH基
をマスキングするするような強力な結合による捕捉で
は、銀・ゼオライト抗菌剤の本来有する抗菌力が低下す
る。すなわち、銀イオンの濃度で着色しない領域Bにお
いては、銀イオンの抗菌作用がないか、又は経時的に抗
菌効果が持続しないし、一方、銀イオン濃度を増加した
領域Aでは、銀イオンによる抗菌効果は著しいが、着色
の問題が生じるので、上述するように、プリン塩基、ピ
リミジン塩基を添加すると、仮に銀イオンの増加の場合
(領域A)でも、銀イオンによる抗菌効果が持続して、
着色が抑制される。すなわち、プリン塩基などが銀イオ
ンと緩やかに錯体を形成し、銀イオンの濃度を一定領域
に保ち、持続的に銀イオン濃度を領域Cに維持すること
が可能となる。
【0012】本発明では、上記するような条件を満たす
銀イオン捕捉する化合物について、鋭意研究の結果、プ
リン塩基、ピリミジン塩基としては、自体遊離の塩基又
はDNA、RNAなどの構成成分であるプリン塩基もしくはピ
リミジン塩基類より選ばれた少なくとも一成分を銀・ゼ
オライト抗菌剤に配合することによって着色防止機能を
飛躍的に改善することができる。
【0013】本発明によれば、核酸成分のプリン塩基も
しくはピリミジン塩基より選ばれた成分を銀・ゼオライ
ト100重量部に対して1〜100重量部からなる配合物を銀
イオンの捕捉成分として使用することにより、銀イオン
によってもたらされる着色が防止され、着色レベルの最
も高い上記着色原因(2)「水性媒体に担持されたシート
状化粧料」においても、顕著な着色防止に有効であるこ
とがわかった。さらに、制汗剤に多用されているアルミ
ニウムクロロハイドレートを併用しても着色が防止さ
れ、人体の汗に接しても着色が防止されることもわかっ
た。これら着色防止に関する上記基本的な事象は、水性
媒体を担持させるシート状化粧料に限定されることな
く、銀・ゼオライト抗菌剤を含む化粧料においても同様
の着色防止効果を発揮する。また、銀・ゼオライト抗菌
剤及び上記銀イオン捕捉剤を、シート基材を構成する不
織布や紙の原料自体に直接的に配合したり、あるいはシ
ート基材を構成する多孔性材料に直接的に配合した場合
でも同様の着色防止効果がある。また、化粧料における
パラベンの代替としても使用することができる。
【0014】本発明の基本構成は、上述するようにシー
ト状基材に対して、水性媒体が担持されてなるシート状
化粧料において、水性媒体は、シート状基材100重量%
に対して、水性媒体50〜300重量%を担持せしめるが、
水性媒体中に、(1)銀・ゼオライト抗菌剤100重量部と、
(2)上記プリン塩基もしくはピリミジン塩基より選ばれ
たより選ばれた1種又は2種以上1〜100 重量部とより
なる配合物を含有せしめることである。上記銀・ゼオラ
イト抗菌剤は、シート状基材100重量%に対して、0.02
〜1.0 重量%でよく、好ましくは0.03〜0.5重量%使用
すればよい。0.02重量%以下では、抗菌効果が得られな
い。さらに、1.0 重量%までの配合で抗菌効果は充分発
揮され、1.0 重量%以上の配合量では、抗菌効果はなん
ら変わらない。
【0015】上記プリン塩基類もしくはピリミジン塩基
類は、遊離塩基を有する化合物、あるいはRNA、DNAを構
成するアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシ
ルを挙げることができる。本発明で、上記水性媒体中に
おいて使用する着色防止剤は、エアゾール、パウダー、
プレスドパウダーやクリームなどで通常使用されている
ものを用いることができるが、特に不織布又は紙のよう
なシート状基材に担持したウェットティッシュ又はパッ
プタイプの化粧製品における着色防止が顕著である。
【0016】本発明で使用する銀・ゼオライト抗菌剤
は、通常使用される汎用の銀・ゼオライト抗菌剤でよい
が、好ましくはゼオミック(登録商標、シナネン株式会
社製品)、バクテキラー(登録商標、鐘紡合繊株式会社
製品)を使用することができる。銀系抗菌剤として、銀
燐酸ジルコニウム系抗菌剤や銀ガラス系抗菌剤を使用す
ることも可能である。
【0017】本発明で、上記の着色防止に有効な化合物
は、水系における銀・ゼオライトの着色、化粧料成分と
銀・ゼオライトによる着色、例えば制汗剤として用いら
れる各種アルミニウム化合物、アルミニウムクロロハイ
ドレートと銀・ゼオライトによる着色。更に汗と銀・ゼ
オライトによる着色などを防止することができる。水性
媒体としては、精製水、防臭化粧料、口腔用化粧料、ボ
ディ化粧料、美顔化粧料に有効であり、エアゾール、パ
ウダー、クリーム、ローションにおいても効果があるが
特に不織布又は紙のようなシート状基材に担持したウェ
ットティッシュ、パップタイプの化粧料における着色防
止効果が顕著である。
【0018】本発明で使用する銀・ゼオライト抗菌剤に
併用する銀イオン捕捉剤は、核酸の構成成分であるプリ
ン塩基もしくはピリミジン塩基より選ばれた化合物が適
当である。銀・ゼオライト抗菌剤と銀イオン捕捉剤との
使用割合は、銀・ゼオライト抗菌剤100重量部に対し
て、1〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、更に好
ましくは30〜60重量部使用する。銀・ゼオライト100重
量部に対して、1重量部以下では、上記着色を生ずる濃
度の領域Bの銀イオンの捕捉が、不十分で着色防止効果
が得られない。また、上記銀捕捉剤の配合が100重量部
以上の配合になると、解離する銀イオンの濃度で着色し
ない中間の領域Cの銀イオンまでを捕捉することによ
り、抗菌性が低下するので好ましくないので、その効果
を最も適切に発揮するのが、1〜100重量部である。上
記銀イオン捕捉剤の銀・ゼオライト抗菌剤に対する量的
な割合は、シート状化粧料が、化粧料自体となっても変
わるものではない。
【0019】本発明におけるシート状化粧料が、ウェッ
トティッシュの場合は、銀・ゼオライト及び上記銀捕捉
剤を配合した配合物を水性媒体に均一に分散した液状の
組成物を不織布、紙類のようなシート状基材に 100〜30
0 重量%含浸させた後、密封包装する。また、本発明に
おけるシート状化粧料が、パップタイプの化粧料の場合
は、保湿剤、必要によりビタミンCを配合した高分子粘
剤に、銀・ゼオライト及び上記銀捕捉剤化合物を配合し
たゲルを、シート状基材として織布、編物、不織布を用
いて塗布又は含浸して製品とされる。含浸後は、ウェッ
トティッシュの場合と同様に、密封包装する必要があ
る。 上記パップタイプの化粧料は、顔や身体の部分に
貼り付けて、肌の清潔化には有用として、その外ににき
び用、美容用、防臭用として有効である。パップタイプ
自体の着色がないことから、使用時に肌や衣類を汚染し
ないので、安心して用いることができる。銀・ゼオライ
ト抗菌剤使用のパップタイプとして初めて社会に製品提
供が可能になった。
【0020】本発明で用いる高分子粘剤には、ジェラン
ガム、カラギーナン、PVA 、ポリ酢酸ビニール、CMC 、
ポリアクリルアミド、アルギン酸、寒天、ポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、ペクチン、ゼラチン、プルラ
ンなどが挙げられる。また、保湿剤としては、グリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、尿素
又はキトサン・コラーゲンなどがある。
【0021】実施例により具体的に説明する。
【実施例1】コットン不織布(目付40g/m2 150×200cm
に裁断して折り畳み、20枚を積層した状態) に、処方1
又は比較処方の配合液を、それぞれ 300重量%含浸し、
直ちにピロー包装により密封包装をした。本発明のウェ
ットティッシュと比較製品について着色の加速試験を行
い、着色防止効果を判定した。
【0022】
【表1】処方1(本発明品) ─────────────────────── ゼオミックAW※ 0.10重量% プロピレングリコール 7.00 アデニン 0.02 グアニン 0.02 精製水 バランス量 ─────────────────────── ※ゼオミックAW(登録商標、シナネン株式会社製造、
銀・ゼオライト抗菌剤)
【0023】
【表2】処方2(比較品) ─────────────────────── ゼオミックAW 0.10重量% プロピレングリコール 7.00 精製水 バランス量 ───────────────────────
【0024】比較処方により得られたウェットティッシ
ュは、製品自体が、製造して1日経過で、黄色に着色し
た。上記中液のみの着色は、僅かであったが、不織布に
担持することで著しい着色を生じた。これに対して、本
発明の処方1によるウェットティッシュは、40℃で、3
ヵ月間の加速試験の後でも、ウェットティッシュに着色
は認められなかった。本発明の着色の全くないウェット
ティッシュにより体を拭いた結果、体臭が除去され、優
れた防臭効果を有していた。
【0025】
【実施例2】レーヨン40重量%及びパルプ60重量%より
なる抄紙 (35g/m2) した紙に、下記の処方よりなるゲル
を塗布して、その上に離型紙を張って顔に用いるパック
タイプの化粧料を製造した。上記パックタイプの化粧料
について、本発明の処方と対照処方のものについて着色
加速試験を行い、長期安定性の評価と抗菌力試験を行っ
た。
【0026】
【表3】 処方3(本発明品) ────────────────────────── ポリアクリル酸ナトリウム 7.00 重量% 水酸化アルミニウム 0.15 グリセリン 10.00 ゼオミックAW 0.09 シトシン 0.01 チミン 0.01 ウラシル 0.01 精製水 バランス量 ─────────────────────────
【0027】
【表4】処方4(比較品) ───────────────────────── ポリアクリル酸ナトリウム 7.00 重量% 水酸化アルミニウム 0.15 グリセリン 10.00 ゼオミックAW 0.09 精製水 バランス量 ─────────────────────────
【0028】比較処方によるパックタイプの化粧料は、
1日で褐色に着色したが、本発明の製品は、40℃で、3
ヵ月加速試験を行った後でも着色は認められなかった。
水性媒体を不織布などのシート状に担持することで着色
が著しくなるが、上記着色を完全に防止することができ
た。
【0029】
【実施例3】コットン70重量%、PP30重量%よりなる目
付45g/m2の不織布を150×200cに裁断して、本発明品
(処方5)、比較品(処方6)のデオドラント液を不織
布に対して300重量%注液して含浸させてピロー包装に
より密封した。本発明品と比較品について着色状態を観
察した。
【0030】
【表5】処方5(本発明品) ──────────────────────── アルミニウムクロロハイドレード 10.0 重量% 無水エチルアルコール 50.0 1,3.ブチレングリコール 3.0 ゼオミックAW 1.0 RNA 0.5 精製水 35.5 ─────────────────────────
【0031】
【表6】処方6(本発明品) ──────────────────────── アルミニウムクロロハイドレード 10.0 重量% 無水エチルアルコール 50.0 1,3.ブチレングリコール 3.0 ゼオミックAW 1.0 精製水 36.0 ─────────────────────────
【0032】比較品(処方6)は作成した翌日には黄色
に着色したが、本発明品(処方5)は40℃で3ヶ月間の
加速試験の後でも着色はなかった。本発明品はデオドラ
ントとして体臭の防止に有効であった。
【0033】また、本パックタイプの化粧料について、
抗菌テストを行った。抗菌性テストは、本パックタイプ
を50×50mmに裁断して、培地の組成として、肉エキス0.
5%ペプトン(バレイショ抽出物)1.0%、食塩0.5%、寒天
1.5%、精製水96.5%の培地に置いて、培養温度37℃で、
試験菌種:E.coli(大腸菌)S.aureus(黄色ブドウ球
菌)P.aeruginosa(緑膿菌)について3×10を植菌し
て24時間培養した。菌数を測定した結果、本発明品及び
比較品共に菌数は100個以下であり本発明の方法により
抗菌性を有することが確認された。
【0034】
【本発明の効果】上述するように、銀・ゼオライト抗菌
剤は、化粧料の分野では、腋臭、体臭の防臭に優れアク
ネ菌対策としても有効で、且つ、身体への使用に安全上
の問題はなかったが、肌や衣服などへの着色の問題があ
り、その使用に限りがあったが、本発明では、銀・ゼオ
ライト抗菌剤に対して銀捕捉効果のあるプリン塩基類も
しくはピリミジン塩基類より選ばれた1種類又は2種以
上を共存させた配合物の使用により、着色汚染のないウ
ェットティッシュやパックタイプなどのシート状化粧料
を得ることができた。本発明における銀・ゼオライト抗
菌剤に対するプリン塩基類もしくはピリミジン塩基類よ
り選ばれた1種類又は2種以上の使用による着色汚染効
果は、シート状化粧料に限られず、銀・ゼオライト抗菌
剤を使用した化粧品においても同等の効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 興司 大阪府大阪市東淀川区西淡路6丁目3番 41号 株式会社タイキ淡路工場内 (56)参考文献 特開 平8−196461(JP,A) 特開2000−16904(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 銀・ゼオライト抗菌剤と、(B)プ
    リン塩基類もしくはピリミジン塩基類から選ばれた1種
    類又は2種以上とよりなる配合物を、育毛剤液、精製
    水、防臭化粧液、口腔化粧液、ボディ化粧液又は美顔化
    粧液から選ばれた水性媒体と共に不織布、紙又は多孔性
    シートから選ばれたシート状基材に担持させることを特
    徴とする水性媒体及び化粧料成分によるシート状化粧料
    の着色を防止する方法
  2. 【請求項2】 プリン塩基類もしくはピリミジン塩基類
    が、遊離の塩基又はDNA、RNAを構成するものであること
    を特徴とする請求項1に記載の水性媒体及び化粧料成分
    によるシート状化粧料の着色を防止する方法
  3. 【請求項3】 シート状基材100重量%に対して、銀・
    ゼオライト抗菌剤0.02〜3.0重量%及び塩基類0.0002〜
    3.0重量%の配合物が、水性媒体50〜300重量%によって
    担持されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載
    水性媒体及び化粧料成分によるシート状化粧料の着色
    を防止する方法
  4. 【請求項4】 配合物が、銀・ゼオライト抗菌剤100重量
    部とプリン塩基類もしくはピリミジン塩基類から選ばれ
    た1種又は2種以上1〜100重量部とよりなるものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    性媒体及び化粧料成分によるシート状化粧料の着色を防
    止する方法
  5. 【請求項5】 配合物を、シート基材を構成する不織布
    の紡糸原料に直接的に添加又はシート状基材を構成する
    多孔性シートに直接的に配合することを特徴とする水性
    媒体及び化粧料成分によるシート状化粧料の着色を防止
    する方法
  6. 【請求項6】 シート状化粧料が、着色防止されてなる
    ウェットティシュであることを特徴とする水性媒体及び
    化粧料成分によるシート状化粧料の着色を防止する方
  7. 【請求項7】 シート状化粧料が、着色防止されてなる
    パックタイプであるであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の水性媒体及び化粧料成分によるシ
    ート状化粧料の着色を防止する方法
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