JP3519488B2 - 有機溶剤による金属部品洗浄装置 - Google Patents

有機溶剤による金属部品洗浄装置

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JP3519488B2
JP3519488B2 JP06213095A JP6213095A JP3519488B2 JP 3519488 B2 JP3519488 B2 JP 3519488B2 JP 06213095 A JP06213095 A JP 06213095A JP 6213095 A JP6213095 A JP 6213095A JP 3519488 B2 JP3519488 B2 JP 3519488B2
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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工によって油脂で汚れ
た大形の金属部品等を有機溶剤の蒸気によって洗浄する
洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属部品の有機溶剤(以下、溶剤と略
す)による洗浄装置の従来例の構成と作用を図5を参照
して説明する。洗浄槽1に溶剤2を入れ、加熱コイル3
に水蒸気を通して加熱すると、溶剤2は沸騰して気化
し、洗浄槽1の下方は空気より重い溶剤蒸気4で満たさ
れる。この溶剤蒸気4の中に油脂分のついた機械部品等
の被洗物6を吊り下げると、溶剤蒸気4が常温の被洗物
6の表面で凝縮、液化して油脂分を洗い落とす。また、
洗浄槽1の上方内側面には冷却コイル5が配設されてお
り、該コイル5に冷却水を通すことにより、上昇流とな
った溶剤蒸気4を冷却して液化させ該溶剤蒸気4が洗浄
槽1の上部から放散するのを防止している。
【0003】冷却コイル5を越えて、さらに上昇した溶
剤蒸気は、周囲の空気と一緒に吸込ダクト7から排気フ
ァン8により吸入されダクト9を経て分岐調節ダンパ1
3に至り、ここで分岐されて、一方はダクト14を経て
吹出ダクト10から吹出してエアカーテンを形成して循
環し、他方はダクト15を経て溶剤回収装置16に導か
れて溶剤蒸気を除去された後ダクト17から外気に排出
される。
【0004】前記溶剤回収装置16の構成の詳細は図示
を省略したが、一般には装置内に活性炭層を有しここを
通過する溶剤蒸気を含んだ空気から溶剤蒸気を吸着して
除去する方式のものが用いられ、吸着が飽和状態に近づ
くと活性炭層に水蒸気を通して加熱し、吸着した溶剤を
追い出し、冷却器を含む循環回路を循環させて溶剤蒸気
を液化して回収し、次いで活性炭層を乾燥冷却して再生
するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】被洗物の金属部品の形
状が大きくなると、溶剤に浸漬して洗浄することが困難
となり、密閉した洗浄槽内で溶剤蒸気を発生させて洗浄
する方法が採用される。しかし溶剤蒸気で洗浄をする場
合には前述の従来例から推察できるように、被洗物を搬
出入する時に被洗物の移動によって乱された気流によっ
て、或いは被洗物に付着して溶剤が洗浄槽外に漏出する
ことや、加熱によって膨張する洗浄槽内の溶剤を含んだ
気体の排出などが問題点として指摘されている。更に、
水蒸気による活性炭再生の場合は溶剤を含んだ大量の凝
縮水の処理に費用がかかるという問題点もある。
【0006】本発明の目的は、被洗物Wの搬出入時を含
めて洗浄槽21内から高い濃度の溶剤蒸気が漏れ出るこ
とがなく、活性炭の再生は熱風によって行われるので溶
剤を含んだ大量の凝縮水の発生がなく、構造が簡潔であ
りコスト低減にも寄与し得る有機溶剤による金属部品洗
浄装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明の有機溶剤によ
る金属部品洗浄装置は、有機溶剤の蒸気によって金属製
の被洗物Wを洗浄する装置であって、被洗物Wを搬入口
から収容する密閉式の洗浄槽21と、該洗浄槽の底部に
配設され有機溶剤の蒸気を発生させる加熱器25と、洗
浄槽上部に配設され冷水によって有機溶剤蒸気を凝縮、
液化させる水冷式冷却器26とによって形成される洗浄
槽本体20と;気体を輸送するファン36と、有機溶剤
蒸気を冷凍機35によって凝縮、回収する冷凍式冷却器
34と、気体を加熱する加熱器33と、有機溶剤蒸気を
吸着する活性炭槽32とによって形成される溶剤回収装
置30と;前記洗浄槽内の気体を外気に排出する脱臭装
置40と;有機溶剤を貯留する溶剤タンク29と;汚れ
た溶剤を蒸留する蒸留器50と;各構成要素間を連通す
る配管及びダクトと、それらの要所に配設した各種の弁
とダンパとを有してなり、前記洗浄槽21の水冷式冷却
器26の上部から気体輸送ファン36、冷凍式冷却器3
4、活性炭槽32を通って外気に通ずる排気回路と;該
排気回路の冷凍式冷却器34の下流から分岐して気体加
熱器33を通って洗浄槽21の下部に戻る乾燥循環回路
と;前記排気回路の活性炭槽32の下流から洗浄槽21
の下部に戻る脱臭循環回路と;気体輸送ファン36から
冷凍式冷却器34、気体加熱器33、活性炭槽32を通
って前記気体輸送ファン36に戻る脱着循環回路と;該
脱着循環回路の冷凍式冷却器34の下流から分岐して活
性炭槽32を通って気体輸送ファン36に戻る冷却循環
回路とを、所要のダンパの切換えによって選択的に形成
できるように構成したことを特徴とする。
【0008】第2発明の有機溶剤による金属部品洗浄装
置は、前記第1発明の洗浄装置において、洗浄槽21下
部の気相部と蒸留器50を連通管52で接続し、洗浄用
の溶剤蒸気の発生に共用することを特徴とする。
【0009】
【作用】溶剤タンク29から溶剤を洗浄槽21に入れて
加熱器25で加熱して溶剤蒸気を発生させ、並行して作
動する蒸留器50からも溶剤蒸気を供給して洗浄槽21
内を下から溶剤蒸気で満たす。このとき加熱によって膨
張した分の気体は洗浄槽21の上部から前述の排気回路
を通って外気に排出される。洗浄槽21の上部は水冷式
冷却器26で冷却され、上昇した溶剤蒸気は凝縮して液
化し溶剤タンク29に戻されるので、最上部の気体の溶
剤濃度(絶対濃度)は低くなっているが、溶剤蒸気は更
に冷凍式冷却器34で凝縮し液化して回収され、活性炭
槽32に吸着された後溶剤濃度の低い気体(空気)とな
って外気に排出される。この排気回路は以後乾燥工程の
前まで維持される。
【0010】次いで、洗浄槽上部の搬入口の蓋22を開
けて被洗物Wをゆっくり搬入した後蓋を閉じる。被洗物
搬入時には搬入口から外気が吸入され、搬入口から溶剤
蒸気が流出することはない。このとき搬入口から流入す
る外気の量は排気回路出口の排気ダンパ71の開度によ
って調節される。
【0011】被洗物が搬入されて蓋が閉じると自動的に
洗浄が始まり、溶剤蒸気は低い温度(常温)の被洗物の
表面と接触して凝縮,液化し、油脂分を溶かして流下す
る。所定時間洗浄を行った後、洗浄槽21内の汚れた溶
剤を溶剤ポンプ60によって蒸留器50に送り洗浄槽2
1底部の加熱は停止し、排気回路を乾燥循環回路に切換
えて洗浄槽21内の気体を循環させる。洗浄槽21内及
び被洗物Wに付着した溶剤は気体加熱器33で加熱され
た熱風で蒸発し、冷凍式冷却器34で凝縮、液化され水
分離器37を経由して溶剤タンク29に回収される。次
いで脱臭循環回路に切換えて循環させ、残った溶剤蒸気
を活性炭槽32に吸着させて更に溶剤濃度を下げる。
【0012】次いで排気回路に戻し、搬入口の蓋22を
開いて被洗物を搬出する。搬入時より大量の外気が洗浄
槽21内に流入するので溶剤蒸気が外に漏れ出ることは
ない。活性炭槽32の溶剤吸着が飽和に近づいたら、脱
着循環回路を形成して気体加熱器33と冷凍式冷却器3
4を作動させる。活性炭槽32に吸着された溶剤は気体
加熱器33で加熱された熱風によって脱着され、冷凍式
冷却器34に送られて凝縮、液化して溶剤タンク29に
回収される。次いで加熱を停止して冷却循環回路に切り
換え、活性炭槽32を冷却及び乾燥させる。
【0013】
【実施例】第1発明に第2発明を組入れたパークロルエ
チレン等の(有機)溶剤による金属部品洗浄装置の実施
例の構成と作用を図1〜図4を参照して説明する。図1
はこの発明の実施例に係る金属部品洗浄装置の外観を示
す斜視図、図2は系統図、図3及び図4は工程別の回路
説明図である。図2において、Wは被洗物、21は角柱
状の洗浄槽、22は洗浄槽上部に設けられた被洗物Wを
搬出入するための搬入口蓋、23は搬入口蓋22を開閉
するシリンダ、24は洗浄槽21の下部に設けられた被
洗物Wを載せる台、25は洗浄槽21の底部に設けられ
た水蒸気による加熱器、26は洗浄槽21の上部に設け
られたコイル状の水冷式冷却器、27はスプレーノズ
ル、28はスプレー用のポンプ、29は溶剤を収容する
溶剤タンクである。
【0014】30は溶剤を回収するための溶剤回収装
置、31は回収タンク、32は回収タンク31内に設け
られた活性炭槽、33は回収タンク31内に設けられた
水蒸気による気体加熱器、34は冷凍式冷却器、35は
その冷凍機、36は洗浄槽21内の気体を吸引するため
の気体輸送ファン、37は水分離器、40は脱臭装置、
41は活性炭槽、42は排気ファン、43は外気取入れ
用のダンパ、50は蒸留器、51は蒸留器50の底部に
設けられた水蒸気による加熱器、52は蒸留器50と洗
浄槽21下部の気相部間を繋ぐ連通管である。
【0015】60は洗浄槽21の底部と蒸留器50間の
溶剤配管に介装された溶剤ポンプ、61及び62は溶剤
タンク29と洗浄槽21間及び溶剤ポンプ60と蒸留器
50間の溶剤配管に介装された溶剤注入弁及び蒸留器入
口弁、63,64及び65は加熱器25,51及び33
へ水蒸気を供給するための蒸気弁である。
【0016】66及び67は洗浄槽21の上部から出る
ダクト及び下部に入るダクトに設けられた洗浄槽出口ダ
ンパ及び洗浄槽入口ダンパ、68及び69は冷却器34
の出口側と回収タンク31の活性炭槽32の入口側間及
び冷却器34の出口側と気体加熱器33の入口側間のダ
クトにそれぞれ介装された活性炭槽入口ダンパ及び気体
加熱器入口ダンパである。
【0017】70及び71は活性炭槽32の出口側と脱
臭装置40間のダクトに介装された活性炭槽出口ダンパ
及び排気ダンパ、72は気体加熱器33の出口側と活性
炭槽出口ダンパ70の後流を繋ぐダクトに介装された気
体加熱器出口ダンパ、73は気体加熱器出口ダンパ72
の後流と気体輸送ファン36間のダクトに介装された再
生循環ダンパであり、74及び75はそれぞれ水蒸気及
び冷水の供給源、80は蒸発器である。
【0018】上記構成による作用を工程別に分けて図2
と図3、4によって説明する。 (1)準備工程(約7分間) 洗浄槽21上部の搬入口蓋22はシリンダ23によって
閉じておく。溶剤注入弁61を開いて溶剤タンク29か
ら規定量の溶剤を重力によって洗浄槽21に導入する
(約2分間)とともに、蒸気弁63及び64を開き加熱
器25及び51によって洗浄槽21の底部と蒸留器50
の加熱(約7分間)を開始する。同時に洗浄槽出口ダン
パ66、活性炭槽入口ダンパ68、活性炭槽出口ダンパ
70及び排気ダンパ71を開き、その他のダンパを閉
じ、気体輸送ファン36及び排気ファン42を始動さ
せ、また洗浄槽21上部の水冷式冷却器26に冷水を通
して冷却を開始する。(図3−(a)参照)
【0019】前記の作用によって時間の経過とともに、
洗浄槽21内は溶剤タンク29から下部に流入した溶剤
から蒸発する溶剤蒸気と、蒸留器50で蒸発し連通管5
2を経て入ってくる溶剤蒸気とによって下側から順次満
たされ、加熱によって膨張した容積分の気体(空気と溶
剤蒸気の混合気体)は洗浄槽21の上部から出て洗浄槽
出口ダンパ66、気体輸送ファン36、冷凍式冷却器3
4、活性炭槽入口ダンパ68、活性炭槽32、活性炭槽
出口ダンパ70、排気ダンパ71、脱臭装置40を通っ
て外気に放出される。この回路は基本的な排気回路(図
3中の符号B)で以後すすぎ、排液工程まで維持され
る。(図3−(b)参照)
【0020】洗浄槽21の上部に上昇した溶剤蒸気は水
冷式冷却器26によって凝縮液化して流下し、水分離器
37を経て溶剤タンク29に戻されるので、膨張して外
気に排出される気体内に含まれる溶剤蒸気の絶対濃度は
低くなっているが、溶剤回収装置30で更に回収除去さ
れる。該回収装置30内では、溶剤蒸気はまず冷凍式冷
却器34で凝縮液化して水分離器37を経て溶剤タンク
29に回収され、更に活性炭槽32によって吸着除去さ
れる。
【0021】なお、前記排気回路の終端に設けられた脱
臭装置40は、排気ファン42と活性炭槽41を有し、
予測以上に溶剤濃度の高い気体が通った場合には溶剤を
吸着して溶剤濃度を下げる機能があり、ダンパ43は外
気を取り入れて濃度を調整し、また活性炭槽41を低温
で脱着再生するためのものである。(図2参照)
【0022】(2)被洗物搬入工程(約2分間) 洗浄槽21内が溶剤蒸気でほぼ満たされた時点で、搬入
口蓋22を開いて図示省略の運搬装置によって被洗物W
をゆっくり搬入し、台24上に載置した後、蓋22を閉
じる。排気回路Bは維持されており、被洗物搬入時には
搬入口から外気が吸入され、被洗物と入れ替わる洗浄槽
内の気体と共に排気回路を経由して外気に排出され、搬
入口から溶剤蒸気が流出することはない。搬入口から流
入する外気の量は排気ダンパ71の開度によって調整さ
れる。(図3−(c)参照)
【0023】(3)洗浄工程(約5分間) 搬入口蓋22を閉めると自動的に洗浄工程となる。洗浄
槽21内の飽和に近い状態にある溶剤蒸気は被洗物Wと
接触し、潜熱を失って被洗物Wの表面に凝縮して温液と
なり油脂を溶かして流下する。排気回路Bは維持されて
おり洗浄槽21内の気体に膨張があれば常時外気に排気
される。(図3−(d)参照)
【0024】(4)すすぎ、排液工程(約2分間) 所定時間洗浄を行った後、蒸気弁63を閉じて洗浄槽2
1底部の加熱器25の加熱を停止し、スプレーポンプ2
8を作動させて溶剤タンク29から溶剤を吸上げ、被洗
物Wの上部に配設されたスプレーノズル27から噴射し
て被洗物Wの表面に残った汚れを洗い流す(約1分間)
(図3−(e)参照)。次いで蒸留器入口弁62を開い
て溶剤ポンプ60を作動させ洗浄槽21内の汚れた溶剤
を蒸留器50に送る。蒸留器用蒸気弁64は予め閉じて
いる。(約1分間) 排気回路Bは維持されている。(図3−(f)参照)
【0025】(5)乾燥工程(約9分間) 活性炭槽入口ダンパ68及び活性炭槽出口ダンパ70を
閉じ、気体加熱器入口ダンパ69、気体加熱器出口ダン
パ72及び洗浄槽入口ダンパ67を開き、また蒸気弁6
5を開いて気体加熱器33を作動させる。洗浄槽21内
の気体は洗浄槽21の上部から出て、洗浄槽出口ダンパ
66、気体輸送ファン36、冷凍式冷却器34、気体加
熱器入口ダンパ69、気体加熱器33、気体加熱器出口
ダンパ72、洗浄槽入口ダンパ67を通って洗浄槽21
の下部に戻る乾燥循環回路Dを循環し、気体加熱器33
で加熱された熱風によって被洗物W及び洗浄槽21の内
部に付着した溶剤は蒸発して乾燥し、蒸発した溶剤は水
冷式冷却器26と冷凍式冷却器34で凝縮して水分離器
37を経て溶剤タンク29に回収される。
【0026】溶剤蒸気を除去された空気は気体加熱器3
3で再加熱されて循環する。循環回路系内で気体の膨張
分があれば排気ダンパ71、脱臭装置40を経由して外
気に排出される。(図4−(g)参照)なお、蒸発器8
0(図2)は水分離器37で分離された水に含まれる溶
剤を蒸発させ、排気装置40の排気ダクトで吸引させて
外気に排出するものである。
【0027】(6)脱臭工程(約3分間) 気体加熱器入口ダンパ69、気体加熱器出口ダンパ72
及び蒸気弁65を閉じ、活性炭槽入口ダンパ68及び活
性炭槽出口ダンパ70を開く。洗浄槽21内の気体は洗
浄槽21の上部から出て、洗浄槽出口ダンパ66、気体
輸送ファン36、冷凍式冷却器34、活性炭槽入口ダン
パ68、活性炭槽32、活性炭槽出口ダンパ70、洗浄
槽入口ダンパ67を経て洗浄槽21の下部に戻る脱臭循
環回路Eを循環し、洗浄槽21内の気体中に残った溶剤
蒸気を活性炭槽32で吸着除去する。(図4−(h)参
照)
【0028】(7)搬出工程(1分間) 洗浄槽入口ダンパ67を閉じて排気回路Bに戻し、搬入
口蓋22を開いて被洗物Wを搬出する。洗浄槽21内の
溶剤濃度は既に低く、また被洗物Wが引き出されるので
搬入時より大量の外気が洗浄槽内に流入し、溶剤蒸気が
槽外に漏れ出ることはない。(図4−(i)参照)
【0029】(8)活性炭再生(脱着、冷却)工程(約
32分間) 被洗物Wを搬出した後、活性炭槽32が吸着した溶剤を
熱風によって脱着(離脱)させて活性炭槽32を再生す
る。洗浄槽出口ダンパ66及び活性炭槽入口ダンパ68
を閉じ、気体加熱器入口ダンパ69及び再生循環ダンパ
73を開いて、気体輸送ファン36及び気体加熱器33
を作動させる。気体は気体輸送ファン36から冷凍式冷
却器34、気体加熱器入口ダンパ69、気体加熱器3
3、活性炭槽32、活性炭槽出口ダンパ70、再生循環
ダンパ73を通る脱着循環回路Fを循環し、気体加熱器
33で加熱された気体は活性炭槽32を通るとき活性炭
槽32内に吸着された溶剤を脱着させて冷凍式冷却器3
4に送り、ここで凝縮して水分離器37を経て溶剤タン
ク29に回収し、溶剤を除去された空気は気体加熱器3
3に戻され再加熱されて循環する。(約25分間)(図
4−(j)参照)
【0030】次いで気体加熱器入口ダンパ69を閉じ、
活性炭槽入口ダンパ68を開き、気体加熱器33の加熱
を停止する。気体は気体輸送ファン36から冷凍式冷却
器34、活性炭槽入口ダンパ68、活性炭槽32、活性
炭槽出口ダンパ70、再生循環ダンパ73を通る冷却循
環回路Gを循環し、冷凍式冷却器34で冷却された気体
が活性炭槽32を冷却乾燥して活性炭の再生工程を終了
する。(約7分間)(図4−(k)参照)
【0031】
【発明の効果】本発明の洗浄装置は、加工によって油脂
で汚れた大形の金属部品等の洗浄に好適な有機溶剤の蒸
気による洗浄装置を提供するもので、次のような効果が
得られる。 (1)洗浄用の溶剤蒸気の発生に蒸留器を共用し、被洗
物の乾燥と活性炭槽再生に同一のファン、冷凍冷却器、
加熱器を共用するので、構造が簡潔になりコスト低減に
寄与する。
【0032】(2)洗浄槽内の気体は常に吸引されて溶
剤蒸気を回収されて外気に排出され、洗浄槽内は負圧に
保たれているので、被洗物の搬出入時を含めて洗浄槽内
の溶剤蒸気が高い濃度で洗浄槽外に漏れ出ることがな
い。 (3)活性炭槽の脱着を熱風で行うので、蒸気で脱着を
行う場合のように溶剤を含んだ大量の凝縮水の発生がな
く、溶剤を含む水の排水問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る有機溶剤による金属部品
洗浄装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示した装置の系統図。
【図3】図3には(a)〜(f)があり、それぞれ図1
に示した装置の工程別の回路説明図。
【図4】図4には(g)〜(k)があり、それぞれ図1
に示した装置の工程別の回路説明図。
【図5】従来の有機溶剤による金属部品洗浄装置の従来
例の構成図。
【符号の説明】
20…洗浄槽本体、21…密閉形洗浄槽、25…加熱器
(洗浄槽用)、26…水冷式冷却器、29…溶剤タン
ク、30…溶剤回収装置、32…活性炭槽、33…気体
加熱器、34…冷凍式冷却器、36…気体輸送ファン、
40…脱臭装置、50…蒸留器、51…加熱器(蒸留器
用)、52…連通管、60…溶剤ポンプ、61…溶剤注
入弁、62…蒸留器入口弁、63〜65…蒸気弁、66
〜73…ダンパ、74…水蒸気供給源、75…冷水供給
源、80…蒸発器、W…被洗物。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−79244(JP,A) 特開 平3−2389(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 5/04 B08B 3/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤の蒸気によって金属製の被洗物
    (W)を洗浄する装置であって、被洗物(W)を搬入口
    から収容する密閉式の洗浄槽(21)と、該洗浄槽の底
    部に配設され有機溶剤の蒸気を発生させる加熱器(2
    5)と、洗浄槽上部に配設され冷水によって有機溶剤蒸
    気を凝縮、液化させる水冷式冷却器(26)とによって
    形成される洗浄槽本体(20)と;気体を輸送するファ
    ン(36)と、有機溶剤蒸気を冷凍機(35)によって
    凝縮、回収する冷凍式冷却器(34)と、気体を加熱す
    る加熱器(33)と、有機溶剤蒸気を吸着する活性炭槽
    (32)とによって形成される溶剤回収装置(30)
    と;前記洗浄槽内の気体を外気に排出する脱臭装置(4
    0)と;有機溶剤を貯留する溶剤タンク(29)と;汚
    れた溶剤を蒸留する蒸留器(50)と;各構成要素間を
    連通する配管及びダクトと、それらの要所に配設した各
    種の弁とダンパとを有してなり、前記洗浄槽(21)の
    水冷式冷却器(26)の上部から気体輸送ファン(3
    6)、冷凍式冷却器(34)、活性炭槽(32)を通っ
    て外気に通ずる排気回路と;該排気回路の冷凍式冷却器
    (34)の下流から分岐して気体加熱器(33)を通っ
    て洗浄槽(21)の下部に戻る乾燥循環回路と;前記排
    気回路の活性炭槽(32)の下流から洗浄槽(21)の
    下部に戻る脱臭循環回路と;気体輸送ファン(36)か
    ら冷凍式冷却器(34)、気体加熱器(33)、活性炭
    槽(32)を通って前記気体輸送ファン(36)に戻る
    脱着循環回路と;該脱着循環回路の冷凍式冷却器(3
    4)の下流から分岐して活性炭槽(32)を通って気体
    輸送ファン(36)に戻る冷却循環回路とを、所要のダ
    ンパの切換えによって選択的に形成できるように構成し
    たことを特徴とする有機溶剤による金属部品洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄槽(21)の下部の気相部と蒸
    留器(50)を連通管(52)で接続して、洗浄用の有
    機溶剤蒸気の発生に共用することを特徴とする請求項1
    記載の有機溶剤による金属部品洗浄装置。
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