JP3519318B2 - 交換結合膜の製造方法 - Google Patents

交換結合膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録装置用再
生ヘッドあるいは磁気センサなどに使用される磁気抵抗
効果膜に用いられる強磁性層と反強磁性層とを積層した
構造の交換結合膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクなどの磁気記録装置におい
ては、記録密度の向上に伴い、磁気ヘッドの高性能化が
求められている。すなわち、再生ヘッドにおいては記録
媒体の小型化に伴う再生ヘッドと記録媒体との相対速度
の低下に対処すべく、再生出力の増加が求められてお
り、磁気抵抗効果(MR:magnetoresistive effect)
を利用した磁気ヘッド(MRヘッド)において磁気抵抗
変化率の向上が図られている。
【0003】近年、磁性薄膜と非磁性薄膜を交互に積層
した人工格子膜において、大きな磁気抵抗変化率を示す
効果が報告され、巨大磁気抵抗効果(GMR:giant ma
gnetoresistive effect)と呼ばれている。
【0004】この人工格子膜(GMR膜)では、非磁性
層を介して配置された磁性層の磁化が反平行の場合と平
行の場合とで伝導電子の散乱が大きく異なるために抵抗
変化が現れる。つまり、この人工格子膜において磁性層
間の磁化が反平行の場合、伝導電子の散乱が大きくなり
抵抗値が大きくなる。一方、磁性層間の磁化が平行の場
合、伝導電子の散乱は減少して抵抗値が小さくなる。
【0005】しかし、上記構成の人工格子膜では、抵抗
変化率は非常に大きいものの、磁性層間の交換結合が非
常に強く、微弱な外部磁界に対する感度が小さくなって
しまう。そこでこの問題に対処することにより、磁気ヘ
ッドとして実用化されているものとして、スピンバルブ
構造の磁気抵抗効果膜がある。
【0006】このスピンバルブ構造とは、反強磁性層/
強磁性層/非磁性層/強磁性層の構造を有している。こ
の構造では反強磁性層と隣接している強磁性層の磁化
は、反強磁性層との交換結合により反強磁性層の界面と
平行な一方向に固定された固定磁化層を形成しており、
他方の強磁性層の磁化は磁界に応じて上記界面と平行な
面内で回転するようになっている自由磁化層を形成して
いる。そして、固定磁化層および自由磁化層の磁化の向
きにより磁気抵抗効果を得ることができる。
【0007】このスピンバルブ構造の固定磁化層を形成
する方法において、様々な反強磁性材料を用いた報告が
なされており、例えば、FeMn膜やPtMn膜などの
Mn系反強磁性層を用いる例が報告されている。このM
n系反強磁性層には、FeMn、IrMn、RhMnな
どのように熱処理することなしに交換結合磁界を得るこ
とができる不規則合金と、MnPt、NiMnなどのよ
うに成膜後に230〜255〔℃〕で熱処理を行うこと
によってはじめて交換結合磁界が得られる規則合金とが
ある。
【0008】不規則合金のMn系反強磁性層の代表的な
例として、FeMn膜を用いたものでは、交換結合磁界
は温度の上昇とともに減少し、約150℃で交換結合磁
界は消失する。この温度はブロッキング温度(Tb)と
呼ばれており、FeMn膜ではブロッキング温度が約1
50〔℃〕と低く、交換結合磁界が温度の上昇とともに
単調に減少するため、FeMn膜を磁気抵抗効果膜とし
て形成した磁気抵抗効果素子の場合、この素子の使用温
度を低温に維持しておく必要がある。
【0009】また、FeMn膜は昇温降温プロセス(熱
履歴)によって交換結合磁界が大幅に減少するため、こ
れを用いた磁気抵抗効果膜や薄膜磁気ヘッドを形成する
際には、プロセス温度を常に低温に制御する必要があ
る。これらは薄膜磁気ヘッドの構造的な信頼性低下およ
び生産性の低下につながる。
【0010】さらに、FeMn膜は耐食性が低く、磁気
抵抗効果膜や薄膜磁気ヘッドの使用環境で、特性が大き
く劣化してしまうという危険性がある。このため、これ
らの材料を応用して磁気特性や信頼性の優れた磁気デバ
イスを製造することは困難である。
【0011】これに対して、MnPtに代表されるよう
な規則合金をMn系反強磁性層としてスピンバルブ構造
の磁気抵抗効果膜に用いた場合に関しては、例えば日本
応用磁気学会誌Vol.21、No.4−2、199
7、505−508で報告されている。
【0012】本報告では、Mn組成比率52〔原子
%〕、膜厚30〔nm〕のMnPt膜の場合、230
〔℃〕4時間の熱処理で600〔Oe〕の交換結合磁界
が得られている。さらに、MnPt膜/NiFe膜(3
〔nm〕)およびMnPt膜/Co膜(20〔nm〕)
の二層膜の室温における交換結合磁界はそれぞれ650
〔Oe〕、510〔Oe〕であった。この場合、MnP
t膜/Co膜の交換結合エネルギーは0.32〔erg
/cc〕である。また、ブロッキング温度はいずれも3
80℃であり、さらに熱履歴に対しても強く、安定して
大きい交換結合磁界が得られている。
【0013】このように不規則合金に比べ、交換結合磁
界が大きく、熱安定性に優れた規則合金を用いた磁気抵
抗効果膜を形成する方法に関しては、例えば特願平10
−130617号に記載した技術がある。
【0014】これによると、面心立方構造(以下、fc
c構造と称す)を有する強磁性層を、窒素ガスを添加し
たアルゴンガス雰囲気中で成膜することにより、(10
0)面配向の強磁性層が形成される。この上に反強磁性
層を形成することにより、反強磁性層の配向面を通常の
(111)面から強磁性配列面(100)に変化させる
ことができる。
【0015】ここで、反強磁性を有する規則合金のなか
には、正方晶系のCuAuI型のように、特定の結晶面
内で磁気モーメントが強磁性的な配列となる磁気構造を
有するものがある。MnPt反強磁性規則合金はこのよ
うな結晶構造を有しており、(100)面および(01
0)面内で磁気モーメントが強磁性的に配列したスピン
構造となっている。したがって、(100)面配向に形
成された反強磁性層は、積層界面で反強磁性層の磁気モ
ーメントが界面に平行となり、高い交換結合磁界を得る
ことができることが報告されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の場合も反強磁性層を規則化させるためには235〜2
55〔℃〕の高温での長時間熱処理を必要としている。
したがって、スピンバルブ構造の上記従来の磁気抵抗効
果膜においては、反強磁性層にMn系規則合金を用いて
有効な交換結合磁界を発生させるために、規則化温度に
おける磁界中での熱処理を必要とする。例えばMnPt
膜においては、300〔Oe〕の磁界中、230〔℃〕
で12時間もの熱処理を必要とする。
【0017】これにより、上記の製造方法においては、
製造工程が長時間におよぶという問題のみならず、熱処
理時における各積層界面での熱拡散などにより、磁気抵
抗効果膜の特性が劣化するという問題があった。
【0018】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、膜形成後の熱処理が不要
で、かつ、ブロッキング温度の高い交換結合膜の製造方
法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】発明の交換結合膜の製
造方法は、上記課題を解決するために、反強磁性層と強
磁性層間の交換結合によって、該強磁性層の磁化が固定
れる交換結合膜の製造方法において、前記強磁性層を
形成後、該強磁性層を前記反強磁性層が結晶配向する
度に加熱しながら、前記反強磁性層を該強磁性層上に形
成することを特徴としている。
【0020】上記の発明によれば、反強磁性層が強磁性
層上に形成されることによって、反強磁性層と強磁性層
とが交換結合し、強磁性層の磁化が固定された交換結合
膜が形成される。
【0021】従来は、反強磁性層の規則化のためには、
反強磁性層の形成後(交換結合膜の形成後)に、磁界を
印加しながら規則化温度で熱処理を長い時間(十数時
間)かけて行うことが必要であった。しかし、反強磁性
層の形成後に長時間にわたって熱処理を行うと、層間の
界面において熱拡散等が生じ、これにより、交換結合膜
の特性が劣化するという不具合を招来していた。
【0022】そこで、上記製造方法によれば、前記反強
磁性層は、前記強磁性層を該反強磁性層が結晶配向する
温度に加熱しながら、該強磁性層上に形成される。した
がって、従来、反強磁性層の形成後に必要であった、磁
界を印加しながらの熱処理が不要となるので、プロセス
に要する時間の大幅な短縮化が可能となると共に、層間
の界面における熱拡散等による交換結合膜の特性の劣化
を確実に回避できる。
【0023】また、膜形成面(強磁性層面)を加熱しな
がら膜形成を行うと、前記反強磁性層の粒径が増大する
が、この粒径増大に伴って、交換結合磁界が消失する温
度であるブロッキング温度が上昇し、交換結合膜の熱安
定性が著しく向上する。
【0024】また、本発明の交換結合膜の製造方法は、
前記反強磁性層を、50〜70〔Oe〕の磁界中で形成
することを特徴としている。
【0025】また、本発明の交換結合膜の製造方法は、
上記課題を解決するために、上記の交換結合膜の製造方
法において、窒素ガスが添加されたアルゴンガス雰囲気
中で、面心立方構造を有する強磁性体で前記強磁性層を
形成することを特徴としている。
【0026】窒素ガスを添加しないアルゴンガス雰囲気
中で、面心立方構造を有する強磁性体で強磁性層のよう
な薄膜を形成すると、膜の配向面は、結晶構造における
最密面である(111)面となる。
【0027】これに対して、窒素ガスを添加したアルゴ
ンガス雰囲気中で、面心立方構造を有する強磁性体で強
磁性層を形成すると、その配向面は(100)面とな
る。これは、薄膜を構成する特定の原子間に窒素原子が
入り込むことによって、結晶エネルギー的に安定な配向
面が、(111)面から(100)面に変化することに
起因すると考えられる。
【0028】ところで、交換結合磁界は、強磁性層と反
強磁性層との界面において、この界面に平行な磁気モー
メントが反強磁性層に多く存在する場合に大きくなる。
したがって、界面に平行な磁気モーメントが多く存在す
るような反強磁性層を形成することが好ましい。
【0029】上記の製造方法によれば、アルゴンガスに
窒素ガスを添加した雰囲気を実現することによって、特
定の単結晶基板を用いることなく、強磁性層を(10
0)面に配向させることが可能となる。強磁性層が(1
00)面に配向すると、該強磁性層の上に形成される反
強磁性層も(100)面に配向するようになる。反強磁
性体には、(100)面に平行な磁気モーメントが多く
存在するものがある。このような反強磁性体により反強
磁性層を形成することで、反強磁性層の磁気モーメント
が界面で平行となり、大きい交換結合磁界を有する交換
結合膜を実現できる。
【0030】しかも、前記窒素ガスの添加により、前記
反強磁性層の粒径増大が確実に回避される。これは、膜
形成面(強磁性層面)を加熱しながら膜形成を行うと、
前記反強磁性層の粒径が増大することになるので、強磁
性−反強磁性界面の乱れが増大し、交換結合磁界が低下
する原因になるが、窒素ガスが添加されることにより、
反強磁性層を構成する特定の原子間に窒素原子が入り込
み、結果として、前記反強磁性層の粒径増大が防止され
るからである。
【0031】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3に基づいて
説明すれば、以下の通りである。図1は本実施の形態に
係る交換結合膜(スピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜に
おいて、反強磁性層と強磁性層とで構成される)の断面
図である。この交換結合膜は基板1上に、下地層2、強
磁性層3および反強磁性層4が順次積層されて構成され
ている。
【0032】ここで、基板1としてはガラス基板を使用
し、下地層2としてはTa膜が形成されている。下地層
2は、強磁性層3の結晶の配向性を高め、また、製造プ
ロセスにおいて基板1と強磁性層3とが反応することを
防止するために設けられている。
【0033】反強磁性層4は、規則合金から形成されて
いる。規則合金とは、成膜直後は結晶配向していないた
め、反強磁性−強磁性膜間の交換結合磁界が発生しない
が、規則化温度でのアニールにより結晶配向して交換結
合磁界を発生させることができる合金を指すものであ
る。この規則合金には、MnPtやNiMnなどが含ま
れる。また、反強磁性層4と隣接している強磁性層3の
磁化は、反強磁性層4との交換結合により反強磁性層4
との界面と平行な一方向に固定された固定磁化層を形成
している。
【0034】以下において具体的な製造方法に関して説
明する。この製造方法では、基板1(ガラス基板)上
に、下地層2(Ta膜)、強磁性層3(NiFe膜)、
および反強磁性層4(MnPt膜)を同一真空チャンバ
ー内で順次形成する。なお、反強磁性層4としてはNi
Mn膜やPdPtMn膜などであってもよい。
【0035】まず、基板1(ガラス基板(コーニング社
製:#7059))を真空チャンバー内に設置し、チャ
ンバー内を0.4〔μTorr〕以下まで排気した後、
上記基板1を加熱し(以下においては、基板1を加熱す
ることにより、基板1上に形成されている各膜も基板1
と同じ温度に加熱されるものとする)、チャンバー内に
アルゴンガスを注入してアルゴンガス圧5〔mTor
r〕の雰囲気を形成した。
【0036】ここで、上記基板1の温度は反強磁性層4
の規則化温度(規則合金が結晶配向するのに必要な温
度、MnPtの規則化温度は220〔℃〕)以下の20
0〔℃〕(条件1)および規則化温度以上の230
〔℃〕(条件2)の2種類の条件でそれぞれ別々に試み
た。この状態で、TaをターゲットとしたDCマグネト
ロンスパッタ法により、Ta膜を基板1上に50〔Å〕
形成し、下地層2とした。
【0037】次いで、アルゴンガス圧5〔mTorr〕
の雰囲気、および基板1の温度を維持した状態で、RF
コンベンショナルスパッタ法により、基板1に形成した
Ta膜上に、強磁性層3(NiFe膜)を100〔Å〕
形成した。
【0038】ここで、ターゲットとしてはNi組成比率
が80〔原子%〕のNiFe合金を使用した。また、N
iFe膜形成は50〜70〔Oe〕の磁界中で行い、印
加する磁界の方向は形成する膜の面内方向とした。な
お、印加する磁界に50〜70〔Oe〕という幅がある
のは、成膜時における若干の磁界変化のためである。
【0039】強磁性層3(NiFe膜)の形成後、さら
にアルゴンガス圧5〔mTorr〕の雰囲気、および基
板1の温度を維持した状態で、反強磁性層4(MnPt
膜)の形成を行った。MnPt膜の形成においては、M
nターゲット上にPtペレットを配置した複合ターゲッ
トを用いたDCマグネトロンスパッタ法による成膜を行
い、膜厚50〔Å〕のMnPt膜を形成した。また、M
nPt膜の形成は、強磁性層3(NiFe膜)の形成時
と同様、50〜70〔Oe〕の磁界(NiFe膜の形成
時と同方向)中で行った。
【0040】ここで、反強磁性層4を形成する際に、加
熱しながら外部磁界を印加することにより、反強磁性層
4の磁気モーメントが外部磁界に対する磁気エネルギー
が小さくなる方向を向くようになる。したがって、外部
磁界の向きを制御すれば、反強磁性層4における磁気モ
ーメントを所望の方向とすることができる。これによ
り、強磁性層3と反強磁性層4との交換結合磁界を高く
することができる。
【0041】また、複合ターゲットにおいては、形成す
るMnPt膜中のPt組成比率が47.4〔原子%〕と
なるようにPtペレットの量を調整した。この組成比率
を実現することにより、交換結合膜の耐食性および熱安
定性を向上させることができる。
【0042】なお、基板1の加熱は反強磁性層4の形成
以前に行えばよく、プロセスおよび設備の都合により加
熱するタイミングを決定すればよい。
【0043】以上のようにして得られた交換結合膜の配
向方向を調べるために、X線回折測定を行った。このX
線回折測定はθ−2θスキャンと呼ばれるものであり、
膜面に平行な結晶面(格子面)に応じた回折線が観測さ
れるものである。図2は、上記で得られた交換結合膜
(条件2)のX線回折測定結果を示す説明図である。こ
の図において、横軸はX線回折測定における散乱角
(θ)の2倍の角度を示しており、縦軸は回折線の強度
(回折強度)を示している。
【0044】本実施の形態における条件2(基板温度2
30〔℃〕)で形成した交換結合膜と、成膜中には基板
1を加熱せず交換結合膜形成後に熱処理を行う従来の製
造方法(後述する比較例1の製造方法)で形成した交換
結合膜(図示せず)との測定結果を比較すると、反強磁
性層4の結晶粒径が増大したことによるピークの裾の広
がりが若干見られたものの、ピーク位置、ピーク強度に
はほとんど変化が見られず、NiFe膜およびMnPt
膜のいずれにおいても(111)面配向となっているこ
とが確認できた。
【0045】さらに、比較例1として従来の製造方法で
形成した交換結合膜と本実施の形態で形成した交換結合
膜との特性の比較を行った。従来の製造方法としては、
基板の加熱は行わず、それ以外は本実施の形態と同様の
条件で交換結合膜を形成し(成膜中の磁界の印加に関し
ても同様)、その後、300〔Oe〕の磁界(面内方
向)中で基板を230℃に加熱して12時間熱処理を行
った。表1はそれぞれの交換結合膜の交換結合エネルギ
ーおよびブロッキング温度(Tb)を測定した結果であ
る。なお、交換結合エネルギーおよびブロッキング温度
は、磁化測定を行い、その結果から導出することができ
る。
【0046】表1より、条件1の場合では交換結合エネ
ルギーの増加はわずかではあったが、ブロッキング温度
を20〔℃〕上昇させることができた。ブロッキング温
度が高いことは、磁気ヘッドの熱安定性向上につながる
ため、交換結合膜にとって有意義である。
【0047】また、条件2の場合では交換結合エネルギ
ーおよびブロッキング温度は、それぞれ0.80〔er
g/cc〕および450〔℃〕と飛躍的に増大してお
り、成膜中に基板を加熱することは有効であり、また基
板温度は規則化温度以上にすることが好ましいといえ
る。なお、基板加熱温度は、ブロッキング温度以下であ
れば問題ない。
【0048】ここで、ブロッキング温度を上昇させるこ
とができたのは、基板を加熱しながら反強磁性層4を形
成したことにより、反強磁性層4の結晶粒径が増大した
ためであると思われる。
【0049】
【表1】
【0050】次に、本実施の形態の一変形例について説
明する。本変形例に係る製造方法(条件3)において
は、強磁性層3(NiFe膜)の形成条件が上記の実施
の形態と異なり、その他の条件は上記と同様であるの
で、NiFe膜の形成以外の共通する部分に関しては説
明を省略する。
【0051】上記実施の形態の条件2(基板温度230
〔℃〕)と同様にして下地層2(Ta膜)の形成を行っ
た後、チャンバー内圧力5〔mTorr〕および基板1
の温度230〔℃〕を維持した状態で、窒素ガスの添加
を行い窒素ガス濃度が5〔%〕(窒素ガス分圧0.25
〔mTorr〕)となる雰囲気を形成した。
【0052】この雰囲気中で上記条件2と同様に、ター
ゲットとしてNi組成比率が80〔原子%〕のNiFe
合金を使用したRFコンベンショナルスパッタ法によ
り、基板1に形成したTa膜上に、強磁性層3(NiF
e膜)を100〔Å〕形成した。ここで、NiFe膜形
成を50〜70〔Oe〕の磁界(面内方向)中で行った
ことも上記条件2と同様である。
【0053】この後、窒素ガスを排除して再度アルゴン
ガス圧5〔mTorr〕の雰囲気として、上記条件2と
同様の工程を行うことにより交換結合膜を形成した。つ
まり、本変形例はNiFe膜の形成を窒素ガスの存在下
で行った点が上記条件2と異なる。
【0054】ここで、NiFe合金のようなfcc構造
の結晶構造を有する強磁性体からなる薄膜をアルゴンガ
スのみの雰囲気中で形成すると、通常、薄膜の結晶エネ
ルギーが最小となるように最密面である(111)面が
配向面になりやすい。(111)面配向した強磁性層3
上に反強磁性層4を形成すると、反強磁性層4の配向面
も(111)面となりやすい。ところが、アルゴンガス
に窒素ガスを添加した雰囲気中でfcc構造の結晶構造
を有する強磁性体からなる薄膜を形成すると、薄膜の結
晶配向が著しく変化し(100)面配向となる。
【0055】これは、上記のRFコンベンショナルスパ
ッタ法や、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネト
ロンスパッタ法などの反応性スパッタリング法により上
記成膜を行うと、雰囲気中の窒素ガスをプラズマにより
材料に化合させることができる。すなわち、材料をプラ
ズマにより窒化することができる。これにより、窒素原
子が薄膜を構成する特定の原子間に入り込み、結晶エネ
ルギーを最小とする配向状態が変化するためと考えられ
る。
【0056】また、強磁性層3が(100)面配向とな
ることにより、強磁性層3上の反強磁性層4の配向は強
磁性層3の結晶配向が反映されたものとなるので、(1
00)面配向とすることができる。
【0057】ここで、強磁性層3(NiFe膜)および
反強磁性層4(MnPt膜)の磁気モーメントは共に
(100)面に平行な状態であるので、それぞれの層を
(100)面配向とすることにより互いの磁気モーメン
トが平行になり、高い交換結合磁界を得ることができ
る。したがって、外乱磁界に対して非常に安定な交換結
合膜を得ることが可能となる。
【0058】以上のようにして得られた本変形例(条件
3)の交換結合膜の配向方向を調べるために、X線回折
測定を行った。図3は、上記で得られた交換結合膜のX
線回折測定結果を示す説明図である。
【0059】上記条件2の場合(図2)と比較すると、
条件3による交換結合膜の強磁性層3(NiFe膜)お
よび反強磁性層4(MnPt膜)はいずれも、(11
1)面からの回折ピークが(100)面からの回折ピー
クに変化している。これは、NiFe膜の形成時に窒素
ガスを添加することで、上記の理由によりNiFe膜の
(100)配向が向上し、その結果MnPt膜の(10
0)配向も向上したものと考えられる。
【0060】さらに、従来の製造方法で形成した交換結
合膜と本実施例により形成した交換結合膜との特性の比
較を行った。ただし、従来の製造方法においてNiFe
膜形成時には本変形例と同様に窒素ガスを添加した(比
較例2)。表2はそれぞれの交換結合膜の交換結合エネ
ルギーおよびブロッキング温度(Tb)を測定した結果
である。
【0061】
【表2】
【0062】交換結合エネルギーの値は、条件3の場合
は1.2〔erg/cc〕であり、上記条件2の場合よ
りもさらに増大した。これは、上記のようにMnPt膜
の強磁性配列面(100)の配向性の向上によると予想
される。一方、ブロッキング温度は440〔℃〕であり
上記条件2の場合と同程度であった。また、条件3の場
合においても、交換結合エネルギーおよびブロッキング
温度の何れに関しても比較例2に対して向上しているこ
とが確認された。
【0063】なお、成膜時に基板を加熱することによる
上記の効果は、強磁性層3および反強磁性層4を上記以
外の規則化合金の組合せで構成することによっても得ら
れるものである。また、強磁性層3の成膜時に窒素ガス
を添加することによる上記の効果は、結晶配向性の点か
ら、反強磁性層4をMnPt膜、強磁性層3をNiFe
膜とした場合が好ましい。
【0064】〔実施の形態2〕 本発明の第2の実施の形態を図4および図5に基づいて
説明すれば、以下の通りである。第2の実施の形態にお
いては、第1の実施の形態に係る交換結合膜を磁気抵抗
効果膜に応用した場合に関して説明する。図4は本実施
の形態に係る磁気抵抗効果膜の構造を示した断面図であ
る。
【0065】この磁気抵抗効果膜は基板1上に、下地層
2、第2強磁性層5、金属非磁性層6、第3強磁性層
7、第1強磁性層3、反強磁性層4、および保護膜8が
順次積層されて構成されている。ここで、基板1、下地
層2、第1強磁性層3および反強磁性層4はそれぞれ第
1の実施の形態における基板1、下地層2、強磁性層3
および反強磁性層4に対応している。
【0066】以下において、この交換結合膜を構成する
各部に関して説明する。第1強磁性層3は反強磁性層4
との交換結合によって磁化が固定されており、固定磁化
層を形成している。また、第2強磁性層5は磁化方向が
外部磁界に応じて回転する強磁性層であり、自由磁化層
を形成している。この第2強磁性層5は強磁性体の薄膜
や、強磁性体の薄膜が複数積層された積層膜から形成さ
れ、例えばCoやNiFe合金の薄膜、あるいはCo膜
とNiFe合金膜との積層膜によって形成される。
【0067】金属非磁性層6は非磁性の金属からなる膜
であり、例えばCuからなる膜によって形成される。こ
の金属非磁性層6はスピンバルブ構造における非磁性層
を形成している。第3強磁性層7は磁気抵抗効果の発生
に寄与するものであり、強磁性体からなる薄膜、例えば
Co膜などによって形成される。保護膜8は酸化防止膜
であり、非磁性の金属などを用いることができ、例えば
Taからなる薄膜により形成される。
【0068】このような構成である磁気抵抗効果膜は、
自由磁化層としての第2強磁性層5と、反強磁性層4に
隣接して形成された固定磁化層としての第1強磁性層3
との、それぞれの磁化の向きがなす角に依存した大きさ
の磁気抵抗効果を有する巨大磁気抵抗効果膜を形成して
いる。
【0069】つまり、上記構造では反強磁性層4と隣接
している第1強磁性層3の磁化は、反強磁性層4との交
換結合により、反強磁性層4との界面と平行な一方向に
固定された固定磁化層を形成している。他方の第2強磁
性層5の磁化は、外部磁界に応じて上記界面と平行な面
内で回転するようになっており自由磁化層を形成してい
る。そして、固定磁化層および自由磁化層の磁化の向き
により磁気抵抗効果を得ることができる。
【0070】また、反強磁性層4が(100)面配向と
なるように形成されているため、反強磁性層4の磁気モ
ーメントが、反強磁性層4と第1強磁性層3との界面に
平行で、かつ、この面内で強磁性的に配列している。こ
のため、これら第1強磁性層3と反強磁性層4とが強い
交換結合磁界を有する交換結合膜となっており、固定磁
化層である第1強磁性層3の保磁力は非常に大きくなっ
ている。したがって、本磁気抵抗効果膜は、外乱磁界に
対して非常に安定な磁気抵抗効果膜となっている。
【0071】次に、この磁気抵抗効果膜の製造方法に関
して具体的に説明する。まず、基板1(ガラス基板(コ
ーニング社製:#7059))を真空チャンバー内に設
置し、チャンバー内を0.4〔μTorr〕以下まで排
気した後、チャンバー内にアルゴンガスを注入してアル
ゴンガス圧5〔mTorr〕の雰囲気を形成した。
【0072】この状態で基板1上にまず、Ta膜50
〔Å〕からなる下地層2、NiFe膜70〔Å〕および
Co膜7〔Å〕からなる第2強磁性層5、Cu膜28
〔Å〕からなる金属非磁性層6、およびCo膜10
〔Å〕からなる第3強磁性層7を順次形成した。これら
の形成は、それぞれの膜を形成する金属や合金をターゲ
ットとしたDCマグネトロンスパッタ法によって行っ
た。
【0073】これらの膜を形成した基板1を230
〔℃〕に加熱し、第3強磁性層7上にさらにNiFe膜
100〔Å〕からなる第1強磁性層3、MnPt膜20
0〔Å〕からなる反強磁性層4およびTa膜100
〔Å〕からなる保護膜8の形成を順次行った。
【0074】ここで、第1強磁性層3および反強磁性層
4の形成は第1の実施の形態における条件3を適用し
た。ただし、ここでは第1強磁性層3(NiFe膜)形
成時のチャンバー内の窒素ガス濃度は3〔%〕とした。
なお、実験の都合上、窒素ガス濃度を条件3の場合と変
更しているが、条件3の場合と同一窒素ガス濃度として
も同様の効果が得られる。また、保護膜8(Ta膜)は
下地層2(Ta膜)と同様にして形成した。
【0075】上記の製造方法によって形成された磁気抵
抗効果膜の配向方向を調べるために、X線回折測定を行
った。図5は、上記で形成された磁気抵抗効果膜のX線
回折測定結果を示す説明図である。
【0076】これによると、第1強磁性層3(NiFe
膜)の(100)面および反強磁性層4(MnPt膜)
の(100)面からの回折線と、第2強磁性層5となる
NiFe膜の(111)面からと思われる弱い回折線が
観測された。粒径の増大によると思われる若干の裾の広
がりが見られるものの、第1の実施の形態における条件
3の場合とピーク位置、強度にはほとんど変化が見られ
なかった。
【0077】さらに、比較例3として、第1の実施の形
態における比較例2の交換結合膜を形成した条件を適用
して形成した従来の磁気抵抗効果膜と、上記本実施の形
態で形成した磁気抵抗効果膜との特性の比較を行った。
比較した特性は、交換結合エネルギー、磁気抵抗変化率
および磁界感度である。ここで、磁気抵抗変化率は、磁
気抵抗効果膜に磁界を印加し、磁界の強度を変化させた
際の、磁界強度の変化率と電気抵抗の変化率の比で表さ
れる。磁界感度は、磁界変化に対する磁気抵抗の変化率
を表すものであり、磁気抵抗比の磁場変化から導出する
ことができる。表3にこれらの結果を示す。
【0078】
【表3】
【0079】交換結合エネルギーの値は、本実施の形態
では0.73〔erg/cc〕であり、比較例3より向
上しており、実施の形態1における条件1の場合と同程
度の値が得られた。磁気抵抗変化率は10%であり、こ
れも比較例3より向上した。また、磁界感度は1.0
〔%/Oe〕であり、これも比較例3より向上した。
【0080】本実施の形態によれば、従来のように磁気
抵抗効果膜を形成後に230℃で12時間熱処理を行う
必要がないことから、積層膜間での熱拡散などに起因す
る磁気抵抗効果特性の劣化を防止することができる。
【0081】また、本実施の形態における磁気抵抗効果
膜は、本発明の交換結合膜の製造方法によって製造され
た交換結合膜を備えた磁気抵抗効果膜において、前記交
換結合膜における前記強磁性層に対向して第2強磁性層
が形成されているとともに、前記強磁性層と前記第2強
磁性層との間に金属非磁性層が形成されており、前記交
換結合膜における前記強磁性層と前記第2強磁性層との
磁化の向きのなす角度によって、磁気抵抗効果を示す構
成である。
【0082】上記の構成によれば、上記の交換結合膜の
製造方法に係る作用に加えて、上記の交換結合膜の強磁
性層の磁化の向きと、第2強磁性層の磁化の向きとはあ
る角度をなし、これにより、該磁気抵抗効果膜は磁気抵
抗効果を示すことになる。
【0083】しかも、上記磁気抵抗効果膜は、従来のも
のよりも大きい交換結合磁界を発生し、熱安定性および
熱処理に対する安定性の何れにも優れた交換結合膜を備
えている。このため、上記の磁気抵抗効果膜は、外乱磁
界に安定であり、環境による磁気特性の経時変化や温度
上昇による磁気特性の劣化あるいは製造時の熱処理プロ
セスによる磁気特性の劣化等を低減できる。
【0084】以上、発明の詳細な説明の項においてなさ
れた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本
発明の技術内容を明らかにするものであって、そのよう
な具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものでは
ない。
【0085】
【発明の効果】発明の交換結合膜の製造方法は、以上
のように、強磁性層を形成後、該強磁性層を反強磁性層
が結晶配向する温度に加熱しながら、前記反強磁性層を
該強磁性層上に形成することを特徴としている。
【0086】それゆえ、従来において、反強磁性層の形
成後に必要であった磁界を印加しながらの熱処理が不要
となるので、プロセスに要する時間の大幅な短縮化が可
能となるとともに、層間の界面における熱拡散等による
交換結合膜の特性の劣化を確実に回避できる。
【0087】しかも、膜形成面の加熱による反強磁性層
の粒径増大に伴って、交換結合磁界が消失する温度であ
るブロッキング温度を上昇させ、交換結合膜の熱安定性
を著しく向上させることができるという効果をあわせて
奏する。
【0088】また、本発明の交換結合膜の製造方法は、
前記反強磁性層を、50〜70〔Oe〕の磁界中で形成
してもよい。
【0089】また、本発明の交換結合膜の製造方法は、
以上のように、上記の交換結合膜の製造方法において、
窒素ガスが添加されたアルゴンガス雰囲気中で、面心立
方構造を有する強磁性体で強磁性層を形成することを特
徴としている。
【0090】それゆえ、上記の交換結合膜の製造方法の
効果に加えて、アルゴンガスに窒素ガスを添加した雰囲
気を実現することによって、特定の単結晶基板を用いる
ことなく強磁性層を(100)面に配向させることが可
能となる。強磁性層が(100)面に配向すると、該強
磁性層の上に形成される反強磁性層も(100)面に配
向するようになる。その結果、反強磁性層の磁気モーメ
ントが界面で平行となり、大きい交換結合磁界を有する
交換結合膜を実現できる。
【0091】しかも、前記窒素ガスの添加により、前記
反強磁性層の粒径増大が確実に回避されるという効果を
あわせて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る交換結合膜の
断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る交換結合膜の
X線回折測定の結果を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における一変形例に
係る交換結合膜のX線回折測定の結果を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果
膜の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果
膜のX線回折測定の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地層 3 強磁性層(第1強磁性層) 4 反強磁性層 5 第2強磁性層 6 金属非磁性層 7 第3強磁性層 8 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薦田 智久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−148132(JP,A) 特開 平9−92904(JP,A) 特開 平10−289421(JP,A) 特開 平9−275233(JP,A) 特開 平7−202292(JP,A) 特開2000−132820(JP,A) 特開 平9−293611(JP,A) 特開 平10−214716(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/08 G01R 33/09 G11B 5/39 H01F 10/32 H01L 43/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反強磁性層と強磁性層間の交換結合によっ
    て、該強磁性層の磁化が固定される交換結合膜の製造方
    法において、前記反強磁性層は、結晶配向するために220℃以上の
    温度が必要であり、 前記強磁性層を形成後、該強磁性層を前記反強磁性層が
    結晶配向する温度に加熱しながら、前記反強磁性層を該
    強磁性層上に形成することを特徴とする交換結合膜の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記反強磁性層を、50〜70〔Oe〕の
    磁界中で形成することを特徴とする請求項1に記載の交
    換結合膜の製造方法。
  3. 【請求項3】窒素ガスが添加されたアルゴンガス雰囲気
    中で、面心立方構造を有する強磁性体で前記強磁性層を
    形成することを特徴とする請求項1または2に記載の交
    換結合膜の製造方法。
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