JP3518882B2 - イチョウエキス及びその製造法 - Google Patents

イチョウエキス及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、食品添加物など
として有用なイチョウエキス及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】イチョウ葉から抽出されたイチョウエキ
スは、血管拡張、血流増大、血管系の老化防止、特に脳
の末梢血流の改善、精神的症候の改善等の効果を有する
ため、主としてヨーロッパにおいて、脳動脈硬化、老人
ボケ、糖尿病性血管障害、精神障害等の治療を目的とし
た医薬品として用いられている。また、日本などでは、
食品に添加され、健康食品等として利用されている。さ
らに、イチョウエキスを含む皮膚剤は、皮膚の末梢の循
環を正常化し、あるいは促進し、美容上顕著な効果を上
げることが認められている。
【0003】一方、イチョウ葉に含まれる成分の薬理学
的研究から、いくつかの有効成分について、その構造と
薬理作用が解明されている。例えば、イチョウ葉に固有
のフラボン配糖体は血圧降下作用を示し(日本薬学会、
第107年会講演要旨集、第345頁)、ギンゴライド
類は血小板活性化因子阻害作用を示すことが知られてい
る。また、ビロバリドは抗誘発痙攣作用を示すことが報
告されている。さらに、ビロベチン、シアドピチシン、
ギンゲチン、イソギンゲチンなどのバイフラボン類には
抗発癌プロモーター作用のあることが認められている
(日本薬学会、第108年会講演要旨集、第331
頁)。
【0004】しかし、一方ではイチョウ葉成分の有害作
用も知られている。例えば、ギンゴール酸などのサリチ
ル酸誘導体にはアレルギー性皮膚炎をおこす作用がある
(刈米達夫、「最新植物化学」、第2版、廣川書店、昭
和54年)。また、クエルセチンなどの遊離フラボノー
ルは、微生物を用いて化学物質の変異原性を検出する方
法であるエイムス試験で陽性を示すことが知られてい
る。
【0005】前記の薬理作用を有する成分を含有するイ
チョウエキスの製造法としては、液相間の分配を利用す
る方法、分別沈澱を利用する方法、及び吸着剤を利用す
る方法などが知られている。
【0006】前記液相間の分配を利用する方法として、
特公昭46−28091号公報及び特公昭49−273
23号公報には、イチョウ葉抽出液を四塩化炭素などの
水と混和しない脂溶性有機溶媒による抽出操作に付す方
法、及び、続いてメチルエチルケトンにより抽出し、鉛
化合物により処理する方法が開示されている。しかし、
これらの方法では、毒性の高い溶媒や金属化合物を用い
るため、食品添加物や医薬品用のイチョウエキスの製造
法としては好ましくない。
【0007】特開平2−121998号公報には、イチ
ョウ葉の抽出物を、炭素数6〜8の芳香族炭化水素及び
炭素数3〜6の低級アルカノールよりなる溶媒で抽出す
る方法が開示されている。また、特開平3−26453
3号公報には、イチョウ葉抽出液を濃縮し、酢酸エステ
ルなどによる多段階抽出、次いで炭素数4〜5のアルカ
ノールによる抽出に供する方法が開示されている。しか
し、これらの方法では、複数の溶媒抽出法を用いるた
め、製造工程が極めて煩雑となる。
【0008】また、上記液相間の分配を利用する方法で
は、得られるイチョウエキス中のクエルセチン又はサリ
チル酸誘導体の含有量が高い。
【0009】分別沈澱を利用してイチョウエキスを製造
する方法として、特開平2−193907号公報には、
乾燥イチョウ葉を30〜45%エタノール水溶液で抽出
するイチョウエキスの製法が開示されている。しかし、
この方法では、クエルセチンなどの遊離フラボノールを
除去することが困難である。
【0010】一方、吸着剤を利用してイチョウエキスを
製造する方法として、特開平2−73079号公報に
は、イチョウ葉の抽出液を活性炭で処理し、吸着したフ
ラボノイドをアルカリ溶液で脱着させるフラボノイドの
製法が開示されている。
【0011】また、特開平3−275629号公報に
は、水に対する溶解度の高いイチョウエキスを得るた
め、イチョウ葉抽出液を弱アルカリ性にした後、非極性
多孔性樹脂に通液し、樹脂を水又は低アルコール濃度の
水溶液で洗浄後、50〜70%の高アルコール濃度の水
溶液で溶出させるイチョウエキスの製造法が開示されて
いる。さらに、特開平4−182434号公報には、高
濃度の有効成分を含有するイチョウエキスを得るため、
イチョウ葉の40〜80%エタノール水溶液による抽出
液を濃縮、濾過し、無置換基型多孔性樹脂に吸着させた
後、樹脂を水洗し、60%以上のエタノール水溶液等で
脱着させ、濃縮乾固するイチョウ葉抽出物の製法が開示
されている。このように、吸着成分の溶出効率を高める
には、高濃度アルコールが有利であると考えられてい
る。
【0012】しかし、これらの吸着剤を用いる方法にお
いても、前記クエルセチン及びサリチル酸誘導体の含有
量を共に極く低濃度に抑えることはできない。
【0013】また、一般に、イチョウ葉の抽出液や吸着
剤からの溶出液等、イチョウ葉抽出成分を含む分離液を
濃縮する際に、フラボン配糖体の加水分解などによりク
エルセチンや着色成分が生成する場合が多い。そのた
め、得られるイチョウエキス中のクエルセチン含量が増
加し易く、着色度も増大し易い。
【0014】また、従来、フラボン配糖体の濃度が高
く、しかもクエルセチン及びサリチル酸誘導体の含有量
が低いイチョウエキスは知られていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、クエルセチン及びサリチル酸誘導体の含有量が何れ
も低く、安全性の高いイチョウエキス及びその製造法を
提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、簡単な操作で、フラ
ボン配糖体の濃度が高く、しかも前記のような安全性の
高いイチョウエキスを収率よく得ることができるイチョ
ウエキスの製造法を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、フラボン配糖
体を含み、クエルセチン及び/又は着色成分の含有量の
低いイチョウエキスを、簡単な操作により得ることがで
きるイチョウエキスの製造法を提供することにある。
【0018】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するため
鋭意検討した結果、イチョウ葉の抽出液を吸着剤で処理
し、吸着剤に吸着した成分を、0〜15容量%のアルコ
ールを含む水系の溶出溶媒、0〜15容量%のアルコー
ルを含むpH9.5以上の水系の溶出溶媒で溶出させた
後、得られた溶出液を濃縮すると、クエルセチンおよび
サリチル酸含有量の少ないイチョウエキスが簡易に得ら
れることを見出した。
【0019】また、本発明者らは、前記溶出液の濃縮
を、(a) 80℃以下の温度で、(b) pH6〜8に調整し
て、又は(c) 不活性ガス雰囲気下で行うと、フラボン配
糖体の分解や着色成分の生成が著しく抑制され、クエル
セチン及び/又は着色成分の含有量の著しく低いイチョ
ウエキスが簡易に得られることを見出だした。本発明
は、これらの知見に基いて完成されたものである。
【0020】すなわち、本発明は、(1) フラボン配糖体
を15重量%以上含有するイチョウエキスであって、ク
エルセチン含有量が0.02重量%以下、及びサリチル
酸誘導体含有量が30ppm以下であるイチョウエキス
を提供する。
【0021】本発明は、前記イチョウエキスの製造方法
として、(2)イチョウ葉を抽出溶媒により抽出する抽
出工程と、得られた抽出液を疎水性合成樹脂吸着剤で処
理する吸着工程と、25容量%以下のアルコール水溶液
で前記吸着剤を洗浄する洗浄工程と、前記吸着剤に吸着
した成分を溶出溶媒により溶出させる溶出工程と、溶出
液を濃縮してイチョウエキスを得る濃縮工程とを含むイ
チョウエキスの製造法であって、前記溶出溶媒として
0〜55容量%のアルコールを含むアルコール水溶液
(以下、低アルコール濃度溶出溶媒という場合がある)
用い、前記濃縮工程で、(a)80℃以下の温度で、及
び/又は(b)溶出液をpH6〜8に調整して濃縮する
チョウエキスの製造法を提供する。
【0022】本発明は、さらに、前記イチョウエキスの
製造方法として、(3)イチョウ葉を抽出溶媒により抽
出する抽出工程と、得られた抽出液を疎水性合成樹脂吸
着剤で処理する吸着工程と、洗浄液で前記吸着剤を洗浄
する洗浄工程と、前記吸着剤に吸着した成分を溶出溶媒
により溶出させる溶出工程と、溶出液を濃縮してイチョ
ウエキスを得る濃縮工程とを含むイチョウエキスの製造
法であって、前記洗浄工程で、25容量%以下のアルコ
ール水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、前記溶出工
程で0〜15容量%のアルコールを含むpH10以上の
水系の溶出溶媒(以下、低アルコール濃度アルカリ性溶
出溶媒という場合がある)を用い、前記濃縮工程で、
(a)80℃以下の温度で、及び/又は(b)溶出液をpH6
〜8に調整して濃縮するイチョウエキスの製造法を提供
する。
【0023】本発明は、さらにまた、前記イチョウエキ
スの製造方法として、(4)イチョウ葉を抽出溶媒によ
り抽出する抽出工程と、得られた抽出液を吸着剤で処理
する吸着工程と、前記吸着剤に吸着した成分を溶出溶媒
により溶出させる溶出工程と、溶出液を濃縮してイチョ
ウエキスを得る濃縮工程とを含むイチョウエキスの製造
法であって、0〜15容量%のアルコールを含むpH
9.5以上の水系の溶出溶媒を用いるイチョウエキスの
製造法を提供する。
【0024】本発明は、さらにまた、イチョウ葉抽出成
分を含む溶出液を不活性ガス雰囲気下で濃縮するイチョ
ウエキスの製造法を提供する。なお、pH10以上の溶
出溶媒をアルカリ性溶出溶媒という場合がある。
【0025】前記フラボン配糖体には、イチョウ葉に含
まれるフラボン配糖体、例えば、クエルセチングリコシ
ド[例えば、ルチン、イソクエルシトリン、クエルセチ
ン−3−O−α−(6′′′−p−クマロイルグルコシ
ル−β−1,2−ラムノシド)など]、イソクエルセチ
ングリコシド、ケンフェロールグリコシド[例えば、ケ
ンフェロール−3−ルチノシド、ケンフェロール−3−
ラムノグルコシド、ケンフェロール−3−O−α−
(6′′′−p−クマロイルグルコシル−β−1,2−
ラムノシド)など]、ルテオリングリコシド等が含まれ
る。
【0026】フラボン配糖体の含有量は、例えば15〜
70重量%程度である。好ましいフラボン配糖体含量は
30重量%以上である。
【0027】前記サリチル酸誘導体には、イチョウ葉に
含まれるサリチル酸誘導体、例えば、ギンゴール酸など
の、ベンゼン環の6位に炭素数13〜19程度の長鎖の
アルキル又はアルケニル基等が結合した一群のサリチル
酸誘導体が含まれる。イチョウエキス中のサリチル酸誘
導体含量は、好ましくは10ppm以下、さらに好まし
くは1ppm(検出限界)未満である。本発明のイチョ
ウエキスはサリチル酸誘導体の含有量が低いため、アレ
ルギー性皮膚炎を起こさせない。
【0028】イチョウエキス中のクエルセチン含量は、
好ましくは0.01重量%以下、さらに好ましくは0.
007重量%以下、特に好ましくは0.003重量%以
下である。本発明のイチョウエキスはクエルセチン含量
が著しく低いため、安全性が極めて高い。好ましいイチ
ョウエキスには、エイムス試験で陰性を示すイチョウエ
キスが含まれる。
【0029】前記フラボン配糖体、サリチル酸誘導体お
よびクエルセチンの定量は、高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)により行うことができる。
【0030】また、イチョウエキスとして、着色の程度
の少ないイチョウエキスが好ましい。本発明のイチョウ
エキスのなかでも、波長550nmにおける吸光度[セ
ル:1cm石英セル;溶媒:50容量%エタノール水溶
液;濃度:4mg/ml]が0.20以下、例えば0.
01〜0.20、特に0.01〜0.14程度のイチョ
ウエキスが好ましい。
【0031】本発明のイチョウエキスは、通常、薬理活
性を有するフラボン配糖体以外の他の有用成分、例え
ば、ギンゴライド類、ビロバリド、バイフラボン類など
を含有する。
【0032】本発明の前記(2) 〜(4) の製造法につい
て、以下に説明する。
【0033】前記(2) 〜(4) の製造法において、抽出工
程に供するイチョウ葉は、新鮮材料であってもよく、ま
た乾燥材料であってもよい。イチョウ葉は、粉砕して使
用することもできる。
【0034】抽出工程で用いる抽出溶媒としては、イチ
ョウ葉に含まれるフラボン配糖体などの薬理活性を有す
る成分を抽出し得る溶媒であればよく、水、有機溶媒又
はこれらの混合溶媒が挙げられる。前記有機溶媒には、
親水性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタ
ノール、t−ブタノールなどの一価の低級アルコール;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、グリセリンなどの多価アルコール;メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類;ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが含まれ
る。これらの有機溶媒は混合して用いてもよい。これら
の有機溶媒のうち、前記一価の低級アルコール及びケト
ン類が好ましく、なかでも炭素数1〜4の一価アルコー
ル、特に炭素数1〜3の一価アルコール(例えば、エタ
ノールなど)が好ましい。
【0035】好ましい抽出溶媒には、水、一価の低級ア
ルコール及びこれらの混合溶媒が含まれる。抽出溶媒と
して、特に、水、含水エタノールなどの含水アルコール
が好ましい。抽出溶媒として含水アルコールを用いる際
のアルコール濃度は、例えば、0〜80容量%、好まし
くは0〜30容量%程度である。
【0036】抽出溶媒による抽出は、静置又は攪拌下、
冷浸、温浸、還流、超音波処理などの何れの方法で行う
こともできるが、抽出効率を高めるため、熱時抽出が好
ましい。
【0037】抽出温度は、例えば、30℃以上、好まし
くは40℃〜還流温度程度である。抽出温度を80℃以
下、特に70℃以下とすると、イチョウエキスの着色を
軽減できる。また、抽出は空気雰囲気下で行うこともで
きるが、特に、抽出温度が例えば80℃を越えるような
場合には、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気下で行うのが好ましい。抽出を不活性ガス雰囲気下
で行うと、比較的高い温度で抽出を行っても、抽出中に
着色成分がほとんど生成しない。
【0038】抽出溶媒の使用量は、抽出溶媒の組成等に
より異なり、例えば、イチョウ葉100重量部に対して
100〜8000重量部程度の範囲で適宜選択すること
ができる。例えば、抽出溶媒として水を用いる場合に
は、イチョウ葉100重量部に対して、例えば500〜
8000重量部、好ましくは1000〜5000重量部
程度である。抽出時間は、抽出温度に応じて選択でき、
冷時抽出の場合には、例えば10時間〜15日間、好ま
しくは1日〜10日程度であり、熱時抽出の場合には、
例えば30分〜24時間、好ましくは1時間〜8時間程
度である。抽出操作は、複数回行うこともできる。
【0039】抽出操作の後、夾雑物を除去するため、抽
出液は、通常、セライトなどの濾剤を用いる濾過工程な
どに供される。抽出液は、必要に応じて濃縮した後、吸
着工程に供される。イチョウ葉の抽出液は、通常、弱酸
性、例えばpH3〜6程度を示す。抽出液を吸着工程に
供する前に、抽出液のpH調整を行ってもよい。抽出液
の液性を、例えば中性又はアルカリ性に調整することが
できる。なお、前記(2) の製造法においては、抽出液の
液性を酸性に保持して吸着工程に供し、吸着剤による処
理を酸性条件下で行うのが好ましい。
【0040】吸着工程では、抽出液を吸着剤により処理
して、フラボン配糖体などの有用成分を吸着剤に吸着さ
せる。
【0041】前記(2) 及び(4) の製造法における吸着剤
には、無機吸着剤及び合成樹脂吸着剤が含まれる。無機
吸着剤としては、例えば活性炭などが挙げられる。前記
活性炭には、木材、鋸屑、木炭、ヤシ殻などを原料とす
る植物系活性炭;石炭、コークス、石油、ピッチなどを
原料とする鉱物系活性炭;フェノール樹脂、アクリル樹
脂、セルロースなどを原料とするポリマー系活性炭が含
まれる。
【0042】前記合成樹脂吸着剤は、親水性合成樹脂吸
着剤、疎水性合成樹脂吸着剤の何れであってもよいが、
好ましくは疎水性合成樹脂吸着剤である。
【0043】前記疎水性合成樹脂吸着剤の樹脂母体とし
て、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ス
チレン−アクリル酸アミドの共重合体、フェノール樹脂
等が挙げられる。好ましい樹脂母体には、スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、及びスチレン−アクリル酸ア
ミドの共重合体が含まれる。吸着剤としては、表面積の
大きい多孔性の合成樹脂吸着剤が好ましい。合成樹脂吸
着剤の比表面積としては、例えば100〜1000m2
/g、好ましくは250〜800m2 /g程度である。
【0044】疎水性合成樹脂吸着剤として、例えば、三
菱化成株式会社のダイヤイオンHP−10、HP−2
0、HP−21、HP−30、HP−40、HP−5
0、MCI GEL CHL−20P、セパビーズSP
−206、SP−207、SP−800、SP−900
など;ダイヤモンド・シャムロック社のデュオライトS
−761、S−861、S−862、ES−863、E
S−865、ES−866、ES−8610など;ロー
ム・アンド・ハース社のアンバーライトXAD−2、X
AD−4、XAD−7、XAD−26、XAD−200
0、AXT−204などが挙げられる。
【0045】好ましい吸着剤には、疎水性合成樹脂吸着
剤及び活性炭が含まれる。なお、吸着剤は、吸着処理に
先立って予め前処理しておいてもよい。例えば、吸着剤
として疎水性合成樹脂吸着剤を用いる場合、前記前処理
は、例えば、吸着剤をメタノールなどの溶媒で洗浄して
不純物を除去した後、さらに水で洗浄してメタノールな
どの溶媒を除去することにより行うことができる。
【0046】本発明の前記(3) の製造法では、吸着剤と
して前記疎水性合成樹脂吸着剤を用いる。
【0047】吸着剤による処理は、バッチ法、カラム法
の何れで行ってもよいが、比較的少量の吸着剤により効
率よく処理できるカラム法が好ましい。吸着剤による処
理は、少なくとも一回行えばよい。吸着剤と抽出液の割
合は、使用する吸着剤の種類などに応じて選択できる。
【0048】前記吸着工程の後、必要に応じて、非吸着
成分などを除去するため、洗浄液で前記吸着剤を洗浄す
る場合が多い。洗浄液としては、非吸着成分を溶出さ
せ、且つフラボン配糖体などの有用成分の溶出を抑制す
る溶媒であるのが好ましい。好ましい洗浄液には、水、
又は30容量%以下、特に25容量%以下のアルコール
水溶液等が含まれる。アルコールとしては、前記一価の
低級アルコール、特に炭素数1〜4の一価アルコール、
とりわけ炭素数1〜3の一価アルコール(例えば、エタ
ノールなど)が好ましい。特に好ましい洗浄液には、
水、30容量%以下のエタノール水溶液(例えば、5〜
30容量%のエタノール水溶液)等が含まれる。洗浄液
として、30容量%を越えるアルコール水溶液を用いる
と、フラボン配糖体が溶出し易くなり、イチョウエキス
の収量が低下する場合がある。
【0049】洗浄液の使用量は、洗浄液の組成等に応じ
て適宜選択できる。洗浄は、同一又は異なった洗浄液に
より複数回行ってもよい。
【0050】溶出工程では、吸着剤に吸着した成分を、
前記(i) 低アルコール濃度溶出溶媒、(ii)アルカリ性溶
出溶媒、又は(iii) 低アルコール濃度アルカリ性溶出溶
媒により溶出させる。以下、上記各溶出溶媒を用いる方
法について説明する。
【0051】(i) 低アルコール濃度溶出溶媒 前記低アルコール濃度溶出溶媒中のアルコールの濃度と
して、好ましくは30〜55容量%、さらに好ましくは
35〜50容量%、特に好ましくは35〜45容量%程
度である。
【0052】溶出溶媒として55容量%以下のアルコー
ル水溶液を用いると、フラボン配糖体の濃度が高く、し
かも、クエルセチンなどの遊離フラボノール及びサリチ
ル酸誘導体などの有害成分濃度の極めて低い画分を得る
ことができる。特に、溶出溶媒のアルコール濃度を45
容量%以下とすると、クエルセチン濃度の著しく低い画
分が得られる。これは、上記溶出溶媒を用いることによ
り、前記有害成分の溶出が抑制されるためであると思わ
れる。
【0053】前記アルコールとしては、前記例示の一価
の低級アルコール等が挙げられる。なかでも炭素数1〜
4の一価アルコール、特に炭素数1〜3の一価アルコー
ル(例えば、エタノールなど)等が繁用される。溶出溶
媒の使用量は、溶媒の組成等により適宜選択できる。な
お、溶出は、前記アルコールの濃度を段階的に又は連続
的に変化させて行ってもよい。
【0054】(ii)アルカリ性溶出溶媒 前記アルカリ性溶出溶媒の好ましいpHの範囲は10以
上、特に10〜12.5、とりわけ10.5〜11.5
程度である。
【0055】pH9.5以上の溶出溶媒を用いると、フ
ラボン配糖体の濃度が極めて高く、サリチル酸誘導体、
クエルセチンなどの遊離フラボノール及びその他の成分
の濃度の低い画分を得ることができる。これは、溶出溶
媒をpH9.5以上とすることにより、フラボン配糖体
が溶出され易くなるためであると思われる。
【0056】前記pH9.5以上の溶出溶媒の調製は、
例えば、水などの水系溶媒に塩基を添加することにより
行うことができる。前記塩基には、無機塩基(例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなど
のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金
属の炭酸水素塩;炭酸アンモニウム;アンモニアな
ど)、及び有機塩基(例えば、酢酸ナトリウム、プロピ
オン酸カリウムなどのアルカリ金属の有機酸塩;ギ酸マ
グネシウム、酢酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属
の有機酸塩;トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチル
アミン、ピペリジンなどのアミン類;ピリジンなどの含
窒素複素環化合物など)が含まれる。これらのうち、溶
出後に溶出液から容易に除去できるアンモニア、炭酸ア
ンモニウム、及びメチルアミン、エチルアミンなどの低
沸点アミン類が好ましい。特にアンモニアなどが好適に
用いられる。
【0057】前記pH9.5以上の溶出溶媒は、溶出液
中のフラボン配糖体の純度を低下させない範囲で親水性
有機溶媒を含んでいてもよい。親水性有機溶媒として
は、前記例示の有機溶媒が挙げられ、なかでも、前記例
示の一価の低級アルコールなどのアルコール、特に炭素
数1〜4の一価アルコール、とりわけ炭素数1〜3の一
価アルコール(例えば、エタノールなど)等が好まし
い。有機溶媒の含有量は、例えば0〜15容量%、好ま
しくは0〜10容量%程度である。有機溶媒の含有量が
15容量%を越えると、例えば、遊離フラボノール、サ
リチル酸誘導体及びその他の成分が、フラボン配糖体な
どの有用成分と共に溶出し易くなる。
【0058】好ましい溶出溶媒には、pHが9.5以上
であって、0〜15容量%の一価の低級アルコールを含
む水系の溶出溶媒、例えば、水、または15容量%以下
の一価の低級アルコール水溶液等が含まれる。とりわ
け、pHが9.5以上の、水、又は10容量%以下の炭
素数1〜3の一価アルコール(例えば、エタノールな
ど)の水溶液等が好ましい。
【0059】(iii) 低アルコール濃度アルカリ性溶出溶
媒 前記低アルコール濃度アルカリ性溶出溶媒には、pH
9.5以上の、水又は15容量%以下のアルコール水溶
液が含まれる。アルコールとしては、前記例示の一価の
低級アルコールなどが挙げられ、なかでも炭素数1〜4
の一価アルコール、とりわけ炭素数1〜3の一価アルコ
ール(例えば、エタノールなど)等が好ましい。
【0060】溶出溶媒中の好ましいアルコール濃度は0
〜10容量%程度である。また、溶出溶媒の好ましいp
Hは10以上、特に10〜12.5、とりわけ10.5
〜11.5程度である。前記アルコール濃度が0〜15
容量%であって、且つpHが9.5以上の水系の溶出溶
媒を用いると、フラボン配糖体の濃度が極めて高く、サ
リチル酸誘導体、クエルセチンなどの遊離フラボノール
及びその他の成分の濃度の低い画分を得ることができ
る。溶出溶媒のpH調整は、前記(ii)の溶出溶媒の場合
と同様に行うことができる。
【0061】前記(ii)又は(iii) の溶出溶媒の使用量
は、溶媒のpH及び組成等により適宜選択できる。溶出
は、前記水溶液のpHや前記有機溶媒の濃度を、段階的
に又は連続的に変化させて行ってもよい。
【0062】溶出工程で得られた溶出液を、濃縮工程に
おいて濃縮し、イチョウエキスを得る。本発明の前記
(2) 〜(4) の方法において、前記溶出液を濃縮する際の
温度、pH、雰囲気は、特に限定されないが、溶出液の
濃縮を、(a) 80℃以下の温度で、(b) pH6〜8に調
整して、又は(c) 不活性ガス雰囲気下で行うのが好まし
い。
【0063】濃縮温度を80℃以下、特に20〜70℃
程度に保持すると、濃縮する溶出液の液性が酸性、例え
ばpH6以下、特に4以下であっても、フラボン配糖体
の加水分解によるクエルセチン等の遊離フラボノールの
副生が顕著に抑制される。そのため、クエルセチン含量
の著しく低いイチョウエキスを得ることができる。ま
た、濃縮温度を80℃以下にすると、濃縮時における着
色成分の生成も著しく抑制される。そのため、例えば、
波長550nmにおける吸光度[セル:1cm石英セ
ル;溶媒:50容量%エタノール水溶液;濃度:4mg
/ml]が0.20以下という極めて着色度の小さいイ
チョウエキスを得ることができる。
【0064】また、前記溶出液の液性を、濃縮に先立っ
て、予めpH6〜8、さらに好ましくはpH6〜7程度
に調整すると、例えば105℃程度の比較的高い温度で
濃縮しても、濃縮工程でのイチョウエキス中のフラボン
配糖体の加水分解が顕著に抑制される。そのため、クエ
ルセチン等の遊離フラボノール含量の極めて低いイチョ
ウエキスを効率的に得ることができる。また、溶出液の
液性がアルカリ性の場合には、液性を中性領域に調整し
て濃縮することにより、イチョウエキスの着色を軽減で
きる。
【0065】前記溶出液の液性の調整は、溶出液が酸性
の場合には塩基を添加することにより、また溶出液がア
ルカリ性の場合には溶出液中の塩基を留去または分解し
たり、溶出液に酸を添加することにより行うことができ
る。塩基としては、前記に例示した無機塩基及び有機塩
基が含まれる。前記酸としては、薬理的に許容できる
酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの
無機酸;及び酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、グリコー
ル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸等が挙げら
れる。
【0066】さらに、濃縮を、例えば、窒素、ヘリウ
ム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うと、比較
的高い温度、例えば105℃程度で濃縮を行っても、濃
縮中に着色成分がほとんど生成しない。そのため、例え
ば、波長550nmにおける前記吸光度が0.14以下
という極めて着色の程度の少ないイチョウエキスを得る
ことができる。
【0067】前記(a) 〜(c) の濃縮条件は、二以上組合
せて用いることができる。例えば、前記溶出液を、不活
性ガス雰囲気下、80℃以下の温度で濃縮することがで
きる。また、前記溶出液をpH6〜8に調整し、不活性
ガス雰囲気下で濃縮できる。さらに、前記溶出液をpH
6〜8に調整し、80℃以下の温度で濃縮することがで
きる。さらにまた、前記溶出液をpH6〜8に調整し、
不活性ガス雰囲気下、80℃以下の温度で濃縮すること
ができる。このように、前記(a) 〜(c) の濃縮条件を組
合せて用いることにより、クエルセチン含量及び着色度
の著しく小さい、極めて安全性の高いイチョウエキスを
得ることができる。
【0068】このようにして得られるイチョウエキス
は、液状濃縮エキスであってもよく、エキス末であって
もよい。エキス末は、液状のエキスを乾燥、及び必要に
応じて粉砕することにより得ることができる。乾燥は、
通風乾燥、加熱乾燥、天日乾燥、減圧乾燥、噴霧乾燥等
の慣用の乾燥方法、あるいはこれらを組合せることによ
り行うことができる。好ましい乾燥方法には、噴霧乾燥
などが含まれる。
【0069】イチョウエキスは、必要に応じて滅菌処理
してもよい。滅菌処理は、例えば、80〜120℃程度
の温度で10分〜1時間程度処理することにより行うこ
とができる。
【0070】こうして本発明の前記(2) 〜(4) の方法に
より、フラボン配糖体を、例えば15重量%以上の濃度
で含むと共に、サリチル酸誘導体含有量が30ppm以
下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1p
pm(HPLCの検出限界)未満であって、クエルセチ
ン含有量が0.02重量%以下、好ましくは0.01重
量%以下、さらに好ましくは0.001重量%(HPL
Cの検出限界)未満のイチョウエキスを得ることができ
る。特に、前記(3) または(4) の製造法によると、フラ
ボン配糖体を極めて高濃度、例えば30重量%以上、好
ましくは35重量%以上、さらに好ましくは40重量%
以上の濃度で含むイチョウエキスを簡易に得ることがで
きる。また、本発明の方法により、550nmにおける
前記吸光度が、例えば0.20以下、好ましくは0.1
4以下という極めて着色度の小さいイチョウエキスを得
ることができる。
【0071】なお、前記(a) 、(b) 又は(c) の濃縮条件
下で濃縮を行う方法は、前記吸着剤からの溶出液だけで
なく、一般に、イチョウ葉抽出成分を含む分離液の濃縮
に適用できる。
【0072】前記分離液は、イチョウ葉抽出成分を含ん
でいればよく、例えば、前記分離液として、イチョウ葉
抽出液、及びイチョウ葉抽出液に、濾過、遠心分離、蒸
溜、抽出、吸着剤による分離など分離操作を施して得ら
れるイチョウ葉抽出成分を含む溶液又は懸濁液等が挙げ
られる。
【0073】前記分離液の溶媒は、前記抽出溶媒として
例示した、水、又は親水性有機溶媒であってもよく、ま
た、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
などの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロ
ロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、プロピオン酸エチルなどのエステル;ジエチルエー
テル、ジブチルエーテルなどのエーテル;1−ペンタノ
ール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オク
タノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール等
の疎水性の有機溶媒、及びこれらの混合溶媒であっても
よい。
【0074】前記分離液の濃縮を、(a) 80℃以下の温
度で、(b) pH6〜8に調整して、又は(c) 不活性ガス
雰囲気下で、或いはこれらを組合せて行うことにより、
フラボン配糖体の加水分解や着色成分の生成が顕著に抑
制される。そのため、クエルセチン等の遊離フラボノー
ル及び/又は着色成分の含有量の極めて少ないイチョウ
エキスを得ることができる。
【0075】本発明の方法により得られるイチョウエキ
スはフラボン配糖体を含み、しかも有害成分濃度が低く
安全性が高いため、キャンデー、チョコレート、ガムな
どの菓子類、健康飲料、茶等の食品用添加物として、ま
た、医薬製剤の薬理活性成分として好適に用いることが
できる。
【0076】
【発明の効果】本発明のイチョウエキスは、サリチル酸
誘導体及びクエルセチンの含有量が共に著しく低いた
め、安全性が高い。
【0077】本発明の方法によれば、上記のような優れ
たイチョウエキスを、簡単な操作で収率よく得ることが
できる。
【0078】また、本発明の方法によれば、フラボン配
糖体を含み、クエルセチン及び/又は着色成分の含有量
の少ないイチョウエキスを簡単な操作で得ることができ
る。
【0079】
【実施例】以下に、実施例に基いて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0080】実施例において、イチョウエキス中のフラ
ボン配糖体、クエルセチン及びサリチル酸誘導体の定量
は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行っ
た。なお、前記イチョウエキス中のフラボン配糖体の含
有量は、イチョウエキスを塩酸による加水分解に供し、
遊離したフラボノール(クエルセチン、ケンフェロール
及びイソラムネチン)をHPLCにより定量することに
よって求めた。すなわち、イチョウエキスの試料約75
mgを正確に量り、これにメタノール10mlを加えて
溶解させ、次いで1.5NのHClを10ml加えて3
時間還流させた後、放冷し、メタノールで50mlにメ
スアップしてHPLC分析に供した。また、イチョウエ
キスの吸光度は、紫外分光光度計[U−3300;日立
製作所(株)製)]により測定した。以下に分析条件を
記す。
【0081】[フラボン配糖体の定量] カラム:カプセルパックC−18[資生堂(株)製] 移動相:0.05重量%リン酸水溶液/メタノール=7
/3(V/V)〜4/6(V/V)(45分のリニアグ
ラジエント) 流速:1.0ml/分 カラム温度:室温 検出:UV360nm [クエルセチンの定量] カラム:TSKgel ODS−80TS[東ソー
(株)製] 移動相:15容量%アセトニトリル、0.1容量%トリ
フルオロ酢酸水溶液 流速:1.0ml/分 カラム温度:50℃ 検出:UV360nm [サリチル酸誘導体の定量] カラム:カプセルパックC−18[資生堂(株)製] 移動相:0.05Mリン酸水溶液/メタノール=8/9
2(V/V) 流速:1.0ml/分 カラム温度:室温 検出:UV308nm [吸光度の測定] セル:1cm石英セル 波長:550nm 溶媒:50容量%エタノール水溶液 濃度:20mg/5ml 実施例1 イチョウ葉150gに水2000mlを加え、90℃で
3時間抽出し、残渣を濾別した。さらに、残渣に水10
00mlを加え、90℃で1.5時間抽出し、濾過し
た。得られた濾液を合わせ、セライト15gを加えて攪
拌した後、5A濾紙を用いて濾過した。
【0082】疎水性合成樹脂吸着剤[ローム・アンド・
ハース社製、アンバーライトXAD−2000]15m
lをカラムに充填し、水で平衡化した。上記セライト濾
過で得られた濾液のうち440mlを、空間速度2hr
-1で前記カラムに通し、吸着処理した。
【0083】次いで、カラムを、水75ml、及び20
容量%エタノール水溶液75mlで順次洗浄した。40
容量%エタノール水溶液75mlをカラムに通し、吸着
成分を溶出させた。
【0084】溶出液をロータリーエバポレーター(浴
温:40〜50℃)で濃縮乾固し、イチョウエキス32
0mg(1.45重量%対イチョウ葉)を得た。得られ
たイチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は17.
8重量%であった。また、イチョウエキス中のクエルセ
チン含量は0.001重量%(検出限界)未満、サリチ
ル酸誘導体含量は1ppm(検出限界)未満であった。
【0085】実施例2 40容量%エタノール水溶液に代えて、45容量%エタ
ノール水溶液75mlを用いて吸着成分を溶出した以外
は、実施例1と同様の操作を行い、イチョウエキス43
8mg(1.16重量%対イチョウ葉)を得た。得られ
たイチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は18.
0重量%、クエルセチン含量は0.002重量%、サリ
チル酸誘導体含量は1ppm(検出限界)未満であっ
た。
【0086】実施例3 40容量%エタノール水溶液に代えて、50容量%エタ
ノール水溶液75mlを用いて吸着成分を溶出した以外
は、実施例1と同様の操作を行い、イチョウエキス39
0mg(1.04重量%対イチョウ葉)を得た。得られ
たイチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は24.
1重量%、クエルセチン含量は0.005重量%、サリ
チル酸誘導体含量は1ppm(検出限界)未満であっ
た。
【0087】実施例4 イチョウ葉150gに水1500mlを加え、70℃で
2時間抽出し、残渣を濾別した。さらに、残渣に水10
00mlを加え、70℃で0.5時間抽出し、残渣を濾
別した。さらにまた、残渣に水1000mlを加え、7
0℃で0.5時間抽出し、濾過した。得られた濾液を合
わせ、セライト15gを加えて攪拌した後、5A濾紙を
用いて濾過した。
【0088】疎水性合成樹脂吸着剤[ローム・アンド・
ハース社製、アンバーライトXAD−2000]100
mlをカラムに充填し、水で平衡化した。上記セライト
濾過で得られた濾液を、空間速度2hr-1で前記カラム
に通し、吸着処理した。
【0089】次いで、カラムを、水500ml、20容
量%エタノール水溶液500mlで順次洗浄した。45
容量%エタノール水溶液500mlをカラムに通し、吸
着成分を溶出させた。
【0090】溶出液の半量をロータリーエバポレーター
(浴温:40〜50℃)で濃縮乾固し、イチョウエキス
960mg(1.3重量%対イチョウ葉)を得た。得ら
れたイチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は2
0.9重量%、クエルセチン含量は0.001重量%
(検出限界)未満、サリチル酸誘導体含量は1ppm
(検出限界)未満であった。また、イチョウエキスの波
長550nmにおける吸光度は0.11であった。
【0091】比較例1 40容量%エタノール水溶液に代えて、60容量%エタ
ノール水溶液75mlを用いて吸着成分を溶出した以外
は、実施例1と同様の操作を行い、イチョウエキス56
1mg(1.5重量%対イチョウ葉)を得た。得られた
イチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は25.4
重量%であった。しかし、イチョウエキス中のクエルセ
チン含量は0.05重量%、サリチル酸誘導体含量は4
6ppmと、何れも高い値を示した。
【0092】実施例5 イチョウ葉150gに水2000mlを加え、90℃で
2時間抽出し、残渣を濾別した。さらに、残渣に水10
00mlを加え、90℃で1.5時間抽出し、濾過し
た。得られた濾液を合わせ、セライト5gを加えて攪拌
した後、5A濾紙を用いて濾過した。
【0093】疎水性合成樹脂吸着剤[ローム・アンド・
ハース社製、アンバーライトXAD−2000]33m
lをカラムに充填し、水で平衡化した。上記セライト濾
過で得られた濾液のうち1100mlを、空間速度6h
-1で前記カラムに通し、吸着処理した。
【0094】次いで、カラムを、水166ml、20容
量%エタノール水溶液166ml、及び水166mlで
順次洗浄した。1重量%のアンモニアを含む5容量%エ
タノール水溶液(pH約12)166mlをカラムに通
し、吸着成分を溶出させた。
【0095】溶出液を、ロータリーエバポレーター(浴
温:40〜50℃)で濃縮乾固し、イチョウエキス35
0mg(0.7重量%対イチョウ葉)を得た。得られた
イチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は47.6
重量%であった。また、イチョウエキス中のクエルセチ
ン含量は0.001重量%(検出限界)未満、サリチル
酸誘導体含量は1ppm(検出限界)未満であった。
【0096】実施例6 イチョウ葉150gに水2000mlを加え、90℃で
2時間抽出し、残渣を濾別した。さらに、残渣に水15
00mlを加え、90℃で1.5時間抽出し、濾過し
た。得られた濾液を合わせ、セライト15gを加えて攪
拌した後、5A濾紙を用いて濾過した。
【0097】疎水性合成樹脂吸着剤[ローム・アンド・
ハース社製、アンバーライトXAD−2000]100
mlをカラムに充填し、水で平衡化した。上記セライト
濾過で得られた濾液のうち2000mlを、空間速度6
hr-1で前記カラムに通し、吸着処理した。
【0098】次いで、カラムを、水500ml、20容
量%エタノール水溶液500ml、及び水500mlで
順次洗浄した。2重量%アンモニア水溶液(pH約1
3)500mlをカラムに通し、吸着成分を溶出させ
た。
【0099】溶出液をロータリーエバポレーター(浴
温:40〜50℃)で濃縮乾固し、イチョウエキス37
0mg(0.42重量%対イチョウ葉)を得た。得られ
たイチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は35.
4重量%であった。また、イチョウエキス中のクエルセ
チン含量は0.001重量%(検出限界)未満、サリチ
ル酸誘導体含量は1ppm(検出限界)未満であった。
【0100】実施例7 セライト濾過で得られた濾液のうち1500mlをカラ
ムに通して吸着処理した点、及び0.5重量%アンモニ
ア水溶液(pH約11)500mlをカラムに通して吸
着成分を溶出させた点以外は、実施例6と同様の操作を
行い、イチョウエキス270mg(0.4重量%対イチ
ョウ葉)を得た。得られたイチョウエキス中のフラボン
配糖体の含有量は38.5重量%であった。また、イチ
ョウエキス中のクエルセチン含量は0.001重量%
(検出限界)未満、サリチル酸誘導体含量は1ppm
(検出限界)未満であった。
【0101】実施例8 イチョウ葉150gに水1500mlを加え、90℃で
2時間抽出し、残渣を濾別した。さらに、残渣に水15
00mlを加え、90℃で1.5時間抽出し、残渣を濾
別した。さらにまた、残渣に水1500mlを加え、9
0℃で1.5時間抽出し、濾過した。得られた濾液を合
わせ、セライト15gを加えて攪拌した後、5A濾紙を
用いて濾過した。
【0102】疎水性合成樹脂吸着剤[ローム・アンド・
ハース社製、アンバーライトXAD−2000]33m
lをカラムに充填し、水で平衡化した。上記セライト濾
過で得られた濾液のうち1360mlを、空間速度6h
-1で前記カラムに通し、吸着処理した。
【0103】次いで、カラムを、水167ml、20容
量%エタノール水溶液167ml、及び水167mlで
順次洗浄した。アンモニアでpH11.0に調整した
0.1M炭酸アンモニウム水溶液167mlをカラムに
通し、吸着成分を溶出させた。
【0104】溶出液をロータリーエバポレーター(浴
温:40〜50℃)で濃縮乾固し、イチョウエキス69
mg(0.10重量%対イチョウ葉)を得た。得られた
イチョウエキス中のフラボン配糖体の含有量は41.0
重量%であった。また、イチョウエキス中のクエルセチ
ン含量は0.001重量%(検出限界)未満、サリチル
酸誘導体含量は1ppm(検出限界)未満であった。
【0105】比較例2 アンモニアでpH11.0に調整した0.1M炭酸アン
モニウム水溶液に代えて、0.1M炭酸アンモニウム水
溶液(pH9.2)をカラムに通して吸着成分を溶出さ
せた以外は、実施例8と同様の操作を行った。その結
果、得られたイチョウエキスの重量は17mg(0.0
4重量%対イチョウ葉)と少なく、また、イチョウエキ
ス中のフラボン配糖体の含有量も2.5重量%と極めて
低い値を示した。
【0106】比較例3 前記特開平2−73079号公報の実施例2に記載の方
法に準じて、以下のようにイチョウエキスを得た。
【0107】イチョウ葉100kgを60%エタノール
水溶液で還流抽出し、得られたエキス27kgに20%
エタノール200Lを加え、50〜60℃に加熱した
後、不溶物を除去した。得られた溶液に活性炭10kg
を入れて10分間攪拌した後、濾過し、さらに100L
の20%エタノール水溶液で洗浄した。続いて、速やか
に2%アンモニアを含む40%エタノール水溶液によ
り、活性炭に吸着した成分を溶出させた。
【0108】溶出液を濃縮乾固し、イチョウエキス75
0gを得た。得られたイチョウエキス中のフラボン配糖
体の含有量は33重量%であった。しかし、イチョウエ
キス中のクエルセチン含量は0.05重量%、サリチル
酸誘導体含量は73ppmと、何れも高い値を示した。
【0109】実施例9〜11、比較例4〜5 イチョウ葉150gに水2000mlを加え、90℃で
3時間抽出し、残渣を濾別した。さらに、残渣に水10
00mlを加え、90℃で1.5時間抽出し、濾過し
た。得られた濾液を合わせ、セライト15gを加えて攪
拌した後、5A濾紙を用いて濾過した。
【0110】疎水性合成樹脂吸着剤[ローム・アンド・
ハース社製、アンバーライトXAD−2000]90m
lをカラムに充填し、水で平衡化した。上記セライト濾
過で得られた濾液のうち2640mlを、空間速度2h
-1で前記カラムに通し、吸着処理した。
【0111】次いで、カラムを、水450ml、及び2
0容量%エタノール水溶液450mlで順次洗浄した。
40容量%エタノール水溶液450mlをカラムに通
し、吸着成分を溶出させた。
【0112】この溶出液から、ロータリーエバポレータ
ーにより減圧下でエタノールを留去し(約45℃、約2
時間)、イチョウエキス1重量%を含む水溶液(pH
3.3)を調製した。
【0113】上記イチョウエキスを含む水溶液を実験の
数だけ調製し、それぞれ、下記に示す温度で表1に示す
時間をかけて濃縮乾固した。
【0114】実施例9 60℃ 実施例10 70℃ 実施例11 80℃ 比較例4 95℃ 比較例5 105℃ 得られたイチョウエキス中のクエルセチン含量(重量
%)をHPLCにより測定した。その結果を表1及び図
1に示す。なお、表中の数字はイチョウエキス中のクエ
ルセチン含量(重量%)を示す。また、表中の「−」は
データが無いことを示す(以下、同じ)。
【0115】
【表1】 表1及び図1から明らかなように、95℃以上の温度で
濃縮した場合には、クエルセチン含量の非常に高いイチ
ョウエキスが得られたのに対し、60℃〜80℃で濃縮
した場合には、比較的長時間かけて濃縮した場合であっ
ても、クエルセチン含量の極めて低いイチョウエキスが
得られた。
【0116】実施例12〜13、比較例6 実施例4と同様にして得られた溶出液から、ロータリー
エバポレーターにより減圧下でエタノールを留去し(約
45℃、約2時間)、イチョウエキス1重量%を含む水
溶液を調製した。
【0117】上記イチョウエキスを含む水溶液を実験の
数だけ調製し、それぞれ、下記に示す温度で、空気雰囲
気下、表2に示す時間をかけて濃縮乾固した。
【0118】実施例12 60℃ 実施例13 70℃ 比較例6 90℃ 得られたイチョウエキスの波長550nmにおける吸光
度を測定した。その結果を表2に示す。なお、表中の数
字は吸光度を示す。
【0119】
【表2】 表2に見られるように、60℃及び70℃で濃縮した場
合には、90℃で濃縮した場合に比べて吸光度が約25
%以上低く、比較的長時間かけて濃縮しても前記吸光度
が0.20以下の極めて着色の少ないイチョウエキスが
得られた。
【0120】実施例14〜15 実施例9〜11の場合と同様にして調製した1重量%の
イチョウエキスを含む水溶液に、水酸化ナトリウム水溶
液を加えてpHを6.8に調整した。この溶液を実験の
数だけ準備し、それぞれ、下記に示す温度で、表3に示
す時間をかけて濃縮乾固した。
【0121】実施例14 95℃ 実施例15 105℃ 得られたイチョウエキス中のクエルセチン含量(重量
%)をHPLCにより測定した。その結果を表3に示
す。なお、表中の数字はイチョウエキス中のクエルセチ
ン含量(重量%)を示す。
【0122】
【表3】 表1及び表3から明らかなように、濃縮時の温度が比較
的高い条件では、イチョウエキスを含む水溶液のpHが
3.3の場合には、クエルセチン含量の非常に高いイチ
ョウエキスが得られたのに対し、イチョウエキスを含む
水溶液のpHを6.8に調整して濃縮した場合には、ク
エルセチン含量の極めて低いイチョウエキスが得られ
た。
【0123】実施例16、比較例7 実施例12〜13の場合と同様にして調製した1重量%
のイチョウエキスを含む水溶液を実験の数だけ準備し、
下記の雰囲気下、それぞれ105℃の温度で表4に示す
時間をかけて濃縮乾固した。
【0124】実施例16 窒素雰囲気 比較例12 空気雰囲気 得られたイチョウエキスの波長550nmにおける吸光
度を測定した。その結果を表4に示す。なお、表中の数
字は吸光度を示す。
【0125】
【表4】 表4に見られるように、空気雰囲気下では、吸光度が経
時的に増大したのに対し、窒素雰囲気下では、8時間経
過後も吸光度は変化しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例9〜11及び比較例4〜5の結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−227985(JP,A) 特開 平2−73079(JP,A) 特開 平4−182434(JP,A) 特開 平4−288019(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A23L 1/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イチョウ葉を抽出溶媒により抽出する抽
    出工程と、得られた抽出液を疎水性合成樹脂吸着剤で処
    理する吸着工程と、25容量%以下のアルコール水溶液
    で前記吸着剤を洗浄する洗浄工程と、前記吸着剤に吸着
    した成分を溶出溶媒により溶出させる溶出工程と、溶出
    液を濃縮してイチョウエキスを得る濃縮工程とを含むイ
    チョウエキスの製造法であって、前記溶出溶媒として
    0〜55容量%のアルコールを含むアルコール水溶液
    用い、前記濃縮工程で、(a)80℃以下の温度で、及び
    /又は(b)溶出液をpH6〜8に調整して濃縮し、フラ
    ボン配糖体を15重量%以上含有し、クエルセチン含有
    量が0.02重量%以下、及びサリチル酸誘導体含有量
    が30ppm以下のイチョウエキスを製造する方法。
  2. 【請求項2】 抽出液を酸性条件下、吸着剤で処理する
    請求項1記載のイチョウエキスの製造法。
  3. 【請求項3】 アルコールとして、炭素数1〜3の一価
    アルコールを用いる請求項1又は2に記載のイチョウエ
    キスの製造法。
  4. 【請求項4】 イチョウ葉を抽出溶媒により抽出する抽
    出工程と、得られた抽出液を疎水性合成樹脂吸着剤で処
    理する吸着工程と、洗浄液で前記吸着剤を洗浄する洗浄
    工程と、前記吸着剤に吸着した成分を溶出溶媒により溶
    出させる溶出工程と、溶出液を濃縮してイチョウエキス
    を得る濃縮工程とを含むイチョウエキスの製造法であっ
    て、前記洗浄工程で、25容量%以下のアルコール水溶
    液で洗浄した後、更に水で洗浄し、前記溶出工程で0〜
    15容量%のアルコールを含むpH10以上の水系の溶
    出溶媒を用い、前記濃縮工程で、(a)80℃以下の温度
    で、及び/又は(b)溶出液をpH6〜8に調整して濃縮
    し、フラボン配糖体を15重量%以上含有し、クエルセ
    チン含有量が0.02重量%以下、及びサリチル酸誘導
    体含有量が30ppm以下のイチョウエキスを製造する
    方法。
  5. 【請求項5】 フラボン配糖体を30重量%以上含有す
    る請求項記載のイチョウエキスの製造法。
  6. 【請求項6】 イチョウ葉抽出成分を含む溶出液を不活
    性ガス雰囲気下で濃縮する請求項1〜4の何れかの項に
    記載のイチョウエキスの製造法。
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