JP3518268B2 - 超音波流量計 - Google Patents

超音波流量計

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JP3518268B2
JP3518268B2 JP22328997A JP22328997A JP3518268B2 JP 3518268 B2 JP3518268 B2 JP 3518268B2 JP 22328997 A JP22328997 A JP 22328997A JP 22328997 A JP22328997 A JP 22328997A JP 3518268 B2 JP3518268 B2 JP 3518268B2
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明久 足立
裕治 中林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波により可燃
性流体の流量計測を行う超音波流量計に関するもので、
特にLPガスや天然ガスの流量計測を行う超音波流量計
に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来この種の超音波流量計に用いる超音波
振動子には、例えば特表平6−500389号公報が知
られており、図13に示すようにエポキシ樹脂と微小ガ
ラス球からなる第1の整合層53は圧電セラミック5
2、超音波吸収体54を内包するケースとして共用して
いた。また超音波流量計としては特公平7−60160
号公報が知られており、図14に示すように測定管63
を流れる被測定流体の流量を測定するため、超音波振動
子55、56はチャンバ57、58に配置されており、
このチャンバ57、58の前方に置かれた隔壁59、6
0に設けられた円形孔には好ましくない粒子の混入を防
ぐためガーゼ61、62が備えられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、LPガスや天然ガスに接触しながら流量
計測を行う超音波振動子に対してエポキシ樹脂と微小ガ
ラス球からなる材料をケースとして利用すると、この材
料は微多孔性を有すためケースの中にLPガスや天然ガ
スが侵入することが考えられ、何らかの要因で圧電体に
高電圧がかかり、さらに酸素が十分ある場合には、引火
の可能性があるかもしれないという課題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、超音波振動子を構成する圧電体は可燃性被
測定流体から遮断する金属製ケースで内包し、この金属
製ケースと金属製の流量計測部とを同電位としたもので
ある。
【0005】上記発明によれば、超音波振動子内部や超
音波振動子と流量測定部の間での万一の放電によるガス
への引火の可能性をなくすることができるので可燃性流
体の流量計測を行う超音波流量計の安全性を向上でき
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態の超音波流量
計は、流量測定部を流れる可燃性被測定流体に接触しな
がら超音波を送受信する一対の超音波振動子と、前記超
音波振動子間の超音波伝搬時間を計測する計測回路と、
この計測回路の信号に基づいて流量を算出する流量演算
手段を備え、前記超音波振動子を構成する圧電体は前記
可燃性被測定流体から遮断するケースで内包されおり、
超音波振動子内部での放電によるガスへの引火の可能性
をなくすることができ、安全性の高い超音波流量計を得
ることができる。
【0007】本発明の第2の形態の超音波流量計は、第
1の形態の超音波流量計において、ケースが導電性を有
す材料からなり、ケースによるシールド効果によりノイ
ズの影響を低減でき、高精度な超音波流量計を得ること
ができる。
【0008】本発明の第3の形態の超音波流量計は、第
1の形態の超音波流量計において、ケースが金属からな
る。
【0009】本発明の第4の形態の超音波流量計は、金
属からなる流量測定部と導電性を有すケースとを同電位
としたため、流量測定部とケースの間での放電防止がで
き、安全性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0010】本発明の第5の形態の超音波流量計は、可
燃性被測定流体に接触する金属からなる流量測定部の振
動子取付穴の内壁面と導電性を有すケースとの間に絶縁
層を設けたため、流量測定部とケースの間での放電防止
ができ、安全性の高い超音波流量計を得ることができ
る。
【0011】本発明の第6の形態の超音波流量計は、可
燃性被測定流体に接触する導電性を有すケースの少なく
とも側壁に絶縁層を設けたため、流量測定部とケースの
間での放電防止ができ、安全性の高い超音波流量計を得
ることができる。
【0012】本発明の第7の形態の超音波流量計は、可
燃性被測定流体に接触する金属からなる流量測定部の振
動子取付穴の少なくとも内壁面に絶縁層を設けたため、
流量測定部とケースの間での放電防止ができ、安全性の
高い超音波流量計を得ることができる。
【0013】本発明の第8の形態の超音波流量計は、金
属からなる流量測定部において可燃性被測定流体に非接
触な位置でかつ導電性を有するケースの近傍に電極部を
設け、前記電極部と前記ケースにより放電可能としたた
め、可燃性被測定流体に接触する位置での流量測定部と
ケースの間での放電防止ができ、安全性の高い超音波流
量計を得ることができる。
【0014】本発明の第9の形態の超音波流量計は、金
属からなる流量測定部の可燃性被測定流体に非接触な位
置において、高抵抗体を介して前記流量測定部と導電性
を有すケースとを接触させたため、可燃性被測定流体に
接触する位置での流量測定部とケースの間での放電防止
ができ、安全性の高い超音波流量計を得ることができ
る。
【0015】本発明の第10の形態の超音波流量計は、
流量測定部に設けた振動子取付穴の超音波振動子より可
燃性被測定流体が流れる流路側に少なくとも1つ以上の
網目状構造体を設けたため、振動子取付穴内部で放電に
より発生した熱が流路を流れる可燃性被測定流体に広が
ることを防止でき、安全性の高い超音波流量計を得るこ
とができる。
【0016】本発明の第11の形態の超音波流量計は、
第10の形態の超音波流量計において、可燃性被測定流
体よりも熱伝導率の高い材料からなる網目状構造体を設
ける。
【0017】本発明の第12の形態の超音波流量計は、
第10の形態の超音波流量計において、金属からなる網
目状構造体を設ける。
【0018】本発明の第13の形態の超音波流量計は、
圧電体を内包するケースの外側に整合層を設けたため、
超音波振動子の感度を向上でき、高精度な超音波流量計
を得ることができる。
【0019】本発明の第14の形態の超音波流量計は、
第13の形態の超音波流量計において、圧電体を内包す
るケースならびに前記ケースの外側に設けた整合層の側
壁に剥離防止体を設けたため、整合層の剥離防止がで
き、信頼性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0020】本発明の第15の形態の超音波流量計は、
第13の形態の超音波流量計において、整合層表面なら
びに前記整合層とケースとの接続部の周囲に保護膜を設
けたため、可燃性非測定流体による整合層の劣化が防止
でき、信頼性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0021】本発明の第16の形態の超音波流量計は、
第13の形態の超音波流量計において、整合層の側壁全
体を覆うよう配置した振動規制体を設けたため、整合層
の不要な振動モードを低減し超音波振動子の感度が向上
できるので、高精度な超音波流量計を得ることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。なお図面中で同一符号を付しているものは同
一なものであり、詳細な説明は省略する。
【0023】(実施例1) 図1は本発明の実施例1の超音波流量計の構成図であ
る。また図2は図1の流路1の断面(a−a’)を横か
ら見た断面図である。図1において、1は流量測定部の
断面で、2は流路、3、4は流路2の側壁部、5、6は
側壁部3、4に設けた振動子取付穴7、8に取り付けら
れた超音波振動子で、9、10は超音波振動子5、6と
振動子取付穴7、8の間のシール材、11は超音波振動
子5、6に接続された計測回路、12は計測回路11に
接続された流量演算手段、34、35は超音波振動子
5、6と側壁部3、4に電気的に接続する導通手段であ
る。図2において13は流路2の下部で、14はシール
材16を介して側壁部3、4に接続された上板部で、1
5は流路2の矩形形状の断面である。
【0024】以上のように構成された超音波流量計の流
量測定部の作製方法の一例について図1、図2を用いて
説明する。流量測定部1を構成する材料には可燃性被測
定流体に対して化学変化を生じず、導電性を有す材料を
用いる。本実施例では可燃性被測定流体を例えばLPガ
ス、超音波流量計として家庭用ガスメータを想定する
と、流量測定部1を構成する材料は(財)日本エルピー
ガス機器検査協会や(財)日本ガス機器検査協会の検査
規程に記載された材料のうち、例えばアルミニウム合金
ダイカストとした。側壁部3、4の端面に例えばコルク
材からなるシール材16を介して上板部10をネジどめ
して、断面形状が矩形の流路2を有す流量測定部1を構
成する。また超音波振動子5、6は送受波面が相対する
よう側壁部3、4に斜めに設けられた振動子取付穴7、
8に例えばOリングからなるシール材9、10を介して
固定する。最後にLPガスに接触しない位置で超音波振
動子5、6と流量測定部1を電気的に接続するため例え
ばリード線からなる導通手段34、35を超音波振動子
5、6と側壁部3、4にそれぞれ例えば導電性ペースト
で接着する。
【0025】以上のように構成された流量測定部1を用
いた超音波流量計についてその動作を説明する。超音波
振動子5と超音波振動子6の中心を結ぶ距離をLとし、
この直線と流れの方向である流路2の長手方向となす角
をθとする。またLPガスの無風状態での音速をC、流
路2内でのLPガスの流速をVとする。流量測定部1の
上流側に配置された超音波振動子5から送信された超音
波は流路2を斜めに横断し、下流側に配置された超音波
振動子6で受信する。
【0026】このときの伝搬時間t1は、
【0027】
【数1】
【0028】で示される。次に送信・受信する超音波振
動子を切り替え、超音波振動子6から超音波を送信し、
超音波振動子5で受信する。このときの伝搬時間t2
は、
【0029】
【数2】
【0030】で示される。t1とt2の式からLPガス
の音速Cを消去すると、
【0031】
【数3】
【0032】の式が得られる。Lとθが既知ならば、計
測回路11にてt1とt2を測定すれば流速Vが求めら
れる。この流速Vから流量Qは、断面15の面積をS、
補正係数をKとすれば、流量演算回路12で、Q=KS
Vを演算し、流量を求めることができる。
【0033】以上のような動作原理で流量計測を行う超
音波流量計に用いる超音波振動子について図3、図4を
用いて説明する。図3は超音波振動子の断面図で、図4
は超音波振動子に用いる圧電体の外観図である。
【0034】LPガスのような可燃性ガスは音響インピ
ーダンスが小さく、配管の外に配置した超音波振動子か
ら超音波を伝搬させることは困難である。そこで超音波
振動子はLPガスに接触しながら計測する必要がある。
さらに家庭用ガスメータでは、電池電圧程度で超音波振
動子を駆動し、かつ計量器に求められる性能を有す必要
がある。以上のことから超音波振動子には火炎発生防止
と高感度化が求められる。
【0035】そこで上記の特性を満足する超音波振動子
の作成方法の一例を簡単に説明する。まず超音波振動子
17に用いる圧電体18はケース19に接着固定してケ
ース19を圧電体18のグランドと共用を図るため、広
がり振動を主モードとする圧電体では横方向に広がりに
くくなり高感度化が困難であるので、厚み縦振動を主モ
ードとする圧電体を選択する。
【0036】例えば計測精度から周波数を約400kH
z、流路2の寸法から圧電体18の横28、縦29を8m
mと設定する。周波数から圧電体18の厚み30は4mm
となるが、このような直方体の圧電体18は400kHz
近傍では厚み縦振動と広がり振動が混在するため、超音
波を効率良く送受信できない。そこで厚み縦振動が主モ
ードとするため、W1、W2、W3に対する厚みの比が
好ましくは0.8以下となるように圧電体18に溝31
を2本設ける。溝の深さは、好ましくは厚みの90%以
上程度とする。しかし溝の本数や深さ、W1、W2、W
3のそれぞれの寸法は超音波振動子17の特性と圧電体
18の構造的強度から判断する。
【0037】次に圧電体18を導電性を有す例えば有天
円筒状の厚み0.2mmのステンレス製ケース19の内側
に絶縁性のエポキシ系接着剤を用いて加圧しながら接着
する。このとき接着層の厚みは圧電体18の電極Aの表
面粗さにもよるが、10マイクロメータ以下、好ましく
は5マイクロメータ以下の厚みとすると、圧電体18の
電極A20の1個以上の凸部がケース19に直接接触す
るため電気的導通も可能となる。
【0038】それからケース19の外側の超音波放射に
は例えばエポキシ樹脂と微小ガラス球からなる円板形状
の整合層21をエポキシ系接着剤で接着する。ケース1
9のフランジ部22に例えば厚み0.5mmの円板形状の
ステンレス製端子板23は圧電体18とケース19の接
着と同様に絶縁性のエポキシ系接着剤で加圧しながら接
着し、密封と同時にケース19と端子板23の電気的導
通を可能とする。圧電体18の電極B25と端子板23
に絶縁層33を介して固定された端子B27はリード線
25をハンダ付けする。またケース19と端子板23で
作られた密封空間28には例えば窒素のような不活性ガ
スを充填する。
【0039】ここで何らかの理由により、例えば雷によ
り生じた高電圧が端子A24、端子B27と計測回路1
1を接続する図示していないリード線を通じて圧電体1
8に印加されたり、あるいは圧電体18に電荷が蓄積さ
れた場合を考える。圧電体18の電極A20と電極B2
5の間に高電圧がかけられたり、非常にたくさんの電荷
が蓄積されると電極A20と電極B25の間や電極B2
5とケース19の間で放電が起こることがある。放電が
起こっても圧電体18はケース19により密封されてい
て、空間28にはLPガスが浸入できない構造となって
いるためLPガスに引火することは無い。さらに流量測
定部1に配置された超音波振動子5、6と側壁部3、4
はそれぞれ導通手段34、35で電気的に接続されてい
るため同電位となっている。このためLPガスに接触し
ている超音波振動子5、6と振動子取付穴7、8の間で
の放電が起こることも防止できる。
【0040】以上のように、本実施例によれば直方体の
圧電体18に2本の溝を設けることにより厚み縦振動を
利用することが可能となる。また圧電体18とケース1
9、ケース19と端子板23を厚み10マイクロメータ
以下、好ましくは5マイクロメータ以下の絶縁性のエポ
キシ樹脂系接着層で接着固定することにより、接着強度
と同時に導通も取ることができる。また圧電体18の溝
により分割された電極A20をケース19に接着固定す
ることにより、分割電極の接続が容易となるし、分割さ
れた圧電体18が横方向へたわむような振動をすること
を防止できる。
【0041】なお実施例1では、流量測定部1と超音波
振動子5、6を電気的に接続するとしたが、流量測定部
1と超音波振動子5、6と計測回路11とを電気的に接
続しても良いし、流量測定部1あるいは超音波振動子
5、6のケース19が絶縁体であれば同電位にする必要
はない。
【0042】(実施例2) 以下、本発明の実施例2について、図面を参照しながら
説明する。
【0043】図5は本発明の実施例2における超音波流
量計の流量測定部1の超音波振動子取付部分の断面図で
ある。図5における2、3、4、7は流量測定部1の流
路、側壁部、振動子取付穴で、以上は図2の構成と同様
なものである。図2の構成と異なるのは、振動子取付穴
7うち可燃性被測定流体に接触する全ての内壁面に絶縁
層36を設けた点と、超音波振動子5のフランジ部37
を挟み込む形状のシール材38を設けた点と、シール材
38を介して超音波振動子5を振動子固定部品39で固
定した点である。
【0044】上記のように構成された超音波流量計の流
量測定部1の作成方法、動作原理は実施例1と同様にな
るため省略する。
【0045】超音波流量計の流量計測部1への超音波振
動子5の取り付け方法の一例について簡単に説明する。
流量測定部1の振動子取付穴7のうち少なくともLPガ
スのような可燃性被測定流体に接触する内壁面に例えば
絶縁体である厚み0.1mmの厚みのポリミドからなる絶
縁層36を設ける。超音波振動子5のフランジ部37の
外周に例えばLPガスに耐性を有すNBRゴムからなる
円筒状のシール材38をはめ込む。シール材38をはめ
込んだ超音波振動子5を振動子取付穴7に挿入する。フ
ランジ部37の後方に例えばリング形状のテフロンから
なる絶縁体でできた振動子固定部品39を配置し、図示
していない例えばネジで超音波振動子5を固定する。
【0046】例えばLPガスのような可燃性気体に接触
しながら流量を計測する家庭用ガスメータでは、安全面
からは低い電圧で駆動することが望ましいが、測定精度
からすると高い電圧で駆動し受信信号レベルを高めるこ
とが望ましい。そこで電池電圧をプラス方向とマイナス
方向に変えながら駆動する双方向駆動(バイポーラ駆
動)を考える。双方向駆動するためには超音波振動子5
に接続された図示されていない回路とアースとなってい
る流量計測部1は電気的に独立している必要がある。
【0047】しかし上記のような構成では例えば急激な
熱変動により超音波振動子5内部に電荷が蓄積され、超
音波振動子5と流量測定部1との間に電位差が生じる
と、この電位差が高ければ超音波振動子5のケース側壁
40、フランジ部37と流量測定部1の側壁部3の間で
最も距離の短いところで放電を起こす可能性がある。放
電が振動子取付穴7内部で起こり、さらに酸素が十分存
在すると、LPガスに引火する可能性がある。
【0048】本実施例の構成ではフランジ部37を絶縁
性のあるシール材38で覆い、振動子取付穴7の内壁面
に絶縁層36を設けることにより、超音波振動子5と振
動子取付穴7のLPガスに接触した部位での放電が防止
できる。
【0049】なお実施例2では、絶縁層36を振動子取
付穴7のうち少なくとも超音波振動子5を固定した後L
Pガスのような可燃性被測定流体に接触する内壁面に設
けるとしたが、放電防止が可能なら上記範囲より狭くて
も、広くても構わない。また絶縁層36を振動子取付穴
7の内壁面に設けるとしたが、超音波振動子5のケース
側壁40やケース側壁40と振動子取付穴7の隙間に設
けても構わないし、複数の絶縁層を設けても構わない。
【0050】(実施例3) 以下、本発明の実施例3について、図面を参照しながら
説明する。
【0051】図6は本発明の実施例3における超音波流
量計の流量測定部1の超音波振動子取付部分の断面図で
ある。図6において、3、7は流量測定部1の側壁部、
振動子取付穴、37、41は超音波振動子5のフランジ
部、リード線、38はシール材、39は振動子取付部品
で、以上は図5の構成と同様なものである。図5の構成
と異なるのは、側壁部3にフランジ部37近傍までのび
る例えばステンレス製の針状の突起部を設けた点と振動
子取付穴7の内壁面に絶縁層を設けなかった点である。
【0052】ここで電極部42の先端とフランジ部37
の距離が超音波振動子5と流量測定部1の間で最も近
く、かつ放電可能な距離となるよう電極部42を側壁部
3に設ける。このような位置関係では、電極部42の先
端とフランジ部37の間で放電が発生じるが、LPガス
が存在しない位置での放電のため、LPガスへの引火が
防止できる。
【0053】なお実施例3では、ステンレス製の針状の
電極部42を側壁部3に設けるとしたが、上記条件に限
定されるわけでなく、材料、形状を適宜変えて構成する
ことができ、例えば金メッキしたステンレスでも構わな
いし、可燃性非測定流体に接触しない位置で放電が可能
ならどのような構成でも構わない。また振動子取付部品
39は実施例2と同様に絶縁体としたが、導体とし電極
部42のかわりに利用してもよい。
【0054】(実施例4) 以下、本発明の実施例4について、図面を参照しながら
説明する。
【0055】図7は本発明の実施例4における超音波流
量計の流量測定部1の超音波振動子取付部分の断面図で
ある。図7において、3、7は流量測定部1の側壁部、
振動子取付穴、37、41は超音波振動子5のフランジ
部、リード線、38はシール材、39は振動子取付部品
で、以上は図5の構成と同様なものである。図5の構成
と異なるのは、側壁部3とフランジ部37を電気的に接
続する高抵抗体43を設けた点と振動子取付穴7の内壁
面に絶縁層を設けなかった点である。
【0056】そこで超音波振動子5と流量測定部1を高
抵抗体43で接続することを考える。高抵抗体43は例
えば抵抗が1MΩ程度となるようシリコンゴムに少量の
カーボンを混合した材料を選択する。超音波振動子5を
駆動する電池電圧程度では数マイクロアンペアしか電流
が流れないので、双方向駆動にはほとんど影響を与えな
い。超音波振動子5と流量測定部1との間に生じた電位
差が高い場合、超音波振動子5と流量測定部1との間の
放電発生条件よりも高抵抗体43を通じて流量測定部1
に電流を流れ易くしておけば、放電は発生しない。さら
に高抵抗体43の両端に高電圧かかるため、超音波振動
子5に接続された図示されていない回路にかかる電圧が
下げられ、高電圧による回路の故障も避けられる。
【0057】なお実施例4では、また高抵抗体43を抵
抗が1MΩ程度となるようシリコンゴムに少量のカーボ
ンを混合した材料としたが、上記条件に限定されるわけ
でなく、抵抗値、材料、形状を適宜変えて構成すること
ができ、例えば超音波流量計に要求される必要絶縁耐圧
に応じ1MΩ〜100MΩの抵抗値となるよう絶縁材料に
導電材料を混合したゴム系材料や塗布可能な材料でも構
わない。また側壁部3とフランジ部37を電気的に接続
するために高抵抗体43を設けたが、シール材38や振
動子取付部品39を高抵抗体43として用いても構わな
い。
【0058】(実施例5) 以下、本発明の実施例5について、図面を参照しながら
説明する。
【0059】図8は本発明の実施例5における超音波流
量計の流量測定部1の超音波振動子取付部分の断面図で
ある。図8において、3、7は流量測定部1の側壁部、
振動子取付穴、37、41は超音波振動子5のフランジ
部、リード線、38はシール材、39は振動子取付部品
で、以上は図5の構成と同様なものである。図5の構成
と異なるのは、振動子取付穴7の流路2に接した面の全
体を覆う例えばメッシュサイズ500番のステンレス製
メッシュからなる網目状構造体44を設けた点と振動子
取付穴7の内壁面に絶縁層を設けなかった点である。
【0060】さまざまな放電防止対策を行っても、何ら
かの理由で放電防止対策が働かず放電してしまう最悪の
ケースも考えられる。そこで何らかの理由により振動子
取付穴7の内部で放電が発生した場合を考える。振動子
取付穴7の内部で放電により発生した熱は、流路2を流
れるLPガスに広がろうとする。このとき振動子取付穴
7に設けた網目構造体44に熱が到達すると、メッシュ
サイズが500番と小さいうえ、ステンレスの方がLP
ガスより熱伝導度が高いため、熱は流路2に広がらず、
網目構造体44を伝わり側壁部3に伝導してしまう。こ
の結果、熱が流路2に広がることを防止でき、LPガス
への引火の危険を防止できる。また網目構造体にはメッ
シュ穴が多数存在するため、超音波の伝搬が可能である
ため、流量の計測への影響は少ない。
【0061】なお実施例5では、網目状構造体44を振
動子取付穴7の流路2に接した面の全体を覆うよう設け
るとしたが、振動子取付穴7の超音波振動子5と流路2
の間でも構わないし、1枚以上ならば何枚でも構わな
い。また網目状構造体44をメッシュサイズ500番の
ステンレス製メッシュとしたが、上記条件に限定される
わけでなく、熱の広がり防止が可能で超音波の伝搬も可
能な構成ならなんでも構わず、例えばメッシュサイズが
100〜500番程度の金属やセラミックのメッシュで
良く、小さい穴の開いた金属板や樹脂板でも構わない。
また本実施例では放電対策を行っていないが、実施例1
〜4に示した放電対策と組み合わせて実施しても良い。
【0062】(実施例6) 以下、本発明の実施例6について、図面を参照しながら
説明する。
【0063】図9は本発明の実施例6における超音波流
量計に用いる超音波振動子の外観図、図10は超音波振
動子の断面図である。図9、図10において、18は圧
電体、22はケース19のフランジ部、21は整合層、
23は端子板で、以上は図3の構成と同様なものであ
る。図3の構成と異なるのは、ケース19の側壁部46
と整合層21の側壁を覆うように剥離防止体45を設け
た点、整合層21とケース19の天上部47の間に接着
層を設けた点である。
【0064】上記のように構成された超音波振動子の作
成方法は実施例1と同様になるため省略する。
【0065】例えば可燃性非測定流体をLPガスとする
と、LPガスのような可燃性ガスは音響インピーダンス
が小さく、配管の外に配置した超音波振動子から超音波
を伝搬させることは困難である。そこで超音波振動子は
LPガスに接触しながら計測する必要が有る。さらに家
庭用ガスメータを想定すると、電池電圧程度で超音波振
動子を駆動し、かつ計量器に求められる性能を有す必要
がある。以上のことから超音波振動子には放電によるガ
スへの引火の可能性をなくすることと高感度化が求めら
れる。
【0066】上記の要求を満足するため、電圧が印加さ
れる圧電体18は例えば厚み0.2mmの有天円筒状のス
テンレス製ケース19と端子板23で密封し、放電によ
るガスへの引火の可能性をなくする構成とする。またL
Pガスのような気体に対して効率良く超音波の送受信す
るため、ケース19の天井部10の外側に例えばエポキ
シ樹脂と微小ガラス球からなる円板形状の整合層21を
エポキシ樹脂系接着剤にて接着する。
【0067】しかしエポキシ樹脂と微小ガラス球からな
る整合層21は微多孔質な材料であるため、LPガスが
整合層21を透過して接着層47を劣化させたり、接着
層47の横からLPガスが接着層47を劣化され、整合
層21が剥離する危険性がある。そこで整合層21は天
上部48に密着していれば特性に影響を与えないので、
接着層47がLPガスにより劣化されても整合層21が
剥離しない手段を考える。まず、例えば整合層21の側
壁とケース19の側壁部46全体に例えば厚み1mm程度
のエポキシ樹脂からなる剥離防止体45を塗布する。さ
らに接着層47に例えば弾力性と粘着性のあるエラスト
マ系エポキシ樹脂を用いる。このような構成を用いる
と、接着層47の横からLPガスが接着層47を劣化す
るのを防止できるし、整合層21が剥離する方向に力が
かかっても剥離防止体45により剥離することが妨げら
れる。さらに接着層48をエラストマ系エポキシ樹脂と
すると、その弾力によりケース19と整合層21の熱膨
張係数の違いによって発生する剥離する方向の力をある
程度吸収できるので、剥離に対して強くなる。
【0068】なお実施例6では、剥離防止体47を厚み
1mmのエポキシ樹脂とし整合層21の側壁と側壁部46
全体に設けたが、上記条件に限定されるわけでなく、厚
み、材料、設ける範囲は適宜変えて構成することがで
き、例えば金属や樹脂製のパイプを接着固定してもよ
い。また接着層47をエラストマ系エポキシ樹脂とした
が、上記条件に限定されるわけでなく、適宜変えて構成
することができ、例えばエポキシ樹脂系接着剤でも構わ
ない。また剥離防止体47を絶縁体とし、実施例2の超
音波振動子5に設けた絶縁層36として用いてもよい。
【0069】(実施例7) 以下、本発明の実施例7について、図面を参照しながら
説明する。
【0070】図11は本発明の実施例7における超音波
振動子の断面図である。図11において、46はケース
19の側壁部、21は整合層で、以上は図10の構成と
同様なものである。図10の構成と異なるのは、ケース
19の側壁部46と整合層21の全ての表面を覆うよう
に保護膜49を設けた点である。
【0071】上記のように構成された超音波振動子の作
成方法は実施例6と同様になるため省略する。
【0072】例えば可燃性非測定流体をLPガスとする
と、整合層21は例えばエポキシ樹脂と微小ガラス球か
らなる微多孔性の材料が選択される。家庭用ガスメータ
を想定すると、10年間LPガスにさらすことから、材
料の劣化が心配される。整合層21は超音波振動子17
の特性を決める重要な部品で、整合層21の劣化は超音
波流量計の性能にも影響を与える。そこで、整合層21
の材料劣化を防止するため、整合層21と側壁部46の
全表面に、例えば厚み0.1mmのエポキシ樹脂からなる
保護膜49を塗布する。ただし整合層21の超音波放射
面50に設けられた保護膜49は、超音波振動子17の
送受信特性からみれば無いほうがいいので、材料、厚み
等は被測定流体の材料、使用する超音波の周波数から適
した材料と厚みを選択しなければならない。このような
構成を用いると、整合層21の材料劣化の防止になるう
え、接着層47の横からLPガスが接着層47を劣化す
るのを防止できるし、整合層21が剥離する方向に力が
かかっても剥離防止体45により剥離することは防止で
きる。
【0073】なお実施例7では、また保護膜49を厚み
0.1mmのエポキシ樹脂とし整合層21と側壁部46の
全面に設けたが、上記条件に限定されるわけでなく、厚
み、材料、設ける範囲は適宜変えて構成することがで、
例えば金属メッキや蒸着、パリレンコーティング、ポリ
ミドコーティングでも構わない。また保護膜49の厚み
を均一としたが、整合層21の超音波放射面50に設け
る厚みよりも側壁部49の厚みを厚くしても良いし、実
施例6の構成と組み合わせて実施しても良いことはいう
までもない。また保護膜49を絶縁体とし、実施例2の
超音波振動子5に設けた絶縁層36として用いてもよ
い。
【0074】(実施例8) 以下、本発明の実施例8について、図面を参照しながら
説明する。
【0075】図12は本発明の実施例8における超音波
振動子の断面図である。図12において、46はケース
19の側壁部、21は整合層で、以上は図10の構成と
同様なものである。図10の構成と異なるのは、整合層
21の直径より小さい穴の空いたキャップ状の振動規制
体51を設けた点である。
【0076】上記のように構成された超音波振動子の作
成方法は実施例6と同様になるため省略する。
【0077】整合層21には例えばエポキシ樹脂と微小
ガラス球からなる微多孔性の材料が選択し、整合層21
はケース19の外側に設けた構成の超音波振動子17を
駆動すると、整合層21は厚み方向に振動する以外に横
方向にも広がり振動する。しかし整合層21の底面はケ
ース19に接着固定されているため、超音波放射面51
側だけ横方向に広がる振動モードが生じる。このため、
圧電体18で発生させた振動を効率良くLPガスに伝搬
できなくなり、送受信感度が劣化する。
【0078】そこで、整合層21の側壁とケース19の
側壁部46を覆うように、例えば厚み0.5mmのステン
レス製で整合層21の直径より小さい穴の空いたキャッ
プ状の振動規制体51を被せ、隙間にエポキシ系接着剤
を注入して固定する。このような構成を用いると、整合
層21の超音波放射面50が横方向に振動しにくくなる
ため、整合層21の不要な振動モード発生を防止でき
る。さらに接着層47の横からLPガスが接着層47を
劣化するのを防止でき、整合層21が剥離する方向に力
がかかっても振動規制体51により剥離することも防止
できる。
【0079】なお実施例8では、また振動規制体51を
整合層21の直径より小さい穴の空いた厚み0.5mmの
ステンレス製としたが、上記条件に限定されるわけでな
く、厚み、材料、形状は適宜変えて構成することがで
き、例えば整合層21の側壁のみに接続された金属製や
樹脂製のパイプを接続しても良いし、爪のような突起部
を有す形状でも構わない。また振動規制体51を絶縁体
とし、実施例2の超音波振動子5に設けた絶縁層36と
して用いてもよい。
【0080】なお、実施例1〜8では、超音波振動子1
7に用いる圧電体を圧電セラミック、使用する振動モー
ドを厚み縦振動、周波数を400kHz、形状を縦8mm、
横8mm、厚み4mmの直方体、溝を2本設けるとしたが、
上記条件に限定されるわけでなく、材料、振動モード、
周波数、形状、寸法、溝の本数を適宜変えて構成するこ
とができ、例えば薄い円板の厚み振動、円柱の厚み縦振
動、円板の広がり振動でも構わない。また流量測定部1
の材料をアルミニウム合金ダイカストとしたが、上記条
件に限定されるわけでなく、材料を適宜変えて構成する
ことができ、(財)日本エルピーガス機器検査協会や
(財)日本ガス機器検査協会の検査規程で認定されてい
る材料なら構わない。また流路2を矩形、超音波振動子
5、6を流路2に対し斜めに配置したが、上記条件に限
定されるわけでなく、流路形状、超音波振動子の配置を
適宜変えて構成することができ、流路形状は円筒形でも
構わないし、超音波振動子を流れに対して平行に配置し
ても構わない。またシール材9、10をOリング、シー
ル材38をフランジ部37を挟み込む円筒状のNBRゴ
ムとしたが、上記条件に限定されるわけでなく、可燃性
被測定流体をシールできるのであれば材料、形状を適宜
変えて構成することができる。
【0081】また可燃性被測定流体をLPガスとした
が、LPガス以外の天然ガス、液化天然ガス、石油、灯
油等の気体、液体でも構わない。また超音波流量計とし
て家庭用ガスメータを想定したが、それ以外の超音波流
量計あるいは超音波流速計でも構わず、給湯器のガスの
流量制御用流速計でも構わない。またケース19を有天
円筒状のステンレス、端子板23をステンレスとした
が、上記条件に限定されるわけでなく、形状、材料は適
宜変えて構成することができ、例えばマイコンメータ検
査規程で認定されている材料なら構わない。また整合層
21はエポキシ樹脂と微小ガラス球からなる円板形状の
材料を1層のみ用いたが、被測定流体に適した形状の材
料を1層以上、あるいは被測定流体によっては設ける必
要がない場合もある。また空間28には窒素のような不
活性ガスを充填するとしたが、他の気体、液体、固体を
充填しても構わず、例えばシリコンオイル、エポキシ樹
脂、微小ガラス球や微小樹脂球とエポキシ樹脂の混合体
でも構わない。超音波振動子の駆動電圧を電池電圧程度
としたが、それ以上の電圧あるいはそれ以下の電圧で駆
動しても構わない。また振動子取付部品39をリング形
状のテフロンとしたが、上記条件に限定されるわけでな
く、材料、形状を適宜変えて構成することができ、ステ
ンレスなどの金属でも構わない。
【0082】また実施例2〜5では超音波振動子5につ
いてのみ説明したが、超音波流量計に配置した他の超音
波振動子についても必要に応じて同様の構成を取る必要
があり、また複数の実施例の構成を組み合わせて実施し
ても良い。
【0083】上の説明から明らかなように上述の実施
の超音波流量計によれば次の効果が得られる。
【0084】流量測定部を流れる可燃性被測定流体に接
触しながら超音波を送受信する一対の超音波振動子と、
前記超音波振動子間の超音波伝搬時間を計測する計測回
路と、この計測回路の信号に基づいて流量を算出する流
量演算手段を備え、前記超音波振動子を構成する圧電体
は前記可燃性被測定流体から遮断するケースで内包され
ているので、超音波振動子内部での放電によるガスへの
引火の可能性をなくすることができ、安全性の高い超音
波流量計を得ることができる。
【0085】また第2の超音波流量計は、ケースが導電
性を有す材料からなり、超音波振動子内部での火炎発生
防止と、ケースによるシールド効果によりノイズの影響
を低減できるので、安全性の高い、高精度な超音波流量
計を得ることができる。
【0086】また第3の超音波流量計は、ケースが金属
からなり、超音波振動子内部での火炎発生防止と、ケー
スによるシールド効果によりノイズの影響を低減できる
ので、安全性の高い、高精度な超音波流量計を得ること
ができる。
【0087】また第4の超音波流量計は、金属からなる
流量測定部と導電性を有すケースとを同電位としたた
め、超音波振動子内部や流量測定部とケースの間での放
電によるガスへの引火の可能性をなくすることができる
ので、安全性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0088】また第5の超音波流量計は、可燃性被測定
流体に接触する金属からなる流量測定部の振動子取付穴
の内壁面と導電性を有すケースとの間に絶縁層を設けた
ため、超音波振動子内部や、流量測定部とケースの間で
の放電によるガスへの引火の可能性をなくすることがで
きるので、安全性の高い超音波流量計を得ることができ
る。
【0089】また第6の超音波流量計は、可燃性被測定
流体に接触する導電性を有すケースの少なくとも側壁に
絶縁層を設けたため、超音波振動子内部や、流量測定部
とケースの間での放電によるガスへの引火の可能性をな
くすることができるので、安全性の高い超音波流量計を
得ることができる。
【0090】また第7の超音波流量計は、可燃性被測定
流体に接触する金属からなる流量測定部の振動子取付穴
の少なくとも内壁面に絶縁層を設けたため、超音波振動
子内部や、流量測定部とケースの間での放電によるガス
への引火の可能性をなくすることができるので、安全性
の高い超音波流量計を得ることができる。
【0091】また第8の超音波流量計は、金属からなる
流量測定部において可燃性被測定流体に非接触な位置で
かつ導電性を有すケースの極近傍に突起部を設け、前記
突起部と前記ケースにより放電可能としたため、超音波
振動子内部や、可燃性被測定流体に接触する位置での流
量測定部とケースの間での放電によるガスへの引火の可
能性をなくすることができるので、安全性の高い超音波
流量計を得ることができる。
【0092】また第9の超音波流量計は、金属からなる
流量測定部の可燃性被測定流体に非接触な位置でかつ高
抵抗体を介して前記流量測定部と導電性を有すケースと
を接触させたため、超音波振動子内部や、可燃性被測定
流体に接触する位置での流量測定部とケースの間での放
電によるガスへの引火をなくすることができるので、安
全性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0093】また第10の超音波流量計は、流量測定部
に設けた振動子取付穴の超音波振動子より可燃性被測定
流体が流れる流路側に少なくとも1つ以上の網目状構造
体を設けたため、振動子取付穴内部で放電により発生し
た熱が流路を流れる可燃性被測定流体に広がることを防
止できるので、安全性の高い超音波流量計を得ることが
できる。
【0094】また第11の超音波流量計は、可燃性被測
定流体よりも熱伝導率の高い材料からなる網目状構造体
を設けたため、振動子取付穴内部で放電により発生した
熱が流路を流れる可燃性被測定流体に広がることを防止
できるので、安全性の高い超音波流量計を得ることがで
きる。
【0095】また第12の超音波流量計は、金属からな
る網目状構造体を設けたため、振動子取付穴内部で放電
により発生した熱が流路を流れる可燃性被測定流体に広
がることを防止できるので、安全性の高い超音波流量計
を得ることができる。
【0096】また第13の超音波流量計は、圧電体を内
包するケースの外側に整合層を設けたため、超音波振動
子内部や、振動子取付穴内部で放電により発生した熱が
流路を流れる可燃性被測定流体に広がることを防止で
き、超音波振動子の感度も向上させることができるの
で、安全性の高い、高精度な超音波流量計を得ることが
できる。
【0097】また第14の超音波流量計は、圧電体を内
包するケースならびに前記ケースの外側に設けた整合層
の側壁に剥離防止体を設けたため、超音波振動子内部で
の放電によるガスへの引火の可能性をなくすることと、
超音波振動子の信頼性が向上できるので、安全性の高
い、高精度で信頼性の高い超音波流量計を得ることがで
きる。
【0098】また第15の超音波流量計は、整合層表面
ならびに前記整合層とケースとの接続部の周囲に保護膜
を設けたため、超音波振動子内部での放電によるガスへ
の引火の可能性をなくすることと、超音波振動子の信頼
性が向上できるので、安全性の高い、高精度で信頼性の
高い超音波流量計を得ることができる。
【0099】また第16の超音波流量計は、整合層の側
壁全体を覆うよう配置した振動規制体を設けたため、超
音波振動子内部での放電によるガスへの引火の可能性を
なくすることと、整合層の不要な振動モードが低減でき
超音波振動子の感度を向上させることができるので、安
全性の高い、高精度な超音波流量計を得ることができ
る。
【0100】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
超音波流量計によれば、安全性の高い超音波流量計を得
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の超音波流量計の構成図
【図2】同流量計の断面a−a’線の横断面図
【図3】同流量計の超音波振動子の断面図
【図4】同流量計の超音波振動子に用いる圧電体の外観
斜視図
【図5】本発明の実施例2における超音波流量計の流量
測定部1の超音波振動子取付部分の断面図
【図6】本発明の実施例3における超音波流量計の流量
測定部1の超音波振動子取付部分の断面図
【図7】本発明の実施例4における超音波流量計の流量
測定部1の超音波振動子取付部分の断面図
【図8】本発明の実施例5における超音波流量計の流量
測定部1の超音波振動子取付部分の断面図
【図9】本発明の実施例6における超音波流量計に用い
る超音波振動子の外観図
【図10】同超音波振動子の断面図
【図11】本発明の実施例7における超音波振動子の断
面図
【図12】本発明の実施例8における超音波振動子の断
面図
【図13】従来の超音波流量計用超音波振動子の断面図
【図14】従来の超音波流量計の断面図
【符号の説明】
1 流量測定部 5、6 超音波振動子 11 計測回路 12 流量演算手段 18 圧電体 19 ケース 21 整合層 36 絶縁層 42 突起部 43 高抵抗体 44 網目状構造体 45 剥離防止体 49 保護膜 51 振動規制体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 奈緒子 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 国際公開97/021985(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/66

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性被測定流体が流れ導電性を有する
    材料からなる流量測定部と、この流量測定部に取付け
    れ超音波信号を送受信する一対の超音波振動子と、前記
    超音波振動子間の超音波伝搬時間を計測する計測回路
    と、この計測回路からの信号に基づいて流量を算出する
    流量演算手段とを備え、前記超音波振動子は圧電体と、
    この圧電体を前記可燃性被測定流体から遮断する導電性
    を有するケースとを備え、前記流量測定部と前記ケース
    とを同電位とした超音波流量計。
  2. 【請求項2】 可燃性被測定流体が流れる流量測定部
    と、この流量測定部に設けられ超音波信号を送受信する
    一対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の超音波伝
    搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信号
    に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え、前記
    超音波振動子は圧電体と、この圧電体を前記可燃性被測
    定流体から遮断するケースと、超音波振動子を取付ける
    穴に絶縁層を設けた超音波流量計。
  3. 【請求項3】 絶縁層をケースの側壁に設けた請求項
    記載の超音波流量計。
  4. 【請求項4】 絶縁層を振動子を取付ける穴の内壁面に
    設けた請求項記載の超音波流量計。
  5. 【請求項5】 可燃性被測定流体が流れる流量測定部
    と、この流量測定部に設けられ超音波信号を送受信する
    一対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の超音波伝
    搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信号
    に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え、前記
    超音波振動子は圧電体と、この圧電体を前記可燃性被測
    定流体から遮断するケースと、前記ケースの可燃性被測
    定流体が存在しない位置に電極部を設けた超音波流量
    計。
  6. 【請求項6】 可燃性被測定流体が流れる流量測定部
    と、この流量測定部に設けられ超音波信号を送受信する
    一対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の超音波伝
    搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信号
    に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え、前記
    超音波振動子は圧電体と、この圧電体を前記可燃性被測
    定流体から遮断するケースと、前記流量測定部は高抵抗
    体を介して前記ケースと接触する超音波流量計。
  7. 【請求項7】 可燃性被測定流体が流れる流量測定部
    と、この流量測定部に設けられ超音波信号を送受信する
    一対の超音波振動子と、前記超音波振動子間の超音波伝
    搬時間を計測する計測回路と、この計測回路からの信号
    に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え、前記
    超音波振動子は圧電体と、この圧電体を前記可燃性被測
    定流体から遮断するケースと、可燃性被測定流体が流れ
    る流路に網目状構造体を設けた超音波流量計。
  8. 【請求項8】 網目状構造体は可燃性被測定流体よりも
    熱伝導率の高い材料からなる請求項記載の超音波流量
    計。
  9. 【請求項9】 網目状構造体は金属製である請求項
    記載の超音波流量計。
  10. 【請求項10】 ケースは導電性材料からなる請求項
    ないし9のいずれか1項記載の超音波流量計。
  11. 【請求項11】 ケースは金属製である請求項1ないし
    9のいずれか1項記載の超音波流量計。
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