JP2007194896A - 超音波振動子およびそれを用いた流体の流れ計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有天筒状のケースと端子板を電気溶接により接合する場合に発生する溶接塵による圧電体と端子板との短絡を防止して、信頼性の向上を図った。
【解決手段】導電性の有天状のケース1の頂壁内面に圧電体2の上部電極3を、頂壁外面に音響整合層4をそれぞれ固定するとともに、前記ケース1の下方開口部には導電性の端子板6を溶接固定し、前記ケース1内に臨む圧電体2の下部電極7は端子接続部8を除いて電気絶縁部材11で覆ったものである。したがって、ケース1と端子板6の溶接時に溶接塵が発生しても、この電気絶縁部材11の作用で圧電体2の下部電極7と端子板6との短絡を阻止できることとなる。
【選択図】図1
【解決手段】導電性の有天状のケース1の頂壁内面に圧電体2の上部電極3を、頂壁外面に音響整合層4をそれぞれ固定するとともに、前記ケース1の下方開口部には導電性の端子板6を溶接固定し、前記ケース1内に臨む圧電体2の下部電極7は端子接続部8を除いて電気絶縁部材11で覆ったものである。したがって、ケース1と端子板6の溶接時に溶接塵が発生しても、この電気絶縁部材11の作用で圧電体2の下部電極7と端子板6との短絡を阻止できることとなる。
【選択図】図1
Description
本発明は超音波振動子、およびそれを用いて流体の流速や流量を測定するようにした流体の流れ計測装置に関するものである。
従来の超音波振動子は、図5に示すように、キャップ状の導電性ケース51の頂壁内面に圧電体52の上部電極53を、頂壁外面に音響整合層54をそれぞれ接着し、またその下方開口縁に形成したフランジ55に導電性の端子板56を電気溶接などの手段で溶接してこのケース51を密閉していた。ケース51の内部には窒素ガスなどの不活性ガスが適宜封入される。
ケース51内に臨む圧電体52の下部電極57には導電性ゴムなどの接触子58が導通されており、さらに端子板56を貫通した端子59がこの接触子58に接続されている。勿論、接触子58および端子59は電気絶縁材を介して端子板56と絶縁されている。端子板56にはもう一方の端子60が直接取付けてある。
つまり、圧電体52の上部電極53はケース51を介して一方の端子60に、下部電極57は接触子58を介して他方の端子59にそれぞれ接続される(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−50785号公報
このように、ケース51の下方フランジ55に導電性の端子板56を電気溶接などの手段で溶接するものであるから、これらフランジ55と端子板56との接合状態によっては両者間に放電が発生し、結果として、糸状の溶接塵がケース51の密閉空間に飛散することがあった。
前記溶接塵は圧電体52の下部電極57、ケース51の内面、接触子58の外面、および端子板56の上面などに付着し、時として、圧電体52の下部電極57と端子板56との短絡を生起し、圧電体52が機能しなくなる課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解消したものであり、圧電体の機能を常に良好に発揮させることを目的とする。
本発明は前記目的を達成するため、導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極は端子接続部を除いて電気絶縁部材で覆ったもので、ケースと端子板の溶接時に溶接塵が発生しても、この電気絶縁部材の作用で圧電体の下部電極と端子板との短絡を阻止できることとなる。
本発明によれば、ケースと端子板の溶接時に溶接塵が発生しても、この電気絶縁部材の作用で圧電体の下部電極と端子板との短絡を阻止することで圧電体の機能を常に良好に維持できるもので、これを流体の流れ計測装置に使用すれば、高精度計測を行なうことがで
きるものである。
きるものである。
第1の発明は、導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極は端子接続部を除いて電気絶縁部材で覆ったものである。
第2の発明は、導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極の端子接続部を除いた部位と端子板との間に電気絶縁介在材を介在させた。
第3の発明は、導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極は端子接続部を除いて電気絶縁部材で覆うとともに、さらに、この電気絶縁部材と端子板との間に電気絶縁介在材を介在させた。
したがって、第1,2,3の発明によれば、ケースと端子板の溶接時に溶接塵が発生しても、この電気絶縁部材の作用で圧電体の下部電極と端子板との短絡を阻止できることとなる。
第4の発明は、前記第1,3の発明において、電気絶縁部材は音響的減衰特性の大きい材料で構成したもので、接触面積の広い横方向の振動モ−ド、すなわち、からなる不要振動を減衰させることができる。
第5の発明は、前記第4の発明において、電気絶縁部材をシリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴムなどの樹脂で構成した。したがって、長期間にわたって柔軟性を確保して不要振動を減衰させることができ、また、劣化が遅く、脱ガスも少ないので、信頼性に優れた超音波振動子を提供することができる。
第6の発明は、前記第2または3の発明において、電気絶縁介在材を発泡材料で構成した。その結果、介在材を介して超音波振動が端子板の方向へ伝達されることがない。
第7の発明は、前記第1〜6の発明の超音波振動子を流体通路の上流側と下流側に対向設置し、これら超音波振動子間の超音波伝播時間にもとづいて前記流体通路を流れる流体の流れ状態を計測するようにした。
したがって、信頼性の高い、高性能な流速、流量などの流れ計測を実現できる。
以下、本発明実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、キャップ状の導電性ケース1の頂壁内面に圧電体2の上部電極3を、頂壁外面に音響整合層4をそれぞれ接着し、またその下方開口縁に形成したフランジ5に導電性の端子板6を電気溶接などの手段で溶接してこのケース1を密閉している。ケース1の内部には窒素ガスなどの不活性ガスが適宜封入される。
図1において、キャップ状の導電性ケース1の頂壁内面に圧電体2の上部電極3を、頂壁外面に音響整合層4をそれぞれ接着し、またその下方開口縁に形成したフランジ5に導電性の端子板6を電気溶接などの手段で溶接してこのケース1を密閉している。ケース1の内部には窒素ガスなどの不活性ガスが適宜封入される。
ケース1内に臨む圧電体2の下部電極7には導電性ゴムなどの接触子8が導通されており、さらに端子板6を貫通した端子9がこの接触子8に接続されている。勿論、接触子8および端子9は電気絶縁材を介して端子板6と絶縁されている。端子板6にはもう一方の端子10が直接取付けてある。
すなわち、圧電体2の上部電極3はケース1を介して一方の端子10に、下部電極7は接触子8を介して他方の端子9にそれぞれ接続されている。
そして、ケース1内に臨む圧電体2の下部電極7の接触子8が接続される以外の部位には電気絶縁部材11が覆設けてある。
以上の構成において、ケース1と端子板6とが溶接接合される際に、導電性の糸状溶接塵が発生して圧電体2の下部電極7と端子板6との間に入っても、下部電極7が電気絶縁部材11で覆われているので、それら圧電体2と端子板6とが電気的に短絡することがなく、これにより、圧電体2の機能が良好に保たれることとなる。
電気絶縁部材11の具体的材料としては、音響的減衰特性の大きい材料が適している。つまり、圧電体2で発生した超音波振動は、ケース1を介して端子板6に伝達され、この端子板6も超音波振動することになる。
端子板6は音響的減衰が少ない金属などで構成されるため、圧電体2で発生した超音波振動はいつまでも継続することになり、残響雑音として外部に取り出されることになる。このため、音響的減衰特性の大きい材料で電気絶縁部材11を構成すると、伝達されてきた超音波振動がここで減衰、吸収されることになり、長く継続して振動することがなくなる。
したがって、残響雑音の少ない超音波振動子を実現することができるものである。音響的減衰特性の大きい材料としては、シリコンゴム、フッ素ゴム、二トリルゴムなどが特に優れている。これらの材料は、長期間にわたって柔軟性を保ち、超音波振動を良く吸収する。また、脱ガスも少ないので、信頼性に優れたものとすることができる。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2を示すもので、圧電体2の下部電極7と端子板6との間に電気絶縁介在材12を設けたものである。
図2は、実施の形態2を示すもので、圧電体2の下部電極7と端子板6との間に電気絶縁介在材12を設けたものである。
なお、図2において、図1と同一作用を行なう構成については同一符号を付し、具体的説明は実施の形態1のものを援用する。
この構成により、ケース1と端子板6とが溶接接合される際に、糸状の溶接塵が発生しても、圧電体2の下部電極7と端子板6との間に入ることがなくなり、両者間の電気的短絡を防止できる。
電気絶縁介在材12として、電気絶縁性で、かつ、音を伝播させないものとしてスポンジ状の材料が適している。すなわち、電気絶縁介在物12は、圧電体2と端子板6との間に軽く圧着される状態に設定される。
そして、圧電体2で発生した超音波振動は、音響整合層4を介して外部に放出されるとともに、電気絶縁介在材12を介して端子板6へも伝達されることになる。
この場合、電気絶縁介在材12を介して端子板6へも伝達される超音波振動は、本来の
音響整合層4を介しての超音波振動放出効率を低下することになる。
音響整合層4を介しての超音波振動放出効率を低下することになる。
したがって、電気絶縁介在材12が音を伝達しないスポンジ状の材料であれば、圧電体2で発生した超音波振動は圧電体2と電気絶縁介在材12との界面で全反射することになり、端子板6に伝達されることがない。
その結果、全ての超音波振動が音響整合層4を介して外部に放出されるようになり、超音波振動の伝達効率を高めることができる。具体的材料としては、ウレタン、ポリイミド、スチレンなどの発泡樹脂からなる発泡材料が適している。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3を示すもので、圧電体2の下部電極7を電気絶縁部材13で覆うとともに、この電気絶縁部材13と端子板6上面との間に電気絶縁介在材14を介在させたものである。
図3は、実施の形態3を示すもので、圧電体2の下部電極7を電気絶縁部材13で覆うとともに、この電気絶縁部材13と端子板6上面との間に電気絶縁介在材14を介在させたものである。
なお、図3において、図1,2と同一作用を行なう構成については同一符号を付し、具体的説明は実施の形態1,2のものを援用する。
この構成により、ケース1と端子板6とが溶接接合される際に、糸状の溶接塵が発生し、圧電体2の下部電極7と端子板6との間の電気絶縁介在材14にめり込んだとしても、下部電極7が電気絶縁部材13で覆われているので、圧電体2と端子板6とが電気的に短絡することがなくなる。
また同様に、圧電体2で発生した超音波振動は電気絶縁介在材14があるために端子板6へは伝搬せず、音響整合層4を介して効率的に超音波振動が放出される。さらに、超音波振動が筒状ケース1を介して端子板6に伝搬してきても、柔軟性のある電気絶縁介在材14により効率よく減衰、吸収されるので、長く継続して振動することがなくなり、残響雑音の少ない超音波振動子を実現することができる。
(実施の形態4)
図4は、実施の形態1〜3のいずれかに記載した超音波振動子を搭載した流体の流れ計測装置を示すものである。
図4は、実施の形態1〜3のいずれかに記載した超音波振動子を搭載した流体の流れ計測装置を示すものである。
気体、液体などの流体が流動する流体通路15の上流側と下流側とには超音波が斜めに伝播するように一対の超音波振動子16,17が対向して配置されている。そして、L1が上流側の超音波振動子16から下流側の超音波振動子17へ伝播する超音波の伝達経路を、L2は下流側に配置された超音波振動子17から上流側の超音波振動子16へ伝播する超音波の伝達経路をそれぞれ示している。
流体通路15を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波の伝搬方向の角度をθとする。超音波振動子16を超音波送波側、超音波振動子17を超音波受波側とした場合に、超音波振動子16から出た超音波が超音波振動子17に到達する伝播時間t1は、
t1=L/(C+Vcosθ) (1)
で示される。
t1=L/(C+Vcosθ) (1)
で示される。
次に、前記とは逆に超音波振動子17から出た超音波が超音波振動子16に到達する伝播時間t2は、
t2=L/(C−Vcosθ) (2)
で示される。
t2=L/(C−Vcosθ) (2)
で示される。
そして、(1)と(2)の式から流体の音速Cを消去すると、
V=L/2cosθ(1/t1−1/t2) (3)
の式が得られる。
V=L/2cosθ(1/t1−1/t2) (3)
の式が得られる。
Lとθが既知なら、計測回路18にてt1とt2を測定すれば流速Vが求められる。必要に応じて、この流速Vに流体通路15の断面積Sと補正係数Kを乗じれば流量Qを求めることができる。演算手段19は上記Q=KSVを演算するものである。
このように、実施の形態の超音波振動子16,17を用いることにより、溶接塵による信頼性の低下がなく、高い精度の流れ計測を実現することができる。
以上のように、本発明にかかる超音波振動子は、信頼性に優れているので、高性能な超音波流速・流量計を実現でき、長期信頼性を要求される家庭用ガスメ−タ、水道用メ−タなどの用途の適用できる。
1 ケース
2 圧電体
3 上部電極
4 音響整合層
6 端子板
7 下部電極
8 端子接続部(接触子)
11,13 電気絶縁部材
12,14 電気絶縁介在材
15 流体通路
16,17 超音波振動子
2 圧電体
3 上部電極
4 音響整合層
6 端子板
7 下部電極
8 端子接続部(接触子)
11,13 電気絶縁部材
12,14 電気絶縁介在材
15 流体通路
16,17 超音波振動子
Claims (7)
- 導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極は端子接続部を除いて電気絶縁部材で覆った超音波振動子。
- 導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極の端子接続部を除いた部位と端子板との間に電気絶縁介在材を介在させた超音波振動子。
- 導電性の有天状ケースと、このケースの頂壁内面に上部電極側を固定した圧電体と、前記頂壁外面に固定した音響整合層と、前記ケースの下方開口部に溶接固定された導電性の端子板とを具備し、前記ケース内に臨む圧電体の下部電極は端子接続部を除いて電気絶縁部材で覆うとともに、さらに、この電気絶縁部材と端子板との間に電気絶縁介在材を介在させた超音波振動子。
- 電気絶縁部材は音響的減衰特性の大きい材料で構成した請求項1または3記載の超音波振動子。
- 電気絶縁部材をシリコンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴムなどの樹脂で構成した請求項4記載の超音波振動子。
- 電気絶縁介在材を発泡材料で構成した請求項2または3記載の超音波振動子。
- 請求項1〜6いずれか1項記載の超音波振動子を流体通路の上流側と下流側に対向設置し、これら超音波振動子間の超音波伝播時間にもとづいて前記流体通路を流れる流体の流れ状態を計測するようにした流体の流れ計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006010903A JP2007194896A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 超音波振動子およびそれを用いた流体の流れ計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006010903A JP2007194896A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 超音波振動子およびそれを用いた流体の流れ計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007194896A true JP2007194896A (ja) | 2007-08-02 |
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ID=38450235
Family Applications (1)
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JP2006010903A Pending JP2007194896A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 超音波振動子およびそれを用いた流体の流れ計測装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2007194896A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2025523A1 (en) | 2007-07-26 | 2009-02-18 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Sheet processing apparatus |
-
2006
- 2006-01-19 JP JP2006010903A patent/JP2007194896A/ja active Pending
Cited By (1)
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EP2025523A1 (en) | 2007-07-26 | 2009-02-18 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Sheet processing apparatus |
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