JP3516484B2 - 不透明樹脂延伸フィルム - Google Patents

不透明樹脂延伸フィルム

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JP3516484B2
JP3516484B2 JP18898394A JP18898394A JP3516484B2 JP 3516484 B2 JP3516484 B2 JP 3516484B2 JP 18898394 A JP18898394 A JP 18898394A JP 18898394 A JP18898394 A JP 18898394A JP 3516484 B2 JP3516484 B2 JP 3516484B2
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stretched film
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正行 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に微細な空孔を有
する不透明な樹脂延伸フィルムに関するものである。こ
の不透明樹脂延伸フィルムは、屋外ポスター用紙、ラベ
ル用紙、製図用紙、ステッカー用紙等、またバーコード
用紙、印画紙、感熱記録紙及び熱転写画像受容紙の支持
体として有用である。
【0002】無機微細粉末を含有するプロピレン系樹脂
フィルムを延伸して得られるフィルム内部に微細な空孔
を有する合成紙(特公昭46−40794号公報、特公
昭60−30173号公報、特公昭54−31032号
公報、米国特許3773608号明細書、米国特許41
91719号明細書)は、パルプ抄造紙と比較して耐水
性、強度、平滑性などに優れていることから、選挙ポス
ター用紙、ラベル用紙、感熱記録紙や熱転写記録用画像
受容紙の支持体として使用されている。
【0003】しかしながら、これらの無機微細粉末をフ
ィルムの延伸による空孔発生剤として使用する合成紙
は、樹脂延伸フィルムの内部に無機微細粉末を核とする
微細な空孔を有する他に、樹脂延伸フィルムの表面から
も無機微細粉末が突出し、またこの無機微細粉末が二次
凝集したもの(特開昭62−87390号公報)もある
ため、印刷・印字時に合成紙表面より脱落し、白抜けが
生じる(いわゆるピンホールトラブル)欠点がある。こ
の白抜きは特に印刷・印字が黒色のベタ印刷・印字の時
目立ち、問題となる。
【0004】また、オフセット印刷時に合成紙表面より
脱落した無機微細粉末は、ブランケットを介してインキ
中に混入し、インキ流動性を失わせて、印刷機から印刷
用紙へのインキの適正な転移を阻害し印刷物の仕上がり
を低下させる(いわゆる紙粉トラブル)という問題を生
じる。
【0005】かかる紙粉トラブルの少ない合成紙とし
て、フィルムマトリックスプロピレン系樹脂及びこのマ
トリックス樹脂の融点より高融点を有し、マトリックス
とは非相溶性の熱可塑性樹脂との混合物を基材とするフ
ィルムを延伸して、該高融点樹脂を空孔発生剤とした延
伸樹脂フィルムよりなるサテン状外観を有する合成紙が
考案されている(米国特許3154461号明細書、米
国特許4438751号明細書、米国特許475846
2号明細書、特開昭59−209849号公報、特公平
3−24334公報)。具体的には、これら延伸フィル
ムはマトリックスとしてポリプロピレンを用い、空孔発
生剤の高融点樹脂としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6を使用し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】空孔発生剤がナイロン
6の場合には、ポリプロピレンマトリックスへの分散性
が悪く、ナイロン6粒子の粒径が8〜10μmと大き
く、形成された空孔が粗大となり、ペコ(延伸フィルム
を湾曲した際に、座屈により生じるシワ)が発生しやす
く、実用化に問題がある。ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートを空孔発生剤として用
いると、空孔の発生が少なく、不透明度が65%以下の
半透明の合成紙しか得られず、用途が包装紙、ラベル、
電飾看板用紙等に限定される。
【0007】空孔の発生を高めて得られる合成紙の不透
明度を高めるために、延伸温度をポリプロピレンの最適
延伸温度より更に低くすると、樹脂フィルムの延伸途中
で破断したり、延伸テンターのチャック(被延伸フィル
ムの保持具)からフィルムがはずれたりして、延伸フィ
ルムの生産効率が低下する。本発明は、ペコの発生、及
び紙粉トラブルが無く、また不透明度が高い合成紙の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プロピレン系
樹脂50〜95重量%と、135℃のデカリン中で測定
した極限粘度〔η〕が0.05〜10dl/g、軟化温
度が145〜170℃である下記一般式〔1〕で表され
る環状オレフィンとエチレンとの付加重合体5〜50重
量%を含有する熱可塑性樹脂を基材とし、該軟化温度以
下の延伸温度で延伸する樹脂延伸フィルムであって、こ
の樹脂延伸フィルムは、次式
【数2】 で算出した空孔率が20〜70%の範囲の空孔を有し、
不透明度が75%以上であることを特徴とする不透明樹
脂延伸フィルム、を提供するものである。
【式2】 (式中、nは、0もしくは正の整数であり、R1 〜R12
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化
水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
9 〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、また、R9 とR10とで、または
11とR12とでアルキリデン基を形成していてもよい)
【0009】
【式2】 (式中、nは、0もしくは正の整数であり、R1 〜R12
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化
水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
9 〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、また、R9 とR10とで、または
11とR12とでアルキリデン基を形成していてもよい)
【0010】
【作用】プロピレン系樹脂に対して、特定の環状オレフ
ィンとエチレンとの付加重合体を含有する熱可塑性樹脂
を基材とする非相溶性の樹脂フィルムを延伸することに
より、紙粉トラブルの生じない空孔率が20〜70%の
範囲の空孔を有し、不透明度が75%以上である不透明
樹脂延伸フィルムを得たものである。
【0011】
【発明の具体的な説明】
(プロピレン系樹脂)本発明で用いるプロピレン系樹脂
としては、プロピレン単独重合体、プロピレンを主成分
とし、これと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−
1、3−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共
重合体であり、これらの共重合体はランダム共重合体で
もブロック共重合体でもよい。
【0012】これらプロピレン系樹脂の中でもプロピレ
ン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体が特に好
ましい。これらプロピレン系樹脂のメルトフローレート
(JIS K−7210;230℃、2.16kg荷
重)は、0.3〜50g/10分、融点が130〜19
0℃であることが好ましい。
【0013】(環状オレフィンとエチレンとの付加重合
体) 次に、本発明で使用する環状オレフィンとエチレンとの
付加重合体は、次の一般式〔1〕で表される環状オレフ
ィンと、エチレンとの付加重合体である。
【0014】
【式3】 (式中、nは、0もしくは正の整数であり、R1 〜R12
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化
水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
9 〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、また、R9 とR10とで、または
11とR12とでアルキリデン基を形成していてもよい)
【0015】かかる環状オレフィンとエチレンとの付加
重合体を与える環状オレフィンとしては、ジシクロ
〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ
〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−エチルビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、7−メチルビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、テトラシクロ
〔4,4,0,12.5 、17.12〕3−ドデセン、8,9
−ジメチルテトラシクロ〔4,4,0,12.6
7.10〕ドデセン、9−エチル−2,7−ジメチルテト
ラシクロ〔4,4,0,12.5 、17.10〕−3−ドデセ
ン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ
〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−3−ドデセン、8−
メチルテトラシクロ〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−
3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ〔4,
4,0,12.5 ,17.10〕−3−ドデセン、8−クロロ
テトラシクロ〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−3−ド
デセン、8,9−ジクロロテトラシクロ〔4,4,0,
2.5 ,17.10〕−3−ドデセン、8−シクロヘキシル
テトラシクロ〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−3−ド
デセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ
〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−3−ドデセン、8−
n−プロピリデンテトラシクロ〔4,4,0,12.5
7.10〕−3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラ
シクロ〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−3−ドデセ
ン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシ
クロ〔4,4,0,12.5 ,17.10〕−3−ドデセン、
ヘキサシクロ〔6,6,1,13.6 ,110.12
2.7 ,02.14〕−4−ヘプタデセン、12−メチルヘ
キサシクロ〔6,6,1,13.6 ,110.12 ,02.7
2.14〕−4−ヘプタデセン、オクタシクロ〔8,8,
0,12.5 ,14.7 ,111.18 ,113.18 ,02.8 ,0
12.17 〕−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ
〔8,8,0,12.5 ,14.7 ,111.18 ,113.18
2.8 ,012.17 〕−5−ドコセン、1,3−ジメチル
ペンタシクロ〔6,6,1,13.6 ,02.7 ,02.14
−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ〔8,7,0,1
2.5 ,14.7 ,111.17 ,03.8 ,012.17 〕−5−イ
コセン、2−メチルトリシクロ〔4,3,0,12.5
−3−デセン、10−メチル−トリシクロ〔4,4,
0,12.5 〕−3−ウンデセン、1,6−ジメチルペン
タシクロ〔6,5,1,12.5 ,02.7 ,02.13〕−4
−ペンタデセン、ペンタシクロ〔4,7,0,12.5
2.13,12.12〕−3−ペンタデセン、ヘプタシクロ
〔7,8,0,12.5 ,02.7 ,110.17 ,011.15
12.15 〕−4−エイコセン、トリメチル置換ノナシク
ロ〔9,10,1,14.7 ,02.5 ,02.10
12.21 ,112.23 ,014.18 ,115.18 〕−5−ペン
タコセン、5−フェニル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプ
ト−2−エン、5−ベンジル−ビシクロ〔2,2,1〕
ヘプト−2−エン、5−トリル−ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプト−2−エン、1,4−メタノ−1,1a,
4,4a−テトラヒドロフルオレン、シクロペンタジエ
ン−アセナフチレン付加物、5−(α−ナフチル)−ビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン等が挙げられ
る。これらの環状オレフィンとエチレンとの付加重合体
の製法については、例えば特開昭60−168708号
公報に記載されている。
【0016】この環状オレフィンとエチレンとの付加重
合体は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.05〜10dl/g、軟化温度は145〜
170℃である。この環状オレフィンとエチレンとの付
加重合体のガラス転移温度(軟化温度)は、特に、フィ
ルムの延伸温度(℃)以上である(145〜170℃で
ある)ことが好ましく、より好ましくはフィルムの延伸
温度+5(℃)以上、とりわけ好ましくはフィルムの延
伸温度+10(℃)以上のものを選ぶことが好ましい。
該環状オレフィンとエチレンとの付加重合体のガラス転
移温度がフィルムの延伸温度(℃)未満だと延伸フィル
ムの空孔発生量が少なく不透明度に欠ける。
【0017】(付加的成分)本発明におけるフィルム形
成用樹脂成分は、安定剤、紫外線吸収剤、分散剤、染
料、顔料等を含有してもよい。また、必要により、樹脂
分の30重量%以下を高密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹
脂に置き換えてもよい。
【0018】本発明において、プロピレン系樹脂が基材
中50重量%未満では延伸性が悪くなり問題があり、9
5重量%以上では空孔の発生量が少なく、得られる延伸
フィルムの不透明度に欠け、また、環状オレフィンとエ
チレンとの付加重合体が50重量%をこえては延伸性が
悪くなる問題があり、5重量%未満では空孔の発生量が
少なく不透明度に欠ける問題がある。
【0019】(延伸フィルムの製造) 本発明の延伸フィルムは、プロピレン系樹脂、および環
状オレフィンとエチレンとの付加重合体を含有する樹脂
組成物を、押出機を用いてプロピレン系樹脂の融点を越
える温度、例えば200〜300℃で混練することによ
り、溶融したプロピレン系樹脂中に環状オレフィンとエ
チレンとの付加重合体を微粒子(好ましくは0.1〜3
μm)として分散させ、ついでダイより押し出してフィ
ルムを成形し、ついでこのフィルムを所望の空孔率が得
られるような温度(例えば140〜165℃)で少なく
とも一方向に3.5〜12倍、好ましくは、押出方向
(MD)に3.5〜5.5倍、幅方向(TD)に4〜1
2倍で延伸することにより得られる。
【0020】必要により、本発明の延伸フィルムを製造
する際に、他の樹脂層と積層しても良い。他の樹脂層と
しては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などのオレ
フィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどの飽和ポリエステル樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレンなどが挙げられる。これらの他
の樹脂層は、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、硫
酸バリウム等の無機充填剤を含んでいても良い。
【0021】(延伸フィルム)この延伸フィルムは、空
孔率が20〜70%、好ましくは25〜60%、不透明
度(JIS P−8138)が75%以上、好ましくは
80〜100%のものである。空孔率が20%未満で
は、光の乱反射が不十分で紙的風合いが得られない。ま
た、70%を越えては合成紙の強度が脆いものとなる。
【0022】不透明度が75%未満では、隠蔽性が不十
分で、これに印刷し、製本した際に次頁の印字が透けて
見えたり、両面印刷の場合には、裏面の印刷がダブッて
見えて、当該面の印字・印刷面が見づらくなる。この延
伸フィルムは、それ自身、ポスター用紙、製図用紙とし
て、あるいはこの表面にゼラチン層、感熱記録塗工層、
画像受容記録層を設け、印画紙、感熱記録紙、熱転写画
像受容紙として用いるための支持体として有用である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例 1 メルトフローレート4g/10分、融点174℃、結晶
化度67%のプロピレン単独重合体“三菱ポリプロMA
−4”(三菱油化(株)製(商品名))80重量部に、
メルトフローレート5.7g/10分(260℃、荷重
2.16Kg)、軟化点165℃のビシクロ〔2,2,
1〕ヘプト−2−エンとエチレンとの共重合体“アペル
5018”(三井石油化学工業(株)製(商品名))2
0重量部を配合し、この混合物を270℃に設定した二
軸混練機(東京精密製)によって溶融混練後、ダイより
ストランド状に押し出し、冷却、裁断してペレットを得
た。
【0024】このペレットを270℃に設定したプレス
成形機で溶融・圧縮・冷却し、縦120mm、横120
mm、厚さ1.5mmのプレスシートを得た。このプレ
スシートを小型の2軸延伸機(岩本製作所製)で155
℃に加熱した後、縦方向に5倍、次に横方向に5倍、逐
次に延伸し、30秒間アニーリング処理して二軸延伸フ
ィルムを得た。得られた延伸フィルムの肉厚、空孔率、
不透明度、隠蔽性、ペコの発生の有無、延伸の安定性、
およびベック平滑度(JIS P−8119)を測定
し、表1に示す。
【0025】(隠蔽性)東洋精機(株)社製鉛筆硬度計
(スクラッチテスター)を用いて、得られたフィルムに
垂直になるようにセットされた硬度HBの鉛筆に、20
0gの荷重をかけて、200秒/mの速度で線分を描
く。この線分の描かれたフィルムを、光学濃度が0.2
の白紙の上に、描画面が白紙面と接するように重ね合わ
せ、透けて見える線分の度合いを目視観察して、つぎの
ように判定する。 不良:容易に線分が読み取れる。 良 :線分を読むのに苦労する、もしくは読めない。
【0026】(ペコの発生性)得られたフィルムの中央
部から縦50mm、横100mmのサンプルを2枚切り
出し、1枚を円周100mmの円筒状に、他の1枚を円
周50mmの円筒状に湾曲させた後、シワの有無を観察
する。 ○:2枚ともシワ発生せず。 △:1枚のみシワ発生。 ×:2枚ともシワ発生。
【0027】(延伸の安定性)試験片10点を実施した
とき、延伸途中で破断やチャックはずれが発生せず、延
伸が最後まで完了した試験片の点数。
【0028】実施例2〜4及び比較例1〜4 実施例1における配合及び延伸温度を、表1に記載の配
合及び延伸温度にする他は、実施例1と同様の方法で延
伸フィルムを作製し、得られたフィルムの肉厚、空孔
率、不透明度、隠蔽性、ペコの発生の有無、延伸の安定
性および、ベック平滑度を測定した。結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例 5 メルトフローレート4g/10分、融点174℃、結晶
化度67%のプロピレン単独重合体“三菱ポリプロMA
−4”(三菱油化(株)製(商品名))80重量部、メ
ルトフローレート5.7g/10分(260℃、荷重
2.16Kg)、軟化点165℃の環状オレフィンとエ
チレンとの共重合体“アペル5018”(三井石油化学
工業(株)製(商品名))10重量部に、メルトインデ
ックス11g/10分(190℃、荷重2.16Kg)
の高密度ポリエチレン“三菱ポリエチPY−20A”
(三菱油化(株)製(商品名))10重量部を配合し、
この混合物を270℃に設定した押出機にて溶融混練
後、ダイよりフィルム状に押し出し、冷却してフィルム
を得た。このフィルムを135℃の加熱ロールに接触さ
せて加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
【0031】次いで、このフィルムを60℃の温度にま
で冷却した後、テンター式横延伸装置を用い、そのオー
ブンの中で160℃の熱風で加熱した後、横方向に8.
5倍延伸し、165℃の熱風アニーリング処理した後、
耳部をスリットして不透明の二軸延伸樹脂フィルムを得
た。延伸安定性は良好であった。
【0032】得られた延伸フィルムの物性は以下のとお
りであった。 厚さ : 70μm 空孔率 : 40% 不透明度 : 94% ベック平滑度 : 3200秒 隠蔽性 : 良 ペコ : 無
【0033】実施例 6 メルトフローレート0.8g/10分、融点174℃の
プロピレン単独重合体70重量部、平均粒径1.5μm
の重炭酸カルシウム20重量部及びメルトフローレート
11g/10分の高密度ポリエチレン10重量部よりな
る組成物を260℃に設定した押出機にて溶融混練後、
250℃に設定したダイよりシート状に押し出し、冷却
ロールで約60℃の温度にまで冷却した。このフィルム
を145℃の加熱ロールに接触させて加熱した後、縦方
向に5倍延伸した。
【0034】この縦延伸フィルムの両面に、メルトフロ
ーレート4g/10分、融点174℃、結晶化度67%
のプロピレン単独重合体“三菱ポリプロMA−4”(三
菱油化(株)製(商品名))80重量部に、メルトフロ
ーレート5.7g/10分(260℃、荷重2.16K
g)、軟化点165℃の環状オレフィンとエチレンとの
共重合体“アペル5018”(三井石油化学工業(株)
製(商品名))20重量部を配合し、この混合物を27
0℃に設定した押出機にて溶融混練後、250℃に設定
したダイよりシート状に押し出し、ロールで溶融圧着し
てラミネート物を得た。
【0035】次いで、このラミネート物を60℃の温度
にまで冷却した後、テンター式横延伸装置を用い、その
オーブンの中で160℃の熱風で加熱した後、横方向に
8.5倍延伸し、165℃の熱風でアニーリング処理し
た後、耳部をスリットして不透明延伸樹脂フィルムを得
た。このフィルムを四六半載判(縦788mm、横54
5mm)に断裁し、東洋インキ(株)製オフセットイン
キ“TSP−400(商品名)および三菱重工(株)製
オフセット2色印刷機“ダイ印刷機”(商品名)を用
い、200枚を2色印刷して、ブランケット上のインク
エッジパイルやブランケット上の脱落紙粉により印刷に
悪影響及ぼすまでの印刷枚数(いわゆる紙粉トラブルの
徴候が発生するまでの印刷可能枚数)を求めたところ、
2000枚では紙粉トラブルの徴候は認められなかっ
た。
【0036】比較例 5 メルトフローレート0.8g/10分、融点174℃の
プロピレン単独重合体70重量部、平均粒径1.5μm
の重炭酸カルシウム20重量部及びメルトインデックス
11g/10分の高密度ポリエチレン10重量部よりな
る組成物を260℃に設定した押出機にて溶融混練後、
250℃に設定したダイよりシート状に押し出し、冷却
ロールで約60℃の温度にまで冷却した。このフィルム
を145℃の加熱ロールに接触させて加熱した後、縦方
向に5倍延伸した。
【0037】この縦延伸フィルムの両面に、メルトフロ
ーレート4g/10分、融点174℃、結晶化度67%
のプロピレン単独重合体“三菱ポリプロMA−4”(三
菱油化(株)製(商品名))60重量部、平均粒径1.
5μmの重炭酸カルシウム40重量部の組成物を260
℃に設定した押出機にて溶融混練した後、260℃に設
定したダイよりシート状に押し出し、ロールで溶融圧着
してラミネート物を得た。
【0038】次いで、このラミネート物を60℃の温度
にまで冷却した後、テンター式横延伸装置を用い、その
オーブンの中で160℃の熱風で加熱した後、横方向に
8.5倍延伸し、165℃の熱風でアニーリング処理し
た後、耳部をスリットして不透明の延伸樹脂フィルムを
得た。このフィルムを実施例6と同様の方法で印刷可能
枚数を評価したところ、600枚であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、ペ
コ、紙粉トラブルの発生がなく、隠蔽力にも優れた不透
明な樹脂延伸フィルムを提供することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 C08L 23/10 - 23/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系樹脂50〜95重量%と
    135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.
    05〜10dl/g、軟化温度が145〜170℃であ
    る下記一般式〔1〕で表される環状オレフィンとエチレ
    ンとの付加重合体5〜50重量%を含有する熱可塑性樹
    脂を基材とし、該軟化温度以下の延伸温度で延伸する
    脂延伸フィルムであって、この樹脂延伸フィルムは、次
    式 【数1】 で算出した空孔率が20〜70%の範囲の空孔を有し、
    不透明度が75%以上であることを特徴とする不透明樹
    脂延伸フィルム。 【式1】 (式中、nは、0もしくは正の整数であり、R1 〜R12
    はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化
    水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、
    9 〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形
    成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
    合を有していてもよく、また、R9 とR10とで、または
    11とR12とでアルキリデン基を形成していてもよい)
  2. 【請求項2】 オレフィン系樹脂と、炭酸カルシウム、
    酸化チタン、クレー、硫酸バリウムよりなる群より選ば
    れた無機充填剤とを含む延伸フィルムの両面に、請求項
    1記載の樹脂延伸フィルムを積層したことを特徴とす
    、積層不透明樹脂延伸フィルム。
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