JP3752835B2 - ポリプロピレン系発泡フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系発泡フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系発泡フィルムに関するものであり、特に物品包装、ポスター、ラベル、ステッカー等の表示物及び情報記録紙等に用いるのに有用な、折り曲げしわの発生しにくいポリプロピレン系発泡フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無機微粒子を含有する熱可塑性樹脂フィルムを延伸して得られる、フィルム内部に微細な空隙を有する合成紙は特公昭46−40794号公報に知られており、これはパルプ紙と比較して耐水性、強度、平滑性等が優れていることからラベル、ポスター、情報記録紙等として使用されている。
【0003】
また、ポリプロピレン中にポリブチレンテレフタレート微粒子を含有する微細な空隙を含有する熱可塑性樹脂フィルムは特開平3−101924号公報に、ポリプロピレン中にポリカーボネート微粒子を含有する微細な空隙を含有する熱可塑性樹脂フィルムは特開平4−148928号公報、特開平6−228351号公報、特開平7−309964号公報等に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無機微粒子を含有する熱可塑性樹脂フィルムを延伸して得られる、フィルム内部に微細な空隙を含有する合成紙は、樹脂延伸フィルムの内部に無機微粉末を核とする微細な空隙を有する他に、樹脂延伸フィルムの表面からも無機微細粉末が突出し、また、この無機微粉末が二次凝集したものもあるため、印刷、印字時に合成紙表面から脱落し、白抜けが生ずることもある。特に、印刷時に合成樹脂表面から無機微粉末が脱落してインキ中に混入した場合はインキの流動性を失わせて、印刷機から印刷用紙へのインキの適正な流動性を失わせ、印刷トラブルの原因となるという問題を生ずる。
【0005】
また、ポリプロピレン中にポリブチレンテレフタレートやポリカーボネート微粒子を含有する微細な空隙含有フィルムは、製造時に空隙形成開始剤のポリプロピレンマトリックスへの微分散が不充分で形成された空隙が粗大となり、発泡フィルムを折り曲げた際に、フィルム表面の折り曲げていない部分に及ぶ挫屈しわが発生し易く、合成紙として使用するときに加工上、外観上の欠点となっていた。
【0006】
本発明はかかる問題点を解決し、フィルムを折り曲げた場合に、折り曲げていない部分に及ぶ挫屈しわが発生するようなことがなく優れた外観、力学特性を有する、折り曲げ性に優れたポリプロピレン系発泡フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のポリプロピレン系発泡フィルムは、ポリプロピレン樹脂96.8〜67.0重量%と、ポリカーボネート樹脂又は飽和ポリエステル樹脂3.0〜30.0重量%と、脂肪族アミン系界面活性剤又は脂肪族アミド系界面活性剤0.2〜3.0重量%との樹脂組成物からなり、延伸することにより空隙を形成してなり、下記式(1)で表される空隙率が10〜40%であることを特徴とする。
【式1】
Figure 0003752835
【0008】
この場合において、上記のポリプロピレン系発泡フィルムの少なくとも片面にポリオレフィン樹脂層が積層されてなることができる。
【0009】
上記の構成からなるポリプロピレン系発泡フィルムは、フィルムを折り曲げた場合に、折り曲げていない部分に及ぶ挫屈しわが発生するようなことがなく優れた外観、力学特性を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリプロピレン系発泡フィルムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
本発明において用いるポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体の他、プロピレンとエチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体であるものも含むが、プロピレンが90モル%以上の重合体であるのが好ましい。また、上記ポリプロピレン樹脂は、メルトインデックス(MI、JIS−K−7210:230℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分、好ましくは1〜15g/10分ものが好ましい。また、融点は一般的に120〜180℃、好ましくは150〜170℃ものが好ましい。
【0012】
本発明においては、ポリプロピレン樹脂と共にポリカーボネート樹脂又は飽和ポリエステル樹脂のいずれか一方又は両方の樹脂が用いられる。
【0013】
ここで、本発明において用いることのできるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物、または、これと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンと反応させることによって製造される重合体であって、芳香族ジヒドロキシ化合物、または、これと少量のポリヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルでエステル交換反応しても製造することができる。さらに、必要により、分岐剤としての三官能化合物、分子量調節剤も反応に供することができる。このポリカーボネート樹脂は、直鎖状又は分岐鎖状の熱可塑性芳香族ポリカーボネートである。
【0014】
上記芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略記する)、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−イソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等であリ、特に、ビスフェノールAが好ましい。
【0015】
また、分岐したポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物及び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール〔=イサチン(ビスフェノールA)〕、5−クロロイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロモイサチン等を前記ジヒドロキシ化合物の一部、例えば、0.1〜2モル%をポリヒドロキシ化合吻で置換する。
【0016】
さらに、分子量を調節するのに適した一価芳香族ヒドロキシ化合物は、m−及びp−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−ブロモフェノール、p−第3級−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノール等である。
【0017】
好適なポリカーボネート樹脂としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物、特に好ましくはビスフェノールAを主原料とする芳香族ポリカーボネートである。2種以上のジヒドロキシ化合物を併用して得られるポリカーボネート共重合体、3価のフェノール系化合物を少量併用して得られる分岐化ポリカーボネートも好適例として挙げることができる。ポリカーボネート樹脂は2種以上の混合物として用いてもよい。また、熱変形温度(ASTM−D−648:4.6kg/cm2荷重)は120〜200℃、好ましくは130〜170℃のものが良い。また、熱変形温度(ASTM−D−648:4.6kg/cm2荷重)が120〜200℃、好ましくは130〜170℃のものが良い。
【0018】
また、本発明において用いることのできる飽和ポリエステル樹脂は、エステル結合を有する重合体であって、例えば、ジカルボン酸性分とグリコール成分とからなる縮合重合体またはビスフェノールAとテレ/イソ混合フタル酸クロリドとからなる重合体である。ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。一方、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール等を挙げることができる。また、ジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上併用してもよい。また、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸を一部に用いることができる。特に、好ましい飽和ポリエステル樹脂としてはテレフタル酸とブタンジオールとからなるポリエステル、テレフタル酸、イソフタル酸とブタンジオール、ビスフェノールAよりなるポリエステルを挙げることができるがもちろんこれに限定されるものでない。
【0019】
本発明において用いる樹脂組成物中の、脂肪族アミン系界面活性剤又は脂肪族アミド系界面活性剤としては、それぞれ次の一般式(1)又は(2)で表される化合物を挙げることができる。
【0020】
【化1】
Figure 0003752835
【0021】
【化2】
Figure 0003752835
【0022】
ここで、脂肪族アミン系界面活性剤の例としては、ジエタノールC1418アルキルアミンモノC1418カルボン酸エステル、ポリオキシエチレン(2〜6モル)C1418アルキルアミンであるのが好ましく、特に、ジエタノールステアリルアミンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン(6モル)ステアリルアミンであるのが実用的である。
【0023】
また、脂肪族アミド系界面活性剤の例としては、ジエタノールC1218カルボン酸アミドであるのが好ましく、特に、ジエタノールステアリン酸アミドであるのが実用的である。
【0024】
これらの、脂肪族アミン系界面活性剤又は脂肪族アミド系界面活性剤が、0.2重量%より少量であるときは、ポリプロピレン樹脂中に分散するポリカーボネート樹脂又は飽和ポリエステル樹脂の分散効果が小さく、フィルムの折り曲げしわの発生防止も十分でない。また、脂肪族アミン系界面活性剤又は脂肪族アミド系界面活性剤が3重量%より多量であるときは、他のフィルム材料とラミネートする際に接着性が十分でなく、また、インキ接着性も不足する。
【0025】
なお、本発明のフィルムを形成する前記樹脂組成物には、本発明の目的に反しない範囲で他の熱可塑性重合体、任意の紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機又は無機滑剤、着色剤等の添加剤を添加することができる。
【0026】
次に本発明のポリプロピレン系発泡フィルムの製造方法の典型的な例について述べる。
【0027】
本発明において用いる樹脂組成物を、押出機を用いてポリプロピレン樹脂の融点をこえる温度、例えば200〜300℃で混練してポリプロピレン樹脂中にポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、上記分散剤等を混合分散させ、次いでダイからフィルムを押し出し、冷却固化した後、所望の空隙を得るような温度、倍率で延伸する。例えば、100〜150℃に加熱した周速差を有するロール間で長手方向に3〜10倍程度延伸し、次いで幅方向にテンターを用いて140〜170℃の温度で4〜10倍延伸する。しかる後、150〜170℃の温度で熱固定して巻取ることにより得ることができる。
【0028】
本発明のフィルムを製造するための延伸方法は上記の方法に限定するものではなく、逐次2軸延伸法の方が好ましいが同時2軸延伸法によることができる。
【0029】
また、ヒートシール性、光沢等を与えるために、ポリオレフィン樹脂層を積層することができる。ポリオレフィン樹脂層を積層するには、例えば、上記の如き方法で得られたポリプロピレン系発泡フィルムの一方の面又は両方の面に未延伸または延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを積層・接着してもよく、また、ポリプロピレン系発泡フィルム上にポリオレフィン樹脂をフィルム状に溶融押出しし積層してもよい。また、前記樹脂組成物の溶融押出しと同時にポリオレフィン樹脂を溶融共押出しし、積層した後2軸延伸する方法、あるいは前記樹脂組成物を溶融押出しし、1軸延伸した後ポリオレフィン樹脂を溶融押出し積層し前記延伸方向と直角方向に延伸することによっても得ることができる。ここで、ポリオレフィン樹脂層は空隙の存在により失透しているようなことはなく、ヒートシール性、光沢等が必要な用途のために形成することができ、各種染料、顔料で着色されることができる。
【0030】
上記ポリオレフィン樹脂層を形成するのに用いることのできるポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1等のオレフィンを主成分とする単独重合体又は共重合体を主体とする樹脂組成物である。
【0031】
本発明のポリプロピレン系発泡フィルムは、単層のポリプロピレン系発泡フィルムの場合、厚さは5〜200μm程度であり、好ましくは20〜150μm程度である。さらに、ポリオレフィン樹脂層を一方の面又は両方の面に積層した場合は、ポリオレフィン樹脂層の厚さは0.5〜30μm程度であり、好ましくは1〜20μm程度である。また、発泡フィルム層中の空隙率は下式で算出した空隙率が10〜40%程度であるのが実用的であるが、15〜30%程度であるのが好ましい。
【0032】
【式1】
【0033】
また、フィルム密度は下式により求める。
【0034】
【式2】
Figure 0003752835
【0035】
また、本発明のポリプロピレン系発泡フィルムには、用途に応じてコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等を施して接着性、印刷性等を高めることも有効であり、さらにコート処理、他の樹脂フィルム、布、紙等と張り合わせ加工することもできる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の内容および効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性値の測定方法は以下の通りである。
【0037】
本発明の折り曲げしわ性に優れたポリプロピレン系発泡フィルムは、それ自身物品包装用紙、ポスター用紙、ラベル用紙、ステッカー用紙等として用いることができ、また、この表面にゼラチン層、感熱記録塗工層、画像受容記録層等を設け、印画紙、感熱記録紙、熱転写画像受容紙等として用いるための支持体として有効である。
【0038】
(1)メルトインデックス(MI)
JIS−K−7210による。
【0039】
(2)熱変形温度
ASTM−D−648による。
【0040】
(3)折り曲げしわ性
縦50mm、横50mmの試験片を2枚切り出し、1枚を図1(a)の如く横方向の辺の中央部から試験片の中心部に向かって10mm長だけ2つ折りにして折り目をつけ、他の1枚を縦方向の辺の中央部から試験片の中心部に向かって10mmだけ2つ折りにして折り目をつけ、それぞれの2つ折りした部分端から発生した折り曲げていない部分へのシワ(みぞ)の発生と広がりのレベルを観察する。
5:シワが無い。
4:細いシワが有るが、目視で確認が困難。
3:強いシワが少数もしくは細いシワが多数発生。
2:強いシワが容易に確認できる。
1:強いシワが多数発生。
【0041】
(4)インキ接着性
フィルムのコロナ放電処理面に2軸延伸ポリプロピレン処理用インキで印刷し、ニチバンセロテープを印刷面に貼り付け、剥離した後のインキの剥がれ状態を観察する。
5:インキ剥がれなし。
4:20%未満の面積で剥がれ発生。
3:20〜50%の面積で剥がれ発生。
2:50〜90%の面積で剥がれ発生。
1:90%以上の面積で剥がれ発生。
【0042】
(実施例1)
メルトインデックス2.3g/10分、アイソタクチックインデッスク97%のポリプロピレン85.5重量%とメルトインデックス6.0g/10分(360℃、荷重2.16kg)のポリアリレート10.0重量%、ジエタノールステアリルアミンモノステアリン酸エステル0.5重量%、二酸化チタン4.0重量%からなる樹脂組成物を溶融混合して270℃で押出機からTダイを用いてシート状に押出し、冷却ドラムで冷却した。続いて、該シートを周速差の異なるロール間で縦方向に130℃で5倍延伸し、しかる後テンターを用いて横方向に160℃で9倍延伸し、引き続いて160℃で熱固定し、片側面にコロナ放電処理した後冷却し捲取った。フィルムの厚みは30μmであった。
【0043】
得られたフィルムの特性値を、空隙率、折り曲げしわ性、インキ接着性について測定した。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例2,3、比較例1〜
実施例1において使用した樹脂組成物を、その配合比及び延伸後のフィルムの厚みを表1の如く変更した他は同様の条件を用いて2軸延伸フィルムを得た。
【0045】
得られたフィルムの特性値を、空隙率、折り曲げしわ性、インキ接着性について測定した。結果を表1に示す。
【0046】
以上の結果から、本発明で規定する界面活性剤を規定量使用しない場合、即ち、少ない場合は空隙発生の起因剤となるポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹脂の押出機中でのポリプロピレンへの分散が不充分であるため、空隙の1つ1つが大きく空隙率自身は満足しているが折り曲げたときには容易に歪みが伝播して折り曲げしわ性が低い。一方、適量の分散剤を使用した場合はポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹脂の分散が良好で空隙が細かいため折り曲げ部分の歪みが広がらず折り曲げしわ性が優れていることがわかる。
【0047】
(実施例4)
実施例2と同一の樹脂組成物を中心層に用い、アイソタクチックポリプロピレンを表面層及び裏面層に用いて三層共押出機を用いた。押出し、2軸延伸条件は実施例1と同様にして2軸延伸フィルムを得た。
【0048】
得られたフィルムの各層の厚み及びフィルムの特性値の測定結果を表2に示す。
【0049】
得られた積層フィルムは、十分な折り曲げしわ性を有すると共に優れたインキ接着性を有していた。
【0050】
(実施例5)
実施例4において、プロピレン・ブテン共重合体(ブテン18重量%)を表面層に用い、各層の厚みを表2の通りとした以外は実施例4の通りとして2軸延伸フィルムを得た。
【0051】
得られたフィルムの各層の厚み及びフィルムの特性値の測定結果を表2に示す。
【0052】
得られた積層フィルムは、十分な折り曲げしわ性を有すると共に優れたヒートシール性を有していた。
【0053】
【表1】
Figure 0003752835
【0054】
【表2】
Figure 0003752835
【0055】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン系発泡フィルムによれば、フィルムを折り曲げた場合に、折り曲げていない部分に及ぶ挫屈しわが発生するようなことがなく、かつ、外観、力学特性も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)折り曲げしわ性試験において横方向に折り目をつけた場合を示す。
(b)折り曲げしわ性試験において縦方向に折り目をつけた場合を示す。
【符号の説明】
1 試験片
2 折り目
3 折り目

Claims (2)

  1. ポリプロピレン樹脂96.8〜67.0重量%と、ポリカーボネート樹脂又は飽和ポリエステル樹脂3.0〜30.0重量%と、脂肪族アミン系界面活性剤又は脂肪族アミド系界面活性剤0.2〜3.0重量%との樹脂組成物からなり、延伸することにより空隙を形成してなり、下記式(1)で表される空隙率が10〜40%であることを特徴とするポリプロピレン系発泡フィルム。
    【式1】
    Figure 0003752835
  2. 請求項1記載のポリプロピレン系発泡フィルムの少なくとも片面にポリオレフィン樹脂層が積層されてなることを特徴とするポリプロピレン系発泡フィルム。
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