JP4591259B2 - 隠蔽性良好なヒートシール性ポリオレフィン系発泡フイルム - Google Patents

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Description

本発明は、加工に適した腰感を維持したヒートシール性付与したポリオレフィン系発泡フィルムに関し、さらに詳しくは高い隠蔽性を有し、かつ、発泡による低比重化を両立すした、各種包装材料として使用した場合に有用なヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムに関するものである。
一般的に、包装材料は、内容物の種類等の目的・用途に応じて隠蔽性、バリア性、美観性などの性質を考慮し、適当な素材・構成が選択される。
そのような包装材料としての重要な特性のひとつとしてヒートシール性が挙げられる。現状有るヒートシール性を有するフィルムとしては、(1)各種延伸フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等)を基材とし、ヒートシール性を有するシーラントフイルム(無延伸ポリプロピレン、ポリエチレンなど)をラミネートした積層フィルム、(2)シーラント樹脂と、ポリプロピレン等とを共押出しし、延伸することで得られる積層フィルムが主流である。そのようなフィルムとして、A/B、A/B/A、またはA/B/Cの2層または3層からなるポリオレフィン系低温シール性フィルムについて紹介されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、包装材料としての重要な特性として隠蔽性も挙げられる。包装用フィルムの隠蔽性付与の方策として(1)印刷、(2)顔料や着色剤等の練り込み、添加、(3)発泡剤添加による延伸時の発泡の利用などが挙げられるが、クッション性、断熱性も合わせて付与出来る方法として発泡核剤添加によるボイドの形成は主流の一つといえる。
また延伸時の発泡による隠蔽性付与においては、その樹脂を非相溶状態にしておくことでパール調やマット調といった特殊な外観を形成可能なことはすでに公知となっている。このように包装用フィルムの、隠蔽性・クッション性・断熱性・特殊な外観の付与、軽量化を達成する手段として、発泡剤の添加によるフィルムの発泡は有用である。そのようなフィルムとして、ポリプロピレン、ポリプロピレンを主成分とする共重合体、無機質フィラ−を含有することを特徴とする、真珠様光沢性を有する二軸延伸ポリプロピレン系フィルムが紹介されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−24980号公報 特許第3281410号公報
上記で述べたように、包装材料として、ヒートシール性付与と発泡剤の添加による隠蔽性の付与は最も重要な特性の一つであるが、これらを高い水準で両立するフィルムのデザインは難しい。すなわち、上記特許文献1あるいは特許文献2に記載されたヒートシール性発泡フィルムでは、発泡核剤により発生したボイドのため、非発泡フィルムと比較して層間強度が低く、そのため、ヒートシールした基材を剥離する際、シール層界面ではなく層間における剥離が発生するため、シール強度としては低い値となってしまう。また白色顔料等の添加も異物を混入するという意味ではフィルム層間の強度を下げる事になり、結果としてヒートシール強度の低下を引き起こすという問題があった。
また、隠蔽性向上にはフィラーの大量添加が有効であるが、フイルム腰感の低下、ヒートシール強度の低下、コスト高、フィラー脱落による工程汚染、フィルム異物発生などの問題が懸念される。特にフィルム腰感の低下は包装材料として用いる際に、印刷工程、ラミ工程にてシワが混入しやすくなるというデメリットがある。
しかも、廃棄の際の容積の縮小、焼却時のCO2発生量の低減は社会の要請であり、フィルムの厚みが小さくとも前述の課題を解決することが求められている。
本発明は、上記の様な事情に着目してなされたものであり、その目的は、ヒートシール性付与と隠蔽性の良好なヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルム、詳しくは、シール強度、隠蔽性、腰感、軽量性、製膜性に優れたヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを提供しようとするものである。
本発明のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムは、上記課題に着目してなされたものであり、少なくともシール層と発泡層の2層を含む事を特徴とする、ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムであって、その厚みが30μm以下の場合にJIS K7105による全光線透過率が15%以下であり、かつシール強度が5.0N/15mm以上であり、前記発泡層がポリオレフィン系樹脂を主とし、発泡層に添加する炭酸カルシウムの平均粒子径が0.8μm以上、1.8μm以下、標準偏差が2.0以下、比表面積が20000cm /g以上、25000cm /g以下であることを特徴とするものである。
この場合において、前記フィルムの発泡層厚みが20μm以下であることが好適である。
また、この場合において、前記発泡層のポリオレフィン系樹脂がプロピレンの単独重合体または90モル%以上のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体であって、メルトフローレイトが1〜15g/10分であることが好適である。
さらにまた、この場合において、前記フィルムの発泡層の炭酸カルシウム添加量が5重量%以上、14重量%以下、二酸化チタン等の無機顔料微粒子の添加量が0.5重量%以上、18重量%以下であることが好 適である。
さらにまた、この場合において、前記フィルムの発泡層に添加する炭酸カルシウムの平均粒子径が0.8μm以上、1.8μm以下、標準偏差が2.0以下、比表面積が20000cm2/g以上、25000cm2/g以下であることを特徴とするヒートシール性ポリオレフィン系発泡フイルム
さらにまた、この場合において、前記記載のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フイルムの製造方法としては、押出し機より吐出した樹脂を50℃以上100℃以下の表面温度を有する冷却ロールにて冷却固化する工程を含むことが好適である。
上記の様に、本発明に係るヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムでは、発泡核剤となる無機フィラーの添加量及び厚みを低減すると共に、良好な加工適正及び隠蔽性を両立することが可能である。
以下、本発明のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの実施の形態を説明する。
本発明における発泡層(A)、シール層(B)から構成されたヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの発泡層(A)に使用されるベースポリマーは、プロピレンを主たるモノマー単位として含むものであり、プロピレンの単独重合体のほか、プロピレンと共重合可能なα―オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどを共重合せしめた共重合体を使用することができる。該共重合体においてはプロピレンが90モル%以上の重合体であることが好ましい。また上記ポリプロピレン樹脂はメルトフローレイト(MFR、JIS−K−7210;230℃、2.16kg荷重)が0.5〜40g/10分、特に1〜15g/10分のものが好ましい。また融点は一般的に120〜180℃、好ましくは150〜170℃である。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの発泡層(A)に使用される発泡核剤としては、炭酸カルシウムが好ましい。また、発泡核剤の配合量としては14重量%以下が好ましく、特に8重量%〜12重量%であることが好ましい。発泡核剤が8重量%未満では良好な発泡が得られず、隠蔽性付与が不十分となり、14重量%より多いとボイド率が高すぎ、層間強度の悪化、製膜性の悪化が発生する。
また炭酸カルシウムの粒経が本発明においては重要であり、すなわち平均粒子径が0.8μm以上、1.8μm以下、標準偏差が2.0以下であり、比表面積が20000cm2/g以上、25000cm2/g以下の場合に良好な隠蔽性を達成する。明確なメカニズムは検証できていないが、発泡核剤の大きさと粒度分布がボイドの生成に寄与し、光線を遮蔽するのに適当な大きさのボイドを均一に発生せしめるものと推測する。
ここでいう、発泡とはポリオレフィン系樹脂に非相溶の樹脂や無機又は有機微粒子を配合し、製膜後延伸することにより、ポリオレフィン系樹脂と非相溶の樹脂や微粒子との界面に微細な空洞が生成することあり、その程度はボイド率で表すのが一般的である。
本発明において、好ましいボイド率は、25%〜35%である。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの発泡層(A)には本発明の効果を損なわない範囲であれば、隠蔽性、滑り性、生産性等を向上させる手段として、無機質あるいは有機質の微細粒子を配合することも可能である。無機質微細粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、タルク、カオリン、雲母、ゼオライトなどが挙げられ、これらの形状は、球状、楕円状、円錐状、不定形と種類を問うものではなく、その粒子径もフィルムの用途、使用法により所望のものを使用配合することができる。
添加する無機質あるいは有機質の微細粒子の平均粒径は0.1〜0.3μmが好適であり、含有量は0.5〜18重量%であることが好適である。この微細粒子は、ボイドを形成しないものが好ましい。特に二酸化チタンが好適である。
有機質の粒子としては、アクリル、アクリル酸メチル、スチレン−ブタジエンなどの架橋体粒子を使用することができ、形状、大きさに関しては無機質微細粒子と同様に様々なものを使用することが可能である。また、これら無機質あるいは有機質の微細粒子表面に各種の表面処理を施すことも可能であり、また、これらは単独で使用し得るほか、2種以上を併用することも可能である。
また、通常ポリオレフィンフイルムに配合される公知の安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、可塑剤も適宜配合できる。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムのシール層(B)に使用されるポリマーとしては、アイソタクチックポリプロピレンよりも低い融点を持つ、ポリプロピレンとα−オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1などを共重合せしめたコポリマー、もしくはターポリマーを用いることが好ましい。これらのコポリマー、ターポリマーは必ずしも1種である必要はなく、用途、目的によって2種類以上を混合しても良い。この場合、用いるコポリマー、ターポリマーの融点がポリプロピレンと同等もしくはそれ以上であると、シール開始温度の上昇、シール強度の減少などが発生し、良好なシール性が達成できなくなる。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムのシール層(B)に使用されるポリマーとしては、アタクチックポリプロピレン樹脂を用いても良い。この場合も上記コポリマー、ターポリマーと同様に、融点がアイソタクチックポリプロピレンと同等もしくはそれ以上であると、シール開始温度の上昇、シール強度の減少などが発生し、良好なシール性が達成できなくなる。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムのシール層(B)には本発明の効果を損なわない範囲であれば、隠蔽性、滑り性、生産性等を向上させる手段として、無機質あるいは有機質の微細粒子を配合することも可能である。無機質微細粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、ゼオライト等が挙げられ、これらの形状は、球状、楕円状、円錐状、不定形と種類を問うものではなく、その粒子径もフィルムの用途、使用法により所望のものを使用配合することができる。
添加する微細粒子の平均粒径は1〜7μm、添加量は1000〜5000ppmが好適である。
これらの粒子の粒径は、粒子の製造メーカーのカタログの記載の測定方法によるものである。
この時のフィルム厚みは、その用途や使用方法によって異なるが、包装フィルムとしてのポリプロピレン系発泡フィルムは一般的に10〜100μmであり、機械的強度やハンドリングの点において、より好ましくは20〜40μmであり、特に好ましくは35μm以下である。更に昨今、環境への配慮から包材の減容化が進められている。また、発泡層(A)シール層(B)の層構成としてはフィルム全体厚みの3〜15%、97〜85%、が好ましい。この場合、発泡層(A)の厚みが薄い場合、発泡不足となり、低比重化できず、一方、厚みが厚い場合ボイド率が増加し、層間強度の低下を招く。また、シール層(B)の厚みが薄い場合、シール強度の低下が起こり、一方、厚みが厚い場合発泡不足となり、低比重化できない。
また、本発明においては、発泡層厚みが20μm以下であるのが、ボイド率増加による層間強度向上の点で好ましい。
ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムでは必要に応じて中間層等を設置することができる。我々は発泡層とシール層の間に実質的に発泡していない、発泡層樹脂とシール層樹脂からなる中間層を設けることでヒートシール強度、層間強度を向上させることができる。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの中間層(C)及びに使用されるポリマーとしては、上記シール層(B)を形成する樹脂の、少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂種を含有することが好ましい。
ここでいう、少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂とは、上記シール層(B)を形成するポリオレフィン系樹脂と同じ共重合成分を含むポリプロピレン樹脂を意味する。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの中間層(C)に使用されるポリマーとしては、アイソタクチックポリプロピレンよりも低い融点を持つ、ポリプロピレンとα−オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチル−1ペンテンなどを共重合せしめたコポリマー、もしくはターポリマーを用いることが好ましい。
中間層(C)に、シール層(B)を形成する樹脂の、少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂種を含有することで、高い層間強度を得ることが可能になる。
ここでいう、少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂とは、上記シール層(B)を形成するポリオレフィン系樹脂と同じ共重合成分を含むポリプロピレン樹脂を意味する。
また、実質的に発泡していないことが好ましい。中間層が発泡することで、層間強度が低下し、本発明の目的の一つに挙げられる良好なシール性が達成できなくなる。
該ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの中間層(C)には本発明の効果を損なわない範囲であれば、隠蔽性、滑り性、生産性等を向上させる手段として、無機質あるいは有機質の微細粒子を配合することも可能である。無機質微細粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、ゼオライト等が挙げられ、これらの形状は、球状、楕円状、円錐状、不定形と種類を問うものではなく、その粒子径もフィルムの用途、使用法により所望のものを使用配合することができる。
本発明のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムは、シール面同士をヒートシール温度130℃、シール圧力10N/cm2、シール時間1秒間でのシール強度が5.0N/15mm以上であることが好適である。シール強度が5.0N/15mm以上の場合、ある程度の重量物を包装した際でも十分な強度が得られる。
また、ヒートシール温度90℃、シール圧力1MPa、シール時間1秒間でのシール強度が3.0N/15mm以上であることが好適である。
尚、本発明における発泡層(A)、シール層(B)から構成されたヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを製膜する方法は、例えばTダイ法などで押し出し温度150〜300℃の温度で溶融押し出しした樹脂組成物を冷却ロールで固化させたシートに延伸を施すことによって得られる。
但し、本発明のフィルムは少なくとも2種類の樹脂層を積層することが必須であり、その積層方法は、発泡層(A)、シール層(B)をそれぞれ別々の押し出し機より溶融混錬し、Tダイ内で積層した上で押し出すことが好ましい実施態様である。
延伸工程では、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
尚、本発明における発泡層(A)、シール層(B)から構成されたヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを製膜する方法は、押出し機より溶融押出しした樹脂組成物を冷却ロールで固化させる際、そのロールの表面温度が50℃以上100℃以下であることが好適であり、70℃以上、100℃以下がさらに好適である。
そのメカニズムは現在検証中であるが、以下のように推定している。すなわち冷却ロール温度が50℃以上100℃以下で溶融樹脂が徐冷された場合、ベース樹脂であるポリオレフイン系樹脂の結晶化が次工程の縦延伸、横延伸工程まで進行しつづけることで結晶化度が高くなり、延伸時の延伸応力が高くなる。すなわち延伸時に発泡核剤との剥離が発生しやすくなり、ボイドの大量発生、隠蔽性能向上が可能となる。一方50℃未満の場合は溶融樹脂の急冷にて樹脂の結晶化度は低くなり、延伸時の延伸応力低下するためボイドの生成が抑えられていると推定する。通常、フイルム製膜時には延伸応力の低減、透明性向上、シートの平面性維持のため、低温ロールでの急冷が一般的であるが本発明では隠蔽性を付与するために高温で冷却するのが好適である。
次に本発明の内容および効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しないかぎり以下の実施例に限定されるものではない。尚、本明細書中における特性値の測定方法は以下の通りである。
(冷却ロール表面温度測定)
接触式温度計(アンリツ製HA−400E)にて測定。
(全光線透過率)
JIS K7105に準拠して全光線透過率を測定した。
(厚み及び見かけ比重)
サンプルを280mm×400mmのサイズにカットし、化学天秤にて重さを測定する。その後ダイヤルゲージを用いて厚みを測定する。それらの結果を以下の式(1)に当てはめ算出する。
見かけ比重(g/cm3) = 重さ(g)/(面積(cm2)×厚み(μm)) (1)
(腰感)
150mm×150mmにカットしたサンプルフイルム1枚を、片手で無作為に3秒間握りつぶし、その後そのサンプルを広げ、シワの入り方を目視観察する事で腰感の評価実施した。
○・・・握りつぶしによるシワのみ存在する。
×・・・握りつぶしによるシワとそのシワを起因とした細かいシワが多数存在する。
(ヒートシール強度)
JIS Z1707に準拠してシール強度測定実施した。具体的な手順を簡単に以下に記す。ヒートシーラーにて、サンプルのシール層面同士を接着。該接着サンプルを、引張強度試験機(東洋測機社製:商品名テンシロンUTM)を使用して、T時剥離強度の測定を行った。この時のシール圧力は10N/cm2、シール時間は1秒、シール温度は130℃、引張速度は200mm/分、試験片幅は15mm幅である。単位はN/15mmで示す。
(製膜性)
フィルム製膜時のTダイリップ口のリップ汚れの発生状況を目視観察し、リップ汚れによる樹脂流下異常発生しないようにリップ掃除必要と判断されるまでの時間を測定した。
(炭酸カルシウム平均粒子径)
マイクロトラック HRA X−100にて測定。
(炭酸カルシウム比表面積)
恒圧通気式粉体比表面積測定装置にて測定。
(実施例1)
本実施例としては、シール層(B)/発泡層(A)/シール層(B)の2種3層構成からなる発泡フィルムであり、シール層(B)は、同一の押出し機から押出しし、ダイス前のアダプターにて分流させた同一の樹脂組成物からなる構成である。
詳細には一方の押し出し機より発泡層(A)としてポリプロピレン単独重合体(住友化
学製「FS2011DG3」MFR=2.5g/10分)55重量部、炭酸カルシウム・二酸化チタン混合マスターバッチ(ポリプロピレン40%、炭酸カルシウム(備北粉化工業製「PO−220B−10」平均粒子径が1.5μm、比表面積が22000cm2/g )48%、二酸化チタン12%)25重量部、二酸化チタンマスターバッチ(大日本インキ製「L−11145M」ポリプロピレン40%、二酸化チタン60%)20重量部を混合後、250℃の樹脂温度で溶融押し出しし、もう一方の押し出し機によりシール層(B)として、プロピレン−ブテン共重合体(住友化学製「FSX89E3」MFR=9g/10分、ブテン成分18%)70重量部、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(住友化学製「FSX66E8」MFR=3g/10分、エチレン成分2%、ブテン成分5%)30重量部にアンチブロッキング剤として炭酸カルシウム粒子(平均粒子径5μm)1500ppmを添加し、260℃の樹脂温度で溶融押し出しし、Tダイ内にて発泡層(A)、シール層(B)を積層し、50℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。
引き続き、130℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用してタテ方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、ヨコ方向に9.0倍の延伸を行った上で、フィルムワインダーにより巻き取ってフィルムを得た。最終的なフィルム厚みは、22μmである。また発泡層(A)シール層(B)のそれぞれの層構成はシール層(B)/発泡層(A)/シール層(B)=2μm/18μm/2μmであった。
本フィルムは、隠蔽性良好でシール性の付与されたフィルムであった。またTダイリップ掃除回数は16時間に1回であった。特性値を表1に示す。
(実施例2)
本実施例としては、シール層(B)/発泡層(A)/シール層(B)の2種3層構成からなる発泡フィルムであり、シール層(B)は、同一の押出し機から押出しし、ダイス前のアダプターにて分流させた同一の樹脂組成物からなる構成である。
詳細には一方の押し出し機より発泡層(A)としてポリプロピレン単独重合体(住友化学製「FS2011DG3」MFR=2.5g/10分)55重量部、炭酸カルシウム・二酸化チタン混合マスターバッチ(ポリプロピレン40%、炭酸カルシウム(備北粉化工業製「PO−220B−10」平均粒子径が1.5μm、比表面積が22000cm2/g )48%、二酸化チタン12%)25重量部、二酸化チタンマスターバッチ(大日本インキ製「L−11145M」ポリプロピレン40%、二酸化チタン60%)20重量部を混合後、250℃の樹脂温度で溶融押し出しし、もう一方の押し出し機によりシール層(B)として、プロピレン−ブテン共重合体(住友化学製「FSX89E3」MFR=9g/10分、ブテン成分18%)70重量部、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(住友化学製「FSX66E8」MFR=3g/10分、エチレン成分2%、ブテン成分5%)30重量部にアンチブロッキング剤として炭酸カルシウム粒子(平均粒子径5μm)1500ppmを添加し、260℃の樹脂温度で溶融押し出しし、Tダイ内にて発泡層(A)、シール層(B)を積層し、80℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。
引き続き、130℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用してタテ方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、ヨコ方向に9.0倍の延伸を行った上で、フィルムワインダーにより巻き取ってフィルムを得た。最終的なフィルム厚みは、23μmである。また発泡層(A)シール層(B)のそれぞれの層構成はシール層(B)/発泡層(A)/シール層(B)=2μm/19μm/ 2μmであった。
本フィルムは、隠蔽性良好でシール性の付与されたフィルムであった。またTダイリップ掃除回数は16時間に1回であった。特性値を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、発泡層(A)に添加する炭酸カルシウムを平均粒子径が2.1μm、比表面積が19000cm2/g にした以外は全く同様の方法でヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを得た。本フィルムは、隠蔽性良好でシール性の付与されたフィルムであった。特性値を表1に示す。
(実施例4)
層構成を、シール層(B)/中間層(C)/発泡層(A)/表面層(D)とし、シール層(B)、発泡層(A)は実施例1と同じ組成とし、中間層(C)、表面層(D)として、ポリプロピレン単独重合体(住友化学製「FS2011DG3」 MFR=2.5g/10分)20重量部、ポリプロピレン単独重合体(住友化学製「FS7053G3」MFR=7.0g/10分)30重量部、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(住友化学製「FSX66E8」 MFR=3g/10分、エチレン成分2.5%、ブテン成分7%)50重量部を260℃の樹脂温度にて第三の押し出し機より溶融押し出しし、Tダイ内にて積層した以外は全く実施例1と同様の方法でヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを得た。本フィルムは実施例1のフィルムと比較し、シール強度の向上したフィルムとなった。特性値を表2に示す。
(実施例5)
層構成を、シール層(B)/中間層(C)/発泡層(A)/表面層(D)とし、シール層(B)、発泡層(A)は実施例2と同じ組成にし、中間層(C)、表面層(D)として、ポリプロピレン単独重合体(住友化学製「FS2011DG3」 MFR=2.5g/10分)20重量部、ポリプロピレン単独重合体(住友化学製「FS7053G3」MFR=7.0g/10分)30重量部、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(住友化学製「FSX66E8」 MFR=3g/10分、エチレン成分2.5%、ブテン成分7%)50重量部を260℃の樹脂温度にて第三の押し出し機より溶融押し出しし、Tダイ内にて積層した以外は実施例2と全く同様の方法でヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを得た。本フィルムは実施例2のフィルムと比較し、シール強度の向上したフィルムとなった。特性値を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、発泡層(A)に添加する炭酸カルシウムを備北粉化工業製「PO−150B−10」平均粒子径が3.2μm、比表面積が15000cm2/g にした以外は全く同様の方法でヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを得た。本フィルムは実施例1のフィルムと比較し、隠蔽性に劣るフィルムとなった。特性値を表3に示す。
(比較例2)
実施例1において、発泡層(A)のポリプロピレン単独重合体、炭酸カルシウム・二酸化チタン混合マスターバッチの配合量をそれぞれ45重量部、35重量部にした以外は全く同様の方法でヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを得た。本フィルムは実施例1のフィルムと比較し、腰感悪く、Tダイリップ汚れの掃除は12時間に1回必要であった。特性値を表3に示す。
(比較例3)
実施例3において、溶融樹脂の冷却温度が20℃である以外は全く同様の方法でヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムを得た。本フィルムは実施例3のフィルムと比較し、隠蔽性に劣るフィルムとなった。特性値を表3に示す。
Figure 0004591259
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本発明のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムは、隠蔽性を向上させつつ、包装材料とした時に減容化に効果的であり、加工に適当な腰感を有した特徴を有する、包装材料に好適なフィルムである。

Claims (5)

  1. 少なくともシール層と発泡層の2層を含む事を特徴とする、ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムであって、その厚みが30μm以下の場合にJIS K7105による全光線透過率が15%以下であり、かつシール強度が5.0N/15mm以上であり、前記発泡層がポリオレフィン系樹脂を主とし、発泡層に添加する炭酸カルシウムの平均粒子径が0.8μm以上、1.8μm以下、標準偏差が2.0以下、比表面積が20000cm /g以上、25000cm /g以下であることを特徴とする、ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルム。
  2. 請求項1記載のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムであって、前記フィルムの発泡層厚みが20μm以下である事を特徴とするヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルム。
  3. 請求項1または2記載のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムであって、前記発泡層のポリオレフィン系樹脂がプロピレンの単独重合体または90モル%以上のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体であって、メルトフローレイトが1〜15g/10分であることを特徴とするヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルム。
  4. 請求項1、2または3記載のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムであって、前記フィルムの発泡層の炭酸カルシウム添加量が5重量%以上、14重量%以下、二酸化チタン等の無機顔料微粒子の添加量が0.5重量%以上、18重量%以下であることを特徴とするヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルム。
  5. 請求項1、2、3または4記載のヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの製造方法であって、押出し機より吐出した樹脂を50℃以上100℃以下の表面温度を有する冷却ロールにて冷却固化する工程を含むことを特徴とするヒートシール性ポリオレフィン系発泡フィルムの製造方法。
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