JP2006181915A - ポリプロピレン系積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐水性、防湿性とともに多方向引裂き性を有する、包装用フィルムやテープ用フィルムとして有用なポリプロピレン系積層フィルムを提供すること。
【解決手段】 ポリプロピレン樹脂40〜90wt%とポリエチレン樹脂又はプロピレン系ブロック共重合樹脂10〜60wt%とからなる混合樹脂100重量部に対して平均粒子径0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量部含有し、かつ、全厚みの5〜60%の厚みを有する表層(B)が、ポリプロピレン樹脂からなり、上記表層(B)の結晶化温度より低い結晶化温度を有する基層(A)の少なくとも片面に積層された積層フィルムであって、少なくとも一方向に延伸されてなり、該積層フィルムの厚みが50μm以下、全光線透過率が50%以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリプロピレン樹脂40〜90wt%とポリエチレン樹脂又はプロピレン系ブロック共重合樹脂10〜60wt%とからなる混合樹脂100重量部に対して平均粒子径0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量部含有し、かつ、全厚みの5〜60%の厚みを有する表層(B)が、ポリプロピレン樹脂からなり、上記表層(B)の結晶化温度より低い結晶化温度を有する基層(A)の少なくとも片面に積層された積層フィルムであって、少なくとも一方向に延伸されてなり、該積層フィルムの厚みが50μm以下、全光線透過率が50%以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリプロピレン系積層フィルム、特に、耐水性、防湿性とともにあらゆる方向(多方向)への引裂き性を有する、包装用フィルムやテープ用フィルムとして有用な、ポリプロピレン系積層フィルムに関するものである。
従来から、ポリプロピレン系積層フィルムをベースフィルムとした包装用袋や粘着テープなどは、延伸されたポリプロピレン系積層フィルムの強靭性、耐水性などの優れた特性のよさを評価して用いられているが、これらの優れた特性を有する反面、切断しにくく、包装用袋を開口するときに引裂き難い欠点や、粘着テープとしたときに切りにくい欠点があった。一方、切断性の優れたフィルムとしては、セロハンがよく知られている。セロハンは、その優れた透明性と易引裂き性、ひねりしわ固定性等の特性により各種包装材料、粘着テープ用として重用されている。しかし、セロハンは吸湿性を有するため使用環境によりその特性が変動し一定の品質のものを常に供給することは困難であるという欠点があった。
上記ポリプロピレン系積層フィルムの欠点を解決する方法として、一軸方向に配向したポリプロピレン系積層フィルムや低分子量のポリプロピレン樹脂を用いるものが知られており、さらに、非相溶の複数のポリマーを含む組成物を押出し成形した易引裂き性フィルムが知られている。例えば、直鎖状低密度ポリエチレンと、特定の溶解度係数を有する熱可塑性樹脂とを一定の割合で配合し、熱溶融押出して製膜方向に引裂きやすいフィルムを製造する方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。また、ナイロンなどの高融点樹脂とポリエチレンなどの低融点のオレフィン樹脂からなる貧相溶性の樹脂から一定方向に易引裂き性を有するフィルムを製造する方法(例えば、特許文献2参照)、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂を添加して2軸延伸することにより手切れ性と耐衝撃性とを有するフィルムを製造する方法(例えば、特許文献3参照)なども提案されている。
しかしながら、上記従来技術において、一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、また、ナイロンなどの高融点樹脂とポリエチレンなどの低融点のオレフィン樹脂からなる貧相溶性の樹脂を用いる方法、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂を添加した混合樹脂を用いる方法は、フィルムの伸びが低下するため、弾性が損なわれ、取扱い性や加工性を大きく低下させる。さらにこれらのフィルムは、強度及び凝集力が小さく、延伸工程での膜破れのトラブルが発生しやすくなり実用的でなかった。
また、包装材料としての重要な特性として隠蔽性も挙げられる。包装用フィルムの隠蔽性を付与する方策として (1)印刷、(2)顔料や着色剤等の練り込み、添加、(3)発泡剤添加による延伸時の発泡の利用などが挙げられるが、クッション性、断熱性も合わせて付与できる方法として発泡剤の添加は主流の一つといえる。さらに、延伸時の発泡により隠蔽性を付与する方法として、その樹脂を非相溶状態にしておくことでパール調やマット調の外観を形成可能なことはすでに公知となっている。このように、包装用フィルムの、隠蔽性・クッション性・断熱性・特殊な外観の付与、軽量化を達成する手段として、発泡剤の添加によるフィルムの発泡は有用である。ポリプロピレン、 プロピレンを主成分とする共重合体及び無機質フィラ−からなる、真珠様光沢性を有する二軸延伸ポリプロピレン系積層フィルム(例えば、特許文献4参照)が紹介されている。しかし、かかるフィルムは、包装材料として求められる、手による引裂き性に劣ったものであった。
さらに、事務用の接着テープは印刷物あるいは手書きの紙を貼合わせる際に使用されることが多いが、この場合、易引裂き性と同時にディスペンサーでの易切断性があることが望まれる。一方、貼合せた紙が容易に再分離しないためには粘着テープにある程度の実用強度も要求される。
このよう要求に耐える粘着テープを得るには、易引裂き性、実用強さ及びコピー適性をすべて備えたフィルムを使用する必要がある。その目的のために結晶性低分子量ポリオレフィンからなる中心層と、その両面に表面粗さを規定した薄膜層を積層したポリオレフィン積層フィルム(例えば、特許文献5参照)が提案されている。 しかし、実用強度を満足しない等の問題があった。
特開平1−153733号公報
特開平4−19137号公報
特公平6−94208号公報
特許第3281410号公報
特開昭58−18259号公報
本発明は、上記従来の易引裂き性フィルムの有する問題点に鑑み、耐水性、防湿性とともに多方向引裂き性を有する、包装用フィルムやテープ用フィルムとして有用なポリプロピレン系積層フィルムを提供しようとするものである。
上記目的を達成するため、本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、プロピレン系ブロック共重合樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー微粒子を0.01〜1.0重量部含有する表層(B)とポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜0.4μmの無機質フィラーを1.5〜6重量部含有する基層(A)からなる積層フィルムであって、樹脂該積層フィルムの厚みが50μm以下、全光線透過率が50%以下かつ、表層(B)の全厚みに対する割合が5〜60%であることを特徴とする。
この場合において、基層(A)の結晶化温度を90〜110℃とすることができる。
また、有機ポリマー微粒子をアクリル酸系モノマー、メタアクリル酸系モノマー又はスチレン系モノマーから選ばれた1種又は2種以上のモノマー成分から形成されてなるものとすることができる。
さらにまた、無機質フィラーを二酸化チタンとすることができる。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムによれば、ポリプロピレン系積層フィルムを包装用のテープや包装袋としたときに、手で容易にあらゆる方向に引裂いて開封することができる。
以下、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの実施の形態を説明する。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、プロピレン系ブロック共重合樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー微粒子を0.01〜1.0重量部含有する表層(B)とポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜0.4μmの無機質フィラーを1.5〜6重量部含有する基層(A)からなる積層フィルムであって、前記積層フィルムの厚みが50μm以下、全光線透過率が50%以下かつ、表層(B)の全厚みに対する割合が5〜60%であることを特徴とする少なくとも一方向に延伸されてなるポリプロピレン系積層フィルムに関するものである。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、プロピレン系ブロック共重合樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー微粒子を0.01〜1.0重量部含有する表層(B)とポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜0.4μmの無機質フィラーを1.5〜6重量部含有する基層(A)からなる積層フィルムであって、前記積層フィルムの厚みが50μm以下、全光線透過率が50%以下かつ、表層(B)の全厚みに対する割合が5〜60%であることを特徴とする少なくとも一方向に延伸されてなるポリプロピレン系積層フィルムに関するものである。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)及び基層(A)を形成するのに用いるポリプロピレン樹脂としては、アイソタクチックポリプロピレンのほか、その融点が約130〜163℃のプロピレンを主成分としたα−オレフィンモノマーとのランダム共重合体であってもよく、また、これらの混合物であってもよい。上記α−オレフィンモノマーとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などがあるが、エチレン、ブテン−1が特に好ましい。また、上記範囲の融点を有する共重合体は、各種の方法により、1種以上のα−オレフィンモノマーを共重合したポリプロピレン系重合体から入手可能である。ポリプロピレン樹脂のメルトフローインデックス(MI)(230℃)は1〜10g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは2〜5g/10分である。
本発明のフィルムは、ポリプロピレン樹脂からなる基層(A)の結晶化温度は混合樹脂からなる表層(B)の結晶化温度より低い温度であることが好ましく、基層(A)を形成するのに用いるポリプロピレン樹脂の結晶化温度は表層(B)を形成するのに用いるポリプロピレン樹脂の結晶化温度より低い温度、好ましくは5〜10℃程度低い温度であることが好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)を形成するのに用いるポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂などを示すことができる。
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)を形成するのに用いるプロピレン系ブロック共重合樹脂としては、150〜163℃の融点を有し、プロピレンを主体とする重合体成分とエチレン−プロピレン共重合体成分、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体成分あるいはプロピレン−ブテン共重合体成分等のプロピレン系共重合体成分とを連続的に生成して得られるプロピレン系ブロック共重合樹脂であって、例えば、プロピレン−エチレン−ブロック共重合樹脂、プロピレン−エチレン−ブテンブロック共重合樹脂あるいはプロピレン−ブテンブロック共重合樹脂などを示すことができる。
このとき、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂またはエチレンーブロック共重合ポリプロピレン樹脂を40〜90wt%/10〜60wt%の割合で混合することが好ましい。
このとき、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂またはエチレンーブロック共重合ポリプロピレン樹脂を40〜90wt%/10〜60wt%の割合で混合することが好ましい。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)は、平均粒子径が0.1〜5.0μmの有機ポリマー微粒子を表層を形成する混合樹脂100重量部に対し0.01〜1.0重量部含有する。その平均粒子径は0.5〜3.0μmであることが好ましく、その含有量は、0.2〜0.7重量部であることが好ましい。の平均粒有機ポリマー微粒子径が0.1μm未満では耐ブロッキング性にその効果がなく、逆に、5.0μmを越えるとフィッシュ・アイ等の発生によりフィルムの外観が悪化するので好ましくない。また、不活性微粒子の含有量は0.01重量部未満では耐ブロッキング性にその効果がなく、逆に、1.0重量部を越えるとフィルムの外観が悪化したり、フイルムから脱落するので好ましくない。かかる不活性微粒子は1種類でもよいし、平均粒子径の異なるもの又は種類の異なるものを2種類以上併用してもよい。有機ポリマー微粒子の形状は実質的に球状であるのが好ましい。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)に含有するのに用いる有機ポリマー微粒子は、前記表層(B)を形成する混合樹脂の溶融成形温度で非溶融であり、かつ同温度に耐える耐熱性を有するものが好ましく、付加重合法で得たものであってもよいし、重縮合や重付加反応法で得たものでもよい。また、該微粒子を構成するポリマーは非架橋タイプであっても架橋タイプであってもよいが、耐熱性の点から架橋タイプの方が推奨される。ポリマーを微粒子化する方法も特に制限されないが、乳化重合や懸濁重合等の方法を用い、重合時に直接微粒子化する方法が好適である。これらの重合方法を採用する場合は、自己乳化性を付与し得る特殊構造の極性モノマーを少量共重合する手段を採用してもよい。
上記架橋タイプの有機ポリマー微粒子の材料としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体;メラミン系樹脂;ペンゾグアナミン系樹脂;フェノール系樹脂;シリコーン系樹脂等を挙げることができる。上記材料のうち、アクリル系単量体と架橋性単量体との共重合体の使用が特に好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの基層(A)に含有するのに用いる無機質フィラーとしては、ポリプロピレン樹脂に不溶性で、かつ不活性なものであれば特に制限はないが、その平均粒子径が0.8〜3.5μmであることが好ましい。フイラーが少ないと隠蔽性・遮光性に劣り、多いと製膜性、カット性が劣る。
具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等の金属酸化物;カオリン、ゼオライト、セリサイト、セピオライト等の複合酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩等が挙げることができるが、酸化チタンが屈折率が高く、隠蔽性・遮光性付加に有利であり好ましい。
具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等の金属酸化物;カオリン、ゼオライト、セリサイト、セピオライト等の複合酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩等が挙げることができるが、酸化チタンが屈折率が高く、隠蔽性・遮光性付加に有利であり好ましい。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの基層(A)の結晶化温度は、表層(B)の結晶化温度より低い温度、特に好ましくは5〜10℃程度低い温度であるのが好ましい。各層の結晶化温度は、それぞれの層で複数の結晶化ピーク温度が得られたときは、基層(A)について一番高い結晶化ピーク温度、表層(B)ついて一番高い結晶化ピーク温度をそれぞれ基層(A)及び表層(B)の結晶化温度とする。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)の厚みは全厚みの5〜60%、好ましくは10〜40%であるのが好ましい。表層(B)の厚みが全厚みの5%未満の場合は、得られるフィルムが伸びやすくなり、多方向引裂き性が損なわれ実用上支障がでる。また表層(B)の厚みが全厚みの60%を越えると実用強度が低下し、取扱い性や加工性が損なわれる。また、基層(A)と表層(B)の積層は3層(B/A/B)又は2層(B/A)の構成のどちらでもよい。本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、2層構成の場合、特に白色タイプの包装用フィルムとしては、印刷をしたときに表面が発泡していると、意匠性を損なう場合があるため、発泡していない層を表層とするのが好ましい。
さらに、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの厚みは本発明フィルムの主な用途である包装用袋や粘着テープなどで使用する場合12〜50μmであり、この範囲であれば特に限定されるものではないが、取扱い性の点より20〜40μmであることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムの長手方向の破断伸度は幅方向の破断伸度の2〜4倍、特に2.5〜3.5倍であることが好ましい。長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の2倍以下であると、グラビア印刷等の加工の際、フィルムが切断することがあり、また、4倍以上であると、フィルムの伸びにより多方向引裂き性が低下することがある。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の各種添加剤、例えば滑剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。特に表層(B)を形成する混合樹脂は加工性に適した滑り性を得るため、ポリオキシエチレン、ステアリルアミン、モノステアリン酸エステル、ステアリン酸モノグリセリンエステル等の化合物が少量含有することは任意である。
次に、本発明のポリプロピレン系積層フィルムの製造法の一例を説明する。本発明のポリプロピレン系積層フィルムの表層(B)を形成するのに用いる樹脂と基層(A)を形成するのに用いる樹脂を複数の押出機等の中で、融点以上の温度で別々に溶融し、ダイス出口から押出して未延伸フィルムを成形し、得られた未延伸フィルム同士を加温状態でラミネートする方法をあげることができる。別の方法としては、一方の未延伸フィルムの表面に、他方の溶融フィルムを溶融ラミネートする方法がある。さらに別の方法としては、複合アダプターを通過させ、共押出法により積層した状態でダイス出口より押出して未延伸フィルムを成形する方法がある。未延伸フィルムは2種3層(B/A/B)又は2種2層(B/A)として冷却固化し成形する。
未延伸フィルムは、延伸工程では面積倍率で4〜55倍程度、好ましくは8〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法、インフレーション法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
逐次2軸延伸を行う場合の条件としては、まず縦方法に、100〜150℃に加熱した周速差を有するロール間で3〜8倍程度延伸し、次いで幅方向にテンター延伸機を用いて140〜170℃程度の温度で4〜10倍程度延伸する。
この延伸フィルムを基層(A)の融点よりも高く、かつ表層(B)の融点よりも低い温度で熱処理を行う。この熱処理では、必要に応じて弛緩処理を行ってもよいことはいうまでもない。
このように延伸熱処理して得られたフィルムに、さらに、フィルムに対して、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、火炎処理などを行い、接着性を向上させることは何ら差し支えない。これらの処理はフィルム製造工程の中で行う、いわゆる、インライン処理で行ってもよいし、製造されたフィルムに後工程として処理する、いわゆる、オフライン処理で行ってもよい。
前記の熱処理により、フィルムの基層(A)は延伸による分子配向が殆ど崩壊し、表層(B)は分子配向を維持し剛性を確保しているが、混合樹脂が非相溶性であることと不活性微粒子の作用のために多方向引裂き性を有し、これらが積層されていることで本発明の特性を有するフィルムが得られていると考えられる。そしてこれは、基層(A)の結晶化温度を表層(B)の結晶化温度より低い温度となるように設定した樹脂の組み合わせにより達成されているものである。
本発明は前記のごとく、製膜ラインでの延伸後の熱処理により分子配向が殆ど崩壊し、剛性が失われた基層(A)と、分子配向を維持したポリプロピレン樹脂本来の特性を有するが、非相溶な混合樹脂と不活性粒子とが相分離した表層(B)とのバランスにより、目的とするフィルム特性を自在に設定できる利点を有するとともに、分子配向を維持した表層が存在し最小限のフィルム強度を維持できる。しかし、基層(A)の分子配向の低下によりフィルム剛性が低下するためフィルム滑りが悪く、加工時のフィルム切断等が発生する。フィルムの表面粗さを調整することで滑り性が得られ製膜での破断トラブル等も防止できる利点を有する。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本明細書における特性評価は下記の方法で行った。
(a)融点
基層(A)及び表層(B)を形成する樹脂をそれぞれ、JIS K−7121に準拠し、示差走査熱量測定法により加熱し、溶融ピーク温度を測定して融点とした。
基層(A)及び表層(B)を形成する樹脂をそれぞれ、JIS K−7121に準拠し、示差走査熱量測定法により加熱し、溶融ピーク温度を測定して融点とした。
(b)結晶化温度
基層(A)及び表層(B)と同一組成の単層フィルムをそれぞれ作成し、得られたフィルムを用いて、JIS K−7121に準拠し、示差走査熱量測定法により、フィルムを加熱、溶融した後、10℃/minの速度で冷却し、結晶化ピーク温度を測定してそれぞれ基層(A)及び表層(B)の結晶化温度とした。
各層の結晶化温度は、それぞれの層で複数の結晶化ピーク温度が測定されたときは、基層(A)について一番高い結晶化ピーク温度、表層(B)ついて一番高い結晶化ピーク温度をそれぞれ基層(A)及び表層(B)の結晶化温度とした。
基層(A)及び表層(B)と同一組成の単層フィルムをそれぞれ作成し、得られたフィルムを用いて、JIS K−7121に準拠し、示差走査熱量測定法により、フィルムを加熱、溶融した後、10℃/minの速度で冷却し、結晶化ピーク温度を測定してそれぞれ基層(A)及び表層(B)の結晶化温度とした。
各層の結晶化温度は、それぞれの層で複数の結晶化ピーク温度が測定されたときは、基層(A)について一番高い結晶化ピーク温度、表層(B)ついて一番高い結晶化ピーク温度をそれぞれ基層(A)及び表層(B)の結晶化温度とした。
(c)メルトインデックス
JIS−K−7210に準拠し測定した。
JIS−K−7210に準拠し測定した。
(d)引裂き性
官能テストで行い、幅100mm・長さ100mmのサンプル10枚を手で切断するとき、いずれの方向へも爪をあてがうことにより容易に切断できるものを○、方向性を有し容易に手で切断できないものを×、切り口が毛羽立ち抵抗感が強いものを△とした。
官能テストで行い、幅100mm・長さ100mmのサンプル10枚を手で切断するとき、いずれの方向へも爪をあてがうことにより容易に切断できるものを○、方向性を有し容易に手で切断できないものを×、切り口が毛羽立ち抵抗感が強いものを△とした。
(e)全光線透過率
日本電飾工業社製1001DPを用い、JIS−K−7105に準拠し測定した。
日本電飾工業社製1001DPを用い、JIS−K−7105に準拠し測定した。
(f)平均粒子径
球状またはサイコロ状あるいはその中間形状を有する粒子については、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S−510型)を用いて10000倍で観察し、任意の100個の粒子の平均径を用いて評価する。それ以外の形状を有する粒子は、粉体をEGスラリー中に高速攪拌により充分に分散して得られたスラリー中における粒度分布を島津製作所製光透過形遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP3型を用いて測定した分布における積算50%の値を用いる。
滑剤粒子を(株)日立製作所製S−510型走査型電子顕微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、滑剤の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェレ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。
ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100 (%)
球状またはサイコロ状あるいはその中間形状を有する粒子については、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S−510型)を用いて10000倍で観察し、任意の100個の粒子の平均径を用いて評価する。それ以外の形状を有する粒子は、粉体をEGスラリー中に高速攪拌により充分に分散して得られたスラリー中における粒度分布を島津製作所製光透過形遠心沈降式粒度分布測定機SA−CP3型を用いて測定した分布における積算50%の値を用いる。
滑剤粒子を(株)日立製作所製S−510型走査型電子顕微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、滑剤の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェレ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。
ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100 (%)
(実施例1)
融点が160℃のプロピレンーエチレンーブロック共重合樹脂:サンアロマ−社製PC684S(エチレン成分12wt%、MI=6g/10分)50重量部と、融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)50重量部にPMMA粒子:日本触媒社製エポスターMA1002(平均粒子径2.0μm)0.5重量部の割合で溶融混合した不活性微粒子含有ポリプロピレン樹脂50.5重量部との混合樹脂からなる表層(B)(結晶化温度117℃)と、融点が133℃のプロピレンーエチレンーランダム共重合樹脂:住友化学社製S131(エチレン成分5.5wt%、MI=1.5g/10分)40重量部と融点が159℃のポリプロピレン樹脂:住友化学社製FS2011DG3(エチレン成分0.6wt%、MI=2.5g/10分)50重量部とマスターチップ:大日精化社製PPM7862W(融点が159℃のポリプロピレン樹脂40wt%、酸化チタン(平均粒子径0.2μm)60wt%のマスターバッチ)10重量部を混合したポリプロピレン樹脂からなる基層(A)(結晶化温度102℃)とを各々260℃の温度で別々の押出機により溶融し、複合アダプターで合流積層し、次いで、Tダイから押出し、冷却ドラムで急冷して(B/A/B)構成の3層の未延伸積層フィルムを得た。
融点が160℃のプロピレンーエチレンーブロック共重合樹脂:サンアロマ−社製PC684S(エチレン成分12wt%、MI=6g/10分)50重量部と、融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)50重量部にPMMA粒子:日本触媒社製エポスターMA1002(平均粒子径2.0μm)0.5重量部の割合で溶融混合した不活性微粒子含有ポリプロピレン樹脂50.5重量部との混合樹脂からなる表層(B)(結晶化温度117℃)と、融点が133℃のプロピレンーエチレンーランダム共重合樹脂:住友化学社製S131(エチレン成分5.5wt%、MI=1.5g/10分)40重量部と融点が159℃のポリプロピレン樹脂:住友化学社製FS2011DG3(エチレン成分0.6wt%、MI=2.5g/10分)50重量部とマスターチップ:大日精化社製PPM7862W(融点が159℃のポリプロピレン樹脂40wt%、酸化チタン(平均粒子径0.2μm)60wt%のマスターバッチ)10重量部を混合したポリプロピレン樹脂からなる基層(A)(結晶化温度102℃)とを各々260℃の温度で別々の押出機により溶融し、複合アダプターで合流積層し、次いで、Tダイから押出し、冷却ドラムで急冷して(B/A/B)構成の3層の未延伸積層フィルムを得た。
得られた未延伸積層フィルムを、まず、縦方向に130℃で5倍、次いで、横方向に155℃で8.5倍に延伸した後、3%の弛緩を行いつつ160℃の温度で熱処理を行い(B)層の一方の表面にコロナ放電処理を施した上で、フィルムワインダーにより巻き取ってフィルムを得た。最終的なフィルム厚みは40μmであった。このフィルムのB/A/B各層の厚み比率はそれぞれ2/21/2の比率であった。
かくして得られたフィルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。また、かかるフィルムは製膜及びスリット時、さらにグラビア印刷時にも破断等のトラブルはなく生産性も良好であった。
(実施例2)
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ4/17/4に変更して延伸後40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムも実施例1よりも少し抵抗はあるが多方向引裂き性のあるフィルムが得られた。
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ4/17/4に変更して延伸後40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムも実施例1よりも少し抵抗はあるが多方向引裂き性のあるフィルムが得られた。
(実施例3)
融点が160℃のプロピレンーエチレンーブロック共重合樹脂:サンアロマ−社製PC684S(エチレン成分12wt%、MI=6g/10分)50重量部と、融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)50重量部にPMMA粒子:日本触媒社製エポスターMA1002(平均粒子径2.0μm)0.5重量部の割合で溶融混合した不活性微粒子含有ポリプロピレン樹脂50.5重量部との混合樹脂に酸化チタン(平均粒子径0.2μm)6重量部を配合して得た表層(B)(結晶化温度117℃)と、融点が133℃のプロピレンーエチレンーランダム共重合樹脂:住友化学社製S131(エチレン成分5.5wt%、MI=1.5g/10分)40重量部と融点が159℃のポリプロピレン樹脂:住友化学社製FS2011DG3(エチレン成分0.6wt%、MI=2.5g/10分)60重量部とを混合したポリプロピレン樹脂からなる基層(A)(結晶化温度 102℃)とを、各々260℃の温度で別々の押出機により溶融複合アダプターで合流積層し、次いで、Tダイより押出しした以外はすべて実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で40μmのフィルムを得た。
得られた積層フィルムは引裂き性のあるフィルムであるがフィルム表面の光沢性に劣るものとなった。
融点が160℃のプロピレンーエチレンーブロック共重合樹脂:サンアロマ−社製PC684S(エチレン成分12wt%、MI=6g/10分)50重量部と、融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)50重量部にPMMA粒子:日本触媒社製エポスターMA1002(平均粒子径2.0μm)0.5重量部の割合で溶融混合した不活性微粒子含有ポリプロピレン樹脂50.5重量部との混合樹脂に酸化チタン(平均粒子径0.2μm)6重量部を配合して得た表層(B)(結晶化温度117℃)と、融点が133℃のプロピレンーエチレンーランダム共重合樹脂:住友化学社製S131(エチレン成分5.5wt%、MI=1.5g/10分)40重量部と融点が159℃のポリプロピレン樹脂:住友化学社製FS2011DG3(エチレン成分0.6wt%、MI=2.5g/10分)60重量部とを混合したポリプロピレン樹脂からなる基層(A)(結晶化温度 102℃)とを、各々260℃の温度で別々の押出機により溶融複合アダプターで合流積層し、次いで、Tダイより押出しした以外はすべて実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で40μmのフィルムを得た。
得られた積層フィルムは引裂き性のあるフィルムであるがフィルム表面の光沢性に劣るものとなった。
(比較例1)
表層(B)を、融点が160℃のプロピレンーエチレンーブロック共重合樹脂:サンアロマ−社製PC684S(エチレン成分12wt%、MI=6g/10分)50重量部と融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)50重量部との混合樹脂からなる表層(B)(結晶化温度117℃)とした以外は、すべて実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムは実施例1よりも少し抵抗はあるが多方向引裂き性のあるフィルムが得られた。しかし切り口が毛羽立ち、切り口の見栄えが悪いものであった。
表層(B)を、融点が160℃のプロピレンーエチレンーブロック共重合樹脂:サンアロマ−社製PC684S(エチレン成分12wt%、MI=6g/10分)50重量部と融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)50重量部との混合樹脂からなる表層(B)(結晶化温度117℃)とした以外は、すべて実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムは実施例1よりも少し抵抗はあるが多方向引裂き性のあるフィルムが得られた。しかし切り口が毛羽立ち、切り口の見栄えが悪いものであった。
(比較例2)
表層(B)を、融点が133℃のプロピレンーエチレンーランダム共重合樹脂:住友化学社製S131(エチレン成分5.5wt%、MI=1.5g/10分)30重量部と、融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)70重量部にPMMA粒子:日本触媒社製エポスターMA1002(平均粒子径2.0μm)を0.3重量部の割合で溶融混合した不活性微粒子含有ポリプロピレン樹脂30.3重量部とに変更した表層(B)(結晶化温度106℃)とした以外はすべて実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。しかし、巻物のフィルムを巻き出すと、そのままフィルムが切断することが多く、生産性が悪いものであった。
表層(B)を、融点が133℃のプロピレンーエチレンーランダム共重合樹脂:住友化学社製S131(エチレン成分5.5wt%、MI=1.5g/10分)30重量部と、融点が163℃のポリプロピレン樹脂:出光石油化学社製F300S(ポリプロピレン単独重合体:MI=2.5g/10分)70重量部にPMMA粒子:日本触媒社製エポスターMA1002(平均粒子径2.0μm)を0.3重量部の割合で溶融混合した不活性微粒子含有ポリプロピレン樹脂30.3重量部とに変更した表層(B)(結晶化温度106℃)とした以外はすべて実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。しかし、巻物のフィルムを巻き出すと、そのままフィルムが切断することが多く、生産性が悪いものであった。
(比較例3)
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ10/5/10に変更して40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムは多方向引裂き性はなかった。
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ10/5/10に変更して40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムは多方向引裂き性はなかった。
(比較例4)
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ130℃の温度で熱処理を行って40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムに多方向引裂き性はなかった。
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ130℃の温度で熱処理を行って40μmのフィルムを得た。かくして得られたフィルムに多方向引裂き性はなかった。
(比較例5)
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ170℃の温度で熱処理を行おうとしたが、溶融してフィルムは得られなかった。
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ170℃の温度で熱処理を行おうとしたが、溶融してフィルムは得られなかった。
実施例、比較例で得られたフィルムの評価結果を表1に示す
以上、本発明のポリプロピレン系積層フィルムについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、手で容易にあらゆる方向に引裂いて開封することができるという特性を有していることから、包装用の袋の用途に好適に用いることができるほか、例えば包装用のテープの用途にも用いることができる。
Claims (4)
- ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、プロピレン系ブロック共重合樹脂あるいはこれらの混合物100重量部に対して平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー微粒子を0.01〜1.0重量部含有する表層(B)とポリプロピレン樹脂100重量部に対して平均粒子径0.1〜0.4μmの無機質フィラーを1.5〜6重量部含有する基層(A)からなる積層フィルムであって、樹脂該積層フィルムの厚みが50μm以下、全光線透過率が50%以下かつ、表層(B)の全厚みに対する割合が5〜60%であることを特徴とする少なくとも一方向に延伸されてなるポリプロピレン系積層フィルム。
- 基層(A)の結晶化温度が、90〜110℃であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 有機ポリマー微粒子が、アクリル酸系モノマー、メタアクリル酸系モノマー又はスチレン系モノマーから選ばれた1種又は2種以上のモノマー成分から形成されてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリプロピレン系積層フィルム。
- 無機質フィラーが、二酸化チタンであることを特徴とする請求項3記載のポリプロピレン系積層フィルム。
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-
2004
- 2004-12-28 JP JP2004379171A patent/JP2006181915A/ja active Pending
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