JP3514202B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法に関し、詳しくは、有機バインダを
含むセラミックグリーンシートを積層してなる積層体
を、ダイシングブレードを用いて湿式工法により切断す
る工程を経て製造される積層セラミック電子部品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、積層セラミックコンデンサなど
の積層セラミック電子部品は、有機バインダを含むセラ
ミックグリーンシートに電極(内部電極)を配設したシ
ートを積層するとともに、その外側に電極を配設してい
ない外層用シートを積層することにより形成された積層
体を、ダイシングブレードを用いて切断(いわゆる、ダ
イシングカット)して個々の素子に分割する工程を経て
製造されるものが多い。
【0003】なお、積層体を切断するにあたっては、通
常、切削屑によるダイシングブレードの目詰りを防止し
て寿命の延長や切削速度の向上を図る目的で、あるい
は、放熱を促進する目的で、切断部分(切削箇所)に注
水しながら切断を行う、いわゆる湿式工法が用いられて
いる。
【0004】そして、切断後に、個々の素子を乾燥し
て、付着した水分を除去し、所定の条件で熱処理するこ
とにより、脱バインダ及び焼成を行った後、外部電極を
形成するようにしている。なお、切断後の素子の乾燥
は、確実性や生産効率の見地から、通常、100℃前後
の比較的高い温度で行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、ダイシングブレードを用いて積層体を切断した場
合、被切削物である積層体の切削屑が発生する。特に厚
みの大きい積層体を高速で切断する場合、注水を行いな
がら切断を行っても、切断された個々の素子間にたまっ
た切削屑は十分に除去されず、残留してしまうことが少
なくない。
【0006】そして、残留した切削屑は水分を含有した
状態で、素子の切断面に付着しているため、そのまま1
00℃前後の温度で乾燥を行った場合、切削屑及び素子
に含まれる有機バインダが軟化して切削屑が素子に融着
してしまい、焼成後に得られる製品に、形状不良品や寸
法不良品が発生し、歩留まりの低下を招くという問題点
がある。
【0007】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、ダイシングブレードを用いて湿式工法により切断
する工程を経て製造される積層セラミック電子部品を、
寸法不良などの発生を抑えて、効率よく製造することが
可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品の
製造方法は、有機バインダを含むセラミックグリーンシ
ートを積層してなる積層体を、ダイシングブレードを用
いて湿式工法により切断して個々の素子に切断する切断
工程と、切断された個々の素子を、水分含有率が0.1
5重量%以下になるように、有機バインダの軟化温度以
下の温度で予備乾燥することにより、前記切断工程で素
子に付着した切削屑を素子から剥離させる予備乾燥工程
と、予備乾燥された個々の素子を、有機バインダの軟化
温度を超える温度で本乾燥させる本乾燥工程と、本乾燥
された個々の素子を、所定の条件で熱処理して焼成する
焼成工程とを具備することを特徴としている。
【0009】有機バインダを含む積層体を切断した個々
の素子を、水分含有率が0.15重量%以下になるまで
予備乾燥することにより、素子に付着した切削屑が素子
から剥離して落下する。したがって、その後の本乾燥工
程で、有機バインダの軟化温度を超える温度で本乾燥を
行った場合にも、切削屑の付着の程度を大幅に軽減し
て、形状不良や寸法不良などの発生を抑制、防止するこ
とが可能になる。また、予備乾燥を有機バインダの軟化
温度以下の温度で行うことにより、切断工程で発生した
切削屑が切断された個々の素子に付着している場合に
も、切削屑が素子に融着してしまうことを確実に防止す
ることが可能になる。なお、本願発明において、「素子
を、所定の条件で熱処理して焼成する焼成工程」とは、
素子中に含まれる有機バインダや可塑剤などの有機成分
を除去する脱脂の工程や、セラミックを焼結させる本焼
成の工程などを含む広い概念である。
【0010】また、請求項2の積層セラミック電子部品
の製造方法は、有機バインダを含むセラミックグリーン
シートを積層してなる積層体を、加熱によって粘着力が
低下する粘着シートに貼り付けた状態で、ダイシングブ
レードを用いて湿式工法により切断して個々の素子に切
断する切断工程と、切断された個々の素子を、水分含有
率が0.15重量%以下になるように、有機バインダの
軟化温度以下の温度で予備乾燥することにより、前記切
断工程で素子に付着した切削 屑を素子から剥離させる
備乾燥工程と、予備乾燥された素子を、有機バインダの
軟化温度を超えるとともに、粘着シートの粘着力が低下
して、素子が粘着シートから剥離するような温度条件で
本乾燥させる本乾燥工程と本乾燥された個々の素子を、
所定の条件で熱処理して焼成する焼成工程とを具備する
ことを特徴としている。
【0011】積層セラミック電子部品を製造する場合、
有機バインダを含むセラミックグリーンシートを積層し
てなる積層体を、加熱によって粘着力が低下する粘着シ
ートに貼り付けた状態で、ダイシングブレードによる湿
式工法により切断する場合があるが、そのような場合に
も、水分含有率が0.15重量%以下になるまで素子を
予備乾燥することにより、素子に付着した切削屑を素子
から剥離させることが可能になる。したがって、その後
の本乾燥工程で、有機バインダの軟化温度を超える温度
で本乾燥を行った場合にも、切削屑の付着の程度を大幅
に軽減して、形状不良や寸法不良などの発生を抑制、防
止することが可能になるとともに、粘着シートを加熱し
てその粘着力を低下させ、素子を粘着シートから容易に
剥離することが可能になり、積層セラミック電子部品を
効率よく製造することが可能になる。また、予備乾燥を
有機バインダの軟化温度以下の温度で行うようにしてい
るので、切断工程で発生した切削屑が切断された個々の
素子に付着している場合にも、切削屑が素子に融着して
しまうことを確実に防止することが可能になる。
【0012】また、請求項3の積層セラミック電子部品
の製造方法は、前記予備乾燥を減圧下で行うことを特徴
としている。
【0013】予備乾燥を減圧下で行うことにより、低温
下でも、速やかに乾燥を行うことが可能になり、生産性
を低下させることなく、形状不良や寸法不良などの発生
を抑制、防止することが可能になり、本願発明をさらに
実効あらしめることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0015】[実施形態1] なお、この実施形態1では、表面に内部電極形成用の導
電性ペーストを所定のパターンで印刷したセラミックグ
リーンシートを所定枚数積層するとともに、さらに、そ
の外側に電極ペーストを印刷していないセラミックグリ
ーンシート(外層用シート)を積層、圧着してなる積層
体(マザー積層体)を、ダイシングブレードを用いて湿
式工法で切断した後、乾燥し、脱バインダと本焼成を行
った後、外部電極を形成することにより、図4に示すよ
うな構造を有する積層セラミックコンデンサを製造する
場合を例にとって説明する。
【0016】なお、この積層セラミックコンデンサ(図
4)は、素子1の内部に、セラミック層2を介して、複
数層の内部電極(容量電極)3a,3bが配設され、か
つ、素子1の両端部には、交互に逆側の端面に引き出さ
れた内部電極3a,3bと導通するように外部電極4
a,4bが配設された構造を有している。
【0017】[積層体の形成工程] 内部電極形成用の電極ペーストを印刷したセラミックグ
リーンシートを所定枚数積層し、さらにその外側に電極
ペーストの印刷されていないセラミックグリーンシート
を積層、圧着することにより厚みが2mmの積層体を形成
する。なお、セラミックグリーンシートとしては、軟化
温度が約62℃のバインダ(この実施形態ではポリビニ
ルブチラールを使用)を含むセラミックグリーンシート
を用いた。
【0018】[切断工程] それから、積層体を粘着シートに貼り付け、ダイサーを
用いて、切断箇所に注水しながら400mm/secの速度
で積層体を切断し、個々の素子(未焼成の素子)を切り
出す。なお、粘着シートとしては、加熱すると気泡が生
じて、粘着力が低下するように構成された熱剥離粘着剤
からなる発泡粘着シートを用いた。
【0019】また、ダイシングブレードとしては、外周
部に、深さが1mm、幅1mmの溝が4個、周方向に等しい
間隔をおいて形成された、厚みが200μmのダイシン
グブレードを使用した。
【0020】[予備乾燥工程] 上記の切断工程で切断された個々の素子を、常温で、乾
燥時間を1時間、2時間、3時間、4時間、8時間、2
4時間と変化させて自然乾燥させることにより予備乾燥
を行った。
【0021】[本乾燥工程] 予備乾燥を行った個々の素子を100℃のオーブンに入
れて、約10分間乾燥することにより本乾燥を行うとと
もに、粘着シートの粘着力を低下させて、素子を粘着シ
ートから剥離させた。
【0022】[評価] 予備乾燥後の素子(すなわち、本乾燥前の素子)中の水
分含有率と、本乾燥後の切削屑の付着発生率の関係を調
べた。その結果を表1及び図1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】なお、水分含有率は、予備乾燥後の素子の
重量Aと、本乾燥後の素子の重量Bの差を水分とみなし
て、下記の式(1)から水分含有率を求めた。 水分含有率(重量%)={(A−B)/A }×100 ……(1)
【0025】表1及び図1に示すように、予備乾燥後の
水分含有率が2.50重量%(試料番号1)、0.50
重量%(試料番号2)、及び0.25重量%(試料番号
3)の場合、切削屑の付着発生率がそれぞれ、95%、
23%、及び5%となっているのに対して、水分含有率
が0.15重量%以下の、試料番号4,5,6の場合、
切削屑の付着発生率が0%であった。
【0026】[焼成工程] 上述のようにして予備乾燥及び本乾燥工程を経た素子
を、所定の条件(温度300℃)で熱処理して、素子中
に含まれる有機バインダ、可塑剤などの有機成分を除去
(脱脂)した後、さらに温度を上昇させて、1300℃
で本焼成を行いセラミックを焼結させた。
【0027】[外部電極の形成] 本焼成を行った素子に外部電極形成用の導電性ペースト
を塗布し、所定の温度で熱処理することにより、導電性
ペーストを焼き付けて、内部電極と導通する外部電極を
形成した。これにより、図4に示すように、素子1の内
部に、セラミック層2を介して、複数層の内部電極(容
量電極)3a,3bが配設され、かつ、素子1の両端部
には、交互に逆側の端面に引き出された内部電極3a,
3bと導通するように外部電極4a,4bが配設された
構造を有する積層セラミックコンデンサが得られる。
【0028】なお、上述のように、素子の水分含有率が
0.15重量%以下になるように予備乾燥を行った場合
(試料番号4,5,6)には、製品である積層セラミッ
クコンデンサに寸法不良や形状不良の発生は認められな
かったが、予備乾燥後の素子の水分含有率が0.15重
量%を超えた場合(試料番号1,2,3)、製品である
積層セラミックコンデンサにも、寸法不良や形状不良が
発生することが確認された。
【0029】[実施形態2] 実施形態1においては自然乾燥の方法で行った予備乾燥
を、真空吸引しながら所定の減圧条件下で乾燥させる真
空乾燥の方法で行った他は、上記実施形態1の場合と同
様の方法により積層セラミックコンデンサを製造した。
すなわち、この実施形態2では、上記実施形態1の場合
と同様に、ダイシングブレードを用い、積層体を湿式工
法で切断した素子を、常温、減圧下(真空度=1Torr以
下)の条件で、乾燥時間を0.2時間、0.3時間、
0.5時間、1時間、2時間と変化させて予備乾燥し
た。予備乾燥を行った個々の素子を100℃のオーブン
に入れて、約10分間乾燥することにより本乾燥を行う
とともに、粘着シートの粘着力を低下させて、素子を粘
着シートから剥離させた。
【0030】[評価] 予備乾燥後の素子(すなわち、本乾燥前の素子)中の水
分含有率と、本乾燥後の切削屑の付着発生率の関係を調
べた。その結果を表2及び図2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】また、常温で自然乾燥の方法により素子を
予備乾燥させた場合(実施形態1)と、常温で真空乾燥
の方法により素子を予備乾燥させた場合(実施形態2)
の乾燥時間と素子の水分含有率の関係を図3に示す。
【0033】図3に示すように、実施形態2では、素子
を真空乾燥の方法で予備乾燥させるようにしているの
で、自然乾燥の方法で予備乾燥させる場合に比べて、乾
燥時間を大幅に短縮することが可能になる。すなわち、
例えば、自然乾燥の方法では、水分含有率が0.10重
量%になるまで素子を乾燥させるには8時間を要してい
るが、真空乾燥の方法では、0.5時間の乾燥時間で、
素子の水分含有率を0.10重量%にまで低下させるこ
とが可能になり、生産効率の向上を図ることが可能にな
る。
【0034】また、表2及び図2に示すように、予備乾
燥後の水分含有率が0.30重量%の場合(試料番号
7)、切削屑の付着発生率が7%、水分含有率が0.1
8重量%の場合(試料番号8)切削屑の付着発生率が
0.8%となっているのに対して、水分含有率が0.1
5重量%以下(試料番号9,10,11)になると、切
削屑の付着発生率が0%となることがわかる。
【0035】また、この実施形態2の場合にも、水分含
有率が0.15重量%以下になるように予備乾燥を行っ
た素子については、得られる積層セラミックコンデンサ
(製品)に寸法不良や形状不良の発生は認められなかっ
たが、予備乾燥後の素子の水分含有率が0.15重量%
を超えた場合には、得られる積層セラミックコンデンサ
にも、寸法不良や形状不良が発生することが確認され
た。
【0036】なお、上記実施形態1,2では、予備乾燥
温度を常温とした場合について説明したが、予備乾燥さ
せる素子(積層体)中の有機バインダの軟化温度以下の
温度で、所定の温度に加熱しながら予備乾燥を行うこと
も可能であり、その場合、上記実施形態1,2の場合よ
りも予備乾燥時間を短縮することが可能になる。
【0037】また、上記実施形態1,2では、有機バイ
ンダとして、軟化温度が約62℃の ポリビニルブチラ
ールを含むセラミックグリーンシートを用いたが、有機
バインダの種類はこれに限定されるものではなく、その
他の種々の有機バインダを用いることが可能である。
【0038】また、上記実施形態1,2では、粘着シー
トとして、加熱すると気泡が生じて、粘着力が低下する
ように構成された熱剥離粘着剤からなる発泡粘着シート
を用 いたが、その他の粘着シートを用いることも可能
である。
【0039】また、上記実施形態1,2では、積層体を
粘着シート上に貼り付けた状態で切断するようにした場
合を例にとって説明したが、粘着シートを用いない場合
にも本願発明を適用することは可能である。
【0040】また、上記実施形態1,2では、積層セラ
ミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明した
が、本願発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、
積層バリスタ、多層基板、積層LC部品など、種々の積
層セラミック電子部品を製造する場合に広く適用するこ
とが可能である。
【0041】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の
範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能
である。
【0042】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
積層セラミック電子部品の製造方法は、有機バインダを
含む積層体を切断した個々の素子を、水分含有率が0.
15重量%以下になるまで有機バインダの軟化温度以下
の温度で予備乾燥して切断工程で素子に付着した切削屑
を素子から剥離させるようにしているので、切断工程で
発生した切削屑が切断された個々の素子に付着している
場合にも、切削屑が素子に融着してしまうことを確実に
防止することが可能になり、その後の本乾燥工程で、有
機バインダの軟化温度を超える温度で本乾燥を行った場
合にも、切削屑の付着の程度を大幅に軽減して、形状不
良や寸法不良などの発生を抑制、防止することが可能に
なり、効率よく積層セラミック電子部品を製造すること
が可能になる。
【0043】積層セラミック電子部品を製造する場合、
有機バインダを含むセラミックグリーンシートを積層し
てなる積層体を、加熱によって粘着力が低下する粘着シ
ートに貼り付けた状態で、ダイシングブレードによる湿
式工法により切断する場合があるが、そのような場合に
も、請求項2のように、素子を、水分含有率が0.15
重量%以下になるまで、有機バインダの軟化温度以下の
温度で予備乾燥して切断工程で素子に付着した切削屑を
素子から剥離させることにより、切断工程で発生した切
削屑が切断された個々の素子に付着している場合にも、
切削屑が素子に融着してしまうことを確実に防止するこ
とが可能になり、その後の本乾燥工程で、有機バインダ
の軟化温度を超える温度で本乾燥を行った場合にも、切
削屑の付着の程度を大幅に軽減して、形状不良や寸法不
良などの発生を抑制、防止することが可能になるととも
に、粘着シートを加熱してその粘着力を低下させ、素子
を粘着シートから容易に剥離することが可能になり、積
層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能に
なる。
【0044】また、請求項3の積層セラミック電子部品
の製造方法のように、予備乾燥を減圧下で行うようにし
た場合、低温下でも、速やかに乾燥を行うことが可能に
なり、生産性を低下させることなく、形状不良や寸法不
良などの発生を抑制、防止することが可能になり、本願
発明をさらに実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態1における予備乾燥後の素
子の水分含有率と、切削屑の付着発生率の関係を示す図
である。
【図2】本願発明の実施形態2における予備乾燥後の素
子の水分含有率と、切削屑の付着発生率の関係を示す図
である。
【図3】自然乾燥の方法で素子を予備乾燥させた場合
と、真空乾燥の方法で素子を予備乾燥させた場合の乾燥
時間と素子の水分含有率の関係を示す図である。
【図4】本願発明の実施形態1,2において製造した積
層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 素子 2 セラミック層 3a,3b 内部電極(容量電極) 4a,4b 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−24725(JP,A) 特開 平5−144937(JP,A) 特開 平10−154634(JP,A) 特開 平6−310366(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機バインダを含むセラミックグリーンシ
    ートを積層してなる積層体を、ダイシングブレードを用
    いて湿式工法により切断して個々の素子に切断する切断
    工程と、 切断された個々の素子を、水分含有率が0.15重量%
    以下になるように、有機バインダの軟化温度以下の温度
    で予備乾燥することにより、前記切断工程で素子に付着
    した切削屑を素子から剥離させる予備乾燥工程と、 予備乾燥された個々の素子を、有機バインダの軟化温度
    を超える温度で本乾燥させる本乾燥工程と、 本乾燥された個々の素子を、所定の条件で熱処理して焼
    成する焼成工程とを具備することを特徴とする積層セラ
    ミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】有機バインダを含むセラミックグリーンシ
    ートを積層してなる積層体を、加熱によって粘着力が低
    下する粘着シートに貼り付けた状態で、ダイシングブレ
    ードを用いて湿式工法により切断して個々の素子に切断
    する切断工程と、 切断された個々の素子を、水分含有率が0.15重量%
    以下になるように、有機バインダの軟化温度以下の温度
    で予備乾燥することにより、前記切断工程で素子に付着
    した切削屑を素子から剥離させる予備乾燥工程と、 予備乾燥された素子を、有機バインダの軟化温度を超え
    るとともに、粘着シートの粘着力が低下して、素子が粘
    着シートから剥離するような温度条件で本乾燥させる本
    乾燥工程と本乾燥された個々の素子を、所定の条件で熱
    処理して焼成する焼成工程とを具備することを特徴とす
    る積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記予備乾燥を減圧下で行うことを特徴と
    する請求項1又は2記載の積層セラミック電子部品の製
    造方法。
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